JP3827108B2 - 画像振れ補正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子を駆動して入射側の光軸に対して出射側の光軸がなす角度(本出願において透過光軸角または単に光軸角と言う。)を変えることによって、手振れ等に起因する画像振れを補正する画像振れ補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラでは、操作者の手振れや車載時の車の振動等に起因する撮影画像の振れ(揺れ)を補正(抑制)する画像振れ補正装置を有するカメラが実用化されている。画像振れ補正装置としては、撮影光学系における光軸を屈曲させる光学式のものと、撮影された画像を電気的に補正する電気式のものとが知られている。このうち、光学式の画像振れ補正装置は、高画質を得ることができると共に、望遠側で高い補正精度を得ることができるため、家庭用のビデオカメラの上位機種に採用されることが多く、また、近年では放送業務用のビデオカメラにも応用され始めている。
【0003】
ところで、光学式の画像振れ補正装置では、撮影光学系における光軸を屈曲させるための光軸角可変装置を制御して、カメラに発生した角振動に相応した光軸角の補正を行い、結果的に撮影映像の揺れを抑制するというのが、一般的な原理となっている。光軸角可変装置は、一般に、通常のレンズ構成の前側に設置されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような光学式の画像振れ補正装置では、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象が発生するという問題があった。この問題およびこれに類する問題は、一般にカメラにおいて発生する角振動の中心と光軸角可変機構の位置が一致しないことに起因する。このことを、図13を参照して説明する。
【0005】
図13は、上記問題を分かりやすく説明するために、必要な位置関係をベクトル線図で表現したものである。なお、この図では、カメラの角振動による光軸角可変機構の軌跡を含む平面内において、カメラの角振動の中心を原点とし、撮影光軸の中心線の方向をX方向、これに直交する方向をY方向とし、X方向、Y方向の各座標を(x,y)で表している。
【0006】
いま、図13において、ある光学式の画像振れ補正装置を搭載したカメラで点R(r,0)にある光軸角可変機構を介して、点A(a,0)にある被写体を撮影しているものとする。このとき、撮影光軸の中心線は、点Rと点Aを結ぶ直線上にあるとする。このような系において、点C(0,0)を中心とした角変位αがカメラに発生したとすると、一般にこの位置Cと光軸角可変機構の位置Rとは異なるので、光軸角可変機構は、点Rから、カメラの角振動による光軸角可変機構の軌跡111上の点R′(r・cosα,r・sinα)へ移動する。ここで、角変位αが発生したときに、点R′にある光軸角可変機構によって光軸を屈曲させることによって、光軸の中心線がやはり点Aを通るようにするためには、点R′において光軸を図に示したβだけ屈曲させるように光軸角可変機構を制御すればよく、この光学式の画像振れ補正装置は、そのように最適化調整されているものとする。
【0007】
次に、上述のように調整された画像振れ補正装置が搭載されたカメラを用いて、今度は、点Aとは異なる点B(b,0)にある被写体を撮影している際に、やはり同じ大きさの角変位αがカメラに発生したとする。本来ならば、光軸の中心が被写体のある点Bを通るようにするには、図における角度γだけ光軸を屈曲させればよいが、上述のように調整された画像振れ補正装置では、やはり、角度βだけ光軸を屈曲させてしまう。その結果、カメラから被写体Bまでの距離と等しい距離の位置では、その位置での撮影画角幅Lに対して、Ld だけの誤差幅で被写体映像が動いてしまうことになる。なお、図13では、画像振れ補正装置において最適化した被写体位置よりも実撮影時の被写体位置が遠い場合について示したが、この位置関係が逆になっても同様の問題が発生するのは自明である。
【0008】
従来の画像振れ補正装置で、上述の問題点を解決する手段を有するものはなかった。この問題は、図13におけるカメラの角振動中心Cと光軸角可変機構までの距離rと、光軸角可変機構から被写体までの距離L0 (図示せず)の比L0 /rが小さいほど、問題になり易いことは、図13から容易に分かる。一般に、民生用ビデオカメラは、装置本体が非常に小型であるため、手持ちで撮影している限りにおいては、カメラの角振動中心と光軸角可変機構までの距離rがさほど大きくなく、従って、本問題は目立ちにくい傾向にあり、これが本問題が重大化していない理由であると推測される。
【0009】
ところが、近年、画像振れ補正装置の搭載が始まっている放送業務用ビデオカメラにおいては、ビデオカメラおよびレンズが大型であって、また、肩に担いで撮影する際には、角振動中心がレンズの先端からかなりの距離を持つことが予想される。すなわち、放送業務用ビデオカメラでは、カメラの角振動中心と光軸角可変機構までの距離rが一般に大きいと考えられるため、上記問題が重大化しているか、かかる問題を無視しがたいために画像振れ補正装置の性能を十分に発揮できていないと考えられる。
【0010】
ところで、ここまでは、カメラにおいて発生する角振動中心位置と光軸角可変機構までの距離は一定であるとして説明してきたが、実際には、様々な位置を中心とする角振動が起こり得る。このようなときには、特定の距離にある被写体が静止するように画像振れ補正装置を最適に調整しても、振動の発生状況が変わると、その特定の被写体に対しての十分な画像振れ補正能力を発揮できなくなるという第2の問題が発生するおそれがある。このことを、図14を参照して説明する。
【0011】
図14は、上記問題を分かりやすく説明するために、必要な位置関係をベクトル線図で表現したものである。なお、この図では、カメラの角振動による光軸角可変機構の軌跡を含む平面内において、光軸角可変機構の初めの位置を原点とし、撮影光軸の中心線の方向をX方向、これに直交する方向をY方向とし、X方向、Y方向の各座標を(x,y)で表している。
【0012】
いま、図14において、ある光学式の画像振れ補正装置を搭載したカメラで点R0 (0,0)にある光軸角可変機構を介して、点Ta (ta ,0)にある被写体を撮影しているものとし、カメラに全く振れが発生していないとき、撮影光軸の中心線は点R0 と点Ta を結ぶ直線上にあるとする。ここで、点Ca (ca ,0)を中心とする角変位が発生したときに、点Ca を中心とする半径ra の光軸角可変機構の軌跡121上の点Ra に移動した光軸角可変機構を介して、点Ta にある被写体が光軸中心を通るように、画像振れ補正装置を調整したとすると、例えば角変位αに対しては、光軸がβだけ屈曲されることになる。
【0013】
このように調整された画像振れ補正装置が搭載されたカメラを用いて、同じ距離にある被写体を撮影中に、今度は、点Cb (cb ,0)を中心として、上記と同じ角変位αが発生したとすると、もし、点Ta にある被写体が光軸の中心線を通るようにするためには、今度は、点Cb を中心とする半径rb の光軸角可変機構の軌跡122上の点Rb に移動した光軸角可変機構によって、角度γだけ光軸を屈曲させることが必要である。
【0014】
しかし、一般的な構成の光学式の画像振れ補正装置では、同じ角変位αに対しては、やはり同じ補正角度βが適用されるため、光軸の中心は点Ta を通らずに、点Tb (tb ,0)を通ることになり、撮影目的とした点Ta にある被写体の撮影映像は、発生した角振動に対して完全には画像振れ補正がなされないということになる。このような問題は、カメラにおいて発生する角振動の中心位置から光軸角可変機構までの距離が変化することに起因するが、根本的には、カメラにおいて発生する角振動の中心と光軸角可変機構の位置が一致しないことに起因する。
