JP3842834B2 - 無水酢酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体触媒を用いる無水酢酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無水酢酸を製造するために、ロジウム錯体を担持させた多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂をカルボニル化反応用触媒として用い、ヨウ化アルキルの存在下、反応溶媒中で酢酸メチルと一酸化炭素を反応させる方法は知られている(特開平6−279348号公報)。この公報においては、ビニルピリジン系樹脂としては、レイリイ・ター・アンドケミカル(Reilly tarand chemical)社(米国、インディアナ州インディアナポリス)から市販されている「レイレックス425」(商標)が最も好ましいものと記載されている。この樹脂は、架橋度が33%、細孔容積が0.71cc/gの多孔質架橋構造のもので、酢酸メチルに対するカルボニル化反応活性を有するものの、耐久性及び耐摩耗性が悪く、これを用いてカルボニル化反応を行うときに、樹脂の部分的分解が起り、樹脂中に含まれているピリジン環が徐々に脱離してくるという問題を含む上、触媒の表面摩耗が起り、触媒微粉を生じるという問題を含む。
樹脂中からのピリジン環の脱離は、触媒活性を不安定化させるとともに、触媒寿命を短命化させる。一方、樹脂の表面摩耗は、触媒の活性を低下させるとともに、触媒の表面摩耗により生じた触媒微粉が反応液に混入するため、反応液から反応溶媒や無水酢酸を分離する反応液の処理に大きな悪影響を与える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応活性にすぐれ、かつ耐久性及び耐摩耗性にすぐれた触媒寿命の長い固体触媒を用いる無水酢酸の製造方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、固体触媒を用い、一酸化炭素分圧7〜60kg/cm2、反応温度140〜250℃で水素及びヨウ化アルキルの存在下、反応溶媒中でジメチルエーテル及び酢酸メチルの中から選ばれる少なくとも1つを含む原料と一酸化炭素を反応させて無水酢酸を製造する方法において、該固体触媒として、ロジウム錯体を担持させた多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂からなり、該ビニルピリジン系樹脂が、30〜60%の架橋度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nmの平均細孔径を有する固体触媒を用いることを特徴とする無水酢酸の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、ロジウム錯体を担持させた多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂からなり、該ビニルピリジン系樹脂が、30〜60%の架橋度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nmの平均細孔径を有する固体触媒の存在下で少なくとも水素及び一酸化炭素を含む反応性ガスとジメチルエーテル及び酢酸メチルの中から選ばれる少なくとも1つを含む原料を反応溶媒中で反応させる方法において、
(i)触媒粒子と反応溶媒が充填されている縦型反応筒内下部における反応溶媒中に反応性ガスをガス噴出ノズルから噴出させ、反応溶媒中を気泡として上昇させること、
(ii)反応溶媒中を反応性ガスが気泡として上昇する際のガスリフト効果により触媒粒子を反応溶媒とともに反応筒内を上昇させること、
(iii)反応筒の上端開口から、反応性ガスと触媒粒子を含む反応液をその反応筒上端に連結された第1ガス分離槽内に流入させること、
(iv)第1ガス分離槽内において反応液中から反応性ガスを第1ガス分離槽の上部空間に放出させ、これを第1ガス分離槽外へ抜出すこと、
(v)反応筒内上部から触媒粒子を含む反応液を配管を介して第2ガス分離槽内へ流入させること、
(vi)第2ガス分離槽内において反応液中から反応性ガスを第2ガス分離槽の上部空間に放出させ、これを槽外へ抜出すとともに、反応液を第2ガス分離槽外へ抜出すこと、
(vii)第2ガス分離槽内下部から触媒粒子を含む反応液を抜出し、その自重により、配管又は熱交換器を有する配管を介して反応筒内下部へ流入させること、
を特徴とする無水酢酸の製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、ロジウム錯体の担持用担体として用いる多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂(以下、単にVP樹脂とも言う)は、30〜60%、好ましくは35〜60%の架橋度、0.2〜0.4cc/g、好ましくは0.3〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nm、好ましくは30〜90nmの平均細孔径を有することを特徴とする。VP樹脂は、前記レイリイ・ター・アンド・ケミカル社から各種のものが市販されているが、本発明で規定した前記特性のものは市販されていない。本発明は、前記した特定の架橋度、細孔容積及び平均細孔径を有するVP樹脂にロジウム錯体を担持させた触媒は、耐久性及び耐摩耗性にすぐれ、かつその触媒寿命が著しく延長され、しかもすぐれたカルボニル化反応活性を有するという知見に基づいて完成されたものである。
