JP3504698B2 - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP3504698B2
JP3504698B2 JP28520793A JP28520793A JP3504698B2 JP 3504698 B2 JP3504698 B2 JP 3504698B2 JP 28520793 A JP28520793 A JP 28520793A JP 28520793 A JP28520793 A JP 28520793A JP 3504698 B2 JP3504698 B2 JP 3504698B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は測距装置に関し、特に
被写体に対して測距用光を投射し、被写体までの距離を
求めるカメラの測距装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、写真画面中央部以外に存在す
る被写体にも、ワンタッチでピントを合わせようという
試みが多くなされている。例えば、特開昭58−201
05号公報には、複数の投光素子を用意し、これを順次
投光することによって画面内の対応するポイントを測距
可能とした技術が開示されている。 【0003】しかしながら、この方法では画面内の測距
ポイントを増加させればさせる程、多くの投光素子が必
要となり、その結果コストが上昇してしまう。そこで、
1個の投光素子を走査することにより、画面内の各ポイ
ントを測距しようということが試みられている。例え
ば、古くは米国特許第4,470,681号には、投光
レンズと投光素子の相対位置を変位させる技術があり、
最近では特開昭64−57246号公報に類似の提案が
なされている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに投受光レンズと投受光素子の相対位置を変化させる
と、がたつきが生じ、誤測距となりやすいという課題を
有していた。そこで、特開昭59−107332号公報
では、投受光素子及びレンズをユニット状態として走査
することにより、こうした誤測距を改善しようとした技
術が開示されている。 【0005】 しかしながら、投受光素子及びレンズを
含むユニット全体を可動するには、アクチュエータが大
型化し、機構が複雑になるばかりではなく、走査速度が
遅くなり、測距のタイムラグが長くなるという重大な問
題を生じてしまうものであった。そこで本発明は、被写
体距離に関係なく広範囲の被写体に対して、精度良く、
且つ高速に測距することのできる測距装置を提供するこ
とを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、測
距用光の被写体からの反射信号光位置を検出する、所定
の基線長隔てて配置された一対の受光手段と、被写体に
対し上記測距用光を投射する、上記一対の受光手段の間
に配置された投光手段と、被写体までの距離に応じて、
上記一対の受光手段の出力信号に基いて被写体までの距
離を検出する第一演算処理と、上記一対の受光手段のう
ち一方の受光手段の出力信号に基いて被写体までの距離
を検出する第二演算処理を実行する演算手段と、を具備
し、上記投光手段は、投光レンズの光軸を中心として上
記基線長方向にシフト可能となっており、上記演算手段
は、上記投光手段のシフト範囲が所定範囲内のときは上
記一対の受光手段の出力信号に基いて被写体までの距離
を検出し、上記投光手段のシフト範囲が所定範囲を越え
るときは上記一対の受光手段のうち一方の受光手段の出
力信号に基いて被写体までの距離を検出するものである
ことを特徴とする。 このような構成により、それぞれ
の測距原理の特徴を無駄なく最大限生かし、被写体距離
に関係なく広範囲の被写体の正確な測距が可能となる。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【0012】 【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。図1はこの発明の第1の実施例で、測距装置の
概念を示したブロック図である。同図に於いて、CPU
1は、被写体に対し、測距用光を投光する手段である投
光部2及びこの投光部2を走査する走査部3を制御す
る。また、受光レンズ4の後方には光位置検出素子(P
SD)5が位置され、同様に受光レンズ6の後方にはP
SD7が位置されている。そして、これらPSD5及び
7の出力は、光位置検出回路8及び9を介して、それぞ
れCPU1に入力される。 【0013】このような構成に於いて、投光部2から、
図示されない被写体に対し、測距用光が投光される。こ
のとき、投光部2は、走査部3を介してCPU1によっ
てその投光方向が変化されるように制御されて走査され
るようになっている。これにより、画面内の各ポイント
の測距が可能となる。 【0014】上記投光部2によって投射された測距用光
は、図示されない被写体上で反射され、2つの受光レン
ズ4及び6を介して、各々PSD5及び7上に光点を結
ぶ。これら2つのPSD5及び7の出力信号に基いて、
光位置検出回路8及び9にて上記光点の入射位置が演算
される。そして、光位置検出回路8及び9の出力によ
り、CPU1で被写体距離が演算される。 【0015】図2は、この発明の測距装置の測距原理を
示したものである。同図に於いて、10は被写体上に投
光された測距用光スポットであり、この測距用光スポッ
ト10から距離Lだけ離れた位置に受光レンズ4、6が
配置されている。そして、これら受光レンズ4、6の後
方にPSD5、7が配置されている。また、受光レンズ
4、6とPSD5、7間の距離をfJ とし、PSD5、
7上の光点位置を各々のレンズの光軸基準で図示の如く
