JP3897196B2 - 振れ補正装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ一体型ビデオテープレコーダ(以下「ビデオカメラ」という。)のような撮影システムの手振れ補正装置に適した振れ補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、放送業務用のビデオカメラにおいては、操作の簡易化や高機能化が求められるようになってきた。これに伴い、このビデオカメラにおいても、手振れ補正装置が要求されるようになってきた。ここで、手振れ補正装置とは、ビデオカメラの手振れを補正する装置である。すなわち、ビデオカメラの手振れによる撮影画像の振れを抑圧する装置である。
【0003】
この手振れ補正装置においては、パン操作やチルト操作などによるビデオカメラの振れを補正しないようにする必要がある。すなわち、撮影者の意図する振れを補正しないようにする必要がある。理想的には、撮影者が意図する振れは、一切補正しないようにし、意図しない振れのみを補正するようにする必要がある。これは、一般消費者用のビデオカメラに比べ、高度なカメラ操作を要求される放送業務用のビデオカメラにおいては、極めて重要である。なお、以下の説明では、撮影者が意図しない振れには、手振れのほかに、自動車の走行振動等による振れも含まれるものとする。
【0004】
撮影者の意図する振れは補正せず、意図しない振れのみを補正するようにするためには、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れか否かを判別する機能が必要になる。
【0005】
この機能を実現するために、一般消費者用のビデオカメラの手振れ補正装置においては、従来、ビデオカメラの振れを検出する振れ検出器の検出出力の特徴を抽出し、この抽出出力に基づいて、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れか否かを判別するようになされていた。
【0006】
しかしながら、このような構成では、撮影者の意図した振れと意図しない振れとを明確に分離することが困難であった。これにより、従来の手振れ補正装置においては、撮影者が意図した振れが誤って補正されてしまうという問題があった。
【0007】
この問題に対処するために、従来の手振れ補正装置では、振れの補正量(振れの振幅や周波数)を本来の値より抑え気味にすることにより、大きな誤補正が発生しないようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成であっても、パン操作やチルト操作を行った場合、ビデオカメラの動き特性によっては、ある程度大きな誤補正が発生することを避けることができなかった。
【0009】
これにより、従来の手振れ補正装置においては、パン操作やチルト操作に違和感が発生する場合があるという問題があった。また、撮影者の意図が撮影画像に反映されず、撮影画像が撮影者にとって不本意なものとなる場合があるという問題があった。さらに、ビデオカメラを停止させた時点で、手振れ補正動作の作動分を元に戻す動作が実行されるため、撮影画像に戻し揺れが発生し、撮影者に不快感を与えるという問題があった。
【0010】
このような問題を解決するために、一部の手振れ補正装置においては、手振れ補正動作の停止を指示するための操作釦を設け、この操作釦が操作されると、手振れ補正動作を実行しないようになっている。このような構成によれば、パン操作やチルト操作を行う場合、上記操作釦を操作することにより、誤って手振れ補正動作が実行されてしまうことがないので、上述したような問題を解決することができる。
【0011】
しかしながら、このような構成では、撮影者は、カメラ本来の操作に加え、新たに煩雑な操作を追加要求されるため、フィールドでの取材活動に専念できないという問題があった。
【0012】
以上から、一般消費者用のビデオカメラで用いられている従来の手振れ補正装置は、放送業務用のビデオカメラの手振れ補正装置に用いることが難しかった。
【0013】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、撮影者の意図する振れと意図しない振れとを正確に判別することができるようにすることにより、追加操作を要求することなく、自動的に誤補正の発生を防止することができる振れ補正装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被写体を撮影する撮影システムに設けられ、この撮影システムの振れを検出する第1の振れ検出手段と、上記撮影システムに設けられ、この撮影システムに対する撮影者の顔の振れを検出する第2の振れ検出手段と、第2の振れ検出手段によって撮影者の顔の振れが検出された場合には、第1の振れ検出手段の検出出力に基づいて、撮影システムの振れを補正し、第2の振れ検出手段によって撮影者の顔の振れが検出されない場合には、前回の補正状態を保持する振れ補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明では、第1の振れ検出手段により、撮影システムの振れが検出される。また、第2の振れ検出手段により、撮影システムに対する撮影者の顔の振れが検出される。そして、これら2つの検出出力に基づいて、振れ補正手段により、撮影システムの振れが補正される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の振れ補正装置の第1の実施の形態の構成を示す図である。なお、図1には、本発明の振れ補正装置をビデオカメラの手振れ補正装置に適用した場合を代表として示す。また、図1には、本実施の形態の振れ補正装置を備えたビデオカメラ全体の構成を示す。
【0018】
図1に示すビデオカメラは、被写体を撮影するカメラ本体100と、ビデオカメラの手振れを補正する手振れ補正装置200とを有する。手振れ補正装置200は、カメラ本体100に着脱自在に構成されている。すなわち、手振れ補正装置200は、必要に応じて使用可能なアダプタとして構成されている。
【0019】
カメラ本体100は、被写体像を電気的な撮像信号に変換するカメラ部110と、このカメラ部110から出力される撮像信号を映像信号に変換する映像信号処理回路120と、撮影者Mが被写体を撮影中に撮影画像を監視(モニタ)するためのビューファインダ130とを有する。
【0020】
カメラ部110は、被写体像を取り込む撮像光学系111と、この撮像光学系111により取り込まれた被写体像を電気的な撮像信号に変換する撮像素子112とを有する。ここで、撮像光学系111は、焦点距離を変化させることができるようになっている。また、撮像素子112は、例えば、電荷結合素子によって構成されている。なお、カメラ部110の撮像構成としては、単板式の撮像構成であってもよいし、ダイクロックプリズムやダイクロックミラーを用いた2板式、3板式、4板式の撮像構成であってもよい。
【0021】
