JP4628316B2 - 鉄道車両用キャリパブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制輪子の交換を確実に行える鉄道車両用キャリパブレーキ装置に関するものである。
一般に、鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は、対の制輪子が車輪のディスクロータを挟持して制動を掛けるが、この制動に伴い制輪子のライニング部材が摩耗していくため、摩耗量が一定に達すると、制輪子は新しいものと交換される。
従来、この種の鉄道車両用キャリパブレーキ装置として、図5〜図11に示すものがある(特許文献1参照)。
これについて説明すると、図5はキャリパブレーキ装置の側面図、図6は平面図である。
車輪5の両側面にはディスクロータが設けられており、キャリパブレーキ装置1はこのディスクロータの両側に位置して対の制輪子70が設けられる。一方の制輪子70はキャリパ本体10に内蔵した油圧シリンダ40により押圧され、他方の制輪子70との間で制動時にディスクロータを挟持する。
鉄道車両の台車上に支持枠20が溝22を介して固定され、この支持枠20に対してキャリパ本体10が2本の支持ピン30,32を介してフローティング支持される。
キャリパ本体10は、車輪5を挟むようにして延びる第1、第2のアーム12,14を有し、第1のアーム12には2個の油圧シリンダ40が設けられる。この第1のアーム12には制輪子70とディスクロータとの間の隙間を自動的に調整する2個の隙間調整装置50が設けられる。
第1のアーム12はその上下端にアンカブロック60,80がアンカボルト62,82を介して締結され、これらの間に制輪子70を支持する。上部アンカブロック60は、上部アンカピン64を介して制輪子70の上端部を受ける。下部アンカブロック80は、下部アンカピン84を介して制輪子70の下端部を受ける。
図7の(a),(b)は制輪子70の全体構造を示す平面図と側面図である。制輪子70は、ライニング背板72上に4個のセグメントからなるライニング部材74が固着手段75により固着される。ライニング背板72のライニング部材74とは反対側には、ライニング裏板76が取り付けられる。このライニング裏板76は制輪子70をブレーキキャリパ本体10のアームに取り付けるためのもので、両側部に先端が広がるテーパ面76aが形成される。
ライニング裏板76の上下端部にはアンカピン64,84が係合するための係合凹部77がそれぞれ形成される。
図8、図9に示すように、キャリパ本体10の第1のアーム12には、油圧シリンダ40のピストンにより駆動される支持レール100が設けられ、この支持レール100のアリ溝に対して制輪子70のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子70が第1のアーム12に取り付けられる。
第1のアーム12に制輪子70を取り付ける場合、制輪子70のライニング裏板76を支持レール100のアリ溝に嵌合させ、ライニング裏板76の上端部の係合凹部77が上部受け部材60に当接するまで押し上げた状態で、アンカブロック80のアンカピン84をライニング裏板76の下部の係合凹部77に当接させ、アンカボルト82によってアンカブロック80を第1のアーム12に締結する。
第1のアーム12から制輪子70を取り外す場合、アンカボルト82を抜き、アンカブロック80を第1のアーム12から離し、アンカピン84を制輪子70の係合凹部77から外すことによって、制輪子70が下方へ抜き出される。
第1のアーム12に設けられるアンカピン84はアンカブロック80のシリンダ85に摺動自在に支持され、制輪子70のディスクロータ側への移動に追従する。アンカピン84にはその首下部によって首部86が形成される一方、支持レール100の下端部には首部86が嵌合する支持レール溝が形成され、首部86が支持レール溝に係合することによって、アンカピン84がその軸方向について所定の組み付け位置に保持され、アンカピン84の外周面にライニング裏板76の下部の係合凹部77が着座する。
支持レール100には支持レール溝の両側にアンカブロック80の取り付面90よりも下側へ突出する2本の脚部104が形成され、アンカピン84が支持レール溝の入口に乗り上げた状態では、アンカボルト82の先端が取り付面90のボルト穴にとどかないようになっている。これにより、支持レール100に対してアンカピン84が誤って組み付けられることを防止できる。
図10にも示すように、アンカブロック80はアンカスプリング110によって第1のアーム12に対して脱落しないように吊り下げられる。
