JP2690597B2 - チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム磁器半導体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、キュリー点以上の温度において正の抵抗温
度係数を有し、室温抵抗率が非常に小さいことによる優
れたPTC特性を有するチタン酸バリウム磁器半導体の製
造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 ランタン、タンタル、セリウム、イットリウム、ビス
マス、タングステン、銀、サマリウム、ディスプロシウ
ム等の酸化物をチタン酸バリウム系磁器に添加すること
によって、正の抵抗温度係数(PTC特性)を有する磁器
半導体を得ることは、従来から広く知られている。ま
た、希土類元素、タンタル、ニオブ、またはアンチモン
を含有するチタン酸バリウム系磁器半導体組成物に二酸
化ケイ素を添加し、酸素の存在下で焼成することによっ
て磁器半導体組成物の電気特性を向上させることも提案
されている(特開昭53−59888号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来のチタン酸バリウム磁器半導体の
製造方法では、キュリー点以上の温度において正の抵抗
温度係数を有し、かつ室温において抵抗率の非常に小さ
い素子を得るのは難しいという問題点を有している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法
は、上記課題を解決するために、キュリー点移動物質を
含むチタン酸バリウム基体組成物に半導体化剤を加えて
焼成してなるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法で
あって、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成
物に対して、室温抵抗率を下げるためにSb2O5を使用す
ることを特徴としている。なお、Sb2O5の添加量は、0.0
7モル%〜0.17モル%の範囲である。
〔作 用〕
上記の構成によれば、半導体化剤として添加した0.07
モル%〜0.17モル%のSb2O5によって、半導体化がより
容易に行え、しかも室温での抵抗率をより小さく設定す
ることができるので、電流容量の小さい回路中に対応す
ることができる汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造す
ることができる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明するば、以下のとおりである。
本実施例は、キュリー点移動物質を含むチタン酸バリ
ウム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成することから
なるチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法において、
半導体化剤として、チタン酸バリウム基体組成物に対し
て0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチモン(Sb2O
5)を使用した時に、Sb2O5の添加量によって室温におけ
る抵抗率がどのように変化し、その結果、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の製造に対して好ましいSb2O5の添加量
の範囲を限定することを開示している。
本実施例においては、炭酸ストロンチウム(SrCO3
等のキュリー点移動物質を含むチタン酸バリウム基体組
成物に対して0.075モル%〜0.200モル%の五酸化アンチ
モン(Sb2O5)を配合するが、その際、この配合物に鉱
化剤として炭酸マンガン(MnCO3)を、また電圧依存性
安定剤として二酸化ケイ素(SiO2)等を配合している。
この配合物を自動乳鉢において1時間〜24時間、エタ
ノール(特級試薬)の存在下で湿式混合し、乾燥した
後、1000℃〜1400℃において1時間〜3時間仮焼する。
仮焼した配合物は、粉砕し、自動乳鉢においてPVA(ポ
リビニルアルコール)2wt%〜8wt%の水溶液を加えて1
時間〜6時間混合し、乾燥した後に十分粉砕する。この
ようにしてできた粉末を円盤状成形器において成形した
後、その成形物を1300℃〜1400℃において0時間〜10時
間保持し、焼成してチタン酸バリウム磁器半導体が得ら
れる。
以下において、本発明を比較例および実施例に基づい
てさらに詳細に説明する。
まず、酸化アンチモン(Sb2O3)の添加が、チタン酸
バリウム磁器半導体の電気特性に及ぼす影響について、
〔比較列1〕ないし〔比較例3〕に基づいて以下に説明
する。
〔比較例1〕 無水炭酸バリウム(BaCO3,堺化学社製BW−KL)680.72
g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社製)29
0.12g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケミカル
社製)26.80g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社製,9
9.9%試薬)0.2087g、二酸化ケイ素(SiO2、レアメタリ
ック社製、99.9%試薬)1.0908g、および酸化アンチモ
ン(Sb2O3、レアメタリック社製、99.9%試薬)1.0584g
を5容量のボールミルに入れ、これに水3.5と直径2
5mmのナイロンコーティングされた鉄球40個とを加え、2
4時間、湿式粉砕、混合した後、ろ過し、その混合物を1
30℃において乾燥した。その乾燥混合物を成形用金型
〔65mm(径)×45mm(高さ)〕に入れ、150kg/cm2の加
圧下に成形し、その成形物を電気炉に入れ、180℃/時
の昇温速度において加熱し、1150℃において2時間仮焼
した。
その仮焼成形物を振動ボールミルに入れ、水0.7
と、直径15mmのナイロンコーティングされた鉄球20個、
および直径10mmの同様の鉄球15個とを加え16時間、湿式
粉砕し、これに15wt%ポリビニルアルコール(PVA)水
溶液150gを加え、2時間、撹拌した後、そのスラリーを
スプレードライヤーで噴霧乾燥して、径約50μmの顆粒
に造粒した。その顆粒を成形用金型〔12.5mm(径)×35
