JP4060977B2 - ピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法及び同ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や自動二・三輪車等のバーハンドル車両に搭載されるピンスライド型の車両用ディスクブレーキの製造方法及び同ディスクブレーキに係り、詳しくはキャリパボディをディスクブレーキ軸方向へ案内するスライドピンをキャリパブラケットに取付けする方法及び構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
制動時のキャリパボディを、スライドピンの案内でディスク軸方向へスライドさせて制動作用を行うピンスライド型の車両用ディスクブレーキにあっては、例えば特開平6−173978号公報や特開平8−189539号公報に示されるスライドピンの取付け構造が知られている。
【0003】
前者の取り付け構造は、キャリパブラケットにピン取付け孔を貫通形成し、スライドピンの基端側に、キャリパボディのピン挿通孔へ差し込まれる先端側の摺動軸部よりも大径で、且つ前記キャリパブラケットのピン取付け孔よりも長い大径軸部を形成し、該大径軸部の基端に抜け止め用のフランジを形成している。スライドピンは、キャリパブラケットのピン取付け孔にディスクロータ側より挿通され、該ピン取付け孔に前記大径軸部を収容し、ピン取付け孔のディスクロータ側の開口部外周面にフランジを当接させて、ピン取付け孔の反ディスクロータ側の開口部から突出する大径軸部の先端側を外側にカシメることによって、このカシメ部分とフランジとでキャリパブラケットを挟持して、スライドピンをキャリパブラケットに固定している。
【0004】
また、後者の取り付け構造は、キャリパブラケットを貫通するピン取付け孔のディスクロータ側にハーフピアス加工を施して、ピン取付け孔のディスクロータ側に大径の凹部を連設すると共に、反ディスクロータ側に打ち出したボス部の内側にピン取付け孔を延設している。スライドピンは、ピン取付け孔にディスクロータ側より圧入され、スライドピンの基端に周設したフランジを前記大径凹部に収容することにより、キャリパブラケットに取付けしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の構成にあっては、ピン取付け孔の反ディスクロータ側へ突き出た大径軸部の先端側外周をカシメ治具で潰すが、スライドピンやピン取付け孔の寸法精度、或いはカシメ治具の作動位置等の微妙な影響から、大径軸部の先端側全周を均等な肉厚で潰すことはかなり困難であった。このため、部位によってはカシメ量が異なることがあり、カシメ量が設定よりも多い箇所では、その分の肉量が大径軸部の先端側周辺部分から引き寄せて集められ、スライドピンはカシメ量の多い側に傾いて取り付けられる。その結果、キャリパボディのスライド性が損なわれ、さらに摩擦パッドのライニングが偏摩耗するなどの不具合を招く虞がある。
【0006】
また、上述のカシメ加工が施されるピン取付け孔の反ディスクロータ側は、キャリパボディを支える側でもあるため、カシメ部分が、ピン取付け孔のディスクロータ側に位置するフランジよりも、キャリパボディからの荷重を受け易い。このため、制動時のキャリパボディが、ディスクロータと摩擦パッドとの摺接によってディスク回出方向へ引き摺られるように挙動した場合に、キャリパボディの傾き荷重がスライドピンに大きく作用し、特にピン取付け孔の反ディスクロータ側に位置する肉量のさほどないカシメ部分に曲げ応力が集中してスライドピンに負担をかけるため、好ましくない。曲げ応力が集中してもスライドピンの良好な取付け状態を確保するには、カシメ部分を圧肉に形成する必要があるが、肉量の多いカシメをスライドピンの全周に均等な肉厚で精度よく行うには相当な技術力を要する。
【0007】
また、後者の構成にあっては、スライドピンをキャリパブラケットのピン取付け孔に圧入で取り付けるので、前者のような取り付け精度の高いカシメ作業を必要としないというメリットがあるが、反ディスクロータ側に打ち出したボス部の内側にピン取付け孔を延設するとはいうものの、ピン取付け孔のディスクロータ側にはスライドピンのフランジを収容する凹部を設けるために、ピン取り付け孔の実際の長さはキャリパブラケットの板厚程度で、ディスクロータ側に凹部を形成した分のピン取り付け孔の長さを反ディスクロータ側のボス部内に確保するに過ぎず、スライドピンの取付け強度を向上するものではなかった。
【0008】