【0006】
VP樹脂にロジウム錯体を担持させた触媒において、そのVP樹脂の架橋度が前記範囲より小さくなると、脱ピリジン速度の増大及び耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましくない。また、VP樹脂の細孔容積が前記範囲より小さくなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなると、耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくない。さらに、VP樹脂の平均細孔径が前記範囲より小さくなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなると、耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくない。
【0007】
本明細書において、VP樹脂に関して言う架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関して言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定されたものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔径は以下のようにして算出されたものである。
(架橋度)
架橋度(%)=A/B×100
A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量
B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量
(細孔容積)
マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定した。
(表面積)
B.E.T法により測定された。
(平均細孔径)
前記のようにして測定された細孔容積及び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。
平均細孔径(nm)=4(C/D)×103
C:細孔容積(cc/g)
D:表面積(m2/g)
【0008】
VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、架橋剤としての2個のビニル基を持つ芳香族化合物を共重合させることによって製造される。VP樹脂を得るためのこの共重合方法自体は従来公知の方法であり、例えば、(1)沈殿剤添加法、(2)線状重合体添加法、(3)膨潤剤・沈殿剤添加法、(4)希釈剤・線重合体添加法等がある。
本発明で用いるVP樹脂の好ましい製造方法については、特公昭61−25731号公報に詳記されている。即ち、この方法によると、VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋剤と、必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物を、ラジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させることによって製造される。この場合、重合反応は、水を媒体とする水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系には、懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が用いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝酸ナトリウムを添加することができる。沈殿剤としては、単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマーに対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、イソオクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アルコール、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂の製造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その架橋度は架橋剤の添加量でコントロールすることができ、その細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその添加量によって主にコントロールすることができ、さらには、懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等にコントロールすることができる。
【0009】
VP樹脂を得るために用いるビニルピリジン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ピリジン環にメチル基やエチル基等の低級アルキル基を有する4−ビニルピリジン誘導体又は2−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。また、このビニルピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体を混入することができる。これらの芳香族系ビニル単量体の混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは20モル%以下にするのがよい。
