JPH09122495A - ヒドロホルミル化用固体触媒及びそれを用いるアルデヒドの製造方法 - Google Patents

ヒドロホルミル化用固体触媒及びそれを用いるアルデヒドの製造方法

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JPH09122495A
JPH09122495A JP7306736A JP30673695A JPH09122495A JP H09122495 A JPH09122495 A JP H09122495A JP 7306736 A JP7306736 A JP 7306736A JP 30673695 A JP30673695 A JP 30673695A JP H09122495 A JPH09122495 A JP H09122495A
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Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
Noriyuki Yoneda
則行 米田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置腐食の原因となるハロゲンを含有せず、
かつ耐熱性及び耐久性にすぐれたヒドロホルミル化用固
体触媒及びその触媒を用いるアルデヒドの製造方法を提
供する。 【解決手段】 架橋度10〜65%の多孔質架橋構造を
有するビニルピリジン系樹脂からなり、該ピリジン環の
少なくとも一部が、下記一般式(1)で表わされるロジ
ウムカルボニル錯体構造に形成されていることを特徴と
するヒドロホルミル化反応用固体触媒。 【化1】 〔式中、Xは低級アルキル基、水素又はアルカリ金属を
示し、Mは窒素原子、リン原子又はヒ素原子を示し、R
1、R2及びR3は炭化水素基、陰イオン性基を有する炭
化水素基又は水素を示すが、それらのうちの少なくとも
1つは陰イオン性基を有する炭化水素基であり、m、n
及びpは1以上の整数を示し、m+n+pは3〜5の数
であり、qは下記式 【化2】 (式中、R1、R2、R3、M及びpは前記と同じ意味を
有する)で示される陰イオン性基含有配位子に含まれる
全イオン数に対応する数を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロホルミル化
用固体触媒及びそれを用いるアルデヒドの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性化合物に触媒の存在下で水
素及び一酸化炭素をヒドロホルミル化反応させることに
より、オレフィン性化合物より炭素数の1つ多いアルデ
ヒドを製造する方法は広く知られている。また、このよ
うなヒドロホルミル化反応において、触媒としてロジウ
ム系不均一系触媒、即ち、ロジウムを含有する固体触媒
を用いることも知られている。例えば、米国特許第41
78312号明細書には、ジビニルベンゼン/4−ビニ
ルピリジン共重合体樹脂において、そのピリジン環を式
【化7】 (式中、Mはロジウムを示し、Xはハロゲンを示し、D
MFはジメチルホルムアミドを示す)に形成したものを
ヒドロホルミル化用固体触媒として用いる方法や、米国
特許第4178314号明細書には、そのピリジン環に
RhX3(X:ハロゲン原子)を結合させたものをヒド
ロホルミル化用固体触媒として用いる方法が提案されて
いる。しかしながら、これらの固体触媒は、いずれも、
ハロゲンを含有することから、反応装置の腐食を生じさ
せるという問題を含む上、共重合体樹脂における架橋剤
としてのジビニルベンゼンの含有量が1%程度という非
常に低いものであるため、触媒の耐熱性及び機械的強度
に劣るという問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、装置腐食の
原因となるハロゲンを含有せず、かつ耐熱性及び耐久性
にすぐれたヒドロホルミル化用固体触媒及びその触媒を
用いるアルデヒドの製造方法を提供することをその課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、架橋度10〜65%
の多孔質架橋構造を有するビニルピリジン系樹脂からな
り、該ピリジン環の少なくとも一部が、下記一般式
(1)で表わされるロジウムカルボニル錯体構造に形成
されていることを特徴とするヒドロホルミル化反応用固
体触媒が提供される。
【化1】 〔式中、Xは低級アルキル基、水素又はアルカリ金属を
示し、Mは窒素原子、リン原子又はヒ素原子を示し、R
1、R2及びR3は炭化水素基、陰イオン性基を有する炭
化水素基又は水素を示すが、それらのうちの少なくとも
1つは陰イオン性基を有する炭化水素基であり、m、n
及びpは1以上の整数を示し、m+n+pは3〜5の数
であり、qは下記式
【化2】 (式中、R1、R2、R3、M及びpは前記と同じ意味を
有する)で示される陰イオン性基含有配位子に含まれる
全イオン数に対応する数を示す〕 また、本発明によれば、固体触媒の存在下、オレフィン
性化合物に水素と一酸化炭素をヒドロホルミル化反応さ
せてアルデヒドを製造する方法において、該固体触媒と
して、架橋度10〜65%の多孔質架橋構造を有するビ
ニルピリジン系樹脂からなり、該ピリジン環の少なくと
も一部が、前記一般式(1)で表わされるロジウムカル
ボニル錯体構造に形成されている触媒を用いることを特
徴とするアルデヒドの製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のヒドロホルミル化用固体
触媒におけるロジウム担持用担体は、多孔質架橋構造を
有するビニルピリジン系樹脂(以下、VP樹脂とも言
う)である。本発明で用いるVP樹脂の場合、その架橋
度は、10〜65%、好ましくは30〜60%に規定す
る。VP樹脂の架橋度が前記範囲より低くなると、VP
樹脂の耐熱性及び機械的強度が低くなり、触媒の耐久性
及び耐摩耗性が低下するので好ましくない。一方、その
架橋度が前記範囲を超えると、触媒の活性が不十分にな
るので好ましくない。本発明の触媒は、VP樹脂の架橋
度が前記のように比較的高いにもかかわらず、良好な触
媒活性を示す。
【0006】本発明で用いるVP樹脂は、多孔質構造を
有するものであるが、その表面積は5〜80m2/g、
好ましくは10〜40m2/gであり、その細孔容積は
0.2〜0.4cc/g、好ましくは0.3〜0.4c
c/gであり、その平均細孔径は20〜100nm、好
ましくは30〜90nmである。VP樹脂の細孔容積が
前記範囲より小さくなると、触媒活性の低下の問題を生
じるので好ましくなく、一方、前記範囲より大きくなる
と、耐摩耗性の低下等の問題を生じるので好ましくな
い。さらに、VP樹脂の平均細孔径が前記範囲より小さ
くなると、触媒活性の低下の問題を生じるので好ましく
なく、一方、前記範囲より大きくなると、耐摩耗性の低
下等の問題を生じるので好ましくない。
