JP2014228625A - ブレ補正装置、レンズ鏡筒および撮影装置 - Google Patents

ブレ補正装置、レンズ鏡筒および撮影装置 Download PDF

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Toshihisa Tanaka
稔久 田中
建太 中村
Kenta Nakamura
建太 中村
篠原 隆之
Takayuki Shinohara
隆之 篠原
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Yasutaka Kawashima
泰登 川島
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Abstract

【課題】制御性能に優れるブレ補正装置、そのブレ補正装置を備えるレンズ鏡筒および撮影装置を提供。
【解決手段】ブレ補正装置は、固定部材140に対して相対移動可能な移動部材130と、移動部材130に備えられ、光学系により結像される像のブレを補正するブレ補正部材L3と、光学系の光軸と交差する平面上において移動部材130を第1軸に沿って移動させる第1駆動部と、移動部材130を第1軸に交差する第2軸に沿って移動させる第2駆動部と、移動部材130を固定部材140に対して相対的移動可能に支持する複数の弾性部材145−1、145−2と、を有し、平面上において、第1軸と第2軸との交点は、ブレ補正部材L3の中心よりも移動部材130の重心に近い位置にあり、複数の弾性部材145−1、145−2のうち、移動部材130の重心に最も近い位置に配置されている第1弾性部材145−1の弾性力は、他の弾性部材の弾性力と異なる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ブレ補正装置、レンズ鏡筒および撮影装置に関する。
手振れなどによる撮像画像のブレを抑制するブレ補正装置としては、種々のものが知られている。たとえば、特許文献1に示すように、カメラのブレに合わせて、光軸に垂直な平面内で補正レンズを移動させるブレ補正装置が知られている。
このような光学式のブレ補正装置においては、可動部材を移動させるための機構の配置や、可動部材の重心の位置などによって、可動部材を移動させる際に回転トルクが発生する場合があった。この回転トルクは、補正レンズを保持する可動部材の位置制御精度に悪影響を与えるおそれがある。
特開2009−169359
本発明の目的は、制御性能に優れるブレ補正装置、そのブレ補正装置を備えるレンズ鏡筒および撮影装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のブレ補正装置(100)は、
固定部材(140)に対して相対的に移動可能な移動部材(130)と、
前記移動部材(130)に備えられ、光学系(L1,L2,L3)により結像される像のブレを補正するブレ補正光学部材(L3)と、
前記光学系(L1,L2,L3)の光軸(L)と交差する平面上において、前記移動部材(130)を第1軸に沿って移動させる第1駆動部(152)と、
前記平面上において、前記移動部材(130)を第1軸に交差する第2軸に沿って移動させる第2駆動部(154)と、
前記移動部材(130)を前記固定部材(140)に対して相対的に移動可能に支持する複数の弾性部材(145)と、を有し、
前記平面上において、前記第1軸と前記第2軸との交点は、前記ブレ補正部材(L3)の中心よりも前記移動部材(130)の重心に近い位置にあり、
前記複数の弾性部材(145)のうち、前記移動部材の重心に最も近い位置に配置されている第1弾性部材(145−1)の弾性力は、他の弾性部材の弾性力と異なることを特徴とする。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの概略ブロック図である。 図2は、図1に示すブレ補正装置の正面斜視図である。 図3は、図2に示すブレ補正装置の背面斜視図である。 図4は、図2および図3に示すブレ補正装置の組立図である。 図5は、図1に示すカメラにおけるブレ補正動作の制御の一例を示す制御ブロック図である。 図6は、図2〜図4に示すブレ補正装置の要部の一例を示す正面図である。 図7は、図6に示すブレ補正装置における弾性部材の配置例を示す。 