1 、x2 とすると、次の関係式が成立する。 【0016】 L:fJ =S1 :x1 L:fJ =S2 :x21 =L・x1 /fJ …(1) S2 =L・x2 /fJ …(2) S=S1 +S2 =(L/fJ )(x1 +x2 ) …(3) L=(S・fJ )/(x1 +x2 ) …(4) したがって、PSD5、7によってx1 、x2 を検出す
れば、S、fJ は固定値となるので、距離Lを求めるこ
とができる。 【0017】故に、測距用光スポット10の位置に関係
なく、正確な測距が可能となる。次に、この発明の測距
装置をカメラに適用した第2の実施例を説明する。図3
は、この発明の第2の実施例の構成を示すブロック図で
ある。上述した第1の実施例では、PSD5、7として
1次元位置検出型のものを用いたが、この第2の実施例
では、IREDを2次元的にスキャンするタイプの機構
を採用し、PSDも2次元の位置検出が可能なものを用
いている。したがって、同実施例によれば、カメラ画面
内に投光ポイント(測距用光ポイント)を配送すること
が可能となる。 【0018】先ず、この2次元的にIREDをスキャン
する機構について説明する。IRED11はIREDド
ライバ12を介してCPU1により駆動制御されるもの
で、その前方には投光レンズ13が配置されている。上
記IRED11はIRED保持部14に取付けられてい
るもので、モータ(M)ドライバ15により駆動される
モータ16及び送りねじ17によって、ガイドレール1
8に沿って図示x方向にスライドする。また、IRED
11及びIRED保持部14は、モータ(M)ドライバ
19により駆動されるモータ20及び送りねじ21によ
って、支持部22と共にガイドレール23に沿って図示
y方向にスライドする。 【0019】一方、基線長Sだけ離れて配置された受光
レンズ4及び6の後方には、それぞれ2次元の位置検出
が可能なPSD5及び7が配置されている。そして、P
SD5の出力は光位置検出回路8a及び8bを、PSD
7の出力は光位置検出回路9a及び9bを介して、それ
ぞれCPU1に供給される。尚、24は測距の開始タイ
ミングを入力するためのスイッチであり、一般にレリー
ズスイッチと兼用される。 【0020】また、図4(a)は図3に示した測距装置
をカメラに組込んだ配置を示す外観図である。図4
(a)に於いて、カメラボディ25の上面にはレリーズ
スイッチ24が設けられている。このカメラの前面で、
その略中央部には撮影レンズ26が、そして、その周辺
にはファインダ27の窓、及び測距装置の投光レンズ1
3、受光レンズ4、6が、図示の如く配置されている。 【0021】このような構成に於いて、Mドライバ15
によってモータ16が回転すると、IRED保持部14
がガイドレール18に沿って、送りねじ17によってx
方向にスライドする。また、支持部22はガイドレール
23に沿って可動となっており、Mドライバ19によっ
て駆動されるモータ20が送りねじ21を回転させるこ
とにより、IRED11がy方向にスキャンされる。C
PU1は、Mドライバ15及び19を所定のシーケンス
に従って制御しながら、IREDドライバ12を介して
IRED11を発光させる。 【0022】IRED11からの測距用光は、投光レン
ズ13によって図示されない被写体に投光される。この
測距用光は、IRED11の位置と、投光レンズ13の
主点を結ぶ方向に投射されるので、IRED11の位置
がx、y方向に移動する度に、図4(b)に示されるよ
うに、写真画面(ファインダ)上の測距ポイント28が
2次元的に変化する。 【0023】一方、IRED11の発光に同期して、2
つのPSD5、7の出力から、受光レンズ4、6を介し
てPSD5、7に入射した被写体から反射信号光の位置
が、光位置検出回路8a、8b、9a、9bによって検
出される。CPU1は、これら光位置検出回路8a、8
b、9a、9bの出力より、画面内の各ポイントの被写
体までの距離を演算する。 【0024】ここで、図3の光位置検出回路について、
図5を用いて説明する。PSD30の両端からは出力電
流i1 、i2 が出力され、それぞれプリアンプ31、3
2、圧縮ダイオード33、34、バッファ35、36を
介して、定電流源37と共に差動演算回路を構成するN
PNトランジスタ38、39のベースに供給される。上
記トランジスタ38、39はエミッタが共通接続されて
定電流源37と接続している。また、トランジスタ39
のコレクタは、積分用コンデンサ40を介して電源に接
続されると共に、スイッチ41、端子42を介してCP
U1に接続される。尚、PSD30の出力には、背景光
の電流を除去する背景光除去回路43が接続されてい
る。 【0025】いま、長さtのPSD30に、図5に示さ
れるようにxの位置に信号光が入射しているとする。2
つの出力電流i1 、i2 は、この光位置xとtに依存
し、 i1 /(i1 +i2 )=x/t …(5) の関係を満たす。 【0026】ところが、PSD30には、信号光以外に
も入射する背景光があり、これを取り除かなければ上記
(5)式のi1 、i2 を得ることはできない。したがっ
て、PSD30の出力に、背景光電流除去回路43が接
続されている。 【0027】信号光電流i1 、i2 は、プリアンプ3
1、32によってβ倍に増幅され、図5に示されるよう
に、圧縮ダイオード33、34に流れる。この圧縮ダイ
オード33、34に生じた電圧を、バッファ35、36
によって差動演算回路に入力される。CPU1により制
御される定電流源30は、IREDの発光、つまり信号
光の入射に同期してI0 の電流を流す。一方、積分用コ
ンデンサ40は、IREDの発光前はスイッチ41によ
って両端の電位を等しくVccに初期化されている。この
スイッチ41は、IREDの発光に同期してオフする。 【0028】このように構成された回路により、PSD
30の出力電流i1 、i2 とIINTの関係は、 IINT =(i1 /(i1 +i2 ))×I0 =(x/t)I0 …(6) となる。この電流IINT は、積分コンデンサ40に所定