【0007】本明細書において、VP樹脂に関して言う
架橋度は以下のように定義される。またVP樹脂に関し
て言う細孔容積及び表面積は以下のようにして測定され
たものである。さらに、VP樹脂に関して言う平均細孔
径は以下のようにして算出されたものである。 (架橋度) 架橋度(%)=A/B×100 A:樹脂中に含まれる架橋剤の重量 B:樹脂中に含まれるビニルピリジン系モノマーの重量 (細孔容積)マーキュリー・プレッシャー・ポロシーメ
ーター・モデル70(イタリア国ミラノ市のカルロ・エ
ルバ社製)を用いる方法(いわゆる水銀圧入法)により
測定した。この場合、水銀の表面張力は25℃で474
dyne/cmとし、使用接触角は140度とし、絶対
水銀圧力を1〜200kg/cm2まで変化させて測定
した。 (表面積)B.E.T法により測定された。 (平均細孔径)前記のようにして測定された細孔容積及
び表面積の各測定値を用い、以下の式により算出した。 平均細孔径(nm)=4(C/D)×103 C:細孔容積(cc/g) D:表面積(m2/g)
【0008】VP樹脂は、ビニルピリジン系単量体と、
架橋剤としての2個のビニル基を持つ化合物を共重合さ
せることによって製造される。VP樹脂を得るためのこ
の共重合方法自体は従来公知の方法であり、例えば、
(1)沈殿剤添加法、(2)線状重合体添加法、(3)
膨潤剤・沈殿剤添加法、(4)希釈剤・線重合体添加法
等がある。本発明で用いるVP樹脂の好ましい製造方法
については、特公昭61−25731号公報に詳記され
ている。即ち、この方法によると、VP樹脂は、ビニル
ピリジン系単量体と、2個のビニル基を持つ架橋剤と、
必要に応じて用いられるビニル単量体との混合物を、ラ
ジカル重合反応触媒の存在下で重合反応させることによ
って製造される。この場合、重合反応は、水を媒体とす
る水系懸濁重合が採用される。また、重合反応系には、
懸濁安定剤及び沈殿剤が添加される。懸濁安定剤として
は、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、ゼラチ
ン、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニウム
塩等の水溶性高分子、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム等の無機塩が用
いられる。また、反応系には、塩化ナトリウムや亜硝酸
ナトリウムを添加することができる。沈殿剤としては、
単量体に対して溶剤として作用するが、生成ポリマーに
対しては貧溶媒として作用する有機溶媒、例えば、イソ
オクタン等の炭素数5〜10の炭化水素の他、アルコー
ル、エステル等が用いられる。このようなVP樹脂の製
造方法においては、得られるVP樹脂に関し、その架橋
度は架橋剤の添加量でコントロールすることができ、そ
の細孔容積及び平均細孔径は沈殿剤の種類とその添加量
によって主にコントロールすることができ、さらには、
懸濁安定剤の種類とその添加量及び反応温度等にコント
ロールすることができる。
【0009】VP樹脂を得るために用いるビニルピリジ
ン系単量体としては、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン等が挙げられる。また、このビニルピリジン系
単量体には、他のビニル単量体、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族系ビニル単量体又はアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチルなどの脂肪族系ビニル単量
体を混入することができる。これらのビニル単量体の混
入量は、全単量体中、30モル%以下、好ましくは20
モル%以下にするのがよい。前記ビニルピリジン系単量
体に共重合させる架橋剤は、2個のビニル基を有する化
合物である。このようなものとしては、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルトルエン等の芳香族化合物の他、ジアクリ
ル酸エチレングリコール、ブタジエン等の脂肪族化合物
を挙げることができる。工業的に用いられるジビニルベ
ンゼンは通常約50モル%のエチルビニルベンゼンを含
んでいるが、本発明では、このようなジビニルベンゼン
を用いることもできる。この架橋剤の使用量は、所望す
るVP樹脂の架橋度に応じて適宜決める。
【0010】VP樹脂の粒径は、0.01〜4mm、好
ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.4〜2m
mの粒状体として用いられ、その好ましい形状は球状体
である。
【0011】本発明のヒドロホルミル化用固体触媒は、
そのVP樹脂中のピリジン環の少なくとも一部が、前記
一般式(1)で表わされるロジウムカルボニル錯体構造
に形成されたものである。前記一般式(1)において、
Xは低級アルキル基、水素又はアルカリ金属であるが、
低級アルキル基としては、炭素数4以下のものが好まし
い。アルカリ金属としては、ナトリム、カリウム、リチ
ウム等が挙げられる。R1、R2及びR3は、炭化水素
基、陰イオン性基を有する炭化水素基又は水素である
が、それらのうちの少なくとも1つは陰イオン性基を有
する炭化水素基である。この場合の炭化水素基には、炭
素数10以下の鎖状又は環状のアルキル基や、アリール
基及びアラルキル基が包含される。このような炭化水素
基としては、例えば、メチル、エチル、プロプル、ブチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、フェニル、トリル、
キシリル、ベンジル等が挙げられる。陰イオン性基を有
する炭化水素基において、その陰イオン性基としては、
スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基等が挙げ
られる。
【0012】前記一般式(1)におけるm、n及びpは
1以上の数であり、その合計数であるm+n+pは、ロ
ジウム金属の配位数を示し、通常、3〜5である。qは
【化2】 で表わされる陰イオン性基含有配位子に含まれる全陰イ
オン価数に対応する数である。例えば、R1、R2及びR
3のうちの1つが1つの陰イオン性基SO3~を有し、p
が2の整数を示す場合には、前記式(2)の配位子に含
まれる全陰イオン数は2(SO3~のイオン価数1にp=
2の数を乗じた数)となる。従って、この場合のqの数
は2となる。
【0013】前記一般式(1)における陰イオン性基を
有する配位子の具体例を示すと、例えば、以下のものが
挙げられる。
【化4】
【化5】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0014】VP樹脂中のピリジン環は、その全てを前
記一般式(1)のロジウム錯体構造に変換するのが好ま
しいが、必ずしもその全てをロジウム錯体構造にする必
要はなく、通常、VP樹脂に含まれるピリジン環の0.