図8(A)は第1実施形態に係るブレ補正装置の周波数応答特性を示し、図8(B)は第1実施形態に係るブレ補正装置の動作特性を示す。 図9(A)は第1実施形態の比較例の周波数応答特性を示し、図9(B)は第1実施形態の比較例の動作特性を示す。 図10(A)は第2実施形態に係るブレ補正装置の周波数応答特性を示し、図10(B)は第2実施形態に係るブレ補正装置の動作特性を示す。 図11(A)は第2実施形態の比較例の周波数応答特性を示し、図11(B)は第2実施形態の比較例の動作特性を示す。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るカメラ1は、いわゆるコンパクトデジタルカメラであり、カメラボディ1aとレンズ鏡筒2とが一体化してある。なお、以下の実施形態では、コンパクトデジタルカメラを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。たとえば、レンズとカメラボディとが別個に構成される一眼レフデジタルカメラであっても良い。さらに、ミラー機構を省いたミラーレスタイプのカメラであっても良い。また、コンパクトデジタルカメラや一眼レフデジタルカメラに限らず、ビデオカメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、携帯電話などの光学機器にも適用できる。
レンズ鏡筒2は、被写体側から順に、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群(ブレ補正レンズ群)L3を配列して構成された撮像光学系を備えている。また、本実施形態のカメラ1では、第3レンズ群L3の背後(像面側)に、CCDやCMOSに代表される撮像素子3を具備してある。
第1レンズ群L1は、撮像光学系のうち最も被写体側に設けられ、駆動機構6により光軸Lに沿った方向に移動自在に駆動され、ズーミングが可能になっている。第2レンズ群L2は、駆動機構8により光軸Lに沿った方向に移動自在に駆動され、フォーカシングが可能になっている。
第3レンズ群(ブレ補正レンズ群)L3は、ブレ補正装置100の一部を構成する。ブレ補正レンズ群L3は、CPU14からの信号を受けたブレ補正装置100により、光軸Lと交差する面内で移動可能であり、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群(ブレ補正レンズ群)L3により撮像素子3の撮像面に形成される光学像の、カメラの動きに起因する像ブレを低減する。
絞り機構4は、カメラの露光を制御するように駆動機構10により駆動される。撮像素子3は、撮像光学系が撮像面上に結像する被写体像の光に基づいて、電気的な画像出力信号を生成する。その画像出力信号は、信号処理回路16で、A/D変換やノイズ処理されてCPU14へ入力する。
レンズ鏡筒2には、ジャイロセンサなどの角速度センサ12が内蔵してあり、角速度センサ12は、カメラ1に生じる手ブレなどによる角速度を検出し、CPU14に出力する。CPU14には、AFセンサ18からの検出信号も出力され、その検出信号に基づき、駆動機構8を制御し、オートフォーカス(AF)機構を実現している。なお、角速度センサ12は、カメラボディ1aに備えられても良い。
CPU14には、記憶媒体20、不揮発性メモリ22および各種操作ボタン24などが接続されている。記憶媒体20は、CPU14からの出力信号を受けて、撮影画像を記憶したり、読み出されたりするメモリであり、たとえば着脱自在なカード式メモリである。着脱自在なメモリとしては、SDカード等のさまざまなタイプがあるが、特に限定されるものではない。
不揮発性メモリ22は、ジャイロセンサのゲイン値およびホール素子の校正値などの調整値情報が記憶してあり、CPU14と共にカメラの内部に内蔵してある半導体メモリなどで構成される。各種操作ボタン24としては、たとえばレリーズスイッチが例示され、レリーズスイッチを半押しまたは全押しすることで、その信号がCPU14に入力される。
図1に示すブレ補正装置100の構成を図2〜図4を用いて説明する。なお、以下の説明では、光軸Lに平行な軸をZ軸とする。
ブレ補正装置100は、図4に示すように、可動部130および固定部140を備える。固定部140は、図2および図4に示すように、シャッター部110および位置検出部120を含み、これらは、ビス150にて固定部140に固定されている。シャッター部110は、カメラの露光を制御する構成であり、固定部140から独立した構成であってもよい。