ビューファインダ130は、撮影画像を表示するための表示部131と、この表示部131に表示された撮影画像を撮影者の目まで導くための光学鏡筒132と、アイカップ132を備えたルーペ133(図2参照)とを有する。アイカップ132は、例えば、ゴムなどの柔らかい素材によって構成されている。
【0022】
手振れ補正装置200は、ビデオカメラの振れによる撮影光軸の相対的な角度変位が撮影者の意図する振れによるものか否かを判別し、意図する振れによるものでない場合は、この振れを補正する処理を実行し、意図する振れによるものである場合は、前回の補正状態を保持するようになっている。
【0023】
また、手振れ補正装置200は、ビデオカメラの振れを検出する場合、光軸に垂直で、かつ、互いに直交する2つの軸を使って検出するようになっている。この軸としては、例えば、ピッチングP方向(チルト方向)の軸と、ヨーイングY方向(パン方向)の軸とが用いられる。
【0024】
さらに、この手振れ補正装置200は、手振れ補正を行う場合、光学的に行うようになっている。すなわち、この手振れ補正装置200は、ビデオカメラの振れの検出出力に基づいて、透過光軸角を補正することにより、手振れを補正するようになっている。ここで、透過光軸角とは、光学系の入射側光軸に対する出射側光軸の角度である。
【0025】
以下、この手振れ補正装置200の構成を詳細に説明する。なお、以下の説明では、ピッチングP方向に関連する構成要素の符号には、Pを付加し、ヨーイングY方向に関連する構成要素の符号には、Yを付加して説明する。
【0026】
図1に示す手振れ補正装置200は、振れ補正機構210と、振れ検出器220(P),220(Y)と、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)(感圧素子230(Y)については、図3参照)と、処理部250と、駆動回路260(P),260(Y)とを有する。但し、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)は、後述するように、アイカップ133の内部に埋設されているので、手振れ補正装置200を示す破線の内部には入れていない。
【0027】
振れ補正機構210は、透過光軸角を変える機能を有する。振れ検出器220(P)は、ビデオカメラの振れ(向きの変化)のピッチングP方向の成分(ピッチングP方向の単位時間当りの角度変位(角速度))を検出する機能を有する。これに対し、振れ検出器220(P)は、ビデオカメラの振れのヨーイングY方向の成分(ヨーイングY方向の単位時間当りの角度変位(角速度))を検出する機能を有する。これら振れ検出器220(P),220(Y)は、例えば、振動ジャイロなどからなる角速度センサにより構成されている。
【0028】
感圧素子230(P),240(P)は、ビデオカメラに対する撮影者Mの顔の振れ(向きの変化)のピッチングP方向の成分(ピッチングP方向の単位時間当りの角度変位(角速度))を検出する機能を有する。これに対し、感圧素子230(Y),240(Y)は、ビデオカメラに対する撮影者Mの顔の振れのヨーイングY方向の成分(ヨーイングY方向の単位時間当りの角度変位(角速度))を検出する機能を有する。ここで、感圧素子とは、加わった圧力に比例した振幅を持つ電気信号を出力する素子である。なお、この感圧素子220(P),230(P),220(P),230(P)の配置構成については、あとで詳細に説明する。
【0029】
処理部250は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力と感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)の検出出力とに基づいて、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れ否かを判別し、意図する振れでない場合は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力に基づいて、この振れを補正するための補正目標値を演算し、意図する振れである場合は、前回の補正目標値を保持する機能を有する。
【0030】
この補正目標値は、ピッチングP方向の補正目標値とヨーイングY方向の補正目標値とからなる。ここで、ピッチングP方向の補正目標値は、ピッチングP方向の振れを補正するのに必要な平凹レンズ211(P)の回動角を示し、ヨーイングY方向の補正目標値は、ヨーイングY方向の振れを補正するのに必要な平凸レンズ211(Y)の回動角を示す。なお、処理部250は、例えば、中央処理装置(以下「CPU」という。)により構成されている。
【0031】
駆動回路260(P)は、処理部250から出力されるピッチングP方向の補正目標値に基づいて、後述するピッチングP方向の駆動モータ213(P)を回転駆動する機能を有する。駆動回路260(Y)は、処理部250から出力されるヨーイングY方向の補正目標値に基づいて、ヨーイングY方向の駆動モータ213(Y)を回転駆動する機能を有する。
【0032】
振れ補正機構210は、ピッチングP方向の透過光軸角を変えるための平凹レンズ211(P)と、ヨーイングY方向の透過光軸角を変えるための平凸レンズ211(Y)と、平凹レンズ211(P)をその光軸に垂直な面内で回動自在に軸支する回動軸212(P)と、平凸レンズ211(Y)をその光軸に垂直な面内で回動自在に軸支する回動軸212(Y)とを有する。これらは、光軸角可変機構を構成する。この光軸角可変機構の構成については、あとで詳細に説明する。
【0033】
また、この振れ補正機構210は、平凹レンズ211(P)を回動駆動する駆動モータ213(P)と、平凸レンズ211(Y)を回動駆動する駆動モータ213(Y)と、レンズ211(P),211(Y)等を収容する鏡筒筐体214とを有する。この鏡筒筐体214は、中心軸が撮像光学系111の光軸に一致するように配設されている。この鏡筒筐体215の内部には、レンズ211(P),211(Y)と、回動軸212(P),212(Y)と、駆動モータ213(P),213(Y)とが収容されている。また、この鏡筒筐体215の外部には、振れ検出器220(P),220(Y)が配設されている。この場合、この振れ検出器220(P),220(Y)は、それぞれ自分の振れ検出方向に沿うように配設されている。以上は、ビデオカメラ全体の構成である。
【0034】
次に、図2、図3を参照しながら、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)の配置構成について説明する。図2は、光学鏡筒132と、アイカップ133を備えたルーペ134とを側面側から見た断面図である。図3は、アイカップ133を光学鏡筒132の光軸aに垂直な面で切断した場合の断面図である。
【0035】