キャリパ本体10の第2のアーム14にはアリ溝94が形成され、このアリ溝94に対して制輪子70のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子70は支持される。
第2のアーム14はその上下端にアンカブロック60a,80aが締結され、これらの間に制輪子70を支持するが、この制輪子70を押圧するための油圧シリンダが設けられない。
特開平8−226469号公報
しかしながら、このような従来の鉄道車両用キャリパブレーキ装置にあっては、図11に示すように、第1のアーム12に制輪子70を取り付ける場合、支持レール100が第1のアーム12に対してディスクロータ側に離れていると、アンカピン84が支持レール100の背後に位置し、アンカピン84と首部86が支持レール100と制輪子70のライニング裏板76に係合しない状態でアンカブロック80が締結される可能性がある。
こうしてアンカピン84の誤組み付けが行われた場合、支持レール100から制輪子70が脱落する不具合が生じるため、アンカピン84の誤組み付けを確実に防止する必要がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、アンカピンの誤組み付けを防止する鉄道車両用キャリパブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明は、車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体と、このキャリパ本体に設けられるアクチュエータによってディスクロータに対して進退するように駆動される支持レールと、この支持レールに連結されディスクロータに押し付けられる制輪子と、支持レールに設けられるアリ溝と、このアリ溝に下方から差し込まれる制輪子のライニング裏板と、このライニング裏板の下端に開口する係合凹部と、この係合凹部に係合して制輪子を支持するアンカピンと、このアンカピンをその軸方向に摺動可能に支持してキャリパ本体に締結されるアンカブロックと、支持レールの下端に開口する支持レール溝と、この支持レール溝に係合するアンカピンの首部とを備え、アンカピンが支持レールと共に進退して制輪子の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、支持レールにディスクロータと略平行に延びる支持レール延長下端部を設け、この支持レール延長下端部に支持レール溝に接続して車両の前後方向に延びる延長ガイド溝を形成し、制輪子の組み付け時にアンカピンの首部を延長ガイド溝に係合して待避させた状態でライニング裏板を支持レールのアリ溝に差し込んだ後、アンカピンの首部を延長ガイド溝に沿って支持レール溝に係合させる構成とした。
本発明によると、制輪子の組み付け時にアンカピン溝がこの延長ガイド溝に係合して支持レール溝に案内される。これにより、制輪子及びアンカピンの取り付け作業が支持レール延長下端部を介して確実に行われ、アンカピン溝が支持レール溝に係合しない状態でアンカブロックがキャリパ本体に締結されることがなく、アンカピンの誤組み付けによって支持レールから制輪子が脱落する不具合を回避できる。
以下、本発明の第一の実施の形態を添付図面の図1、図2に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一構成部には同一符号を付す。
図1の(a),(b)は、鉄道車両用キャリパブレーキ装置に備えられる支持レール100の側面図と正面図である。図2の(a)〜(d)は、キャリパ本体10から制輪子70を取り外す様子を示す側面図である。
鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は、制輪子70が車輪のディスクロータを挟持し、制動を掛けるものである。制輪子70はキャリパ本体10の第1のアーム12に設けられる図示しない油圧シリンダ(アクチュエータ)により押圧され、他方の制輪子との間で制動時にディスクロータを挟持する。
制輪子70はディスクロータに押し付けられるライニング部材74を備え、このライニング部材74はライニング背板を介してライニング裏板76に結合される。
キャリパ本体10にはアクチュエータとして油圧シリンダにより駆動される支持レール100が設けられ、この支持レール100は油圧シリンダの伸縮作動によってディスクロータに対して進退するように駆動される。
支持レール100には上下方向に延びるその前後端部を折り曲げてアリ溝94が形成され、このアリ溝94に対してライニング裏板76を下方から差し込んで嵌合される。(図8参照)
支持レール100にはその下端部にはアンカピン84が係合する支持レール溝102が開口してる。ライニング裏板76の下端にはアンカピン84が係合する係合凹部77が開口している。
