JPH0822773B2 - チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 - Google Patents
チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法Info
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- JPH0822773B2 JPH0822773B2 JP1201814A JP20181489A JPH0822773B2 JP H0822773 B2 JPH0822773 B2 JP H0822773B2 JP 1201814 A JP1201814 A JP 1201814A JP 20181489 A JP20181489 A JP 20181489A JP H0822773 B2 JPH0822773 B2 JP H0822773B2
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Description
本発明は、チタン酸バリウム系磁器半導体に関し、詳
しくは、キュリー点以上の温度において正の抵抗温度係
数を有し、また室温抵抗率が小さい上にキュリー点以上
の温度における抵抗率の立ち上り幅が大きく、それによ
る優れたPTC特性を有するチタン酸バリウム系磁器半導
体の製造方法に関する。 本発明によるチタン酸バリウム系磁器半導体は電流容
量の小さい回路における低抵抗PTC素子として使用する
ことができ、また、温度ヒューズスイッチング電源のコ
ンパレーターとして、電解コンデンサーの保護回路、カ
ラーテレビの自動消磁、モーターの起動用等に利用する
ことができる。
しくは、キュリー点以上の温度において正の抵抗温度係
数を有し、また室温抵抗率が小さい上にキュリー点以上
の温度における抵抗率の立ち上り幅が大きく、それによ
る優れたPTC特性を有するチタン酸バリウム系磁器半導
体の製造方法に関する。 本発明によるチタン酸バリウム系磁器半導体は電流容
量の小さい回路における低抵抗PTC素子として使用する
ことができ、また、温度ヒューズスイッチング電源のコ
ンパレーターとして、電解コンデンサーの保護回路、カ
ラーテレビの自動消磁、モーターの起動用等に利用する
ことができる。
チタン酸バリウム系磁器にランタン、タンタル、セリ
ウム、イットリウム、ビスマス、タングステン、銀、サ
マリウム、ディスプロシウム等の添加剤を添加すると正
の抵抗温度係数を有する磁器半導体となることは広く知
られており、また希土類元素、タンタル、ニオブまたは
アンチモンを含有するチタン酸バリウム系磁器半導体組
成物に二酸化ケイ素を添加し、酸素の存在において焼成
して、磁器半導体組成物の電気特性を向上することが提
案されている(特開昭53−59888号公報)。 本発明者らは、チタン酸バリウムについて永年研究を
続けているが、アンチモンを含むチタン酸バリウムの原
料組成物に、タンタルを加えると室温における抵抗率が
小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上
り幅の大きいチタン酸バリウム系磁器半導体が得られる
ことを見出した(特願平1−101646号)。本発明者ら
は、更に鋭意研究を続けた結果、アンチモンを含むチタ
ン酸バリウムの原料組成物にニオブを加えると、室温抵
抗率が小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の
立ち上り幅が大きく、しかも電流電圧特性(耐電圧特
性)に優れたチタン酸バリウム系磁器半導体が得られる
ことを見出し、その知見に基づいて本発明に到達した。
ウム、イットリウム、ビスマス、タングステン、銀、サ
マリウム、ディスプロシウム等の添加剤を添加すると正
の抵抗温度係数を有する磁器半導体となることは広く知
られており、また希土類元素、タンタル、ニオブまたは
アンチモンを含有するチタン酸バリウム系磁器半導体組
成物に二酸化ケイ素を添加し、酸素の存在において焼成
して、磁器半導体組成物の電気特性を向上することが提
案されている(特開昭53−59888号公報)。 本発明者らは、チタン酸バリウムについて永年研究を
続けているが、アンチモンを含むチタン酸バリウムの原
料組成物に、タンタルを加えると室温における抵抗率が
小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上
り幅の大きいチタン酸バリウム系磁器半導体が得られる
ことを見出した(特願平1−101646号)。本発明者ら
は、更に鋭意研究を続けた結果、アンチモンを含むチタ
ン酸バリウムの原料組成物にニオブを加えると、室温抵
抗率が小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の
立ち上り幅が大きく、しかも電流電圧特性(耐電圧特
性)に優れたチタン酸バリウム系磁器半導体が得られる
ことを見出し、その知見に基づいて本発明に到達した。
本発明の目的は、キュリー点以上の温度において正の
温度係数を有し、また室温における抵抗率が小さく、キ
ュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上り幅の大き
いチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法を提供するこ
とにある。 本発明は、キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
ム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成することからな
るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法において、半
導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て、0.09〜0.13モル%の酸化アンチモン(Sb2O3)およ
び0.04〜0.06モル%の酸化ニオブ(Nb2O5)を使用し、
それによってチタン酸バリウムを室温における抵抗率が
小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上
り幅の大きいチタン酸バリウム磁器半導体とすることを
特徴とするチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法であ
る。
温度係数を有し、また室温における抵抗率が小さく、キ
ュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上り幅の大き
いチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法を提供するこ
とにある。 本発明は、キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
ム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成することからな
るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法において、半
導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て、0.09〜0.13モル%の酸化アンチモン(Sb2O3)およ
び0.04〜0.06モル%の酸化ニオブ(Nb2O5)を使用し、
それによってチタン酸バリウムを室温における抵抗率が
小さく、キュリー点以上の温度における抵抗率の立ち上
り幅の大きいチタン酸バリウム磁器半導体とすることを
特徴とするチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法であ
る。
本発明によるチタン酸バリウム磁器半導体の製造にお
いて、炭酸ストロンチウム(SrCO3)等のキュリー点移
動物質を含むチタン酸バリウムの基体組成物に、該基体
組成物に対して0.09〜0.13モル%の酸化アンチモン(Sb
2O3)および0.04〜0.06モル%の酸化ニオブ(Nb2O5)を
配合するが、その配合物に鉱化剤として炭酸マンガン
(MnCO3)を、また電圧依存性安定剤として二酸化ケイ
素(SiO2)等を配合することができる。 この配合物をボールミルにおいて6〜48時間湿式混合
し、ろ過・乾燥した後、1000〜1300℃において1〜3時
間仮焼する。仮焼した配合物は軽く粉砕してポットに入
れ、これを振動ボールミルにおいて3〜48時間粉砕す
る。その粉砕物をバインダーを配合した水溶液中で混合
し、そのスラリーをスプレードライヤーにおいて乾燥し
て造粒し、その顆粒を成形型により成形した後、その成
形物を1300〜1400℃において0〜10時間保持し、焼成し
てチタン酸バリウム磁器半導体が得られる。 本発明によるチタン酸バリウム磁器半導体は室温にお
ける抵抗率の小さい素子、すなわち、電流容量の小さい
回路中に対応することができる低抵抗PTC素子として使
用することができるものである。 以下において本発明を試験例、実施例および比較例に
よりさらに詳しく説明する。 試験例1 酸化アンチモン(Sb2O3)添加の及ぼす電気特性の影
響について試験を行った。 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.72
g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウム社製)2
90.12g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカ
ル社製)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製、99.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レア
メタリック社製、99.9%試薬)1.0908g、および酸化ア
ンチモン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)
1.0584gを5容量のボールミルに入れ、これに水3.5
と直径25mmのナイロンコーティングされた鉄球40個とを
加え、24時間湿式粉砕、混合した後、ろ過し、その混合
物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物を成形用
金型〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150kg/cm2
の加圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、180℃
/時の昇温速度において加熱し、1150℃において2時間
仮焼した。 その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球を20
個、及び直径10mmの同様の鉄球15個とを加え16時間湿式
粉砕し、これに15wt%ポリビニルアルコール(PVA)水
溶液150gを加え、2時間攪拌した後、そのスラリーをス
プレードライヤーにおいて噴霧乾燥して、径約50μmの
顆粒に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm(径)
×35mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、
その成形物を下記の条件において焼成した。 温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜800℃ 145℃/時の昇温 800 ℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 1.5時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜 500℃ 245℃/時の降温 550 ℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて、電極を形成し、その電極上にカバー電
極(デグサ社製)を塗布し560℃において5分間さらに
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.001Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
3℃であり、抵抗の立ち上り幅は4桁であった。このと
き室温における抵抗率は19.50Ω・cmであった。 試験例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.95g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.20g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.81g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0911gおよび酸化アンチモン(Sb2O3)0.
7409gを使用したこと以外は、試験例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。 このチタン酸バイルム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0007Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、11
5℃で抵抗の立ち上り幅は3桁であった。このとき室温
での抵抗率は3.4kΩ・cmであった。 試験例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.37g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2086g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902gおよび酸化アンチモン(Sb2O3)1.
