JP2690597B2 - チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 - Google Patents
チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、キュリー点以上の温度において正の抵抗温
度係数を有し、室温抵抗率が非常に小さいことによる優
れたPTC特性を有するチタン酸バリウム磁器半導体の製
造方法に関するものである。
度係数を有し、室温抵抗率が非常に小さいことによる優
れたPTC特性を有するチタン酸バリウム磁器半導体の製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 ランタン、タンタル、セリウム、イットリウム、ビス
マス、タングステン、銀、サマリウム、ディスプロシウ
ム等の酸化物をチタン酸バリウム系磁器に添加すること
によって、正の抵抗温度係数(PTC特性)を有する磁器
半導体を得ることは、従来から広く知られている。ま
た、希土類元素、タンタル、ニオブ、またはアンチモン
を含有するチタン酸バリウム系磁器半導体組成物に二酸
化ケイ素を添加し、酸素の存在下で焼成することによっ
て磁器半導体組成物の電気特性を向上させることも提案
されている(特開昭53−59888号公報参照)。
マス、タングステン、銀、サマリウム、ディスプロシウ
ム等の酸化物をチタン酸バリウム系磁器に添加すること
によって、正の抵抗温度係数(PTC特性)を有する磁器
半導体を得ることは、従来から広く知られている。ま
た、希土類元素、タンタル、ニオブ、またはアンチモン
を含有するチタン酸バリウム系磁器半導体組成物に二酸
化ケイ素を添加し、酸素の存在下で焼成することによっ
て磁器半導体組成物の電気特性を向上させることも提案
されている(特開昭53−59888号公報参照)。
ところが、上記従来のチタン酸バリウム磁器半導体の
製造方法では、キュリー点以上の温度において正の抵抗
温度係数を有し、かつ室温において抵抗率の非常に小さ
い素子を得るのは難しいという問題点を有している。
製造方法では、キュリー点以上の温度において正の抵抗
温度係数を有し、かつ室温において抵抗率の非常に小さ
い素子を得るのは難しいという問題点を有している。
本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法
は、上記課題を解決するために、キュリー点移動物質を
含むチタン酸バリウム基体組成物に半導体化剤を加えて
焼成してなるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法で
あって、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成
物に対して、室温抵抗率を下げるためにSb2O5を使用す
ることを特徴としている。なお、Sb2O5の添加量は、0.0
7モル%〜0.17モル%の範囲である。
は、上記課題を解決するために、キュリー点移動物質を
含むチタン酸バリウム基体組成物に半導体化剤を加えて
焼成してなるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法で
あって、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成
物に対して、室温抵抗率を下げるためにSb2O5を使用す
ることを特徴としている。なお、Sb2O5の添加量は、0.0
7モル%〜0.17モル%の範囲である。
上記の構成によれば、半導体化剤として添加した0.07
モル%〜0.17モル%のSb2O5によって、半導体化がより
容易に行え、しかも室温での抵抗率をより小さく設定す
ることができるので、電流容量の小さい回路中に対応す
ることができる汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造す
ることができる。
モル%〜0.17モル%のSb2O5によって、半導体化がより
容易に行え、しかも室温での抵抗率をより小さく設定す
ることができるので、電流容量の小さい回路中に対応す
ることができる汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造す
ることができる。
本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明するば、以下のとおりである。
明するば、以下のとおりである。
本実施例は、キュリー点移動物質を含むチタン酸バリ
ウム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成することから
なるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法において、
半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチモン(Sb2O
5)を使用した時に、Sb2O5の添加量によって室温におけ
る抵抗率がどのように変化し、その結果、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の製造に対して好ましいSb2O5の添加量
の範囲を限定することを開示している。
ウム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成することから
なるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法において、
半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチモン(Sb2O
5)を使用した時に、Sb2O5の添加量によって室温におけ
る抵抗率がどのように変化し、その結果、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の製造に対して好ましいSb2O5の添加量
の範囲を限定することを開示している。
本実施例においては、炭酸ストロンチウム(SrCO3)
等のキュリー点移動物質を含むチタン酸バリウム基体組
成物に対して0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチ
モン(Sb2O5)を配合するが、その際、この配合物に鉱
化剤として炭酸マンガン(MnCO3)を、また電圧依存性
安定剤として二酸化ケイ素(SiO2)等を配合している。
等のキュリー点移動物質を含むチタン酸バリウム基体組
成物に対して0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチ
モン(Sb2O5)を配合するが、その際、この配合物に鉱
化剤として炭酸マンガン(MnCO3)を、また電圧依存性
安定剤として二酸化ケイ素(SiO2)等を配合している。
この配合物を自動乳鉢において1時間〜24時間、エタ
ノール(特級試薬)の存在下で湿式混合し、乾燥した
後、1000℃〜1400℃において1時間〜3時間仮焼する。
仮焼した配合物は、粉砕し、自動乳鉢においてPVA(ポ
リビニルアルコール)2wt%〜8wt%の水溶液を加えて1
時間〜6時間混合し、乾燥した後に十分粉砕する。この
ようにしてできた粉末を円盤状成形器において成形した
後、その成形物を1300℃〜1400℃において0時間〜10時
間保持し、焼成してチタン酸バリウム磁器半導体が得ら
れる。
ノール(特級試薬)の存在下で湿式混合し、乾燥した
後、1000℃〜1400℃において1時間〜3時間仮焼する。
仮焼した配合物は、粉砕し、自動乳鉢においてPVA(ポ
リビニルアルコール)2wt%〜8wt%の水溶液を加えて1