時間積分されるので、端子42の電圧を検出することに
より、CPU1は上記(6)式により x=t・IINT /I0 …(6)′ として信号光入射位置xを演算することができる。 【0029】図3に示された光位置検出回路8a、8
b、9a、9bは、このような原理により光の位置を検
出する。次に、図6(a)を用いて、これらのPSD上
の信号光位置から被写体距離Lを求める方法について説
明する。 【0030】上述した図2の例では、x方向の1次元投
光スキャンについて測距原理の説明をしたが、ここでは
更に測距ポイントのy方向の変化についても考慮した、
2次元の投光スキャンに対応するAFの実施例となって
いる。つまり、図6(a)の受光レンズ4、6の光軸と
測距ポイントのなす角度θがθ=0の時、図2で説明し
た上記(4)式が成立する。 【0031】図6(a)に於いて、上記(4)式より L1 =S・fJ /(x1 +x2 ) …(7) となるから、 L=L1 cosθ …(8) であり、θを検出すれば上記(7)式と合わせて、x
1 、x2 より被写体距離Lが求められることが明らかで
ある。 【0032】投光レンズ13より被写体44に向けて投
光された測距用光は、図4(a)に示されるように受光
レンズ4、6を配置し、更に2次元PSD5、7につい
ては、2つの受光レンズ4、6の主点を結ぶ方向(x)
と、それと垂直な図中y方向を検出できるようにy方向
を揃えて配置したとき、図6(b)に示されるように、
2つのPSD5、7上に光点を結ぶ。 【0033】2組の受光レンズとPSD間の距離を共に
J とすると、レンズ光軸のPSD上の位置45、46
を基準とした光点のy方向の位置y1 は、上述したθと
の間に次の関係式が成立させる。 tanθ=y1 /fJ …(9) この関係より、被写体距離Lは、次のように、x、y方
向の光点位置、x1 、x2 、y1 より演算することが可
能となる。 L=(S・fJ /(x1 +x2 ))・ cos(arctan(y1 /fJ )) …(10) したがって、図3に示されるように、2次元PSD5、
7の出力からCPU1と光位置検出回路8a、8b、9
a、9bとがx1 、x2 、y1 を演算することにより、
CPU1は上記(10)式に従って被写体距離を求める
ことができる。 【0034】尚、光位置検出回路については、図5で説
明したものを用いている。y1 は、いずれのPSDでも
検出できるが、ここでは後述する図7(b)のようなフ
ローチャートを想定して、y1 の検出精度を上げてい
る。 【0035】次に、図7及び図8のフローチャートを参
照して、この測距装置のスキャンAF動作について説明
する。図7に於いて、ステップS1は、図3のモータ1
9、20を逆転させて、IRED11の位置を初期化す
るステップである。同時に、この位置をM=0、N=0
とする。次いで、ステップS2にて、y方向の最初の測
距座標を決定する。そして、ステップS3に於いて、ス
キャン測距されたポイント数がM1 を超えたか否かを判
定する。 【0036】ここで、まだ上記測距されたポイント数が
1 を超えていなければ、ステップS4に進んでx方向
へIRED11を所定量スキャンする。そして、ステッ
プS5にてMをインクリメントして、ステップS6で測
距を行い、ステップS3に戻る。このように、ステップ
S3〜S6にて、図4(b)に参照されるように、x方
向のM1 ヶ所の測距が順次行われる。 【0037】こうして、ステップS3でx方向のスキャ
ンが一通り行われたことが判定されると、次にステップ
S7へ分岐するが、これは次の測距y座標を決定するた
めである。そして、ステップS8でNのインクリメント
がなされた後、ステップS9に於いて、スキャン測距さ
れたポイント数がN1 となるのを判定する。 【0038】ここで、スキャン測距されたポイント数が
1 を超えなければ、ステップS10に進んで、x方向
の位置をリセットする。次いで、ステップS11にて、
Mの値も初期化してステップS4へ戻り、先に説明した
x方向M1 ヶ所の測距を行う。これは、ステップS9に
てy方向N1 ヶ所の測距が終了するまで繰返される。そ
して、ステップS12にて、得られた測距結果L11〜L
M1N1より最も近い測距結果にピント合わせするようにす
る。 【0039】このフローチャートにより、図4(b)に
示されるように、写真画面内にM×N の数の測距
ポイントを配置することができる。ところで、2次元P
SDで同時にx方向、y方向の光位置を検出するのは困
難である。したがって、同実施例では、2回IREDを
発光させて、その都度x方向の光位置座標、y方向の光
位置座標を検出するようにしている。但し、異なるPS
Dに接続された位置検出回路は、同時に作動させること
ができる。 【0040】故に、図7のステップS6に於ける測距の
サブルーチンでは、ステップS22とS23、ステップ
S28とS29のように、同時のタイミングでPSD
5、7それぞれからの光位置検出が行われていることを
明示している。 【0041】図8に於いて、先ずステップS21にてI
RED11を発光開始させ、光位置検出回路8a、8
b、9a、9bを用いて、ステップS22及びS23の
ように同一タイミングでx方向の信号光入射位置x1
2 を求める。具体的には、各光位置検出回路8a、8
b、9a、9bの積分コンデンサ(図5の40)に、上
記(6)式に依存した電圧が発生し、ホールドされる。
そして、ステップS24に於いて、所定時間の積分コン
デンサへの積分終了を判定する。ここで、積分が終了し
た後、ステップS25にてIRED11の発光を終了す
る。 【0042】次に、再度IRED11を発光させるが、
連続発光によるIRED11のチップ温度上昇による光
量劣化を防ぐため、ステップS26にてタイマで所定時
