JPH08226469A - 鉄道車両用キャリパブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車両用キャリパブレーキ装置

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JPH08226469A
JPH08226469A JP7035426A JP3542695A JPH08226469A JP H08226469 A JPH08226469 A JP H08226469A JP 7035426 A JP7035426 A JP 7035426A JP 3542695 A JP3542695 A JP 3542695A JP H08226469 A JPH08226469 A JP H08226469A
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金悟 菊池
Shigeru Yoshizawa
茂 吉澤
Hitoshi Furukawa
仁 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄道車両用のフローティング式のキャリパブ
レーキ装置にあって、シリンダ側のアームにとりつけら
れる制輪子の取付構造の改良を図る。 【構成】 キャリパブレーキ本体に設けられるシリンダ
側のアーム12には、シリンダのピストンにより押圧さ
れるガイドレール部材100が配設され、ガイドレール
部材100に対して制輪子が挿入される。アンカピン8
4は、制輪子の下端部に当接するとともに、アンカピン
84の首下部に形成する小径のリング溝86がガイドレ
ール部材100の凹部102に係合する。この状態でア
ンカピン84をとりつけたアンカブロック80がアンカ
ボルト82によってアーム12の取付面90に固着され
る。ガイドレール部材の下端部104を下方に延長する
とともに、アンカスプリング110を長くし、アンカピ
ン84がガイドレール部材の下端部104に干渉した状
態ではアンカボルト82が螺合できない構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道車両に装備されるキ
ャリパブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特公平2−2488号公報は、
鉄道車両に装備されるキャリパブレーキ装置を開示す
る。この種のブレーキ装置は、鉄道車両の台車に対して
固着される枠体と、枠体に対して2本ピンを介して摺動
自在に支持されるキャリパブレーキ本体とを有する。キ
ャリパブレーキ本体は、車両の車輪にとりつけられるロ
ータを挾む2本のアームを備え、アームのロータに対向
する面にブレーキパッドを有する制輪子がとりつけられ
る。制輪子は摩耗が生じた際には交換される。このため
に、制輪子を各アームに対して下側から挿入するように
構成し、アンカブロックで制輪子をアームに固定する構
成が採用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のブレーキ装置
にあっては、キャリパのアームのうちの第1のアームに
シリンダを配設し、そのピストンにより制輪子を押圧
し、第2のアームを含むキャリパブレーキ本体は第1の
アームの反力で枠体に対して摺動する。したがって、第
1のアームに配設される制輪子はアームから突出する方
向に移動するので、第2のアームに配設される制輪子と
は異なる取付構造を必要とする。
【0004】本発明にあっては、第1のアームはピスト
ンとともに移動するガイドレール部材をとりつけ、この
ガイドレール部材に対して制輪子を挿入し、アンカピン
によってアームの下端部に支持される構造を採用してい
る。このアンカピンは、制輪子とガイドレール部材とを
同時に支持する必要がある。本発明は、制輪子の組付け
時にアンカピンとガイドレール部材とが正確な位置関係
で組付けられることを保証する鉄道車輪用キャリパブレ
ーキ装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のキャリパブレー
キ装置は、基本的な手段として、鉄道車両の台車に固着
される支持枠と、支持枠に対して2本の支持ピンにより
支持ピンの軸線方向に摺動自在に支持されるキャリパブ
レーキ本体と、キャリパブレーキ本体に設けられて車両
の車輪を挾む2本のアームと、第1のアームに備えられ
るシリンダと、シリンダのピストンにより押圧されるガ
イドレール部材と、ガイドレール部材に対して下方から
挿入される第1の制輪子と、制輪子の下端部を保持する
アンカピンと、第2のアームに対して下方から挿入され
る第2の制輪子と、第2の制輪子の下端部を保持するア
ンカピンとを備え、第1の制輪子を保持するアンカピン
は、アンカブロックを介して第1のアームの下端の取付
面に対して固着されるとともに、第1の制輪子が挿入さ
れるガイドレール部材の下端部は第1のアームの下端の
取付面より突出する形状に形成されてなるものである。
【0006】さらに、第1の制輪子を保持するアンカブ
ロックと第1のアームとを連結する板状のスプリングを