時間〜6時間混合し、乾燥した後に十分粉砕する。この
ようにしてできた粉末を円盤状成形器において成形した
後、その成形物を1300℃〜1400℃において0時間〜10時
間保持し、焼成してチタン酸バリウム磁器半導体が得ら
れる。
以下において、本発明を比較例および実施例に基づい
てさらに詳細に説明する。
てさらに詳細に説明する。
まず、酸化アンチモン(Sb2O3)の添加が、チタン酸
バリウム磁器半導体の電気特性に及ぼす影響について、
〔比較列1〕ないし〔比較例3〕に基づいて以下に説明
する。
バリウム磁器半導体の電気特性に及ぼす影響について、
〔比較列1〕ないし〔比較例3〕に基づいて以下に説明
する。
〔比較例1〕 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.72
g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社製)29
0.12g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカル
社製)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製,9
9.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レアメタリ
ック社製、99.9%試薬)1.0908g、および酸化アンチモ
ン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)1.0584g
を5容量のボールミルに入れ、これに水3.5と直径2
5mmのナイロンコーティングされた鉄球40個とを加え、2
4時間、湿式粉砕、混合した後、ろ過し、その混合物を1
30℃において乾燥した。その乾燥混合物を成形用金型
〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150kg/cm2の加
圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、180℃/時
の昇温速度において加熱し、1150℃において2時間仮焼
した。
g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社製)29
0.12g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカル
社製)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製,9
9.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レアメタリ
ック社製、99.9%試薬)1.0908g、および酸化アンチモ
ン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)1.0584g
を5容量のボールミルに入れ、これに水3.5と直径2
5mmのナイロンコーティングされた鉄球40個とを加え、2
4時間、湿式粉砕、混合した後、ろ過し、その混合物を1
30℃において乾燥した。その乾燥混合物を成形用金型
〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150kg/cm2の加
圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、180℃/時
の昇温速度において加熱し、1150℃において2時間仮焼
した。
その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球20個、
および直径10mmの同様の鉄球15個とを加え16時間、湿式
粉砕し、これに15wt%ポリビニルアルコール(PVA)水
溶液150gを加え、2時間、撹拌した後、そのスラリーを
スプレードライヤーで噴霧乾燥して、径約50μmの顆粒
に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm(径)×35
mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その
成形物を下記の条件において焼成した。
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球20個、
および直径10mmの同様の鉄球15個とを加え16時間、湿式
粉砕し、これに15wt%ポリビニルアルコール(PVA)水
溶液150gを加え、2時間、撹拌した後、そのスラリーを
スプレードライヤーで噴霧乾燥して、径約50μmの顆粒
に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm(径)×35
mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その
成形物を下記の条件において焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温 〜800℃ 145℃/時の昇温 800℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 1.5時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜500℃ 245℃/時の降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、560℃においてさらに5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体を得た。
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、560℃においてさらに5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.001Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は103
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は4桁であった。このと
き室温における抵抗率は19.50Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は103
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は4桁であった。このと
き室温における抵抗率は19.50Ω・cmであった。
〔比較例2〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.95g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.20g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.81g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0911g、および酸化アンチモン(Sb2O3)
0.7409gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)290.20g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.81g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0911g、および酸化アンチモン(Sb2O3)