図3に示すごとく、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)は、光学鏡筒132の中心軸aの周りに90度ずつ離して配設されている。この場合、感圧素子230(P),240(P)は、中心軸mを通るピッチングP方向の直線n(P)上に位置決め配置されている。これにより、感圧素子230(P),240(P)は、ビデオカメラに対する撮影者の顔のピッチングP方向の振れ成分を検出する。一方、感圧素子230(Y),240(Y)は、中心軸mを通るヨーイングY方向の直線n(Y)上に位置決め配置されている。これにより、感圧素子230(Y),240(Y)は、ビデオカメラに対する撮影者の顔のヨーイングY方向の振れ成分を検出する。
【0036】
なお、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)は、アイカップ133の内部に埋設されている。したがって、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)に撮影者の顔の圧力がかかるかという点と、手振れ補正装置200を感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)まで含めてアダプタ化できるかという点とが問題になる。
【0037】
しかし、アイカップ133は、上記のごとく、ゴムなどの柔らかい素材によって構成されている。したがって、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)をアイカップ133の内部に埋設したとしても、これらに撮影者の顔の圧力をかけることができる。
【0038】
また、アイカップ133を備えたルーペ134は、光学鏡筒132に着脱自在とされている。したがって、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)をアイカップ133の内部に埋設したしても、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)まで含めた手振れ補正装置200のアダプタ化が可能である。
【0039】
次に、図4を参照しながら、光軸角可変機構の構成を説明する。ここで、図4は、光軸角可変機構の構成を示す斜視図である。
【0040】
図4に示すごとく、平凹レンズ211(P)と平凸レンズ211(Y)とは、ほぼ同じ口径と、ほぼ同じ焦点距離とを有するように構成されている。そして、両レンズ211(P),211(Y)は、仮想平面A1を介して微少間隔離れるように対向配置されている。これにより、両レンズ211(P),211(Y)は、全体として、アフォーカル系の光学系を構成する。
【0041】
この場合、両レンズ211(P),211(Y)は、図1に示すごとく、平面同士が向かい合うように対向配置されている。また、両レンズ211(P),211(Y)は、同軸光軸B(図2参照)が撮像光学系111の光軸と一致するように配設されている。これにより、両レンズ211(P),211(Y)は同軸光軸Bが、イメージエリアの中心に一致するように配設されている。ここで、同軸光軸Bとは、両レンズ211(P),211(Y)の光軸を一致させたときの光軸をいう。
【0042】
平凹レンズ211(P)は、その外縁に設けられた軸受け1a(P)を介して回動軸212(P)に回動自在に軸支されている。この回動軸212(P)は、平凹レンズ211(P)の光軸に平行に配設されている。これにより、平凹レンズ211(P)は、その光軸に垂直な面内で回動自在に軸支されている。
【0043】
平凸レンズ211(Y)は、その外縁に設けられた軸受け1a(Y)を介して回動軸212(Y)に回動自在に軸支されている。この回動軸212(Y)は、平凸レンズ211(P)の光軸に平行に配設されている。これにより、平凸レンズ211(P)は、その光軸に垂直な面内で回動自在に軸支されている。
【0044】
この場合、回動軸212(P),212(Y)は、回動軸212(P)と同軸光軸Bとを含む平面A2と、回動軸212(Y)と同軸光軸Bとを含む平面A3とがほぼ直交するように位置決めされている。これにより、レンズ211(P),211(Y)は、互いにほぼ直交する方向に回動する。
【0045】
また、回動軸212(P)は、同軸光軸Bを通るヨーイングY方向の直線(以下「水平線」という。)C(Y)上に位置決めされている。これにより、平凹レンズ211(Y)は、ピッチングP方向に沿って回動する。同様に、回動軸212(Y)は、同軸光軸Bを通るピッチングP方向の直線(以下「垂直線」という。)C(P)上に位置決めされている。これにより、平凹レンズ211(Y)は、ヨーイングY方向に沿って回動する。
【0046】
以上が光軸角可変機構の構成である。なお、平凹レンズ211(P)の回動軸212(P)には、上述した駆動モータ213(P)が仮想平面A1側とは反対側から直結されている。同様に、平凸レンズ211(Y)の回動軸212(Y)には、上述した駆動モータ213(Y)が仮想平面A1側とは反対側から直結されている。
【0047】
上記構成において、動作を説明する。
【0048】
まず、ビデオカメラの撮像動作を説明する。図1において、被写体像は、レンズ211(P),211(Y)と、撮像光学系111を介して撮像素子112上に結ばれる。撮像素子112上に結ばれた被写体像は、この撮像素子112により、電気的な撮像信号に変換される。この撮像信号は、映像信号処理回路120に供給され、映像信号に変換される。
【0049】
この映像信号は、例えば、図示しない記録・再生部に供給され、磁気テープに記録される。また、この映像信号は、ビューファインダ130の表示部131に供給される。これにより、撮影中の被写体の撮影画像が表示される。その結果、撮影者は、撮影画像を監視しながら、被写体を撮影することができる。以上が、ビデオカメラの撮像動作である。
【0050】
次に、手振れ補正装置200の手振れ補正動作を説明する。まず、この手振れ補正装置200の全体的な動作を説明する前に、この全体的な動作を分かりやすくするために、光軸角可変機構の動作の説明する。
【0051】
光学系としてアフォーカル系の光学系を用いる光軸角可変機構は、上記のごとく、この光学系を構成するレンズ211(Y),211(P)をその光軸にそれぞれ垂直な方向に移動させることにより、透過光軸角を変える。この移動の一例を図5に示す。図5は、アフォーカル系の光学系を側面からみた断面図である。
【0052】
図5は、平凹レンズ211(P)を下方に距離dだけ移動させた場合を示す。このような移動を実現するためには、例えば、平凹レンズ211(P)を光軸に平行なサンスペンションによって支持することにより、この平凹レンズ211(P)を直線運動によって距離dだけ下方に移動させればよい。この様子を図6に示す。なお、図6は、光学系を例えばビデオカメラの前方より見た正面図である。
【0053】
しかし、本実施の形態では、平凹レンズ211(P)を回動軸212(P)によって回動自在に軸支することにより、この平凹レンズ211(P)を円運動によって距離dだけ下方に移動させるようになっている。この様子を図7に示す。この図7も、光学系を例えばビデオカメラの前方より見た正面図である。
【0054】