そこで本発明は、スライドピンを簡単な構造で精度よく且つ確実にキャリパボディに取り付けすることができ、製造コストの低減を図ることができると共に、キャリパボディの良好なスライド性を確保することができるピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法及び同ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持する本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法は、小径孔と該小径孔の開口面外周に同軸上に形成された大径孔とを有するダイの上に前記キャリパブラケットを載置し、前記小径孔と同径の軸棒からなるパンチを小径孔に向けて打ち抜くことにより、前記キャリパブラケットに前記スライドピンを取り付けるためのピン取付け孔を打ち抜き、該打ち抜きによる余肉を、ピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周にボス部として肉盛りすることにより、ピン取付け孔の長さをキャリパブラケットの板厚より長く形成し、第1の方法では、前記スライドピンは、一端寄りに抜け止め用のフランジを周設すると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成し、該固定軸部を反ディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とし、第2の方法では、前記スライドピンは、基端に抜け止め用のフランジを設けると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成し、該固定軸部をディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔のディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明のピンスライド型車両用ディスクブレーキ、上記第1または第2の製造方法により製造された、ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持するピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記キャリパブラケットに打ち抜きにより形成されたピン取付け孔と該打ち抜きにより形成されたピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周のボス部とで、前記キャリパブラケットの板厚より長く形成された前記ピン取付け孔に、第1のディスクブレーキは、一端寄りに抜け止め用のフランジを周設すると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成した前記スライドピンの該固定軸部を反ディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側から圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とし、第2のディスクブレーキは、基端に抜け止め用のフランジを設けると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成した前記スライドピンの該固定軸部をディスクロータ側から圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔のディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各形態例を図面に基づいてさらに詳しく説明する。
【0012】
図1乃至図5は、本発明の一形態例を示すもので、ディスクブレーキ1は、自動二輪車等のバーハンドル車両用ブレーキで、図示しない車輪と一体に矢印A方向へ回転するディスクロータ2と、該ディスクロータ2の一側部で車体に固設される板状のキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット3に一対のスライドピン4,5を介してディスク軸方向へスライド可能に支持されるピンスライド型のキャリパボディ6と、該キャリパボディ6の作用部6aと反作用部6bの間に、ディスクロータ2を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド7,7とを備えている。
【0013】
キャリパブラケット3には、車体取り付け用のめねじ孔3a,3aとスライドピン取り付け用のピン取り付け孔3b,3cとが、それぞれデイスク軸方向に貫通して設けられおり、めねじ孔3a,3aに図示しない車体取付けねじを螺着して、キャリパブラケット3が車体に取り付けられると共に、ピン取り付け孔3b,3cに、上述のスライドピン4,5が反ディスクロータ側へ向けて突設されている。
【0014】