1%以上、好ましくは0.5%以上をロジウム錯体構造
に変換すればよい。一般的には、触媒中のロジウム含有
量は、金属ロジウムとして、0.01〜10重量%、好
ましくは0.3〜3重量%である。
【0015】VP樹脂中のピリジン環を一般式(1)の
ロジウム錯体構造に変換させて本発明触媒を調製する方
法としては、例えば以下の方法を示すことができる。
【0016】(第1の方法)VP樹脂にハロゲン化アル
キルを反応させてVP樹脂中のピリジン環アミノ基を4
級化して4級化VP樹脂を得る。この場合の反応は次式
で表わされる。
【化15】 前記式中、Xはアルキル基を示し、Zはハロゲン原子を
示す。次に、前記4級化VP樹脂に水酸化ナトリウムな
どのアルカリ性水溶液を反応させて、脱ハロゲンし、ヒ
ドロキシイオン(OH~)を対イオンとする4級化VP
樹脂を得る。この場合の反応は次式で表わされる。
【化16】 次に、ヒドロキシルイオンを対イオンとする4級化VP
樹脂に、前記式(3)で表わされる陰イオン性基を有す
る配位子化合物と反応させて、ヒドロキシルイオンを配
位子化合物の陰イオンと交換させる。この場合の反応は
次式で表わされる。
【化17】
【0017】次に、前記のようにして得た配位子化合物
を対イオンとする4級化VP樹脂に、炭化水素溶媒の存
在下で、ロジウム化合物、水素及び一酸化炭素を反応さ
せて、本発明触媒を得る。この場合の反応は次式で表わ
される。
【化18】 前記炭化水素溶媒としては、常温常圧で液状を示す脂肪
族系及び芳香族系のものが任意に用いられる。触媒を適
用する原料オレフィン性化合物が反応条件下で液状を示
すものである場合には、この原料オレフィン性化合物自
体を反応溶媒として用いるのが好ましい。前記ロジウム
化合物としては、硝酸ロジウム、硫酸ロジウムなどの無
機塩、カルボン酸ロジウム、ロジウムアセチルアセトナ
ートなどの有機塩、酸化ロジウム、HRh(CO)(P
ph3)などの錯体を用いることができるが、好ましく
は脂肪族系及び芳香族系のカルボン酸ロジウムを用いる
ことができる。より好ましくは酢酸ロジウムが用いられ
る。前記反応は、40〜250℃、好ましくは60〜1
80℃の反応温度、及び3〜300kg/cm2G、好
ましくは5〜200kg/cm2Gの反応圧力の条件で
行われる。また、この反応系には、オレフィン性化合物
を存在させるのが好ましく、これにより、錯体Rh(C
O)mHn(MR123)pの形成が促進され、触媒
の調製効率が高められる。
【0018】(第2の方法)VP樹脂に陰イオン性基を
有する配位子化合物を反応させてVP樹脂中のピリジン
環アミノ基を4級化して、4級化VP樹脂を得る。この
場合の反応は、配位子化合物の1つが陰イオン性基とし
てスルホン酸基を有するベンゼンスルホン酸基である場
合、次式で表わされる。
【化19】 前記式中、Xは水素又はアルカリ金属を示し、R1、R2
は炭化水素基を示す。
【0019】次に、前記のようにして得た配位子化合物
を対イオンとする4級化樹脂に、炭化水素溶媒の存在下
で、ロジウム化合物、水素及び一酸化炭素を反応させ
て、本発明触媒を得る。この場合の反応は次式で表わさ
れる。
【化20】 前記反応は、40〜250℃、好ましくは60〜180
℃の反応温度及び3〜300kg/cm2G、好ましく
は5〜200kg/cm2Gの反応圧力の条件で行われ
る。また、この反応系には、オレフィン性化合物を存在
させるのが好ましい。
【0020】(第3の方法)Rh化合物、好ましくは酢
酸Rhの水溶液にVP樹脂を投入し、室温下で24時間
撹拌する。次に、このVP樹脂を水で洗浄した後、アセ
トンで洗浄し、さらに触媒を適用しようとするオレフィ
ン性化合物でよく洗浄することによってRhの担持され
たVP樹脂を得ることができる。次に耐圧用器内に上記
Rh担持VP樹脂、炭化水素溶媒、下記一般式(6)で
表される化合物及び原料オレフィンを加える。下記一般
式(6)の化合物の添加量は、ロジウム1原子当り1〜
200モル、好ましくは10〜100モルである。
【化6】 前記式中、Xは水素又はアルカリ金属を示し、Mは窒素
原子、リン原子又はヒ素原子を示し、R1、R2、R3
同一または異なっていてよく、陰イオン性基を有してい
てもよい炭化水素基又は水素を示す。この場合の炭化水
素基としては、前記一般式(1)に関して示したものと
同様のものを示すことができる。qは下記一般式(3)
で表される陰イオン性基含有配位子に含まれる全イオン
価数に対応する数を示す。
【化3】
【0021】炭化水素溶媒としては、常温常圧で液状を
示す脂肪族系及び芳香族系のものが任意に用いられる。
触媒を適用する原料オレフィン性化合物が触媒調製条件
下で液状を示すものである場合には、この原料オレフィ
ン性化合物自体を反応溶媒として用いるのが好ましい。
次に、容器内容物を40〜250℃、好ましくは60〜
180℃に加熱した後、水素と一酸化炭素との混合ガス
(混合モル比=1:1)を圧入し、容器内圧力を3〜3
00kg/cm2G、好ましくは5〜200kg/cm2
Gに上昇させ、この状態において、0.3〜5時間、好
ましくは0.5〜2時間撹拌する。次いで、容器を冷却
し、容器内圧力を常圧に解放した後、容器から内容物を
取出し、固液分離を行って触媒を回収し、これを炭化水
素溶媒で十分に洗浄して触媒を得ることができる。
【0022】本発明によりアルデヒドを製造するには、
本発明触媒の存在下で、オレフィン性化合物と水素と一
酸化炭素とを反応させる。この反応は、一般的には、4
