JPH06315636A - ロジウム錯体担持固体触媒の製造方法 - Google Patents

ロジウム錯体担持固体触媒の製造方法

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JPH06315636A
JPH06315636A JP5128102A JP12810293A JPH06315636A JP H06315636 A JPH06315636 A JP H06315636A JP 5128102 A JP5128102 A JP 5128102A JP 12810293 A JP12810293 A JP 12810293A JP H06315636 A JPH06315636 A JP H06315636A
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rhodium
resin
reaction
cation
organic solvent
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JP5128102A
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English (en)
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Noriyuki Yoneda
則行 米田
Kazuhiko Hamato
一彦 浜戸
Kenji Shimokawa
憲治 下川
Takeshi Minami
武志 皆見
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピリジン環含有不溶性樹脂にロジウム錯体を
担持させた固体触媒の製造方法において、ロジウム損失
量が少なくかつ触媒の製造コストが安価な経済性にすぐ
れた方法を提供する。 【構成】 ピリジン環含有不溶性樹脂にロジウム錯体を
担持させた固体触媒の製造方法において、(i)水溶媒
中でロジウム陽イオンとピリジン環含有不溶性樹脂を反
応させて、ロジウム陽イオンを該樹脂に担持させる工程
と、(ii)該ロジウム陽イオン担持樹脂に有機溶媒中で
一酸化炭素とヨウ化アルキルを反応させて、ロジウム錯
体を該樹脂に担持させる工程からなることを特徴とする
ロジウム錯体担持固体触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロジウム錯体担持固体
触媒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸を製造するために、ロジウム
錯体を担持させたピリジン環含有不溶性樹脂をカルボニ
ル化反応用触媒として用い、ヨウ化アルキルの存在下、
反応溶媒中でメタノールと一酸化炭素を反応させる方法
は知られている(特開昭63−253047号公報)。
【0003】ところで、前記触媒は、高価なロジウムを
含むことから、その製造方法としては、ロジウムの損失
をできるだけ少なく抑制し得る方法であることが必要で
ある。もちろん、その触媒製造方法は、当然のことなが
ら、経済的な方法であることが必要である。
【0004】前記触媒を製造するための一般的方法は、
前記公報にも記載されているように、ピリジン環含有不
溶性樹脂を、ロジウム塩とヨウ化アルキルを含む有機溶
媒中で、一酸化炭素と接触させる方法である。しかし、
このような方法は、ロジウムの損失が生じやすいために
満足すべき方法ではない。即ち、前記従来の方法では、
ロジウム塩の有機溶媒に対する溶解度が極めて低いため
に、触媒製造後の有機溶媒中にロジウム塩の一部が固体
として析出するという問題がある。この析出ロジウム塩
の一部は、触媒を有機溶媒から分離する際に、触媒とと
もに分離されるため、損失ロジウムとなる。また、有機
溶媒中の析出ロジウム塩の他の一部は、触媒製造装置内
壁に付着して、損失ロジウムとなる。一方、ロジウム塩
の析出を防止するために、大量の有機溶媒を用いると、
この場合には、触媒製造装置が大型のものとなり、ま
た、大量の有機溶媒を使用することから、触媒製造コス
トが大幅に増加するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピリジン環
含有不溶性樹脂にロジウム錯体を担持させた固体触媒の
製造方法において、ロジウム損失量が少なくかつ触媒の
製造コストが安価な経済性にすぐれた方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、ピリジン環含有不溶
性樹脂にロジウム錯体を担持させた固体触媒の製造方法
において、(i)水溶媒中でロジウム陽イオンとピリジ
ン環含有不溶性樹脂を反応させて、ロジウム陽イオンを
該樹脂に担持させる工程と、(ii)該ロジウム陽イオン
担持樹脂に有機溶媒中で一酸化炭素とヨウ化アルキルを
反応させて、ロジウム錯体を該樹脂に担持させる工程か
らなることを特徴とするロジウム錯体担持固体触媒の製
造方法が提供される。
【0007】本発明で用いるピリジン環含有不溶性樹脂
としては、ピリジン環を含有するものであれば任意のも
のを使用し得るが、一般には、多孔質架橋構造を有する
ビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹脂とも言う)が好
ましく用いられる。本発明で用いる特に好ましいVP樹
脂は、30〜60%、好ましくは35〜60%の架橋
度、0.2〜0.4cc/g、好ましくは0.3〜0.