前記ビニルピリジン系単量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する化合物である。このようなものとしては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ブダジエン等の脂肪族化合物を挙げることができる。この架橋剤の使用量は、所望するVP樹脂の架橋度に応じて適宜決める。
【0010】
VP樹脂の粒径は、0.01〜4mm、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2mmの粒状体として用いられ、その好ましい形状は球状体である。
【0011】
本発明において、VP樹脂に担持させるロジウム錯体は、担持された形態のロジウム錯体イオンで表わして、例えば〔Rh(CO)22〕~で表わすことができる。
VP樹脂にロジウム錯体を担持させる方法としては以下に示す方法が挙げられる。
(1)VP樹脂のピリジン環の窒素原子に水溶液中でロジウムイオンを担持させた後、有機溶媒中でヨウ化アルキルと一酸化炭素の存在下にてロジウム錯体に変化させる方法。
この方法におけるピリジン環とロジウムとの反応は次式で表わされる。また、その反応条件としては、一般的には、ロジウムの担持は常温、常圧下の条件を、担持ロジウムの錯体化は酢酸メチルあるいはジメチルエーテルのカルボニル化条件と同様の条件を用いることができる。
【0012】
【化1】
Figure 0003842834
前記式中、Rは低級アルキル基を示す。
【0013】
(2)VP樹脂を、一酸化炭素加圧下において、水素及びヨウ化アルキルの存在下で反応溶媒中でロジウム塩と接触させる方法。
この方法の場合、一般的には、酢酸メチルやジメチルエーテルのカルボニル化反応条件下で、ロジウム塩とVP樹脂とを接触させればよい。このようにして得られる触媒は、VP樹脂に含まれるピリジン環がヨウ化アルキルによって4級化されてピリジニウム塩となり、このピリジニウム塩に、ロジウム塩とヨウ化アルキルと一酸化炭素との反応により生成したロジウムカルボニル錯体[Rh(CO)22]~がイオン的に結合した構造を有する。
【0014】
前記ロジウム塩としては、塩化ロジウムや、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム等のハロゲン化ロジウム及び酢酸ロジウム、硝酸ロジウムなどが挙げられる。また、ヨウ化アルキルとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等の炭素数1〜6の低級アルキル基を有するものが挙げられるが、特にヨウ化メチルの使用が好ましい。ロジウム塩に対するヨウ化アルキルの使用割合は、ロジウム塩1モル当り、ヨウ化アルキル2〜2000モル、好ましくは50〜500モルの割合である。また、ロジウム塩とヨウ化アルキルを接触させる際の一酸化炭素圧は、7〜60kg/cm2G、好ましくは10〜40kg/cm2Gである。
【0015】
本発明で用いる触媒において、そのロジウム錯体の担持量は、金属ロジウム換算で、VP樹脂に対して、0.2〜5重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲に規定するのがよい。ロジウム錯体の担持量が前記範囲より大きくなると、ロジウム金属1モル当りの触媒活性が低くなり、ロジウム金属1モル当りの製品収量(mol/molRh・hr)が低下するとともに、触媒の使用に際し、触媒からのロジウム錯体の解離量が多くなるので好ましくない。また、ロジウム錯体担持量が一定である触媒では、本発明触媒の場合、触媒の使用量を増やしても触媒から解離して反応液中に存在するロジウムの濃度は余り変わらない。従ってロジウムを有効に使うためにはその担持量を少なく、かつ触媒の使用量を多くすることが好ましいが、ロジウム錯体の担持量を余りにも低くすると、所望反応速度を得るための触媒使用量が多くなりすぎて、反応器内での撹拌が困難になったり、触媒の表面摩耗が生じやすくなるので好ましくない。この点から、ロジウム錯体の担持量の下限は0.2重量%にするのがよい。
【0016】
前記触媒を用いるジメチルエーテル及び酢酸メチルの中から選ばれる少なくとも1つを含む原料のカルボニル化反応による無水酢酸の製造は、反応溶媒中に触媒とヨウ化アルキルを存在させ、水素の存在下でこの反応溶媒中に酢酸メチル及びジメチルエーテルの中から選ばれる少なくとも1つを含む原料と一酸化炭素を導入し、反応させることによって実施される。
本発明による酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルのカルボニル化反応は、種々の反応器を用いて実施することができる。このような反応器の形式としては、固定床、混合槽、膨脹床等が挙げられる。
反応器内における触媒充填量は、一般には、反応器内溶液に対して2〜40wt%であるが、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選ぶのがよい。また、固定床反応器では20〜40wt%、膨張床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0017】
