JPH10194999A - 有機カルボン酸の製造方法 - Google Patents

有機カルボン酸の製造方法

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JPH10194999A
JPH10194999A JP35862496A JP35862496A JPH10194999A JP H10194999 A JPH10194999 A JP H10194999A JP 35862496 A JP35862496 A JP 35862496A JP 35862496 A JP35862496 A JP 35862496A JP H10194999 A JPH10194999 A JP H10194999A
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titanium
carbonylation
reaction
reactor
carboxylic acid
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JP35862496A
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English (en)
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Noriyuki Yoneda
則行 米田
Takeshi Minami
武志 皆見
Akihisa Yamaguchi
明久 山口
Hideki Sugiyama
秀樹 杉山
Fumihiko Uemura
文彦 植村
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボニル化用金属錯体触媒とヨウ化アルキ
ルの存在下でカルボニル化反応原料を一酸化炭素とカル
ボニル化反応させて得られるカルボニル化反応生成液を
蒸留装置を用いて蒸留処理するに際し、その蒸留塔装置
材質として安価なチタン材又はチタン−パラジウム合金
の使用を可能にする方法を提供する。 【解決手段】 カルボニル化反応用原料をカルボニル化
用金属錯体及びヨウ化アルキルの存在下で一酸化炭素と
反応させるカルボニル化反応工程と、得られたカルボニ
ル化反応生成液をフラッシャー及び/又は蒸留装置を用
いて有機カルボン酸を分離する分離工程からなる有機カ
ルボン酸の製造方法において、該反応工程における水分
濃度を10wt%以下に保持し、該分離工程に用いる該
装置の器壁の内面をチタン材又はチタン−パラジウム合
金で形成することを特徴とする有機カルボン酸の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、カルボニル化反応原料を一酸化
炭素と反応させるカルボニル化反応工程を含む有機カル
ボン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機カルボン酸を製造するため
に、メタノール等のカルボニル化反応原料を、反応溶媒
中において、カルボニル化反応用触媒、ヨウ化アルキル
及び水の存在下において一酸化炭素と反応させ、得られ
たカルボニル化反応生成液を蒸留処理して有機カルボン
酸を回収する方法は知られている。このような有機カル
ボン酸の製造方法において、カルボニル化反応は、水の
存在下で行われ、比較的多量の水を用いることによりそ
の反応を促進させることができる。しかしながら、反応
系に比較的多量の水を存在させると、その水は反応生成
液に同伴することから、蒸留工程での反応生成液からの
水の除去が困難になるし、また、ヨウ化水素の副生量を
増加させ、反応生成液の腐食性を著しく高める等の不都
合が生じる。従来広く実施されている可溶性ロジウム錯
体を触媒として用いてカルボン酸を合成するモンサント
法は、反応系に約15%という比較的多量の水を存在さ
せることから、得られる反応生成液は、2万〜4万pp
mという多量のヨウ化水素を含み、金属に対する腐食性
の著しく高いものであった。従って、モンサント法にお
ける反応器及び蒸留塔としては、高耐食性材料であるハ
ステロイBやジルコニウムを器壁材料とするものが用い
られており、その装置コストは非常に高いものであっ
た。ハステロイBは、ジルコニウムに比べれば安価であ
るが、ステンレススチールやチタン等の他の材料に比較
すると高価な材料であることには変りなく、しかも、装
置製造に際しては、応力除去のための焼成工程が必要と
なり、大型の蒸留塔の作製には大きな困難を伴う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボニル
化用金属錯体触媒とヨウ化アルキルの存在下でカルボニ
ル化反応原料を一酸化炭素とカルボニル化反応させて得
られるカルボニル化反応生成液を蒸留装置を用いて蒸留
処理するに際し、その蒸留塔装置材質として安価なチタ
ン材又はチタン−パラジウム合金の使用を可能にする方
法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、カルボニル化反応用
原料をカルボニル化用金属錯体及びヨウ化アルキルの存
在下で一酸化炭素と反応させるカルボニル化反応工程
と、得られたカルボニル化反応生成液をフラッシャー及
び/又は蒸留装置を用いて有機カルボン酸を分離する分