4cc/gの細孔容積及び20〜100nm、好ましく
は30〜90nmの平均細孔径を有するものである。
【0008】本明細書において、VP樹脂に関して言う
架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関し
て言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定され
たものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔
径は以下のようにして算出されたものである。 (架橋度) 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量 B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量 (細孔容積)マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメ
ーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エ
ルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により
測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474
dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対
水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定
した。 (表面積)B.E.T法により測定された。 (平均細孔径)前記のようにして測定された細孔容積及
び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0009】VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、
架橋剤としての2個のビニル基を持つ芳香族化合物を共
重合させることによって製造される。VP樹脂を得るた
めのこの共重合方法自体は従来公知の方法であり、例え
ば、(1)沈殿剤添加法、(2)線状重合体添加法、
(3)膨潤剤・沈殿剤添加法、(4)希釈剤・線重合体
添加法等がある。本発明で用いるVP樹脂の好ましい製
造方法については、特公昭61−25731号公報に詳
記されている。即ち、この方法によると、VP樹脂は、
ビニルピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋
剤と、必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物
を、ラジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させるこ
とによって製造される。この場合、重合反応は、水を媒
体とする水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系
には、懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤
としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリ
ル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼ
ラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニ
ウム塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が
用いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝
酸ナトリウムを添加することができる。沈殿剤として
は、単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマ
ーに対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、
イソオクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アル
コール、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂
の製造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その
架橋度は架橋剤の添加量でコントロールすることがで
き、その細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその
添加量によって主にコントロールすることができ、さら
には、懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等に
よりコントロールすることができる。