図8乃至図10は、レンズ211(P),211(Y)の回動を示す図である。なお、図8乃至図10は、レンズ211(P),211(Y)を、例えば、ビデオカメラの前方から見た正面図である。ここで、図8は、平凹レンズ211(P)の回動軌跡を示し、図9は、平凸レンズ211(Y)の回動軌跡を示し、図10は、レンズ211(P),211(Y)の回動軌跡を重ねた状態を示す。
【0055】
図8に示すごとく、平凹レンズ211(P)は、回動軸212(P)を通る水平線C(Y)を中心にして回動する。図には、平凹レンズ211(P)が、水平線C(Y)を中心にして、正側(例えば、図中、上側)あるいは負側(例えば、図中、下側)に角度θだけ回動した状態を示す。
【0056】
ここで、手振れ等によるビデオカメラのピッチングP方向の角度変位は、通常、±1°以内である。したがって、この振れを補正するのに必要な平凹レンズ211(P)の回動角は小さいもので済む。これにより、平凹レンズ211(P)の回動軌跡は、概ねピッチングP方向に沿ったものとなる。その結果、透過光軸角は概ねピッチングP方向に沿って変位させられることになる。
【0057】
また、図9に示すごとく、平凸レンズ211(Y)は、回動軸212(Y)を通る垂直線C(P)を中心にして回動する。図には、平凸レンズ211(Y)が、垂直線C(P)を中心にして、正側(例えば、図中、左側)あるいは負側(例えば、図中、右側)に角度ψだけ回動した状態を示す。
【0058】
ここで、手振れ等によるビデオカメラのヨーイングY方向の角度変位は、通常、±1°以内である。したがって、この手振れを補正するのに必要な平凸レンズ211(Y)の回動角は小さいもので済む。これにより、平凸レンズ211(Y)の回動軌跡は、概ねヨーイングY方向に沿ったものとなる。その結果、透過光軸角は概ねヨーイングY方向に沿って変位させられることになる。
【0059】
以上から、図10に示すごとく、平凹レンズ211(P)の回動軌跡と平凸レンズ211(Y)の回動軌跡とを重ねると、透過光軸角を直交2軸で規定される全方向に変位させることができる。
【0060】
図11は、透過光軸角をピッチングP方向の正側に変位させた状態の一例を示す図である。
【0061】
今、レンズ211(P),211(Y)は、光軸が一致する位置にあるものとする。この状態で、平凹レンズ211(P)に、その光軸に平行な被写体光などの光線が入射すると、この平凹レンズ211(P)の焦点Fに虚像が形成される。これにより、この平凹レンズ211(P)からは、その焦点Fを虚光源として発散光が出射される。この発散光は、平凹レンズ211(P)と焦点距離が同じ平凸レンズ211(Y)に入射される。これにより、この平凸レンズ211(Y)からは、上記虚光源を焦点Fの光源として、平行光が出射される。
【0062】
この状態で、図11に示すごとく、平凹レンズ211(P)をピッチングP方向の負側に距離yだけ変位させると、透過光軸角がピッチングP方向の正側にαだけ変位させられる。これにより、平凸レンズ211(Y)からは、図11に示すごとく、入射光の光軸より角度αだけ変位された平行光が出射される。
【0063】
この場合、角度αは、レンズ211(P),211(Y)の焦点距離をfとすると、次式(1)で表される。
α=tan-1(y/f) …(1)
【0064】
なお、詳細な説明は省略するが、平凹レンズ211(P)をピッチングP方向の正側に変位させた場合は、透過光軸角をピッチングP方向の負側に変位させることができる。また、平凸レンズ211(Y)をヨーイングY方向の正側あるいは負側に変位させた場合は、透過光軸角をヨーイングY方向の負側あるいは正側に変位させることができる。
【0065】
このように、レンズ211(P),211(Y)を回動させることにより、透過光軸角を直交2軸で規定される全方向に変位させることができる。これにより、手振れ等による撮像画像の振れを抑制することができる。以上が光軸角可変機構の動作である。
【0066】
次に、手振れ補正装置200の全体的な動作を説明する。ビデオカメラの振れがない場合、レンズ211(P),211(Y)は、光軸がイメージエリアの中心に一致するように位置決めされている。
【0067】
この状態で、ビデオカメラの振れが発生すると、この振れが振れ検出器214(P),214(Y)により検出される。この場合、ピッチングP方向の振れ成分は振れ検出器214(P)で検出され、ヨーイングY方向の振れ成分は振れ検出器214(Y)で検出される。これにより、ビデオカメラの全方向に渡る振れが直交する2軸方向の成分として検出される。この検出出力は、処理部250に供給される。
【0068】
また、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生すると、この振れは、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)により検出される。すなわち、被写体を撮影する場合、撮影者は、図12に示すように、アイカップ133に前額部や頬部を押し付けて撮影画像を監視しながら撮影する。したがって、ビデオカメラに対する撮影者の顔の向きが一定ならば、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)の検出出力は一定である。これに対し、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生すると、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)の検出出力が変化する。これにより、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れを検出することができる。
【0069】
この場合、ピッチングP方向の振れは感圧素子230(P),240(P)で検出され、ヨーイングY方向の振れは、感圧素子230(Y),240(Y)で検出される。これにより、ビデオカメラに対する撮影者の顔の全方向に渡る振れが直交する2軸方向の成分として検出される。この検出出力は、処理部250に供給される。
【0070】
処理部250は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力と感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)の検出出力とに基づいて、ビデオカメラの振れが撮影者の意図的な振れか否かを判別する。
【0071】
意図的な振れでないと判別した場合は、処理部250は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力に基づいて、新たに補正目標値を演算し、駆動回路230(P),230(Y)に演算結果を供給する。駆動回路230(P),230(Y)は、この演算結果を受け取ると、この演算結果とレンズ211(P),211(Y)の現在の回動角との差分だけ駆動モータ213(P),213(Y)を回転駆動する。これにより、レンズ211(P),211(Y)の回動軸が補正目標値に設定される。その結果、透過光軸角が補正され、意図しない振れによる撮像画像の振れが抑制される。