5868gを使用したこと以外は、試験例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O3 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、測定不可
能であった。 実施例1 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.47
g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウム社製)2
89.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカ
ル社製)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製9
9.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レアメタリ
ック社製99.9%試薬)1.0903g、および酸化アンチモン
(Sb2O3、レアメタリック社製99.9%試薬)1.0580gおよ
び酸化ニオブ(Nb2O5、レアメタリック社製99.9%試
薬)0.3818gを5容量のボールミルに入れ、これに水
3.5と直径25mmのナイロンコーティングされた鉄球40
個とを加え、24時間湿式粉砕、混合した後、ろ過し、そ
の混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物を
成形用金型〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150k
g/cm2の加圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、1
80℃/時の昇温速度において加熱し、1150℃において2
時間仮焼した。 その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球を20
個、及び直径10mmの同様の鉄球15個とを加え、16時間湿
式粉砕し、これに15wt%のポリビニルアルコール(PV
A)水溶液150gを加え、2時間攪拌した後、そのスラリ
ーをスプレードライヤーにおいて噴霧乾燥して、径約50
μmの顆粒に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm
(径)×35mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成
形し、その成形物を下記の条件において焼成した。 温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜 800℃ 145℃/時の昇温 800 ℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 15時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜 550℃ 245℃/時の降温 550 ℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、560℃において5分間さらに
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.00045Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
3℃で抵抗の立ち上り幅は約3.5桁であった。このとき室
温での抵抗率は7.47Ω・cmであった。 実施例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.45g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.98g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0903g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0580
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.4243gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム磁器半
導体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成
は、次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.001Sb2O3+0.0005Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は106
℃で、抵抗の立ち上り幅は約3.5桁であった。このとき
室温での抵抗率は6.77Ω・cmであった。 また、この試料の直流耐電圧を測定したところ、安定
な耐電圧は19.80V/mmであった。 実施例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.39g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0579
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.5092gを使用したこと以
外は実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体
の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0006Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
2℃で、抵抗の立ち上り幅は約3桁であった。このとき
室温での抵抗率は16.33Ω・cmであった。 比較例1 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.67g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.08g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0906g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0583
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.30850gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導
体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0001Nb2O5 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、諸特性の
測定は不可能であった。 比較例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.56g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.03g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0905g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0581
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.2545gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導
体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0003Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は108
℃で抵抗の立ち上り幅は約4.8桁であった。このとき室
温での抵抗率は331.2Ω・cmであった。 比較例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.33g高純度二酸化チタ
ン(TiO2)289.94g,無水炭酸ストロンチウム(SrCO3)2
6.79g,炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g,二酸化ケイ素(S
iO2)1.0901g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0578gおよび
酸化ニオブ(Nb2O5)0.5940gを使用したこと以外は実施
例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0007Nb2O5 この試料は、絶縁体化して半導体とならず測定不可能
であった。 比較例4 酸化ニオブ(Nb2O5)の代わりに、酸化タンタリウム
(Ta2O5)を0.03モル%使用したこと以外は、実施例2
と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体の試料を得
