JP6061503B2 - 画像処理方法、画像処理装置および撮像装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置および撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像回復フィルタ等の画像変換フィルタを用いて画像処理を行う画像処理技術に関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置は、撮影光学系を通して撮像を行うことにより撮影画像を生成する。撮影光学系には、その光軸に直交する方向にシフトして像振れを低減する防振素子(レンズまたは撮像素子)や、焦点距離等を変化させるために用いられる、以下に説明するような液体レンズが用いられる場合がある。
図9には、液体レンズの断面を示している。液体レンズは、互いに混ざり合わない状態で接触して界面Sを形成するように容器に封入された導電性液体と絶縁性液体とにより構成される。導電性液体に電圧を印加して、エレクトロウェッティング現象により導電性液体と絶縁性液体との界面Sの形状を変化させることにより、液体レンズの焦点位置を制御することができる。
上記のような液体レンズは、その光軸が垂直方向を向いている状態では界面Sの形状が安定し、収差の発生も少ない。ただし、該光軸の向き垂直方向でなくなると(水平方向に向けると)、導電性液体と絶縁性液体に対する重力の影響によって、それらの界面Sが点線S′で示すように光軸に対して非対称に変形する。そして、この界面Sの変形によってコマ収差が発生し、撮影画像が劣化する。しかも、撮像装置が正姿勢(横姿勢)であるときと横倒し姿勢(縦姿勢)であるときとで界面S(S′)の形状が変化するため、撮影画像の劣化(コマ収差)の方向も姿勢によって変化する。
特許文献1には、導電性液体と絶縁性液体の比重の差を小さくすることで、重力の影響による界面の形状の変化を抑えるようにした液体レンズが開示されている。また、特許文献2では、重力の影響を受けて導電性液体と絶縁性液体との界面が光軸に対して非対称に歪むことで生じたコマ収差を、補正光学系を用いて打ち消すようにした光学装置が開示されている。
さらに、先に説明した防振素子に関しても、撮像装置が横姿勢であるときと縦姿勢であるときとで防振素子に作用する重力の方向が変化するために、その影響によって画質の劣化が生じる可能性がある。特許文献3には、重力方向を検出して防振レンズの駆動電力を変化させることにより、姿勢による防振レンズの駆動特性(つまりは画質)の変化を抑えるようにした防振装置が開示されている。また、特許文献4には、撮像装置の姿勢を検出した結果に応じて防振レンズをレンズ鏡筒内で回転させる(チルトさせる)レンズ装置が開示されている。
特開2006−65042号公報 特開2009−3053号公報 特開平11−44900号公報 特開2010−026172号公報
上記各特許文献にて開示された技術では、重力の影響をある程度は低減することはできる。しかしながら、液体レンズに用いることができる液体材料の選択範囲が制限されたり(特許文献1)、光学的、電気的または機械的に姿勢の変化に伴う画質の劣化を十分に抑えることが難しかったり(特許文献2〜4)する。
本発明は、撮像装置の姿勢の変化に伴う画質の劣化を良好に補正できるようにした画像処理方法および画像処理装置を提供する。
本発明の一側面としての画像処理方法は、撮像装置が光学系を通して撮像を行うことにより生成した画像を入力画像として取得する画像取得ステップと、該撮像を行ったときの撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得ステップと、該情報が示す姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得ステップと、画像変換フィルタを用いて入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理ステップとを有し、該画像変換フィルタは、光学系の光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタであり、フィルタ取得ステップにおいて取得される画像回復フィルタは、該情報が示す姿勢に応じて回復ゲインが異なることを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての画像処理装置は、撮像装置が光学系を通して撮像を行うことにより生成した画像を入力画像として取得する画像取得部と、該撮像を行ったときの撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得部と、該情報が示す姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得部と、画像変換フィルタを用いて入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理部とを有し、該画像変換フィルタは、光学系の光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタであり、フィルタ取得部によって取得される画像回復フィルタは、該情報が示す姿勢に応じて回復ゲインが異なることを特徴とする。
なお、上記画像処理方法をコンピュータに実行させる画像処理プログラムおよび上記画像処理装置を備えた撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、撮像装置の姿勢にかかわらず良好な画質の画像を得ることができる。