【0015】
一般には、被写体までの距離は様々であるので、上述の第2の問題だけが画像振れ補正装置の能力の低下を招く原因ではないことが多い。しかし、特定の条件では、被写体までの距離がある程度定められる撮影状況も想定できる。例えば、マラソン中継において、先頭ランナから一定の距離だけ前を走る移動中継車から、先頭ランナに特定した撮影を行う場合や、野球中継においてセンタバックスクリーン横から、ホームベース付近に集中した撮影を行う場合等である。このような状況では、カメラにおいて発生する角振動の中心位置が様々であるために、従来の画像振れ補正装置では、最高の能力を発揮していなかったり、最適に調整するのが困難であるという可能性が高い。
【0016】
上述のように、第2の問題は、車載等で様々な種類の角振動を受けながら撮影する場合に特に想定されが、このような場合には、被写体までの距離が大きくなる傾向にあるのと、家庭用では車載撮影の頻度がそれほど多いとは言えない事情もあって、問題になりにくかったと推測できる。
【0017】
しかしながら、従来より、放送用で画像振れ補正装置が強く求められてきた分野では、車載やヘリコプタ搭載等の撮影状況下で十分な画像振れ補正能力を発揮することが、放送業務用画像振れ補正装置としては必須であるといっても過言ではなく、このような様々な種類の振動が起こり得る撮影状況下では、角振動の中心位置の違いによる第2の問題の解決なくしては、完全な画像振れ補正能力の発揮は難しい。
【0018】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、撮像装置において発生する角振動の中心と光軸角可変装置の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じることを防止できるようにした画像振れ補正装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像振れ補正装置は、撮像装置における結像のための光路中に介挿され、光学素子を駆動することによって入射側の光軸に対して出射側の光軸がなす光軸角を変えることの可能な光軸角可変装置と、光軸角可変装置における光学素子の駆動位置を検出する光学素子位置検出手段と、撮像装置の振れを検出する振れ検出手段と、撮像装置から被写体までの距離の情報を取得する距離情報取得手段と、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報とに基づいて光軸角可変装置によって屈曲させるべき光軸角の補正角度である光軸補正角度を算出した後、記憶手段に記憶された調整値に基づいて光軸補正角度の調整を行い、その調整後の光軸補正角度と光学素子位置検出手段の出力信号とを比較して、光軸角の屈曲角度が、調整後の光軸補正角度となるように光軸角可変装置を制御して画像振れを補正する画像振れ補正制御手段とを備えたものである。
【0021】
請求項5記載の画像振れ補正装置は、撮像装置における結像のための光路中に介挿され、光学素子を駆動することによって入射側の光軸に対して出射側の光軸角がなす角度を変えることの可能な光軸角可変装置と、光軸角可変装置における光学素子の駆動位置を検出する光学素子位置検出手段と、撮像装置の振れを検出する振れ検出手段と、撮像装置から被写体までの距離の情報を取得する距離情報取得手段と、撮像装置において発生している角振動の中心位置に応じた情報を検出する角振動中心位置情報検出手段と、光学素子位置検出手段および振れ検出手段、ならびに角振動中心位置情報検出手段の検出出力のばらつきを調整するためにあらかじめ設定された調整値を記憶する記憶手段と、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報と角振動中心位置情報検出手段によって検出された情報とに基づいて光軸角可変装置によって屈曲させるべき光軸角の補正角度である光軸補正角度を算出した後、記憶手段に記憶された調整値に基づいて光軸補正角度の調整を行い、その調整後の光軸補正角度と光学素子位置検出手段の出力信号とを比較して、光軸角の屈曲角度が、調整後の光軸補正角度となるように光軸角可変装置を制御して画像振れを補正する画像振れ補正制御手段とを備えたものである。
【0022】
請求項1記載の画像振れ補正装置では、振れ検出手段によって撮像装置の振れが検出され、距離情報取得手段によって撮像装置から被写体までの距離の情報が取得され、画像振れ補正制御手段によって、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報とに基づいて、光軸角可変装置が制御されて画像振れが補正される。
【0024】
請求項5記載の画像振れ補正装置では、振れ検出手段によって撮像装置の振れが検出され、距離情報取得手段によって撮像装置から被写体までの距離の情報が取得され、角振動中心位置情報検出手段によって撮像装置において発生している角振動の中心位置に応じた情報が検出され、画像振れ補正制御手段によって、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報と角振動中心位置情報検出手段によって検出された角振動の中心位置に応じた情報とに基づいて、光軸角可変装置が制御されて画像振れが補正される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る画像振れ補正装置が装着されたビデオカメラの外観を示す側面図である。このビデオカメラ1は、カメラレンズ部2を有し、本実施の形態に係る画像振れ補正装置10は、カメラレンズ部2の先端部に着脱自在に装着されるアダプタ型の本体を有している。画像振れ補正装置10に対する電力は、電源ケーブル3を介して、ビデオカメラ1側の電源より供給されるようになっている。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る画像振れ補正装置10の構成を示すブロック図である。画像振れ補正装置10は、入射側の光軸に対して出射側の光軸がなす角度である透過光軸角を変えることの可能な光軸角可変装置11と、この光軸角可変装置11内のレンズの位置を検出するためのレンズ位置センサ12と、ビデオカメラ1の水平方向および垂直方向の振れを検出するための振れ検出手段としての角速度センサ13とを備えている。角速度センサ13には、例えば、それぞれ水平方向,垂直方向の振れの角速度を検出する2つのジャイロセンサが用いられる。
【0027】
画像振れ補正装置10は、更に、光軸角可変装置11を駆動する光軸角可変装置駆動装置14と、光軸角可変装置駆動装置14を制御する画像振れ補正制御手段としてのCPU(中央処理装置)15と、このCPU15に接続された不揮発性メモリ16とを備えている。なお、図示しないが、CPU15には、このCPU15が実行するプログラム等を格納したROM(リード・オンリ・メモリ)およびワーキングエリアとなるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)が接続されている。不揮発性メモリ16は、後述する調整パラメータの値を記憶するために用いられる。
【0028】