間のインターバルをおく。このステップS26に於いて
は、上述したステップS22、S23にて、積分コンデ
ンサによるホールドされた積分電圧を、CPU1がA/
D変換して読込むようにする。 【0043】次に、ステップS27で再度IRED11
を発光させ、ステップS28及びS29でy方向の信号
光入射位置y15、y16を光位置検出回路8b、9bによ
って検出させる。 【0044】上述したx方向の検出と同様、ステップS
30で所定時間の積分が終了すると、ステップS31に
進んでIRED11の発光を終了させる。そして、ステ
ップS32で再度積分結果を読出し、上記(6)′式で
説明したようにして求められた信号光位置y15とy
16を、ステップS33のように平均化し、測定誤差を小
さくするようにする。このようにして得られたy1 、及
びx1 、x2 から、ステップS34にて、上記(10)
式で説明したような演算式を用いて被写体距離を算出す
る。 【0045】以上説明したフローチャートでは、図9
(a)に示されるように測距が行われるが、これに限ら
れず、例えば図9(b)に示されるように測距ポイント
の変更を行ってもよい。この図9(b)に示される例に
よれば、測距時間は更に短くできるというメリットがあ
る。 【0046】こうした測距装置によって、図10に示さ
れるように、画面27の中央部47のポイントに被写体
が存在しないシーンであっても、正しく主要被写体44
にピント合わせが可能となる。 【0047】以上のように、同実施例によれば、画面内
の複数のポイントを高精度、高速で測距し、正しいピン
トの写真を簡単に撮影できるカメラを単純な構成で提供
することができる。 【0048】また、同実施例によれば、IREDの可動
部のがたつきとは全く関係なしに、(10)式に従って
測距ができるので、厳密なスキャン位置検出用の手段が
不要である。すなわち、図7のフローチャートのステッ
プS1のようにIREDを初期化する際、その位置を適
当に検出できればよく、続く所定量のスキャンもモータ
への通電時間等で制御すればよいので、投受光間を基線
長とする従来のアクティブ式三角測距方式で投光部をス
キャンする時のように厳密な位置決めを必要としない。 【0049】尚、図11に示されるように、画面内中央
部に主要被写体44が存在し、単に最至近の被写体にピ
ント合わせしてしまうと、雑被写体48にピントが合
い、主要被写体44のピントが甘くなってしまうシーン
も多いので、画面中央部の測距結果だけは特別扱いとす
る主要被写体選択フローチャートも考えられる。例え
ば、画面中央に誰も存在せずに風景しかない時、画面中
央の測距結果は無限遠の値を示すので、この時のみ最至
近を選択するようなアルゴリズムが考えられる。 【0050】上述したように、厳密な位置決め手段を有
していなくとも、この発明によれば、画面中央の測距結
果が選択できるので、これを第3の実施例として図12
を参照して説明する。 【0051】図12(a)はこの発明の第3の実施例
で、測距装置をカメラに組込んだ配置を示す正面図であ
る。カメラボディ25の上面にレリーズスイッチ24が
設けられている。また、このカメラの前面には、その略
中央部に撮影レンズ26が、そして、その周辺にはファ
インダ27の窓、及び測距装置の投光レンズ13、受光
レンズ4、6が、図示の如く配置されている。 【0052】図12(b)は、同図(a)のカメラを上
方からみた概念図である。同図に於いて、ファインダ対
物レンズ27に対し、2つの受光レンズ4、6が並んで
配置されている。ここで、x座標のみ考えれば、カメラ
画面の中心は図中47の位置だが、y方向を考えなけれ
ば図示していない投光部から、このポイントに測距用光
を投射した時に得られる測距結果が画面中心の測距結果
といえる。 【0053】したがって、ファインダ対物レンズ27と
受光レンズ4の主点間距離のx方向をS2x(図4(a)
参照)とすると、受光レンズとPSD間の距離fJ
り、PSD7上の信号光受光位置x1 と距離Lには、次
の関係が成立する。 【0054】 x2 =((S+S2x)・fJ )/L …(11) PSD5上の信号位置x1 を用いてもよいが、一般に、
基線は長い方が良いので、x2 を利用する。 【0055】また、y座標のみ考えれば、図12(c)
に示されるようになる。同図に於いて、13を投光レン
ズ、11をIRED、ファインダ対物レンズを27とす
ると、画面中央の被写体から入射する反射信号光は、受
光レンズ4を介してPSD7のy1 の位置に光点を結
ぶ。この時、PSD7上のy方向の信号受光位置y1
は、距離Lとの間に、次の関係を成立させる。 【0056】 y1 =(S2y・fJ )/L …(12) ここでS2 は、図4(a)に示されるように、レンズ2
7と、レンズ4の主点間距離のy方向成分を示してい
る。 【0057】S+S2x=30mm、fJ =20mm、S
2y=30mmとすると、(11)式及び(12)式は、 x2 ・L=y1 ・L=600mm2 …(13) となる。 【0058】図13は、このような画面中央部の測距結
果LMNO を重視した第3の実施例の動作を説明するフロ
ーチャートである。この図13のフローチャートに於い
て、ステップS1〜S11は、上述した図7のステップ
S1〜S11と同じであるので、説明は省略する。 【0059】ステップS9にて、スキャン測距されたポ
イント数NがN1 を超えれたならば、ステップS13に
進んで、上記(11)式及び(12)式で説明した原理
に従って、求められた距離LMNと、その時の光入射位置
2 、L1 から画面中央の測距結果を判断する。ここで
の判定用数値は上記(13)式に基いている。尚、不等
式としたのは、光位置検出回路のばらつきや、IRED
スキャン位置に誤差があるためである。 【0060】次に、ステップS14に於いて、こうして
求められた画面中央部の測距結果LMNO と所定距離L1