キャリパボディ6は、ディスクロータ2の両側部に対向配置される上述の作用部6aと反作用部6bと、ディスクロータ2の外側を跨いでこれらをつなぐブリッジ部6cとからなっている。作用部6aには、シリンダ孔8と一対の車体取り付け腕6d,6eと、ユニオン孔9及びブリーダスクリュ10とが設けられ、また反作用部6bには反力爪6fが設けられている。ブリッジ部6cの略中央には矩形の天井開口部11が内外に貫通して形成され、該天井開口部11のディスク回入側と回出側にトルク受け段部6g,6gが設けられている。
【0015】
各摩擦パッド7は、ディスクロータ2の側面と摺接するライニング7aを、金属製の裏板7bに接合して構成されている。裏板7bの上部中央にはハンガーピン挿通孔7cが穿設され、同じく裏板7bの両側部上側に耳片7d,7dが設けられており、摩擦パッド7,7は、ハンガーピン挿通孔7cに、天井開口部11を貫通して作用部6aと反作用部6bとに掛け渡されるハンガーピン12を挿通し、耳片7d,7dをトルク受け段部6g,6gに係止して、ディスクロータ2の両側部にディスク軸方向へスライド可能に吊持されると共に、ハンガーピン12との間に縮設されたパッドスプリング13によってディスク半径方向内側へ弾発されている。
【0016】
シリンダ孔8は、作用部6aの略中央にディスクロータ側へ開口して設けられ、該シリンダ孔8にコップ状のピストン14が液密且つ移動可能に内挿されている。ピストン14とシリンダ孔8の底部間には液圧室15が画成され、該液圧室15に前述のユニオン孔9が連通して設けられている。
【0017】
車体取り付け腕6d,6eは、作用部6aからそれぞれディスクロータ2の一側面に沿ってディスク回出側とディスク内周側へ突設されており、ディスク回出側の車体取り付け腕6dの先端から反ディスクロータ側へ膨出するボス部6hには、袋状の長いピン摺動孔6iが車体取り付け腕6dのディスクロータ側に開口して設けられ、またディスク内周側の車体取り付け腕6eには、ディスク回出側のピン摺動孔6iよりもやや大径で短いピン摺動孔6jがディスク軸方向に貫通形成されている。
【0018】
キャリパブラケット3のピン取付け孔3b,3cは、図4に示すようにダイ20とパンチ30とを用いて打ち抜かれる。ダイ20には、小径孔20aと該小径孔20aの開口面外周に同軸上に形成された大径孔20bとがあり、またパンチ30には、ダイ20の小径孔20aと同径の軸棒が用いられる。ピン取付け孔3b,3cの形成は、ダイ20の上に板状のキャリパブラケット3を載置し、パンチ30を小径孔20aに向けて打ち抜くことによって形成されるが、このときに、キャリパブラケット3にピン取付け孔3b,3cを開口した分の余肉がダイ20側へ突出して、パンチ30外周の大径孔20b内に、キャリパブラケット3の一側面に連続する環状のボス部3dとして肉盛りされる。このようにして形成されたピン取付け孔3b,3cは、ピン取付け孔3b,3cの長さLが、ボス部3dの長さ分、キャリパブラケット3の板厚tよりも長く形成される。
【0019】
スライドピン4,5は、先端側の摺動軸部4a,5aと、該摺動軸部4a,5aより大径な基端側の固定軸部4b,5bと、これらの間に周設される抜け止め用のフランジ4c,5cとを備えている。摺動軸部4a,5aは、キャリパボディ6のピン摺動孔6i,6jと同径に、固定軸部4b,5bは、キャリパブラケット3のピン取り付け孔3b,3cと同径で且つピン取り付け孔3b,3cと同一長さに形成され、また抜け止め用のフランジ4c,5cは、キャリパブラケット3のピン取り付け孔3b,3cよりも大径に形成されている。
【0020】
スライドピン4,5の取付けは、固定軸部4b,5bを、キャリパブラケット3のボス部3d側よりピン取り付け孔3b,3cに圧入し、固定軸部4b,5bに連続するフランジ4c,5cをボス部3d,3dの先端面に当接させて、スライドピン4,5をキャリパブラケット3に固定する。次に、スライドピン4,5を固着したキャリパブラケット3を、ボス部3d,3dが反ディスクロータ側に突出するように向けて前述の如く車体に固定する。
【0021】
このようにしてキャリパブラケット3に取り付けられた一方のスライドピン4は、キャリパボディ6のディスク回出側のピン摺動孔6iに挿通され、他方のスライドピン5は、キャリパボディ6のディスク内周側のピン摺動孔6jに弾性ブッシュ16を介して挿通され、キャリパボディ6はこれによってディスク軸方向へスライド可能に支持される。
【0022】
上述したように、本形態例では、キャリパブラケット3に厚さtの板材を用いるにも拘わらず、キャリパブラケット3のピン取付け孔3b,3cの長さLを、キャリパブラケット3の板厚tよりもボス部3dの長さ分長く形成できるので、スライドピン4,5の圧入長さを充分に取ることができ、スライドピン4,5の取付け強度を向上できると共に、ディスク軸方向への取り付け精度が高まる。これにより、スライドピン4,5がデイスク軸に対して傾いて取り付けられることが極力なくなり、キャリパボディ6のスライド性が良好に保たれると共に、キャリパボディ6の傾きに起因するライニング7aの偏摩耗を有効に回避することができる。