本発明の実施例である画像処理方法を説明する図。 姿勢による画像劣化の変化を説明する図。 本発明の実施例1である画像処理方法を説明する図。 実施例1におけるフィルタ変換部を説明する図。 本発明の実施例2である画像処理方法を説明する図。 実施例2におけるフィルタ変換部を説明する図。 本発明の実施例3である画像処理方法を説明する図。 実施例3におけるフィルタ変換部を説明する図。 従来の液体レンズを説明する図。 姿勢センサの構成を示す図。 姿勢センサを用いた姿勢検出方法を説明する図。 姿勢センサの配置を説明する図。 実施例の画像処理方法にて用いられる画像回復フィルタを説明する図。 実施例の画像処理方法にて行われる回復画像処理を説明する図。 実施例における画像回復フィルタの選択について説明する図。 実施例における撮像装置の横姿勢を説明する図。 実施例の画像処理方法における回転変換を説明する図。 実施例の画像処理方法に流れを示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の代表的な実施例としての画像処理方法の概要を示している。図1において、10は撮像装置であり、20は画像処理装置である。撮像装置10は、液体レンズ11を含む撮影光学系と、該撮影光学系により形成された被写体像を光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子12とを有する。
液体を用いて光学特性を変化させる液体光学素子としての液体レンズ11は、先に図9を用いて説明したように、容器に封入した導電性液体と絶縁性液体とを互いに混ざり合わない状態で接触させて界面Sを形成させたものである。導電性液体に印加する電圧を制御して、エレクトロウェッティング現象による界面Sの形状の変化を制御することで、液体レンズ11の焦点位置、つまりは撮影光学系の焦点距離を制御することができる。
撮像装置10は、撮像素子12によって被写体像を光電変換し、該撮像素子12からの出力信号に対して不図示の画像生成部にて各種処理を行うことにより、つまりは撮像を行うことにより撮影画像を生成する。撮影画像は、画像処理装置20に、入力画像として送られる。撮像素子12およびその出力から撮影画像を生成する画像生成部により撮像部が構成される。
また、撮像装置10は、その姿勢を検出するための姿勢センサ(姿勢検出手段)13を有しており、該姿勢センサ13により検出された姿勢を示す情報(以下、姿勢情報という)は、画像処理装置20に送られる。
撮像装置10にて撮像が行われるときの姿勢(例えば、正姿勢か横倒し姿勢か)によって、液体レンズ11における導電性液体と絶縁性液体との界面の形状が変化する(詳しくは後述する)。
画像処理装置20は、フィルタ変換部21とフィルタリング処理部22とを有する。フィルタ変換部21は、撮像装置10から送られてきた姿勢情報に応じて、予め記憶領域32に格納(記憶)された又は作成された基準フィルタ(詳しくは後述する)を変換することにより画像変換フィルタを作成する。フィルタ変換部21は、フィルタ取得部および姿勢取得部に相当する。
フィルタリング処理部22は、撮像装置10から送られてきた撮影画像(入力画像)を取得する。そして、該撮影画像に対して、フィルタ変換部21により作成された画像変換フィルタを用いてフィルタリング処理を行い、出力画像31を生成する。ここでのフィルタリング処理は、撮像装置10の姿勢の変化に伴って液体レンズ11の界面の形状が変化することにより生じる画質の劣化を補正する処理である。言い換えれば、画像変換フィルタは、そのような画質の劣化を補正するために入力画像に対して適用されるフィルタである。フィルタリング処理部22は、画像取得部および処理部に相当する。
撮像装置10の姿勢の変化に伴う液体レンズ11での界面の形状の変化およびそれによる収差の変化(つまりは画質の劣化の変化)について説明する。図9にて説明したように、液体レンズ11の光軸を水平方向に向けることで導電性液体と絶縁性液体との界面Sが、重力の影響によってS′のように光軸に対して非対称に変形する。この結果、図2(a)に示すように、光軸上においても光軸に対して非対称なコマ収差が発生する。
そして、界面の形状は重力の影響で歪んでいるため、撮像装置の姿勢が変化すると、界面の形状が歪む方向も変化する。図2(a)は、図16に示すように、ユーザUが撮像装置10を横姿勢(4:3や16:9等の横長の画像の長辺が水平方向に延びる姿勢であり、正姿勢ともいう)として撮像を行うことで生成された撮影画像を示している。一方、図2(b)は、撮像装置を縦姿勢(上記横長の画像の長辺が垂直方向に延びる姿勢であり、横倒し姿勢ともいう)として撮像を行うことで生成された撮影画像を示している。図2(a)では撮影画像の短辺に平行な方向に主としてコマ収差が発生しているのに対して、図2(b)では撮影画像の長辺に平行な方向に主としてコマ収差が発生している。
このように、撮像装置10の姿勢と撮影画像における非対称収差(劣化)の発生する方向および量との間には密接な関係がある。このため、撮像時の撮像装置10の姿勢を検出することで、撮影画像の劣化の方向とその量を把握することができ、該劣化を打ち消すことができる画像変換フィルタを作成することが可能となる。
ここでは、液体レンズについて説明したが、液体レンズ以外でも撮像装置の姿勢の変化に伴って撮影画像に劣化が発生する場合がある。
例えば、撮影光学系に含まれる液体レンズ以外のレンズや撮像素子12が撮影光学系の光軸に対して直交する方向にシフトして、撮像装置10の振れに起因する像振れを低減する防振素子として用いられる場合である。一般的な防振素子のシフト駆動機構は、防振素子とこれをシフト可能に保持する保持部材のうち一方にコイルを取り付け、他方にマグネットを取り付ける。そして、コイルに通電してコイルとマグネット間に発生させた電磁力(推力)により、防振素子がシフト駆動される。
このようなシフト駆動機構では、撮像装置に振れがない状態では、コイルへの通電量を制御したりバネ力を用いたりして、防振素子をその中心が撮影光学系の光軸上に位置する状態に保持すべきである。しかし、撮像装置が横姿勢か縦姿勢かによって防振素子に作用する重力の方向が変化するため、例えば縦姿勢において横姿勢のときとコイル通電量やバネ力が同じであると、防振素子の中心が光軸に対してずれる(つまり偏心する)。そして、このような防振素子の偏心により撮影画像に光軸に対して非対称な劣化が生じた場合も、液体レンズの場合と同様に該劣化を補正することができる。また、防振素子に限らず鏡筒のガタ等により、姿勢に応じてレンズの偏心状態が変化することで非対称な劣化が生じた場合にも、該劣化を補正することができる。