キャリパ本体10には制輪子70とディスクロータとの間の隙間を自動的に調整する2個の隙間調整装置50が設けられ、支持レール100には隙間調整装置50から延びるアジャスタピン51に係合する2つの穴109が形成される。
第1のアーム12の下端にはアンカブロック80が連結され、このアンカブロック80は2本のアンカボルト82を介して第1のアーム12に締結される。
アンカブロック80はアンカピン84を摺動自在に支持するシリンダ85を有し、アンカピン84がディスクロータに対して進退するように支持される。
アンカピン84は円盤状の頭部87と環状溝状の首部86を有し、この頭部87がライニング裏板76の係合凹部77に係合して制動トルク反力を受け、首部86が支持レール100の支持レール溝102に係合して支持レール100と共に進退する。首部86が支持レール溝102に係合することによって、アンカピン84がその軸方向について支持レール100に対し所定の組み付け位置に保持され、頭部87の外周面にライニング裏板76の係合凹部77が着座するようになっている。
そして本発明の要旨とするところであるが、支持レール100にディスクロータと略平行に延びる支持レール延長下端部105を設け、この支持レール延長下端部105に支持レール溝102に接続して車両の前後方向に延びる延長ガイド溝103を形成し、制輪子70の組み付け時にアンカピン84の首部86を延長ガイド溝103に沿って支持レール溝102に係合させる構成とする。
支持レール延長下端部105は支持レール100にプレス加工により一体形成され、支持レール延長下端部105は支持レール100と同等の板厚を有する。支持レール溝102と延長ガイド溝103は、支持レール延長下端部105に打ち抜かれて形成される。
支持レール溝102は、支持レール100の中心線Ozに沿って直線状に延びるように形成される。これにより、アンカピン84の首部86は支持レール溝102に沿って昇降するように案内される。
延長ガイド溝103は支持レール100の中心線Ozと直交して前後方向に延びる水平線Oxに沿って直線状に延びるように形成される。これにより、アンカピン84の首部86は延長ガイド溝103に沿って前後方向に移動するように案内される。
支持レール溝102の下端に延長ガイド溝103の基端部が接続し、支持レール溝102と延長ガイド溝103は互いに直交してL字形に延びる。
延長ガイド溝103と支持レール溝102の開口幅は互いに等しく、首部86の溝底部の直径より所定値だけ大きい寸法に設定される。これにより、制輪子70の組み付け時に、首部86は延長ガイド溝103と支持レール溝102に渡って円滑に摺動し、かつ延長ガイド溝103と支持レール溝102から外れないように摺動する。
アンカピン84を延長ガイド溝103に組み付ける場合、分解したアンカピン84をその首部86が延長ガイド溝103に差し込まれるように組み立てる。
以上のように鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は構成され、次に作用及び効果について説明する。
図2の(a)〜(d)はキャリパ本体10から制輪子70を取り外す様子を示し、アンカボルト82を抜き、アンカブロック80をキャリパ本体10から下方へ離し、アンカピン84をライニング裏板76の下端部の係合凹部77から外して、制輪子70を下方へ抜き出す。
図2の(a)は、支持レール100に制輪子70を組み付けてアンカブロック80をキャリパ本体10に締結した状態を示し、支持レール溝102に首部86が係合し、アンカピン84が支持レール100と共に移動する。
この状態からアンカボルト82を抜き、図2の(a)に矢印で示すように、アンカブロック80をキャリパ本体10から下方へ離す。このとき、アンカピン84の首部86が支持レール溝102に係合して下降し、図2の(b)に示すように、延長ガイド溝103の基端部へと案内される。
この状態から、図2の(b)に矢印で示すように、アンカブロック80を車両の前方に移動する。このとき、アンカピン84の首部86が延長ガイド溝103に係合して前方に移動し、図2の(c)に示すように、延長ガイド溝103の先端部(前端部)へと案内される。
この状態から、図2の(c)に矢印で示すように、アンカブロック80をアンカピン84を中心に90°回動させる。これにより、図2の(d)に示すように、アンカブロック80が支持レール100のアリ溝94の下方に位置しないように待避する。
この状態から、図2の(d)に矢印で示すように、制輪子70を下降させ、ライニング裏板76を支持レール100のアリ溝94から抜き取る。このとき、図2の(d)に示すように、アンカブロック80が待避しているため、支持レール100から抜き取りられる制輪子70にアンカピン84が干渉しない。