0.7409gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0007Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は115
℃で、抵抗の立ち上がり幅は3桁であった。このとき室
温での抵抗率は3.4kΩ・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は115
℃で、抵抗の立ち上がり幅は3桁であった。このとき室
温での抵抗率は3.4kΩ・cmであった。
〔比較例3〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.37g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2086g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902g、および酸化アンチモン(Sb2O3)
1.5868gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器の試料を得た。
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2086g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902g、および酸化アンチモン(Sb2O3)
1.5868gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりである。
おりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O3 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、上記物性
の測定は不可能であった。
の測定は不可能であった。
以上〔比較例1〕ないし〔比較例3〕より、酸化アン
チモン(Sb2O3)の添加量が、所定の範囲内にあれば、
チタン酸バリウム磁器半導体の電気特性には悪影響を与
えないことがわかる。つまり、酸化アンチモン(Sb
2O3)の添加量が上記範囲外の場合には、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の抵抗の立ち上がり幅が小さくなるとと
もに、添加量に比例して絶縁体化する。酸化アンチモン
(Sb2O3)の添加量が上記範囲よりも大きい場合には、
チタン酸バリウム磁器半導体が絶縁体化してしまうこと
もある。
チモン(Sb2O3)の添加量が、所定の範囲内にあれば、
チタン酸バリウム磁器半導体の電気特性には悪影響を与
えないことがわかる。つまり、酸化アンチモン(Sb
2O3)の添加量が上記範囲外の場合には、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の抵抗の立ち上がり幅が小さくなるとと
もに、添加量に比例して絶縁体化する。酸化アンチモン
(Sb2O3)の添加量が上記範囲よりも大きい場合には、
チタン酸バリウム磁器半導体が絶縁体化してしまうこと
もある。
ところで、チタン酸バリウム磁器半導体の原料組成物
における酸化アンチモン(Sb2O3)は、単体での昇温過
程において、その一部が五酸化アンチモン(Sb2O5)に
転移する。そこで、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、五酸化アンチモン(Sb2O5)を
配合した場合について、〔実施例1〕ないし〔実施例
9〕に基づいて以下に詳細に説明する。なお、〔実施例
1〕ないし〔実施例9〕においては、Sb2O5以外の原料
の配合組成は、前記〔比較例1〕ないし〔比較例3〕に
おける配合組成と同一の条件で行ったものである。
における酸化アンチモン(Sb2O3)は、単体での昇温過
程において、その一部が五酸化アンチモン(Sb2O5)に
転移する。そこで、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、五酸化アンチモン(Sb2O5)を
配合した場合について、〔実施例1〕ないし〔実施例
9〕に基づいて以下に詳細に説明する。なお、〔実施例
1〕ないし〔実施例9〕においては、Sb2O5以外の原料
の配合組成は、前記〔比較例1〕ないし〔比較例3〕に
おける配合組成と同一の条件で行ったものである。
〔実施例1〕 無水炭酸バリウム(BaCO3,日本化学工業製高純度品)
68.09g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社
製)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケ
ミカル社製)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製99.9%)0.0209g、二酸化ケイ素(SiO2、東芝セラミ
ックス製 US−85)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb
2O5、レアメタリック社製 99.99%試薬)0.0881gを内
径200mmのアルミナ乳鉢に入れ、自動乳鉢において3時
間エタノール(特級試薬)の存在下で湿式混合した後、
その混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物
を90mm×90mmのアルミナルツボ(三菱鉱業セメント製、
DFA−PS99)に入れ、これを電気炉に入れて180℃/hの昇
温速度で加熱し、1150℃で2時間仮焼した。
68.09g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社
製)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケ
ミカル社製)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製99.9%)0.0209g、二酸化ケイ素(SiO2、東芝セラミ
ックス製 US−85)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb
2O5、レアメタリック社製 99.99%試薬)0.0881gを内
径200mmのアルミナ乳鉢に入れ、自動乳鉢において3時
間エタノール(特級試薬)の存在下で湿式混合した後、
その混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物
を90mm×90mmのアルミナルツボ(三菱鉱業セメント製、
DFA−PS99)に入れ、これを電気炉に入れて180℃/hの昇
温速度で加熱し、1150℃で2時間仮焼した。
その仮焼物を乳鉢で粉砕した後、自動乳鉢においてPV
A(ポリビニルアルコール)2wt%水溶液を約100ccとと
もに3時間混合し、130℃で乾燥した。
A(ポリビニルアルコール)2wt%水溶液を約100ccとと
もに3時間混合し、130℃で乾燥した。
このようにして得られた乾燥物を乳鉢でよく粉砕し、
PVA配合の粉末を成形用成形器〔12.5mm(径)×35mm
(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その成
形物を次の条件において焼成した。
PVA配合の粉末を成形用成形器〔12.5mm(径)×35mm
(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その成
