JPH10231267A - 有機カルボン酸の製造方法 - Google Patents

有機カルボン酸の製造方法

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JPH10231267A
JPH10231267A JP9051069A JP5106997A JPH10231267A JP H10231267 A JPH10231267 A JP H10231267A JP 9051069 A JP9051069 A JP 9051069A JP 5106997 A JP5106997 A JP 5106997A JP H10231267 A JPH10231267 A JP H10231267A
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reaction
carbonylation
carboxylic acid
titanium
organic carboxylic
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JP9051069A
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English (en)
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Noriyuki Yoneda
則行 米田
Takeshi Minami
武志 皆見
Hideki Sugiyama
秀樹 杉山
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カルボニル化反応効率を特に低下させること
なく、得られる反応生成液中の不純物含有量を減少させ
るとともに、ヨウ化水素含有量及び水含有量を同時に減
少させる方法を提供する。 【解決手段】 カルボニル化反応用原料を反応溶媒中に
おいてカルボニル化反応用触媒、ヨウ化アルキル及び水
の存在下で一酸化炭素とカルボニル化反応させるカルボ
ニル化反応工程を含む有機カルボン酸の製造方法におい
て、(i)該カルボニル化反応用触媒として窒素を含む
不溶性樹脂担体に固定化したロジウム触媒を用いるこ
と、(ii)該反応系に存在する水の量が、反応混合物中
0.5〜10重量%であること、(iii)該反応系にお
ける水素分圧が0.1〜5kg/cm2及び一酸化炭素
分圧が7〜30kg/cm2であり、かつ該反応温度が
140〜250℃であること、を特徴とする有機カルボ
ン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボニル化反応
原料を一酸化炭素と反応させるカルボニル化反応工程を
含む有機カルボン酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機カルボン酸を製造するため
に、メタノール等のカルボニル化反応原料を、反応溶媒
中において、カルボニル化反応用触媒、ヨウ化アルキル
及び水の存在下において一酸化炭素と反応させる方法は
知られている。このカルボニル化反応においては、副生
物としてアルデヒド及びそのアルデヒド誘導体が副生す
る。例えば、メタノールのカルボニル化反応では、副生
物としてアセトアルデヒド及びその誘導体(クロトンア
ルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、プロピオン
酸等)が副生する。このような副生物は、製品カルボン
酸の純度を低めるとともに、その過マンガン酸タイムを
悪化させて製品の品質を低下させる。一方、カルボニル
化反応は、水の存在下で行われ、比較的多量の水を用い
ることによりその反応を促進させることができる。しか
しながら、反応系に比較的多量の水を存在させると、そ
の水は反応生成液に同伴することから、蒸留工程での反
応生成液からの水の除去が困難になるし、また、ヨウ化
水素の副生量を増加させ、反応生成液の腐食性を著しく
高める等の不都合が生じる。従来広く実施されている可
溶性ロジウム錯体を触媒として用いてカルボン酸を合成
するモンサント法は、反応系に約15%という比較的多
量の水を存在させることから、得られる反応生成液は、
2万〜4万ppmという多量のヨウ化水素を含み、金属
に対する腐食性の著しく高いものであった。従って、モ
ンサント法における反応器及び蒸留塔としては、高耐食
性材料であるハステロイBやジルコニウムを器壁材料と
するものが用いられており、その装置コストは非常に高
いものであった。また、ヨウ化水素は反応系の有機物と
反応して有機系のヨウ素化物を生成するので、前記のよ
うな高濃度のヨウ化水素の存在は好ましくない。前記の
ような高濃度ヨウ化水素の存在は、高濃度の有機ヨウ素
化物、例えば、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ヘ
キシル等を副生し、これらの有機ヨウ素化物は反応生成
物中に混入してくる。従って、このような反応生成物を
精製し、ヨウ素化物の混入のない高純度酢酸を得ようと
すると、蒸留処理や吸着処理等の精製技術に要する設備
コストが非常に高くなるという問題を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボニル
化反応原料を、反応溶媒中においてカルボニル化反応用
触媒、ヨウ化アルキル及び水の存在下で一酸化炭素と反
応させる方法において、そのカルボニル化反応効率を特
に低下させることなく、得られる反応生成液中の不純物
含有量を減少させるとともに、ヨウ化水素含有量及び水
含有量を同時に減少させる方法を提供することをその課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、カルボニル化反応用
原料を反応溶媒中においてカルボニル化反応用触媒、ヨ
ウ化アルキル及び水の存在下で一酸化炭素とカルボニル
化反応させるカルボニル化反応工程を含む有機カルボン
酸の製造方法において、(i)該カルボニル化反応用触
媒として窒素を含む不溶性樹脂担体に固定化したロジウ
ム触媒を用いること、(ii)該反応系に存在する水の量
が、反応混合物中0.5〜10重量%であること、(ii
i)該反応系における水素分圧が0.1〜5kg/cm2
及び一酸化炭素分圧が7〜30kg/cm2であり、か
つ該反応温度が140〜250℃であること、(iv)該
カルボニル化反応で得られた有機カルボン酸を含む反応
生成液のカルボニル化度が0.5〜0.9であり、かつ
該反応生成液中に含まれる水の量が10重量%以下であ
ること、を特徴とする有機カルボン酸の製造方法が提供
される。また、本発明によれば、カルボニル化反応用原
料を反応溶媒中においてカルボニル化反応用触媒、ヨウ
化アルキル及び水の存在下で一酸化炭素とカルボニル化
反応させるカルボニル化反応工程と、該カルボニル化反
応工程で得られた有機カルボン酸を含む反応生成液を少
なくとも1つの蒸留装置を用いて蒸留処理する蒸留工程
を含む有機カルボン酸の製造方法において、(i)該カ
ルボニル化反応用触媒として窒素を含む不溶性樹脂担体
に固定化したロジウム触媒を用いること、(ii)該反応
系に存在する水の量が、反応混合物中0.5〜10重量
%であること、(iii)該反応系における水素分圧が
0.1〜5kg/cm2及び一酸化炭素分圧が7〜30
kg/cm2であり、かつ該反応温度が140〜250
℃であること、(iv)該カルボニル化反応で得られた有
機カルボン酸を含む反応生成液のカルボニル化度が0.
