JP2566335B2 - チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法

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JP2566335B2 JP2178787A JP17878790A JP2566335B2 JP 2566335 B2 JP2566335 B2 JP 2566335B2 JP 2178787 A JP2178787 A JP 2178787A JP 17878790 A JP17878790 A JP 17878790A JP 2566335 B2 JP2566335 B2 JP 2566335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、キュリー点以上の温度において正の抵抗温
度係数を有し、室温抵抗率が非常に小さいことによる優
れたPTC特性を有するチタン酸バリウム磁器半導体の製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
チタン酸バリウム系磁器に、ランタン、タンタル、セ
リウム、イットリウム、ビスマス、タングステン、銀、
サマリウム、ディスプロシウム等の酸化物をチタン酸バ
リウム系磁器に添加することによって、正の抵抗温度係
数(PTC特性)を有する磁器半導体を得ることは、従来
から広く知られている。また、希土類元素、タンタル、
ニオブ、またはアンチモンを含有するチタン酸バリウム
系磁器半導体組成物に二酸化ケイ素を添加し、酸素の存
在下で焼成することによって磁器半導体組成物の電気特
性を向上させることも提案されている(特開昭53−5988
8号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来のチタン酸バリウム磁器半導体の
製造方法では、キュリー点以上の温度における抵抗率の
立ち上がり幅が大きく、室温において抵抗率が非常に小
さく、且つ素体の密度の高いチタン酸バリウム磁器半導
体を得るのは難しいという問題点を有している。
〔課題を解決するための手段〕
特許請求の範囲第1項に係るチタン酸バリウム磁器半
導体の製造方法は、上記課題を解決するために、キュリ
ー点移動物質を含むチタン酸バリウム基体組成物に半導
体化剤を加えて焼成してなるチタン酸バリウム磁器半導
体の製造方法において、半導体化剤として、チタン酸バ
リウム基体組成物に対して、素体の密度を大きくするた
めの0.1モル%〜50モル%のPbTiO3と、0.075モル%〜0.
1モル%のSb2O3と、室温における抵抗率を小さくすると
共にPbとの相溶性が良好な0.01モル%〜0.03モル%のLa
O3とを使用することを特徴としている。
特許請求の範囲第2項に係るチタン酸バリウム磁器半
導体の製造方法は、特許請求の範囲第1項の構成に加え
て、キュリー点を低温側へシフトさせるための0.1モル
%〜30モル%のSrTiO3が更に添加されていることを特徴
としている。
〔作 用〕
特許請求の範囲第1項の構成によれば、添加した半導
体化剤によって、半導体化が容易に行え、しかも室温で
の抵抗率をより小さく設定することができ、キュリー点
以上の温度における抵抗率の立ち上がり幅を大きくでき
るので、電流容量の小さい回路中で使用される汎用性に
優れた低抵抗PCT素子を製造することができる。また、
鉛化合物であるPbTiO3の添加により、バリウムサイトを
一部Pbで置換できるので、素体の密度が非常に大きくな
り、電流容量の大きい回路にも適用できる。なお、半導
体化剤添加の際、PbとLaの相溶性が良好である。しか
も、La2O3の添加により、室温における抵抗率が小さく
できる。
特許請求の範囲第2項の構成によれば、SrTiO3が更に
添加されるので、キュリー点を低温側へシフトさせるこ
とが可能となる。つまり、PbTiO3はキュリー点を高温側
へシフトさせるが、SrTiO3の添加によりキュリー点が低
温側へシフトするので、キュリー点を所望の温度に設定
できる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
本実施例は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の
キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウム基体組成物
に半導体化剤を加えて焼成することからなるチタン酸バ
リウム磁器半導体の製造方法において、半導体化剤とし
て、チタン酸バリウム基体組成物に対して、0.080モル
%〜0.145モル%の酸化アンチモン(Sb2O3)、0.01モル
%〜0.06モル%の酸化ランタン(La2O3)を使用し、さ
らにバリウムサイトを一部鉛で置換(0.1モル%〜50.0
モル%のPbTiO3)した時に、酸化ランタン(La2O3)の
添加量によって室温における抵抗率がどのように変化
し、その結果、チタン酸バリウム磁器半導体の製造に対
して半導体化剤の添加量の好ましい範囲を開示してい
る。
本実施例においては、キュリー点移動物質を含むチタ
ン酸バリウム基体組成物に対して、0.080モル%〜0.145
モル%の酸化アンチモン(Sb2O3)、および0.01モル%
〜0.06モル%の酸化ランタン(La2O3)を配合するが、
その際、この配合物に鉱化剤として炭酸マンガン(MnCO
3)を配合し、また電圧依存性安定剤として二酸化ケイ
素(SiO2)等を配合している。さらに、この基体組成物
に鉛化合物である0.1モル%〜50.0モル%のチタン酸鉛
(PbTiO3)を添加し、バリウムサイトを一部Pbで置換す
ることによって、素体の密度を大きくしている。上記構
成において、PbとLaとの相溶性は良好である。
尚、上記添加物に加えて、さらに0.1モル%〜30モル
%のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を添加してもよ
い。これにより、上記チタン酸鉛(PbTiO3)はキュリー
点を高温側へシフトさせるが、チタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)はキュリー点を低温側へシフトさせるので、