備え、該板状のスプリングは、下端部がアンカブロック
に固着されるとともに、長穴を介して第1のアームに植
設されるピンに摺動自在にとりつけられるものである。
【0007】
【作用】以上の手段を備えることによって、アンカピン
がガイドレール部材と制輪子に対して正しい位置に係合
して、はじめてアンカボルトをアーム側のボルト穴に螺
合させることができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明を適用するキャリパブレーキ装
置の側面図、図2は平面図である。全体を符号1で示す
キャリパブレーキ装置は、車輪5を挾むキャリパ形状の
本体10を有し、本体10は2本の支持ピン30,32
を介して支持枠20に対して支持される。支持枠20
は、下面側に設けられる溝22を有し、この溝22を利
用してキャリパブレーキ装置全体が車両の台車上に固定
される。
【0009】本体10は、車輪を挾む2本のアーム1
2,14を備えるが、第1のアーム12には2個の油圧
シリンダ40が装備される。また、この第1のアーム1
2にはブレーキシューを有する制輪子と車輪にとりつけ
られるロータとの間の隙間を自動的に調整する隙間調整
装置50がとりつけられる。
【0010】第1のアーム12の上端には、上部制輪子
受け部材60が配設される。上部制輪子受け部材60
は、上部アンカピン64を介して制輪子70の上端部を
受ける。上部制輪子受け部材60は、アンカボルト62
を介して第1のアーム12に固着される。第1のアーム
12の下端には、下部制輪子受け部材80が配設され
る。下部制輪子受け部材80は、下部アンカピン84を
介して制輪子70の下端部を受ける。下部制輪子受け部
材80は、アンカボルト82を介して第2のアーム12
に固着される。
【0011】第1のアーム12に対向して配設される第
2のアーム14は制輪子70を押圧するためのシリンダ
を装備しない。そこで、本体10を支持ピン30,32
によって支持ピンの軸線方向に摺動可能とし、フローテ
ィング状態に支持する構造を採用している。第2のアー
ム14も上部制輪子受け部材60a、及び下部制輪子受
け部材を備えて、制輪子70を支持する。
【0012】図3は制輪子70の全体構造を示す説明図
である。制輪子70は、バックプレート72上にブレー
キライニング部材のセグメント74を固着手段75によ
り固着した構成を有する。図示の実施例にあっては、4
個のセグメント74がとりつけられており、各セグメン
ト74は溝74a等が形成される。バックプレート72
のセグメント74とは反対側には、ガイドプレート76
がとりつけられる。このガイドプレート76は制輪子7
0をブレーキ本体のアームにとりつけるためのもので、
両側部に先端が広がるテーパ面76aが形成される。ガ
イドプレート76の上下端部にはアンカピンが係合する
ための凹部77が形成される。
【0013】図4はキャリパブレーキ本体10に対する
制輪子70の取付構造を示す説明図である。本体10の
一方のシリンダ側のアーム12に対しては、ピストンに
より押圧されるガイドレール部材100がとりつけら
れ、ガイドレール部材100に対して制輪子70のガイ
ドプレート76を挿入することによって制輪子70は支
持される。その後に、アンカブロックをボルト穴92を
利用してアンカブロック取付面90に対して固着し、制
輪子70の下方への脱落を防止する。反シリンダ側のア
ーム14に対しては、アームの内側に形成した溝94を
利用して制輪子70を直接にとりつける。
【0014】図5は、キャリパブレーキ本体のアーム1
2,14に挿入されていた制輪子70を下方へ引き抜く
作用を示す説明図である。反シリンダ側のアーム14に
対しては、制輪子70の下端部はガイドプレート76の
凹部77にアンカピン84aが当接し、アンカブロック
80aによってアンカピン84aを固着する。アンカブ
ロック80aは、アンカスプリング110によってアー
ム側に保持され、脱落が防止される。シリンダ側のアー
ム12に対しては、アーム12の内側にガイドレール部
材100がとりつけられ、このガイドレール部材100
に対して制輪子70が挿入される。
【0015】制輪子70は、ガイドプレート76の上端
部の凹部77が上部受け部材に当接するまで押し上げら
れ、アンカブロック80と一体のアンカピン84をガイ
ドプレート76の下部の凹部77に当接し、アンカボル
トによってアンカブロック80をアーム側に固着するこ
とによってとりつけられる。アンカブロック80はアン
カスプリング110によってアーム側に保持される。そ
こで、制輪子70をとり外すときには、アンカボルトを
抜き、アンカピン84を制輪子の凹部77から外すこと
によって、制輪子70を下方へ抜き出すことができる。
【0016】アンカピン84はシリンダ85内に摺動自
在に挿入されていて、制輪子70のロータ側への移動に
追従する。アンカピン84の首下部86は、アンカピン
84の外径寸法より小さい外径寸法のリング溝状に形成
してある。このリング溝86がガイドレール部材の下端
部に係合することによって、アンカピン84は正常の取
付位置となる。
