JPH08231463A - カルボニル化反応方法及び反応器 - Google Patents

カルボニル化反応方法及び反応器

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JPH08231463A
JPH08231463A JP5797495A JP5797495A JPH08231463A JP H08231463 A JPH08231463 A JP H08231463A JP 5797495 A JP5797495 A JP 5797495A JP 5797495 A JP5797495 A JP 5797495A JP H08231463 A JPH08231463 A JP H08231463A
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明久 山口
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文彦 植村
Hideki Sugiyama
秀樹 杉山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】カルボニル化金属錯体触媒及びヨウ化アルキル
の存在下での液相カルボニル化反応において、安価な反
応器材料を用いることのできるカルボニル化反応方法及
び反応器を提供する。 【構成】被カルボニル化反応原料をカルボニル化金属錯
体触媒及びヨウ化アルキルの存在下で一酸化炭素と反応
させる方法において、少なくともその内壁面をチタン材
で形成した反応器部分Aと、その反応器部分Aの上方に
位置し、少なくともその内壁面をチタン/パラジウム合
金材で形成した反応器部分Bとからなり、それらの反応
器部分AとBにおけるチタン材とチタン/パラジウム合
金材とが一体に接合し、その接合部が反応器の液相部に
対応する部分に位置する反応器を用い、かつ反応液中の
水分濃度を10重量%以下にして反応を行うカルボニル
化反応方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルボニル化反応方法及
び反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】液相カルボニル化反応により酢酸等のカ
ルボニル化合物を製造する方法は広く知られている。こ
のようなカルボニル化反応方法のうち、金属錯体を触媒
とし、ヨウ化アルキルを助触媒に用いる均一触媒プロセ
スが、選択性、反応速度等において優れており、特に酢
酸合成プロセスについては、モンサント法として数多く
の工業装置が設置されている。この金属錯体を用いる反
応系では、助触媒として用いるヨウ化アルキルが、加水
分解し、ヨウ化水素が存在するようになる。ヨウ化水素
は金属の腐食性の極めて高い物質であるため、反応器の
材質には耐腐食性が高くかつ高価なハステロイBあるい
はジルコニウム702などが用いられている。ジルコニ
ウムは希少な金属であり、その価格はハステロイBと比
べてもかなり高価である。一方、ハステロイBは溶接、
成形後に残留応力を除くために、反応器ごと応力除去焼
鈍(一旦1065℃まで加熱し、水冷により急冷する)
操作が必要となり、容易には反応器材料として用いるこ
とができない。従って、より安価な材料を用いることの
できるカルボニル化反応による有機カルボン酸の製造方
法の開発が望まれている。
【0003】酢酸合成の反応系において、より安価な反
応器材料を採用するための努力が行なわれてきた。例え
ば、栂野らはカルボニル化反応による酢酸合成反応系に
おいて各種の金属耐腐食性を検討し、チタンが有効であ
ることを示唆した(東京工業試験所報告 第57回 第
6号(1962))。しかし、試験液が酢酸、水、ヨウ
化カリウムの混合液であることから、彼らは酢酸合成反
応系における金属腐食の重要な因子としてのヨウ化水素
について考慮していない。また、今井らは、ヨウ化水
素、ヨウ素ガス中でのチタンの耐食性を示しているが
(防食技術,31,691−698(1982))、こ
れらは、400℃という完全気相条件での腐食試験の結
果に基づくものであり、気液両相が存在する液相カルボ
ニル化反応での耐食性を示してはいない。従って、これ
らの腐食試験は、いずれも、前記ヨウ化アルキルを助触
媒として用いるカルボニル化反応におけるチタンの腐食
性に関する意味ある結果を示すものではない。なぜなら
ば、ヨウ化水素は解離度が高く、液相中で極めて高い酸
性を示すことが強い腐食性を示す理由と考えられるから
である。
【0004】液相カルボニル化による有機カルボン酸の
製造において、材料腐食性の高いヨウ化水素が生成する
機構は次のように示される。例えば、ヨウ化メチルを助
触媒として用いるメタノールのカルボニル化反応系で
は、下記反応式(1)の主反応とともに、反応式(2)
〜(4)の副反応が起こる。 CH3OH+CO ⇒CH3COOH (1) CH3COOH+CH3OH⇔CH3COOCH3+H2O (2) 2CH3OH ⇔CH3OCH3+H2O (3) CH3I+H2O ⇔CH3OH+HI (4) ここでヨウ化水素は解離度が高く、以下の式で示すよう
に解離するため、反応液は強い酸性を示し、腐食性の強
い溶液となる。
【化1】 ヨウ化メチルからのヨウ化水素の生成には水が関与し、
水分濃度が高い程腐食性の強い溶液となる。従来の均一
触媒系では、高い反応速度を保持すると同時に、循環触
媒液中での触媒の析出を防止するために、高濃度の水を
存在させる必要があるが、そのために、反応式(4)、
(5)の反応により、反応液は腐食性の高い酸性溶液と
なる。そのために、水分濃度が高い従来法では、チタン
材を反応器材料に用いることができず、より耐食性の高
い高級材料であるジルコニウムやハステロイBを反応器
材料として用いざるを得なかった。
【0005】従来法が包含する前記欠点を克服しようと
して、これまでにもいくつかの方法が提案されており、
その代表的なものに、特開昭60−26943号公報に
記載の方法と、特開平5−306253号公報に記載の
方法がある。前者の公報に記載の方法は、触媒液にヨウ
化リチウムを存在させることにより、従来法の場合より
低い水分濃度の条件でメタノールをカルボニル化させる
方法である。しかし、この方法は、大量のヨウ化リチウ
ムを必要とするため反応液の処理が複雑になる点に加
え、特公平5−21031号および特公平5−2469
35号から推察されるように、ヨウ化メチル及びヨウ化
リチウムの存在により反応液中に目的生産物との分離が
極めて困難なヨウ化ヘキシルなどのヨウ化物が生成する
という問題がある。
【0006】一方、特開平5−306253号公報に記
載の方法は、ピリジン環を含む不溶性樹脂担体にロジウ
ム錯体を担持させた固体触媒を用いることにより、低い
水分濃度においても充分な反応速度が得られる方法であ
る。しかし、この方法も、反応器材料の腐食性の問題を
完全には解決していない。即ち、反応液中の水分濃度の
低下によりヨウ化水素濃度が大幅に低下し、反応液の腐
食性は大幅に低下するものの、気相部に対応する反応器
内壁面に生ずる凝縮液による反応器材料の腐食の問題に
ついては何等考慮されていない。気相部に対応する反応
器内壁面に生じる凝縮液には、反応器材料の腐食を引き
起こすのに十分なヨウ化水素が濃縮され、材料腐食を引
き起こすのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボニル
化金属錯体触媒及びヨウ化アルキルの存在下での液相カ
ルボニル化反応において、安価な反応器材料を用いるこ
とのできるカルボニル化反応方法及び反応器を提供する
ことをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、被カルボニル化反応
原料をカルボニル化金属錯体触媒及びヨウ化アルキルの
存在下で一酸化炭素と反応させる方法において、少なく
ともその内壁面をチタン材で形成した反応器部分Aと、
その反応器部分Aの上方に位置し、少なくともその内壁
面をチタン/パラジウム合金材で形成した反応器部分B
とからなり、それらの反応器部分AとBにおけるチタン
材とチタン/パラジウム合金材とが一体に接合し、その
接合部が反応器の液相部に対応する部分に位置する反応
器を用い、かつ反応液中の水分濃度を10重量%以下に
して反応を行うことを特徴とするカルボニル化反応方法
が提供される。また、本発明によれば、カルボニル化金
属触媒及びヨウ化アルキルの存在下で被カルボニル化反
応原料を一酸化炭素と反応させるための反応器におい
て、少なくともその内壁面をチタン材で形成した反応器
部分Aと、その反応器部分Aの上方に位置し、少なくと
もその内壁面をチタン/パラジウム合金材で形成した反
応器部分Bとからなり、それらの反応器部分AとBにお
けるチタン材とチタン/パラジウム合金材とが一体に接
合し、その接合部が反応器の液相部に対応する部分に位
置することを特徴とする反応器が提供される。
【0009】以下、本発明をカルボニル化金属錯体触媒
としてロジウム錯体触媒を用いたケースについて主に説
明するが、ニッケル、コバルト等のVIII族金属の錯体を
用いた均一系触媒反応系あるいは不均一系触媒反応系に
対しても本発明は有効である。
【0010】本発明におけるカルボニル化金属錯体触媒
としては、多孔質架橋構造を有する塩基性樹脂を担体と
するロジウム錯体含有固体触媒が好ましく用いられる。
この場合、塩基性樹脂としては、ピリジン環を樹脂構造
に含む多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂の
使用が好ましい。このような塩基性樹脂、特にビニルピ
リジン系樹脂は、30〜60%、好ましくは35〜60
%の架橋度、0.2〜0.4cc/g、好ましくは0.
3〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nm、
好ましくは30〜90nmの平均細孔径を有するもので
あり、この特性により化学的耐久性と耐摩耗性にすぐれ
かつ高い反応活性を有するカルボニル化金属錯体触媒を
得ることができる。ここで、架橋度は以下のように定義
される。 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤(2個のビニル基を持つ化
合物)の重量 B:樹脂中に含まれる塩基性ビニルモノマー(例えば、
ビニルピリジン系単量体)の重量 細孔容積、表面積は以下のように測定されたものであ
る。 (細孔容積)水銀圧入法による。水銀の表面張力は25
℃で474dyne/cm、接触角は140度とし、絶
対水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測
定した。 (表面積)BET法により測定した。 (平均細孔径)前記の方法で測定された細孔容積、表面
積から以下のようにして算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0011】前記ビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹
脂とも言う)は、ビニルピリジン系単量体と架橋剤とし
ての2個のビニル基を持つ化合物、特に芳香族化合物を
共重合させることによって好ましく製造され、その好ま
しい製造方法については、特公昭61−25731号に
詳記されている。
【0012】即ち、この方法によると、VP樹脂は、ビ
ニルピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋剤
と、必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物
を、ラジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させるこ
とによって製造される。この場合、重合反応は、水を媒
体とする水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系
には、懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤
としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリ
ル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼ
ラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニ
ウム塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が
用いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝
酸ナトリウムを添加することができる。沈殿剤として
は、単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマ
ーに対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、
イソオクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アル
コール、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂
の製造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その
架橋度は架橋剤の添加量でコントロールすることがで
き、その細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその
添加量によって主にコントロールすることができ、さら
には、懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等に
よってコントロールすることができる。
【0013】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン、ピリジン環にメチル基やエチル基等の低級ア
ルキル基を有する4−ビニルピリジン誘導体又は2−ビ
ニルピリジン誘導体等が挙げられる。また、このビニル
ピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、ス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体を混
入することができる。これらの芳香族系ビニル単量体の
混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは2
0モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単
量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する
化合物である。このようなものとしては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ブダジ
エン等の脂肪族化合物を挙げることができる。この架橋
剤の使用量は、所望するVP樹脂の架橋度に応じて適宜
決める。
【0014】VP樹脂は、0.01〜4mm、好ましく
は0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒
状体として用いられ、その好ましい形状は球状体であ
る。
【0015】本発明において、VP樹脂に担持させるロ
ジウムは、担持された形態のロジウム錯体イオンで表わ
して、例えば〔Rh(CO)22-で表わすことがで
きる。VP樹脂にロジウムを錯体として担持させる方法
としては以下に示す方法が挙げられる。 (1)VP樹脂のピリジン環の窒素原子に水溶液中でロ
ジウムイオンを担持させた後、有機溶媒中でヨウ化アル
キルと一酸化炭素の存在下にてロジウム錯体に変化させ
る方法。この方法におけるピリジン環とロジウムとの反
応は次式で表わされる。また、その反応条件としては、
一般的には、ロジウムの担持は常温、常圧下の条件を、
担持ロジウムの錯体化は反応原料のカルボニル化条件と
同様の条件を用いることができる。
【0016】
【化2】 前記式中、Rは低級アルキル基を示す。
【0017】(2)VP樹脂を、一酸化炭素加圧下にお
いて、ヨウ化アルキルを含む溶媒中でロジウム塩と接触
させる方法。この方法の場合、一般的には、反応原料の
カルボニル化反応条件下で、ロジウム塩とVP樹脂とを
接触させればよい。このようにして得られる触媒は、V
P樹脂に含まれるピリジン環がヨウ化アルキルによって
4級化されてピリジニウム塩となり、このピリジニウム
塩に、ロジウム塩とヨウ化アルキルと一酸化炭素との反
応により生成したロジウムカルボニル錯体[Rh(C
O)22-がイオン的に結合した構造を有する。
【0018】前記ロジウム塩としては、塩化ロジウム
や、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム等のハロゲン化ロジ
ウムが挙げられる。また、ヨウ化アルキルとしては、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等の炭素数
1〜5の低級アルキル基を有するものが挙げられるが、
特にヨウ化メチルの使用が好ましい。ロジウム塩に対す
るヨウ化アルキルの使用割合は、ロジウム塩1モル当
り、ヨウ化アルキル2〜2000モル、好ましくは50
〜500モルの割合である。また、ロジウム塩とヨウ化
アルキルを接触させる際の一酸化炭素圧は、7〜30k
g/cm2G、好ましくは10〜20kg/cm2Gであ
る。
【0019】本発明で用いるカルボニル化金属錯体触媒
において、その金属の担持量、例えばロジウムの担持量
は、金属ロジウム換算で、VP樹脂に対して、0.2〜
2重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%の範囲に規
定するのがよい。ロジウムの担持量が前記範囲より大き
くなると、ロジウム金属1モル当りの触媒活性が低くな
り、ロジウム金属1モル当りの製品収量(mol/mo
lRh・hr)が低下するとともに、触媒の使用に際
し、触媒担体からのロジウムの解離量が多くなるので好
ましくない。また、ロジウム担持量が一定である触媒で
は、触媒の使用量を増やしても触媒担体から解離して反
応液中に存在するロジウムの濃度は余り変わらない。従
ってロジウムを有効に使うためにはその担持量を少な
く、かつ触媒の使用量を多くすることが好ましいが、ロ
ジウムの担持量を余りにも低くすると、所望反応速度を
得るための触媒使用量が多くなりすぎて、反応器内での
撹拌が困難になったり、触媒の表面摩耗が生じやすくな
るので好ましくない。この点から、ロジウムの担持量の
下限は0.2重量%にするのがよい。
【0020】反応器内における触媒充填量は、一般に
は、反応器内溶液に対して2〜40wt%であるが、例
えば、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選ぶのが
よい。また、固定床反応器では20〜40wt%、膨張
床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0021】本発明では反応溶媒が好ましく用いられる
が、この反応溶媒としては、従来公知の各種のものが用
いられる。一般的には、炭素数が2以上のカルボニル基
含有有機溶媒を含むものが用いられる。このような反応
溶媒としては、酢酸、酢酸メチル等のカルボン酸やカル
ボン酸エステルが挙げられる。また、反応原料や反応生
成物自体を反応溶媒とすることもできる。
【0022】反応器内における反応溶媒量は、反応原料
1モルに対し0.16モル以上に規定するのがよい。好
ましい反応溶媒量は反応原料1重量部に対し1.28モ
ル以上である。反応溶液中の反応溶媒量を前記範囲内に
保持することにより、触媒の活性中心である金属カルボ
ニル錯体の反応活性が高められるとともに、金属カルボ
ニル錯体とピリジニウム塩との結合安定性も向上し、高
い反応速度でかつVP樹脂からの金属の解離を効果的に
防止して、反応原料のカルボニル化反応を円滑に進行さ
せることができる。さらに重要なことには、反応器内の
反応溶媒量を前記の範囲に保持することによって、7k
g/cm2という極めて低いCO分圧条件下においても
金属カルボニル錯体が安定に存在し、高い反応速度で反
応原料のカルボニル化反応を進行させることができる。
このことは、反応器として特別の耐圧容器を使用する必
要がなくなり、反応器コストを大幅に節約でき、実用性
ある経済的プロセスが得られることを意味する。
【0023】カルボニル化金属錯体触媒を用いて反応原
料のカルボニル化反応を行う際のCO分圧(一酸化炭素
分圧)は、7kg/cm2以上であればよく、好ましく
は10kg/cm2以上である。CO分圧を特に高くし
ても反応速度はあまり向上せず、格別の反応上の利点は
得られず、経済的観点からはそのCO分圧の上限は30
kg/cm2程度にするのがよい。従って、CO分圧
は、7〜30kg/cm2、好ましくは10〜20kg
/cm2の範囲に規定するのがよい。CO分圧をこのよ
うな範囲に保持することにより、全反応圧を経済的な1
5〜60kg/cm2G、特に15〜40kg/cm
2G、更に好ましくは15〜30kg/cm2G以下とい
う低圧に保持することが可能になる。
【0024】カルボニル化反応における反応温度は14
0〜250℃、好ましくは160〜230℃であるが、
その上限は、使用するVP樹脂の耐熱性に応じて適当に
選定する。また、反応系におけるヨウ化アルキルの存在
量は、反応器内溶液中、1〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%である。さらに、反応系におけるカルボニ
ル化金属錯体触媒濃度は、反応器内溶液中、金属換算量
で、50wtppm以上、好ましく300wtppm以
上、より好ましくは400wtppm以上である。な
お、ここで言う金属錯体触媒濃度は、反応器内から担体
樹脂を除いた溶液に対する触媒金属量のwt%である。
【0025】反応原料、例えば、メタノールのカルボニ
ル化反応系では、前記したように、下記反応式(1)の
主反応とともに、反応式(2)〜(3)の副反応が起こ
る。 CH3OH+CO ⇒CH3COOH (1) CH3COOH+CH3OH⇔CH3COOCH3+H2O (2) 2CH3OH ⇔CH3OCH3+H2O (3) 従って、反応液中には反応式(2)、(3)によって水
分が存在するようになるが、その濃度は十分な反応速度
が得られる濃度であればよく、0.5〜10wt%、好
ましくは1〜8wt%である。この範囲の水分濃度では
従来の均一触媒系では、十分な反応活性が得られない
が、カルボニル化金属錯体含有固体触媒では、十分な水
分濃度がある場合の均一系触媒と同等の反応速度を得る
ことができる。
【0026】カルボニル化反応による有機カルボン酸の
生成反応は気液接触反応であり、反応器内は液相部と気
相部とに分けられる。液相部に存在する反応液は、前記
のようにその水分濃度が極めて低い濃度に保持されるた
め、その腐食性は大幅に低減し、従って、反応器内壁面
のうち、液相部に対応する内壁面部分についてはハステ
ロイBやジルコニウムより低級なチタン材を反応器材料
として用いることができる。一方、気相部に対応する内
壁面部分には、気化した反応液の凝縮により形成された
凝縮液が付着する。この凝縮液中ではそれに含まれるヨ
ウ化アルキルと気相中に存在する水素との間にヨウ化水
素生成反応(H2+RI → RH+HI)が起り、凝
縮液中には、時間の経過により、腐食を引き起すに十分
に高い濃度にまでヨウ化水素が濃縮される。従って、気
相部に対応する反応器材料としてチタン材を用いると腐
食の問題が発生するので、チタン材をそのまま気相部に
対応する反応器材料として使用することはできない。
【0027】本発明者らは、この気相部に対応する反応
器材料について種々検討したところ、チタン/パラジウ
ム合金材の使用により、前記気相部に対応する反応器材
料の腐食の問題を解決し得ることを見出した。チタン/
パラジウム合金材は、ハステロイBやジルコニウムより
も非常に安価な材料であり、また、チタン材との接合も
容易である。また、その接合部を反応液と接触させて
も、その接触部には腐食は何ら認められず、異種金属の
接触で問題となる電食も生じないことが確認された。
【0028】本発明において液相部に対応する反応器材
料として用いるチタン材としては、JIS1種、JIS
2種、JIS3種及びその相当品や、それらを炭素鋼に
クラッドしたチタンクラッド材等を挙げることができ
る。チタン材を液相部に対応する反応器材料として用い
る場合、チタン材をその反応器材料の全体に用いる必要
はなく、その反応器の内壁表面部のみに用いることがで
きる。チタンクラッド材を反応器材料として用いる場
合、そのチタン材部分の厚さは1mm以上、好ましくは
2〜10mm、より好ましくは3〜10mmである。
【0029】本発明において気相部に対応する反応器材
料として用いるチタン/パラジウム合金材において、そ
のパラジウムの含有量は、0.05〜0.50重量%、
好ましくは0.1〜0.3重量%である。このようなチ
タン/パラジウム合金材としては、JIS11種、JI
S12種、JIS13種及びその相当品や、それらを炭
素鋼にクラッドしたチタン/パラジウム合金クラッド材
等を挙げることができる。チタン/パラジウム合金材を
液相部に対応する反応器材料として用いる場合、チタン
/パラジウム合金材をその反応器材料の全体に用いる必
要はなく、その反応器の内壁表面部のみに用いることが
できる。チタン/パラジウム合金クラッド材を反応器材
料に用いる場合、その厚さは1mm以上、好ましくは2
〜10mm、より好ましくは3〜10mmである。
【0030】本発明の反応器は、少なくともその内壁面
をチタン材で形成した反応器部分Aと、その反応器部分
Aの上方に位置し、少なくともその内壁面をチタン/パ
ラジウム合金材で形成した反応器部分Bとからなり、そ
れらの反応器部分AとBにおけるチタン材とチタン/パ
ラジウム合金材とが一体に接合し、その接合部が反応器
の液相部に対応する部分に位置するものである。前記反
応器部分AとBにおけるチタン材とチタン/パラジウム
合金材との接合方法としては、以下の方法を採用するこ
とができる。 (方法A)溶接による方法 チタン部をカットバックし鋼母材を突き合わせ溶接し、
カットバック部分にスペーサーを挿入し、当て板(Ti
材)で覆い隅肉溶接を行う。 (方法B)フランジによる接合 A部およびB部にフランジを取付け、フランジ接合とす
る。反応器内に配設する装置において、反応器の液相部
内に配設するものは、少なくともその表面部をチタン材
で形成するのが好ましく、反応器の気相部内に配設する
ものは、少なくともその表面部をチタン/パラジウム合
金材で形成するのが好ましい。
【0031】チタン材及びチタン/パラジウム合金材を
反応器材料に使用するに当たっては、カルボニル化反応
系では反応系に存在する水と一酸化炭素から下記式
(7)に示す水性ガスシフト反応により水素が副生する
ため、チタンの水素吸収に伴う機械的強度の低下(水素
脆化)を考慮する必要がある。 CO+H2O ⇒ CO2+H2 (7) しかし、本発明の反応条件下ではチタン材及びチタン/
パラジウム合金材による水素の吸収速度は極めて低く、
工業的な使用に関しては何ら問題がないことが確認され
ている。
【0032】本発明で用いる反応器は、反応液を撹拌翼
で撹拌する撹拌混合式反応器(CSTR)や反応液を気
泡で撹拌する気泡塔型反応器等の反応器であることがで
きる。これらの反応器を含む反応装置の例を図1〜図3
に示す。図1は、撹拌混合式反応器からなる反応装置の
説明図である。この図において、1は反応器である。2
は撹拌翼を示し、4は冷却器を示す。図1に示した反応
器1において、水平線Aより上方の反応器材料はチタン
/パラジウム合金材であり、水平線Aより下方の反応器
材料はチタン材である。図1に示した反応装置を用いて
カルボニル化反応を行うには、先ず、反応器1にカルボ
ニル化金属錯体触媒を充填した後、ライン5を通してヨ
ウ化アルキルを含む反応原料と反応溶媒との混合液を充
填する。次いで撹拌翼2を回転させるとともに、ライン
5からヨウ化アルキルを含む反応原料と反応溶媒との混
合液を反応器内に供給し、ライン6を通して一酸化炭素
を反応器内に導入し、ガス噴出ノズル7を介して液中に
噴出させる。反応液はライン8を介して反応器から抜出
す。また、未反応ガス(CO)、副生ガス(H2、C
2)及び気化した反応液はライン12、冷却器4及び
ライン13を通して反応器外へ抜出すが、この場合、気
化した反応液の少なくとも一部は冷却器4で凝縮され、
反応器内に戻される。
【0033】図2は外部循環形式の気泡塔型反応器から
なる反応装置の説明である。図2において、21は縦型
反応筒、22は第1ガス分離槽、23は第2ガス分離槽
を示し、49、50は冷却器を示す。図2に示した反応
装置において、水平線A、A’より上方の反応器材料は
チタン/パラジウム合金材であり、水平機線A、A’よ
り下方の反応器材料はチタン材である。縦型反応筒21
は中空筒体からなる。この反応筒1下部には、反応筒内
下部にガスを噴出させるためのガス噴出ノズル(ガス噴
出口)38が配設され、このガス噴出孔には、ガス導入
管28が連結されている。反応筒1の上端には、逆円錐
台形状の短管26を介して第1ガス分離槽22が連結さ
れている。この第1ガス分離槽22は、反応筒21の水
平断面積と同じもしくはそれよりも大きな断面積を有す
る密閉筒体からなり、その天板25には、その槽内で分
離されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管30が
連結され、このガス抜出し管30には、冷却器49が連
結されている。
【0034】第2ガス分離槽23内下部と反応筒21内
下部とは配管35によって連絡されている。配管35の
上端は逆円錐台形状の短管34を介して第2ガス分離槽
23の下端と連結し、その配管35の下端は反応筒底部
に連結している。配管35には、反応筒内下部に液体を
供給するための液体供給管37が連結されている。この
液体供給管37は、必ずしも配管35に連結させる必要
はなく、反応筒21の底部又は下部に連結させることも
できる。
【0035】反応筒21内上部と第2ガス分離槽23内
とは配管31で連絡されている。配管31の一端は、反
応筒上部の周壁に連結され、その他端は第2ガス分離槽
の周壁に連結されている。第2ガス分離槽23は、密閉
筒体からなり、その天板33には、その槽内で分離され
たガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管32が連結さ
れ、その周壁には、槽内の液体を槽外へ抜出すための液
体抜出し管29が連結されている。また、その第2ガス
分離槽23には、液体抜出しガス巻込み防止板36が配
設されている。このものは、液体中にガスが巻込まれて
液体の抜出しが行われることを防止するためのもので、
平板であっても弯曲板であってもよく、その形状は特に
制約されない。ガス抜出し管32は、冷却器50を介し
て第1ガス分離槽の上部又はガス抜出し管30に連結さ
せることができる。
【0036】第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)
と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(2)/S
(1)は、1〜10、好ましくは2〜5の範囲である。
また、第2ガス分離槽23の水平断面積S(3)と反応
筒21の水平断面積S(1)との比S(3)/S(1)
は、0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲である。反応
筒21におけるその内径R(1)とその高さH(1)と
の比H(1)/R(1)は、5〜100、好ましくは1
0〜20である。
【0037】図2に示した反応装置において、ガス噴出
ノズル38は単管ノズルであってもよいが、リング状の
管体の周壁に多数のガス噴出孔を有する環状ノズルであ
ることができる。
【0038】図2に示した構造の反応装置は種々の変更
が可能であり、例えば、配管31は、その傾斜が第2ガ
ス分離槽23に向かって降下するように配設することが
できるし、反応筒21の上端及び下端にそれぞれ連結す
る短管26及び短管27に代えて、中央部に開口を有す
る板体を用いることもできる。
【0039】図2に示した構造の反応装置を用いてカル
ボニル化反応を行うには、先ず、反応筒21内に触媒を
充填した後、液体供給管37からヨウ化アルキルを含む
反応原料と反応溶媒との混合液を反応装置内に供給し、
反応装置内にヨウ化アルキルを含む反応原料と反応溶媒
との混合液を充填する。次に、液体供給管37からヨウ
化アルキルを含む反応原料と反応溶媒との混合液を反応
筒21内に供給するとともに、ガス導入管28から一酸
化炭素(CO)をガス噴出ノズル38を介して液体中に
噴出させる。ノズル38から液体中に噴出されたCOは
気泡となって液体中を上昇し、その際のガスリフト効果
により、触媒は液体とともに反応筒内を上昇する。この
ような触媒の上昇により、反応筒内の液体中への触媒の
分散が達成され、反応筒内においては、反応原料とCO
との円滑なカルボニル化反応が行われる。
【0040】反応筒内でのカルボニル化反応により得ら
れる反応液は、未反応ガスと(CO)と、副生ガス(H
2、CO2)と触媒を含み、反応筒の上方に配設されてい
る第1ガス分離槽22内に流入し、この第1ガス分離槽
内に保持される。図2において、Sは反応液の液面を示
す。この第1ガス分離槽22においては、反応液中に含
まれていたガス成分及び気化した反応液が液面から上部
空間に放散され、ガス抜出し管30及び冷却器49を通
して槽外へ抜出される。この場合、気化した反応液の少
なくとも一部は冷却器49で凝縮され、第1ガス分離槽
22に戻される。
【0041】反応筒21内を液体とともに上昇した触媒
は、未反応ガスを含む反応液とともに、反応筒上部から
配管31を通って第2ガス分離槽23内に流入し、ここ
で反応液中に含まれていたガス成分が分離され、分離さ
れたガス成分及び気化した反応液は、配管32及び冷却
器50を通って抜出される。この場合、気化した反応液
の少なくとも一部は凝縮され、第2ガス分離槽23内に
戻される。一方、反応液は、液体抜出し管29を通して
抜出される。第2ガス分離槽23内には、ガス巻込み防
止板36が配設されているため、抜出される反応液への
ガスの混入が防止され、反応液を静置状態で液抜出し管
29を通して抜出すことができる。ガス成分が分離され
た反応液と触媒はその自重により、第2ガス分離槽23
から配管35を通って反応筒21内下部に循環される。
反応筒21内下部に反応液とともに循環された触媒は、
再び、反応筒21内を上昇する。
【0042】触媒を上方向に移動させる力は、液体の上
方向への線速度に関係し、液体の線速度が大きいほど触
媒を上方に移動させる力も大きくなる。従って、液体の
線速度を、液体中に存在する触媒を落下させる重力より
も大きくなるように調節することにより、触媒粒子を上
方に移動させることができる。しかし、図2に示した反
応装置の場合、第1ガス分離槽22の水平断面積S
(2)が反応筒21の水平断面積S(1)よりも大きく
なっているため、液体の線速度は第1ガス分離槽内に入
ると急激に小さくなり、触媒の第1ガス分離槽内への移
動は防止され、反応筒21内上部から配管31を通って
第2ガス分離槽23に選択的に流入する。
【0043】前記のようにして、図2に示した装置にお
いては、反応筒21内を上昇する液体流と、反応筒21
の上部から、配管31、第2ガス分離槽23、配管35
を通って反応筒21内下部へ循環する循環流が形成され
る。
【0044】図3は内部循環形式の気泡塔型反応器から
なる反応装置の説明図である。この図において、51は
反応器を示し、このものは、反応筒52とその上端に連
結されたガス分離槽54からなる。ガス分離槽54の水
平断面積は、反応筒52の水平断面積よりも大きくなっ
ている。53は内筒を示す。図3に示した反応器装置に
おいて、水平線Aより上方の反応器材料はチタン/パラ
ジウム合金材であり、水平線Aより下方の反応器材料は
チタン材である。この反応装置を用いてカルボニル化反
応を行うには、先ず、反応器内に触媒を充填した後、ラ
イン56からヨウ化アルキルを含む反応原料と反応溶媒
との混合液を反応器内に供給し、反応器内にヨウ化アル
キルを含む反応原料と反応溶媒との混合液を充填する。
次に、ライン56からヨウ化アルキルを含む反応原料と
反応溶媒との混合液を反応器内へ供給するとともに、ラ
イン57から一酸化炭素を内筒53の底部のガス噴出ノ
ズル58を介して液中へ気泡状態で噴出させる。この一
酸化炭素の液中への噴出により、内筒53内には、液体
と一酸化炭素の気泡との混合物からなる上昇流が形成さ
れ、また、この上昇流の形成にともなって、内筒53と
反応筒52との間の環状間隙部に下降流が生じ、反応器
内には循環流が形成される。液体中に分散する触媒及び
液体中に溶解しているヨウ化アルキルはその上昇液体流
に同伴されて内筒53内を上昇する。そして、これらの
反応原料、一酸化炭素、触媒及びヨウ化アルキルは、そ
の上昇間に相互に接触し、反応原料の一酸化炭素による
カルボニル化反応が達成される。内筒53を上昇する気
液混合物は、反応筒52の上端に連結されたガス分離槽
54内に流入し、反応液から未反応ガス(CO)、副生
ガス(H2、CO2)等のガス成分の分離が行われる。一
方、触媒は液体に分散された状態で内筒53と反応筒5
2との間の環状間隙部内を下降し、反応筒52の底部に
循環される。ガス分離槽54において分離されたガス成
分は気化した反応液とともに、ライン60、冷却器55
及びライン61を通って排出されるが、この場合、気化
した反応液の少なくとも一部は冷却器55で凝縮され、
反応器内に戻される。反応液はライン59を通って反応
器から抜出される。
【0045】本発明における被カルボニル化反応原料と
しては、カルボニル化反応性を有するものであれば任意
の化合物を用いることができる。このような化合物に
は、アルコール、エーテル及びエステルが包含される。
また、このような化合物は、脂肪族系、芳香族系及び複
素環系の化合物であることができる。前記アルコールと
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等の炭素数1〜6、好ましくは1〜3の脂肪族ア
ルコールの他、ベンジルアルコールやフルフリルアルコ
ール等が挙げられる。前記エーテルとしては、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メ
チルエチルエーテル等の炭素数1〜6、好ましくは1〜
3のアルキル基を有する脂肪族エーテルが挙げられる。
前記エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、プ
ロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸
プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシ
ル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチ
ル、酪酸アミル、酪酸ヘキシル、吉草酸メチル、吉草酸
エチル、吉草酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン
酸エチル、カプロン酸プロピル等の炭素数1〜6、好ま
しくは1〜3の脂肪族カルボン酸と炭素数1〜6、好ま
しくは1〜3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げら
れる。
【0046】前記反応原料は、次式で示されるようにし
てカルボニル化され、有機カルボン酸を与える。 (1)アルコールのカルボニル R1OH+CO→R1COOH (8) (2)エーテルのカルボニル化 R1OR2+H2O→R1OH+R2OH (9) R1OH+CO→R1COOH (10) R2OH+CO→R2COOH (11) (3)エステルのカルボニル化 R1COOR2+H2O→R1COOH+R2OH (12) R2OH+CO→R2COOH (13) (前記式中、R1及び2は有機基を示す)
【0047】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0048】参考例1(均一系触媒、低水分のケース) チタン製オートクレーブ(250cc)にメタノール、
ヨウ化メチル、水、酢酸、RhCl3・H2Oをそれぞれ
14g、14g、0g、112g、0.14g加えた。
50kg/cm2の窒素で2回パージした後、1400
prmで撹拌しながら昇温を開始し、180℃に達した
時点で全圧が50kg/cm2GとなるようにCOを自
力式調節弁を通して補給した。COの供給は圧力70k
g/cm2Gリザーブタンク(0.6L)から行ない、
その圧力減少からCOの消費速度を求め、これを反応速
度とした。反応はCO供給開始後35分間行なった。液
容量当たりの反応速度は1.3mol/L/hrであ
り、時間当たり、Rhモル当たりの反応速度は320m
ol/mol−Rh/hrであった。その後、反応器を
急冷し、50kg/cm2の窒素で2回パージした後、
反応液を回収し、反応液組成をガスクロマトグラフィー
で、ヨウ化水素を電位差滴定で測定した。反応液中の水
濃度は3.8wt%、ヨウ化水素は110ppmであっ
た。
【0049】参考例2(不均一系触媒、低水分) Rh固定化した触媒を次のようにして調製した。架橋度
59%の4−ビニルピリジン−ジビニルベンゼン共重合
体樹脂6.7dry−gを、メタノールに十分なる時間
含浸した後、次に8wt%のヨウ化メチル、45wt%
のメタノール、47wt%の酢酸からなる溶液140g
となるように、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸を加
え、250ccチタン製撹拌機付オートクレーブ反応器
に仕込み、0.14gのRhCl3・3H2Oを加えた。
この混合物を50kg/cm2G窒素で数回脱気した
後、190℃に昇温したところでオートクレーブ全圧が
50kg/cm2G(COの初期分圧では150kg/
cm2)となるようにCOを自力式調節弁を通して補給
した。30分後、反応器を冷却し、窒素パージ後、回収
された反応生成液をデカンテーションで除去し、メタノ
ールで洗浄を数回繰り返した。この反応生成液中のRh
を原子吸光法により、ヨウ化メチルをガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、樹脂重量の0.8wt%
に相当するRhと、ピリジン環1個当り約1当量のヨウ
素が固定されていることがわかった。参考例1におい
て、前記のようにして調製したRh固定化触媒10dr
ygをRhCl3・H2Oの代わりに用い、メタノール、
ヨウ化メチル、水、酢酸をそれぞれ28g、14g、0
g、98gを加えた以外は実施例1と同様にして反応速
度を求めたところ、液容量当たりの反応速度は4.3m
ol/L/hrであり、時間当たり、Rhモル当たりの
反応速度は1070mol/mol−Rh/hrであっ
た。反応液中の水濃度は4.8wt%、ヨウ化水素は4
00ppmであった。
【0050】参考例3(均一系触媒、高水分) 参考例1において、メタノール、ヨウ化メチル、水、酢
酸、RhCl3・H2Oをそれぞれ14g、14g、21
g、91g、0.14g加えた以外は参考例1と同様に
して反応速度を求めたところ、液容量当たりの反応速度
は4.4mol/L/hrであり、時間当たり、Rhモ
ル当たりの反応速度は1090mol/mol−Rh/
hrであった。反応液中の水濃度は1.36wt%、ヨ
ウ化水素濃度は5080ppmであった。
【0051】前記した参考例1〜3における反応条件と
反応結果を表1にまとめて示す。
【0052】
【表1】 * 固定化触媒としての重量
【0053】参考例4〜7(ヨウ化水素濃度と液相中の
チタンの耐食性) 内壁、撹拌軸及び撹拌翼をテフロンコーティングし、こ
れに反応原料液及びCOの連続供給ライン及び内溶液量
が120mlとなる位置に抜き出しラインを設け、さら
に液相部分にチタン製の腐食試験片(JIS H460
0 2種)を設置したチタン製オートクレーブに参考例
2と同様に調製した触媒を仕込み、ヨウ化メチル、酢
酸、メタノール及び参考例5〜7についてはさらに水を
含む反応原料液と、反応消費量の1.2倍のCOを連続
的に供給し、一定圧となるように圧力コントロールバル
ブを自動操作して100時間の連続反応を行なった。前
記反応条件及び反応結果を表2に示す。ヨウ化水素は、
ヨウ化メチルの加水分解によって生じるが、参考例4〜
7の実験結果により、水の濃度の増加と共に指数的に増
大すること、水濃度10wt%以下(ヨウ化水素濃度3
000ppm以下)では液相中にあるチタンの腐食は起
こらないことが確認された。
【0054】
【表2】
【0055】参考例8〜11(気相中のチタンの耐食
性) ガラス製オートクレーブ(300cc)にメタノール、
水、酢酸及びヨウ化水素を表3に示す組成で150cc
加え、チタン製腐食試験片(JIS H4600 2
種)をオートクレーブ内の気相中に設置した。10kg
/cm2の窒素で5回パージした後、溶存する酸素を追
い出すために140℃で5分程度沸騰させ、室温まで冷
却し、10kg/cm2の一酸化炭素でパージした。温
度を180℃まで上げ、一酸化炭素及び必要に応じて水
素にて9kg/cm2まで昇圧して放置した。試験片は
凝縮液により表面がぬれている状態であることが観察さ
れた。96時間経過後、室温まで冷却し、窒素で十分に
パージした後、試験片、試験液を回収した。試験片の腐
食速度は96時間の試験における重量減から換算して求
め、0.01mm/年以下のものは腐食無しとした。回
収した試験液は電位差滴定によりヨウ化水素濃度を測定
した。実験結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】参考例12(乾燥状態にあるチタンの耐食
性) 内径20mm、長さ30cmのガラス製管型リアクター
の中央部分にチタン製腐食試験片(JIS H4600
2種)を設置し、上部から窒素を流しながら電気炉で
180℃まで昇温した。続いて、リアクター上部から水
素を3.4ml/min、混合液(メタノール14.5
wt%、酢酸18.8wt%、酢酸メチル23.4wt
%、ヨウ化メチル43.0wt%、水0.3wt%、ヨ
ウ化水素0.5wt%を加えたもの)を0.5ml/h
rで供給した。混合液はリアクターに入ると瞬時に完全
気化しており、試験片は常時、乾燥していた。170時
間の試験後、試験片に腐食は認められなかった。
【0058】参考例8〜12の結果から反応器内の気相
中のチタンの腐食は、試験液にヨウ化メチル及び気相中
に水素が存在しかつ試験片表面が凝縮液でぬれている場
合に生じることが明らかである。
【0059】実施例1(気相中におけるチタンの腐食回
避) 参考例10と同じようにして実験を行った。ただし気相
中の試験片としてチタン/パラジウム合金材(JIS1
2種)を用いた。この場合、96時間の試験において腐
食は認められなかった。
【0060】実施例2(気相中におけるチタンの腐食回
避) 参考例4と同様な装置を用いて実験を行った。ただし、
オートクレーブとしては、テフロンコーティングを行っ
ていないチタン/パラジウム合金材(JIS12種)製
のものを用いた。また、チタン/パラジウム合金材製の
撹拌軸の先端部にチタン(JIS2種)の同径円柱を溶
接し、さらに溶接したチタン材の軸部分にチタン/パラ
ジウム合金材(JIS12種)製の撹拌翼をネジ止めし
た。前記実験における反応条件、原料液組成及び反応液
組成を次表に示す。
【0061】
【表4】
【0062】前記実験を1000時間行った。この場
合、原料ガスは反応消費量の1.2倍を供給し、一定圧
力となるように圧力コントロールバルブを自動操作し
た。前記1000時間の実験後における反応液組成はほ
ぼ一定であり、触媒活性の劣化は認められなかった。ま
た、反応器の気相部及び液相部に各対応する反応器内壁
面を検討しても腐食は認められなかった。さらに、液相
中に位置したチタン/パラジウム合金材製の撹拌軸、そ
の先端部に溶接されたチタン材製の撹拌軸、チタン/パ
ラジウム合金材製の撹拌軸とチタン材製撹拌軸との溶接
部及びチタン材製撹拌軸とチタン/パラジウム合金材製
撹拌翼との密着部のいずれにおいても腐食は認められな
かった。また、前記したチタン材及び/チタン/パラジ
ウム合金材の表面には酸化チタン被膜が存在することが
ESCA(X線光電子分光)により確認された。
【0063】
【発明の効果】本発明は、ヨウ化アルキルを助触媒とす
るカルボニル化金属錯体触媒を用いるカルボニル化反応
において、反応器の主要材料としてチタン材及びチタン
/パラジウム合金材の使用を可能としたものである。従
来のカルボニル化反応では、耐腐性の点から、反応器材
料としては高価なハステロイBやジルコニウムの使用を
必須としていたが、本発明によれば、このような高価な
材料を用いる必要はなく、それより安価なチタン材及び
チタン/パラジウム合金材を用いるので、経済的に有利
にカルボニル化反応を行うことができる。本発明の反応
器は、気相部に対応する反応器部分の少なくとも表面部
をチタン/パラジウム合金で形成し、液相部に対応する
反応器部分の少なくとも表面部をチタン材で形成したも
のであり、ハステロイBやジルコニウムを用いる従来の
反応器とは異なり、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌混合型反応装置の説明図である。
【図2】外部循環方式の気泡塔型反応装置の説明図であ
る。
【図3】内部循環方式の気泡塔型反応装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1、21、51 反応器 2 撹拌翼 4、49、55 冷却器 7、38、58 ガス噴出ノズル 53 内筒
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/12 C07C 51/12 53/00 53/00 67/08 67/08 69/14 69/14 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 山口 明久 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 植村 文彦 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 杉山 秀樹 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被カルボニル化反応原料をカルボニル化
    金属錯体触媒及びヨウ化アルキルの存在下で一酸化炭素
    と反応させる方法において、少なくともその内壁面をチ
    タン材で形成した反応器部分Aと、その反応器部分Aの
    上方に位置し、少なくともその内壁面をチタン/パラジ
    ウム合金材で形成した反応器部分Bとからなり、それら
    の反応器部分AとBにおけるチタン材とチタン/パラジ
    ウム合金材とが一体に接合し、その接合部が反応器の液
    相部に対応する部分に位置する反応器を用い、かつ反応
    液中の水分濃度を10重量%以下にして反応を行うこと
    を特徴とするカルボニル化反応方法。
  2. 【請求項2】 反応器として気泡塔型反応器を用いる請
    求項1の方法。
  3. 【請求項3】 反応器として撹拌翼を有する撹拌混合型
    反応器を用いる請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 反応原料がメタノールであり、ヨウ化ア
    ルキルがヨウ化メチルである請求項1〜3のいずれかの
    方法。
  5. 【請求項5】 触媒が、ピリジン環を含む不溶性樹脂担
    体にロジウムを固定化させたものである請求項1〜4の
    いずれかの方法。
  6. 【請求項6】 不溶性樹脂担体が、30〜60%の架橋
    度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積、20〜100
    nmの平均細孔径を有する請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 一酸化炭素分圧が7〜30kg/c
    2、反応温度が140〜250℃である請求項1〜6
    のいずれかの方法。
  8. 【請求項8】 カルボニル化金属触媒及びヨウ化アルキ
    ルの存在下で被カルボニル化反応原料を一酸化炭素と反
    応させるための反応器において、少なくともその内壁面
    をチタン材で形成した反応器部分Aと、その反応器部分
    Aの上方に位置し、少なくともその内壁面をチタン/パ
    ラジウム合金材で形成した反応器部分Bとからなり、そ
    れらの反応器部分AとBにおけるチタン材とチタン/パ
    ラジウム合金材とが一体に接合し、その接合部が反応器
    の液相部に対応する部分に位置することを特徴とする反
    応器。
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