離工程からなる有機カルボン酸の製造方法において、該
反応工程における水分濃度を10wt%以下に保持し、
該分離工程に用いる該装置の器壁の内面をチタン材又は
チタン−パラジウム合金で形成することを特徴とする有
機カルボン酸の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるカルボニル化反応
工程は、カルボニル化反応用原料と一酸化炭素とをカル
ボニル化反応用触媒とヨウ化アルキルと水の存在下でカ
ルボニル化反応させる工程である。ヨウ化アルキルとし
ては、炭素数1〜5、好ましくは1〜3の低級アルキル
基を有するヨウ化アルキル、特にヨウ化メチルが好まし
く用いられる。カルボニル化用金属錯体触媒としては、
従来公知のものが用いられる。この触媒は、反応混合液
に溶解する均一反応系触媒であってもよいし、反応混合
液に不要な不均一反応系触媒であってもよいが、本発明
では、反応混合液に不溶な不均一反応系触媒の使用が好
ましい。また、金属錯体触媒における金属成分として
は、ニッケルやコバルト、ロジウム等の周期律表の8族
金属が用いられるが、本発明では、特にロジウムの使用
が好ましい。本発明で用いる好ましい触媒は、その使用
に際し、反応系の水分濃度に限定されるものではない
が、反応系の水分濃度を10wt%以下にして反応を行
うときに、均一ロジウム錯体触媒に比べて高い活性を示
す触媒である。このような触媒としては、ロジウム錯体
を多孔質架橋構造を有するビニルピリジン樹脂に固定化
した触媒(特開平5−306253号、特開平5−30
6254号)や、均一ロジウム錯体にLiI、NaI等
を添加した触媒(特開昭60−239434号、特開平
5−140024号)等が挙げられる。均一ロジウム錯
体にLiIやNaIを添加する方法では、大量のヨウ素
化合物を添加するため、ヨウ素系不純物が生成しやす
く、前者が好ましい。
【0006】本発明で用いる特に好ましい触媒は、多孔
質系架橋構造を有すり塩基性樹脂を担体とするロジウム
錯体含有固体触媒である。この場合、不溶性樹脂担体と
しては、ピリジン環を樹脂構造に含む多孔質架橋構造を
有するビニルピリジン系樹脂の使用が好ましい。このよ
うなビニルピリジン系樹脂は、30〜60%、好ましく
は35〜60%の架橋度、0.2〜0.4cc/g、好
ましくは0.3〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜
100nm、好ましくは30〜90nmの平均細孔径を
有するものであり、この特性により化学的耐久性と耐摩
耗性にすぐれかつ高い反応活性を有するカルボニル化用
金属触媒を得ることができる。ここで、架橋度は以下の
ように定義される。 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤(2個のビニル基を持つ化
合物)の重量 B:樹脂中に含まれる塩基性ビニルモノマー(例えば、
ビニルピリジン系単量体)の重量 細孔容積、表面積は以下のように測定されたものであ
る。 (細孔容積)水銀圧入法による。水銀の表面張力は25
℃で474dyne/cm、接触角は140度とし、絶
対水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測
定した。 (表面積)BET法により測定した。 (平均細孔径)前記の方法で測定された細孔容積、表面
積から以下のようにして算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0007】前記ビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹
脂とも言う)は、ビニルピリジン系単量体と架橋剤とし
ての2個のビニル基を持つ化合物、特に芳香族化合物を
共重合させることによって好ましく製造される。
【0008】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン、ピリジン環にメチル基やエチル基等の低級ア
ルキル基を有する4−ビニルピリジン誘導体又は2−ビ
ニルピリジン誘導体等が挙げられる。また、このビニル
ピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、ス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体を混
入することができる。これらの芳香族系ビニル単量体の
混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは2
0モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単
量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する
化合物である。このようなものとしては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ブダジ
エン等の脂肪族化合物を挙げることができるが、ジビニ
ルベンゼンが好ましく用いられる。また、ジビニルベン
ゼンは、通常、エチルビニルベンゼンとの混合物として
用いられる。この架橋剤の使用量は、所望するVP樹脂
の架橋度に応じて適宜決める。