【0010】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン、ピリジン環にメチル基やエチル基等の低級ア
ルキル基を有する4−ビニルピリジン誘導体又は2−ビ
ニルピリジン誘導体等が挙げられる。また、このビニル
ピリジン系単量体には、他のビニル単量体、例えば、ス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体を混
入することができる。これらの芳香族系ビニル単量体の
混入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは2
0モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単
量体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する
化合物である。このようなものとしては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物及びブタジエ
ン等の脂肪族化合物を挙げることができる。この架橋剤
の使用量は、所望するVP樹脂の架橋度に応じて適宜決
める。
【0011】ピリジン環含有不溶性樹脂の粒径は、0.
01〜4mm、好ましくは0.1〜2mm、より好まし
くは0.4〜2mmの粒状体として用いられ、その好ま
しい形状は球状体である。
【0012】本発明において、ピリジン環含有不溶性樹
脂に担持させるロジウム錯体としては、担持された形態
のロジウム錯体イオンで表わして、例えば〔Rh(C
O)22-が挙げられる。
【0013】本発明によりピリジン環含有不溶性樹脂に
ロジウム錯体を担持させるには、先ず、樹脂に対してロ
ジウム陽イオン含有水溶液を接触させる。ロジウム陽イ
オン含有水溶液は、塩化ロジウムや、臭化ロジウム、ヨ
ウ化ロジウム等の水溶性ロジウム塩を水中に溶解させる
ことによって得ることができる。水溶液中のロジム塩濃
度は、金属ロジウム換算量で、1000〜5000wt
ppm、好ましくは1500〜1400wtppmであ
る。樹脂とロジウム陽イオン含有水溶液との接触方法と
しては、その水溶液中に樹脂を浸漬する方法、樹脂を充
填したカラム中にその水溶液を流通させる方法等があ
る。反応温度は、20〜70℃、好ましくは25〜50
℃であり、反応圧力は制約されず、常圧でよい。この樹
脂とロジウム陽イオン含有水溶液との接触により、樹脂
中のピリジン環の窒素原子にロジウム陽イオンが結合す
る。この場合の反応は次式で表される。
【0014】
【化1】
【0015】樹脂に担持させるロジウム陽イオンの量
は、樹脂に対して、0.2〜2.0重量%、好ましくは
0.5〜1.0重量%である。
【0016】次に、前記のようにしてロジウム陽イオン
が担持された樹脂は、有機溶媒中で一酸化炭素とヨウ化
アルキルを反応させる。一般的には、メタノールのカル
ボニル化反応条件下で、ロジウム陽イオン担持樹脂と一
酸化炭素を反応させればよい。ヨウ化アルキルとして
は、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル等の
炭素数1〜6の低級アルキル基を含有するものが挙げら
れるが、特にヨウ化メチルの使用が好ましい。ヨウ化ア
ルキルの使用割合は、樹脂に担持されたロジウム陽イオ
ン1モル当り、2〜2000モル、好ましくは50〜5
00モルの割合である。有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコールや、酢
酸、プロピオン酸等の脂肪酸、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、プロピオン酸メチル等の脂肪酸酸エステル、ジメチ
ルエーテル等のジアルキルエーテル等が挙げられる。ま
た、有機溶媒は少量の水、例えば、0.1〜20重量%
程度の水を含むことができる。有機溶媒に対するロジウ
ム陽イオン担持樹脂の添加率は、有機溶媒100重量部
に対し、ロジウム陽イオン担持樹脂2〜25重量部、好
ましくは5〜10重量部の割合である。有機溶媒中にお
けるロジウム陽イオン担持樹脂と一酸化炭素とヨウ化ア
ルキルとの反応は、一般的には、50〜250℃、好ま
しくは160〜230℃の温度及び5〜30kg/cm
2、好ましくは10〜25kg/cm2のCO分圧の条件
下で行われる。前記の反応により、樹脂中のピリジン環
の窒素原子はヨウ化アルキルにより4級化されるととも
に、その窒素原子に結合していたロジウム陽イオンはヨ
ウ化アルキルと一酸化炭素と反応してロジウム錯体に変
換される。この場合の反応式を示すと、次の通りであ
る。
【0017】
【化2】
【0018】前記のようにして得られるロジウム錯体担
持樹脂は、反応溶媒から分離され、有機溶媒で洗浄され
る。この場合の洗浄用有機溶媒としては、メタノールや
酢酸等のカルボニル化反応に適用される有機溶媒が好ま
しく用いられる。
【0019】本発明で得られるロジウム錯体担持樹脂か
らなる触媒において、そのロジウム錯体の担持量は、金
属ロジウム換算で、樹脂に対して、0.2〜2重量%、