位置検出部120には、第1ホール素子122および第2ホール素子124が備えられ、可動部130の位置を検出する。第1ホール素子122は光軸Lに垂直なX軸に検出軸を持ち、第2ホール素子124は光軸Lに垂直なY軸に検出軸を持つ。
第1ホール素子122および第2ホール素子124は、可動部130に備えられる第1磁石132および第2磁石134の磁界を検出して、可動部130の位置を検出する。
可動部130は、第1磁石132、第2磁石134およびブレ補正レンズ群L3を備える。以下の説明では、本実施形態の理解を容易にするために、ブレ補正レンズ群L3を1枚のブレ補正レンズL3として説明する。
可動部130は、引張コイルばね145により、固定部140に取り付けられている。引張コイルばね145は、図3に示す固定部側ばね取付部146と図4に示す可動部側ばね取付部136との間に取り付けられている。引張コイルばね145は、可動部130を固定部140に近づける方向に付勢しており、光軸Lに交差する平面上において、ブレ補正レンズL3のレンズ中心Oを光軸L側に復帰させるように可動部130に力を作用させている。
可動部130は、図4に示す3個のセラミックボール148を介して摺動することで、光軸Lに交差する平面上(たとえば、X軸とY軸を含む面、光軸Lに直交する面)を固定部140に対して相対移動する。なお、引張コイルばね145およびセラミックボール148の数量は、可動部130および固定部140の形状等に合わせて、適宜変更可能である。
可動部130は、可動部130に備えられる第1磁石132および第2磁石134と、固定部140に備えられる第1駆動コイル142および第2駆動コイル144との相互作用によって発生する駆動力により、光軸Lに交差する平面上を移動する。第1磁石132と第1駆動コイル142とが第1VCM152を構成し、第2磁石134と第2駆動コイル144とが第2VCM154を構成している。なお、VCMとはボイスコイルモータの略称である。
図1〜図4に示すブレ補正装置100によるブレ補正動作の一例を図5に示す。ブレ補正装置100は、図5に示すように、目標位置生成部162、減算器164、フィードフォワードコントローラ166、フィードバックコントローラ168および加算器170をさらに備える。これらの構成は、たとえば、図1に示すカメラボディ1aのCPU14が備えても良いし、レンズ鏡筒2のレンズCPU(不図示)が備えても良い。
図1に示す角速度センサ12は、カメラ1に生じるピッチ方向およびヨー方向のブレ角速度信号ω、ω(rad/s)を検出し、目標位置生成部162に出力する。
目標位置生成部162は、ブレ角速度信号ω、ωを積分してブレ角度θ、θ(rad)に変換し、ブレ角度θ、θを光軸に交差する平面に投影して、可動部目標位置x、y(mm)に関する信号を生成する。可動部目標位置x、yに関する信号は、ブレ角速度信号ω、ωに基づくブレを打ち消すための可動部130の目標位置に関する信号である。
この可動部目標位置x、yとホール素子122,124からの可動部位置座標x、y(mm)とを利用して、コイル142,144を駆動するためのコイル駆動電流Ix’、Iy’(A)が生成される。
具体的には、可動部目標位置x、yに関する信号が、フィードフォワードコントローラ166を介して、加算器170に入力される。また、可動部目標位置x、yに関する信号と可動部位置座標x、yに関する信号とが、減算器164およびフィードバックコントローラ168を介して、加算器170に入力される。加算器170は、入力されたこれらの信号を利用して、コイル駆動電流Ix’、Iy’を生成し、第1VCM152(第1駆動コイル142)および第2VCM154(第2駆動コイル144)に出力する。
第1VCM152および第2VCM154にコイル駆動電流Ix’、Iy’が入力されると、図6に示すように、可動部130にX’軸およびY’軸に沿った電磁駆動力が作用する。可動部130は、X’軸およびY’軸に沿った電磁駆動力により、光軸Lに交差する平面上で目標位置に向けて移動される。
図5に示すホール素子122,124のそれぞれは、図6に示すように、可動部130のX軸またはY軸に沿った位置座標を検出して、フィードバックコントローラ168に出力する。ブレ補正動作中においては、角速度センサ12とブレ補正装置100とで上記の制御を繰り返し、ブレ補正を行う。