【0009】VP樹脂は、0.01〜4mm、好ましく
は0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒
状体として用いられ、その好ましい形状は球状体であ
る。
【0010】本発明で用いるロジウム触媒は、ロジウム
錯体イオン、例えば〔Rh(CO)22〕~の形態で担
体上に担持されているものを用いるのがよい。前記した
ロジウム触媒は、特開平6−315637号公報に詳述
されている。
【0011】本発明で用いるロジウム触媒において、そ
のロジウムの担持量は、金属ロジウム換算で、不溶性樹
脂に対して、0.2〜5.0重量%、好ましくは0.5
〜3.0重量%の範囲に規定するのがよい。ロジウムの
担持量が前記範囲より大きくなると、ロジウム金属1モ
ル当りの触媒活性が低くなり、ロジウム金属1モル当り
の製品収量(mol/molRh・hr)が低下すると
ともに、触媒の使用に際し、触媒担体からのロジウムの
解離量が多くなるので好ましくない。また、ロジウム担
持量が一定である触媒では、触媒の使用量を増やしても
触媒担体から解離して反応液中に存在するロジウムの濃
度は余り変わらない。従ってロジウムを有効に使うため
にはその担持量を少なく、かつ触媒の使用量を多くする
ことが好ましいが、ロジウムの担持量を余りにも低くす
ると、所望反応速度を得るための触媒使用量が多くなり
すぎて、反応器内での撹拌が困難になったり、触媒の表
面摩耗が生じやすくなるので好ましくない。この点か
ら、ロジウムの担持量の下限は0.2重量%にするのが
よい。以下、本発明におけるカルボニル化反応工程を詳
述する。
【0012】反応器内における触媒充填量は、一般に
は、反応器内溶液に対して2〜40wt%であるが、例
えば、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選ぶのが
よい。また、固定床反応器では20〜40wt%、膨張
床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0013】本発明では反応溶媒が用いられるが、この
反応溶媒としては、従来公知の各種のものが用いられ
る。一般的には、炭素数が2以上のカルボニル基含有有
機溶媒を含むものが用いられる。このような反応溶媒と
しては、酢酸、酢酸メチル等のカルボン酸やカルボン酸
エステルが挙げられる。また、反応原料や反応生成物自
体を反応溶媒とすることもできる。
【0014】反応器内における反応溶媒量は、反応原料
1モルに対し0.16モル以上に規定するのがよい。好
ましい反応溶媒量は反応原料1重量部に対し1.28モ
ル以上である。反応溶液中の反応溶媒量を前記範囲内に
保持することにより、触媒の活性中心であるロジウムの
反応活性が高められるとともに、ロジウムとピリジニウ
ム塩との結合安定性も向上し、高い反応速度でかつ樹脂
担体からの金属の解離を効果的に防止して、反応原料の
カルボニル化反応を円滑に進行させることができる。さ
らに重要なことには、反応器内の反応溶媒量を前記の範
囲に保持することによって、7kg/cm2という極め
て低いCO分圧条件下においても高い反応速度で反応原
料のカルボニル化反応を進行させることができる。この
ことは、反応器として特別の耐圧容器を使用する必要が
なくなり、反応器コストを大幅に節約でき、実用性ある
経済的プロセスが得られることを意味する。
【0015】反応原料のカルボニル化反応を行う際のC
O分圧(一酸化炭素分圧)は、7kg/cm2以上であ
ればよく、好ましくは10kg/cm2以上である。C
O分圧を特に高くしても反応速度はあまり向上せず、格
別の反応上の利点は得られず、経済的観点からはそのC
O分圧の上限は30kg/cm2程度にするのがよい。
従って、CO分圧は、7〜30kg/cm2、好ましく
は10〜20kg/cm2の範囲に規定するのがよい。
CO分圧をこのような範囲に保持することにより、全反
応圧を経済的な15〜60kg/cm2G、特に15〜
40kg/cm2G、更に好ましくは15〜30kg/
cm2G以下という低圧に保持することが可能になる。
【0016】カルボニル化反応における反応温度は14
0〜250℃、好ましくは160〜230℃であるが、
その上限は、使用する担体樹脂の耐熱性に応じて適当に
選定する。また、反応系におけるヨウ化アルキルの存在
量は、反応器内溶液中、1〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%である。さらに、反応系におけるロジウム
触媒濃度は、反応器内溶液中、ロジウム金属換算量で、
50wtppm以上、好ましく300wtppm以上、
より好ましくは400wtppm以上である。なお、こ
こで言うロジウム触媒濃度は、担体樹脂を除いた反応混
合液に対するロジウム金属量のwt%である。
【0017】反応原料、例えば、メタノールのカルボニ
ル化反応系では、前記したように、下記反応式(1)の
主反応とともに、反応式(2)〜(3)の副反応が起こ
る。 CH3OH+CO ⇒CH3COOH (1) CH3COOH+CH3OH⇔CH3COOCH3+H2O (2) 2CH3OH ⇔CH3OCH3+H2O (3) 従って、反応混合液中には反応式(2)、(3)によっ
て水分が存在するようになるが、反応混合液中の水分濃
度は十分な反応速度が得られる濃度であればよく、0.