次に、本実施例における撮像装置の姿勢検出方法について説明する。本実施例で用いる姿勢検出方法は、基本的にどのような方法であってもよい。従来用いられている姿勢検出方法の1つとして、水銀を容器に入れ、容器の端部に電極を設けて、撮像装置の姿勢によって移動する水銀と電極との接触/非接触による導通/不導通により姿勢を検出する方法がある。また、水銀の代わりに導通性のボールを用い、電極に対する導通性ボールの接触による導通/不導通により姿勢を検出する方法もある。さらに別の方法として図10に示すような姿勢センサを用いる方法もある。
樹脂で成形されたセンサ本体101には、図10(a)に示す正面視にてV字形状を有する溝部102が形成されている。溝部102の頂角は、約90°である。溝部102の中には鋼球103が配置されており、鋼球103は溝部102の中を自由に転動できる。また、溝部102は、図10(b)に示す側面視(断面)において、鋼球103の直径よりもわずかに広い均一な幅で形成されている。さらに、V字形状の溝部102の頂点近傍には、投光素子であるLED104の投光窓と受光素子であるフォトセンサ105の受光窓とが、溝部102を挟んで互いに対向するように形成されている。センサ本体101の上部には、蓋106が接着されており、溝部102内に鋼球103を封入している。以下の説明において、姿勢センサ(センサ本体101)のうち、図10(a)における下側の面をA面といい、右側の面をB面という。
このように構成された姿勢センサの動作について、図11を用いて説明する。図11(a)は、姿勢センサのB面が下になった状態を示しており、図11(b)は姿勢センサのA面が下になった状態を示している。
姿勢センサが図11(a)に示す状態にあるとき、鋼球103は重力によって溝部102の頂点近傍から外れた位置に移動し、LED104の投光窓とフォトセンサ105の受光窓との間の光路を遮らない。したがって、フォトセンサ105からの出力信号は明(High)となる。一方、姿勢センサが図11(b)に示す状態にあるとき、鋼球103は、重力によって溝部102の頂点の内側に位置し、LED104の投光窓とフォトセンサ105の受光窓との間の光路を遮る。したがって、フォトセンサ105からの出力信号は暗(Low)となる。
そして、撮像装置10には、例えば、図12に示すように4つの姿勢センサ13A〜13Dがそれぞれ向きが異なるように配置される。以下、図12に示す撮像装置10を正面から見たときの向きで説明すると、姿勢センサ13Aは、A面が左側に、B面が下側に位置するように配置され、撮像装置10が左側面を下にした縦姿勢とされたときにフォトセンサ105は暗信号を出力する。また、姿勢センサ13Bは、A面が右側に、B面が下側に位置するように配置され、撮像装置10が右側面を下にした縦姿勢とされたときにフォトセンサ105は暗信号を出力する。また、姿勢センサ13Cは、A面が下側に、B面が前側に位置するように配置され、撮像装置が下面を下にした横姿勢とされたときにフォトセンサ105は暗信号を出力する。さらに、姿勢センサ13Dは、A面が前側に、B面が右側に位置するように配置され、撮像装置が前面を斜め下または真下に向けた下向き姿勢とされたときにフォトセンサ105は暗信号を出力する。
4つの姿勢センサ13A〜13Dのフォトセンサ105から出力された明信号および暗信号またはこれらの組み合わせを姿勢情報として使用してもよいし、これら明信号および暗信号の一部を抽出して姿勢情報を生成してもよい。姿勢情報は、撮像装置の姿勢を特定できる情報であれば、どのようなものであってもよい。
次に、基準フィルタについて説明する。基準フィルタは、撮像装置が基準姿勢(本実施例では横姿勢)にある状態で撮像を行い生成した撮影画像に含まれる、基準姿勢にて撮影光学系が有する収差により生じた劣化を補正するための基準となる画像変換フィルタである。また、基準フィルタには、フィルタの形式ではないが、フィルタを生成するためのパラメータや係数等の情報(以下、基準フィルタ情報という)も含む。また、撮像装置の姿勢を考慮しない撮影光学系の設計値をフィルタ化したものを基準フィルタとすることもできる。
ここで、基準フィルタを含む画像変換フィルタは、複数のタップ(セル)を有する2次元フィルタであり、エッジ強調フィルタや平滑化フィルタ等の種々のフィルタを使用することができる。また、いわゆる画像回復処理に用いられる画像回復フィルタを画像変換フィルタとして使用することもできる。
画像回復フィルタを使用する場合には、撮影光学系の光学伝達関数を基準フィルタ情報として保存することも可能である。
画像回復フィルタを用いる画像回復処理について説明する。撮影光学系の収差により劣化した(ただし、撮像素子12および画像生成部での電気的な劣化を含めてもよい)入力画像としての劣化画像をg(x,y)とする。また、劣化していない元の画像をf(x,y)とする。さらに、撮影光学系の光学伝達関数(OTF)のフーリエペアである点像分布関数(PSF)を、h(x,y)とする。このとき、以下の式(1)が成り立つ。*は畳み込み積分(コンボリューション)を示し、(x,y)は画像上の座標を示す。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y) …(1)
式(1)をフーリエ変換して周波数面での表示形式に変換すると、以下の式(2)のように周波数ごとの積の形式になる。Hは点像分布関数(PSF)hをフーリエ変換したものであり、光学伝達関数(OTF)を示す。また、G,Fはそれぞれ、g,fをフーリエ変換したものである。(u,v)は2次元周波数面での座標、すなわち周波数を示す。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v) …(2)
撮像により得られた劣化画像から元の画像を得るためには、以下のように、式(2)の両辺をHで除算すればよい。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v) …(3)