本実施の形態に係る画像振れ補正装置10は、更に、ビデオカメラ1から被写体20までの距離を測定する距離情報取得手段としての測距センサ17を備えている。CPU15は、レンズ位置センサ12、角速度センサ13および測距センサ17の各出力信号を入力し、これらの出力信号に基づいて、光軸角可変装置11を制御して画像振れを補正するようになっている。なお、測距センサ17は、カメラレンズ部2の先端部に装着される画像振れ補正装置10の本体に設けられていてもよいし、カメラレンズ部2に設けられていてもよいし、ビデオカメラ1側に設けられていてもよい。測距センサ17がカメラレンズ部2やビデオカメラ1側に設けられている場合でも、測距センサ17は、本実施の形態に係る画像振れ補正装置10の構成要素である。
【0029】
光軸角可変装置11としては、例えば特開昭57−25803号、特開平6−070220号、特開平6−281889号の各公報に示されるように、球面曲率が近似した平凹レンズ11aと平凸レンズ11bとを球面同士が対向するように回動自在に支持することによって頂角可変プリズムを形成し、各レンズ11a,11bを回動することによって、2つのレンズ11a,11bの平面同士がなす角度、すなわち頂角可変プリズムの頂角を変えることにより、透過光軸角を変える装置を用いることができる。
【0030】
光軸角可変装置11としては、この他、例えば特開平6−118471号、特開平7−168235号の各公報に示されるように、1つの凹レンズと1つの凸レンズとを組み合わせてアフォーカル光学系を構成し、各レンズを光軸に垂直で且つ互いに直交する方向に移動させることにより、透過光軸角を変える装置や、例えば特開昭61−269572号公報に示されるように、一対のガラス基板を回動自在に支持すると共に、この一対のガラス基板間に液体を封入することによって頂角可変プリズムを形成し、一対のガラス基板のなす角度、すなわち頂角可変プリズムの頂角を変えることにより、透過光軸角を変える装置を用いてもよい。
【0031】
測距センサ17は、被写体20の絶対位置を検出するかビデオカメラ1に対する被写体の相対位置を検出するかにかかわらず、ビデオカメラ1から任意の位置の被写体20までの距離を測定できるものであればよく、現在まで考案、実用化されている種々の方式のものを用いることが可能である。
【0032】
ここで、図3を参照して、一例として、外光三角方式を用いた場合の測距センサ17の概略の構成について説明する。この例における測距センサ17は、所定の距離Wを隔てて配設された2つのレンズ21,22と、この各レンズ21,22によって結像される被写体20の像が投影される2つの光センサアレイ23,24と、この光センサアレイ23,24の各出力信号を入力して、各光センサアレイ23,24上の被写体像の位相差を検出する位相差検出回路25とを備えている。光センサアレイ23,24は、それぞれ、レンズ21,22の配列方向に沿って配列された複数の光センサを有している。
【0033】
次に、図3に示した例の測距センサ17の動作原理について説明する。まず、各レンズ21,22の中心をO1 ,O2 とし、O1 ,O2 間の中点をQとする。また、各レンズ21,22の光軸が光センサアレイ23,24と交わる点をQ1 ,Q2 とする。また、レンズ21,22と光センサアレイ23,24間の距離をfe とする。また、被写体20上の点Pに対応する光センサアレイ23,24上の点をP1 ,P2 とする。
【0034】
ここで、P1 とQ1 との距離をPh1 、P2 とQ2 との距離をPh2 とすると、△PO1 Qと△O1 P1 Q1 が相似で、△PO2 Qと△O2 P2 Q2 が相似であることから、点Qから被写体20上の点Pまでの距離gは、次の式によって与えられる。
【0035】
g=W・fe /(Ph1 +Ph2 )=W・fe /Ph
ただし、Ph=Ph1 +Ph2
【0036】
ここで、Wとfe は定数なので、光センサアレイ23,24上の2つの被写体像の位相差Ph=Ph1 +Ph2 を検出すれば、距離gを求めることができる。位相差検出回路25は、この位相差Phを検出して、上式より距離gを求め、この距離gを表す信号26を、CPU15に対して送る。位相差Phは、例えば次の方法によって検出することができる。すなわち、この方法では、各光センサアレイ23,24においてそれぞれ任意の点を中心点として、この中心点から見て同じ位置にある光センサ同士の出力の差を求め、この出力の差の総和が最小となるときの光センサアレイ23における点Q1 と中心点との距離と、光センサアレイ24における点Q2 と中心点との距離との和を位相差Phとする。
【0037】
次に、本実施の形態に係る画像振れ補正装置10の動作について説明する。この画像振れ補正装置10では、CPU15は、角速度センサ13の出力信号を、例えば、ハイパスフィルタを通した後、積分して角変位を検出する。また、CPU15は、測距センサ17の出力信号を入力して、ビデオカメラ1における所定の基準点から被写体20までの距離を算出する。そして、CPU15は、検出した角変位と算出した距離とに基づいて、光軸角を屈曲させるべき角度である光軸補正角度を算出する。CPU15は、更に、算出した光軸補正角度とレンズ位置センサ12の出力信号とを比較して、光軸角可変装置11による光軸角の屈曲角度が算出した光軸補正角度となるように光軸角可変装置駆動装置14を制御する。これにより、光軸角の屈曲角度が、CPU15が算出した光軸補正角度となるように、光軸角可変装置11が駆動され、画像振れが補正される。
【0038】
本実施の形態に係る画像振れ補正装置10は、特に、ビデオカメラ1における所定の基準点から被写体20までの距離を用いて画像振れ補正の制御を行うことで、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象の発生を防止できるようにしている。
【0039】
以下、図4を参照して、本実施の形態における画像振れ補正の制御について詳しく説明する。なお、図4では、ビデオカメラ1の角振動による光軸角可変装置11の軌跡を含む平面内において、ビデオカメラ1の角振動の中心を原点とし、撮影光軸の中心線の方向をX方向、これに直交する方向をY方向とし、X方向、Y方向の各座標を(x,y)で表している。図4において、ビデオカメラ1の角振動の中心は点C(0,0)にあり、静止時における光軸角可変装置11の中心位置は点R(r,0)にあるものとする。また、被写体の位置を、点D(d,0)とする。
【0040】
また、本実施の形態では、ビデオカメラ1の角振動の中心Cと光軸角可変装置11の中心位置Rの距離rは一定値であるものとする。一般に、ビデオカメラ1を肩載せや手持ちで撮影する状況では、肩もしくは手首の位置を中心とした角振動が発生することが多いので、このような場合には、上述のように、ビデオカメラ1の角振動の中心Cと光軸角可変装置11の中心位置Rの距離rは、予め一定値として規定可能である。
【0041】
このような系において、点C(0,0)を中心とした角変位αがビデオカメラ1に発生したとすると、光軸角可変装置11は、点Rから、ビデオカメラ1の角振動による光軸角可変装置11の軌跡28上の点R′(r・cosα,r・sinα)へ移動する。ここで、光軸の中心線がやはり点Dを通るようにするために必要な光軸角可変装置11による光軸補正角度をγとする。ビデオカメラ1の角振動の中心Cと光軸角可変装置11の中心位置Rの距離rが一定値の場合、光軸補正角度γは、角変位αと、ビデオカメラ1の所定の基準点から被写体20までの距離が分かれば、容易に求めることができることは、図4から明らかである。本実施の形態では、ビデオカメラ1の所定の基準点から被写体20までの距離として、ビデオカメラ1の角振動の中心Cから被写体20までの距離dを使用する。
【0042】