次に、図6を用いて、本実施形態のブレ補正装置100を、より具体的に説明する。以下の説明では、光軸Lに垂直なX−Y平面上にある相互に垂直な軸をA1軸およびA3軸とする。A1軸とA3軸とは、光軸Lに垂直な平面において光軸Lを通り、相互に垂直である。A1軸およびA3軸は、X軸とY軸とが光軸Lにおいて交差する角度を二等分する。また、A2軸は、可動部130の駆動原点Mを通り且つA1軸に平行であり、A3軸と相互に垂直である。
検出部120は、図4に示すように、第1ホール素子122および第2ホール素子124を備え、図6に示すX軸およびY軸に沿った可動部130の位置座標を検出する。すなわち、第1ホール素子122は、図4に示す可動部130に備えられる第1磁石132のX軸方向の位置を検出し、第2ホール素子124は、第2磁石134のY軸方向の位置を検出する。なお、本実施形態では、X軸とY軸とは光軸Lを通り相互に垂直であるが、光軸Lを通らないで垂直以外の角度で交差しても良い。
本実施形態では、可動部130は、A1軸に対して非対称な形状である。なぜなら、図2および図4に示すように、ブレ補正装置100の小型化等の観点から、シャッター部110がブレ補正装置100に組み込まれており、固定部140の下側の約半分の領域がシャッター部110によって占領されている。このため、図6に示すように、可動部130は、A3軸に沿った長さよりも、A1軸およびA2軸に沿った長さの方が長くなるように構成してあり、固定部140の約上半分の領域に配置される。本実施形態では、可動部130の可動部重心Gは、レンズ中心Oではなく、A2軸に沿ったレンズ中心Oの上側に存在する。なお、可動部130の形状は、A1軸に沿って対称な形状であっても良く、A2軸に沿って非対称な形状であっても良い。
可動部130は、X’軸およびY’軸に沿って、光軸Lに交差する平面上で目標位置に向けて移動される。すなわち、可動部130は、図4に示す第1駆動コイル142と第1磁石132とからなる第1VCM152によるX’軸に沿った電磁駆動力により、X’軸に沿って移動可能である。また、可動部130は、第2駆動コイル144と第2磁石134とからなる第2VCM154によるY’軸に沿った電磁駆動力によって、Y’軸に沿って移動可能である。可動部130が、その駆動中心である駆動原点Mに位置するとき、レンズ中心Oが光軸Lを通る。
本実施形態では、X’軸とY’軸とは、垂直以外の角度で交差しており、X’軸とY’軸とが交差する可動部130の駆動原点Mは、可動部重心Gに一致している。このため、本実施形態では、可動部130を移動させる際に悪影響となる回転成分の影響が除去されており、可動部130の移動に有効な並進成分を効率よく作用させることができる。なお、駆動原点Mは、可動部重心Gに一致していなくてもよい。たとえば、駆動原点Mが、レンズ中心Oよりも可動部重心Gに近い位置に存在している場合には、可動部130を移動させる際の回転成分の影響を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、図6および図7に示すように、可動部重心Gから最も近い位置に配置してある第1バネ145−1のバネ定数K1を、第2バネ145−2のバネ定数K2および第3バネ145−3のバネ定数K3とは異ならせてあるので、可動部130を移動させる際の回転成分の影響がさらに低減されている。以下に説明する。
図6に示すように、可動部130は、第1バネ取付部136−1、第2バネ取付部136−2、第3バネ取付部136−3を有する。第1バネ取付部136−1は、可動部130の外周よりも内側に設けられている。第1バネ取付部136−1は、たとえば、可動部130に形成される孔133内に設けられており、可動部重心Gに向いて突出している。第1バネ145−1は、第1バネ取付部136−1に取り付けられる。
第2バネ取付部136−2および第3バネ取付部136−3は、可動部130の外周側に設けられている。第2バネ取付部136−2および第3バネ取付部136−3は、可動部130の外周側で可動部重心Gから離れる方向に突出している。第2バネ145−2および第3バネ145−3は、第2バネ取付部136−2および第3バネ取付部136−3にそれぞれ取り付けられる。