を比較する。ここで、例えば、L1 =5mより近い距離
の場合は、中央にいる被写体は主要被写体と考えられる
ので、ステップS15へ分岐して、上記画面中央部の測
距結果LMNO にピント合わせを行う。一方、L1 =5m
以上の遠距離の場合は、画面中央に主要被写体は存在し
ないとしてステップS16に分岐する。そして、図7の
ステップS12と同様に、ステップS16にて、得られ
たM1 ×N1 の測距結果から最も近い距離を選び、ここ
にピント合わせをする。 【0061】このような実施例では、図11に示される
ようなシーンに於いても、正しく主要被写体である人物
にピント合わせが可能となる。ところで、図14に示さ
れるように、一般的な従来のカメラのファインダレンズ
27と、投光手段(IRED11、投光レンズ13)の
位置関係は固定であり、27aで示される位置の画面に
対しては中央部の測距ができても、27bで示される位
置の画面に対しては画面中央部の測距はできない。これ
を測距系とファインダ系のパララックス誤差と称する
が、上述した第3の実施例では、こうしたパララックス
の問題にも対策が可能である。 【0062】また、以上の説明では測距用光スキャンの
例として、図3に示されるIREDスキャン機構を前提
としていたが、これに限られるものではなく、例えば図
15(a)及び(b)に示されるような機構でも代用可
能である。すなわち、図15(a)は、投光レンズ13
及びIRED11を一体的にして、支点49を軸に回動
可能なユニット50の構成を示している。また、図15
(b)は、投光レンズ13を介して投光されたIRED
11の測距用光を、支点51を中心に回動可能とするミ
ラー52によって反射させる機構を示している。 【0063】尚、上述した実施例では、光位置検出素子
にPSDを用いて説明したが、これに限られものではな
く、2分割SPDを用いてもよいものである。次に、図
16乃至図19を参照して、この発明の更なる実施例に
ついて説明する。 【0064】図16に於いて、IRED53は、長さ
t、幅wで表される大きさのPSD54と55の縦方
向、すなわち図示y方向の真中に配置されている。そし
て、これらIRED53、PSD54及び55の前方に
は、それぞれ投光レンズ56、受光レンズ57及び58
が、縦方向に配置されている。IRED53から投光レ
ンズ56を介して投射される測距用光59は、スキャン
装置60によって投光方向が変更可能(θx )となって
いる。また、スキャン位置は、位置検出回路61により
CPU62に入力される。 【0065】上記受光レンズ57及び58を介して受光
された反射信号光は、PSD54及び55により受光さ
れ、その受光位置がAF回路63により検出されるよう
になっている。このAF回路63には、後述する傾き調
整回路64から測距結果を補正する値が得られるように
なっている。 【0066】尚、上記CPU62には、装置の調整値を
記憶している電気的に書換え可能なメモリであるEEP
ROM65が接続されている。図17は、このような構
成の測距装置が搭載されたカメラの外観図である。同図
に於いて、カメラボディ66の上面にはレリーズスイッ
チ67が設けられている。そして、このカメラの前面
で、その略中央部には撮影レンズ68が、その上方には
ファインダ対物レンズ69が配置されている。また、撮
影レンズ68の周辺部でファインダ対物レンズ69に隣
接して受光レンズ57が配置され、更にこの受光レンズ
57の下方には投光レンズ56、受光レンズ58が、そ
れぞれ図示の如く配置されている。尚、70はストロボ
を表している。 【0067】次に、このような構成の測距装置の2つの
PSDの動作を図18を参照して説明する。PSD54
は、受光レンズ57を介してθ57の範囲から入射する光
信号の位置を測定できる。一方、PSD55は、受光レ
ンズ58を介してθ58の範囲からの光信号を測定でき
る。したがって、2つのPSDが同時に測定できる光点
の位置は、図18(a)の斜線部Eで示されるθy の範
囲となる。つまり、PSD端部から受光レンズ光軸まで
の距離をaとし、焦点距離をfJ とすると、θy は(1
4)式のように表される。 【0068】 【数1】 ここで、fJ =16mm、a=0.3mmとすると、θ
y は約2°しかないことになる。 【0069】一方、図16に示されるように、PSD5
4、55の幅wを考慮すると、図示x方向の光点の検出
可能範囲θx は θx =arctan(w/fJ ) …(15) となり、w=3mm、fJ =16mmとすると、θx
10.6°となる。ここでθy を広げようとするにはa
を大きくすることが考えられるが、aを大きくするとP
SDの長さtが大きくなり、AFの分解能が劣化する。 【0070】このように考えると、この測距装置にて写
真画面内の多くのポイントの測距を行おうとすると、y
方向よりもx方向の方が広い範囲を補えることがわか
る。図18(b)は、測距用光59が同一距離でy方向
に移動した時の各PSD54、55に入射するy方向の
光点位置を示したものである。図18(a)に示された
ように、両PSDに対称に光が入射する位置に於いて、
各PSD54、55の出力によるPSD上の光点位置5
4a、55aは交差する。受光レンズ57、58とPS
D54、55が対称性良く配置され、2つのPSDの出
力を処理する回路が全く等しい特性を有していれば、5
4a、55aの結果を加算することにより、正しい測距
結果を得ることができる。 【0071】ここで注意するべきことは、回路や各素子
の配置等がアンバランスになれば、直線55bに示され
るように、各PSDの出力の傾きがアンバランスになっ
てしまい、上記加算によっても正しい測距結果が得られ
ないということである。これを電気的に補正するのが、
上述した傾き調整回路64である。 【0072】また、図18(c)は、測距用光59が同