図4に示したように、ビデオカメラ1の角振動の中心Cから光軸角可変装置11の中心位置R(R′)へ向かうベクトルをr* とし、光軸角可変装置11の中心位置R(R′)から被写体の位置D(d,0)へ向かうベクトルをd* とすると、ベクトルr* ,d* は、次の式(1),(2)で表される。
【0043】
r* =(r・cosα,r・sinα) …(1)
d* =(d−r・cosα,−r・sinα) …(2)
【0044】
ここで、光軸補正角度、すなわちベクトルr* とベクトルd* がなす角γは、次の式(3)より求められる。
【0045】
cosγ=r* ・d* /(|r* |・|d* |) …(3)
【0046】
ここで、r* ・d* ,|r* |,|d* |は、それぞれ、以下の式(4)〜(6)となる。
【0047】
【0048】
|r* |=r …(5)
【0049】
【0050】
従って、式(4)〜(6)を、式(3)に代入すると、次の式(7)が得られる。
【0051】
【0052】
式(7)より、距離rが一定値の場合、角変位αと距離dが決まると、光軸補正角度γが一義的に決まる。CPU15は、角速度センサ13の出力信号に基づいて式(7)中の角変位αを求めると共に、測距センサ17の出力信号に基づいて式(7)中の距離dを求め、これらを式(7)に代入して光軸補正角度γを算出する。
【0053】
ところで、上述のように光軸補正角度γが求まったとしても、一般に、角速度センサ13とレンズ位置センサ12の出力はアナログ値であるため、実際に光軸角可変装置駆動装置14におけるレンズ11a,11bをどの程度動かせばよいかに関しては、画像振れ補正装置10毎のばらつきが存在するため、画像振れ補正機能によって完全に被写体20のビデオカメラ1による撮影映像を静止させるためには、以下のように画像振れ補正装置10毎にパラメータの調整が必要である。
【0054】
ここで、光軸補正角度γは一般に1度以下の微小角であるから、このときの光軸角可変装置11のレンズ11a,11bの位置の目標値、すなわちレンズ位置センサ12の出力目標値は、k・γと線形に表すことができるものとすると、このkが、画像振れ補正装置10毎に調整すべきパラメータとなる。
【0055】
本実施の形態では、調整時に、被写体をある基準位置に置き、角変位αが発生しても、常に被写体が光軸の中心を通るように、パラメータkを調整する。そして、調整結果のパラメータkの値を不揮発性メモリ16に格納しておく。実撮影時には、CPU15は、式(7)によって光軸補正角度γを求めた後、不揮発性メモリ16に格納されているパラメータkの値を参照してk・γを求め、レンズ位置センサ12の出力がk・γとなるように、光軸角可変装置11を制御する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像振れ補正装置10によれば、CPU15によって、角速度センサ13の出力と測距センサ17の出力とに基づいて、光軸角可変装置11を制御して、画像振れを補正するようにしたので、ビデオカメラ1において発生する角振動の中心と光軸角可変装置11の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じること、詳しくは、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象の発生を防止することができる。
【0057】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置30は、手動で焦点調節を行うようになっているビデオカメラ1に適用されるものである。この画像振れ補正装置30が適用されるビデオカメラ1は、カメラレンズ部2内において、フォーカスリング31と、このフォーカスリング31の回転位置を検出してフォーカス距離情報33を出力するフォーカス距離情報生成部32とを有している。本実施の形態に係る画像振れ補正装置30では、第1の実施の形態における測距センサ17を有しておらず、代わりに、CPU15は、ビデオカメラ1のフォーカス距離情報生成部32からのフォーカス距離情報33を入力するようになっている。
【0058】
フォーカスリング31は、図示しないフォーカス用レンズを手動によって動かして焦点調節を行うためのものであり、カメラレンズ部2の鏡筒に対して回動自在に設けられている。フォーカス距離情報生成部32は、例えば、フォーカスリング31に連動するポテンショメータを有しており、フォーカスリング31の回転位置を検出し、その回転位置に対応するフォーカス距離情報33を出力するようになっている。フォーカス距離情報33とは、ビデオカメラ30の所定の基準点から撮影者が合焦状態で撮影しようとしている被写体20までの距離の情報である。なお、レンズ一体型のビデオカメラの場合には、ビデオカメラ内部にフォーカス距離情報生成部32が設けられており、ビデオカメラ内部よりフォーカス距離情報33を取り出すことは容易である。また、放送業務用等の単体レンズにおいても、フォーカス距離情報生成部32を有し、フォーカス距離情報33を外部に出力できるものが既に製品化されている。
【0059】
なお、フォーカス距離情報生成部32より出力されるフォーカス距離情報33がディジタル値の場合は、そのままCPU15に入力することができるが、フォーカス距離情報33がアナログ値の場合は、フォーカス距離情報33をアナログ−ディジタル変換した後、CPU15に入力するようにする。
【0060】
本実施の形態では、撮影しようとする被写体20において合焦状態となるように、撮影者によってフォーカスリング31が調節される。そのとき、フォーカス距離情報生成部32によって、フォーカスリング31の回転位置が検出され、その回転位置に対応するフォーカス距離情報33が出力され、CPU15に入力される。
【0061】
CPU15は、角速度センサ13の出力信号に基づいて式(7)中の角変位αを求めると共に、フォーカス距離情報33に基づいて式(7)中の距離dを求め、これらを式(7)に代入して光軸補正角度γを算出する。CPU15は、式(7)によって光軸補正角度γを求めた後、不揮発性メモリ16に格納されているパラメータkの値を参照してk・γを求め、レンズ位置センサ12の出力がk・γとなるように、光軸角可変装置11を制御する。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像振れ補正装置30によれば、フォーカスリング31の回転位置を検出するフォーカス距離情報生成部32からのフォーカス距離情報33を利用して、精密な画像振れ補正を行うようにしたので、第1の実施の形態における測距センサ17のような距離情報を生成するための特別の構成が不要となり、構成が簡単になる。本実施の形態におけるその他の構成、動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置40は、自動的に焦点調節を行うオートフォーカス機能を有するビデオカメラ1に適用されるものである。この画像振れ補正装置40が適用されるビデオカメラ1は、カメラレンズ部2内において、図示しないフォーカス用レンズと、このフォーカス用レンズを駆動するフォーカス用レンズ駆動部41とを有すると共に、本体内において、フォーカス用レンズ駆動部41を制御して自動的に焦点調節を行い、フォーカス距離情報43を出力するオートフォーカス処理部42を有している。なお、フォーカス用レンズは、第2の実施の形態と同様に、フォーカスリング31によって手動によって調節することも可能になっている。フォーカス用レンズ駆動部41およびオートフォーカス処理部42は、本発明における自動焦点調節手段に対応する。
【0064】