図7に示すように、第1バネ145−1は、A2軸を挟んで第2バネ145−2および第3バネ145−3とは反対側に配置してあり、第2バネ145−2はA3軸を挟んで第3バネ145−3とは反対側に配置してある。
第1バネ145−1は、可動部重心Gから最も近い位置に配置してあり、可動部重心Gから第1バネ145−1までの距離はD1である。第2バネ145−2は、第1バネ145−1よりも可動部重心Gから離れた位置に配置してあり、可動部重心Gから第2バネ145−2までの距離はD2である。このとき、D2のA2軸に沿った成分をD2_A2とし、D2のA3軸に沿った成分をD2_A3とする。第3バネ145−3は、第1バネ145−1および第2バネ145−2よりも可動部重心Gから離れた位置に配置してあり、可動部重心Gから第3バネ145−3までの距離はD3である。ここで、D3のA2軸に沿った成分をD3_A2とし、D3のA3軸に沿った成分をD3_A3とする。
図6に示す可動部130の並進運動の固有振動数(並進固有振動数)fxyおよび可動部130の可動部重心Gまわりの回転運動の固有振動数(回転固有振動数)fθは、以下の数式1および数式2にて表される。すなわち、可動部130の並進固有振動数fxyおよび回転固有振動数fθは、可動部130と第1バネ145−1〜第3バネ145−3の合成バネ定数により決まる。
Figure 2014228625
Figure 2014228625
なお、上記の数式1および数式2において、mは可動部130(ブレ補正レンズL3、第1磁石132、第2磁石134等を含む)の質量であり、Jは可動部130の重心まわりの慣性モーメントであり、kxyは第1バネ145−1〜第3バネ145−3の並進方向の合成バネ係数であり、kθは第1バネ145−1〜第3バネ145−3の回転方向の合成バネ係数である。
本実施形態では、並進固有振動数fxyよりも回転固有振動数fθが大きい場合の例を説明する。この場合には、以下の数式3に示すように、可動部重心Gの最も近くに配置される第1バネ145−1のバネ定数K1を、第2バネ145−2のバネ定数K2および第3バネ145−3のバネ定数K3よりも大きくする。
Figure 2014228625
上記のように構成した本実施形態のブレ補正装置100の制御性能を図8に示す。また、バネ定数K1とバネ定数K2とバネ定数K3とを等しく構成した比較例の制御性能を図9に示す。第1実施形態の比較例では、可動部の回転固有振動数fθが並進固有振動数fxyよりも大きいが、本実施形態に係るブレ補正装置100とは異なり、バネ定数K1とバネ定数K2とバネ定数K3とを等しく構成してある。なお、図8(A)および図9(A)に示すのは、ボード線図であり、入力に対する出力のゲイン・位相を示す。入力は可動部を駆動する電磁駆動力によって作用する加速度であり、出力は可動部重心位置である。
図9(A)に示すように、第1実施形態の比較例では、周波数H2(Hz)において共振が発生している。これに対して、本実施形態に係るブレ補正装置100では、図8(A)に示すように、周波数H1(Hz)における共振成分が大幅に低減されている。なぜなら、本実施形態では、バネ定数K1をバネ定数K2およびバネ定数K3よりも大きく構成することにより、比較例と比較して、並進固有振動数fxyと回転固有振動数fθとが近づいている。バネ定数K1をバネ定数K2およびバネ定数K3よりも大きく構成することによる並進固有振動数fxyの増加に対して、回転固有振動数fθの増加が小さいからである。その結果、本実施形態のブレ補正装置100では、図8(B)に示すように、可動部130が目標位置に速やかに収束しており、その制御性能が向上されている。
なお、より好適には、第1バネ145−1〜第3バネ145−3は、以下の数式4および数式5を満たすように構成される。この場合には、可動部130を並進動作させる際に可動部130の重心まわりにモーメントが発生しない。
Figure 2014228625
Figure 2014228625
上記のように、本実施形態のブレ補正装置では、可動部と固定部の間に取り付けられる弾性部材の取り付け位置およびそれらの弾性力を調整するのみで、可動部を移動させる際に悪影響となる回転成分の影響を抑制することができる。その結果、本実施形態のブレ補正装置では、可動部の目標位置への収束性や制御安定性等が向上されている。
また、本実施形態では、図5に示すように、ブレ検出部12が検出するブレ角速度信号ωp、ωyと、第1ホール素子122,第2ホール素子124が検出する可動部位置座標x、yとを利用して可動部130の制御を行っているので、可動部130を正確な目標位置に収束させることができる。