5〜0.9であり、かつ該反応生成液中に含まれる水の
量が10重量%以下であること、(v)反応生成液を直
接蒸留処理する第1の蒸留装置から得られる有機カルボ
ン酸留分に含まれる水の量が3000重量ppm以下で
あること、を特徴とする有機カルボン酸の製造方法が提
供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明におけるカルボニル化反応
工程は、反応溶媒中において、カルボニル化反応用原料
と一酸化炭素とをカルボニル化反応用触媒とヨウ化アル
キルと水の存在下でカルボニル化反応させる工程であ
る。ヨウ化アルキルとしては、炭素数1〜5、好ましく
は1〜3の低級アルキル基を有するヨウ化アルキル、特
にヨウ化メチルが好ましく用いられる。カルボニル化反
応用触媒としては、反応混合液に不溶な不均一反応系触
媒である窒素を含有する不溶性樹脂担体に固定化された
ロジウム触媒(以下、単にロジウム触媒とも言う)が用
いられる。この場合、不溶性樹脂担体としては、ピリジ
ン環を樹脂構造に含む多孔質架橋構造を有するビニルピ
リジン系樹脂の使用が好ましい。このようなビニルピリ
ジン系樹脂は、30〜60%、好ましくは35〜60%
の架橋度、0.2〜0.4cc/g、好ましくは0.3
〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nm、好
ましくは30〜90nmの平均細孔径を有するものであ
り、この特性により化学的耐久性と耐摩耗性にすぐれか
つ高い反応活性を有するカルボニル化用金属触媒を得る
ことができる。ここで、架橋度は以下のように定義され
る。 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤(2個のビニル基を持つ化
合物)の重量 B:樹脂中に含まれる塩基性ビニルモノマー(例えば、
ビニルピリジン系単量体)の重量 細孔容積、表面積は以下のように測定されたものであ
る。 (細孔容積)水銀圧入法による。水銀の表面張力は25
℃で474dyne/cm、接触角は140度とし、絶
対水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測
定した。 (表面積)BET法により測定した。 (平均細孔径)前記の方法で測定された細孔容積、表面
積から以下のようにして算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0006】前記ビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹
脂とも言う)は、ビニルピリジン系単量体と架橋剤とし
ての2個のビニル基を持つ化合物、特に芳香族化合物を
共重合させることによって好ましく製造される。
【0007】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン、ピリジン環にメチル基やエチル基等の低級ア
ルキル基を有する4−ビニルピリジン誘導体又は2−ビ
ニルピリジン誘導体等が挙げられる。また、このビニル
ピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、ス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体を混
入することができる。これらの芳香族系ビニル単量体の
混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは2
0モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単
量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する
化合物である。このようなものとしては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ブダジ
エン等の脂肪族化合物を挙げることができるが、ジビニ
ルベンゼンが好ましく用いられる。またジビニルベンゼ
ンは、通常、エチルビニルベンゼンとの混合物として用
いられる。この架橋剤の使用量は、所望するVP樹脂の
架橋度に応じて適宜決める。
【0008】不溶性樹脂担体としては、VP樹脂の使用
が好ましいが、熱安定性にすぐれた含窒素樹脂であれば
他の樹脂、例えば、N−ビニルピロリドンとジビニルベ
ンゼンとの共重合体等も好ましく使用することができ
る。不溶性樹脂担体は、0.01〜4mm、好ましくは
0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒状
体として用いられ、その好ましい形状は球状体である。
【0009】本発明で用いるロジウム触媒は、ロジウム
錯体イオン、例えば〔Rh(CO)22〕~の形態で担
体上に担持されているものを用いるのがよい。前記した
ロジウム触媒は、特開平6−315637号公報等に詳
述されている。
【0010】本発明で用いるロジウム触媒において、そ
のロジウムの担持量は、金属ロジウム換算で、不溶性樹
脂に対して、0.2〜5.0重量%、好ましくは0.5
〜3.0重量%の範囲に規定するのがよい。ロジウムの
担持量が前記範囲より大きくなると、ロジウム金属1モ
ル当りの触媒活性が低くなり、ロジウム金属1モル当り
の製品収量(mol/molRh・hr)が低下すると
ともに、触媒の使用に際し、触媒担体からのロジウムの
解離量が多くなるので好ましくない。また、ロジウム担
持量が一定である触媒では、触媒の使用量を増やしても
触媒担体から解離して反応液中に存在するロジウムの濃
度は余り変わらない。従ってロジウムを有効に使うため
にはその担持量を少なく、かつ触媒の使用量を多くする
ことが好ましいが、ロジウムの担持量を余りにも低くす
ると、所望反応速度を得るための触媒使用量が多くなり
すぎて、反応器内での撹拌が困難になったり、触媒の表
面摩耗が生じやすくなるので好ましくない。この点か
ら、ロジウムの担持量の下限は0.2重量%にするのが
よい。以下、本発明におけるカルボニル化反応工程を詳
述する。
【0011】反応器内における触媒充填量は、一般に
は、反応器内溶液に対して2〜40wt%であるが、例
えば、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選ぶのが