一距離でx方向に動いた時の各PSD54、55上のy
方向の光点位置を示したものである。y方向への変化が
ないので、理想的には図示されるように、一定の出力と
なる。 【0073】したがって、図16の構成の測距装置は、
先の定数の条件下に於いて、x方向10°、y方向2°
の範囲から入射される測距用光に対して、2つのPSD
の出力に従った測距が可能となる。 【0074】このような測距方式であれば、図19に示
されるような、画面内2°×10°の範囲E′の部分か
ら反射してくる測距用光に対して、正しいピント合わせ
が可能となる。したがって、測距用光が図19に示され
るように広がって、被写体からはみ出すような場合で
も、反射光が返ってきさえすれば正しく測距できるとい
うメリットがある。 【0075】特に、遠距離の被写体では、投光スポット
径φT が、(16)式の関係で距離Lに比例して大きく
なる。故に、顔の大きさφF よりφT が大きくなりがち
である。 φT =(φLED /fT )・L …(16) 但しfT :投光レンズ焦点距離 φLED :IREDの発光径 一般のアクティブ式三角測距方式では、φF >φT の条
件でしか正しい測距はできないが、同実施例によれば、
上述したように被写体から測距用光の一部が反射して2
つのPSDに入射すれば、正しい測距が可能となるとい
うメリットがある。 【0076】次に、図20を参照して、同実施例をより
詳細に説明する。IRED53は、IREDドライバ7
1を介してCPU62により発光制御されるもので、可
動部材72に取付けられている。このIRED53は、
モータ73と送りねじ74によって図示x方向に、また
モータ75と送りねじ76によってy方向に可動となっ
ている。そして、CPU62がモータ(M)ドライバ7
7、78を介してモータ73、75の回転を制御するこ
とによって、IRED53と投光レンズ56との相対位
置を制御することができる。 【0077】初期位置スイッチ79は、IRED53の
初期位置を検出するためのものであり、この初期位置か
ら各モータがどれだけ回転したかによって、CPU62
がIRED53の位置を検出するようになっている。I
RED53の位置によって投光レンズ56を通る光線の
方向が変化するので、図16に示されるように、測距用
光投ポイント59を変化させることができる。CPU6
2は、このようにIRED53の位置を変更しながら、
IREDドライバ71を制御して画面内の各部を測距す
る。 【0078】このように投光された測距用光は、図示さ
れない被写体上で反射され、2つの受光レンズ57、5
8を介して、PSD54、55上に結像される。これら
PSD54、55に入射された測距用光から、PSDの
機能によって光の入射位置に対応する出力の2つの電流
信号が出力される。これらの電流信号がプリアンプ8
0、81、82、83にて低入力インピーダンスで吸取
られ、増幅されて圧縮ダイオード84、85、86、8
7に入力される。 【0079】圧縮ダイオード84、85、86、87に
生じた各圧縮電圧は、バッファ回路88、89、90、
91にて基準電圧Vref 基準で、各々NPNトランジス
タ92、93、94、95のベースに導かれる。NPN
トランジスタ92と93、及び94と95は、それぞれ
エミッタが共通に接続された差動回路を構成している。
そして、これらNPNトランジスタのエミッタには、I
RED53の発光に同期して所定の電流値を流したり止
めたりすることのできる電流源96、97が接続されて
いる。また、NPNトランジスタ93、94のコレクタ
はVccに接続されており、NPNトランジスタ92、9
5のコレクタは、積分用コンデンサ98を介してVccに
接続されている。この積分用コンデンサ98の出力電圧
は、CPU62によって制御されるもので、スイッチ9
9によって初期化が可能である。 【0080】このようにして、PSD54および55の
2つの出力電流が圧縮され、差動回路に入力されるの
で、NPNトランジスタ92、95のコレクタ電流は、
各PSDの信号光入射位置に比例した出力となる。これ
らのコレクタ電流をI92、I95とする。 【0081】ここで、図18(a)に示された記号を用
いると、 I92=A92・(a+y54) I95=A95・(a+y55) …(17) 但しA92、A95:比例定数 となるので、A92=A95とすると、スイッチ99をオフ
し、IRED53を発光させた時、積分コンデンサ98
に発生する電圧V98は、 V98=A92(2a+y54+y55)・B98 …(18) 但しB98:比例定数 となる。つまり、(19)式に表される関係となるの
で、CPU62がこのV98を内蔵のA/D変換器により
入力すると、V98からy54+y55が求められる。 【0082】 【数2】 したがって、被写体距離Lは L=S・fJ /(y54+y55) …(20) として算出できる。 【0083】風景等を測距すると、被写体からの反射信
号光がPSDに入射しない場合がある。この場合、信号
光が少ないと圧縮ダイオードの出力電圧が小さくなり、
ノイズによる測距演算がなされてしまう。この演算結果
は、当然正しい被写体距離とは無関係なので、比較回路
100、101によって上記圧縮ダイオード85、87
の出力電圧が判定される。この出力電圧が、所定レベル
よりも小さい時、この比較回路がCPU62に対して判
定信号を出力する。したがって、CPU62は、この信
号を検知した時、積分コンデンサ98の出力電圧は無視
して、被写体距離を例えば無限遠と判定する。 【0084】尚、102は、図18(b)に於いて55
a、55bとして説明した傾きの調整回路である。図2
1は、この調整回路102を説明するためのものであ
る。例えば、図21(c)に示されるように、製造上、
各受光レンズ57、58と各PSD54、55の位置関
係が正しく一致しない場合がある。つまり、fJ54 をf