反応溶媒としては、従来公知の各種のものが用いられるが、一般的には、炭素数が2以上のカルボニル基含有有機溶媒を含むものが用いられる。このような反応溶媒としては、酢酸、無水酢酸等のカルボン酸やカルボン酸無水物が挙げられるが、好ましくは酢酸、無水酢酸、より好ましくは酢酸が用いられる。また、反応溶媒は、実質的に水やアルコールを含有しないものとしなければならない。即ち、水またはアルコールが0.1wt%より少ないものとする。ヨウ化アルキルとしては、炭素数1〜6のヨウ化アルキルが用いられるが、特に、ヨウ化メチルの使用が好ましい。
【0018】
反応器内における反応溶媒量は、酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの量1重量部部に対し0.30重量部以上に規定するのがよい。好ましい反応溶媒量は酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの量1重量部に対し2.40重量部以上である。反応溶液中の反応溶媒量を前記範囲内に保持することにより、触媒の活性中心であるロジウムカルボニル錯体の反応活性が高められるとともに、ロジウムカルボニル錯体とピリジニウム塩との結合安定性も向上し、高い反応速度でかつVP樹脂からのロジウムの解離を効果的に防止して、カルボニル化反応を円滑に進行させることができる。また重要なことには、反応器内の水素存在量を水素分圧として0.01kg/cm2以上、好ましくは0.5kg/cm2以上、より好ましくは1.0kg/cm2以上とすることにより、ロジウム錯体を活性状態に保つことがでいる。但し水素圧は経済性から10kg/cm2以下とするのがよい。更に反応溶媒量を前記の範囲に保持することによって、7kg/cm2という極めて低いCO分圧条件下においてもロジウムカルボニル錯体が安定に存在し、高い反応速度でメタノールのカルボニル化反応を進行させることができる。このことは、反応器として特別の耐圧容器を使用する必要がなくなり、反応器コストを大幅に節約でき、実用性ある経済的無水酢酸プロセスが得られることを意味する。
【0019】
メタノールのカルボニル化反応を行う際のCO分圧(一酸化炭素分圧)は、7kg/cm2以上であればよく、好ましくは10kg/cm2以上である。CO分圧を特に高くしても反応速度はあまり向上せず、格別の反応上の利点は得られず、経済的観点からはそのCO分圧の上限は60kg/cm2程度にするのがよい。従って、CO分圧は、7〜60kg/cm2、好ましくは10〜40kg/cm2の範囲に規定するのがよい。CO分圧をこのような範囲に保持することにより、全反応圧を経済的な90kg/cm2G以下、特に60kg/cm2G以下、更に好ましくは15〜50kg/cm2G又はそれ以下という低圧に保持することが可能になる。
【0020】
カルボニル化反応における反応温度は140〜250℃、好ましくは160〜230℃であるが、その上限は、使用するVP樹脂の耐熱性に応じて適当に選定する。また、反応系におけるヨウ化アルキルの存在量は、反応器内溶液中、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。さらに、反応系におけるロジウム濃度は、反応器内溶液中、50wtppm以上、好ましく300wtppm以上、より好ましくは400wtppm以上である。なお、ここで言うロジウム濃度は、反応器内からVP樹脂を除いた溶液に対するロジウム金属量のwt%である。
【0021】
反応器内における反応溶媒の量の規定は反応器の形式により、次のように行う。バッチ式反応器では反応器に仕込んだ原料液中の酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの量に対する反応溶媒の量とする。反応の進行に伴い原料濃度は減少するので反応器内の反応溶媒の濃度は仕込みの際の値以上となる。
混合槽流通式反応器では、反応器内の溶液は均一に混合され、反応器出口から抜出される反応生成液の組成に実質上等しい。即ち、この場合、反応器内溶媒の量の規定としては、実質上、反応器出口から抜出される反応生成物中の酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの量に対する反応溶媒の量である。
ピストンフロー式反応器では、反応器に供給される全供給液中の酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの原料に対する反応溶媒の量として定められる。この場合、反応器入口から出口にいくに従って、濃度は減少し、反応溶媒の量は増加するので、原料に対する反応溶媒の量は反応器出口にいくに従って増加する。従って、反応溶媒量としては反応器入口に供給される全供給液中の酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルに対する反応溶媒の量と規定される。
【0022】
本発明におけるカルボニル化反応においては、主反応は下記反応式(1)であるが、ジメチルエーテルは下記反応式(2)に示されるように酢酸メチル前駆体として示される。
CH3COOH+CO →(CH3CO)2O (1)
CH3OCH3+CO →CH3COOCH3 (2)
【0023】
本発明で使用するCOを含む反応性ガスとしては、メタンやナフサ等の炭化水素のスチームリフォーミングや重質油の部分酸化によって得られる合成ガスを精製することによって得られる通常1〜5%の水素を含むものを用いることができる。