よい。また、固定床反応器では20〜40wt%、膨張
床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0012】本発明では反応溶媒が用いられるが、この
反応溶媒としては、従来公知の各種のものが用いられ
る。一般的には、炭素数が2以上のカルボニル基含有有
機溶媒を含むものが用いられる。このような反応溶媒と
しては、酢酸、酢酸メチル等のカルボン酸やカルボン酸
エステルが挙げられる。また、反応原料や反応生成物自
体を反応溶媒とすることもできる。
【0013】反応器内における反応溶媒量は、反応原料
1モルに対し0.16モル以上に規定するのがよい。好
ましい反応溶媒量は反応原料1重量部に対し1.28モ
ル以上である。反応溶液中の反応溶媒量を前記範囲内に
保持することにより、触媒の活性中心であるロジウムの
反応活性が高められるとともに、ロジウムとピリジニウ
ム塩との結合安定性も向上し、高い反応速度でかつ樹脂
担体からの金属の解離を効果的に防止して、反応原料の
カルボニル化反応を円滑に進行させることができる。さ
らに重要なことには、反応器内の反応溶媒量を前記の範
囲に保持することによって、7kg/cm2という極め
て低いCO分圧条件下においても高い反応速度で反応原
料のカルボニル化反応を進行させることができる。この
ことは、反応器として特別の耐圧容器を使用する必要が
なくなり、反応器コストを大幅に節約でき、実用性ある
経済的プロセスが得られることを意味する。
【0014】反応原料のカルボニル化反応を行う際のC
O分圧(一酸化炭素分圧)は、7kg/cm2以上であ
ればよく、好ましくは10kg/cm2以上である。C
O分圧を特に高くしても反応速度はあまり向上せず、格
別の反応上の利点は得られず、経済的観点からはそのC
O分圧の上限は30kg/cm2程度にするのがよい。
従って、CO分圧は、7〜30kg/cm2、好ましく
は10〜20kg/cm2の範囲に規定するのがよい。
CO分圧をこのような範囲に保持することにより、全反
応圧を経済的な15〜60kg/cm2G、特に15〜
40kg/cm2G、更に好ましくは15〜30kg/
cm2G以下という低圧に保持することが可能になる。
【0015】カルボニル化反応における反応温度は14
0〜250℃、好ましくは160〜230℃であるが、
その上限は、使用する担体樹脂の耐熱性に応じて適当に
選定する。また、反応系におけるヨウ化アルキルの存在
量は、反応器内溶液中、1〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%である。さらに、反応系におけるロジウム
触媒濃度は、反応器内溶液中、ロジウム金属換算量で、
50wtppm以上、好ましく300wtppm以上、
より好ましくは400wtppm以上である。なお、こ
こで言うロジウム触媒濃度は、担体樹脂を除いた反応混
合液に対するロジウム金属量のwt%である。
【0016】反応原料、例えば、メタノールのカルボニ
ル化反応系では、前記したように、下記反応式(1)の
主反応とともに、反応式(2)〜(3)の副反応が起こ
る。 CH3OH+CO ⇒CH3COOH (1) CH3COOH+CH3OH⇔CH3COOCH3+H2O (2) 2CH3OH ⇔CH3OCH3+H2O (3) 従って、反応混合液中には反応式(2)、(3)によっ
て水分が存在するようになるが、反応混合液中の水分濃
度は十分な反応速度が得られる濃度であればよく、0.
5〜10wt%、好ましくは1〜6wt%、より好まし
くは2〜5wt%である。この範囲の水分濃度では従来
の均一触媒系では、十分な反応活性が得られないが、本
発明で用いる不均一系固体触媒では、十分な水分濃度が
ある場合の均一系触媒と同等の反応速度を得ることがで
きる。
【0017】カルボニル化反応には助触媒にヨウ化アル
キルを用いることから、反応液中には水との加水分解に
より生じるヨウ化水素が存在する。ヨウ化水素濃度は反
応液のカルボニル化度及び水分濃度により大きく影響を
受ける。カルボニル化反応工程における反応率は、反応
生成液のカルボニル化度で表わして、0.5〜0.9、
好ましくは0.6〜0.8である。カルボニル化度が前
記範囲を超えると、ヨウ化水素の濃度が著しく増加する
ようになり、このため、有機ヨウ素化物やプロピオン酸
等の副生物が増加し、精製設備のコストが上昇する上、
装置腐食の問題も深刻になる。一方、カルボニル化度が
前記範囲より小さいと、目的とするカルボン酸の反応生
成液中含有量が低いために、反応及び蒸留における装置
効率が著しく低下する。カルボニル化度は、反応条件、
特に反応時間によりコントロールすることができる。な
お、ここで言うカルボニル化度Acは、以下のように定
義される。 (カルボニル化度)
【数1】 前記式中、Ciは溶液中に存在する各成分Miのモル濃
度(mol/l)、Ziは各成分Miのカルボニル化係
数、Xiは各成分Miの原料係数を示す。nは溶液中に
存在する全成分Miの合計数を示す。各成分Miのカル
ボニル化係数Zi及び原料係数Xiは次表の通りであ
る。
【0018】
【表1】
【0019】本発明においては、不溶性樹脂担体に固定
化したロジウム触媒の使用条件下において、水分濃度が
0.5〜10wt%であって、カルボニル化度が0.9
以下であれば、HI濃度は100wtppm以下とする
ことができる。一方、カルボニル化度が0.9より高い
場合、特にカルボニル化度が0.97では、水分濃度1
0wt%以上ではHI濃度は3000wtppmを越え
る。モンサント法で用いられるカルボニル化度0.99
で水分濃度15wt%でのHI濃度は30000wtp
pmを示す。3000wtppmを超えるような高濃度
HIではヨウ素系不純物の著しい増大をまねき、また装
置腐食の問題が深刻になる。
【0020】本発明で用いるカルボニル化反応における
水素分圧は、0.1〜5kg/cm2、好ましくは1〜
3kg/cm2である。反応原料として用いる一酸化炭
素には、通常、0.5〜5容量%、特に、約1〜2容量
%の水素が含まれており、また、カルボニル化反応器に
おいても、副反応により水素が副生する。従って、カル
ボニル化反応器内の気相部には水素が存在する。本発明
では、この水素分圧を5kg/cm2以下、より好まし
くは3kg/cm2に規定する。この水素分圧の規定に
より、製品カルボン酸からの分離困難で、製品カルボン