J55 と完全に一致させるのも、またPSDの組付け上、
傾きθ54とθ55を完全に一致させるのも困難である。 【0085】こうした組立て上の誤差は、そのまま図1
8(b)に示されるようなAF結果の傾き誤差につなが
るが、これを機械的に調整して、傾き調整を行うには、
専用の調整用機構を用意する必要が生じるので、高価と
なりやすく、調整時間も長くなりがちである。そこで、
これを電気的に調整するために、調整回路102及びE
EPROM65が用いられる。 【0086】より具体的には、調整回路102は、図2
1(a)に示されるように構成されているもので、電流
源96の電流値を切換えるようになっている。電流源9
6の電流値が変化すると、上述したNPNトランジスタ
92のコレクタ電流I92とPSD54に入射された光位
置y54の比例定数A92を変化させることができる。した
がって、PSDの組付けによって、この比例定数A92
もう一方の受光系の比例定数A95と一致しない時にも、
電気的にこれを調整し、正しい測距が可能となる。 【0087】電流源96は、図示されるようにNPNト
ランジスタにより構成されており、NPNトランジスタ
103と共にカレントミラー回路を形成している。この
NPNトランジスタ103は、コレクタとベースが短絡
されており、このコレクタに5つの定電流源104、1
05、106、107、108が接続されている。10
4〜108のうち、105〜108の4つの電流源は、
フリップフロップ109、110、111、112から
成るカウンタ回路によって、オン、オフが制御される。 【0088】CPU62は、このカウンタ回路にCK
(クロック)信号とReset(リセット)信号を入力
制御することにより、各電流源をオン、オフ制御するこ
とができる。このカウンタ回路のCK端子にリセット信
号L(ローレベル)の状態で所定のクロックを入力する
と、図21(b)に示されるように、トランジスタ10
3及び96のコレクタに流れる電流値IINT が変化す
る。 【0089】したがって、装置の組立て時に、PSDの
組付け誤差等に基くA92とA95の差を検出しておき、そ
れを打消すだけのIINT の値を演算し、このクロック数
に相当する値を、電気的に書込み可能なROM(EEP
ROM)65に記憶させておけばよい。 【0090】尚、図21(a)のトランジスタ113
は、電流源96をIREDの発光に同期してオン、オフ
制御するためのスイッチである。また、PSDに図21
(c)のθ54、θ55に示されるような傾きがある場合、
IREDをx方向にスキャンした時、被写体距離が等し
くてもAF結果が変化してしま。そのため、図18
(c)に示されたようなxに対して変化しないグラフを
得ることができなくなる。 【0091】そこで、EEPROM65には、IRED
のスキャン位置を、xに従ってこの誤差を打消すような
補正係数を入力しておくようにする。CPU62は、初
期位置スイッチ79とモータ73(図20参照)の回転
数より、スキャン位置xを検出することができる。xの
位置を測距した時に得られた測距結果が、このEEPR
OMに入力されている。そのxに対応する補正値で補正
した後、正しい測距結果として決定すれば、PSDの組
付け工程を簡単にすることができ、コストを低減するこ
とが可能である。 【0092】次に、図22を参照して、2つのPSD5
4、55が同時に検出することができない範囲E以外の
部分を測距する方法について説明する。IRED53が
投光レンズ56の光軸からyLED だけシフトした位置か
ら投光を行うと、被写体距離Lの59の部分の測距は、
上述してきた方法では不十分である。何故なら、59の
部分からの反射信号光は、PSD54には入射してもP
SD55には入射せず、y55が検出できないからであ
る。 【0093】しかしながら、もう一方のPSD54のy
54に反射光は入射しているので、この情報に従って測距
は可能である。つまり、投受光レンズ56、57の主点
間距離をS1 、受光レンズ57の焦点距離をfJ とする
と、 L=S1 ・fJ /(yLED +y54) …(21) となる。 【0094】図23は、このような場合も測距を可能と
したこの測距装置の動作を説明するフローチャートであ
る。以下、このフローチャートに従って動作を説明す
る。先ず、ステップS41にてIRED53の位置y
LED を、CPU62が初期位置スイッチ79とモータ7
3の回転数から検出する。次いで、ステップS42及び
S43にて、yLED の値を判断する。ここで、yLED
−yg ≦yLED ≦ygの条件を満足する時のみ、ステッ
プS44以降のPSD54、55を用いた測距処理に進
む。尚、上記−yg 、yg は、図18(a)の斜線領域
Eに測距用光59が入るためのyLED の位置の限界を表
している。 【0095】ステップS44では、IRED53の発光
を開始させ、続いてステップS45及びS46に於い
て、2つのPSD54及び55で各々信号光入射位置y
54、y55を検出するための積分動作を行うように、電流
源96及び97をオンさせる。そして、積分コンデンサ
98に信号が積分され、ステップS47にて、所定時間
の積分が終了判定される。このステップS47で積分終
了と判定されると、次にステップS48でIRED53
の発光が終了する。その後、ステップS49に於いて、
積分コンデンサ98の充電電圧から、両受光レンズ間距
離Sとy54、y55に従って、被写体距離Lの演算が行わ
れる。 【0096】一方、上記ステップS42に於いて、y
LED が大きくなり、PSD54に信号が入ってこないと考
えられる場合は、ステップS50へと分岐する。そし
て、ステップS50にてIRED53の発光がなされた
後、ステップS51にてPSD55への信号光入射位置
55を検出するための積分動作用に、電流源97がオン
される。次いで、ステップS52で所定時間後の積分終