本発明で用いる反応性ガスは、0.05%以上の水素を含むことが必要であり、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上の水素を含む。また、CO2、メタン、窒素、貴ガス、C1〜C4パラフィン炭化水素の如き不活性不純物を含んでもよい。また、原料として供給されるジメチルエーテルを反応性ガス中に含ませて反応器に供給してもよい。
反応器としては、HastelloyB2材質のものやジルコニウム材質のものを用いることができる。ジルコニウムは好ましくは炭素鋼にクラッドして用いる。
【0024】
本発明で用いる反応器としては、通常の耐圧容器を用いることができる他、反応液を撹拌翼で撹拌する撹拌混合式反応器や反応液を気泡で撹拌する気泡塔型反応器等の反応器を好ましく用いることができる。これらの反応器を含む反応装置の例を図1〜図3に示す。
図1は、撹拌混合式反応器からなる反応装置の説明図である。この図において、1は反応器である。2は撹拌翼を示し、4は冷却器を示す。
原料化合物を図1に示した反応装置を用いてカルボニル化反応を行うには、先ず、反応器1に触媒を充填した後、ライン5を通して原料化合物を充填する。次いで撹拌翼2を回転させるとともに、ライン5から原料化合物を反応器内に供給し、ライン6を通して水素及び一酸化炭素を含む反応性ガスを反応器内に導入し、ガス噴出ノズル7を介して液中に噴出させる。反応液はライン8を介して反応器から抜出す。また、未反応ガス(CO,H2)及び気化した反応液はライン12、冷却器4及びライン13を通して反応器外へ抜出すが、この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器4で凝縮され、反応器内に戻される。
【0025】
図2は外部循環形式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。図2において、21は縦型反応筒、22は第1ガス分離槽、23は第2ガス分離槽を示し、49、50は冷却器を示す。
縦型反応筒21は中空筒体からなる。この反応筒21下部には、反応筒内下部にガスを噴出させるためのガス噴出ノズル(ガス噴出口)38が配設され、このガス噴出孔には、ガス導入管28が連結されている。
反応筒21の上端には、逆円錐台形状の短管26を介して第1ガス分離槽22が連結されている。この第1ガス分離槽22は、反応筒21の水平断面積と同じもしくはそれよりも大きな断面積を有する密閉筒体からなり、その天板25には、その槽内で分離されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管30が連結され、このガス抜出し管30には、冷却器49が連結されている。
【0026】
第2ガス分離槽23内下部と反応筒21内下部とは配管35によって連絡されている。配管35の上端は逆円錐台形状の短管34を介して第2ガス分離槽23の下端と連結し、その配管35の下端は反応筒底部に連結している。配管35には、反応筒内下部に液体を供給するための液体供給管37が連結されている。この液体供給管37は、必ずしも配管35に連結させる必要はなく、反応筒21の底部又は下部に連結させることもできる。
【0027】
反応筒21内上部と第2ガス分離槽23内とは配管31で連絡されている。配管31の一端は、反応筒上部の周壁に連結され、その他端は第2ガス分離槽の周壁に連結されている。第2ガス分離槽23は、密閉筒体からなり、その天板33には、その槽内で分離されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管32が連結され、その周壁には、槽内の液体を槽外へ抜出すための液体抜出し管29が連結されている。また、その第2ガス分離槽23には、液体抜出しガス巻込み防止板36が配設されている。このものは、液体中にガスが巻込まれて液体の抜出しが行われることを防止するためのもので、平板であっても弯曲板であってもよく、その形状は特に制約されない。ガス抜出し管32は、冷却器50を介して第1ガス分離槽の上部又はガス抜出し管30に連結させることができる。
【0028】
第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(2)/S(1)は、1〜10、好ましくは2〜5の範囲である。また、第2ガス分離槽23の水平断面積S(3)と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(3)/S(1)は、0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲である。反応筒21におけるその内径R(1)とその高さH(1)との比H(1)/R(1)は、5〜100、好ましくは10〜20である。
【0029】
図2に示した反応装置において、ガス噴出ノズル38は単管ノズルであってもよいが、リング状の管体の周壁に多数のガス噴出孔を有する環状ノズルであることができる。
【0030】
図2に示した構造の反応装置は種々の変更が可能であり、例えば、配管31は、その傾斜が第2ガス分離槽23に向かって降下するように配設することができるし、反応筒21の上端及び下端にそれぞれ連結する短管26及び短管27に代えて、中央部に開口を有する板体を用いることもできる。
【0031】