0〜250℃、好ましくは60〜180℃の反応温度及
び3〜300kg/cm2G、好ましくは5〜200k
g/cm2Gの反応圧力の条件で実施される。水素と一
酸化炭素とのモル比は、1/10〜10/1、好ましく
は1/3〜3/1である。前記反応は、反応溶媒中で行
われる。反応溶媒としては、脂肪族系や芳香族系の炭化
水素が用いられるが、原料オレフィン性化合物が反応条
件下で液状を示す場合には、その原料オレフィン性化合
物自体を反応溶媒として兼用するのが好ましい。また、
用いる原料オレフィンによっては、反応系には前記一般
式(6)で表わされる化合物を添加することができる。
その添加量はロジウム原子当り、0.1〜500モル、
好ましくは1〜200モルである。このものの添加によ
り、触媒上のRh錯体が安定化され、活性が向上する。
特に、このものの添加はエチレン又はプロピレンのホル
ミル化に有効である。
【0023】本発明で反応原料として用いるオレフィン
性化合物には、二重結合を末端又は内部に有するものが
包含される。このようなオレフィン性化合物は、フェニ
ル基やトリル基、ベンジル基等の芳香族基を含有するこ
とができ、また、水酸基やカルボキシル基、エステル
基、エーテル基等の官能基を含有することができる。オ
レフィン性化合物の具体例としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、炭素数
11〜16のα−オレフィン、イソブチレン、2−メチ
ル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチ
ル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、2,3
−ジメチル−1−ヘキセン、2,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、ジイソブチレン(3,5,5−トリメチルペン
テン)等のα−オレフィン;これらα−オレフィンの2
重結合異性体;2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセ
ン、2−オクテン、3−オクテン等の内部オレフィンの
他、低級オレフィンオリゴマー、アリルアルコール、ア
クロレインアセタール、ビニルアセテート、スチレン、
アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
【0024】本発明で用いる反応器としては、通常の耐
圧容器を用いることができる他、反応液を撹拌翼で撹拌
する撹拌混合式反応器や反応液を気泡で撹拌する気泡塔
型反応器等の反応器を好ましく用いることができる。こ
れらの反応器を含む反応装置の例を図1〜図3に示す。
図1は、撹拌混合式反応器からなる反応装置の説明図で
ある。この図において、1は反応器である。2は撹拌翼
を示し、4は冷却器を示す。液状のオレフィン性化合物
を図1に示した反応装置を用いてヒドロホルミル化反応
を行うには、先ず、反応器1に触媒を充填した後、ライ
ン5を通して液状のオレフィン性化合物を充填する。次
いで撹拌翼2を回転させるとともに、ライン5から反応
原料としてのオレフィン性化合物を反応器内に供給し、
ライン6を通して水素と一酸化炭素との混合ガスを反応
器内に導入し、ガス噴出ノズル7を介して液中に噴出さ
せる。反応液はライン8を介して反応器から抜出す。ま
た、未反応ガス(CO,H2)及び気化した反応液はラ
イン12、冷却器4及びライン13を通して反応器外へ
抜出すが、この場合、気化した反応液の少なくとも一部
は冷却器4で凝縮され、反応器内に戻される。原料オレ
フィン性化合物がエチレンやプロピレン等の気体状のも
のである場合には、反応器1に触媒を充填した後、ライ
ン5を通して炭化水素溶媒を充填する。次いで撹拌器2
を回転させるとともに、ライン5から炭化水素溶媒を反
応器内に供給し、ライン6を通して水素と一酸化炭素と
気体状のオレフィン性化合物からなる混合ガスを反応器
内に導入し、ガス噴出ノズル7を介して液中に噴出させ
る。この場合、オレフィン性化合物は、水素と一酸化炭
素とは別にして反応器内に供給することもできる。
【0025】図2は外部循環形式の気泡塔型反応器から
なる反応装置の説明である。図2において、21は縦型
反応筒、22は第1ガス分離槽、23は第2ガス分離槽
を示し、49、50は冷却器を示す。縦型反応筒21は
中空筒体からなる。この反応筒1下部には、反応筒内下
部にガスを噴出させるためのガス噴出ノズル(ガス噴出
口)38が配設され、このガス噴出孔には、ガス導入管
28が連結されている。反応筒1の上端には、逆円錐台
形状の短管26を介して第1ガス分離槽22が連結され
ている。この第1ガス分離槽22は、反応筒21の水平
断面積と同じもしくはそれよりも大きな断面積を有する
密閉筒体からなり、その天板25には、その槽内で分離
されたガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管30が連
結され、このガス抜出し管30には、冷却器49が連結
されている。
【0026】第2ガス分離槽23内下部と反応筒21内
下部とは配管35によって連絡されている。配管35の
上端は逆円錐台形状の短管34を介して第2ガス分離槽
23の下端と連結し、その配管35の下端は反応筒底部
に連結している。配管35には、反応筒内下部に液体を
供給するための液体供給管37が連結されている。この