【0023】
さらに、ピン取付け孔3b,3cは、キャリパブラケット3をダイ20とポンチ30で打ち抜くだけの簡単な作業で形成でき、しかもスライドピン4,5を、従来と同様の簡便な圧入作業によって、より精度が高く強固に取り付けできるので、サイクルタイムの短縮と設備費並びに管理工数を削減できて、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。
【0024】
また、キャリパボディ6の支え側となるピン取り付け孔3b,3cの反ディスクロータ側では、固定軸部4b,5bよりも剛性力のあるフランジ4c,5cが、反ディスクロータ側のボス部3dに当接するので、制動時のキャリパボディ6からスライドピン4,5に引き摺りトルク等の傾き荷重が作用した場合にもこれによく堪える。
【0025】
さらに、本形態例では、スライドピン4,5の固定軸部4b,5bの長さを、キャリパブラケット3のピン取り付け孔3b,3cの長さと同じ長さに形成しているので、スライドピン4,5がピン取り付け孔3b,3cからディスクロータ側へ突出することがなく、スライドピン4,5とディスクロータ2との間に広い間隔をとることができるので、スライドピン4,5とディスクロータ2とが不慮の外力によって接触する懸念がなくなる。
【0026】
図6は、本発明の他の形態例を示すもので、本形態例のスライドピン17は、基端に大径のフランジ17aを設け、該フランジ17aに大径の固定軸部17bと小径の摺動軸部17cとを連続形成している。キャリパブラケット3の一方のピン取り付け孔3bは、上述の形態例と同様に、キャリパブラケット3の板厚tにボス部3dの長さを加えた長さLで形成され、スライドピン17の固定軸部17bには、このピン取り付け孔3bと同一の長さが設定されている。このスライドピン17は、キャリパブラケット3のディスクロータ側からピン取付け孔3bに摺動軸部17cを挿入して、該ピン取付け孔3bに固定軸部17bを圧入し、フランジ17aをピン取付け孔3bのディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、キャリパブラケット3に取り付けられる。
【0027】
尚、上述の各形態例では、スライドピンとディスクロータとの間に広い間隔を取ることができるように、キャリパブラケットを、ボス部が反ディスクロータ側に突出するように配設したが、本発明は、ボス部がディスクロータ側に突出するようにキャリパブラケットを配設しても差し支えない。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るピンスライド型車両用ディスクブレーキは、上述のように構成されるので、キャリパブラケットに従来と同様の板厚のものを用いても、ピン取付け孔の長さをキャリパブラケットの板厚以上に長く確保して、スライドピンの圧入長さを充分に取ることができるので、スライドピンの取付け強度を充分に高めることができる。
【0029】
さらに、スライドピンの圧入長さが充分に確保されることによって、スライドピンをディスク軸方向へ精度よく取り付けでき、キャリパボディのスライド性が良好に保たれると共に、これに起因するライニングの偏摩耗を有効に回避することができる。従って、本発明によれば、サイクルタイムの短縮と設備費並びに管理工数を削減できて、生産性の向上と製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一形態例を示すピンスライド型車両用ディスクブレーキの一部断面平面図
【図2】 本発明の一形態例を示すピンスライド型車両用ディスクブレーキの一部断面正面図
【図3】 図2のIII−III断面図
【図4】 本発明の一形態例を示すピン取付け孔の形成途中の概略図
【図5】 本発明の一形態例を示すスライドピンの取り付け途中の概略図
【図6】 本発明の他の形態例を示す要部断面図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ
2…ディスクロータ
3…キャリパブラケット
3b,3c…ピン取り付け孔
3d…ボス部
4,5,17…スライドピン
4a,5a,17c…摺動軸部
4b,5b,17b…固定軸部
4c,5c,17a…フランジ
6…キャリパボディ
6a…作用部
6b…反作用部
6d,6e…車体取り付け腕
6i,6j…ピン挿通孔
7…摩擦パッド
8…シリンダ孔
14…ピストン
A…ディスクロータ2の回転方向
L…ピン取り付け孔3b,3cの長さ
t…キャリパブラケットの板厚
Claims (4)
- ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持するピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法において、小径孔と該小径孔の開口面外周に同軸上に形成された大径孔とを有するダイの上に前記キャリパブラケットを載置し、前記小径孔と同径の軸棒からなるパンチを小径孔に向けて打ち抜くことにより、前記キャリパブラケットに前記スライドピンを取り付けるためのピン取付け孔を打ち抜き、該打ち抜きによる余肉を、ピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周にボス部として肉盛りすることにより、ピン取付け孔の長さをキャリパブラケットの板厚より長く形成し、前記スライドピンは、一端寄りに抜け止め用のフランジを周設すると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成し、該固定軸部を反ディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法。
- ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持するピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法において、小径孔と該小径孔の開口面外周に同軸上に形成された大径孔とを有するダイの上に前記キャリパブラケットを載置し、前記小径孔と同径の軸棒からなるパンチを小径孔に向けて打ち抜くことにより、前記キャリパブラケットに前記スライドピンを取り付けるためのピン取付け孔を打ち抜き、該打ち抜きによる余肉を、ピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周にボス部として肉盛りすることにより、ピン取付け孔の長さをキャリパブラケットの板厚より長く形成し、前記スライドピンは、基端に抜け止め用のフランジを設けると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成し、該固定軸部をディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔のディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキの製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法により製造された、ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持するピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記キャリパブラケットに打ち抜きにより形成されたピン取付け孔と該打ち抜きにより形成されたピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周のボス部とで、前記キャリパブラケットの板厚より長く形成された前記ピン取付け孔に、一端寄りに抜け止め用のフランジを周設すると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成した前記スライドピンの該固定軸部を反ディスクロータ側から前記ピン取付け孔に圧入し、前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側から圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔の反ディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
- 請求項2に記載の製造方法により製造された、ディスクロータの一側部に沿って配設される板状のキャリパブラケットにスライドピンを反ディスクロータ方向に突設し、前記ディスクロータの外側を跨いで配設されるキャリパボディに、前記スライドピンの摺動軸部を収容するピン摺動孔を形成して、該キャリパボディを、スライドピンの案内にてディスク軸方向へスライド可能に支持するピンスライド型車両用ディスクブレーキにおいて、前記キャリパブラケットに打ち抜きにより形成されたピン取付け孔と該打ち 抜きにより形成されたピン取付け孔のいずれか一方の開口部外周のボス部とで、前記キャリパブラケットの板厚より長く形成された前記ピン取付け孔に、基端に抜け止め用のフランジを設けると共に前記ピン取付け孔と同一長さの固定軸部を形成した前記スライドピンの該固定軸部をディスクロータ側から圧入し、前記フランジを前記ピン取付け孔のディスクロータ側の開口部外周面に当接させて、前記スライドピンを前記キャリパブラケットに取り付けたことを特徴とするピンスライド型車両用ディスクブレーキ。
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