本実施の形態に係る画像振れ補正装置40では、第1の実施の形態における測距センサ17を有しておらず、代わりに、CPU15は、オートフォーカス処理部42からのフォーカス距離情報43を入力するようになっている。フォーカス距離情報43とは、ビデオカメラ30の所定の基準点からオートフォーカス処理部42によって合焦状態とされた被写体20までの距離の情報である。
【0065】
ビデオカメラにおけるオートフォーカスの方式には、文献「村島弘嗣他:デジタル積分オートフォーカスビデオカメラ,テレビジョン学会技術報告,ITEJ Technical Report Vol.11.No.10.pp13 〜18.(1987年)」に記載されているように、大きく分けてTTL(Through The Lens)方式と外部測距方式とがある。各方式は、更に以下のように細分される。本実施の形態におけるオートフォーカス機能には、これらのいずれの方式を用いてもよい。
【0066】
(1)TTL
▲1▼ピント検出
(i)コントラスト検出
(ii)相関検出(TCLシステム)
▲2▼測距…赤外線照射
(2)外部測距
▲1▼三角測量
(i)一対像合致(VAFシステム)
(ii)赤外線照射
▲2▼伝搬速度…超音波(ソナーシステム)
【0067】
図7は、上記各方式のうち、コントラスト検出方式を用い、且ついわゆる山登りサーボ方式によって焦点調節を行うようにした場合におけるフォーカス用レンズ駆動部41とオートフォーカス処理部42の構成の一例を示したものである。また、この例では、前出の文献に記載されているディジタル積分を採用している。この例では、オートフォーカス処理部42は、ビデオカメラ1によって得られる映像信号44を入力し、この映像信号44の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ(以下、HPFと記す。)45と、このHPF45の出力信号を検波する検波回路46と、この検波回路46の出力信号をアナログ−ディジタル(以下、A/Dと記す。)変換するA/D変換器47と、このA/D変換器47の出力信号を選択的に通過させるゲート48と、このゲート48の出力信号を1フィールド毎に積分する積分回路49とを備えている。オートフォーカス処理部42は、更に、映像信号44から同期信号を分離する同期分離回路50と、この同期分離回路50によって分離された同期信号に基づいてゲート48を制御するゲート制御回路51と、積分回路49の出力信号を入力し、フォーカス用レンズ駆動部41を制御すると共にフォーカス距離情報43を出力するCPU52とを備えている。
【0068】
図7に示した例におけるフォーカス用レンズ駆動部41は、フォーカス用レンズを駆動するモータ53と、CPU52の制御の下でモータ53を駆動するモータ駆動回路54と、モータ53の回転位置を検出し、その回転位置の情報をCPU52に送るモータ位置検出回路55とを備えている。
【0069】
図7に示した例におけるオートフォーカス処理部42では、同期分離回路50によって映像信号44から同期信号を分離し、この同期信号に基づいて、ゲート制御回路51は、所定のエリアの信号のみを通過させるようにゲート48を制御する。また、オートフォーカス処理部42では、HPF45によって映像信号44の高周波成分を抽出し、検波回路46によってHPF45の出力信号を検波し、A/D変換器47によって検波回路46の出力信号をA/D変換し、ゲート48によってA/D変換器47の出力信号を選択的に通過させ、積分回路49によってゲート48の出力信号を1フィールド毎に積分する。積分回路49の出力信号はCPU52に入力される。
【0070】
CPU52は、積分回路49の出力信号を監視しながら、積分回路49の出力信号が最大になるように、モータ駆動回路54を制御する。モータ駆動回路54は、モータ53を駆動し、これにより、フォーカス用レンズが駆動される。モータ位置検出回路55は、モータ53の回転位置を検出し、その回転位置の情報をCPU52に送る。CPU52は、モータ位置検出回路55からの情報に基づいて、フォーカス距離情報43を生成し、画像振れ補正装置40のCPU15に送る。
【0071】
本実施の形態では、フォーカス用レンズ駆動部41およびオートフォーカス処理部42によって、自動的に、被写体20が合焦状態となるようにフォーカス用レンズが駆動される。そのとき、オートフォーカス処理部42によって、フォーカス距離情報43が出力され、CPU15に入力される。
【0072】
CPU15は、角速度センサ13の出力信号に基づいて式(7)中の角変位αを求めると共に、フォーカス距離情報43に基づいて式(7)中の距離dを求め、これらを式(7)に代入して光軸補正角度γを算出する。CPU15は、式(7)によって光軸補正角度γを求めた後、不揮発性メモリ16に格納されているパラメータkの値を参照してk・γを求め、レンズ位置センサ12の出力がk・γとなるように、光軸角可変装置11を制御する。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像振れ補正装置40によれば、オートフォーカス処理部42からのフォーカス距離情報43を利用して、精密な画像振れ補正を行うようにしたので、第1の実施の形態における測距センサ17のような距離情報を生成するための特別の構成が不要となり、構成が簡単になる。
【0074】
また、近年の家庭用ビデオカメラにおいては、オートフォーカス機能は必須のものとなっており、今後、放送業務用ビデオカメラにおいても、オートフォーカス機能が採用されていく可能性は十分ある。そのため、本実施の形態のように、オートフォーカス機能と画像振れ補正機能とが一体となって、画像振れ補正機能の能力が向上することは、ビデオカメラ全体として非常に都合がよい。本実施の形態におけるその他の構成、動作および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0075】
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置60は、特に、特定の距離にある被写体が静止するように画像振れ補正装置を最適に調整しても、振動の発生状況が変わると、その特定の被写体に対しての十分な画像振れ補正能力を発揮できなくなるという問題を解決するものである。
【0076】
本実施の形態に係る画像振れ補正装置60では、第1の実施の形態における測距センサ17を有しておらず、代わりに、ビデオカメラ1における2箇所に設けられた2つの対地加速度センサ61,62を有している。この対地加速度センサ61,62は、これらが設けられた各位置における変位に応じたパラメータとして、地面に対する加速度である対地加速度を検出するようになっている。対地加速度センサ61,62の各出力は、CPU15に入力されるようになっている。対地加速度センサ61,62は、本発明における角振動中心位置情報検出手段中の測定手段に対応し、CPU15は本発明における角振動中心位置情報検出手段中の距離算出手段に対応する。
【0077】
対地加速度センサ61,62は、少なくとも水平方向および垂直方向の角速度を検出できるものが好ましい。この対地加速度センサ61,62としては、例えばジャイロセンサが用いられる。また、対地加速度センサ61,62は、必ずしもビデオカメラ1における2箇所に設けられる必要はなく、ビデオカメラ1、ビデオカメラ1に付随する部材および画像振れ補正装置60の本体中の少なくとも2箇所に設けられていればよい。
【0078】
次に、本実施の形態に係る画像振れ補正装置60の動作について説明する。この画像振れ補正装置60では、CPU15は、角速度センサ13の出力信号を、例えば、ハイパスフィルタを通した後、積分して角変位を検出する。また、CPU15は、対地加速度センサ61,62の出力信号を入力して、これらに基づいて、ビデオカメラ1において発生している角振動の中心位置に応じた情報を検出する。そして、CPU15は、検出した角変位と検出した角振動の中心位置に応じた情報とに基づいて、光軸補正角度を算出する。