た。 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は105
℃で、抵抗の立ち上り幅は約4桁であった。このとき室
温での抵抗率は6.22Ω・cmであった。 また、この試料の直流耐電圧を測定したところ、安定
な耐電圧は13.09V/mmであった。 [測定方法] (1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810P
タバイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃か
ら190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化
を直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定した。 測定により得られた電気抵抗−温度のプロットより、
室温における抵抗値の2倍の抵抗値を示すときの温度を
キュリー点とした。 (2)室温抵抗率 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を25℃の測定槽に
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。 チタン酸バリウム磁器半導体の試料の調製において電
極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定してお
き、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率と
した。 ρ=R・S/t ρ:比抵抗(抵抗率)〔Ω・cm〕 R:電気抵抗の測定値〔Ω〕 S:電極の面積〔cm2〕 t:試料の厚さ〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上り幅 キュリー点の測定の温度変化に対する試料の電気抵抗
の変化の測定を200℃を越える温度まで続行し、その抵
抗率−温度のプロットにおいて、キュリー点以下の抵抗
率と200℃における抵抗率を比較して、その桁数を抵抗
率の立ち上り幅とした。 (4)直流耐電圧 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定ホルダーに
取り付け、直流安定化電源(REGULATED DC POWER SUPPL
Y GPO350−2、GPO25−5、TAKASAGO LTD.)と直流電圧
計(マルチメーター 3457A、HEWLETT PACCKERD)、マ
ルチメーター(ADVAN−TEST)とを接続した。100mVから
電圧を徐々に上げ、直流電圧計で読み取った電圧に対す
る電流値をマルチメーターで測定した。 測定により得られた電圧に対する電流値のプロットよ
り、その極小値を取る電圧をVmとし、この電圧を安定領
域における直流電圧値とした。 [測定結果] 結果は第1表に示すとおりであった。 チタン酸バリウム磁器半導体の酸化ニオブ(Nb2O5)
添加量と比抵抗の関係を第1図に示す。 また、各酸化ニオブ添加量における比抵抗−温度関係
を第2図に示す。
いて、炭酸ストロンチウム(SrCO3)等のキュリー点移
動物質を含むチタン酸バリウムの基体組成物に、該基体
組成物に対して0.09〜0.13モル%の酸化アンチモン(Sb
2O3)および0.04〜0.06モル%の酸化ニオブ(Nb2O5)を
配合するが、その配合物に鉱化剤として炭酸マンガン
(MnCO3)を、また電圧依存性安定剤として二酸化ケイ
素(SiO2)等を配合することができる。 この配合物をボールミルにおいて6〜48時間湿式混合
し、ろ過・乾燥した後、1000〜1300℃において1〜3時
間仮焼する。仮焼した配合物は軽く粉砕してポットに入
れ、これを振動ボールミルにおいて3〜48時間粉砕す
る。その粉砕物をバインダーを配合した水溶液中で混合
し、そのスラリーをスプレードライヤーにおいて乾燥し
て造粒し、その顆粒を成形型により成形した後、その成
形物を1300〜1400℃において0〜10時間保持し、焼成し
てチタン酸バリウム磁器半導体が得られる。 本発明によるチタン酸バリウム磁器半導体は室温にお
ける抵抗率の小さい素子、すなわち、電流容量の小さい
回路中に対応することができる低抵抗PTC素子として使
用することができるものである。 以下において本発明を試験例、実施例および比較例に
よりさらに詳しく説明する。 試験例1 酸化アンチモン(Sb2O3)添加の及ぼす電気特性の影
響について試験を行った。 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.72
g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウム社製)2
90.12g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカ
ル社製)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製、99.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レア
メタリック社製、99.9%試薬)1.0908g、および酸化ア
ンチモン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)
1.0584gを5容量のボールミルに入れ、これに水3.5
と直径25mmのナイロンコーティングされた鉄球40個とを
加え、24時間湿式粉砕、混合した後、ろ過し、その混合
物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物を成形用
金型〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150kg/cm2
の加圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、180℃
/時の昇温速度において加熱し、1150℃において2時間
仮焼した。 その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球を20
個、及び直径10mmの同様の鉄球15個とを加え16時間湿式
粉砕し、これに15wt%ポリビニルアルコール(PVA)水
溶液150gを加え、2時間攪拌した後、そのスラリーをス
プレードライヤーにおいて噴霧乾燥して、径約50μmの
顆粒に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm(径)
×35mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、
その成形物を下記の条件において焼成した。 温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜800℃ 145℃/時の昇温 800 ℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 1.5時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜 500℃ 245℃/時の降温 550 ℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて、電極を形成し、その電極上にカバー電
極(デグサ社製)を塗布し560℃において5分間さらに
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.001Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
3℃であり、抵抗の立ち上り幅は4桁であった。このと
き室温における抵抗率は19.50Ω・cmであった。 試験例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.95g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.20g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.81g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0911gおよび酸化アンチモン(Sb2O3)0.
7409gを使用したこと以外は、試験例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。 このチタン酸バイルム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0007Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、11
5℃で抵抗の立ち上り幅は3桁であった。このとき室温
での抵抗率は3.4kΩ・cmであった。 試験例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.37g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2086g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902gおよび酸化アンチモン(Sb2O3)1.