そして、F(u,v)であるG(u,v)/H(u,v)を逆フーリエ変換して実面に戻すことで、元の画像f(x,y)としての回復画像が得られる。
ここで、1/Hを逆フーリエ変換したものをRとすると、以下の式(4)のように、実面での劣化画像gにRをコンボリューションすることで、同様に元の画像fを得ることができる。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y) …(4)
このR(x,y)を画像回復フィルタという。入力画像が2次元画像であるとき、一般に画像回復フィルタも画像の各画素に対応したタップ(セル)を有する2次元フィルタとなる。また、一般に、画像回復フィルタのタップ数(セル数)が多いほど、回復精度が向上するため、要求画質、画像処理能力および収差の特性等に応じて実現可能なタップ数が設定される。
このような画像回復フィルタを使用すると、光学伝達関数の位相成分が補正されるため、回復画像の非対称な収差成分を対称に補正することができる。つまり、図2に示したコマ収差に関しても、非対称な点像が対称な点像に回復される。このため、液体レンズの導電性液体と絶縁性液体との界面の歪みや防振素子の偏心による光軸に対して非対称な画像劣化を良好に補正(または除去)することができる。
図13(a)には、画像回復フィルタの例として、11×11タップを有する2次元フィルタを示している。該フィルタの各タップが入力画像における各画素に対応する。図13(b)は画像回復フィルタのある断面を示しており、折れ線は該断面での各タップの係数値の分布を示している。この画像回復フィルタが、式(4)で示した画像回復処理にて入力画像(劣化画像)gに対してコンボリューションされる。
一般に、コンボリューションでは、ある画素の信号値を改善するために、その画素と画像回復フィルタの中心タップとを一致させる。そして、入力画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに画素の信号値と画像回復フィルタのタップが持つ値(係数値)との積をとり、該積の総和を中心画素の信号値として置き換える。画像回復フィルタの各タップの係数値の分布は、収差によって空間的に広がった画像の信号値を、理想的には元の1点に戻す役割を果たす。
このような画像回復フィルタは、撮影光学系の光学伝達関数(OTF)を計算または計測し、該光学伝達関数の逆関数に基づいた関数を逆フーリエ変換して得ることができる。実空間での画像回復フィルタを、入力画像としての劣化画像に対してコンボリューションすることで、回復画像としての元の劣化していない画像を得ることができる。
なお、実際の入力画像にはノイズ成分が含まれるため、上記のように光学伝達関数(OTF)の完全な逆数をとって作成した画像回復フィルタを用いると、劣化画像が回復されるだけでなくノイズ成分が増幅されてしまう。これは、画像の振幅成分にノイズの振幅が付加されている状態に対して撮影光学系のMTF(振幅成分)を全周波数にわたって1に戻すようにMTFを持ち上げるためである。撮影光学系による振幅劣化であるMTFは1に戻るが、同時にノイズのパワースペクトルも持ち上がってしまい、結果的にMTFを持ち上げる度合いに応じてノイズが増幅される。このMTFを持ち上げる度合いを、回復ゲインという。したがって、ノイズがある場合には画像回復処理では鑑賞用画像として良好な画像は得られない。
これを式で示すと以下の式(5),(6)のように表せる。式(6)は、式(5)の両辺をHで除算したものである。Nはノイズ成分を表している。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v)+N(u,v) …(5)
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v)+N(u,v)/H(u,v) …(6)
この点については、例えば、図14に示すような画像信号とノイズ信号との強度比(SNR)に応じて回復度合いを制御する方法が知られている。この方法に使用される代表的な画像回復フィルタには、ウィナー(Wiener)フィルタがある。ウィナーフィルタは、周波数ごとに、光学伝達関数(OTF)の絶対値であるMTFが小さいほど回復ゲインを抑制し、MTFが大きいほど回復ゲインを強くするものである。一般に、撮影光学系のMTFは、図14のグラフ(a)に示すように高周波側が低くなるため、ウィナーフィルタは、図14のグラフ(b)に示すように、実質的に画像の高周波側の回復度合いを抑制する。
なお、画像回復フィルタは、撮像時における撮影光学系の焦点距離や絞り値、さらに撮影距離(被写体距離)等の撮像状態に応じて最適なものを使用する必要がある。ただし、図1に示した記憶領域32に多数の撮像状態の組み合わせのそれぞれに対応する画像回復フィルタを多数格納しておくのは、記憶領域32に必要な記憶容量が増大し、好ましくない。
そこで、例えば図15に示すように、焦点距離、絞り値および撮影距離の3つの撮像状態を軸とした撮像状態空間にて離散的に選択した代表的な撮像状態に対応する画像回復フィルタ(以下、代表フィルタという)のみを記憶領域32に格納しておく。図15中の黒丸が、記憶領域32に離散的に格納された代表フィルタに対応する代表撮像状態を示す。また、実際の撮像状態を大きな白丸で示す。実際の撮像状態が代表撮像状態と一致する場合には、該代表撮像状態に対応する代表フィルタを、基準フィルタとして選択する。実際の撮像状態が代表撮像状態と一致しない場合には、実際の撮像状態に近い1又は複数の代表撮像状態(図中に小さい白丸で示す)に対応する代表フィルタを用いた補間演算によって、基準フィルタを作成する。補間演算においては、撮像状態空間中で実際の撮像状態が代表撮像状態に対してどの方向にあるかによって重み付けをしてもよい。
さらに、記憶領域32に、図15に示したような代表フィルタではなく、代表撮像状態ごとの光学伝達関数に関する係数を記憶しておき、実際の撮像状態に対応する基準フィルタを、該係数を用いた演算によって作成することも可能である。