了検出がなされると、ステップS53にてIRED53
の発光終了が制御される。この後、ステップS54で積
分結果よりy55が検出され、yLED 及び投光レンズ56
と受光レンズ58の間の距離から、被写体距離Lが演算
される。 【0097】また、上記ステップS43に於いて、y
LED が−yg を越えると判定される場合は、まさに図2
2に示されたような状況である。したがって、ステップ
S55にてIRED53の発光がなされた後、ステップ
S56にて電流源97がオンされる。次いで、ステップ
S57で所定時間後の積分終了検出がなされると、ステ
ップS58にてIRED53の発光終了が制御される。
その後、上記ステップS54と同様にして、ステップS
59でy54とyLED とS1 (図22参照)から、被写体
距離Lが演算される。 【0098】このように、IREDのスキャン位置y
LED と、投受光間の距離を加味した測距演算を併用する
ことにより、より広い画角を測距できる装置を提供する
ことができる。 【0099】 【発明の効果】この発明は、被写体距離に関係なく広範
囲の被写体に対して、正確に測距することのできる測距
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の第1の実施例で、測距装置の概念を
示したブロック図である。 【図2】この発明の測距装置の測距原理を示した図であ
る。 【図3】この発明の第2の実施例の構成を示すブロック
図である。 【図4】(a)は図3に示した測距装置をカメラに組込
んだ配置を示す外観図、(b)は写真画面(ファイン
ダ)上で2次元的に変化する測距ポイントの例を示した
図である。 【図5】図3の光位置検出回路の詳細を示す回路構成図
である。 【図6】(a)は図3の光位置検出回路とPSD上の信
号光位置から被写体距離Lを求める方法を説明する図、
(b)は同図(a)のPSD上に於ける受光レンズの主
点を結ぶ方向(x)と、それと垂直方向(y)の配置を
示した図である。 【図7】測距装置のスキャンAF動作について説明する
フローチャートである。 【図8】図7のステップS6に於ける測距の動作を説明
するサブルーチンである。 【図9】測距ポイントのスキャンする例を示した図であ
る。 【図10】画面の中央部のポイントに被写体が存在しな
いシーンの例を示した図である。 【図11】画面中央部に雑被写体を含んで主要被写体が
存在するシーンの例を示した図である。 【図12】(a)はこの発明の第3の実施例で、測距装
置をカメラに組込んだ配置を示す正面図、(b)は同図
(a)のカメラを上方からみた概念図、(c)は同図
(a)のカメラをのy座標についてのみ示した概念図で
ある。 【図13】画面中央部の測距結果LMNO を重視した第3
の実施例の動作を説明するフローチャートである。 【図14】一般的なカメラのファインダレンズと投光手
段の位置関係を示した図である。 【図15】測距用光スキャンの他の構成例を示した図で
ある。 【図16】この発明の更なる実施例で、測距装置の概念
を示したブロック図である。 【図17】図16の構成の測距装置が搭載されたカメラ
の外観図である。 【図18】更なる実施例の測距装置に於ける2つのPS
Dの動作を説明する図である。 【図19】更なる実施例の測距装置に於けるIREDと
測距用光との関係を示した図である。 【図20】更なる実施例をより詳細に説明するための構
成を表すブロック図である。 【図21】図20の調整回路102の詳細を説明をする
もので、(a)は回路構成図、(b)はカウンタ回路の
CK数とトランジスタ103及び96のコレクタに流れ
る電流値IINT の関係を示した図、(c)は受光レンズ
57、58とPSD54、55の位置関係を示した図で
ある。 【図22】2つのPSD54、55が同時に検出するこ
とができない範囲E以外の部分を測距する方法について
説明する図である。 【図23】図20の測距装置の動作を説明するフローチ
ャートである。 【符号の説明】 1…CPU、2…投光部、3…走査部、4、6…受光レ
ンズ、5、7…光位置検出素子(PSD)、8、8a、
8b、9、9a、9b…光位置検出回路、10…測距用
光スポット、11…IRED、12…IREDドライ
バ、13…投光レンズ、14…IRED保持部、15、
19…モータ(M)ドライバ、16、20…モータ、1
7、21…送りねじ、18、23…ガイドレール、22
…支持部、24…スイッチ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 3/06 G02B 7/32 G03B 13/36

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 測距用光の被写体からの反射信号光位置
    を検出する、所定の基線長隔てて配置された一対の受光
    手段と、 被写体に対し上記測距用光を投射する、上記一対の受光
    手段の間に配置された投光手段と、 被写体までの距離に応じて、上記一対の受光手段の出力
    信号に基いて被写体までの距離を検出する第1演算処理
    と、上記一対の受光手段のうち一方の受光手段の出力信
    号に基いて被写体までの距離を検出する第2演算処理を
    実行する演算手段と、 を具備し、 上記投光手段は、投光レンズの光軸を中心として上記基
    線長方向にシフト可能となっており、上記演算手段は、
    上記投光手段のシフト範囲が所定範囲内のときは上記一
    対の受光手段の出力信号に基いて被写体までの距離を検
    出し、上記投光手段のシフト範囲が所定範囲を越えると
    きは上記一対の受光手段のうち一方の受光手段の出力信
    号に基いて被写体までの距離を検出するものである こと
    を特徴とする測距装置。
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