形物を次の条件において焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温 〜800℃ 145℃/hの昇温 800℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/hの昇温 1360℃ 15分間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/hの降温 1000℃〜550℃ 245℃/hの降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、さらに560℃において5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、さらに560℃において5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00075Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は110
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は3.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は27.36Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は110
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は3.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は27.36Ω・cmであった。
〔実施例2〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.07g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.01g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.11
75gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)29.01g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.11
75gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0010Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.9桁であった。この
とき室温での抵抗率は7.21Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.9桁であった。この
とき室温での抵抗率は7.21Ω・cmであった。
〔実施例3〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.03g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.17
61gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.17
61gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は4.84Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は4.84Ω・cmであった。
〔実施例4〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.11g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1092g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.02
94gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1092g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.02
94gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりである。
おりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00025Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
の測定は不可能であった。
〔実施例5〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.11g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.05
87gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.05
87gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりであった。
おりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00050Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
の測定は不可能であった。
〔実施例6〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.01g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.98g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.20
53gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)28.98g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.20
53gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00175Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は1.2桁であった。この
とき室温での抵抗率は2.50×104Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は1.2桁であった。この
とき室温での抵抗率は2.50×104Ω・cmであった。
〔実施例7〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)67.99g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.97g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1089g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.23
46gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
タン(TiO2)28.97g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1089g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.23
46gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりであった。
おりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0020Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
の測定は不可能であった。
〔実施例8〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.04g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.00g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.15
26gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)29.00g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.15
26gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0013Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は102
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は5.82Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は102
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は5.82Ω・cmであった。
〔実施例9〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.03g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.16
44gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.16
44gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0014Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.0桁であった。この
とき室温での抵抗率は3.89Ω・cmであった。
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.0桁であった。この
とき室温での抵抗率は3.89Ω・cmであった。
以上より、〔実施例1〕ないし〔実施例9〕の結果を
整理すると、第1表に示すようになる。第1表から明ら
かなように、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体
組成物に対して五酸化アンチモン(Sb2O5)を使用する
ことによって、室温における抵抗率を非常に小さくする
ことができる。また、上記チタン酸バリウム磁器半導体
のSb2O5添加量依存性(〔実施例1〕ないし〔実施例
3〕、〔実施例6〕、〔実施例8〕、および〔実施例
9〕の各試料に対応する特性)は、第1図に示すように
なる。即ち、第1図に示すように、チタン酸バリウム磁
器半導体のSb2O5添加量が0.07モル%よりも小さいか、
または0.17モル%よりも大きい場合、室温における抵抗
率(比抵抗)は、著しく大きくなる。よって、Sb2O5の
添加量は、好ましくは、0.07モル%〜0.17モル%の範囲
であることがわかる。
整理すると、第1表に示すようになる。第1表から明ら
かなように、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体
組成物に対して五酸化アンチモン(Sb2O5)を使用する
ことによって、室温における抵抗率を非常に小さくする
ことができる。また、上記チタン酸バリウム磁器半導体
のSb2O5添加量依存性(〔実施例1〕ないし〔実施例
3〕、〔実施例6〕、〔実施例8〕、および〔実施例
9〕の各試料に対応する特性)は、第1図に示すように
なる。即ち、第1図に示すように、チタン酸バリウム磁
器半導体のSb2O5添加量が0.07モル%よりも小さいか、
または0.17モル%よりも大きい場合、室温における抵抗
率(比抵抗)は、著しく大きくなる。よって、Sb2O5の
添加量は、好ましくは、0.07モル%〜0.17モル%の範囲
であることがわかる。
また、チタン酸バリウム磁器半導体の温度依存性
(〔実施例1〕ないし〔実施例3〕、〔実施例6〕、
〔実施例8〕、および〔実施例9〕の各試料に対応する
特性)は、第2図に示すようになり、Sb2O5の添加量が
0.175モル%を越えると、室温抵抗率が高くなると共
に、抵抗率の立ち上がり幅も著しく小さくなる。また、
半導体化剤としてSb2O5を用いることにより、半導体化
できる添加領域が広くなるので、より安定に半導体素子
を得ることができる。なお、同図中、特性(1)〜
(3)はSb2O5の添加量がそれぞれ0.075モル%、0.100
モル%、および0.150モル%に対応し、特性(4)はSb2
O5の添加量が0.175モル%に対応し、特性(5)(6)
はSb2O5の添加量がそれぞれ0.130モル%、および0.140
モル%に対応している。
(〔実施例1〕ないし〔実施例3〕、〔実施例6〕、
〔実施例8〕、および〔実施例9〕の各試料に対応する
特性)は、第2図に示すようになり、Sb2O5の添加量が
0.175モル%を越えると、室温抵抗率が高くなると共
に、抵抗率の立ち上がり幅も著しく小さくなる。また、
半導体化剤としてSb2O5を用いることにより、半導体化
できる添加領域が広くなるので、より安定に半導体素子
を得ることができる。なお、同図中、特性(1)〜
(3)はSb2O5の添加量がそれぞれ0.075モル%、0.100
モル%、および0.150モル%に対応し、特性(4)はSb2
O5の添加量が0.175モル%に対応し、特性(5)(6)
はSb2O5の添加量がそれぞれ0.130モル%、および0.140
モル%に対応している。
ここで、原料の配合組成の異なる上記各種チタン酸バ
リウム磁器半導体の試料の諸物性の測定方法を以下に説
明する。
リウム磁器半導体の試料の諸物性の測定方法を以下に説
明する。
(1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810P
タバイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃か
ら190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化
を直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定した。
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810P
タバイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃か
ら190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化
を直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定した。
測定により得られた電気抵抗−温度のプロットより、
抵抗値が室温における抵抗値の2倍になるときの温度を
キュリー点とした。
抵抗値が室温における抵抗値の2倍になるときの温度を
キュリー点とした。
(2)室温抵抗率の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を25℃の測定槽に