以上説明した画像回復フィルタの作成方法は例にすぎず、2次元フィルタとしての画像回復フィルタが作成できれば、その方法はどのようなものであってもよい。また、撮像状態の種類(撮像状態軸)の数は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
次に、画像処理装置20について詳しく説明する。前述したように、画像処理装置20では、フィルタ変換部21が基準フィルタから画像変換フィルタ(例えば、画像回復フィルタ)を作成し、該画像変換フィルタを用いて撮影画像に対してフィルタリング処理を行うことで出力画像31を生成する。
フィルタ変換部21では、基準フィルタから、姿勢情報に応じた画像変換フィルタを作成する。図2(a)に示すように画像の短辺方向に非対称なコマ収差による画像の劣化を補正するためには、該短辺方向に非対称な画像変換フィルタを使用することが好ましい。この画像変換フィルタを基準フィルタとする。例えば、基準フィルタとして、タップの係数値が画像の短辺方向にて非対称な画像回復フィルタを使用することで、非対称なコマ収差による劣化を補正することができる。
一方、図2(b)に示すように、コマ収差による劣化が短辺方向では対称である画像に対して、短辺方向に非対称な基準フィルタを使用すると、コマ収差による劣化が補正されないばかりか、そのコマ収差による劣化とは異なる劣化が生じた画像が出力されてしまう。これは、補正のために想定している光学特性(つまりはコマ収差)と、実際の撮像時の光学特性とが異なることに起因する。
図2(b)に示した光軸上の画角に対する結像特性は、図2(a)に示した結像特性を90度回転したものとほぼ一致する。このため、前述したように、光学伝達関数の逆関数に基づいた関数を逆フーリエ変換しなくても、基準フィルタを90度回転させる変換処理を行うことにより、簡単に図2(b)の画像に対して適切な画像変換フィルタを作成することができる。
なお、図2(a)や図2(b)に示した画像は、光軸近傍のスポット像を示している。撮影光学系が偏心している場合には、光軸中心から等距離にある撮影画像の周辺部においても、スポット像が光軸に対して回転対称にならなくなる。このため、撮影画像の周辺部に対して使用される画像変換フィルタにおいても変換処理を施す必要がある。例えば、撮影画像の周辺部で使用される画像変換フィルタは、図17に示すように、撮像装置の実際の姿勢の基準姿勢に対する差に応じて、基準フィルタを光軸回りで回転させることで作成できる。
具体的には、図17(b)に示すように、基準姿勢(横姿勢)からの実際の姿勢の回転角をθとする。このとき、回転後の画素Bに適用する画像変換フィルタは、図17(a)に示すように、画素Bから光軸回りで−θだけ回転した画素に相当する画素Aに対する基準フィルタの中身(2次元のタップ)をθだけ回転させることにより作成できる。
なお、ここで説明した画像変換フィルタの作成方法は例にすぎず、姿勢に応じた画像変換フィルタが得られれば、どのような作成方法を用いてもよい。
例えば、横姿勢用と縦姿勢用の画像変換フィルタ(基準フィルタ)をそれぞれ記憶領域32に格納しておき、横姿勢を検出した場合は横姿勢用画像変換フィルタを選択して使用し、縦姿勢を検出した場合は縦姿勢用画像変換フィルタを選択して使用してもよい。また、撮像装置の姿勢は、横姿勢と縦姿勢という光軸回りでの回転姿勢に限らず、光軸が上下方向に傾く上向きおよび下向き姿勢(図12中の姿勢センサ13C,13Dで検出可)を加えて、それらの姿勢に応じた画像変換フィルタを作成または選択してもよい。さらに、時間軸を含めたより多次元の姿勢情報を取得し、それに応じた画像変換フィルタを作成または選択してもよい。
また、画像回復フィルタやエッジ強調フィルタのように画像の鮮鋭化の強さを任意に設定できるフィルタを画像変換フィルタとして用いる場合は、その鮮鋭化の強さを姿勢情報に基づいて変化させることによって、画像の劣化を補正することも可能である。
さらに、画像回復フィルタを画像変換フィルタとして用いる場合は、基準姿勢での光学伝達関数と回復ゲインといったフィルタパラメータを基準フィルタ情報として記憶領域32に保存しておいてもよい。そして、フィルタ変換部21で、姿勢に応じてフィルタパラメータを変換することで、基準フィルタ情報から画像変換フィルタを作成するようにしてもよい。
フィルタリング処理部22は、フィルタ変換部21にて作成または選択された画像変換フィルタの撮影画像(入力画像)に対する2次元コンボリューションを行う。
姿勢に応じたフィルタリング処理が行われた出力画像31には、Raw画像に対するデモザイキング処理、ノイズリダクション処理、ホワイトバランス調整等、姿勢によって処理方法を変化させる必要のない信号処理としての撮像信号処理が行われる。ただし、この撮像信号処理を、必要に応じて、姿勢に応じたフィルタリング処理の前に行ってもよい。
図18には、上記画像処理装置20で行われる処理の流れの概要を示している。画像処理装置20は、CPU等のコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムである画像処理プログラムに従って該処理を実行する。
ステップS201(画像準備ステップおよび姿勢取得ステップ)では、画像処理装置20は、撮像装置10により生成された撮影画像を取得(準備)する。また、このとき、撮像装置10から姿勢センサ13により検出された姿勢情報も取得する。
次にステップS202(フィルタ取得ステップ)では、画像処理装置20は、基準フィルタ(基準フィルタ情報)と姿勢情報とから、撮像装置10の撮像時の姿勢に応じた画像変換フィルタを作成または選択する。
次にステップS203(処理ステップ)では、画像処理装置20は、撮像装置10の撮像時の姿勢に応じた画像変換フィルタを用いて、撮影画像のフィルタリング処理を行う。これにより、撮影画像の劣化が良好に補正される。