【0079】
ここで、本実施の形態において光軸補正角度を求める方法について説明する。図14から分かるように、ビデオカメラ1において発生している角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離と、光軸角可変装置から被写体までの距離と、角変位とが分かれば、光軸補正角度は容易に求められる。本実施の形態では、光軸角可変装置から被写体までの距離は一定であるものとする。この場合には、角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離と角変位とが分かれば、光軸補正角度が求められる。
【0080】
本実施の形態では、2つの対地加速度センサ61,62の出力信号を用いて角振動の中心位置に応じた情報として、角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離を求めるようにしている。
【0081】
次に、図9を参照して、本実施の形態において角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離を検出する方法について説明する。図9は、ビデオカメラ1のカメラレンズ部2の先端部に画像振れ補正装置60を装着した状態を表す模式図上に、対地加速度センサ61,62の出力信号を表すベクトル等を重ねて表したものである。なお、図9では、ビデオカメラ1の角振動による光軸角可変装置11の軌跡を含む平面内において、ビデオカメラ1の角振動の中心を原点とし、撮影光軸の中心線の方向をX方向、これに直交する方向をY方向とし、X方向、Y方向の各座標を(x,y)で表している。図9において、ビデオカメラ1の角振動の中心位置は点C(0,0)にあり、静止時における光軸角可変装置11の中心位置は点R(r,0)にあるものとする。また、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから両対地加速度センサ61,62間の中心位置までの距離をL1 ,両対地加速度センサ61,62間の中心位置から光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離をL2 とする。また、両対地加速度センサ61,62間の距離をmとする。ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離rは、L1 とL2 の和である。ここで、距離L2 は装置固有の値であるから、距離L1 が分かれば、距離rが求まる。
【0082】
ここで、単位時間内に角変位αが発生したときにおける対地加速度センサ61が取り付けられた位置における位置移動量をy1 、対地加速度センサ62が取り付けられた位置における位置移動量をy2 とする。角変位αが微小であるならば、各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置における位置移動量y1 ,y2 は、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置までの距離に比例することから、以下の式(8)が成り立つ。
【0083】
y1 :y2 =L1 +m/2:L1 −m/2 …(8)
【0084】
この式(8)より、L1 は、次の式(9)によって求められる。
【0085】
L1 =(m/2)・{(y1 +y2 )/(y1 −y2 )} …(9)
【0086】
従って、求めるべき距離rは、次の式(10)によって求められる。
【0087】
【0088】
ところで、式(8)では、各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置における位置移動量y1 ,y2 が、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置までの距離に比例することを利用しているが、各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置における対地速度y1 ′,y2 ′や、対地加速度y1 ”,y2 ”も、同様に、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから各対地加速度センサ61,62が取り付けられた位置までの距離に比例する。従って、式(8)と同様に、以下の式(11),(12)が成り立つ。
【0089】
y1 ′:y2 ′=L1 +m/2:L1 −m/2 …(11)
y1 ”:y2 ”=L1 +m/2:L1 −m/2 …(12)
【0090】
その結果、式(10)と同様に、以下の式(13),(14)が成り立つ。
【0091】
r=L2 +(m/2)・{(y1 ′+y2 ′)/(y1 ′−y2 ′)}…(13)
r=L2 +(m/2)・{(y1 ”+y2 ”)/(y1 ”−y2 ”)}…(14)
【0092】
本実施の形態では、対地加速度センサ61,62によって、対地加速度y1 ”,y2 ”が求まるので、式(14)を用いて、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離rを求めることができる。
【0093】
図8におけるCPU15は、角速度センサ13の出力信号に基づいて式(7)中の角変位αを求めると共に、対地加速度センサ61,62の出力信号に基づいて式(7)中の距離rを求め、これらを式(7)に代入して光軸補正角度γを算出する。CPU15は、式(7)によって光軸補正角度γを求めた後、不揮発性メモリ16に格納されているパラメータkの値を参照してk・γを求め、レンズ位置センサ12の出力がk・γとなるように、光軸角可変装置11を制御する。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像振れ補正装置60によれば、CPU15が、対地加速度センサ61,62の出力信号に基づいて、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離rを求め、角速度センサ13の出力信号に基づいて求められた角変位αと距離rとに基づいて、光軸角可変装置11を制御して、画像振れを補正するようにしたので、ビデオカメラ1において発生する角振動の中心と光軸角可変装置11の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じること、詳しくは、特定の距離にある被写体が静止するように画像振れ補正装置を最適に調整しても、振動の発生状況が変わると、その特定の被写体に対しての十分な画像振れ補正能力を発揮できなくなることを防止することができる。
【0095】
なお、本実施の形態において、対地加速度センサ61,62の代わりに、地面に対する位置である対地位置を検出する対地位置センサや、地面に対する速度である対地速度を検出する対地速度センサを用いてもよい。対地位置センサを用いる場合には、対地位置センサの出力信号に基づいて単位時間当たりの位置移動量を求め、この位置移動量を式(10)に代入して、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離rを求めることができる。対地速度センサを用いる場合には、対地速度センサの出力信号より求まる速度を求め、この速度を式(13)に代入して、ビデオカメラ1の角振動の中心位置Cから光軸角可変装置11の中心位置Rまでの距離rを求めることができる。このように、角振動中心位置情報検出手段中の測定手段としては、対地加速度センサ、対地位置センサ、対地速度センサのいずれを用いてもよいが、価格、性能等の見地からすれば、対地加速度センサが最も一般的であり、最も実用的である。本実施の形態におけるその他の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0096】