液体供給管37は、必ずしも配管35に連結させる必要
はなく、反応筒21の底部又は下部に連結させることも
できる。
【0027】反応筒21内上部と第2ガス分離槽23内
とは配管31で連絡されている。配管31の一端は、反
応筒上部の周壁に連結され、その他端は第2ガス分離槽
の周壁に連結されている。第2ガス分離槽23は、密閉
筒体からなり、その天板33には、その槽内で分離され
たガスを槽外へ抜出すためのガス抜出し管32が連結さ
れ、その周壁には、槽内の液体を槽外へ抜出すための液
体抜出し管29が連結されている。また、その第2ガス
分離槽23には、液体抜出しガス巻込み防止板36が配
設されている。このものは、液体中にガスが巻込まれて
液体の抜出しが行われることを防止するためのもので、
平板であっても弯曲板であってもよく、その形状は特に
制約されない。ガス抜出し管32は、冷却器50を介し
て第1ガス分離槽の上部又はガス抜出し管30に連結さ
せることができる。
【0028】第1ガス分離槽22の水平断面積S(2)
と反応筒21の水平断面積S(1)との比S(2)/S
(1)は、1〜10、好ましくは2〜5の範囲である。
また、第2ガス分離槽23の水平断面積S(3)と反応
筒21の水平断面積S(1)との比S(3)/S(1)
は、0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲である。反応
筒21におけるその内径R(1)とその高さH(1)と
の比H(1)/R(1)は、5〜100、好ましくは1
0〜20である。
【0029】図2に示した反応装置において、ガス噴出
ノズル38は単管ノズルであってもよいが、リング状の
管体の周壁に多数のガス噴出孔を有する環状ノズルであ
ることができる。
【0030】図2に示した構造の反応装置は種々の変更
が可能であり、例えば、配管31は、その傾斜が第2ガ
ス分離槽23に向かって降下するように配設することが
できるし、反応筒21の上端及び下端にそれぞれ連結す
る短管26及び短管27に代えて、中央部に開口を有す
る板体を用いることもできる。
【0031】図2に示した構造の反応装置を用いて液状
のオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応を行うに
は、先ず、反応筒21内に触媒を充填した後、液体供給
管37からオレフィン性化合物を反応装置内に充填す
る。次に、液体供給管37から反応原料としてのオレフ
ィン性化合物を反応筒21内に供給するとともに、ガス
導入管28から水素と一酸化炭素との混合ガスをガス噴
出ノズル38を介して液体中に噴出させる。ノズル38
から液体中に噴出された混合ガスは気泡となって液体中
を上昇し、その際のガスリフト効果により、触媒は液体
とともに反応筒内を上昇する。このような触媒の上昇に
より、反応筒内の液体中への触媒の分散が達成され、反
応筒内においては、オレフィン性化合物と水素と一酸化
炭素との円滑なヒドロホルミル化反応が行われる。一
方、原料オレフィン性化合物がエチレンやプロピレン等
の気体状のものである場合には、反応筒21内に触媒を
充填した後、液体供給管37から炭化水素溶媒を反応装
置内に充填する。次に、液体供給管37から炭化水素溶
媒を反応筒21内に供給するとともに、ガス導入管28
から水素と一酸化炭素と原料オレフィン性化合物からな
る混合ガスをガス噴出ノズル38を介して液体中に噴出
させる。この場合、オレフィン性化合物は、水素と一酸
化炭素とは別にして反応器内に供給することもできる。
【0032】反応筒内でのヒドロホルミル化反応により
得られる反応液は、未反応ガス(H2,CO)と触媒を
含み、反応筒の上方に配設されている第1ガス分離槽2
2内に流入し、この第1ガス分離槽内に保持される。図
2において、Sは反応液の液面を示す。この第1ガス分
離槽22においては、反応液中に含まれていたガス成分
及び気化した反応液が液面から上部空間に放散され、ガ
ス抜出し管30及び冷却器49を通して槽外へ抜出され
る。この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却
器49で凝縮され、第1ガス分離槽22に戻される。
【0033】反応筒21内を液体とともに上昇した触媒
は、未反応ガスを含む反応液とともに、反応筒上部から
配管31を通って第2ガス分離槽23内に流入し、ここ
で反応液中に含まれていたガス成分が分離され、分離さ
れたガス成分及び気化した反応液は、配管32及び冷却
器50を通って抜出される。この場合、気化した反応液
の少なくとも一部は凝縮され、第2ガス分離槽23内に
戻される。一方、反応液は、液体抜出し管29を通して
抜出される。第2ガス分離槽23内には、ガス巻込み防
止板36が配設されているため、抜出される反応液への
ガスの混入が防止され、反応液を静置状態で液抜出し管
29を通して抜出すことができる。ガス成分が分離され
た反応液と触媒はその自重により、第2ガス分離槽23
から配管35を通って反応筒21内下部に循環される。
反応筒21内下部に反応液とともに循環された触媒は、
再び、反応筒21内を上昇する。
【0034】触媒を上方向に移動させる力は、液体の上
方向への線速度に関係し、液体の線速度が大きいほど触
媒を上方に移動させる力も大きくなる。従って、液体の
線速度を、液体中に存在する触媒を落下させる重力より
も大きくなるように調節することにより、触媒粒子を上
方に移動させることができる。しかし、図2に示した反