そして、ステップS204では、画像処理装置20は、フィルタリング処理後の画像に対して、上述した撮像信号処理を行う。このようにして、ステップS205にて、画像処理装置20は、最終的な出力画像(記録用画像や表示用画像)を出力、すなわち保存したり表示したりする。
以上の画像処理方法により、撮像装置の姿勢に応じて画質の劣化が変化する場合でも、該劣化を良好に補正することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
図3には、本発明の実施例1である画像処理方法を実施する画像処理装置の構成を示している。本実施例では、画像処理装置20Aとは別の撮像装置10Aが撮像を行って生成した撮影画像IMを、画像処理装置20Aに入力画像として入力する。
撮像装置10Aは、図1および図9でも示した液体レンズ11を含む撮影光学系と、該撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子12と、該撮像素子12からの出力信号を用いて撮影画像IMを生成する画像生成部(図示せず)とを有する。また、撮像装置10Aは、該撮像装置の姿勢を検出する姿勢センサ13も有する。姿勢センサ13は、撮像装置10Aの横姿勢と縦姿勢を含む光軸回りでの回転に関するロール角と、上向き姿勢や下向き姿勢を含む光軸に直交する方向での回転に関するピッチ角とを検出することができる。
撮像装置10Aは、画像データとしての撮影画像IMを生成し、さらにそのヘッダー部分に、撮像時に姿勢センサ13にて検出した姿勢情報と、撮像時の撮影光学系の焦点距離、絞り値や撮影距離等の撮像状態である撮像条件の情報を記載する。撮影画像IMは、半導体メモリや光ディスク等の記録媒体、無線通信、有線通信、インターネット、LAN等を介して画像処理装置20Aに入力される。
画像処理装置20Aの回復フィルタ選択部25は、入力された撮影画像IMのヘッダー部分に記載されている撮像条件情報を取得する。画像処理装置20Aに設けられた記憶領域32には、基準姿勢(横姿勢)用の画像回復フィルタであって、図15に示した複数の代表撮像状態にそれぞれ対応する複数の代表フィルタが基準フィルタ群として格納されている。
回復フィルタ選択部25は、記憶領域32から、撮像条件に一致する代表撮像状態に対応する代表フィルタを基準フィルタとして選択する。または、撮像条件に近い代表撮像状態に対応する代表フィルタを用いて撮像条件に対応する画像回復フィルタを基準フィルタとして作成する。
画像処理装置20Aのフィルタ変換部21は、入力された撮影画像IMのヘッダー部分に記載されている姿勢情報を取得する。さらに、フィルタ変換部21は、図4に詳しく示すように、姿勢情報から撮像時における撮像装置10Aの回転角(ロール角およびピッチ角)を取得する。そして、該回転角に応じて基準フィルタを回転変換することで、フィルタリング処理に使用する画像変換フィルタとしての画像回復フィルタ(以下、使用画像回復フィルタという)を作成する。
画像処理装置20Aのデモザイキング処理部24は撮影画像IMをデモザイキングし、さらにフィルタリング処理部22は、デモザイキングされた撮影画像に対して使用画像回復フィルタをコンボリューションして画像回復処理を行う。画像回復フィルタは非対称な収差成分を除去できるフィルタであるので、該画像回復処理により液体レンズ11における非対称な界面の形状に起因した非対称な結像スポットが対称なスポット形状となる。
こうして画像回復処理により得られた回復画像としての出力画像31に対して、ホワイトバランス調整やノイズリダクション処理等の撮像信号処理が行われることで、最終的な記録用または表示用画像が生成され、出力される。
撮像装置10Aから画像処理装置20Aを分離することで、撮像装置10Aにて生成された撮影画像を、専用のコンピュータにより構成された画像処理装置20Aにて高速に処理することができる。
図5には、本発明の実施例2である画像処理方法を実施する撮像装置の構成を示している。本実施例では、画像処理装置20Bを内蔵した撮像装置10Bが撮像を行って生成した撮影画像を、画像処理装置20Bに入力画像として入力する。
撮像装置10Bは、図1および図9でも示した液体レンズ11を含む撮影光学系と、該撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子12と、該撮像素子12からの出力信号を用いて撮影画像を生成する画像生成部(図示せず)とを有する。また、撮像装置は、該撮像装置10Bの姿勢を検出する姿勢センサ13も有する。姿勢センサ13は、撮像装置10Bが横姿勢(又はこれに近い姿勢)か縦姿勢(又はこれに近い姿勢)かを検出することができる。
撮像装置10Bは、画像データとしての撮影画像を生成し、その撮影画像を画像処理装置20Bのフィルタリング処理部22に入力する。また、撮像装置10Bは、撮像時に姿勢センサ13にて検出した姿勢情報を、画像処理装置20Bのフィルタ変換部21に入力する。さらに、撮像装置10Bは、撮像時の撮影光学系の焦点距離、絞り値や撮影距離等の撮像状態である撮像条件の情報を記憶領域32に送る。
記憶領域32には、横姿勢用のエッジ強調フィルタであって、複数の代表撮像状態にそれぞれ対応する複数のエッジ強調フィルタ(代表フィルタ)が基準フィルタ群として格納されている。エッジ強調フィルタは、非対称なスポット像が対称な形状となるようにエッジ部分を強調するため、画像の短辺方向に非対称な形状を有する。さらに、記憶領域32には、横姿勢用のエッジ強調フィルタを90度回転変換することで作成された縦姿勢用のエッジ強調フィルタも、複数の代表撮像状態に対応して複数(基準フィルタ群として)保存されている。
図6には、画像処理装置20Bにおけるフィルタ変換部21での処理を示している。フィルタ変換部21は、姿勢センサ13からの姿勢情報に基づいて、撮像時の撮像装置10Bの姿勢が横姿勢か縦姿勢かもしくは横姿勢に近いか縦姿勢に近いかを判別する。縦姿勢かこれに近い場合には、記憶領域32にて予め撮像条件に対応する基準フィルタとして選択された横姿勢用および縦姿勢用のエッジ強調フィルタのうち縦姿勢用のエッジ強調フィルタを選択して、使用エッジ強調フィルタ(画像変換フィルタ)として出力する。一方、撮像時の姿勢が横姿勢かこれに近い場合には、横姿勢用のエッジ強調フィルタを選択して使用エッジ強調フィルタ(画像変換フィルタ)として出力する。