【0072】
これに対し、意図的な振れであると判別した場合は、処理部250は、前回の補正目標値を駆動回路230(P),230(Y)を供給する。これにより、レンズ211(P),211(Y)の回動角は、現在の回動角に保持される。その結果、透過光軸角も現在の角度に保持される。以上が、手振れ補正装置200の全体的な動作である。
【0073】
次に、図13を参照しながら、処理部250の処理をさらに詳細に説明する。ここで、図13は、処理部250の処理を示すフローチャートである。手振れ補正装置200の駆動制御系(処理部250、駆動回路260(P),260(Y)、駆動モータ213(P),213(Y)からなる部分)は、メインスイッチ(図示せず)の投入により起動し、切断により終了状態となる。そして、図13に示す処理は、手振れ補正装置200の電源スイッチが投入されることにより開始される。
【0074】
この処理においては、処理部250は、まず、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力を取り込む(ステップS101)。これにより、ビデオカメラのピッチングP方向の振れ成分αPとヨーイングY方向の振れ成分αYとが取り込まれる。
【0075】
次に、処理部250は、感圧素子230(P),230(Y),240(P),240(Y)の検出出力を取り込む(ステップS102)。これにより、ビデオカメラに対する撮影者の顔のピッチングP方向の振れ成分αP´とヨーイングY方向の振れ成分αY´とが取り込まれる。
【0076】
次に、処理部250は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力と感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)の検出出力とに基づいて、ビデオカメラの振れが撮影者の意図的な振れか否かを判別する(ステップS103)。なお、この判別処理については、あとで詳細に説明する。
【0077】
意図的な振れでない場合は、処理部250は、ビデオカメラの振れ成分αP,αYに基づいて、ピッチングP方向の補正目標値θPとヨーイングY方向の補正目標値θPとを演算する(ステップS104)。これに対し、意図的な振れと判別した場合は、新しい補正目標値θP,θYの演算を行わず、前回の補正目標値θP,θYを新目標値として保持する(ステップS105)。このあと、処理部250は、補正目標値θP,θYを駆動回路230(P),230(Y)に供給する(ステップS106)。
【0078】
ステップS106の処理が終了すると、1回分の補正動作が終了する。このあと、演算部220は、再び、ステップS101から処理を実行する。以下、同様に、1回分の補正動作が終了するたびに、上述した動作が繰り返される。そして、この動作は、上記のごとく、手振れ補正装置200の電源スイッチが遮断状態に設定されることにより終了する。以上が処理部250の全体的な処理である。
【0079】
次に、処理部250の判別処理について詳細に説明する。ビデオカメラの振れが意図的な振れか否かは、ビデオカメラの振れと撮影者の顔の振れとがほぼ同じか否かを判定することにより判定される。この場合、2つの振れがほぼ同じであれば、意図的な振れと判別され、同じでなければ、意図的な振れでないと判別される。
【0080】
2つの振れがほぼ同じか否かは、2つの振れがほぼ同相で、かつ、特徴がほぼ同じか否かを判別することにより判別される。この場合、2つの振れがほぼ同相で、かつ、特徴がほぼ同じであれば、2つの振れがほぼ同じと判別される。これに対し、2つ振れが同相でないか、あるいは、2つの振れの特徴が同じでなければ、2つの振れが異なると判別される。
【0081】
なお、振れの特徴としては、振れの方向と、角度(大きさ)と、周波数(速度)とがある。上記判別においては、これら3つの特徴のすべてを用いてもよいし、一部を用いてもよい。例えば、方向と角度を用いてもよい。また、周波数がある値(例えば、1Hz)より小さければ、感圧素子230(P),240(P),230(Y),240(Y)の検出出力に関係なく、意図的な振れと判別するようにしてもよい。
【0082】
2つの振れがほぼ同相で、かつ、特徴がほぼ同じか否かは、ビデオカメラの振れが発生した場合に、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生したか否かを判別することにより判別される。この場合、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生しなければ、2つの振れがほぼ同相で、かつ、特徴がほぼ同じと判別される。これに対し、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生すれば、2つの振れは同相でないか、あるいは特徴が同じでないと判別される。
【0083】
ビデオカメラの振れが発生した場合に、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生しなければ、2つの振れはほぼ同相で、かつ、特徴がほぼ同じと判別するのは、次の2つの理由による。
【0084】
第1の理由は、被写体を撮影する場合、撮影者とビデオカメラとは、被写体を注視するからである。すなわち、被写体を撮影する場合、撮影者は、ビデオカメラを被写体に向けるとともに、右目でビューファインダ130を観察注視し、左目を被写体に向ける。したがって、撮影者が被写体を注視しつつ、被写体にビデオカメラを向けてビューファインダを注視観察すれば、おのずからカメラの向きと撮影者の顔の向きとは一致して推移する。これにより、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れである場合は、ビデオカメラの振れが発生した場合に、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生しないわけである。
【0085】
第2の理由は、パン操作やチルト操作が、図12に示すように、ビデオカメラを撮影者の肩に乗せて行う操作だからである。すなわち、パン操作は、ビデオカメラを肩に乗せ、ビデオカメラと肩(と頭部)とを一致させた状態で、腰部を回転させることにより、ビデオカメラを水平回転させる操作である。また、チルト操作は、ビデオカメラと頭部を一致させた状態で、ビデオカメラを肩を支点として、腕により垂直回転させる操作である。したがって、撮影者が被写対象を注視して、被写体にビデオカメラを向ければ、ビデオカメラと顔とは一致して被写体に向かう。これにより、ビデオカメラの振れがパン操作やチルト操作による振れである場合は、ビデオカメラの振れが発生した場合に、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れが発生しないわけである。
【0086】