キュリー点を所望の温度に設定できる。
この配合物を自動乳鉢において1時間〜24時間、エタ
ノール(特級試薬)の存在下で湿式混合し、乾燥した
後、1000℃〜1400℃において1時間〜3時間仮焼する。
仮焼した配合物は、粉砕し、自動乳鉢においてPVA(ポ
リビニルアルコール)2wt%〜8wt%の水溶液を加えて1
時間〜6時間混合し、乾燥した後に十分粉砕する。この
ようにして得られた粉末を円盤状成形器において成形し
た後、その成形物を1300℃〜1400℃において0時間〜10
時間保持し、焼成してチタン酸バリウム磁器半導体が得
られる。
以上において本発明を〔比較例〕、および〔実施例
1〕ないし〔実施例3〕に基づいて、さらに詳細に説明
する。
〔比較例〕
無水炭酸バリウム(BaCO3、堺化学社製BW−KL)680.5
2g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウム社製)
90.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカ
ル社製)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製、99.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レア
メタリック社製、99.9%試薬)1.0904g、酸化アンチモ
ン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)1.0581
g、および酸化タンタリウム(Ta2O5、レアメタリック社
製、99.9%試薬)0.3209gを5容量のボールミルに入
れ、これに水3.5を加え、24時間、湿式粉砕、混合し
た後、ろ過し、その混合物を130℃において乾燥した。
その乾燥混合物を成形用金型〔6.5mm(径)×45mm(高
さ)〕に入れ、150kg/cm2の加圧下で成形し、その成形
物を電気炉に入れ、180℃/時の昇温速度において加熱
し、1150℃において2時間、仮焼した。
その仮焼物成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
を加えて、16時間、湿式粉砕し、これに150%(w/w)ポ
リビニルアルコール(PVA)水溶液150gを加え、2時
間、撹拌した後、そのスラリーをスプレードライヤーで
噴霧乾燥して、径約50μmの顆粒に造粒した。その顆粒
を成形用金型〔12.5mm(径)×35mm(高さ)〕に入れ、
1ton/cm2の加圧下で成形し、その成形物を下記の条件に
おいて焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜800℃ 145℃/時の昇温 800℃ 2時間保持 800℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 15分間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜550℃ 245℃/時の降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間、焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電
極(デグサ社製)を塗布し、560℃において5分間さら
に焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料
を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.001Sb2O3+0.0002Ta2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は107
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は約3.5桁であった。こ
のとき室温における抵抗率は5.50Ω・cmであり、素体の
密度は5.54g/cm3であった。
〔実施例1〕 無水炭酸バリウム(BaCO3、日本化学工業製高純度
品)61.15g、高純度二酸化チタン(TiO2、東邦チタニウ
ム社製)29.16g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本
荘ケミカル社製)5.38g、酸化鉛(PbO、日本化学工業製
高純度品)4.07g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製
99.9%)0.0209g、二酸化ケイ素(SiO2、東芝セラミッ
クス製、US−85)0.1095g、酸化アンチモン(Sb2O3、レ
アメタリック社製、99.9%試薬)0.1063g、酸化ランタ
ン(La2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)0.0119g
を内径200mmのアルミナ乳鉢に入れ、自動乳鉢において
3時間エタノール(特級試薬)の存在下で湿式混合した
後、その混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混
合物を90mm×90mmのアルミナルツボ(三菱鉱業セメント
製、DFA−PS99)に入れ、これを電気炉に入れて180℃/
時の昇温速度で加熱し、1150℃で2時間仮焼した。
その仮焼物を乳鉢で粉砕した後、自動乳鉢においてポ
リビニルアルコール(PVA)2wt%水溶液を約100ccとと
もに3時間混合し、130℃で乾燥した。
このようにして得られた乾燥物を乳鉢でよく粉砕し、
PVA配合の粉末を成形用成形器〔12.5mm(径)×35mm
(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その成
形物を次の条件において焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温〜800℃ 145℃/hの昇温 800℃ 2時間保持 800℃〜1360℃ 150℃/hの昇温 1360℃ 15分間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/hの降温 1000℃〜550℃ 245℃/hの降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、さらに560℃において5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