画像処理装置20Bのフィルタリング処理部22は撮影画像をデモザイキングし、さらに該デモザイキングされた撮影画像に対して使用エッジ強調フィルタをコンボリューションしてエッジ強調処理を行う。こうしてエッジ強調処理により得られた出力画像31に対して、撮像信号処理部26は、ホワイトバランス調整やノイズリダクション処理等の撮像信号処理を行い最終的な記録用画像を出力する。記録用画像は、撮像装置10Bに設けられた画像保存部27に保存(記録)される。
一般にエッジ強調フィルタは、実施例1で用いる画像回復フィルタよりもタップ数が少ない。また、本実施例では、実施例1のように撮像時の姿勢に応じて基準フィルタを回転変換して使用フィルタを作成するのではなく、予め保存した横姿勢用および縦姿勢用のエッジ強調フィルタの中から撮像時の姿勢に対応するフィルタを選択して用いる。このため、本実施例によれば、フィルタ変換部21やフィルタリング処理部22での処理を実施例1に比べて低負荷で行うことができ、処理の高速化を図ることができる。
図7には、本発明の実施例3である画像処理方法を実施する画像処理装置の構成を示している。本実施例でも、実施例1と同様に、画像処理装置20Cとは別の撮像装置10Cが撮像を行って生成した撮影画像IMを、画像処理装置20Cに入力画像として入力する。
撮像装置10Cは、光軸に直交する方向にシフト可能な防振レンズISを含む撮影光学系と、撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子12と、該撮像素子12からの出力信号を用いて撮影画像IMを生成する画像生成部(図示せず)とを有する。また、撮像装置10Cは、該撮像装置の姿勢を検出する姿勢センサ13も有する。姿勢センサ13は、撮像装置10Cの横姿勢と縦姿勢を含む光軸回りでの回転に関するロール角と、上向き姿勢や下向き姿勢を含む光軸に直交する方向での回転に関するピッチ角とを検出することができる。
撮像装置10Cは、画像データとしての撮影画像IMを生成し、さらにそのヘッダー部分に、撮像時に姿勢センサ13にて検出した姿勢情報と、撮像時の撮影光学系の焦点距離、絞り値や撮影距離等の撮像状態である撮像条件の情報を記載する。撮影画像IMは、半導体メモリや光ディスク等の記録媒体、無線通信、有線通信、インターネット、LAN等を介して画像処理装置20Cに入力される。
画像処理装置20Cの光学伝達関数選択部28は、入力された撮影画像IMのヘッダー部分に記載されている撮像条件情報を取得する。画像処理装置20Cに設けられた記憶領域32には、撮像装置10Cが基準姿勢(横姿勢)にある状態での光学伝達関数であって、複数の代表撮像状態にそれぞれ対応する複数の代表光学伝達関数が基準フィルタ情報として格納されている。
光学伝達関数選択部28は、記憶領域32から、撮像条件に一致する代表撮像状態に対応する代表光学伝達関数を使用基準関数として選択する。または、撮像条件に近い代表撮像状態に対応する代表光学伝達関数を用いて撮像条件に対応する光学伝達関数を使用基準関数として作成する。
画像処理装置20Aのフィルタ変換部21は、入力された撮影画像IMのヘッダー部分に記載されている姿勢情報を取得する。さらに、フィルタ変換部21は、図8に詳しく示すように、姿勢情報から撮像時における撮像装置10Cの回転角(ロール角およびピッチ角)を取得する。そして、該回転角に応じて、画像回復フィルタのフィルタパラメータの1つである回復ゲインを設定する。
撮影画像において光軸上の位置から等距離にある周辺部の画素位置においても、姿勢の変化による防振レンズISの偏心により、像面上のスポット像が光軸に対して回転対称にならない。このため、スポット像の広がりが大きい部分は回復ゲインを高くし、スポット像の広がりが小さい部分は回復ゲインを小さくする。
フィルタ変換部21は、光学伝達関数選択部28にて選択または作成された光学伝達関数(使用基準関数)と回復ゲインとをフィルタパラメータとして、使用画像回復フィルタ(画像変換フィルタ)を作成する。
画像処理装置20Cのデモザイキング処理部24は撮影画像IMをデモザイキングし、さらにフィルタリング処理部22は、デモザイキングされた撮影画像に対して使用画像回復フィルタをコンボリューションして画像回復処理を行う。
こうして画像回復処理により得られた回復画像としての出力画像31に対して、ホワイトバランス調整やノイズリダクション処理等の撮像信号処理が行われることで、最終的な記録用または表示用画像が生成され、出力される。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
良好な画質の撮影画像が得られるデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置または個画像処理装置を提供できる。
10,10A,10B,10C 撮像装置
13 姿勢センサ
21 フィルタ変換部
22 フィルタリング処理部
20,20A,20B,20C 画像処理装置

Claims (12)

  1. 撮像装置が光学系を通して撮像を行うことにより生成した画像を入力画像として取得する画像取得ステップと、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得ステップと、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得ステップと、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理ステップとを有し、
    前記画像変換フィルタは、前記光学系の光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタであり、