mm(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その
成形物を下記の条件において焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温 〜800℃ 145℃/時の昇温 800℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/時の昇温 1360℃ 1.5時間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/時の降温 1000℃〜500℃ 245℃/時の降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、560℃においてさらに5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.001Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は103
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は4桁であった。このと
き室温における抵抗率は19.50Ω・cmであった。
〔比較例2〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.95g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)290.20g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.81g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2088g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0911g、および酸化アンチモン(Sb2O3
0.7409gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0007Sb2O3 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は115
℃で、抵抗の立ち上がり幅は3桁であった。このとき室
温での抵抗率は3.4kΩ・cmであった。
〔比較例3〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)680.37g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)289.96g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)26.79g、炭酸マンガン(MnCO3)0.2086g、二酸化ケ
イ素(SiO2)1.0902g、および酸化アンチモン(Sb2O3
1.5868gを使用したこと以外は、上記比較例1と同様に
してチタン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O3 この試料は、絶縁体化して半導体とならず、上記物性
の測定は不可能であった。
以上〔比較例1〕ないし〔比較例3〕より、酸化アン
チモン(Sb2O3)の添加量が、所定の範囲内にあれば、
チタン酸バリウム磁器半導体の電気特性には悪影響を与
えないことがわかる。つまり、酸化アンチモン(Sb
2O3)の添加量が上記範囲外の場合には、チタン酸バリ
ウム磁器半導体の抵抗の立ち上がり幅が小さくなるとと
もに、添加量に比例して絶縁体化する。酸化アンチモン
(Sb2O3)の添加量が上記範囲よりも大きい場合には、
チタン酸バリウム磁器半導体が絶縁体化してしまうこと
もある。
ところで、チタン酸バリウム磁器半導体の原料組成物
における酸化アンチモン(Sb2O3)は、単体での昇温過
程において、その一部が五酸化アンチモン(Sb2O5)に
転移する。そこで、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、五酸化アンチモン(Sb2O5)を
配合した場合について、〔実施例1〕ないし〔実施例
9〕に基づいて以下に詳細に説明する。なお、〔実施例
1〕ないし〔実施例9〕においては、Sb2O5以外の原料
の配合組成は、前記〔比較例1〕ないし〔比較例3〕に
おける配合組成と同一の条件で行ったものである。
〔実施例1〕 無水炭酸バリウム(BaCO3,日本化学工業製高純度品)
68.09g、高純度二酸化チタン(TiO2,東邦チタニウム社
製)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrCO3、本荘ケ
ミカル社製)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3、和光純薬社
製99.9%)0.0209g、二酸化ケイ素(SiO2、東芝セラミ
ックス製 US−85)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb
2O5、レアメタリック社製 99.99%試薬)0.0881gを内
径200mmのアルミナ乳鉢に入れ、自動乳鉢において3時
間エタノール(特級試薬)の存在下で湿式混合した後、
その混合物を130℃において乾燥した。その乾燥混合物
を90mm×90mmのアルミナルツボ(三菱鉱業セメント製、
DFA−PS99)に入れ、これを電気炉に入れて180℃/hの昇
温速度で加熱し、1150℃で2時間仮焼した。
その仮焼物を乳鉢で粉砕した後、自動乳鉢においてPV
A(ポリビニルアルコール)2wt%水溶液を約100ccとと
もに3時間混合し、130℃で乾燥した。
このようにして得られた乾燥物を乳鉢でよく粉砕し、
PVA配合の粉末を成形用成形器〔12.5mm(径)×35mm
(高さ)〕に入れ、1ton/cm2の加圧下に成形し、その成
形物を次の条件において焼成した。
温度範囲 昇温または降温の条件 室温 〜800℃ 145℃/hの昇温 800℃ 2時間保持 800 ℃〜1360℃ 150℃/hの昇温 1360℃ 15分間保持 1360℃〜1000℃ 360℃/hの降温 1000℃〜550℃ 245℃/hの降温 550℃ 温度コントロールの終了 室温に冷却した後、錠剤状成形物の円盤面にオーミッ
ク性の銀電極(デグサ社製)を塗布し、580℃において
5分間焼付けて電極を形成し、その電極上にカバー電極
(デグサ社製)を塗布し、さらに560℃において5分間