好ましくは0.5〜1.0重量%の範囲に規定するのが
よい。ロジウム錯体の担持量が前記範囲より大きくなる
と、ロジウム金属1モル当りの触媒活性が低くなり、ロ
ジウム金属1モル当りの製品収量(mol/molRh
・hr)が低下するとともに、触媒の使用に際し、触媒
からのロジウム錯体の解離量が多くなるので好ましくな
い。また、ロジウム錯体担持量が一定である触媒では、
本発明触媒の場合、触媒の使用量を増やしても触媒から
解離して反応液中に存在するロジウムの濃度は余り変わ
らない。従ってロジウムを有効に使うためにはその担持
量を少なく、かつ触媒の使用量を多くすることが好まし
いが、ロジウム錯体の担持量を余りにも低くすると、所
望反応速度を得るための触媒使用量が多くなりすぎて、
反応器内での撹拌が困難になったり、VP樹脂の表面摩
耗が生じやすくなるので好ましくない。この点から、ロ
ジウム錯体の担持量の下限は0.2重量%にするのがよ
い。
【0020】本発明で得られるロジウム錯体担持樹脂
は、メタノールのカルボニル化による酢酸製造用触媒と
して有利に用いられるが、一般には、低級アルコールの
カルボニル化反応用触媒として用いることができる。本
発明で得られた触媒を用いるメタノールのカルボニル化
反応による酢酸の製造は、反応溶媒中に本発明触媒とヨ
ウ化アルキルを存在させ、この反応溶媒中にメタノール
と一酸化炭素を導入し、反応させることによって実施さ
れる。本発明で得られた触媒を用いるメタノールのカル
ボニル化反応は、種々の反応器を用いて実施することが
できる。このような反応器の形式としては、固定床、混
合槽、膨脹床等が挙げられる。反応器内における触媒充
填量は、一般には、反応器内溶液に対して2〜40wt
%であるが、混合槽反応器の場合、2〜25wt%に選
ぶのがよい。また、固定床反応器では20〜40wt
%、膨張床反応器では2〜25wt%に選ぶのがよい。
【0021】反応溶媒としては、従来公知の各種のもの
が用いられるが、一般的には、炭素数が2以上のカルボ
ニル基含有有機溶媒を含むものが用いられる。このよう
な反応溶媒としては、酢酸、酢酸メチル等のカルボン酸
やカルボン酸エステルが挙げられる。また、反応溶媒
は、水を含有することができる。この場合、反応溶媒中
の水の含有率は、0.05〜50wt%、好ましくは
0.1〜20wt%である。ヨウ化アルキルとしては、
炭素数1〜6のヨウ化アルキルが用いられるが、特に、
ヨウ化メチルの使用が好ましい。
【0022】反応器内における反応溶媒量は、メタノー
ル1重量部部に対し0.30重量部以上に規定するのが
よい。好ましい反応溶媒量はメタノール1重量部に対し
2.40重量部以上である。反応溶液中の反応溶媒量を
前記範囲内に保持することにより、触媒の活性中心であ
るロジウムカルボニル錯体の反応活性が高められるとと
もに、ロジウムカルボニル錯体とピリジニウム塩との結
合安定性も向上し、高い反応速度でかつ樹脂からのロジ
ウムの解離を効果的に防止して、メタノールのカルボニ
ル化反応を円滑に進行させることができる。さらに重要
なことには、反応器内の反応溶媒量を前記の範囲に保持
することによって、7kg/cm2という極めて低いC
O分圧条件下においてもロジウムカルボニル錯体が安定
に存在し、高い反応速度でメタノールのカルボニル化反
応を進行させることができる。このことは、反応器とし
て特別の耐圧容器を使用する必要がなくなり、反応器コ
ストを大幅に節約でき、実用性ある経済的酢酸プロセス
が得られることを意味する。
【0023】本発明で得られた触媒を用いてメタノール
のカルボニル化反応を行う際のCO分圧(一酸化炭素分
圧)は、7kg/cm2以上であればよく、好ましくは
10kg/cm2以上である。CO分圧を特に高くして
も反応速度はあまり向上せず、格別の反応上の利点は得
られず、経済的観点からはそのCO分圧の上限は30k
g/cm2程度にするのがよい。従って、CO分圧は、
7〜30kg/cm2、好ましくは10〜20kg/c
2の範囲に規定するのがよい。CO分圧をこのような
範囲に保持することにより、全反応圧を経済的な15〜
60kg/cm2G、特に15〜40kg/cm2G、更
に好ましくは15〜30kg/cm2G以下という低圧
に保持することが可能になる。
【0024】本発明で得られた触媒を用いるカルボニル
化反応における反応温度は140〜250℃、好ましく
は160〜230℃であるが、その上限は、使用する樹
脂の耐熱性に応じて適当に選定する。また、反応系にお
けるヨウ化アルキルの存在量は、反応器内溶液中、1〜
40重量%、好ましくは5〜30重量%である。さら
に、反応系におけるロジウム濃度は、反応器内溶液中、
50wtppm以上、好ましく300wtppm以上、
より好ましくは400wtppm以上である。なお、こ
こで言うロジウム濃度は、反応器内から樹脂を除いた溶
液に対するロジウム金属量のwt%である。
【0025】
【発明の効果】本発明においては、ピリジン環含有不溶
性樹脂に対して、先ず、ロジウム陽イオン含有水溶液を
接触反応させてロジウム陽イオンを担持させる。ロジウ