酸の品質を低下させるアセトアルデヒド、クロトンアル
デヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、プロピオン
酸、酢酸エチル等のアルデヒド及びその誘導体、並びに
ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化
ペンチル、ヨウ化ヘキシル等のヨウ化物からなる不純物
量を減少させることができる。水素分圧は、気相部のガ
スの一部を圧力調節弁を介して外部へパージすることに
よってコントロールし得る他、反応原料として使用する
一酸化炭素に含まれる水素量を調節することによってコ
ントロールすることができる。
【0021】カルボニル化反応工程で副生する不純物の
うち、カルボン酸からの分離困難なものは、目的物であ
るカルボン酸に対応するアルデヒドの誘導体並びにヨウ
化物誘導体、例えば、そのアルデヒド縮合物及びそのア
ルデヒドの水素化及びカルボニル化により生成するカル
ボン酸等である。アルデヒドの誘導体としては、例え
ば、目的物が酢酸である場合には、クロトンアルデヒ
ド、2−エチルクロトンアルデヒド、プロピオン酸、酢
酸エチル等である。特に、クロトンアルデヒド等のアル
デヒド縮合物は不飽和結合を有し、還元性を有すること
から、製品カルボン酸の過マンガン酸タイムを悪化させ
る。なお、過マンガン酸タイムは、製品中の還元性物質
の合計量の指標であり、カルボン酸製品の場合、少なく
とも120分、好ましくは240分以上の過マンガン酸
タイムが要望されている。カルボニル化反応工程からの
反応生成液中のアルデヒド誘導体の含有量は、前記した
ように、カルボニル化反応工程における水素分圧により
影響を受けるとともに、反応混合液中のヨウ化水素含有
量によっても影響を受け、水素分圧及びヨウ化水素含有
量が低くなる程、減少する。本発明によれば、反応生成
液中のアルデヒド誘導体の含有量は、3000重量pp
m以下、好ましくは1500重量ppm以下にコントロ
ールされる。
【0022】副生するヨウ素化物誘導体は、例えば、ヨ
ウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペ
ンチル、ヨウ化ヘキシル等があり、これらは、カルボニ
ル化工程の水素分圧及びヨウ化水素含有量やLiIやN
aI等のヨウ素のアルカリ金属塩含有量により影響を受
ける。水素分圧及びヨウ化水素含有量、ヨウ素のアルカ
リ金属塩量が低いほど副生量は減少する。本発明によれ
ば、ヨウ化水素の含有量を100wtppm以下、好ま
しくは50wtppm以下にコントロールされる。
【0023】アルデヒド誘導体、ヨウ素化物の生成反応
ルートは以下のごとく考えられる。 1. CH3COOH+H2 → CH3CHO+H2O 2. CH3CHO+H2 → CH3CH2OH 3. CH3CH2OH+HI → CH3CH2I+H2O 4. CH3CH2I+CO → CH3CH2COI 5. CH3CH2COI+H2O → CH3CH2COOH+HI 6. 2CH3CHO → CH3CH=CHCHO+H2O (クロトンアルデヒド) 7. CH3CH=CHCHO+CH3CHO → CH3CH=C(C2H5)CHO+H2O (2−エチルクロトンアルデヒド) 8. CH3CH2OH+CH3COOH → CH2COOCH2CH3+H2O 9. CH3CH=CHCHO+2H2 → CH3CH2CH2CH2OH 10. CH3CH2CH2CH2OH+HI → CH3CH2CH2CH2I+H2O
【0024】上記の式1、2の反応は水素圧を5atm
以下とすることで、著しく抑制され、式3の反応はHI
を100wtppm以下とすることにより著しく抑制す
ることができる。それに応じて、式4、5、8の反応も
抑制される。更に、水素圧を5atm以下とすることで
式1の反応が抑制されるので、式6、7、9、10の反
応を抑制することができる。式3、10の反応はHIだ
けでなく、むしろLiIやNaIなどのヨウ素のアルカ
リ金属塩によって促進される。ヨウ素のアルカリ金属塩
を添加することにより、Rh錯体の安定化をはかり、微
水系でメタノールをカルボニル化して酢酸を得る方法が
知られているが、この場合、50000〜100000
wtppm以上の大量のヨウ化アルカリが添加され、上
記の反応により有機ヨウ素化合物が大量に生成するので
問題がある。本発明によれば、ヨウ化アルカリの添加を
要せず、微水系にて反応を行うことができ、有機ヨウ素
化合物等の含有量の極めて少ない粗酢酸を得ることが可
能である。
【0025】低水分下の反応系においては、装置材料と
して、チタンやチタン/パラジウム合金を用い得ること
が知られている(特開平6−340241号、特開平7
−57974号)。カルボニル化反応による有機カルボ
ン酸の生成反応は気液接触反応であり、反応器内は液相
部と気相部とに分けられる。液相部に存在する反応混合
液は、本発明によれば、前記のようにその水分濃度が
0.1〜10wt%と極めて低い濃度に保持され、かつ
カルボニル化度が0.9より低い場合には、ヨウ化水素
含有量は100wtppm以下と非常に小さくなるた
め、その腐食性は大幅に低減し、従って、反応器内壁面
のうち、液相部に対応する内壁面部分についてはハステ
ロイBやジルコニウムよりも安価なチタン材を反応器材
料として用いることができる。一方、気相部に対応する
内壁面部分には、気化した反応混合液の凝縮により形成
された凝縮液が付着する。この凝縮液中においては、そ
れに含まれるヨウ化アルキルと気相中に存在する水素と
の間にヨウ化水素生成反応(H2+RI →RH+H
I)が起り、凝縮液中には、時間の経過により、腐食を
引き起すに十分に高い濃度にまでヨウ化水素が濃縮され
る可能性がある。従って、気相部に対応する反応器材料
としてチタン材を用いると腐食の問題が発生することが
あるので、チタン材をそのまま気相部に対応する反応器
材料として使用することは不適当となる。この気相部に
対応する反応器材料としては、チタン/パラジウム合金
材の使用が好ましく、これにより、前記気相部に対応す
る反応器材料の腐食の問題を解決することができる。本
発明によれば、反応系から得られる粗酢酸の水分濃度を
10wt%以下とし、HI濃度を3000wtppm以
下にすることにより、分離工程においてはその器壁の少