図2に示した構造の反応装置を用いて原料化合物のカルボニル化反応を行うには、先ず、反応筒21内に触媒を充填した後、液体供給管37から原料化合物を反応装置内に充填する。
次に、液体供給管37から原料化合物を反応筒21内に供給するとともに、ガス導入管28から水素及び一酸化炭素を含む反応性ガスをガス噴出ノズル38を介して液体中に噴出させる。ノズル38から液体中に噴出された反応性ガスは気泡となって液体中を上昇し、その際のガスリフト効果により、触媒は液体とともに反応筒内を上昇する。このような触媒の上昇により、反応筒内の液体中への触媒の分散が達成され、反応筒内においては、原料化合物との円滑なカルボニル化反応が行われる。
【0032】
反応筒内でのカルボニル化反応により得られる反応液は、未反応ガス(H2,CO)と触媒を含み、反応筒の上方に配設されている第1ガス分離槽22内に流入し、この第1ガス分離槽内に保持される。図2において、Sは反応液の液面を示す。この第1ガス分離槽22においては、反応液中に含まれていたガス成分及び気化した反応液が液面から上部空間に放散され、ガス抜出し管30及び冷却器49を通して槽外へ抜出される。この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器49で凝縮され、第1ガス分離槽22に戻される。
【0033】
反応筒21内を液体とともに上昇した触媒は、未反応ガスを含む反応液とともに、反応筒上部から配管31を通って第2ガス分離槽23内に流入し、ここで反応液中に含まれていたガス成分が分離され、分離されたガス成分及び気化した反応液は、配管32及び冷却器50を通って抜出される。この場合、気化した反応液の少なくとも一部は凝縮され、第2ガス分離槽23内に戻される。一方、反応液は、液体抜出し管29を通して抜出される。第2ガス分離槽23内には、ガス巻込み防止板36が配設されているため、抜出される反応液へのガスの混入が防止され、反応液を静置状態で液抜出し管29を通して抜出すことができる。ガス成分が分離された反応液と触媒はその自重により、第2ガス分離槽23から配管35を通って反応筒21内下部に循環される。反応筒21内下部に反応液とともに循環された触媒は、再び、反応筒21内を上昇する。
【0034】
触媒を上方向に移動させる力は、液体の上方向への線速度に関係し、液体の線速度が大きいほど触媒を上方に移動させる力も大きくなる。従って、液体の線速度を、液体中に存在する触媒を落下させる重力よりも大きくなるように調節することにより、触媒粒子を上方に移動させることができる。しかし、図2に示した反応装置の場合、第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)が反応筒21の水平断面積S(1)よりも大きくなっているため、液体の線速度は第1ガス分離槽内に入ると急激に小さくなり、触媒の第1ガス分離槽内への移動は防止され、反応筒21内上部から配管31を通って第2ガス分離槽23に選択的に流入する。
【0035】
前記のようにして、図2に示した装置においては、反応筒21内を上昇する液体流と、反応筒21の上部から、配管31、第2ガス分離槽23、配管35を通って反応筒21内下部へ循環する循環流が形成される。
【0036】
図3は内部循環形式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。この図において、51は反応器を示し、このものは、反応筒52とその上端に連結されたガス分離槽54からなる。ガス分離槽54の水平断面積は、反応筒52の水平断面積よりも大きくなっている。53は内筒を示す。
この反応装置を用いて原料化合物のカルボニル化反応を行うには、先ず、反応器内に触媒を充填した後、ライン56から原料化合物を充填する。
次に、ライン56から原料化合物を反応器内へ供給するとともに、ライン57から水素及び一酸化炭素を含む反応性ガスを内筒53の底部のガス噴出ノズル58を介して液中へ気泡状態で噴出させる。
この混合ガスの液中への噴出により、内筒53内には、液体と混合ガスの気泡との混合物からなる上昇流が形成され、また、この上昇流の形成にともなって、内筒53と反応筒52との間の環状間隙部に下降流が生じ、反応器内には循環流が形成される。液体中に分散する触媒はその上昇液体流に同伴されて内筒53内を上昇する。そして、これらの原料化合物、一酸化炭素及び触媒は、その上昇間に相互に接触し、カルボニル化反応が達成される。
【0037】
内筒53を上昇する気液混合物は、反応筒52の上端に連結されたガス分離槽54内に流入し、反応液から未反応ガス(H2,CO)等のガス成分の分離が行われる。一方、触媒は液体に分散された状態で内筒53と反応筒52との間の環状間隙部内を下降し、反応筒52の底部に循環される。
ガス分離槽54において分離されたガス成分は気化した反応液とともに、ライン60、冷却器55及びライン61を通って排出されるが、この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器55で凝縮され、反応器内に戻される。反応液はライン59を通って反応器から抜出される。
図4に混合槽流通式反応器を用いる無水酢酸製造方法のフローシートの1例を示す。
図4において、R−1は混合槽流通式反応器、Sは分離系を示す。
【0038】
反応器R−1には、反応溶媒としての酢酸と、触媒としてのロジウム錯体担持VP樹脂と、反応促進剤としてのヨウ化メチルを充填し、これらの充填物は、その反応器内に付設された撹拌器により均一に撹拌混合される。