5〜10wt%、好ましくは1〜6wt%、より好まし
くは2〜5wt%である。この範囲の水分濃度では従来
の均一触媒系では、十分な反応活性が得られないが、本
発明で用いる不均一系固体触媒では、十分な水分濃度が
ある場合の均一系触媒と同等の反応速度を得ることがで
きる。本発明では、水分濃度を10wt%以下とするこ
とにより、ヨウ化水素濃度を3000ppm以下とし
て、結果として装置材料として反応器及び分離装置にチ
タン材を用いることが可能となった。本発明における好
ましい反応系水分濃度は8wt%以下であり、この場
合、HI濃度はおよそ500ppm以下となる。
【0018】カルボニル化反応工程における反応率は、
反応生成液のカルボニル化度で表わして、0.5〜0.
9、好ましくは0.6〜0.8である。カルボニル化度
が前記範囲を超えると、ヨウ化水素の濃度が著しく増加
して腐食等の問題が生じるので好ましくない。一方、カ
ルボニル化度が前記範囲より小さいと、目的とするカル
ボン酸の反応生成液中含有量が低いために、反応及び蒸
留における装置効率が著しく低下する。カルボニル化度
は、反応条件、特に反応時間によりコントロールするこ
とができる。なお、ここで言うカルボニル化度Acは、
以下のように定義される。(カルボニル化度) 前記式中、Ciは溶液中に存在する各成分Miのモル濃度
(mol/l)、Ziは各成分Miのカルボニル化係数、
Xiは各成分Miの原料係数を示す。nは溶液中に存在す
る全成分Miの合計数を示す。各成分Miのカルボニル化
係数Zi及び原料係数Xiは次表の通りである。
【0019】
【表1】 水分濃度が同じ場合でも、反応生成液のカルボニル化度
によって、HI濃度は変化する。カルボニル化度が0.
9以下であれば、水分濃度が20wt%以下ではHI濃
度は3000wtppm以下であり、チタン材を使用す
ることが可能である。従って、蒸留系において、水分が
分離濃縮される際に、液のカルボニル化度を0.9より
高くならないように設計する分離方法が選ばれる。一
方、カルボニル化度が0.9より高い場合、特にカルボ
ニル化度が0.97では、水分濃度10wt%以上では
HI濃度は3000wtppmを越え、チタン材の腐食
をまねく。モンサルト法で用いられるカルボニル化度
0.99で水分濃度15wt%でのHI濃度は30,0
00wtppmを示す。
【0020】低水分下の反応系においては、チタンやチ
タン/パラジウム合金を用い得ることが知られている
(特開平6−340241号、特開平7−57974
号)。即ち、カルボニル化反応による有機カルボン酸の
生成反応は気液固接触反応であり、反応器内は液相部と
気相部とに分けられる。液相部に存在する反応混合液
は、前記のようにその水分濃度が極めて低い濃度に保持
され、ヨウ化水素含有量が非常に小さいため、その腐食
性は大幅に低減し、従って、反応器内壁面のうち、液相
部に対応する内壁面部分についてはハステロイBやジル
コニウムよりも低級なチタン材を反応器材料として用い
ることができる。一方、気相部に対応する内壁面部分に
は、気化した反応混合液の凝縮により形成された凝縮液
が付着する。この凝縮液中においては、それに含まれる
ヨウ化アルキルと気相中に存在する水素との間にヨウ化
水素生成反応(H2+RI → RH+HI)が起り、
凝縮液中には、時間の経過により、腐食を引き起すに十
分に高い濃度にまでヨウ化水素が濃縮される可能性があ
る。従って、気相部に対応する反応器材料としてチタン
材を用いると腐食の問題が発生することがあるので、チ
タン材をそのまま気相部に対応する反応器材料として使
用することは不適当となる。この気相部に対応する反応
器材料としては、チタン/パラジウム合金材の使用が好
ましく、これにより、前記気相部に対応する反応器材料
の腐食の問題を解決することができる。チタン/パラジ
ウム合金材は、ハステロイBやジルコニウムよりも非常
に安価な材料であり、また、チタン材との接合も容易で
ある。また、その接合部を反応液と接触させても、その
接触部には腐食は何ら認められず、異種金属の接触で問
題となる電食も生じない。
【0021】チタン材としては、JIS1種、JIS2
種、JIS3種及びその相当品や、それらを炭素鋼にク
ラッドしたチタンクラッド材等を挙げることができる。
チタン材は、それを反応器材料の全体に用いる必要はな
く、その反応器の内壁表面部のみに用いることができ
る。チタンクラッド材を装置材料として用いる場合、そ
のチタン材部分の厚さは1mm以上、好ましくは2〜1
0mm、より好ましくは3〜10mmである。但し、熱
交換器のチューブや装置を接続する配管ではムク材がそ
のまま用いられる。
【0022】装置材料としてチタン/パラジウム合金材