以上詳述した本実施の形態によれば、ビデオカメラの振れを検出するとともに、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れを検出し、両検出出力に基づいて、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れか否かを判別するようにしたので、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れか否かを正確に判別することができる。
【0087】
これにより、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れである場合に、手振れ補正動作が行われてしまうことを防止することができる。その結果、カメラ操作の違和感を無くすことができる。また、撮影者の意図が表現された撮影画像を得ることができる。さらに、振れの補正量を押え気味にする必要がないので、本来の手振れ補正装置の特性を能力いっぱいまで発揮させることができる。これにより、強力にして好適な手振れ補正撮影環境を得ることができる。また、誤補正の作動分を元に戻すための戻し揺れが発生することがないので、撮影者に快適な手振れ補正付き撮影環境を与えることができる。さらに、撮影者に誤補正を回避するための追加操作を要求する必要がないので、撮影者を取材活動に専念させることができる。以上から、本実施の形態によれば、放送業務用のビデオカメラの手振れ補正装置に有効な装置を提供することができる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、撮影者の顔の振れを検出する場合、撮影者の顔の絶対的な振れを検出するのではなく、ビデオカメラとの相対的な振れを検出するようにしたので、撮影者の顔の振れを検出する手段をビデオカメラに設けることができる。これにより、撮影者の顔の振れを検出する振れ検出手段の取扱い等を容易にすることができる。
【0089】
すなわち、撮影者の顔の振れを検出する構成としては、撮影者の顔の絶対的な振れを検出する構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、撮影者の顔の振れを検出する振れ検出手段を撮影者の例えば頭部に装着するようにしなければならない。言い換えれば、撮影者の顔の振れを検出する振れ検出手段をビデオカメラと別体として構成しなければならない。
【0090】
これにより、撮影者は、取材に出かけるたびに、ビデオカメラのほかに、振れ検出手段を持っていかなければならないため、手振れ補正装置の携帯や取扱いが面倒となる。また、撮影者は、撮影のたびに、振れ検出手段を頭部に装着しなければならないため、手振れ補正装置の使用が面倒となるとともに、迅速な対応が要求される取材に対処することができない。さらに、振れ検出手段とビデオカメラとを接続するケーブルが存在するので、ケーブルの破損の危険性や取材中の引っ掛けなどの危険性が生じる。また、これにより、撮影者の取材行動が大きく制約される。したがって、このような構成の手振れ補正装置は、放送業務用にビデオカメラの手振れ補正装置には適用することができない。
【0091】
これに対し、本実施の形態によれば、撮影者の顔の振れを検出する振れ検出手段をビデオカメラと一体化することができるので、上述したような問題は生じない。これにより、本実施の形態によれば、放送業務用のビデオカメラの手振れ補正装置に有効な振れ補正装置を提供することができる。
【0092】
次に、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。
【0093】
先の実施の形態では、撮影者の顔の振れを検出するのに、ビューファインダのアイカップに感圧素子を埋設し、この感圧素子を用いて検出する場合を説明した。これに対し、本実施の形態では、ビューファインダに、発光素子と受光位置検出器とを設け、これらを用いて検出するようになっている。
【0094】
図14及び図15は、本実施の形態の要部の構成を示す図である。なお、図14及び図15において、先の図1の構成要素とほぼ同一機能を果たす部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。ここで、図14は、本実施の形態の発光素子261と受光位置検出器262とをビューファインダ130の側面側から見た図であり、図15は、ビューファインダ130のアイカップ側から見た図である。
【0095】
図示のごとく、受光位置検出器262は、光学鏡筒132の軸方向の中央部に設けられた取付け部263に着脱自在に取り付けられるようになっている。この場合、この受光位置検出装器262は、この光学鏡筒132に起立するように取り付けられている。
【0096】
この受光位置検出器262は、反射光を受光する受光部1bを有する。この受光部1bの受光面2bは平板状に形成されている。また、この受光面2bは、光学鏡筒の中心軸に垂直な面にほぼ平行に設定され、かつ、撮影者の顔側に向けられている。
【0097】
受光部1bの受光面2bには、複数の受光素子3bがマトリクス状に配列されている。このマトリクスの行方向は、ほぼヨーイングY方向に設定され、列方向は、ほぼピッチングP方向に設定されている。なお、受光位置検出器262の受光部1bは、例えば、電化結合素子により構成されている。発光素子261は、例えば、受光部1bの中央部に設けられている。
【0098】
図16は、本実施の形態の回路構成を示す図である。図16において、270は、図1の処理部250に相当する処理部を示す。280は、発光素子261を駆動する駆動回路を示す。290は、反射光の初期位置を登録するための登録釦を示す。処理部270は、手振れ補正処理を実行する機能のほかに、駆動回路280を駆動する機能や撮影を開始する前に反射光の初期位置を登録する機能等を有する。
【0099】
上記構成において、動作を説明する。ビデオカメラのメインスイッチを投入すると、処理部270は、駆動回路280を駆動する。これにより、発光素子261が駆動される。その結果、この発光素子261から光が出力される。したがって、撮影者が顔の前額部や頬部をアイカップ133に押し付ければ、発光素子261から出力された光が撮影者の前額部に照射される。前額部に照射された光は、この前額部で反射され、受光位置検出器262の受光部1bで受光される。
【0100】
この状態で、撮影者が登録釦290を操作すると、処理部270は、反射光の受光位置を反射光の初期位置として登録する。反射光の受光位置は、受光部1bの受光面2bに設けられた複数の受光素子3bのうち、反射光を受けている受光素子3bの位置によって表される。この受光素子3bの位置は、図17に示すように、受光部1bの中心Oa(発光素子261が設けられている位置)を原点とする直交座標(Ya,Pa)によって表される。ここで、Yaは、ヨーイングY方向の座標を示し、Paは、ピッチングP方向の座標を示す。
【0101】