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置70は、第1の実施の形態に係る画像振れ補正装置10に対して、第4の実施の形態と同様の対地加速度センサ61,62を付加し、CPU15が、角速度センサ13、測距センサ17、対地加速度センサ61,62の各出力信号に基づいて光軸角可変装置11を制御するようにしたものである。
【0097】
本実施の形態において、CPU15は、角速度センサ13の出力信号に基づいて式(7)中の角変位αを求め、測距センサ17の出力信号に基づいて式(7)中の距離dを求め、更に、対地加速度センサ61,62の出力信号に基づいて式(7)中の距離rを求め、これらを式(7)に代入して光軸補正角度γを算出する。CPU15は、式(7)によって光軸補正角度γを求めた後、不揮発性メモリ16に格納されているパラメータkの値を参照してk・γを求め、レンズ位置センサ12の出力がk・γとなるように、光軸角可変装置11を制御する。
【0098】
このように、本実施の形態に係る画像振れ補正装置70によれば、測距センサ17によってビデオカメラ1から被写体20までの距離を測定すると共に、対地加速度センサ61,62の出力信号に基づいて、ビデオカメラ1の角振動の中心位置から光軸角可変装置11の中心位置までの距離を求め、これらの距離の情報と、角速度センサ13の出力信号に基づいて求められる角変位とに基づいて、光軸角可変装置11を制御して、画像振れを補正するようにしたので、ビデオカメラ1において発生する角振動の中心と光軸角可変装置11の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じること、詳しくは、第1の実施の形態と同様に、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象の発生を防止することができると共に、第4の実施の形態と同様に、特定の距離にある被写体が静止するように画像振れ補正装置を最適に調整しても、振動の発生状況が変わると、その特定の被写体に対しての十分な画像振れ補正能力を発揮できなくなることを防止することができる。
【0099】
本実施の形態におけるその他の構成および動作は、第1の実施の形態または第4の実施の形態と同様である。
【0100】
図11は、本発明の第6の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置80は、第2の実施の形態に係る画像振れ補正装置30に対して、第4の実施の形態と同様の対地加速度センサ61,62を付加し、CPU15が、角速度センサ13の出力信号、フォーカス距離情報生成部32からのフォーカス距離情報33および対地加速度センサ61,62の各出力信号に基づいて光軸角可変装置11を制御するようにしたものである。
【0101】
本実施の形態では、第5の実施の形態において測距センサ17の出力信号に基づいて式(7)中の距離dを求める代わりに、フォーカス距離情報33に基づいて式(7)中の距離dを求める。
【0102】
本実施の形態におけるその他の構成および動作は、第2の実施の形態または第4の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における効果は、第5の実施の形態と同様である。
【0103】
図12は、本発明の第7の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像振れ補正装置90は、第3の実施の形態に係る画像振れ補正装置40に対して、第4の実施の形態と同様の対地加速度センサ61,62を付加し、CPU15が、角速度センサ13の出力信号、オートフォーカス処理部42からのフォーカス距離情報43および対地加速度センサ61,62の各出力信号に基づいて光軸角可変装置11を制御するようにしたものである。
【0104】
本実施の形態では、第5の実施の形態において測距センサ17の出力信号に基づいて式(7)中の距離dを求める代わりに、フォーカス距離情報43に基づいて式(7)中の距離dを求める。
【0105】
本実施の形態におけるその他の構成および動作は、第3の実施の形態または第4の実施の形態と同様である。また、本実施の形態における効果は、第5の実施の形態と同様である。
【0106】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、例えば、本発明の画像振れ補正装置は、実施の形態で挙げたようなアダプタ型のものに限らず、ビデオカメラ等に一体的に組み込まれたものや、カメラレンズと一体化されたものでも良い。また、本発明は、ビデオカメラに限らず、スチールカメラや、映画用フィルムを用いる撮影機等の他の種類の撮像装置にも適用することができる。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし4のいずれかに記載の画像振れ補正装置によれば、振れ検出手段によって撮像装置の振れを検出し、距離情報取得手段によって撮像装置から被写体までの距離の情報を取得し、画像振れ補正制御手段によって、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報とに基づいて、光軸角可変装置を制御して画像振れを補正するようにしたので、撮像装置において発生する角振動の中心と光軸角可変装置の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じること、詳しくは、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象の発生を防止することができるという効果を奏する。
【0108】
また、請求項3記載の画像振れ補正装置によれば、距離情報取得手段が、撮像装置に設けられた距離情報生成手段によって生成された距離の情報を取得するようにしたので、更に、撮像装置から被写体までの距離を測定する手段が不要となり、構成が簡単になるという効果を奏する。
【0109】
また、請求項4記載の画像振れ補正装置によれば、距離情報取得手段が、撮像装置に設けられた自動焦点調節手段より距離の情報を取得するようにしたので、更に、撮像装置から被写体までの距離を測定する手段が不要となり、構成が簡単になるという効果を奏する。
【0111】
請求項5ないし9のいずれかに記載の画像振れ補正装置によれば、振れ検出手段によって撮像装置の振れを検出し、距離情報取得手段によって撮像装置から被写体までの距離の情報を取得し、角振動中心位置情報検出手段によって撮像装置において発生している角振動の中心位置に応じた情報を検出し、画像振れ補正制御手段によって、振れ検出手段の検出出力と距離情報取得手段によって取得された距離の情報と角振動中心位置情報検出手段によって検出された角振動の中心位置に応じた情報とに基づいて、光軸角可変装置を制御して画像振れを補正するようにしたので、撮像装置において発生する角振動の中心と光軸角可変装置の位置が一致しないことに起因して精密な画像振れ補正がなされない場合が生じること、詳しくは、近くの被写体が静止するように調整すると遠くの被写体が揺れ、逆に遠くの被写体が静止するように調整すると近くの被写体が揺れるという現象の発生を防止することができると共に、特定の距離にある被写体が静止するように画像振れ補正装置を最適に調整しても、振動の発生状況が変わると、その特定の被写体に対しての十分な画像振れ補正能力を発揮できなくなることを防止することができるという効果を奏する。