本実施形態では、第1ホール素子122,第2ホール素子124の検出軸X,Yに沿った目標位置座標を、可動部130の駆動軸X’,Y’に沿った目標移動量に変換して、可動部130を移動させているので、ブレ補正装置の制御を好適に行うことができる。
第2実施形態
第2実施形態では、可動部130の並進固有振動数fxyよりも回転固有振動数fθが小さい場合の例を説明する。第2実施形態に係るブレ補正装置100は、並進固有振動数fxyよりも回転固有振動数fθが小さいこと以外は、第1実施形態に係るブレ補正装置100と同様であるので、重複する説明は省略する。
本実施形態では、並進固有振動数fxyよりも回転固有振動数fθが小さいので、以下の数式6に示すように、可動部重心Gの最も近くに配置される第1バネ145−1のバネ定数K1を、第2バネ145−2のバネ定数K2および第3バネ145−3のバネ定数K3よりも小さくする。
Figure 2014228625
上記のように構成した本実施形態のブレ補正装置100の制御性能を図10に示す。また、バネ定数K1とバネ定数K2とバネ定数K3とを等しく構成した比較例の制御性能を図11に示す。第2実施形態の比較例では、可動部130の回転固有振動数fθが並進固有振動数fxyよりも小さいが、本実施形態に係るブレ補正装置100とは異なり、バネ定数K1とバネ定数K2とバネ定数K3とを等しく構成してある。なお、図10(A)および図11(A)に示すのは、ボード線図であり、入力に対する出力のゲイン・位相を示す。入力は可動部を駆動する電磁駆動力によって作用する加速度であり、出力は可動部重心位置である。
図11(A)に示すように、第2実施形態の比較例では、周波数H4(Hz)において共振が発生している。これに対して、本実施形態に係るブレ補正装置100では、図10(A)に示すように、周波数H3(Hz)における共振成分が大幅に低減されている。なぜなら、本実施形態では、バネ定数K1をバネ定数K2およびバネ定数K3よりも小さく構成してあるので、比較例と比較して、並進固有振動数fxyと回転固有振動数fθとが近づいている。バネ定数K1をバネ定数K2およびバネ定数K3よりも小さく構成することによる回転固有振動数fθの低下に対して、並進固有振動数fxyの低下が大きいからである。その結果、本実施形態のブレ補正装置100では、図10(B)に示すように、可動部130が目標位置に速やかに収束しており、その制御性能が向上されている。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されない。
上記の実施形態では、図1に示すブレ補正レンズL3を駆動するタイプの光学系移動型ブレ補正装置であるが、本発明においては、図1に示す撮像素子3が移動するタイプの撮像素子移動型ブレ補正装置にも適用することができる。
上記の実施形態では、可動部を駆動する手段として、2個のVCMを適用したが、これに限定されず、たとえば、2個以上のVCMであってもよい。また、圧電アクチュエータ等のその他のアクチュエータを使用してもよい。
上記の実施形態では、可動部の位置を検出する手段として、2個のホール素子を適用したが、これに限定されず、2個以上のホール素子であってもよく、また、PSDセンサ等のその他の位置検出手段を使用してもよい。
100 ブレ補正装置
130 可動部
140 固定部
145−1 第1バネ
145−2 第2バネ
145−3 第3バネ
G 可動部重心
M 駆動原点
O レンズ中心
L3 ブレ補正レンズ

Claims (15)

  1. 固定部材に対して相対的に移動可能な移動部材と、
    前記移動部材に備えられ、光学系により結像される像のブレを補正するブレ補正部材と、
    前記光学系の光軸と交差する平面上において、前記移動部材を第1軸に沿って移動させる第1駆動部と、
    前記平面上において、前記移動部材を第1軸に交差する第2軸に沿って移動させる第2駆動部と、
    前記移動部材を前記固定部材に対して相対的に移動可能に支持する複数の弾性部材と、を有し、
    前記平面上において、前記第1軸と前記第2軸との交点は、前記ブレ補正部材の中心よりも前記移動部材の重心に近い位置にあり、