なくとも内面がチタン材又はチタン/パラジウム合金で
形成されたものを用いることができる。このようなチタ
ン材及びチタンパラジウム合金の使用により、反応系内
の金属腐食物の発生を実質的になくすることができ、従
って、アセトアルデヒドやCO2等の副反応を促進する
Ni、Fe等の金属分の混入を防止できる。チタン/パ
ラジウム合金材は、ハステロイBやジルコニウムよりも
非常に安価な材料であり、また、チタン材との接合も容
易である。また、その接合部を反応液と接触させても、
その接触部には腐食は何ら認められず、異種金属の接触
で問題となる電食も生じない。
【0026】チタン材としては、JIS1種、JIS2
種、JIS3種及びその相当品や、それらを炭素鋼にク
ラッドしたチタンクラッド材等を挙げることができる。
チタン材を液相部に対応する反応器材料として用いる場
合、チタン材をその反応器材料の全体に用いる必要はな
く、その反応器の内壁表面部のみに用いることができ
る。チタンクラッド材を反応器材料として用いる場合、
そのチタン材部分の厚さは1mm以上、好ましくは2〜
10mm、より好ましくは3〜10mmである。
【0027】気相部に対応する反応器材料としてチタン
/パラジウム合金材を用いる場合、そのパラジウムの含
有量は、0.05〜0.50重量%、好ましくは0.1
〜0.3重量%である。このようなチタン/パラジウム
合金材としては、JIS11種、JIS12種、JIS
13種及びその相当品や、それらを炭素鋼にクラッドし
たチタン/パラジウム合金クラッド材等を挙げることが
できる。チタン/パラジウム合金材を液相部に対応する
反応器材料として用いる場合、チタン/パラジウム合金
材をその反応器材料の全体に用いる必要はなく、その反
応器の内壁表面部のみに用いることができる。チタン/
パラジウム合金クラッド材を反応器材料に用いる場合、
その厚さは1mm以上、好ましくは2〜10mm、より
好ましくは3〜10mmである。
【0028】本発明で好ましく用いる反応器は、少なく
ともその内壁面をチタン材で形成した反応器部分Aと、
その反応器部分Aの上方に位置し、少なくともその内壁
面をチタン/パラジウム合金材で形成した反応器部分B
とからなり、それらの反応器部分AとBにおけるチタン
材とチタン/パラジウム合金材とが一体に接合し、その
接合部が反応器の液相部に対応する部分に位置するもの
である。前記反応器部分AとBにおけるチタン材とチタ
ン/パラジウム合金材との接合方法としては、以下の方
法を採用することができる。 (方法A)溶接による方法 チタン部をカットバックし鋼母材を突き合わせ溶接し、
カットバック部分にスペーサーを挿入し、当て板(Ti
材)で覆い隅肉溶接を行う。 (方法B)フランジによる接合 A部およびB部にフランジを取付け、フランジ接合とす
る。反応器内に配設する装置において、反応器の液相部
内に配設するものは、少なくともその表面部をチタン材
で形成するのが好ましく、反応器の気相部内に配設する
ものは、少なくともその表面部をチタン/パラジウム合
金材で形成するのが好ましい。
【0029】チタン材及びチタン/パラジウム合金材を
反応器材料に使用するに当たっては、カルボニル化反応
系では反応系に存在する水と一酸化炭素から下記式
(4)に示す水性ガスシフト反応により水素が副生する
ため、チタンの水素吸収に伴う機械的強度の低下(水素
脆化)を考慮する必要がある。 CO+H2O ⇒ CO2+H2 (4) しかし、前記反応条件下ではチタン材及びチタン/パラ
ジウム合金材による水素の吸収速度は極めて低く、工業
的な使用に関しては何ら問題がないことが確認されてい
る。
【0030】本発明で用いる反応器は、反応液を撹拌翼
で撹拌する撹拌混合式反応器(CSTR)や反応液を気
泡で撹拌する気泡塔型反応器の使用が好ましい。
【0031】本発明におけるカルボニル化反応原料とし
ては、カルボニル化反応性を有するものであれば任意の
化合物を用いることができる。このような化合物には、
アルコール、エーテル及びエステルが包含される。ま
た、このような化合物は、脂肪族系、芳香族系及び複素
環系の化合物であることができる。前記アルコールとし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等の炭素数1〜6、好ましくは1〜3の脂肪族アル
コールの他、ベンジルアルコールやフルフリルアルコー
ル等が挙げられる。前記エーテルとしては、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチ
ルエチルエーテル等の炭素数1〜6、好ましくは1〜3
のアルキル基を有する脂肪族エーテルが挙げられる。前
記エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プ
ロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル、
酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、
酪酸アミル、酪酸ヘキシル、吉草酸メチル、吉草酸エチ
ル、吉草酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エ
チル、カプロン酸プロピル等の炭素数1〜6、好ましく
は1〜3の脂肪族カルボン酸と炭素数1〜6、好ましく
は1〜3の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられ
る。
【0032】前記反応原料は、次式で示されるようにし
てカルボニル化され、有機カルボン酸を与える。 (1)アルコールのカルボニル R1OH+CO→R1COOH (2)エーテルのカルボニル化 R1OR2+H2O→R1OH+R2OH R1OH+CO→R1COOH R2OH+CO→R2COOH (3)エステルのカルボニル化 R1COOR2+H2O→R1COOH+R2OH R2OH+CO→R2COOH (前記式中、R1及び2は有機基を示す)
【0033】本発明においては、前記カルボニル化工程
では、不純物発生を極力低減された粗酢酸が得られる。
これを3塔の蒸留塔、即ち、低沸塔によりCH3I、C
3COOCH3等を除去し、脱水塔で水を除き、高沸塔
でプロピオン酸などの高沸点化合物を除き、高純度酢酸
を得ることができる(特開昭48−56610、同48
−56611、同57−55695、同52−1741