応装置の場合、第1ガス分離槽22の水平断面積S
(2)が反応筒21の水平断面積S(1)よりも大きく
なっているため、液体の線速度は第1ガス分離槽内に入
ると急激に小さくなり、触媒の第1ガス分離槽内への移
動は防止され、反応筒21内上部から配管31を通って
第2ガス分離槽23に選択的に流入する。
【0035】前記のようにして、図2に示した装置にお
いては、反応筒21内を上昇する液体流と、反応筒21
の上部から、配管31、第2ガス分離槽23、配管35
を通って反応筒21内下部へ循環する循環流が形成され
る。
【0036】図3は内部循環形式の気泡塔型反応器から
なる反応装置の説明図である。この図において、51は
反応器を示し、このものは、反応筒52とその上端に連
結されたガス分離槽54からなる。ガス分離槽54の水
平断面積は、反応筒52の水平断面積よりも大きくなっ
ている。53は内筒を示す。この反応装置を用いて液状
のオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応を行うに
は、先ず、反応器内に触媒を充填した後、ライン56か
らオレフィン性化合物を充填する。次に、ライン56か
らオレフィン性化合物を反応器内へ供給するとともに、
ライン57から水素と一酸化炭素との混合ガスを内筒5
3の底部のガス噴出ノズル58を介して液中へ気泡状態
で噴出させる。この混合ガスの液中への噴出により、内
筒53内には、液体と混合ガスの気泡との混合物からな
る上昇流が形成され、また、この上昇流の形成にともな
って、内筒53と反応筒52との間の環状間隙部に下降
流が生じ、反応器内には循環流が形成される。液体中に
分散する触媒はその上昇液体流に同伴されて内筒53内
を上昇する。そして、これらのオレフィン性化合物、水
素、一酸化炭素及び触媒は、その上昇間に相互に接触
し、ヒドロホルミル化反応が達成される。一方、原料オ
レフィン性化合物がエチレンやプロピレン等の気体状の
ものである場合には、反応器内に触媒を充填した後、ラ
イン56から炭化水素溶媒を充填する。次に、ライン5
6から炭化水素溶媒を反応器内に供給するとともに、ラ
イン57から水素と一酸化炭素と原料オレフィン性化合
物からなる混合ガスを内筒53の底部のガス噴出ノズル
58を介して液中へ気泡状態で噴出させる。
【0037】内筒53を上昇する気液混合物は、反応筒
52の上端に連結されたガス分離槽54内に流入し、反
応液から未反応ガス(H2,CO)等のガス成分の分離
が行われる。一方、触媒は液体に分散された状態で内筒
53と反応筒52との間の環状間隙部内を下降し、反応
筒52の底部に循環される。ガス分離槽54において分
離されたガス成分は気化した反応液とともに、ライン6
0、冷却器55及びライン61を通って排出されるが、
この場合、気化した反応液の少なくとも一部は冷却器5
5で凝縮され、反応器内に戻される。反応液はライン5
9を通って反応器から抜出される。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0039】実施例1(触媒〔I〕の調製) (1)架橋度60%のピリジン樹脂(ジビニルベンゼン
/4−ビニルピリジン共重合体、平均粒径:0.4m
m、細孔容積:0.3cc/g、平均細孔直径:42n
m)1.1g、CH3Br1.0g、アセトン100g
をオートクレーブに入れ、100℃まで昇温し、回転数
1000rpmで2時間撹拌した。次に、オートクレー
ブを冷却した後、オートクレーブ内容物から4級化触媒
を取出し、アセトンで十分に洗浄し、さらに水でよく洗
浄した。 (2)前記(1)で得られた4級化樹脂をガラスカラム
に充填し、0.5NのNaOH水溶液を300ml/h
rで3時間流通し、次いで同じ流量で水を1時間流通し
てBrを除いた。得られた脱Br4級化樹脂をガラスカ
ラムから取り出しエタノールでよく洗浄した。 (3)前記(2)で得た樹脂1.3g、ジフェニルホス
フィノベンゼンスルホン酸1.9g、エタノール100
mlをオートクレーブに入れ、100℃まで昇温し、回
転数600rpmで2時間撹拌した。オートクレーブを
降温放圧後オートクレーブから触媒を取り出し、エタノ
ールで洗浄し次いで1−オクテンで十分に洗浄した。 (4)前記(3)で得た樹脂2.0g、酢酸Rh0.0
17g、1−オクテン150mlをオートクレーブに入
れ、130℃まで昇温後、H2/CO=1の混合ガスで
90kg/cm2まで加圧し、回転数1000rpmで
2時間撹拌した。オートクレーブを降温放圧後、オート
クレーブから触媒を取り出し、1−オクテンで十分に洗
浄し、1−オクテン中に保存した。分析の結果、触媒中
のRh量は0.40重量%、P量は1.52重量%であ
った。前記で得た樹脂は、前記一般式(1)において、
X=メチル基(CH3−)、M=リン原子、R1、R2
フェニル基(C65−)、R3=スルホン化フェニル基
(−O3SC64−)、m=2、n=1、p=1、q=
1を示すものである。
【0040】実施例2(触媒〔II〕の調製) (1)実施例1で示したビニルピリジン樹脂5g、CH
3I6.8g、アセトン100gをオートクレーブに入
れ、100℃まで昇温し、回転数600rpmで1時間
撹拌した。降温後オートクレーブから4級化樹脂を取り
出し、アセトンでよく洗浄しさらに水でよく洗浄した。 (2)前記(1)で得られた4級化樹脂をガラスカラム
につめ、0.5NのNaOH水溶液を300ml/hr
で3時間流通し、次いで同じ流量で水を1時間流通して