【0017】図10は、従来のガイドレール部材100
aに対してアンカピン84が誤組付された状態を示す。
従来のガイドレール部材100aは、下端部にアンカピ
ン84のリング状溝86に係合する凹部102を有し、
凹部102の両側の脚部104aはアンカブロック80
の取付面90と同一レベルに形成してあった。そこで、
アンカピン84の外周部がガイドレール部材100aの
凹部102に乗り上げた状態で、アンカブロック80が
アーム側の取付面90に固着されてしまう場合があっ
た。本発明のキャリパブレーキ装置は、この問題を解決
するものである。
【0018】図6から図9は本発明の実施例を示す説明
図である。本実施例にあっては、シリンダ側のアーム1
2の内側にとりつけられるガイドレール部材100はそ
の両側105が内側に折り曲げられてガイド溝106が
形成される。制輪子70のガイドプレート76はこのガ
イド溝106に挿入されて、制輪子70はガイドレール
部材100に支持される。ガイドレール部材100の下
端部にはアンカピンのリング溝86を受け入れる凹部1
02が形成される。凹部102の両側の脚部104の先
端はアンカブロック80の取付面90よりも下側へ突出
する。
【0019】アンカブロックを支持するアンカスプリン
グ110もその全長を長くして、アンカピン84がガイ
ドレール部材100の凹部102の入口に乗り上げた状
態では、アンカボルト82の先端82aが取付面90の
ボルト穴にとどかないように構成する。
【0020】図9は、アンカピン84とガイドプレート
部材100の脚部104の干渉の状態を示し、アンカピ
ン84の首下部のリング溝がガイドプレート部材100
の凹部102に正しく挿入されてから、アンカボルト8
2が取付面のアンカボルト穴に螺合する状態を示す。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上のように、鉄道車両のブレ
ーキ装置等に使用されるキャリパブレーキ装置にあっ
て、キャリパ本体へ取付けられるブレーキパッドセグメ
ントを備えた制輪子の取付構造を改良したものであっ
て、制輪子の交換時の組付作業の簡素化と誤組付の防止
を図るものである。キャリパブレーキの構成部品の設計
変更を最少限に押え、コストダウンを図るとともに、従
来の部品を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す側面図。
【図2】本発明の実施例を示す平面図。
【図3】制輪子の構造を示す説明図。
【図4】制輪子の保持構造を示す説明図。
【図5】制輪子の取外し作用を示す説明図。
【図6】本発明の制輪子の取付構造を示す説明図。
【図7】本発明の制輪子の取付構造を示す説明図。
【図8】本発明の制輪子の取付構造を示す説明図。
【図9】本発明の制輪子の取付構造を示す説明図。
【図10】従来の制輪子の取付構造を示す説明図。
【符号の説明】
1 鉄道車両用キャリパブレーキ装置 10 キャリパブレーキ本体 12 シリンダ側アーム 14 シリンダ側アーム 20 枠体 30 上部支持ピン 32 下部支持ピン 40 油圧シリンダ 50 隙間調整装置 60 上部アンカブロック 64 上部アンカピン 70 制輪子 80 下部アンカブロック 82 下部アンカボルト 84 下部アンカピン 100 ガイドレール部材 110 アンカスプリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両の台車に固着される支持枠と、
    支持枠に対して2本の支持ピンにより支持ピンの軸線方
    向に摺動自在に支持されるキャリパブレーキ本体と、キ
    ャリパブレーキ本体に設けられて車両の車輪を挾む2本
    のアームと、第1のアームに備えられるシリンダと、シ
    リンダのピストンにより押圧されるガイドレール部材
    と、ガイドレール部材に対して下方から挿入される第1
    の制輪子と、制輪子の下端部を保持するアンカピンと、
    第2のアームに対して下方から挿入される第2の制輪子
    と、第2の制輪子の下端部を保持するアンカピンとを備
    え、 第1の制輪子を保持するアンカピンは、アンカブロック
    を介して第1のアームの下端の取付面に対して固着され
    るとともに、第1の制輪子が挿入されるガイドレール部
    材の下端部は第1のアームの下端の取付面より突出する
    形状に形成されてなる鉄道車両用キャリパブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】 第1の制輪子を保持するアンカブロック
    と第1のアームとを連結する板状のスプリングを備え、
    該板状のスプリングは、下端部がアンカブロックに固着
    されるとともに、長穴を介して第1のアームに植設され
    るピンに摺動自在にとりつけられてなる請求項1記載の
    鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
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