    前記フィルタ取得ステップにおいて取得される前記画像回復フィルタは、前記情報が示す前記姿勢に応じて回復ゲインが異なることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記フィルタ取得ステップにおいて、前記撮像装置の正姿勢に対応する基準フィルタを前記情報が示す前記姿勢に応じて変更することにより前記画像回復フィルタを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記フィルタ取得ステップにおいて、前記画像回復フィルタとして、前記撮像装置の正姿勢に対応するフィルタと該撮像装置の横倒し姿勢に対応するフィルタのうち一方を、前記情報が示す前記姿勢に応じて選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  4. 前記撮像装置は、前記光学系に、液体を用いて光学特性を変化させる液体光学素子を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理方法。
  5. 前記撮像装置は、前記光学系に、該光学系の光軸に対して直交する方向にシフトすることにより像振れを低減する防振素子を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理方法。
  6. 撮像装置が光学系を通して撮像を行うことにより生成した画像を入力画像として取得する画像取得部と、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得部と、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得部と、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理部とを有し、
    前記画像変換フィルタは、前記光学系の光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタであり、
    前記フィルタ取得部によって取得される前記画像回復フィルタは、前記情報が示す前記姿勢に応じて回復ゲインが異なることを特徴とする画像処理装置。
  7. 光学系を通して撮像を行うことにより画像を生成する撮像装置であって、
    前記撮像を行うときの姿勢を検出する姿勢検出手段と、
    該撮像により生成した画像に対して前記フィルタリング処理を行う請求項に記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。
  8. コンピュータに、
    撮像装置が光学系を通して撮像を行うことにより生成した画像を入力画像として取得する画像取得ステップと、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得ステップと、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得ステップと、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理ステップとを含む画像処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記画像変換フィルタは、前記光学系の光学伝達関数を用いて生成された画像回復フィルタであり、
    前記フィルタ取得ステップにおいて取得される前記画像回復フィルタは、前記情報が示す前記姿勢に応じて回復ゲインが異なることを特徴とする画像処理プログラム。
  9. 光学系の光軸に対して直交する方向にシフトすることにより像振れを低減する防振素子を有する撮像装置を用いて撮像された画像を入力画像として取得する画像取得ステップと、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得ステップと、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得ステップと、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 光学系の光軸に対して直交する方向にシフトすることにより像振れを低減する防振素子を有する撮像装置を用いて撮像された画像を入力画像として取得する画像取得部と、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得部と、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得部と、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理部とを有することを特徴とする画像処理装置。
  11. 光学系を通して撮像を行うことにより画像を生成する撮像装置であって、
    前記光学系の光軸に対して直交する方向にシフトすることにより像振れを低減する防振素子と、
    前記撮像を行うときの前記撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
    該撮像により生成した画像に対して前記フィルタリング処理を行う請求項10に記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。
  12. コンピュータに、
    光学系の光軸に対して直交する方向にシフトすることにより像振れを低減する防振素子を有する撮像装置を用いて撮像された画像を入力画像として取得する画像取得ステップと、
    前記撮像を行ったときの前記撮像装置の姿勢を示す情報を取得する姿勢取得ステップと、
    前記情報が示す前記姿勢に応じて画像変換フィルタを作成または選択するフィルタ取得ステップと、
    前記画像変換フィルタを用いて前記入力画像に対するフィルタリング処理を行う処理ステップとを含む画像処理を実行させるコンピュータプログラムであることを特徴とする画像処理プログラム。
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