焼付けを行って、チタン酸バリウム磁器半導体の試料を
得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00075Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は110
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は3.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は27.36Ω・cmであった。
〔実施例2〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.07g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.01g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.11
75gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0010Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.9桁であった。この
とき室温での抵抗率は7.21Ω・cmであった。
〔実施例3〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.03g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.17
61gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0015Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は4.84Ω・cmであった。
〔実施例4〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.11g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1092g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.02
94gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりである。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00025Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
〔実施例5〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.11g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.02g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1091g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.05
87gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00050Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
〔実施例6〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.01g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.98g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.20
53gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.00175Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は106
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は1.2桁であった。この
とき室温での抵抗率は2.50×104Ω・cmであった。
〔実施例7〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)67.99g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.97g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1089g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.23
46gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器の原料の配合組成は次のと
おりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0020Sb2O5 この試料は絶縁体化して半導体とならず、上記諸特性
の測定は不可能であった。
〔実施例8〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.04g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)29.00g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.15
26gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0013Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は102
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.3桁であった。この
とき室温での抵抗率は5.82Ω・cmであった。
〔実施例9〕 無水炭酸バリウム(BaCO3)68.03g、高純度二酸化チ
タン(TiO2)28.99g、無水炭酸ストロンチウム(SrC
O3)2.68g、炭酸マンガン(MnCO3)0.0209g、二酸化ケ
イ素(SiO2)0.1090g、五酸化アンチモン(Sb2O5)0.16