を用いる場合、そのパラジウムの含有量は、0.05〜
0.50重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%であ
る。このようなチタン/パラジウム合金材としては、J
IS11種、JIS12種、JIS13種及びその相当
品や、それらを炭素鋼にクラッドしたチタン/パラジウ
ム合金クラッド材等を挙げることができる。チタン/パ
ラジウム合金材を装置材料として用いる場合、チタン/
パラジウム合金材をその反応器材料の全体に用いる必要
はなく、その装置の内壁表面部のみに用いることができ
る。チタン/パラジウム合金クラッド材を装置材料に用
いる場合、その厚さは1mm以上、好ましくは2〜10
mm、より好ましくは3〜10mmである。但し、熱交
換器のチューブや装置を接続する配管ではムク材がその
まま用いられる。
【0023】本発明で好ましく用いる反応器は、少なく
ともその内壁面をチタン材で形成した反応器部分Aと、
その反応器部分Aの上方に位置し、少なくともその内壁
面をチタン/パラジウム合金材で形成した反応器部分B
とからなり、それらの反応器部分AとBにおけるチタン
材とチタン/パラジウム合金材とが一体に接合し、その
接合部が反応器の液相部に対応する部分に位置するもの
である。前記反応器部分AとBにおけるチタン材とチタ
ン/パラジウム合金材との接合方法としては、以下の方
法を採用することができる。 (方法A)溶接による方法 チタン部をカットバックし鋼母材を突き合わせ溶接し、
カットバック部分にスペーサーを挿入し、当て板(Ti
材)で覆い隅肉溶接を行う。 (方法B)フランジによる接合 A部およびB部にフランジを取付け、フランジ接合とす
る。反応器内に配設する装置において、反応器の液相部
内に配設するものは、少なくともその表面部をチタン材
で形成するのが好ましく、反応器の気相部内に配設する
ものは、少なくともその表面部をチタン/パラジウム合
金材で形成するのが好ましい。
【0024】チタン材及びチタン/パラジウム合金材を
反応器材料に使用するに当たっては、カルボニル化反応
系では反応原料である一酸化炭素中に数%程度までの水
素が混入すること及び反応系に存在する水と一酸化炭素
から下記式(4)に示す水性ガスシフト反応により水素
が副生するため、チタンの水素吸収に伴う機械的強度の
低下(水素脆化)を考慮する必要がある。 CO+H2O ⇒ CO2+H2 (4)
【0025】本発明で用いる反応器は、反応液を撹拌翼
で撹拌する撹拌混合式反応器(CSTR)や反応液を気
泡で撹拌する気泡塔型反応器の使用が好ましい。
【0026】本発明におけるカルボニル化反応原料とし
ては、カルボニル化反応性を有するものであれば任意の
化合物を用いることができる。このような化合物には、
アルコール、エーテル及びエステルが包含される。ま
た、このような化合物は、脂肪族系、芳香族系及び複素
環系の化合物であることができる。前記アルコールとし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等の炭素数1〜6、好ましくは1〜3の脂肪族アル
コールの他、ベンジルアルコールやフルフリルアルコー
ル等が挙げられる。前記エーテルとしては、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチ
ルエチルエーテル等の炭素数1〜6、好ましくは1〜3
のアルキル基を有する脂肪族エーテルが挙げられる。前
記エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プ
ロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル、
酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、
酪酸アミル、酪酸ヘキシル、吉草酸メチル、吉草酸エチ
ル、吉草酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エ
チル、カプロン酸プロピル等の炭素数1〜6、好ましく
は1〜3の脂肪族カルボン酸と炭素数1〜6、好ましく
は1〜3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられ
る。
【0027】前記反応原料は、次式で示されるようにし
てカルボニル化され、有機カルボン酸を与える。 (1)アルコールのカルボニル R1OH+CO→R1COOH (2)エーテルのカルボニル化 R1OR2+H2O→R1OH+R2OH R1OH+CO→R1COOH R2OH+CO→R2COOH (3)エステルのカルボニル化 R1COOR2+H2O→R1COOH+R2OH R2OH+CO→R2COOH (前記式中、R1及び2は有機基を示す)
【0028】本発明においては、前記カルボニル化工程
で得られた反応生成液は、これを1つ又は複数の蒸留装
置を用いて蒸留処理し、有機カルボン酸を分離回収す
る。蒸留処理工程は、公知の方法、例えば、特開昭48
−56610、同48−56611、同57−5569
5、同52−17413、同52−23016等の公報
に記載の方法によって行うことができる。図1に本発明
で用いる蒸留工程のフローシートの1例を示す。図1に
おいて、1はフラッシャー、2は蒸留塔、3は凝縮器、
4は凝縮液槽、5はリボイラーを示す。カルボニル化反
応生成液は、ライン6を通ってフラッシャー1に入り、
ここで反応生成液の主として酢酸を含む部分が蒸発さ
れ、得られた反応生成液の蒸気はライン7を通って蒸留
塔2に導入される。一方、フラッシャー1で蒸発されな
かった反応生成液はライン8を通ってカルボニル化反応
工程へ循環される。蒸留塔2においては、反応生成液の
蒸留処理が行われる。その塔頂からライン9を通って抜
出された蒸気状の留分は、凝縮器3で凝縮されて気液混
合物となり、凝縮液槽4にて凝縮液を保持する。凝縮さ
れなかったごく一部の気体成分はライン10を通って回
収系へ排出され、一方、液体成分はライン11を通って
凝縮液槽4から放出され、その一部は蒸留塔頂部に還流
され、その残部はライン13を通って反応系へ循環され
る。蒸留塔頂部ライン13は、ヨウ化メチル、酢酸メチ
ル、水、酢酸、ヨウ化水素を含む生成粗酢酸から分離さ
れた軽質留分のラインである。蒸留塔の塔底からライン
14を通って放出された液体留分(有機カルボン酸留
分)の一部は、ライン15を通ってリボイラー5に入
り、ここで加熱された後、ライン16を通って蒸留塔の
下部に戻され、一方、残部はライン17を通って後段に
位置する第2蒸留塔へ送られ、更なる精製に供される。
蒸留塔底部ライン17は、生成粗酢酸から軽質留分が除
かれた酢酸で、水分は通常1wt%、好ましくは0.2
wt%以下に除去された酢酸のラインである。本発明に
より反応系から得られる粗酢酸の水分濃度を10wt%
以下とし、HI濃度を3,000wtppm以下にする
ことにより、本発明で用いる分離工程においては、その
フラッシャー1及び蒸留塔2として、その器壁の少なく
とも内面がチタン材又はチタン−パラジウム合金で形成
されたものを用いることが可能になる。図1に示す分離
工程で、フラッシャーに存在するヨウ化水素は、水、ヨ
ウ化メチル、メタノール、酢酸、酢酸メチルの濃度など
との関係で平衡濃度が存在するので、本発明によれば、
チタン材を腐食させる高濃度にはならない。フラッシャ
ー気化留分は、ヨウ化メチルと水を含み、蒸留塔2では
平衡論的にヨウ化水素を発生する。蒸留塔の塔頂に近い
部分では、水分濃度が10wt%をこえる部分がある場
合があるが、軽質留分として同伴するメタノールや酢酸
メチルのため液のカルボニル化度は0.90以下とな
り、ヨウ化水素濃度は3000wtppm以下であり、
チタン材を使用できる。一方、蒸留塔の塔底に近い部分
では、酢酸が大部分の成分となるため、液のカルボニル
化度は0.90以上となるが、水分濃度は10wt%以
下となるのでチタン材を使用できる。更に、蒸留塔上部
コンデンサー3まわりでは、HIの濃縮が部分的に起こ
りやすい。また、底部リボイラー5では、加熱を受ける
部分でファウリングによるHI濃縮の可能性もあるの
で、リボイラー5及び/又は複雑な形状の蒸留たな段、
フラッシャーインターナル、パッキン等のすき間を生じ
る部分にはチタンパラジウム合金を使用するのが好まし
い。チタンパラジウム合金はチタンよりHI耐食性が強
く、チタンで腐食を生じる恐れのある上記部分に用いる
ことが好ましい。分離系における温度、圧力は、粗酢酸
の組成やプロセスの効率から、決められるが、通常80
〜180℃、減圧〜5atmが用いられる。また、その
リボイラー5及び/又は凝縮器3は、その器壁の少なく
とも内面がチタン−パラジウム合金で形成されたものを
用いることが好ましい。なお、前記チタン材及びチタン
−パラジウム合金としては、前記で示したものが用いら
れる。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0030】実施例1 チタン材の沸騰HI水溶液に対する耐食性を評価するた
めに、以下の試験を行った。ガラス製容器にHI水溶液
を入れ、窒素により脱気した後、100℃に加熱沸騰さ
せるとともに、この沸騰水中にチタン材試験片を入れ、
96時間保持した後、その耐食性及び腐食速度を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例2 沸騰するHI/水/酢酸混合液に対するチタン材の耐食