(Ba0.85Sr0.10Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.00075Sb2O3+0.0001La2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は107
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は4.6桁であった。この
とき室温における抵抗率は39.48Ω・cmであり、素体の
密度は5.85g/cm3であった。
〔実施例2〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)61.14g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.16g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)5.38g、酸化鉛(PbO)4.067g、炭酸マンガン(MnCO
3)0.0210g、二酸化ケイ素(SiO2)0.1095g、酸化アン
チモン(Sb2O3)0.1062g、酸化ランタン(La2O3)0.023
8gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチタ
ン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.85Sr0.10Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.0010Sb2O3+0.0002La2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は114
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は3.4桁であった。この
とき室温での抵抗率は5.52Ω・cmであり、素体の密度は
5.79g/cm3であった。
〔実施例3〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)61.13g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.15g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)5.38g、酸化鉛(PbO)4.07g、炭酸マンガン(MnC
O3)0.0210g、二酸化ケイ素(SiO2)0.1095g、酸化アン
チモン(Sb2O3)0.1062g、酸化ランタン(La2O3)0.035
6gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチタ
ン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりである。
(Ba0.85Sr0.10Pb0.05)TiO3+0.0005MnO2 +0.005SiO2+0.0010Sb2O3+0.0003La2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は109
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は4.0桁であった。この
とき室温での抵抗率は44.72Ω・cmであり、素体の密度
は5.88g/cm3であった。
以上より、〔比較例〕、および〔実施例1〕ないし
〔実施例3〕の結果を整理すると、第1表に示すように
なる。第1表から明らかなように、半導体化剤として、
キュリー点以上の温度において正の抵抗温度係数を有
し、また、室温における抵抗率が非常に小さいチタン酸
バリウム磁器半導体が得られる。また、〔実施例1〕な
いし〔実施例3〕はPbTiO3を含んでいるために、PbTiO3
を含まない比較例と比べてその素体の密度が非常に大き
いものとなっている。
また、本実施例のチタン酸バリウム磁器半導体の室温
における抵抗率の酸化ランタン(La2O3)添加量依存性
は、第1図に示すようになる。第1図に示すように、酸
化ランタン(La2O3)添加量は、0.01モル%未満は配合
濃度等の制御が難しく製造上現実的でない。また、酸化
ランタン(La2O3)添加量が0.03モル%を超えると、抵
抗率は著しく大きくなることがわかる。なお、上記比較
例には、酸化ランタン(La2O3)は添加されていない。
本実施例のチタン酸バリウム磁器半導体の抵抗率の温度
依存性は、第2図に示すようになる。第2図に示すよう
に、キュリー点を超えたところで、各実施例においてそ
れぞれの抵抗率が大きくなっており、その立ち上がり幅
も非常に大きなものとなっている。一方、キュリー点以
下のところでは、それぞれの抵抗率は略一定で低く保た
れている。なお、第2図中の(1)〜(3)は、前記
〔実施例1〕〜〔実施例3〕の特性にそれぞれ対応して
いる。
ここで、原料の配合組成の異なる上記各種チタン酸バ
リウム磁器半導体の試料の諸物性の測定方法を以下に説
明する。
(1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810Pタ
バイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃から
190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化を
直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて測
定した。
測定により得られた電気抵抗−温度のプロットより、
抵抗値が室温における抵抗値の2倍になるときの温度を
キュリー点とした。
(2)室温抵抗率 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を25℃の測定槽に