ム塩の水に対する溶解度は、有機溶媒に対する溶解度よ
りもはるかに大きいため、その反応中、あるいは反応後
の水中にロジウム塩が析出するようなことはなく、ロジ
ウムの損失を完全に防ぐことができる。この場合、樹脂
に担持されなかった過剰のロジウム塩は水中に残存する
が、このロジウム塩を含有する水溶液は、これに前記反
応で消費された分のロジウム塩を補給することにより、
再び樹脂と接触させるためのロジウム陽イオン含有水溶
液として使用することができる。
【0026】本発明においては、次に、前記のようにし
て得られたロジウム陽イオン担持樹脂に対して、有機溶
媒中において、ヨウ化アルキルと一酸化炭素を反応させ
る。この場合、ロジウム陽イオンは樹脂に担持した形態
でヨウ化アルキル及び一酸化炭素と反応するため、有機
溶媒中にロジウムが析出するようなことはない。即ち、
樹脂に担持されないロジウム塩は、有機溶媒中で固体と
して析出しやすいものであるが、ピリジン環窒素と結合
したロジウム陽イオンは、そのピリジン環窒素との結合
力が強いために、有機溶媒中においてその樹脂から解離
して固体として析出するようなことはない。
【0027】本発明によりロジウム陽イオンを担持した
樹脂は、これをカルボニル化反応装置内において、有機
溶媒中で、一酸化炭素とヨウ化アルキルと反応させて触
媒に転換させるのが好ましい。本発明の触媒の製造方法
の場合、ロジウム塩が固体として析出することがなく、
また、触媒製造後に、有機溶媒中にはロジウムは殆んど
存在しないので、その触媒製造後、ロジウムの損失を生
じることなく、同一装置内でカルボニル化反応を有利に
実施することができる。従来法の場合には、触媒製造
後、有機溶媒中には樹脂に担持されないロジウム塩が多
量に存在し、しかもその一部が固体として析出している
ため、その触媒製造後、同一装置内でカルボニル化反応
を行うと、その樹脂に担持されないロジウム塩は、反応
系外へ排出され、損失されるという問題があった。本発
明の場合には、このような問題はない。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下に示したVP樹脂はいずれも特公昭6
1−25731号公報に記載された方法に準じて製造さ
れたものである。
【0029】実施例1 架橋度39%、細孔容積0.317cc/g及び平均細
孔径80.8nmのビニルピリジン樹脂6.7g(乾燥
重量)を、塩化ロジウム4350ppm(ロジウムイオ
ンとして1700ppm)を含む水溶液196mlに浸
漬し、室温で18時間緩やかに撹拌する。撹拌後、水溶
液中のロジウム濃度を原子吸光法で測定したところ12
00ppmであり、ビニルピリジン樹脂へのロジウムの
担持量はロジウム金属換算量で14.6mg-Rh/g-
樹脂であった。この樹脂をメタノールに充分なる時間含
浸した後、8wt%のヨウ化メチル、40wt%のメタ
ノール、52wt%の酢酸からなる溶液140gとなる
ようにヨウ化メチルと酢酸を加え、この混合物を250
ccチタン製撹拌機付きオートクレーブ反応器に仕込
み、一酸化炭素で数回脱気した後、190℃に昇温した
ところでオートクレーブ全圧が40kg/cm2G(C
Oの初期分圧では15kg/cm2)となるようにCO
を自力式調節弁を通して補給した。60分後、反応器を
冷却し、窒素パージ後、反応生成液をデカンテーション
で除去し、メタノールによる洗浄を数回繰り返した。こ
の反応生成液中のRhを原子吸光法により分析したとこ
ろ、Rh濃度はトレースであったことから、得られたロ
ジウム錯体担持量ビニルピリジン樹脂に担持されたロジ
ウム錯体担持量は、ロジウム金属換算量で14.6mg
/g-樹脂であった。
【0030】比較例1 実施例1で示したビニルピリジン樹脂6.7g(乾燥重
量)を、メタノールに充分なる時間含浸した後、8wt
%のヨウ化メチル、40wt%のメタノール、52wt
%の酢酸からなる溶液140gとなるようにヨウ化メチ
ルと酢酸を加え、得られた混合物を250ccチタン製
撹拌機付きオートクレーブ反応器に仕込み、さらに、
0.3gのRhCl3・3H2Oを加えた。この混合物を
一酸化炭素で数回脱気した後、190℃に昇温したとこ
ろでオートクレーブ全圧が40kg/cm2G(COの
初期分圧では15kg/cm2)となるようにCOを自
力式調節弁を通して補給した。60分後、反応器を冷却
し、窒素パージ後、反応生成液をデカンテーションで除
去し、メタノールによる洗浄を数回繰り返した。この反
応生成液中のRhを原子吸光法により分析したところ1
430ppmであり、樹脂へのロジウム担持量は金属ロ
ジウム換算量で14.8mg-Rh/g-樹脂となった。
反応液を常温、常圧で観察したところ、反応液中の未担
持ロジウムの一部は析出していた。
【0031】実施例2 実施例1において、ビニルピリジン樹脂として、架橋度
68%、細孔容積0.215cc/g及び平均細孔径2
4.2nmのビニルピリジン樹脂を用いた以外は同様に
して実験を行い、ロジウム錯体担持量がロジウム金属換
算量で13.7mg/g-樹脂のロジウム錯体担持ビニ
ルピリジン樹脂を得た。この場合にも、反応生成液中の