5868gを使用したこと以外は、試験例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3 +0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O3 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、測定不可
能であった。 実施例1 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.47
g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウム社製)2
89.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカ
ル社製)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製9
9.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レアメタリ
ック社製99.9%試薬)1.0903g、および酸化アンチモン
(Sb2O3、レアメタリック社製99.9%試薬)1.0580gおよ
び酸化ニオブ(Nb2O5、レアメタリック社製99.9%試
薬)0.3818gを5容量のボールミルに入れ、これに水
3.5と直径25mmのナイロンコーティングされた鉄球40
個とを加え、24時間湿式粉砕、混合した後、ろ過し、そ
の混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物を
成形用金型〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150k
g/cm2の加圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、1
80℃/時の昇温速度において加熱し、1150℃において2
時間仮焼した。 その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球を20
個、及び直径10mmの同様の鉄球15個とを加え、16時間湿
式粉砕し、これに15wt%のポリビニルアルコール(PV
A)水溶液150gを加え、2時間攪拌した後、そのスラリ
ーをスプレードライヤーにおいて噴霧乾燥して、径約50
μmの顆粒に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm
(径)×35mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成
形し、その成形物を下記の条件において焼成した。 温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜 800℃ 145℃/時の昇温 800 ℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 15時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜 550℃ 245℃/時の降温 550 ℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、560℃において5分間さらに
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.00045Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
3℃で抵抗の立ち上り幅は約3.5桁であった。このとき室
温での抵抗率は7.47Ω・cmであった。 実施例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.45g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.98g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0903g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0580
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.4243gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム磁器半
導体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成
は、次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.001Sb2O3+0.0005Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は106
℃で、抵抗の立ち上り幅は約3.5桁であった。このとき
室温での抵抗率は6.77Ω・cmであった。 また、この試料の直流耐電圧を測定したところ、安定
な耐電圧は19.80V/mmであった。 実施例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.39g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0579
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.5092gを使用したこと以
外は実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体
の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0006Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は、10
2℃で、抵抗の立ち上り幅は約3桁であった。このとき
室温での抵抗率は16.33Ω・cmであった。 比較例1 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.67g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.08g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0906g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0583
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.30850gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導
体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0001Nb2O5 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、諸特性の
測定は不可能であった。 比較例2 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.56g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.03g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0905g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0581
gおよび酸化ニオブ(Nb2O5)0.2545gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導
体の試料を得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0003Nb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は108
℃で抵抗の立ち上り幅は約4.8桁であった。このとき室
温での抵抗率は331.2Ω・cmであった。 比較例3 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.33g高純度二酸化チタ
ン(TiO2)289.94g,無水炭酸ストロンチウム(SrCO3)2
6.79g,炭酸マンガン(MnCO3)0.2087g,二酸化ケイ素(S
iO2)1.0901g、酸化アンチモン(Sb2O3)1.0578gおよび
酸化ニオブ(Nb2O5)0.5940gを使用したこと以外は実施
例1と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。 このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。 (Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0007Nb2O5 この試料は、絶縁体化して半導体とならず測定不可能
であった。 比較例4 酸化ニオブ(Nb2O5)の代わりに、酸化タンタリウム
(Ta2O5)を0.03モル%使用したこと以外は、実施例2
と同様にしてチタン酸バリウム磁器半導体の試料を得
た。 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域の表れる温度(キュリー点)は105
℃で、抵抗の立ち上り幅は約4桁であった。このとき室
温での抵抗率は6.22Ω・cmであった。 また、この試料の直流耐電圧を測定したところ、安定
な耐電圧は13.09V/mmであった。 [測定方法] (1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810P
タバイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃か
ら190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化
を直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定した。 測定により得られた電気抵抗−温度のプロットより、
室温における抵抗値の2倍の抵抗値を示すときの温度を
キュリー点とした。 (2)室温抵抗率 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を25℃の測定槽に
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。 チタン酸バリウム磁器半導体の試料の調製において電
極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定してお
き、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率と
した。 ρ=R・S/t ρ:比抵抗(抵抗率)〔Ω・cm〕 R:電気抵抗の測定値〔Ω〕 S:電極の面積〔cm2〕 t:試料の厚さ〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上り幅 キュリー点の測定の温度変化に対する試料の電気抵抗
の変化の測定を200℃を越える温度まで続行し、その抵
抗率−温度のプロットにおいて、キュリー点以下の抵抗
率と200℃における抵抗率を比較して、その桁数を抵抗
率の立ち上り幅とした。 (4)直流耐電圧 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定ホルダーに
取り付け、直流安定化電源(REGULATED DC POWER SUPPL
Y GPO350−2、GPO25−5、TAKASAGO LTD.)と直流電圧
計(マルチメーター 3457A、HEWLETT PACCKERD)、マ
ルチメーター(ADVAN−TEST)とを接続した。100mVから
電圧を徐々に上げ、直流電圧計で読み取った電圧に対す
る電流値をマルチメーターで測定した。 測定により得られた電圧に対する電流値のプロットよ
り、その極小値を取る電圧をVmとし、この電圧を安定領
域における直流電圧値とした。 [測定結果] 結果は第1表に示すとおりであった。 チタン酸バリウム磁器半導体の酸化ニオブ(Nb2O5)
添加量と比抵抗の関係を第1図に示す。 また、各酸化ニオブ添加量における比抵抗−温度関係
を第2図に示す。
キュリー点以上の温度において、正の抵抗温度係数を
有し、また室温における抵抗率が小さく、キュリー点以
上の温度における抵抗率の立ち上り幅の大きいチタン酸
バリウム磁器半導体が得られる。 本発明によるチタン酸バリウム磁器半導体は、室温に
おける抵抗率の小さい素子、すなわち、電流容量の小さ
い回路中に対応することができる低抵抗PTC素子として
使用することができる。また、直流において、比較的安
定した電流−電圧特性を有するため、耐電圧を要する用
途に使用することができる。
有し、また室温における抵抗率が小さく、キュリー点以
上の温度における抵抗率の立ち上り幅の大きいチタン酸
バリウム磁器半導体が得られる。 本発明によるチタン酸バリウム磁器半導体は、室温に
おける抵抗率の小さい素子、すなわち、電流容量の小さ
い回路中に対応することができる低抵抗PTC素子として
使用することができる。また、直流において、比較的安
定した電流−電圧特性を有するため、耐電圧を要する用
途に使用することができる。
第1図はチタン酸バリウム磁器半導体の酸化ニオブ添加
量と比抵抗の関係を示す特性図、第2図は各酸化ニオブ
添加量における比抵抗−温度関係を示す特性図である。
量と比抵抗の関係を示す特性図、第2図は各酸化ニオブ
添加量における比抵抗−温度関係を示す特性図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−59888(JP,A) 特開 昭54−149898(JP,A) 特開 昭49−89198(JP,A) 特公 昭41−17784(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
ム基体組成物に半導体化剤を加えて、焼成することから
なるチタン酸バリウム磁器半導体の製造法において、半
導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て、0.09〜0.13モル%のSb2O3および0.04〜0.06モル%
のNb2O5を使用することを特徴とするチタン酸バリウム
系磁器半導体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1201814A JPH0822773B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1201814A JPH0822773B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0365559A JPH0365559A (ja) | 1991-03-20 |
JPH0822773B2 true JPH0822773B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=16447349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1201814A Expired - Fee Related JPH0822773B2 (ja) | 1989-08-03 | 1989-08-03 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JPH0822773B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008050875A1 (fr) | 2006-10-27 | 2008-05-02 | Hitachi Metals, Ltd. | Composition céramique de semi-conducteur et son procédé de fabrication |
CN113402986A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-09-17 | 光之科技(北京)有限公司 | Ptc材料的制备方法及ptc材料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2450327A4 (en) * | 2009-07-01 | 2014-06-11 | Murata Manufacturing Co | SEMICONDUCTOR CERAMICS AND THERMISTOR WITH POSITIVE COEFFICIENT |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4989198A (ja) * | 1972-12-28 | 1974-08-26 | ||
JPS5359888A (en) * | 1977-03-28 | 1978-05-30 | Tdk Corp | Manufacturing method of barium titanate group semi-conductor porcelain |
JPS5948521B2 (ja) * | 1978-05-17 | 1984-11-27 | 松下電器産業株式会社 | 正特性半導体磁器の製造方法 |
-
1989
- 1989-08-03 JP JP1201814A patent/JPH0822773B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008050875A1 (fr) | 2006-10-27 | 2008-05-02 | Hitachi Metals, Ltd. | Composition céramique de semi-conducteur et son procédé de fabrication |
CN113402986A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-09-17 | 光之科技(北京)有限公司 | Ptc材料的制备方法及ptc材料 |
CN113402986B (zh) * | 2021-08-20 | 2022-06-24 | 光之科技(北京)有限公司 | Ptc材料的制备方法及ptc材料 |
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JPH0365559A (ja) | 1991-03-20 |
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