【0112】
また、請求項7記載の画像振れ補正装置によれば、距離情報取得手段が、撮像装置に設けられた距離情報生成手段によって生成された距離の情報を取得するようにしたので、更に、撮像装置から被写体までの距離を測定する手段が不要となり、構成が簡単になるという効果を奏する。
【0113】
また、請求項8記載の画像振れ補正装置によれば、距離情報取得手段が、撮像装置に設けられた自動焦点調節手段より距離の情報を取得するようにしたので、更に、撮像装置から被写体までの距離を測定する手段が不要となり、構成が簡単になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像振れ補正装置が装着されたビデオカメラの外観を示す側面図である。
【図3】図1における測距センサの構成の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像振れ補正の制御について説明するための説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6におけるフォーカス用レンズ駆動部とオートフォーカス処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態において角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離を検出する方法について説明するための説明図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態に係る画像振れ補正装置の構成を示すブロック図である。
【図13】カメラにおいて発生する角振動の中心と光軸角可変機構の位置が一致しないことに起因する問題点を説明するための説明図である。
【図14】カメラにおいて発生する角振動の中心と光軸角可変機構の位置が一致しないことに起因する他の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…ビデオカメラ、10…画像振れ補正装置、11…光軸角可変装置、12…レンズ位置センサ、13…角速度センサ、14…光軸角可変装置駆動装置、15…CPU、16…不揮発性メモリ、17…測距センサ
Claims (9)
- 撮像装置における結像のための光路中に介挿され、光学素子を駆動することによって入射側の光軸に対して出射側の光軸がなす光軸角を変えることの可能な光軸角可変装置と、
前記光軸角可変装置における前記光学素子の駆動位置を検出する光学素子位置検出手段と、
撮像装置の振れを検出する振れ検出手段と、
前記光学素子位置検出手段および前記振れ検出手段の検出出力のばらつきを調整するためにあらかじめ設定された調整値を記憶する記憶手段と、
撮像装置から被写体までの距離の情報を取得する距離情報取得手段と、
前記振れ検出手段の検出出力と前記距離情報取得手段によって取得された距離の情報とに基づいて前記光軸角可変装置によって屈曲させるべき前記光軸角の補正角度である光軸補正角度を算出した後、前記記憶手段に記憶された調整値に基づいて前記光軸補正角度の調整を行い、その調整後の光軸補正角度と前記光学素子位置検出手段の出力信号とを比較して、前記光軸角の屈曲角度が、前記調整後の光軸補正角度となるように前記光軸角可変装置を制御して画像振れを補正する画像振れ補正制御手段と
を備えたことを特徴とする画像振れ補正装置。 - 前記距離情報取得手段は、撮像装置から被写体までの距離を測定する距離測定手段を有し、この距離測定手段によって得られる距離の情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像振れ補正装置。
- 前記撮像装置は、合焦状態で撮像可能な被写体までの距離を調節するための焦点調節手段と、この焦点調節手段の状態より撮像装置から被写体までの距離の情報を生成する距離情報生成手段とを有し、前記距離情報取得手段は、前記距離情報生成手段によって生成された距離の情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像振れ補正装置。
- 前記撮像装置は、被写体が合焦状態で撮像されるように自動的に焦点調節を行うと共に、撮像装置から被写体までの距離の情報を出力する自動焦点調節手段を有し、前記距離情報取得手段は、前記自動焦点調節手段より、撮像装置から被写体までの距離の情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像振れ補正装置。
- 撮像装置における結像のための光路中に介挿され、光学素子を駆動することによって入射側の光軸に対して出射側の光軸がなす光軸角を変えることの可能な光軸角可変装置と、
前記光軸角可変装置における前記光学素子の駆動位置を検出する光学素子位置検出手段と、
撮像装置の振れを検出する振れ検出手段と、
撮像装置から被写体までの距離の情報を取得する距離情報取得手段と、
撮像装置において発生している角振動の中心位置に応じた情報を検出する角振動中心位置情報検出手段と、
前記光学素子位置検出手段および前記振れ検出手段、ならびに前記角振動中心位置情報検出手段の検出出力のばらつきを調整するためにあらかじめ設定された調整値を記憶する記憶手段と、
前記振れ検出手段の検出出力と前記距離情報取得手段によって取得された距離の情報と前記角振動中心位置情報検出手段によって検出された情報とに基づいて前記光軸角可変装置によって屈曲させるべき前記光軸角の補正角度である光軸補正角度を算出した後、前記記憶手段に記憶された調整値に基づいて前記光軸補正角度の調整を行い、その調整後の光軸補正角度と前記光学素子位置検出手段の出力信号とを比較して、前記光軸角の屈曲角度が、前記調整後の光軸補正角度となるように前記光軸角可変装置を制御して画像振れを補正する画像振れ補正制御手段と
を備えたことを特徴とする画像振れ補正装置。 - 前記距離情報取得手段は、撮像装置から被写体までの距離を測定する距離測定手段を有し、この距離測定手段によって得られる距離の情報を取得することを特徴とする請求項5記載の画像振れ補正装置。
- 前記撮像装置は、合焦状態で撮像可能な被写体までの距離を調節するための焦点調節手段と、この焦点調節手段の状態より撮像装置から被写体までの距離の情報を生成する距離情報生成手段とを有し、前記距離情報取得手段は、前記距離情報生成手段によって生成された距離の情報を取得することを特徴とする請求項5記載の画像振れ補正装置。
- 前記撮像装置は、被写体が合焦状態で撮像されるように自動的に焦点調節を行うと共に、撮像装置から被写体までの距離の情報を出力する自動焦点調節手段を有し、前記距離情報取得手段は、前記自動焦点調節手段より、撮像装置から被写体までの距離の情報を取得することを特徴とする請求項5記載の画像振れ補正装置。
- 前記角振動中心位置情報検出手段は、撮像装置、撮像装置に付随する部材または画像振れ補正装置の本体における少なくとも2箇所に設けられ、各位置における変位に応じたパラメータの値を測定する測定手段と、この測定手段の測定値に基づいて、角振動の中心位置に応じた情報として、角振動の中心位置から光軸角可変装置までの距離を算出する距離算出手段とを有することを特徴とする請求項5記載の画像振れ補正装置。
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