ヨウ素を除いた。得られた脱ヨウ素4級化樹脂をガラス
カラムから取り出しエタノールでよく洗浄した。 (3)前記(2)で得た樹脂1.3g、N−フェニルア
ントラニル酸5.1g、エタノール100mlをオート
クレーブに入れ、100℃まで昇温し、回転数600r
pmで2時間撹拌した。降温放圧後オートクレーブから
触媒を取り出し、エタノールで洗浄し、次いでトルエン
で十分に洗浄した。 (4)前記(3)で得た樹脂2.0g、酢酸Rh0.0
77g、トルエン150ml、プロピレン300mlを
オートクレーブに入れ、120℃まで昇温後、H2/C
O=1の混合ガスで30kg/cm2まで加圧し、回転
数1000rpmで2時間撹拌した。降温放圧後オート
クレーブから触媒を取り出し、トルエンで十分に洗浄し
トルエン中に保存した。分析の結果、触媒中のRh量は
0.53重量%であった。前記で得た触媒は、前記一般
式(1)において、X=メチル基(CH3−)、M=窒
素原子、R1=水素(H−)、R2=フェニル基(C65
−)、R3=カルボキシル化フェニル基(−OOCC6
4−)、m=2、n=1、p=1、q=1を示すもので
ある。
【0041】実施例3(触媒〔III〕の調製) (1)実施例1で示したビニルピリジン樹脂1.1g、
ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸1.9g、エ
タノール100mlをオートクレーブに入れ、100℃
まで昇温し、回転数600rpmで2時間撹拌した。降
温放圧後オートクレーブから触媒を取り出し、エタノー
ルで洗浄し、次いで1−オクテンで十分に洗浄した。 (2)前記(1)で得た触媒2.0g、酢酸Rh0.0
17g、1−オクテン150mlをステンレス製オート
クレーブに入れ、130℃まで昇温後、H2/CO=1
の混合ガスで90kg/cm2まで加圧し、回転数10
00rpmで2時間撹拌した。降温放圧後オートクレー
ブから触媒を取り出し、1−オクテンで十分に洗浄し、
1−オクテン中に保存した。分析の結果、触媒中のRh
量は0.35重量%、P量は8.17重量%であった。
前記で得た触媒は、前記一般式(1)において、X=水
素(H−)、M=リン原子、R1=フェニル基(C65
−)、R2=フェニル基(C65−)、R3=スルホン化
フェニル基(−O3SC64−)、m=2、n=1、p
=1、q=1を示すものである。
【0042】実施例4(触媒〔IV〕の調製) (1)実施例1で示したビニルピリジン樹脂1.1g、
ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸ナトリウム
2.0g、エタノール100mlをオートクレーブに入
れ、100℃まで昇温し、回転数600rpmで2時間
撹拌した。降温放圧後オートクレーブから触媒を取り出
し、エタノールで洗浄し、次いで1−オクテンで十分に
洗浄した。 (2)前記(1)で得た触媒2.0g、酢酸Rh0.0
17g、1−オクテン150mlをステンレス製オート
クレーブに入れ、130℃まで昇温後、H2/CO=1
の混合ガスで90kg/cm2まで加圧し、回転数10
00rpmで2時間撹拌した。降温放圧後オートクレー
ブから触媒を取り出し、1−オクテンで十分に洗浄し、
1−オクテン中に保存した。分析の結果、触媒中のRh
量は0.3重量%、P量は7.87重量%であった。前
記で得た触媒は、前記一般式(1)において、X=ナト
リウム(Na−)、M=リン原子、R1=フェニル基
(C65−)、R2=フェニル基(C65−)、R3=ス
ルホン化フェニル基(−O3SC64−)、m=2、n
=1、p=1、q=1を示すものである。
【0043】実施例5(ヒドロホルミル化反応) 実施例1の触媒〔I〕2.0g、1−オクテン150m
lをステンレス製オートクレーブに入れ130℃まで昇
温後、H2/CO=1の混合ガスで90kg/cm2まで
加圧し、回転数1000rpmで2時間ヒドロホルミル
化反応を行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグ
ラフで分析したところ、1−オクテンの転化率は23.
2%、アルデヒド選択率は96.55%、直鎖アルデヒ
ド/分岐アルデヒドモル比(n/b比)は、0.9であ
った。また、反応終了後に液相に流出したRh濃度は
0.6ppm以下であった。
【0044】実施例6(ヒドロホルミル化反応) 実施例5において、1−オクテンの代わりにジイソブチ
レンを用いる他は実施例5と同様にして反応を行った。
ジイソブチレンの転化率は11.8%であった。
【0045】実施例7 実施例2の触媒〔II〕2.0g、トルエン100ml、
プロピレン30mlをステンレス製オートクレーブに入
れ、120℃まで昇温後、H2/CO=1の混合ガスで
30kg/cm2まで加圧し、回転数1000rpmで
2時間ヒドロホルミル化反応を行った。反応終了後、反
応液をガスクロマトグラフで分析したところ、プロピレ
ンの転化率は2.50%、アルデヒド選択率は100
%、n/b比は4.1であった。また、反応終了後に液
相に流出したRh濃度は1.3ppm以下であった。
【0046】実施例8 実施例5において、触媒として実施例3で調製した触媒
〔III〕を用いる他は実施例5と同様の反応を行った。
反応終了後、反応液をガスクロマトグラフで分析したと
ころ、1−オクテンの転化率は13.87%、アルデヒ
ド選択率は95.69%、n/b比は0.64であっ
た。また、反応終了後に液相に流出したRh濃度は0.