3、同52−23016等)。本発明では、好ましくは
前記低沸塔と脱水塔を1本化した1塔の蒸留塔と高沸塔
からなる2つの塔を用いる。より好ましくは、本発明で
は、高沸塔を用いず、低沸塔と脱水塔を1本化した1塔
のみの蒸留塔を用いて蒸留処理し、有機カルボン酸を分
離回収する。
【0034】図1に本発明を実施する場合のフローシー
トの1例を示す。図1において、Aは気泡塔型反応器を
示し、Bは回収系を示し、1はフラッシャー、2は第1
蒸留塔、3は第2蒸留塔、4、7はリボイラー、5、8
はコンデンサー(凝縮器)、6、9は凝縮液槽を示す。
気泡塔型反応器Aには、メタノール及びCOがライン1
00から供給され、この反応器Aにおいては、そのメタ
ノールとCOとは、ロジウムをピリジン環含有不溶性樹
脂担体に固定化した触媒及びヨウ化メチルの存在下に本
発明による所定の反応条件下で反応して、酢酸が合成さ
れる。未反応ガスはライン200、201を通って、回
収系Bに送られ、ここでヨウ化メチル、酢酸メチル等の
軽質分が回収され、ライン301を通って反応系へ循環
される。CO2、H2、CH4や未反応のCOはライン3
00を通って排出される。反応器Aで得られたカルボニ
ル化反応生成液は、反応器を出た後、減圧弁で減圧さ
れ、ライン11を通ってフラッシャー1に入り、ここで
反応生成液の一部が蒸発され、得られた反応生成液の蒸
気はライン13を通って第1蒸留塔2に導入される。一
方、フラッシャー1で蒸発されなかった反応生成液はラ
イン12及びライン101を通ってカルボニル化反応工
程へ循環される。第1蒸留塔2においては、反応生成液
の蒸留処理が行われる。その塔頂からライン19を通っ
て抜出された蒸気状の留分は、コンデンサー5を通って
凝縮液槽6に入り、凝縮液槽6における気体成分はライ
ン22を通り、ライン202を通じて回収系Bに導入さ
れる。一方、液体成分の一部はライン21を通って凝縮
液槽6から抜出され、反応器Aへのライン101を通じ
反応系へ循環される。その残部はライン20を通って蒸
留塔頂部に還流される。ライン21を通る流れは、ヨウ
化メチル、酢酸メチル、水、酢酸等を含む。
【0035】蒸留塔2の塔底からライン15を通って抜
出された液体留分(有機カルボン酸留分)の一部は、ラ
イン16を通ってリボイラー4に入り、ここで加熱され
た後、ライン18を通って蒸留塔2の下部に戻され、一
方、残部はライン17を通って第2蒸留塔3に供給され
る。ライン17を通る流れは、水分が少なくとも0.3
wt%以下及びヨウ化物の大部分が除去された粗精製酢
酸である。
【0036】第2蒸留塔3においては、第1蒸留塔2か
らの塔底物の蒸留が行われる。その塔頂からライン27
を通って抜出された蒸気状の留分は、コンデンサー8に
入り、ここで凝縮された後、凝縮液槽9に入る。凝縮液
槽9における気体成分はライン30を通ってライン20
2を通じて回収系Bに導入される。一方、液体成分はラ
イン29を通って蒸留塔頂部に還流される。第2蒸留塔
3の塔底からライン23を通って抜出された液体留分
(有機カルボン酸留分)の一部は、ライン24を通って
リボイラー7に入り、ここで加熱された後、ライン26
を通って蒸留塔2の下部に戻され、一方、残部はライン
25を通って外部へ抜出される。
【0037】第1蒸留塔2においては、必要に応じ、そ
の下部にライン14を通ってメタノールを導入すること
ができる。このメタノールは蒸留塔の下部に存在するヨ
ウ化水素と反応して、ヨウ化水素量が低減させる(CH
3OH+HI → CH3I+H2O)。また、必要に応
じ、第2蒸留塔にはライン32を通ってKOH水溶液等
のアルカリを導入し、微量のヨウ素イオンをKIとして
ライン25より抜出し除去することができる。精製され
た高純度酢酸はライン31を通じて抜出される。このよ
うにして得られた高純度酢酸において、その水分は0.
1wt%以下、プロピオン酸は500wtppm以下、
過マンガン酸カリテスト(過マンガン酸タイム)は12
0分以上で、ヨウ素量は20wtppb以下である。こ
の酢酸は、更に必要に応じて、銀イオン交換型のマクロ
ポーラス強酸性イオン交換樹脂(特公平5−21031
等)で処理することでヨウ素を実質的に完全に除去する
ことができる。
【0038】図1のフローシートに従ってカルボニル化
反応工程からの反応生成液を蒸留処理する場合、第1蒸
留塔2の塔底留分中に含まれるヨウ化水素量は、通常、
500wtppb以下、好ましくは100wtppb以
下、水量は、通常、3000wtppm以下、好ましく
は1000wtppm以下、アルデヒド誘導体の量は1
0wtppm以下、好ましくは5wtppm以下であ
る。一方、第2蒸留塔3の上部(カルボン酸留分)中に
含まれるヨウ化水素量は、通常、20wtppb以下、
水量は、通常、1000wtppm以下、アルデヒド誘
導体の量は5wtppm以下である。また、第2蒸留塔
の上部から回収されるカルボン酸の過マンガン酸タイム
は120分以上、好ましくは240分以上であり、高品
質のものである。本発明で用いる蒸留装置においては、
前記のように、蒸留工程に供給する反応生成液が金属に
対する腐蝕性の著しく低減されたものであることから、
その第1蒸留塔2は、従来のように高耐食性材料を用い
て形成する必要はなく、その器壁の少なくとも内面をチ
タン材又はチタン−パラジウム合金で形成することがで
きる。また、そのリボイラー4、コンデンサー5及び凝
縮液槽6は、その器壁の少なくとも内面をチタン材又は
チタン−パラジウム合金で形成することができる。ま
た、本発明においては、フラッシャー1の器壁の少なく
とも内面を、チタン材又はチタン−パラジウム合金で形
成することができる。なお、前記チタン材及びチタン−
パラジウム合金としては、前記で示したものが用いられ
る。一方、第2蒸留塔3は、第1蒸留塔2から抜出され
た塔底留分が金属腐蝕性の著しく低減されたものである
ことから、通常のステレンスチールで製作されたものを
用いることができる。
【0039】本発明で用いる蒸留工程は、必ずしも2つ
の蒸留装置を用いて行う必要はなく、1つ又は3つの蒸
留装置を用いて行うこともでき、その蒸留装置の数は、
所望する製品カルボン酸品質に応じてき適当に定める。
さらに、製品カルボン酸は、必要に応じ、さらに、従来
公知のヨウ素除去処理を施して、製品カルボン酸中のヨ
ウ素含有量を1wtppb以下にまで減少させることも