この登録処理が終了すると、処理部270は、振れ検出器220(P),220(Y)の検出出力と受光位置検出器262の検出出力とに基づいて、手振れ補正処理を実行する。この手振れ補正処理は、先の実施の形態の手振れ補正処理と同じである。この場合、処理部270は、ビデオカメラに対する撮影者の顔の振れを反射光の受光位置の変化によって判断する。この受光位置は、受光部1bの受光面2bに設けられた複数の受光素子3bのうち、反射光を受けている受光素子3bの位置によって表される。この受光素子3bの位置は、図18に示すように、初期位置(Ya,Pa)を原点する直交座標(Yb,Pb)によって表される。ここで、Ybは、ヨーイングY方向の座標を示し、Pbは、ピッチングP方向の座標を示す。
【0102】
以上詳述した本実施の形態においても、先の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、以上の説明では、発光素子261の電源スイッチについては言及しなかったが、この電源スイッチをアイカップ133に埋設すれば、発光素子261は、撮影者が顔の前額部等をアイカップ133に押し付けたとき発光する。これにより、発光素子261の消費電力を低減することができる。また、以上の説明では、登録釦290を設ける位置については言及しなかったが、これをアイカップ133に埋設させれば、撮影者が顔の前額部等をアイカップ133に押し付けることによって登録操作を行うことができる。
【0103】
次に、本発明の第3の実施の形態を詳細に説明する。先の第1の実施の形態では、透過光軸角を補正するための光軸角可変機構として、アフォーカル系の光学系を有する光軸角可変機構を用いる場合を説明した。これに対し、本実施の形態は、頂角可変プリズムを有する光軸角可変機構を用いるようにしたものである。
【0104】
図19は、本実施の形態の手振れ補正装置の構成を示す図である。なお、図19において、先の図1に示す構成要素とほぼ同じ機能を果たす構成要素には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
図19において、頂角可変プリズムは、平面R1と凹曲率面R2とを有する平凹レンズ215(P)と、凹曲率面R3と平面R4とを有する平凸レンズ215(Y)とにより構成されている。この場合、レンズ215(P),215(Y)は、曲率面R2,R3を近接させた状態で対向配置されている。
【0106】
この状態で、レンズ215(P),215(Y)は、その曲率面R2,R3で、互いに直交するように回動駆動される。この場合、平凹レンズ215(P)は、ピッチングP方向に回動駆動され、平凸レンズ215(Y)は、ヨーイングY方向に回動駆動される。これにより、レンズ215(P),215(Y)の平面R1,R4が傾斜され、頂角可変プリズムの頂角が変えられる。その結果、透過光軸角が二次元的に屈折可変され、ビデオカメラの振れによる撮影光軸の相対的な角度変位が補正される。
【0107】
レンズ215(P),215(Y)を回動自在に軸支する機構としては、例えば、極軸回動機構が用いられている。ここで、図20を参照して、極軸回動機構について説明する。例えば平凸レンズ215(Y)の凸曲率面の曲率半径と同一の曲率半径を有する球Qを想定し、この仮想球の中心点QC と平凸レンズ215(Y)外に設けた軸支点212′(Y)とを結ぶ直線Xを回動軸として、平凸レンズ215(Y)を回動案内する機構を極軸回動機構という。レンズ215(P),215(Y)の回動駆動は、それぞれ駆動モータ216(P),216(Y)によってなされる。この駆動モータ216(P),216(Y)としては、例えば、応答速度の速いコアレスタイプのモータやリニアモータ等に用いられるボイスコイルモータが用いられる。
【0108】
なお、レンズ215(P),215(Y)を回動自在に軸支する機構としては、ほかにも、例えば、平凹レンズ215(P)をピッチングP方向の曲率スライドガイド上で回動させ、平凸レンズ215(Y)をヨーイングY方向の曲率スライドガイド上で回動させるような機構を用いるようにしてもよい。
【0109】
ここで、図21を参照しながら、頂角可変プリズムによる透過光軸角の可変原理を説明する。なお、図21は、図19に示す頂角可変プリズムを抜き出して側面から見た断面図である。
【0110】
平凹レンズ215(P)の凹曲率面R2を平凸レンズ215(Y)の凸曲率面R3に近接させた状態で、平凹レンズ215(P)を凹曲率面R2の曲率中心XでピッチングP方向に角度θだけ回動させると、平凹レンズ215(P)の平面R1が平凸レンズ215(Y)の平面R4に対して角度θだけ傾斜する。これにより、頂角可変プリズムの頂角がθとなる。その結果、入射した撮影光軸L1がαだけ角度変位されて出射される。図21には、平凹レンズ215(P)をピッチングP方向の正側に角度θだけ回動させた場合を示す。この場合、撮影光軸L1は、ピッチングP方向の負側に角度αだけ回動させられる。
【0111】
この場合、撮影光軸L1の振れ角(プリズムの振れ角)αは、次のようにして表される。いま、頂角可変プリズムの屈折率をnとする。また、平凹レンズ215(P)の平面R1に対する光線の入射角(垂直出射屈折角)をi、屈折角をrとする。
【0112】
この場合、屈折率nと、入射角iと、屈折角rとの間には、次式(2)が成り立つ。
sin i=n sin r …(2)
【0113】
ここで、入射角iと、屈折角rが小さいので、式(2)は次式(3)のように表わすことが可能となる。
i=nr …(3)
【0114】
また、平凸レンズ215(Y)の平面R4における光線の入射角が直交すれば出射光の屈折角は零である。これにより、平凹レンズ215(P)の平面R1における光線の屈折角rは頂角可変プリズムの頂角θと等しくなる。その結果、式(3)は、次式(4)で表わされる。
r=nθ …(4)
【0115】
さらに、図21から、振れ角αと、入射角iと、屈折角rとの間には、次式(5)の関係が成立する。
α=i−r …(5)
【0116】
式(3),(4)を用いて、式(5)を書き直すと、振れ角αは、頂角θを使って次式(6)のように表わされる。
α=nθ−θ=(n−1)θ …(6)
【0117】
ここで、n=1.5とすれば、α=0.5θとなる。ゆえに、平凹レンズ215(Y)を角度θだけ回動させると、出射光軸角をθ/2だけ角度変位させることができる。
【0118】
なお、手振れ等によるビデオカメラの実際の振れの角度変位は、上記のごとく、±1°以内となる。したがって、この場合、頂角可変プリズムの頂角θの可変範囲を±2°に設定すれば、出射光軸角を最大θ=±1°変位させることができる。これにより、ビデオカメラの実際の振れに十分に対処することができる。
【0119】
以上詳述した本実施の形態においても、先の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】
以上、本発明の一実施の形態を詳細に説明したが、本実施の形態は、上述したような実施の形態に限定されるものではない。
【0121】
例えば、先の実施の形態では、本発明を、ビデオカメラの振れを透過光軸角を変えることによって補正する光学式の手振れ補正装置に適用する場合を説明した。しかしながら、本発明は、ビデオカメラの振れを映像信号の処理によって補正する電気式の手振れ補正装置にも適用することができる。