6ppm以下であった。
【0047】実施例9 実施例5において、反応圧を50kg/cm2とし、触
媒として実施例4で調製した触媒〔IV〕を用いる他は実
施例5と同様の反応を行った。反応終了後、反応液をガ
スクロマトグラフで分析したところ、1−オクテンの転
化率は31.89%、アルデヒド選択率は97.30
%、n/b比は0.12であった。また、反応終了後に
液相に流出したRh濃度は1.7ppm以下であった。
【0048】実施例10 実施例5において、1−オクテンの代わりに1−テトラ
デセンを用いる他は実施例5と同様にして反応を行っ
た。1−テトラデセンの転化率は26.37%であっ
た。
【0049】実施例11 実施例7において使用した触媒を用い、反応液中にさら
にトリフェニルホスフィンを0.4g添加する他は、実
施例5と同様にして反応を行った。このときプロピレン
の転化率は25.68%、アルデヒド選択率は100
%、n/b比は2.9であった。
【0050】実施例12 図1の反応器において、反応器内の液容量を100ml
に保つようにし、実施例1の触媒[I]を触媒濃度10
wt%となるように仕込み、1−オクテンを流量30m
l/hr、H2/CO=1の混合ガスを流量8NL/h
rで供給し、反応温度130℃、圧力90kg/cm2
を保って連続流通式反応試験を行った。反応生成物をフ
ラッシャーにて軽質分と重質分に分離し、Rhを僅かに
含んだ重質分は反応器へ循環させた。1000時間経過
後の触媒活性は初期活性と比べ変化しなかった。
【0051】実施例13 架橋度60%のピリジン樹脂10g及び1−オクテン2
00gをステンレス製オートクレーブに仕込み、100
℃まで昇温後、撹拌速度1000rpmで100時間撹
拌した。撹拌停止後、液中に浮遊する約10μm以下の
微粒子を孔径0.2μmのフィルターでろ過し、捕集さ
れた微粒子の重量から樹脂の粉化速度を算出した結果、
2.6×10-5(wt%/hr)であった。また濾液中
の窒素濃度を測定することによりピリジン樹脂からのピ
リジン環の脱離速度を算出した結果、4.6×10
-5(wt%/hr)であった。
【0052】比較例1 実施例13において、架橋度60%のピリジン樹脂の代
わりに、架橋度4%のピリジン樹脂を用いる他は、実施
例13と同様の操作を行った。その結果、粉化速度は
2.5×10-2(wt%/hr)、ピリジン環の脱離速
度は1.1×10-2(wt%/hr)であった。
【0053】
【発明の効果】本発明のヒドロホルミル化用固体触媒
は、ハロゲンを含有しない、又は含有してもごく微量で
あることから、反応装置腐食の問題を生じることがない
上、そのロジウム担体として用いるビニルピリジン系樹
脂の架橋度が高いために、耐熱性、耐久性及び耐摩耗性
においてもすぐれたものである。本発明の固体触媒を用
いてオレフィン性化合物をヒドロホルミル化することに
より、反応装置腐食の問題を生じることなく、効率よく
アルデヒドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌混合型反応装置の説明図である。
【図2】外部循環方式の気泡塔型反応装置の説明図であ
る。
【図3】内部循環方式の気泡塔型反応装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1、21、51 反応器 2 撹拌翼 4、49、55 冷却器 7、38、58 ガス噴出ノズル 53 内筒

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋度10〜65%の多孔質架橋構造を
    有するビニルピリジン系樹脂からなり、該樹脂中に含ま
    れるピリジン環の少なくとも一部が、下記一般式(1)
    で表わされるロジウムカルボニル錯体構造に形成されて
    いることを特徴とするヒドロホルミル化反応用固体触
    媒。 【化1】 〔式中、Xは低級アルキル基、水素又はアルカリ金属を
    示し、Mは窒素原子、リン原子又はヒ素原子を示し、R
    1、R2及びR3は炭化水素基、陰イオン性基を有する炭
    化水素基又は水素を示すが、それらのうちの少なくとも
    1つは陰イオン性基を有する炭化水素基であり、m、n
    及びpは1以上の整数を示し、m+n+pは3〜5の数
    であり、qは下記式 【化2】 (式中、R1、R2、R3、M及びpは前記と同じ意味を
    有する)で示される陰イオン性基含有配位子に含まれる
    全イオン価数に対応する数を示す〕
  2. 【請求項2】 ビニルピリジン系樹脂の架橋度が30〜
    60%である請求項1の触媒。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Xがメチル基
    で、式 【化3】 で表わされる陰イオン性基含有配位子が、式 【化4】 で表わされるものである請求項1又は2の触媒。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、Xがメチル基
    で、式 【化3】 で表わされる陰イオン性基含有配位子が、式 【化5】 で表わされるものである請求項1又は2の触媒。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、Xが水素で、式 【化3】 で表わされる陰イオン性基含有配位子が、式 【化4】 で表わされるものである請求項1又は2の触媒。
  6. 【請求項6】 一般式(1)においてXがアルカリ金属
    で、式 【化3】 で表わされる陰イオン性基含有配位子が、式 【化4】 で表わされるものである請求項1又は2の触媒。
  7. 【請求項7】 固体触媒の存在下、オレフィン性化合物
    に水素と一酸化炭素をヒドロホルミル化反応させてアル
    デヒドを製造する方法において、該固体触媒として、架
    橋度10〜65%の多孔質架橋構造を有するビニルピリ
    ジン系樹脂からなり、該樹脂中に含まれるピリジン環の
    少なくとも一部が、下記一般式(1)で表わされるロジ
    ウムカルボニル錯体構造に形成されている触媒を用いる
    ことを特徴とするアルデヒドの製造方法。 【化1】 〔式中、Xは低級アルキル基、水素又はアルカリ金属を
    示し、Mは窒素原子、リン原子又はヒ素原子を示し、R
    1、R2及びR3は炭化水素基、陰イオン性基を有する炭
    化水素基又は水素を示すが、それらのうちの少なくとも
    1つは陰イオン性基を有する炭化水素基であり、m、n
    及びpは1以上の整数を示し、m+n+pは3〜5の数
    であり、qは下記式 【化2】 (式中、R1、R2、R3、M及びpは前記と同じ意味を
    有する)で示される陰イオン性基含有配位子に含まれる
    全イオン価数に対応する数を示す〕
  8. 【請求項8】 下記一般式(6)で表される化合物を反
    応系に添加する請求項7の方法。 【化6】 〔式中、Xは水素又はアルカリ金属を示し、Mは窒素原
    子、リン原子又はヒ素原子を示し、R1、R2、R3は同
    一または異なっていてもよく、陰イオン性基を有してい
    てもよい炭化水素基又は水素を示し、qは下記式 【化3】 で示される陰イオン性基含有配位子に含まれる全イオン
    価数に対応する数を示す〕
  9. 【請求項9】 オレフィン化合物がエチレン又はプロピ
    レンであり、ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸
    ナトリウムを反応系に添加する請求項7の方法。
JP7306736A 1995-10-31 1995-10-31 ヒドロホルミル化用固体触媒及びそれを用いるアルデヒドの製造方法 Pending JPH09122495A (ja)

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