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。
チタン酸バリウム磁器半導体の試料の調製において、
電極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定して
おき、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率
とした。
ρ=R・S/t ρ:比抵抗(抵抗率)〔Ω・cm〕 R:電気抵抗の測定値〔Ω〕 S:電極の面積 〔cm2〕 t:試料の厚さ 〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上がり幅 キュリー点の測定の温度変化(−50℃から190℃)に
対する試料の電気抵抗の変化の測定を、さらに200℃を
超える温度まで続行し、その抵抗率−温度ブロットにお
いて、キュリー点における電気抵抗の急激な立ち上がり
のときの抵抗率と、200℃における抵抗率とを比較し
て、その桁数を抵抗率の立ち上がり幅とした。
本発明は、以上のように、キュリー点移動物質を含む
チタン酸バリウム基体組成物に、半導体化剤として、チ
タン酸バリウム基体組成物に対して、0.080モル%〜0.1
45モル%の酸化アンチモン(Sb2O3)、および0.01〜0.0
3モル%の酸化ランタン(La2O3)を配合することがで
き、さらに、この基体組成物に0.1モル%〜50.0モル%
のチタン酸鉛(PbTiO3)を添加し、バリウムサイトを置
換することができるので、素体の密度が非常に大きく、
室温における抵抗率の小さな、正の温度係数を有するチ
タン酸バリウム磁器半導体が得られる。本発明の系が低
融点のチタン酸鉛を配合しているため、素子の密度が非
常に大きく、焼結の過程におけるポアの生成を防止しや
すくなっている。従って、緻密で耐電圧の高い素子を得
ることができる。さらに、0.1モル%〜30モル%のチタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3)を添加した場合、チタン
酸バリウム磁器半導体のキュリー点を低温側へシフトさ
せるので、キュリー点を所望の温度に設定できる。
なお、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体は、
室温において抵抗率が小さいので、電流容量の小さい回
路における低抵抗RTC素子として使用することができ、
例えば温度ヒューズスイッチング電源のコンパレータと
しても使用することができる。本発明に係るチタン酸バ
リウム磁器半導体は、上記以外に、電解コンデンサーの
保護回路、カラーTV自動消磁装置、自動車等のモータ起
動装置、電子機器の過熱防止装置、遅延素子、タイマ、
液面計、無接点スイッチ、リレー接点保護装置などに利
用することができる。
〔発明の効果〕 特許請求の範囲第1項に係るチタン酸バリウム磁器半
導体の製造方法は、以上のように、キュリー点移動物質
を含むチタン酸バリウム基体組成物に半導体化剤を加え
て焼成してなるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法
において、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組
成物に対して、素体の密度を大きくするための0.1モル
%〜50モル%のPbTiO3と、0.075モル%〜0.1モル%のSb
2O3と、室温における抵抗率を小さくすると共にPbとの
相溶性が良好な0.01モル%〜0.03モル%のLa2O3とを使
用する構成である。
それゆえ、キュリー点以上の温度において正の抵抗温
度係数を有し、室温における抵抗率が非常に小さいチタ
ン酸バリウム磁器半導体が確実に得られる。また、本発
明に係るチタン酸バリウム磁器半導体は、鉛化合物を含
んでいるために、密度が非常に大きい素体が得られ、焼
結の過程におけるポアの生成を防止できるので、緻密で
耐電圧の高い素子として電流容量の大きい用途にも広範
囲に対応できるという効果を併せて奏する。
特許請求の範囲第2項に係るチタン酸バリウム磁器半
導体の製造方法は、以上のように、特許請求の範囲第1
項の構成に加えて、キュリー点を低温側へシフトさせる
ための0.1モル%〜30モル%のSrTiO3が更に添加されて
いる構成である。
それゆえ、PbTiO3はキュリー点を高温側へシフトさせ
るが、SrTiO3の添加によりキュリー点が低温側へシフト
するので、キュリー点を所望の温度に設定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の一実施例を示すもので
ある。 第1図は、本発明の製造方法により得られたチタン酸バ
リウム磁器半導体の室温における抵抗率の酸化ランタン
(La2O3)添加量依存性を示す説明図である。 第2図は、本発明の製造方法により得られたチタン酸バ
リウム磁器半導体の抵抗率の温度依存性を示す説明図で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
    ム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成してなるチタン
    酸バリウム磁器半導体の製造方法において、 半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
    て、素体の密度を大きくするための0.1モル%〜50モル
    %のPbTiO2と、0.075モル%〜0.1モル%のSb2O3と、室
    温における抵抗率を小さくすると共にPbとの相溶性が良
    好な0.01モル%〜0.03モル%のLa2O3とを使用すること
    を特徴とするチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】キュリー点を低温側へシフトさせるための
    0.1モル%〜30モル%のSrTiO3が更に添加されているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のチタン酸
    バリウム磁器半導体の製造方法。
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