44gを使用したこと以外は上記実施例1と同様にしてチ
タン酸バリウム磁器半導体の試料を得た。
このチタン酸バリウム磁器半導体の原料の配合組成は
次のとおりであった。
(Ba0.95Sr0.05)TiO3+0.0005MnO2+0.005SiO2+0.0014Sb2O5 この試料の抵抗の温度変化を測定した結果、正の抵抗
温度係数を示す領域が生じる温度(キュリー点)は105
℃であり、抵抗の立ち上がり幅は2.0桁であった。この
とき室温での抵抗率は3.89Ω・cmであった。
以上より、〔実施例1〕ないし〔実施例9〕の結果を
整理すると、第1表に示すようになる。第1表から明ら
かなように、半導体化剤として、チタン酸バリウム基体
組成物に対して五酸化アンチモン(Sb2O5)を使用する
ことによって、室温における抵抗率を非常に小さくする
ことができる。また、上記チタン酸バリウム磁器半導体
のSb2O5添加量依存性(〔実施例1〕ないし〔実施例
3〕、〔実施例6〕、〔実施例8〕、および〔実施例
9〕の各試料に対応する特性)は、第1図に示すように
なる。即ち、第1図に示すように、チタン酸バリウム磁
器半導体のSb2O5添加量が0.07モル%よりも小さいか、
または0.17モル%よりも大きい場合、室温における抵抗
率(比抵抗)は、著しく大きくなる。よって、Sb2O5
添加量は、好ましくは、0.07モル%〜0.17モル%の範囲
であることがわかる。
また、チタン酸バリウム磁器半導体の温度依存性
(〔実施例1〕ないし〔実施例3〕、〔実施例6〕、
〔実施例8〕、および〔実施例9〕の各試料に対応する
特性)は、第2図に示すようになり、Sb2O5の添加量が
0.175モル%を越えると、室温抵抗率が高くなると共
に、抵抗率の立ち上がり幅も著しく小さくなる。また、
半導体化剤としてSb2O5を用いることにより、半導体化
できる添加領域が広くなるので、より安定に半導体素子
を得ることができる。なお、同図中、特性(1)〜
(3)はSb2O5の添加量がそれぞれ0.075モル%、0.100
モル%、および0.150モル%に対応し、特性(4)はSb2
O5の添加量が0.175モル%に対応し、特性(5)(6)
はSb2O5の添加量がそれぞれ0.130モル%、および0.140
モル%に対応している。
ここで、原料の配合組成の異なる上記各種チタン酸バ
リウム磁器半導体の試料の諸物性の測定方法を以下に説
明する。
(1)キュリー点の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を測定用の試料ホ
ルダーに取り付け、測定槽(MINI−SUBZERO MC−810P
タバイ エスペック(株)製)内に装着して、−50℃か
ら190℃までの温度変化に対する試料の電気抵抗の変化
を直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を用いて
測定した。
測定により得られた電気抵抗−温度のプロットより、
抵抗値が室温における抵抗値の2倍になるときの温度を
キュリー点とした。
(2)室温抵抗率の測定 チタン酸バリウム磁器半導体の試料を25℃の測定槽に
おいて、直流抵抗計(マルチメーター3478A YHP製)を
用いて電気抵抗値を測定した。
チタン酸バリウム磁器半導体の試料の調製において、
電極塗布前に試料の大きさ(径および厚さ)を測定して
おき、次式により比抵抗(ρ)を算出し、これを抵抗率
とした。
ρ=R・S/t ρ :比抵抗(抵抗率)〔Ω・cm〕 R :電気抵抗の測定値〔Ω〕 S :電極の面積〔cm2〕 t :試料の厚さ〔cm〕 (3)抵抗率の立ち上がり幅の測定 キュリー点の測定の温度変化(−50℃から190℃)に
対する試料の電気抵抗の変化の測定を、さらに200℃を
超える温度まで続行し、その抵抗率−温度プロットにお
いて、キュリー点における電気抵抗の急激な立ち上がり
のときの抵抗率と、200℃における抵抗率とを比較し
て、その桁数の対数比を抵抗率の立ち上がり幅とした。
なお、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体は、
室温において抵抗率が小さいので、電流容量の小さい回
路における低抵抗PTC素子として使用することができ、
例えば温度ヒューズスイッチング電源のコンパレータと
しても使用することができる。本発明に係るチタン酸バ
リウム磁器半導体は、上記以外に、電解コンデンサーの
保護回路、カラーTV自動消磁装置、自動車等のモータ起
動装置、電子機器の過熱防止装置、遅延素子、タイマ、
液面計、無接点スイッチ、リレー接点保護装置などに利
用することができる。
〔発明の効果〕 本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の製造方法
は、以上のように、半導体化剤として、チタン酸バリウ
ム基体組成物に対して、室温抵抗率を下げるために0.07
モル%〜0.17モル%のSb2O5を使用する構成をなしてい
る。
それゆえ、半導体化がより容易に行え、しかもキュリ
ー点以上の温度において正の抵抗温度係数を有すると共
に、室温での抵抗率をより小さく設定することができる
ので、電流容量の小さい回路中に対応することができる
汎用性に優れた低抵抗PTC素子を製造できる。さらに、S
b2O5は、Sb2O3に比して毒性が低いので、作業性に優れ
ているという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の一実施例を示すもので
ある。 第1図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の五酸化アンチモン添加量依存性を示す説明図で
ある。 第2図は、本発明に係るチタン酸バリウム磁器半導体の
比抵抗の温度依存性が、五酸化アンチモン添加量によっ
て変化することを示す説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キュリー点移動物質を含むチタン酸バリウ
    ム基体組成物に半導体化剤を加えて焼成してなるチタン
    酸バリウム磁器半導体の製造方法において、半導体化剤
    として、チタン酸バリウム基体組成物に対して、室温抵
    抗率を下げるために0.07モル%〜0.17モル%のSb2O5
    使用することを特徴とするチタン酸バリウム磁器半導体
    の製造方法。
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