性を評価するために、以下の試験を行った。ガラス製容
器にHI/水(5%)/酢酸(95%)混合液を入れ、
窒素により脱気した後、加熱沸騰させるとともに、この
沸騰液中にチタン材試験片を入れ、96時間保持した
後、その耐食性及び腐食速度を評価した。その結果を表
3に示す。なお、表3において、試験片Gは80℃で試
験した。
【0033】
【表3】
【0034】実施例3 沸騰するHI/水/酢酸混合液に対するチタン/パラジ
ウム材の耐食性を評価するために、以下の試験を行っ
た。ガラス製容器にHI/水(5%)/酢酸(95%)
混合液を入れ、窒素により脱気した後、加熱沸騰させる
とともに、この沸騰液中にチタン/パラジウム材試験片
を入れ、96時間保持した後、その耐食性及び腐食速度
を評価した。その結果を表4に示す。なお、表4におい
て、試験片Kは80で試験した。
【0035】
【表4】
【0036】比較例1 沸騰するHI/水/酢酸混合液に対するハステロイB材
の耐食性を評価するために、以下の試験を行った。ガラ
ス製容器にHI/水(5%)/酢酸(95%)混合液を
入れ、窒素により脱気した後、加熱沸騰させるととも
に、この沸騰液中にハステロイB材試験片を入れ、96
時間保持した後、その耐食性及び腐食速度を評価した。
その結果を表5に示す。なお、表5において、試験片O
は80℃で試験した。
【0037】
【表5】
【0038】実施例4 チタン材及びチタン/パラジウム材のカルボニル化反応
液に対する蒸留塔材料としての適性を評価するために、
以下の試験を行った。ガラス製容器内に下記表6の条件
A(蒸留塔の塔底条件に対応)又は条件B(蒸留塔の塔
頂条件に対応)を形成し、それらの容器内に試験片を3
36時間保持した後、その耐食性及び腐食速度を評価し
た。なお、容器内の気相部はCOで加圧した。また、試
験片はその上部が気相部に位置するように容器内に配置
した。
【0039】
【表6】
【0040】前記試験の結果、各試験片は、いずれも、
前記条件A及びBに対しては良好な耐食性を示し、その
腐食速度(mm/年)も0.00のオーダであった。更
に、チタン材及びチタン/パラジウム材を曲げた試験片
R、Qを条件A、Bにて同様にテストしたが、これらは
良好な耐食性を示し、腐食速度は0.00mm/年と測
定された。また、チタン材とテフロンをはさみ、すき間
部をつくった試験R、チタンパラジウム材で同様のもの
をつくった試験片Sを条件A、Bでテストした結果、以
下の表7の結果を得た。
【0041】
【表7】
【0042】以上のことから、チタン材及びチタン/パ
ラジウム材は、いずれも、カルボニル化反応液に対して
高い耐食性を有し、蒸留塔材料としてはもちろん、その
他のカルボニル化反応液と接触する装置、例えば、フラ
ッシャー、凝縮器及びリボイラー等の材料として適用し
得ることがわかる。
【0043】実施例4 Rh固定化した触媒を次のようにして調製した。架橋度
59%の4−ビニルピリジン−ジビニルベンゼン共重合
体樹脂6.7g(dry)を、メタノールに十分なる時
間含浸した後、次に8wt%のヨウ化メチル、45wt
%のメタノール、47wt%の酢酸からなる溶液140
gとなるように、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸を加
え、250ccチタン製撹拌機付オートクレープ反応器
に仕込み、0.18gの酢酸ロジウムを加えた。この混
合物を50kg/cm2Gの窒素で数回脱気した後、1
90℃に昇温したところでオートクレープ全圧が50k
g/cm2G(COの初期分圧では15kg/cm2)と
なるようにCOを自力式調節弁を通して補給した。30
分後、反応器を冷却し、窒素パージ後、回収された反応
生成液をデカンテーションで除去し、メタノールで洗浄
を数回繰り返した。この反応生成液中のRhを原子吸光
法により、ヨウ化メチルをガスクロマトグラフィーによ
り分析したところ、樹脂重量の0.9wt%に相当する
Rhと、ピリジン環1個当り約1当量のヨウ素が固定さ
れていることがわかった。前記のようにして調製したR
h固定化触媒5drygを内容積が100mlのチタン
製オートクレーブに充填し、原料槽からポンプにてメタ
ノール、ヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸の混合物から
なる原料液及びマスフローコントローラーで流量を制御
したCO及びH2を撹拌槽式反応器(オートクレープ)
に連続的に供給し、180℃、40kg/cm2Gで反
応せしめた。水量分圧は2atmであった。反応器入口
部はヨウ化メチル濃度17wt%、カルボニル化度0.