できる。また、図1においては、カルボニル化反応工程
からの反応生成液を、第1蒸留塔2に導入する前に、フ
ラッシュ処理を施す例を示したが、このフラッシュ処理
は必ずしも必要とはされず、フラッシュ処理を施さずに
直接第1蒸留塔に導入することもできる。この場合、第
1蒸留塔2の塔底部から反応器Aへ重質留分を循環する
とともに、第2蒸留塔3へ供給する留分は、ライン14
を通るメタノール供給位置より下部に位置する第1蒸留
塔の中間から抜出す。
【0040】図2にカルボニル化反応生成液を1つの蒸
留装置を用いて蒸留処理する場合のフローシートを示
す。図2において、フラッシャー1から気相で抜出され
た成分はライン13を通って蒸留塔2へ供給され、塔頂
から、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、酢酸などを含む
軽質留分がライン21を通って抜出され、ライン101
を通じて反応器Aに循環される。必要に応じ、蒸留塔2
へはライン14を通ってメタノール、ライン32を通っ
てKOH水溶液などのアルカリが導入され、ヨウ化水素
がCH3Iに転換されることにより、及びKIに転換さ
れることにより除去される。塔底からは重質留分である
プロピオン酸、酢酸等を含む重質留分がライン17を通
って外部へ抜出される。精製された高純度酢酸はライン
31を通じて抜出される。このようにして得られた高純
度酢酸において、その水分は0.3wt%以下、好まし
く0.1wt%以下、プロピオン酸は500wtppm
以下、好ましくは100wtppm以下、過マンガン酸
タイムは120分以上、好ましくは240分以上でヨウ
素は100wtppb以下、好ましくは20wtppb
以下である。この酢酸は、更に必要に応じ、銀イオン交
換型のマクロポーラス強酸性イオン交換樹脂で処理する
ことにより、ヨウ素を実質的に完全に除去することがで
きる。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1 図1に示したフローシートに従って酢酸を合成した。こ
の場合の主操作条件を以下に示す。 (1)反応器A (i)内壁面材質 液相部内壁:チタン材 気相部内壁:チタン−パラジウム合金 (ii)触媒 ロジウムを担持したVP樹脂(ロジウム担持量0.8w
t%) (iii)反応条件 反応温度:180℃ CO分圧:20kg/cm2 水素分圧:0.25kg/cm2 (2)ライン11 (i)成分組成 カルボニル化度 :0.76 ヨウ化メチル :14.0wt% メタノール :1.9wt% 酢酸 :53.4wt% 酢酸メチル :23.7wt% 水分 :7wt% ヨウ化水素 :25wtppm アセトアルデヒド :80wtppm プロピオン酸 :32wtppm ヨウ化エチル :微量 酢酸エチル :微量 ヨウ化ブチル :未検出 クロトンアルデヒド:未検出
【0042】(3)フラッシャー1 (i)器壁材料 チタン−パラジウム合金 (ii)温度 :140℃ (4)ライン13 (i)成分組成 酢酸 :45.5wt% メタノール :2.1wt% 水分 :4.1wt% ヨウ化メチル :20.0wt% 酢酸メチル :28.4wt% (5)ライン14 (i)メタノール供給量 ライン13の供給物100重量部当り0.2重量部 (6)第1蒸留塔2 (i) 器壁材料:チタン材 (ii) 塔頂温度:104℃ (iii)塔底温度:142℃ (iv) 圧力 :1.8atm (7)ライン32 (i)KOH濃度10wt%の水溶液供給量 ライン13の供給物100重量部当り0.02量部 (8)第2蒸留塔3 (i) 器壁材料:ステンレススチール316 (ii) 塔頂温度:113℃ (iii)塔底温度:134℃ (iv) 圧力 :1.6atm
【0043】(9)ライン31(高純度酢酸) (i)不純物組成 水分 :0.1wt%以下 プロピオン酸 :5wtppm ヨウ素 :6wtppb (ii)過マンガン酸タイム 240分以上
【0044】実施例2 実施例1において、水素分圧を2〜8kg/cm2に変
化させた以外は同様にして実験を行った。この場合のラ
イン11を通る反応溶液の成分組成を表2及び表3に示
す。
【0045】
【表2】 *比較例を示す
【0046】
【表3】 *比較例を示す
【0047】また、前記実験No.1〜4において、ラ
イン31を通る製品酢酸の性状を次表に示す。
【0048】
【表4】 *比較例を示す
【0049】実施例3 Rhを固定化した触媒を次のようにして調製した。架橋
度59%の4−ビニルピリジン−ジビニルベンゼン共重
合体樹脂6.7g(dry)を、メタノールに十分なる
時間含浸した後、次に8wt%のヨウ化メチル、45w
t%のメタノール、47wt%の酢酸からなる溶液14
0gとなるように、ヨウ化メチル、メタノール、酢酸を
加え、200ccチタン製撹拌機付オートクレーブ反応
器に仕込み、0.18gの酢酸ロジウムを加えた。この
混合物を50kg/cm2Gの窒素で数回脱気した後、
190℃に昇温したところでオートクレーブ全圧が50
kg/cm2G(COの初期分圧では15kg/cm2
となるようにCOを自力式調節弁を通して補給した。3
0分後、反応器を冷却し、窒素パージ後、回収された反
応生成液をデカンテーションで除去し、メタノールで洗
浄を数回繰り返した。この反応生成液中のRhを原子吸
光法により、ヨウ化メチルをガスクロマトグラフィーに
より分析したところ、樹脂重量の0.9wt%に相当す
るRhと、ピリジン環1個当り約1当量のヨウ素が固定
されていることがわかった。前記のようにして調製した
Rh固定化触媒(dry)5gと、メタノール32wt
%、ヨウ化メチル17wt%及び酢酸51wt%からな
る混合液からなる反応原料液(カルボニル化度0.4
6)100gとを、内容積が200mlのチタン製オー
トクレーブに充填し、水素にて1atmに加圧した後、
180℃まで昇温し、COにて全圧を40kg/cm2
Gに保持しながら、反応を行った。100分後の反応液
の性状を示すと、以下の通りである。
【0050】
【表5】 カルボニル化度 :0.85 ヨウ化メチル :13.4wt% メタノール :0.9wt% 酢酸 :67.6wt% 酢酸メチル :14.2wt% 水 :3.9wt% アセトアルデヒド:930wtppm プロピオン酸 :10wtppm
【0051】比較例1 実施例2において、ジルコニウム製オートクレーブに、