【0122】
また、先の実施の形態では、本発明を、ビデオカメラの手振れ補正装置に適用する場合を説明した。しかしながら、本発明は、ビデオカメラ以外の撮影システムの手振れ補正装置にも適用することができる。例えば、電子スチルカメラの手振れ補正装置にも適用することができる。
【0123】
このほかにも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々様々変形実施可能なことは勿論である。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の振れ補正装置によれば、撮影システムの振れを検出するとともに、撮影システムに対する撮影者の顔の振れを検出し、両検出出力に基づいて、撮影システムの振れを補正するようにしたので、撮影システムの振れが撮影者の意図する振れか否かを正確に判別して振れを補正することができる。
【0125】
これにより、例えば、ビデオカメラの振れが撮影者の意図する振れである場合に、手振れ補正動作が行われてしまうことを防止することができる。その結果、カメラ操作の違和感を無くすことができる。また、撮影者の意図が表現された撮影画像を得ることができる。さらに、振れの補正量を押え気味にする必要がないので、本来の手振れ補正装置の特性を能力いっぱいまで発揮させることができる。これにより、強力にして好適な手振れ補正撮影環境を得ることができる。また、誤補正の作動分を元に戻すための戻し揺れが発生することがないので、撮影者に快適は手振れ補正付き撮影環境を与えることができる。さらに、撮影者に誤補正を回避するための追加操作を要求する必要がないので、撮影者を取材活動に専念させることができる。以上から、本発明によれば、放送業務用のビデオカメラの手振れ補正装置に有効な装置を提供することができる。
【0126】
また、本発明によれば、撮影者の顔の振れを検出する場合、撮影者の顔の絶対的な振れを検出するのではなく、撮影システムとの相対的な振れを検出するようにしたので、撮影者の顔の振れを検出する手段を撮影システムに設けることができる。これにより、撮影者の顔の振れを検出する振れ検出手段の取扱い等を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態の感圧素子の配置構成を説明するための断面図である。
【図3】第1の実施の形態の感圧素子の配置構成を説明するための断面図である。
【図4】第1の実施の形態の光軸角可変機構の構成を示す斜視図である。
【図5】アフォーカル系の光学系による光軸角可変方法を説明するための図である。
【図6】透過光軸角を変えるためのレンズ移動動作の一例を説明するための図である。
【図7】透過光軸角を変えるための第1の実施の形態のレンズ移動動作を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態の平凹レンズの回動軌跡を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の平凸レンズの回動軌跡を示す図である。
【図10】第1の実施の形態の平凹レンズと平凸レンズの回動軌跡の合成を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の光軸角可変機構の動作を説明するための図である。
【図12】ビデオカメラによる撮影姿勢を示す図である。
【図13】第1の実施の形態の処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態の要部の構成を示す側面図である。
【図15】第2の実施の形態の要部の構成を示す正面図である。
【図16】第2の実施の形態の回路構成を示す図である。
【図17】第2の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図18】第2の実施の形態の動作を説明するための図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図20】極軸回動機構を説明するための説明図である。
【図21】第3の実施の形態の動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
100…カメラ本体、110…撮像部、111…撮像光学系、112…撮像素子、120…映像信号処理回路、130…ビューファインダ、131…表示部、132…光学鏡筒、133…アイカップ、134…ルーペ、200…手振れ補正装置、210…振れ補正機構、220(P),220(Y)…振れ検出器、230(P),230(Y),240(P),240(Y)…感圧素子、250,270…処理部、260(P),260(Y),280…駆動回路、290…登録釦、211(P),215(P)…平凹レンズ、211(Y),215(Y)…平凸レンズ、212(P),212(Y)…回動軸、213(P),213(Y),216(P),216(Y)…駆動モータ、214…鏡筒筐体、261…発光素子、262…受光位置検出器、263…取付け部、1b…受光部、2b…受光面、3b…受光素子
Claims (6)
- 被写体を撮影するための撮影システムに設けられ、この撮影システムの振れを検出する第1の振れ検出手段と、
前記撮影システムに設けられ、この撮影システムに対する撮影者の顔の振れを検出する第2の振れ検出手段と、
前記第2の振れ検出手段によって撮影者の顔の振れが検出された場合には、前記第1の振れ検出手段の検出出力に基づいて、前記撮影システムの振れを補正し、前記第2の振れ検出手段によって撮影者の顔の振れが検出されない場合には、前回の補正状態を保持する振れ補正手段と
を備えたことを特徴とする振れ補正装置。 - 前記第2の振れ検出手段は、前記撮影者が前記被写体の撮影画像を監視するための監視手段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の振れ補正装置。
- 前記監視手段は、ビューファインダであり、
前記第2の振れ検出手段は、前記ビューファインダのアイカップに設けられていることを特徴とする請求項2記載の振れ補正装置。 - 前記第2の振れ検出手段は、前記アイカップの軸心周りに所定間隔ずつ離間して設けられた複数の感圧素子により構成されていることを特徴とする請求項3記載の振れ補正装置。
- 前記感圧素子は、90度ずつ離間して4個配設されていることを特徴とする請求項4記載の振れ補正装置。
- 前記監視手段は、ビューファインダであり、
前記第2の振れ検出手段は、
前記ビューファインダに設けられ、前記撮影者の顔面に光を照射する照射手段と、
前記ビューファインダに設けられ、前記撮影者の顔面からの反射光を受けるとともに、受光位置を検出可能な受光位置検出手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の振れ補正装置。
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