4であり、反応器出口部はヨウ化メチル濃度14wt
%、カルボニル化度0.8、水濃度5.5wt%であっ
た。減圧弁7にて圧力を2.4atmに減圧し、フラッ
シャーで140℃にて気液分離し、液相は反応器へポン
プにて循環し、気相は冷却器で20℃まで冷却し液留分
を反応生成物槽へ回収した。尚、減圧弁、フラッシャ
ー、冷却器、反応生成物槽はチタン製である。上記操作
を連続的に7000hr継続実施したが、触媒の活性は
一定であり、かつ、反応器、フラッシャー、冷却器、反
応生成物槽に腐食や析出物の付着は見られなかった。次
に、前記反応生成物を回収し、別途バッチ式の蒸留で分
離精製を行った。ガラス製の常圧式回転バンド(SUS
316製)の蒸留装置を用いたところ、ステンレス材の
腐食が観察されたので、それに代えてチタン製のパッキ
ングを充填したガラス製の常圧蒸留装置を用いて蒸留し
たところ、腐食することなく蒸留を行い、精製酢酸を得
ることができた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来の場合より低めら
れた装置コストで、長時間にわたって安定的に有機カル
ボン酸を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸留工程のフローシートの1例を示す。
【符号の説明】
1 フラッシャー 2 蒸留塔 3 凝縮器 4 凝縮液槽 5 リボイラー
フロントページの続き (72)発明者 山口 明久 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 杉山 秀樹 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 植村 文彦 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化反応用原料をカルボニル化
    用金属錯体及びヨウ化アルキルの存在下で一酸化炭素と
    反応させるカルボニル化反応工程と、得られたカルボニ
    ル化反応生成液をフラッシャー及び/又は蒸留装置を用
    いて有機カルボン酸を分離する分離工程からなる有機カ
    ルボン酸の製造方法において、該反応工程における水分
    濃度を10wt%以下に保持し、該分離工程に用いる該
    装置の器壁の内面をチタン材又はチタン−パラジウム合
    金で形成することを特徴とする有機カルボン酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 カルボニル化反応工程で得られた反応生
    成液のカルボニル化度が、0.50〜0.90である請
    求項1の方法。
  3. 【請求項3】 分離工程で用いるフラッシャーの器壁の
    少なくとも内面が、チタン−パラジウム合金で形成され
    ている請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 分離工程で用いる蒸留装置における凝縮
    器及び/又はリボイラーの器壁の少なくとも内面が、チ
    タン−パラジウム合金で形成されている請求項1又は2
    の方法。
  5. 【請求項5】 カルボニル化反応工程で用いる反応器の
    器壁の少なくとも内面がチタン又はチタン−パラジウム
    合金で形成されている請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 反応器が気泡塔型反応器である請求項1
    〜5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 反応器が撹拌器を有する撹拌混合型反応
    器である請求項1〜5のいずれかの方法。
  8. 【請求項8】 カルボニル化反応原料がメタノールであ
    り、ヨウ化アルキルがヨウ化メチルである請求項1〜7
    のいずれかの方法。
  9. 【請求項9】 触媒がピリジン系樹脂を含む不溶性樹脂
    担体にロジウムを固定化したものである請求項1〜8の
    いずれかの方法。
  10. 【請求項10】 不溶性樹脂担体が30〜60%の架橋
    度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積、20〜100
    nmの平均細孔径を有する請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 カルボニル化反応工程における一酸化
    炭素分圧が7〜30kg/cm2、反応温度が140〜
    250℃である請求項1〜10のいずれかの方法。
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IDP973992A ID19704A (id) 1996-12-30 1997-12-24 Proses untuk memproduksi senyawa karbonil
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