メタノール29wt%、ヨウ化メチル15wt%、ヨウ
化リチウム11wt%及び酢酸45wt%からなる混合
液に、酢酸ロジウムを金属ロジウム濃度で450wtp
pmとなるように入れ、水素にて1atmに加圧した
後、180℃まで昇温し、COにて全圧を40kg/c
2Gに保持して100分間反応を行った。得られた反
応生成液組成は以下の通りであった。
【0052】
【表6】 ヨウ化リチウム :8.8wt% ヨウ化メチル :12.0wt% メタノール :0.7wt% 酢酸 :55.4wt% 酢酸メチル :11.6wt% 水 :3.2wt% アセトアルデヒド:1010wtppm プロピオン酸 :123wtppm
【0053】比較例2 実施例2において、ジルコニウム製オートクレーブに、
水15wt%、メタノール27wt%、ヨウ化メチル1
5wt%及び酢酸43wt%からなる混合液に、酢酸ロ
ジウムを金属ロジウム濃度で500wtppmとなるよ
うに入れ、水素にて1atmに加圧した後、180℃ま
で昇温し、COにて全圧を40kg/cm2Gに保持し
て100分間反応を行った。得られた反応生成液組成は
以下の通りであった。
【0054】
【表7】 ヨウ化メチル :11.0wt% 酢酸 :72.7wt% 酢酸メチル :1.3wt% 水 :14.9wt% アセトアルデヒド:1320wtppm プロピオン酸 :1210wtppm
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、反応器内で生成される
反応液中のヨウ化水素やアセトアルデヒド、プロピオン
酸等の副生物を非常に低い濃度に抑制することができ
る。このような反応生成液は、その金属腐食性の著しく
低められたものである。従って、本発明の場合、反応器
やフラッシャー、蒸留装置等の器壁材料としては、高価
なハステロイBやジルコニウムを用いる必要はなく、比
較的安価なチタン材やチタン−パラジウム合金を用いる
ことが可能となる。しかも、本発明の場合、反応生成液
中の副生物量が非常に低いため、それを精製処理して得
られる製品有機カルボン酸は、非常に高純度のものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合のフローシートの
1例を示す。
【図2】本発明の方法を実施する場合のフローシートの
他の例を示す。
【符号の説明】
A 反応器 B 回収系 1 フラッシャー 2 第1蒸留塔 3 第2蒸留塔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化反応用原料を反応溶媒中に
    おいてカルボニル化反応用触媒、ヨウ化アルキル及び水
    の存在下で一酸化炭素とカルボニル化反応させるカルボ
    ニル化反応工程を含む有機カルボン酸の製造方法におい
    て、 (i)該カルボニル化反応用触媒として窒素を含む不溶
    性樹脂担体に固定化したロジウム触媒を用いること、 (ii)該反応系に存在する水の量が、反応混合物中0.
    5〜10重量%であること、 (iii)該反応系における水素分圧が0.1〜5kg/
    cm2及び一酸化炭素分圧が7〜30kg/cm2であ
    り、かつ該反応温度が140〜250℃であること、 (iv)該カルボニル化反応で得られた有機カルボン酸を
    含む反応生成液のカルボニル化度が0.5〜0.9であ
    り、かつ該反応生成液中に含まれる水の量が10重量%
    以下であること、を特徴とする有機カルボン酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 該一酸化炭素が0.5〜5容量%の水素
    を含む請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 カルボニル化反応用原料を反応溶媒中に
    おいてカルボニル化反応用触媒、ヨウ化アルキル及び水
    の存在下で一酸化炭素とカルボニル化反応させるカルボ
    ニル化反応工程と、該カルボニル化反応工程で得られた
    有機カルボン酸を含む反応生成液を少なくとも1つの蒸
    留装置を用いて蒸留処理する蒸留工程を含む有機カルボ
    ン酸の製造方法において、 (i)該カルボニル化反応用触媒として窒素を含む不溶
    性樹脂担体に固定化したロジウム触媒を用いること、 (ii)該反応系に存在する水の量が、反応混合物中0.
    5〜10重量%であること、 (iii)該反応系における水素分圧が0.1〜5kg/
    cm2及び一酸化炭素分圧が7〜30kg/cm2であ
    り、かつ該反応温度が140〜250℃であること、 (iv)該カルボニル化反応で得られた有機カルボン酸を
    含む反応生成液のカルボニル化度が0.5〜0.9であ
    り、かつ該反応生成液中に含まれる水の量が10重量%
    以下であること、 (v)反応生成液を直接蒸留処理する第1の蒸留装置か
    ら得られる有機カルボン酸留分に含まれる水の量が30
    00重量ppm以下であること、を特徴とする有機カル
    ボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 該カルボニル化反応工程で用いる反応器
    の器壁の少なくとも内面がチタン材又はチタン−パラジ
    ウム合金で形成されている請求項1〜3のいずれかの方
    法。
  5. 【請求項5】 該第1蒸留装置における蒸留塔の器壁の
    少なくとも内面がチタン材又はチタン−パラジウム合金
    で形成されている請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 該カルボニル化反応工程で得られた反応
    生成液をフラッシャーを用いて蒸発処理して、該反応生
    成液の一部を蒸発させ、得られた蒸発物をそのまま又は
    その少なくとも一部を冷却凝縮して蒸留工程へ供給する
    請求項3〜5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 フラッシャーの器壁の少なくとも内面が
    チタン材又はチタンパラジウム合金で形成されている請
    求項6の方法。
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