この反応器R−1に対して、その底部からヨウ化メチルを含む原料化合物をライン71及び72を介して導入するとともに、一酸化炭素を含む反応性ガスをライン73から反応器内に付設されたガス分散器を介して導入する。反応器R−1内に導入された反応原料と水素及び一酸化炭素を含む反応性ガスは、ここでロジウム錯体担持VP樹脂及びヨウ化メチルの存在下で反応し、無水酢酸を生成する。この反応により生成した無水酢酸を含む反応生成液は、ライン74を通って抜出され、分離系(フラッシャー)Sに導入される。未反応一酸化炭素を含むガス状物は、ライン78を通って抜出され、流量バルブ79及びライン80を通って排出される。このガス状物からは、それに含まれるヨウ化メチル等の低沸点物が分離され、反応器に循環される。
【0039】
分離系(フラッシャー)Sに導入された無水酢酸を含む反応生成液は、ここで蒸留を含む分離処理に付され、無水酢酸がライン81を通って回収され、反応生成液から無水酢酸を分離した後の副生物を含む反応生成液残液はライン82,83を通り、原料ライン71に導入され、ライン72を通って反応器R−1に循環される。
この循環液には、ヨウ化メチル、ヨウ化水素、酢酸メチル、ジメチルエーテル等を含む。また、この循環液には、分離された無水酢酸の一部を混入させることもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明で用いる固体触媒は、架橋度、細孔容積及び平均細孔径を特定範囲に規定したVP樹脂にロジウム錯体を担持させたもので、耐久性及び耐摩耗性にすぐれ、その触媒寿命は著しく延長され、かつ高いカルボニル化反応性を有するものである。
本発明により無水酢酸を合成する場合、触媒担体となるVP樹脂が高い耐久性及び耐摩耗性を有することから、樹脂中からのピリジン環の脱離が効果的に防止されるとともに、樹脂の表面摩耗による微粉発生も効果的に防止され、カルボニル化反応を長時間にわたって円滑に実施することができる。
【0041】
【実施例】
次に本発明を実施例にさらに詳細に説明する。
【0042】
実施例1
(1)触媒の調製及び触媒活性試験
ビニルピリジン系樹脂6.7g(乾燥重量)と酢酸ロジウム0.38gを、酢酸メチル60g、酢酸50g及びヨウ化メチル20gからなる混合液に加え、これを撹拌器付オートクレーブに仕込み、190℃まで昇温し、このオートクレーブ内を一酸化炭素で全圧が50kg/cm2になるまで加圧し、この条件下で、オートクレーブ内容物を撹拌速度1400rpmで30分間撹拌した。その後、内容物をオートクレーブから取出し、メタノールで洗浄して、ロジウム錯体が担持されたビニルピリジン系樹脂からなる触媒を得た。
次に、前記のようにして得られた触媒をそのままオートクレーブに入れ、さらに、酢酸50g、酢酸メチル60g、ヨウ化メチル20gからなる混合液を仕込み、水素でパージし、2kg/cm2まで昇圧した。これを190℃まで昇温した後、一酸化炭素を用いてオートクレーブ内の全圧が50kg/cm2になるまで加圧し、1400rpmで撹拌しながら1時間反応させた。
次に、前記の反応により得られた反応液の組成を分析し、反応に関与したCO量を測定し、1時間当り、1リットル当りの反応量(Space Time Yield=STY)を算出した。
【0043】
(2)VP樹脂の耐摩耗試験
1リットルのガラス容器に酢酸250g、無水酢酸250g及びビニルピリジン系樹脂25g(乾燥重量)を入れ、幅3.2cm、高さ1.2cmのステンレス製撹拌翼にて1000rpmで室温にて1000時間撹拌し、撹拌停止後に液中に浮遊する約10μm以下の微粒子を孔径0.2μmのフィルターで濾過し、そのフィルターに捕集された微粒子重量Aを測定した。この微粒子重量Aから、試験開始前に同様にして測定した微粒子重量Bを差引き、その値を試験により発生した微粒子量とした。この微粒子量から樹脂の微粉化速度を算出した。
【0044】
(3)脱ピリジン環試験
110℃、沸騰状態の酢酸50wt/無水酢酸50wtの溶液中にビニルピリジン系樹脂を添加し、140時間後に溶液中の窒素濃度を測定して、樹脂からの脱ピリジン環速度に換算した。
【0045】
表1に前記試験に用いたビニルピリジン系樹脂の特性を示し、表2に前記試験結果を示す。
【0046】
なお、表1及び表2において符号で示したビニルピリジン系樹脂の具体的内容は次の通りである。
(レイレクス402)
レイリイ・ター・アンド・ケミカル社からの市販品、商品名「レイレクス(Reillex)402」、平均粒径:0.2mm以下(粉末状)
(レイレクス425)
レイリイ・ター・アンド・ケミカル社からの市販品、商品名「レイレクス425」、平均粒径:0.55mm
(KEX316)
広栄化学社からの市販品、商品名「KEX316」、平均粒径:0.65mm
(KEX212)
広栄化学社からの市販品、商品名「KEX212」、平均粒径:0.1mm
(VP樹脂A)
ビニルピリジン77重量部とジビニルベンゼン41重量部(40wt%のエチルビニルベンゼンを含む)とを、沈殿剤添加法(特公昭61−25731号)により共重合させて得られた共重合体、平均粒径:0.5mm
(VP樹脂B)
ビニルピリジン72重量部とジビニルベンゼン47重量部(40wt%のエチルビニルベンゼンを含む)とを、沈殿剤添加法(特公昭61−25731号)により共重合させて得られた共重合体、平均粒径:0.50mm
(VP樹脂C)