    前記複数の弾性部材のうち、前記移動部材の重心に最も近い位置に配置されている第1弾性部材の弾性力は、他の弾性部材の弾性力と異なることを特徴とするブレ補正装置。
  2. 前記ブレ補正部材は、少なくとも前記光学系の一部であることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
  3. 前記移動部材の重心まわりの回転固有振動数は、前記移動部材の前記平面内での並進軸に沿った並進固有振動数よりも大きく、かつ、前記第1弾性部材の弾性力は、前記他の弾性部材の弾性力よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレ補正装置。
  4. 前記移動部材の重心まわりの回転固有振動数は、前記移動部材の前記平面内での並進軸に沿った並進固有振動数よりも小さく、かつ、前記第1弾性部材の弾性力は、前記他の弾性部材の弾性力よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレ補正装置。
  5. 前記複数の弾性部材は、前記移動部材を前記固定部材に近づく方向に付勢していることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のブレ補正装置。
  6. 前記他の弾性部材は、第2弾性部材と第3弾性部材とを含むことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のブレ補正装置。
  7. 前記光軸と交差する平面上において前記移動部材の重心と前記第1弾性部材とを結ぶ直線を第3軸とし、前記平面上で前記移動部材の重心を通り且つ前記第3軸に直交する直線を第4軸とした場合に、
    前記第1弾性部材は、前記第4軸を挟んで前記第2弾性部材および前記第3弾性部材とは反対側に配置してあり、
    前記第2弾性部材は、前記第3軸を挟んで前記第3弾性部材とは反対側に配置してあることを特徴とする請求項6に記載のブレ補正装置。
  8. 前記移動部材は、前記第3軸に沿った長さよりも、前記第4軸に沿った長さの方が長いことを特徴とする請求項7に記載のブレ補正装置。
  9. 前記移動部材にはその外周よりも内側に形成される孔部を形成してあり、
    前記第1弾性部材は、前記孔部内に形成される第1取付部に取り付けてあることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のブレ補正装置。
  10. 前記移動部材は、前記移動部材の重心に向かって突出する第1取付部、前記移動部材の重心から離れる方向に突出する第2取付部および第3取付部を有し、
    前記第1弾性部材は、前記第1取付部に取り付けられており、
    前記第2弾性部材および前記第3弾性部材は、前記第2取付部または前記第3取付部に取り付けられていることを特徴とする請求項6から請求項9の何れかに記載のブレ補正装置。
  11. 前記移動部材の重心から前記第1弾性部材までの直線距離をD1とし、
    前記移動部材の重心から前記第2弾性部材までの直線距離をD2、前記D2の前記第1軸成分をD2_1、前記D2の前記第2軸成分をD2_2とし、
    前記移動部材の重心から前記第3弾性部材までの直線距離をD3、前記D3の前記第1軸成分をD3_1、前記D3の前記第2軸成分をD3_2とし、
    前記第1弾性部材の弾性力をK1とし、
    前記第2弾性部材の弾性力をK2とし、
    前記第1弾性部材の弾性力をK3とした場合に、以下の数式1および数式2の条件を満たすことを特徴とする請求項7から請求項10の何れかに記載のブレ補正装置。
    Figure 2014228625
    Figure 2014228625
  12. 前記第2弾性部材は、前記第3弾性部材よりも前記移動部材の重心に近い位置に配置してあることを特徴とする請求項6から請求項11の何れかに記載のブレ補正装置。
  13. 前記第1軸と前記第2軸とが直角以外の角度で交差することを特徴とする請求項1から請求項12の何れかに記載のブレ補正装置。
  14. 請求項1から請求項13の何れかに記載のブレ補正装置を含むレンズ鏡筒。
  15. 請求項1から請求項13の何れかに記載のブレ補正装置を含む光学装置。
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