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。
チタン酸バリウム磁器半導体の試料の調製において、
電極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定して
おき、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率
とした。
電極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定して
おき、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率
とした。
ρ=R・S/t ρ :比抵抗(抵抗率)〔Ω・cm〕 R :電気抵抗の測定値〔Ω〕 S :電極の面積〔cm2〕 t :試料の厚さ〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上がり幅の測定 キュリー点の測定の温度変化(−50℃から190℃)に
対する試料の電気抵抗の変化の測定を、さらに200℃を
超える温度まで続行し、その抵抗率−温度プロットにお
いて、キュリー点における電気抵抗の急激な立ち上がり
のときの抵抗率と、200℃における抵抗率とを比較し
て、その桁数の対数比を抵抗率の立ち上がり幅とした。
対する試料の電気抵抗の変化の測定を、さらに200℃を
超える温度まで続行し、その抵抗率−温度プロットにお
いて、キュリー点における電気抵抗の急激な立ち上がり
のときの抵抗率と、200℃における抵抗率とを比較し
て、その桁数の対数比を抵抗率の立ち上がり幅とした。
なお、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体は、
室温において抵抗率が小さいので、電流容量の小さい回
路における低抵抗PTC素子として使用することができ、
例えば温度ヒューズスイッチング電源のコンパレータと
しても使用することができる。本発明に係るチタン酸バ
リウム磁器半導体は、上記以外に、電解コンデンサーの
保護回路、カラーTV自動消磁装置、自動車等のモータ起
動装置、電子機器の過熱防止装置、遅延素子、タイマ、
液面計、無接点スイッチ、リレー接点保護装置などに利
用することができる。
室温において抵抗率が小さいので、電流容量の小さい回
路における低抵抗PTC素子として使用することができ、
例えば温度ヒューズスイッチング電源のコンパレータと
しても使用することができる。本発明に係るチタン酸バ
リウム磁器半導体は、上記以外に、電解コンデンサーの
保護回路、カラーTV自動消磁装置、自動車等のモータ起
動装置、電子機器の過熱防止装置、遅延素子、タイマ、
液面計、無接点スイッチ、リレー接点保護装置などに利
用することができる。
〔発明の効果〕 本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法
は、以上のように、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、室温抵抗率を下げるために0.07
モル%〜0.17モル%のSb2O5を使用する構成をなしてい
る。
は、以上のように、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、室温抵抗率を下げるために0.07
モル%〜0.17モル%のSb2O5を使用する構成をなしてい
る。
それゆえ、半導体化がより容易に行え、しかもキュリ
ー点以上の温度において正の抵抗温度係数を有すると共
に、室温での抵抗率をより小さく設定することができる
ので、電流容量の小さい回路中に対応することができる
汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造できる。さらに、S
b2O5は、Sb2O3に比して毒性が低いので、作業性に優れ
ているという効果を併せて奏する。
ー点以上の温度において正の抵抗温度係数を有すると共
に、室温での抵抗率をより小さく設定することができる
ので、電流容量の小さい回路中に対応することができる
汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造できる。さらに、S
b2O5は、Sb2O3に比して毒性が低いので、作業性に優れ
ているという効果を併せて奏する。
第1図および第2図は、本発明の一実施例を示すもので
ある。 第1図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の五酸化アンチモン添加量依存性を示す説明図で
ある。 第2図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の温度依存性が、五酸化アンチモン添加量によっ
て変化することを示す説明図である。
ある。 第1図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の五酸化アンチモン添加量依存性を示す説明図で
ある。 第2図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の温度依存性が、五酸化アンチモン添加量によっ
て変化することを示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
ム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成してなるチタン
酸バリウム磁器半導体の製造方法において、半導体化剤
として、チタン酸バリウム基体組成物に対して、室温抵
抗率を下げるために0.07モル%〜0.17モル%のSb2O5を
使用することを特徴とするチタン酸バリウム磁器半導体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2121468A JP2690597B2 (ja) | 1990-05-10 | 1990-05-10 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2121468A JP2690597B2 (ja) | 1990-05-10 | 1990-05-10 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0417302A JPH0417302A (ja) | 1992-01-22 |
JP2690597B2 true JP2690597B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=14811899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2121468A Expired - Fee Related JP2690597B2 (ja) | 1990-05-10 | 1990-05-10 | チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2690597B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5443198B2 (ja) * | 1974-10-18 | 1979-12-18 |
-
1990
- 1990-05-10 JP JP2121468A patent/JP2690597B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0417302A (ja) | 1992-01-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |