JP2613323B2 - チタン酸バリウム系磁器半導体 - Google Patents

チタン酸バリウム系磁器半導体

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JP2613323B2 JP3115964A JP11596491A JP2613323B2 JP 2613323 B2 JP2613323 B2 JP 2613323B2 JP 3115964 A JP3115964 A JP 3115964A JP 11596491 A JP11596491 A JP 11596491A JP 2613323 B2 JP2613323 B2 JP 2613323B2
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barium titanate
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佳信 尾原
哲也 西
哲生 山口
直樹 勝田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キュリー点以上の温度
において正の抵抗温度係数を有し、室温抵抗率が非常に
小さいことによる優れたPTC特性を有するチタン酸バ
リウム系磁器半導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】希土類元素、タンタル、ビスマス、タン
グステン、銀、アンチモン等の酸化物をチタン酸バリウ
ム系磁器に添加することによって、正の抵抗温度係数
(PTC特性)を有する磁器半導体が得られることは従
来から知られている。また、例えば特開昭53−598
88号公報等には、希土類元素、タンタル、ニオブ、ま
たはアンチモンを含有するチタン酸バリウム系磁器半導
体組成物に二酸化ケイ素を添加し、酸素の存在下で焼成
することによって磁器半導体組成物の電気特性が向上す
ることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のチタン酸バリウム系磁器半導体は、キュリー点以上
の温度における抵抗率の立ち上がり幅が小さく、また、
室温における抵抗率が大きいため、電流容量の小さい回
路中に対応し得るような汎用性に優れた低抵抗PTC素
子が得難いという問題を生じている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、キュリー点移動物質としてPbTiO3
含むチタン酸バリウム系基体組成物に、半導体化剤とし
て0.11モル%より多く、0.13モル%より少ない範囲
のSb2 3 を含むことを特徴としている。
【0005】
【作用】上記のようにキュリー点移動物質としてPbT
iO3 を含み、かつ、半導体化剤として0.11モル%よ
り多く、0.13モル%より少ない範囲のSb2 3 を添
加して作製することにより、室温における抵抗率が非常
に小さく、しかもキュリー点以上の温度において抵抗率
の立ち上がり幅の大きい正の抵抗温度係数を有するチタ
ン酸バリウム系磁器半導体が得られる。この結果、電流
容量の小さい回路中に対応することが可能で汎用性に優
れた低抵抗PTC素子を得ることができる。
【0006】
【実施例】
〔実施例1〕無水炭酸バリウム(BaCO3 、堺化学社
製高純度品)、高純度二酸化チタン(TiO2 、東邦チ
タニウム社製)、酸化鉛(PbO、日本化学社製リサー
ジ1号)、炭酸マンガン(MnCO3 、和光純薬社製、
99.9%)、二酸化ケイ素(SiO2 )、酸化アンチモ
ン(Sb2 3 、レアメタリック社製、99.9%)を出
発原料として以下の組成となるように配合した。
【0007】 (Ba0.95Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.0012Sb2O3 すなわち、上記式に示されているように、キュリー点移
動物質としてPbTiO3 を5モル%、鉱化剤としてM
nO2 を0.05モル%、異常粒成長抑制剤として二酸化
ケイ素を0.5モル%、そして、半導体化剤としてのSb
2 3 を0.12モル%それぞれ含有するように配合し
た。
【0008】配合後の原料1キログラムを、内容積5リ
ットルのナイロン製ボールミルに、メノウボール(直径
25mm)40個とイオン交換水3リットルと共に入
れ、24時間混合した。混合終了後、濾過し、130℃
で16時間乾燥した。その後、乾燥混合物を内径45m
m、高さ65mmの成形用金型に充填し、150kg/
cm2 の圧力で加圧成形した後180℃/minの昇温
速度で1150℃まで昇温し、1150℃で2時間仮焼
した。
【0009】その後、仮焼物を乳鉢で粉砕した後、11
9メッシュのふるいを通して分級し、粉末を成形用金型
(内径12.5mm、高さ35mm)に入れ、1トン/
cm2 の圧力で加圧成形し、その成形物を次の条件にて
焼成した。 〔温度範囲〕 〔昇温または降温の条件〕 室温〜800℃ 145℃/hの昇温 800℃ 2時間保持 800〜1360℃ 150℃/hの昇温 1360℃ 15分間保持 1360〜1000℃ 360℃/hの降温 1000〜550℃ 245℃/hの降温 550℃ 温度コントロールの終了 焼成後の試料は室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤
面にオーミック性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、5
80℃で5分間焼付けて電極を形成した。さらに、その
電極上にカバー電極(デグサ社製)を塗布し、560℃
で5分間焼付けを行って、チタン酸バリウム系磁器半導
体の試料を得た。
【0010】この試料のキュリー点は148℃であり、
抵抗の立ち上がり幅は3.8桁であった。また試料の室温
における抵抗率は4.6Ω・cmであった。抵抗−温度特
性の測定結果を図1中のaの曲線にて示している。
【0011】〔実施例2〕無水炭酸バリウム(BaCO
3 、堺化学社製高純度品)、高純度二酸化チタン(Ti
2 、東邦チタニウム社製)、酸化鉛(PbO、日本化
学社製リサージ1号)、炭酸マンガン(MnCO3 、和
光純薬社製、99.9%)、二酸化ケイ素(SiO2 )、
酸化アンチモン(Sb2 3 、レアメタリック社製、9
9.9%)を出発原料として以下の組成となるように配合
した。
【0012】 (Ba0.95Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.00125Sb2O3 上記の配合で、実施例1と同様な操作でチタン酸バリウ
ム系磁器半導体を作製した。焼成後の試料に実施例1と
同様に電極を形成し、電気特性を測定した。
【0013】この試料のキュリー点は145℃であり、
抵抗の立ち上がり幅は3.5桁であった。また、試料の室
温における抵抗率は3.7Ω・cmであった。抵抗−温度
特性の測定結果を図1中のbの曲線にて示している。
【0014】〔比較例1〕無水炭酸バリウム(BaCO
3 、堺化学社製高純度品)、高純度二酸化チタン(Ti
2 、東邦チタニウム社製)、酸化鉛(PbO、日本化
学社製リサージ1号)、炭酸マンガン(MnCO3 、和
光純薬社製、99.9%)、二酸化ケイ素(SiO2 )、
酸化アンチモン(Sb2 3 、レアメタリック社製、9
9.9%)を出発原料として以下の組成となるように配合
した。
【0015】 (Ba0.95Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.0011Sb2O3 上記の配合で、実施例1と同様な操作でチタン酸バリウ
ム系磁器半導体を作製した。焼成後の試料に実施例1と
同様に電極を形成し、電気特性を測定した。
【0016】この試料のキュリー点は145℃であり、
抵抗の立ち上がり幅は3.2桁であった。また、試料の室
温における抵抗率は12.5Ω・cmであった。抵抗−温
度特性の測定結果を図1中のcの曲線にて示している。
【0017】〔比較例2〕無水炭酸バリウム(BaCO
3 、堺化学社製高純度品)、高純度二酸化チタン(Ti
2 、東邦チタニウム社製)、酸化鉛(PbO、日本化
学社製リサージ1号)、炭酸マンガン(MnCO3 、和
光純薬社製、99.9%)、二酸化ケイ素(SiO2 )、
酸化アンチモン(Sb2 3 、レアメタリック社製、9
9.9%)を出発原料として以下の組成となるように配合
した。
【0018】 (Ba0.95Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2 +0.0013Sb2O3 上記の配合で、実施例1と同様な操作でチタン酸バリウ
ム系磁器半導体を作製した。焼成後の試料に実施例1と
同様に電極を形成し、電気特性を測定した。
【0019】この試料の室温における抵抗率は3400
Ω・cmであった。
【0020】以上実施例1、実施例2、比較例1、比較
例2の結果を整理すると、表1に示すようになる。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、半導体化剤とし
てチタン酸バリウム系基体組成物にSb2 3 を添加す
ることによって、室温における抵抗率を非常に小さくす
ることができる。しかし、Sb2 3 の添加量が、0.1
1モル%より少ない場合、または、0.13モル%よりも
多い場合には室温における抵抗率は大きくなってしま
う。したがって、半導体化剤としてのSb2 3 の添加
量は、PbTiO3 をキュリー点移動物質として含むチ
タン酸バリウム系磁器半導体において、0.11モル%よ
り多く、0.13モル%より少ない範囲とすることによっ
て、室温抵抗率が非常に小さく、かつ、抵抗率の立ち上
がり幅の大きい優れたPTC特性を有するチタン酸バリ
ウム系磁器半導体が得られることが明らかとなった。
【0023】なお、チタン酸バリウム系磁器半導体の試
料の諸物性の測定方法について説明すれば、以下の通り
である。
【0024】(1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム系磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取りつけ、測定槽〔MINI-SUBZERO MC-810P タ
バイ エスペック社製〕内に装着して、−50℃から1
90℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化を
直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定する。測定により得られた電気抵抗−温度プロット
により、抵抗値が室温における抵抗値の2倍になるとき
の温度をキュリー点とする。
【0025】(2)室温抵抗率の測定 チタン酸バリウム系磁器半導体の試料を25℃の測定槽
において、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP
製)を用いて電気抵抗を測定する。チタン酸バリウム系
磁器半導体の試料の調整において、電極塗布前に試料の
大きさ(径及び厚さ)を測定しておき、次式により比抵
抗(ρ)を算出し、これを抵抗率とする。 ρ=R・S/t ρ: 比抵抗(抵抗率) 〔Ω・cm〕 R: 電気抵抗の測定値 〔Ω〕 S: 電極の面積 〔cm2 〕 t: 試料の厚さ 〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上がり幅の測定 キュリー点の測定の温度変化(−50℃から190℃)
に対する試料の電気抵抗の変化の測定を、さらに200
℃を超える温度まで続行し、その抵抗率−温度プロット
において、キュリー点における電気抵抗の急激な立ち上
がりのときの抵抗率と200℃における抵抗率とを比較
して、その桁数の対数比を抵抗率の立ち上がり幅とす
る。
【0026】なお、本発明に係わる上記のように作製さ
れた各実施例のチタン酸バリウム系磁器半導体は、室温
での抵抗率が小さいので、電気容量の小さい回路におけ
る低抵抗PTC素子として使用することができ、例えば
温度ヒューズ、スイッチング電源のコンパレータ等とし
て使用することができる。また、キュリー点移動物質と
して添加した5モル%のPbTiO3 により、キュリー
点が140℃付近にあることから、140℃付近をスイ
ッチング温度とするヒーター用素子としても応用でき
る。さらに上記以外にも電解コンデンサーの保護回路、
カラーテレビ自動消磁装置、自動車等のモータ起動装
置、電子機器の加熱防止装置、遅延素子、タイマ、液面
計、無接点スイッチ、リレー接点保護装置などに利用す
ることが可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明に係わるチタン酸バリウム系磁器
半導体は、以上のように、キュリー点移動物質としてP
bTiO3 、チタン酸バリウム系基体組成物に対して0.
11モル%より多く、0.13モル%より少ないSb2
3 を半導体化剤として含む構成である。
【0028】これにより、キュリー点以上の温度におい
て正の抵抗温度係数を有すると共に、室温での抵抗率が
より小さく、かつ、抵抗率の立ち上がり幅の大きいチタ
ン酸バリウム系磁器半導体が作製されるので、電流容量
の小さい回路中に対応することが可能で汎用性に優れた
低抵抗PTC素子を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるチタン酸バリウム系磁器半導体
における比抵抗温度特性の測定結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−33062(JP,A) 特開 平3−218966(JP,A) 特開 平4−65356(JP,A) 特開 平4−188602(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キュリー点移動物質としてPbTiO3
    含むチタン酸バリウム系基体組成物に、半導体化剤とし
    て0.11モル%より多く、0.13モル%より少ない範囲
    のSb2 3 を含むことを特徴とするチタン酸バリウム
    系磁器半導体。
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