Rh濃度はトレースであった。
【0032】比較例2 実施例2で示したビニルピリジン樹脂を用いた以外は、
比較例1と同様にして実験を行った。この場合樹脂への
ロジウム担持量は金属ロジウム換算量で14.0mg-
Rh/g-樹脂となった。反応液を常温、常圧で観察し
たところ、反応液中の未担持ロジウムの一部は析出して
いた。
【0033】参考例1 実施例1、比較例1、実施例2及び比較例2にて調製し
た触媒の全量に、8wt%のヨウ化メチル、41wt%
のメタノール、51wt%の酢酸からなる溶液140g
を加え、250ccチタン製オートクレーブに仕込み、
COで脱気した。ついで、この混合物を190℃に昇温
し、オートクレーブ全圧が40kg/cm2G(COの
初期分圧では15kg/cm2)となるようにCOを自
力式調節弁を通して補給し、反応を行った。反応時間は
1.5時間とした。反応後、反応器から反応生成液を反
応条件下で高圧サンプラーにサンプリングし、ガスクロ
マトグラフィーにより反応生成液組成を分析し、COの
消費量を求めてメタノールのカルボニル化反応速度(S
TY)を求めたところ、表1に示す活性が示された。
【0034】
【表1】
【0033】この結果より、実施例1及び実施例2で調
製した触媒の活性は従来の触媒調製法である比較例1及
び比較例2で調製した触媒と同等であることがわかっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 下川 憲治 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 皆見 武志 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピリジン環含有不溶性樹脂にロジウム錯
    体を担持させた固体触媒の製造方法において、(i)水
    溶媒中でロジウム陽イオンとピリジン環含有不溶性樹脂
    を反応させて、ロジウム陽イオンを該樹脂に担持させる
    工程と、(ii)該ロジウム陽イオン担持樹脂に有機溶媒
    中で一酸化炭素とヨウ化アルキルを反応させて、ロジウ
    ム錯体を該樹脂に担持させる工程からなることを特徴と
    するロジウム錯体担持固体触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が、メタノールと酢酸の混合液
    である請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が、水を含む請求項1又は2の
    方法。
  4. 【請求項4】 ピリジン環含有不溶性樹脂が、30〜6
    0%の架橋度、0.2〜0.4cc/gの細孔容積及び
    20〜100nmの平均細孔径を有するビニルピリジン
    系樹脂である請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 樹脂に対するロジウム錯体の担持量が、
    樹脂に対し、金属ロジウム換算量で、0.2〜2重量%
    である請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 20〜70℃の温度でロジウム陽イオン
    と樹脂を反応させる請求項1〜5のいずれかの方法。
  7. 【請求項7】 50〜250℃、一酸化炭素分圧5〜3
    0kg/cm2の条件下で、ロジウム陽イオン担持樹脂
    に一酸化炭素とヨウ化アルキルを反応させる請求項1〜
    6のいずれかの方法。
JP5128102A 1993-04-30 1993-04-30 ロジウム錯体担持固体触媒の製造方法 Pending JPH06315636A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506704A (ja) * 2000-08-24 2004-03-04 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション カルボニル化法において飛沫同伴された揮発性触媒種を封鎖するための方法及び装置

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JP2004506704A (ja) * 2000-08-24 2004-03-04 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション カルボニル化法において飛沫同伴された揮発性触媒種を封鎖するための方法及び装置
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JP4855635B2 (ja) * 2000-08-24 2012-01-18 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション カルボニル化法において飛沫同伴された揮発性触媒種を封鎖するための方法及び装置

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