ビニルピリジン67重量部とジビニルベンゼン60重量部(40wt%のエチルビニルベンゼンを含む)とを、沈殿剤添加法(特公昭61−25731号)により共重合させて得られた共重合体、平均粒径:0.60mm
(VP樹脂D)
ビニルピリジン60重量部とジビニルベンゼン67重量部(40wt%のエチルビニルベンゼンを含む)とを、沈殿剤添加法(特公昭61−25731号)により共重合させて得られた共重合体、平均粒径:0.65mm
【0047】
【表1】
Figure 0003842834
【0048】
【表2】
Figure 0003842834
* 1 粉末状樹脂のため測定不可
【0049】
実施例2
実施例1における触媒の調製及び触媒活性試験において、VPの樹脂Bに対して種々の量のロジウム錯体を担持させた触媒を調製し、これらの触媒について、同様にしてその触媒活性及び反応液中に脱離したRh濃度を調べた。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0003842834
【0051】
実施例4
図4に示す装置系を用いて、酢酸メチルのカルボニル化反応を連続的に行った。この場合の反応条件は以下の通りであった。また、触媒としては、前記VP樹脂Cに対して、実施例1と同様にしてロジウム錯体を金属Rhとして1.5wt%担持させたものを用いた。このメタノールのカルボニル化反応では、1000時間連続的に反応を行っても、触媒の失活は殆んど見られなかった。
(1)ライン72
(成分組成)
酢酸メチル:45wt%
酢酸:38wt%
ヨウ化メチル:17wt%
(流量)
200重量部/hr
(2)ライン73
(成分組成)
CO:95モル%
2 :5モル%
(流量)
16重量部/hr
(3)反応条件
温度:190℃
CO圧:20kg/cm2
全圧:50kg/cm2
触媒充填量:5重量%/反応液
ロジウム濃度:750wtppm/反応液
撹拌速度:300rpm
(4)ライン74からの反応液
(成分組成)
酢酸メチル:18wt%
酢酸:43wt%
ヨウ化メチル:16wt%
無水酢酸:23wt%
(流量)
208重量部/hr
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌混合式反応器からなる反応装置の説明図である。
【図2】外部循環式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。
【図3】内部循環式の気泡塔型反応器からなる反応装置の説明図である。
【図4】混合槽流通式反応器を用いる無水酢酸製造方法のフローシートの1例を示す。
【符号の説明】
1 反応器
2 撹拌翼
21 縦型反応器
22 第1ガス分離槽
23 第2ガス分離槽
51 反応器
53 内筒
54 ガス分離槽
R−1 混合槽流通式反応器
S 分離系

Claims (5)

  1. 固体触媒を用い、一酸化炭素分圧7〜60kg/cm2、反応温度140〜250℃で水素及びヨウ化アルキルの存在下、反応溶媒中でジメチルエーテル及び酢酸メチルの中から選ばれる少なくとも1つを含む原料と一酸化炭素を反応させて無水酢酸を製造する方法であって、該固体触媒として、ロジウム錯体を担持させた多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂からなり、該ビニルピリジン系樹脂が、30〜60%の架橋度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積及び20〜100nmの平均細孔径を有する固体触媒を用いる無水酢酸の製造方法において、
    反応器として、触媒粒子及び反応溶媒が充填される縦型反応筒と、該縦型反応筒内下部に設けられて反応溶媒中に反応性ガスを噴出するガス噴出ノズルと、前記縦型反応筒の上端に連結されて該縦型反応筒の水平断面積より大きい水平断面積を有し、反応液中から反応性ガスを上部空間に放出させて外へ抜き出すガス分離槽とを備え、縦型反応筒内の反応溶媒中を気泡として上昇する反応性ガスのガスリフト効果により反応溶媒及び触媒粒子を上昇させて反応液を気泡で攪拌する気泡塔型反応器を用いることを特徴とする無水酢酸の製造方法。
  2. 気泡塔型反応器は、縦型反応筒の上端に連結された第1のガス分離槽に加えて、内部が前記縦型反応筒の上部に配管で連結されていると共に下部が縦型反応筒の下部に配管で連結されている第2ガス分離槽を備えており、縦型反応筒の上部から触媒粒子を含む反応液を第2ガス分離槽に流入させ、この第2ガス分離槽内において反応液中から反応性ガスをその上部空間に放出させて槽外へ抜出すと共に、第2ガス分離槽内下部からは触媒粒子を含む反応液を抜出し、その自重により、前記縦型反応筒の下部へ流入させることにより、反応液が縦型反応筒から第1ガス分離槽及び第2ガス分離槽を経て再び縦型反応筒へと循環するようにした請求項1に記載の無水酢酸の製造方法。
  3. ロジウム錯体の担持量が、ビニルピリジン系樹脂に対し、金属ロジウム換算量で、0.2〜5重量%である請求項1又は2に記載の無水酢酸の製造方法。
  4. 縦型反応筒内における触媒充填量が反応容器内溶液に対して2〜25重量 % である請求項1〜3のいずれかに記載の無水酢酸の製造方法。
  5. 該反応溶媒が酢酸を含む請求項1〜4のいずれかに記載の無水酢酸の製造方法。
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