キャリパ本体10に制輪子70を取り付ける場合、制輪子70のライニング裏板76を支持レール100のアリ溝94に嵌合させ、ライニング裏板76の上端部の係合凹部が上部受け部材に当接するまで押し上げる。このときも、図2の(d)に示すように、アンカブロック80が支持レール100のアリ溝94の下方に位置しないように待避させ、支持レール100に差し込まれる制輪子70にアンカピン84が干渉しないようにする。
そして、図2の(a)に示すように、アンカピン84をライニング裏板76の下部の係合凹部77に当接させ、アンカボルト82によってアンカブロック80をキャリパ本体10に締結する。
こうして、アンカピン84の首部86がこの延長ガイド溝103に係合して支持レール溝102に案内されることにより、首部86が支持レール100の支持レール溝102に確実に係合するとともに、アンカピン84がライニング裏板76の係合凹部77に確実に係合する。
本実施形態においては、車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体10と、このキャリパ本体10に設けられる油圧シリンダ(アクチュエータ)によってディスクロータに対して進退するように駆動される支持レール100と、この支持レール100に連結されディスクロータに押し付けられる制輪子70と、支持レール100に設けられるアリ溝94と、このアリ溝94に下方から差し込まれる制輪子70のライニング裏板76と、このライニング裏板76の下端に開口する係合凹部77と、この係合凹部77に係合して制輪子70を支持するアンカピン84と、このアンカピン84をその軸方向に摺動可能に支持してキャリパ本体10に締結されるアンカブロック80と、支持レール100に開口する支持レール溝102と、支持レール溝102に係合するアンカピン84の首部86とを備え、アンカピン84が支持レール100と共に進退して制輪子70の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、支持レール100にディスクロータと略平行に延びる支持レール延長下端部105を設け、この支持レール延長下端部105に支持レール溝102に接続して車両の前後方向に延びる延長ガイド溝103を形成し、制輪子70の組み付け時にアンカピン84の首部86を延長ガイド溝103に係合して待避させた状態でライニング裏板76を支持レール100のアリ溝94に差し込んだ後、アンカピン84の首部86を延長ガイド溝103に沿って支持レール溝102に係合させる構成としたため、制輪子70及びアンカピン84の取り付け作業が確実に行われ、首部86が支持レール溝102に係合しない状態でアンカブロック80がキャリパ本体10に締結されることがなく、アンカピン84の誤組み付けによって支持レール100から制輪子70が脱落する不具合を回避できる。
そして、制輪子70の交換作業時、アンカピン84はその首部86が延長ガイド溝103に係合しているため、アンカブロック80をキャリパ本体10に対して脱落しないように保持される。これにより、アンカブロック80を吊り下げる従来のアンカスプリングを廃止することが可能となり、構造の簡素化がはかれる。
また、本実施形態においては、支持レール溝102の下端に延長ガイド溝103の基端部が接続し、支持レール溝102と延長ガイド溝103は互いに直交してL字形に延びる構造としたため、延長ガイド溝103の長さを最小限にして支持レール100の大型化を抑えられる。
ところで、支持レール100はL字形の延長ガイド溝103を持つことにより、その中心線Ozについて非対称の形状となるため、左右車輪のキャリパブレーキ装置にそれぞれ専用の支持レール100を設ける必要がある。
この対策として、次に図3の(a),(b)に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の(a),(b)の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
支持レール溝102の下端に延長ガイド溝106の中央部が接続し、支持レール溝102と延長ガイド溝106がT字形に延びる構造とする。
延長ガイド溝106は支持レール100の中心線Ozと直交して前後方向に延びる水平線Oxに沿って直線状に延びるように形成される。これにより、アンカピン84の首部86は延長ガイド溝106に沿って前後方向に移動するように案内される。
延長ガイド溝106と支持レール溝102の開口幅は互いに等しく、首部86の溝底部の直径より所定値だけ大きい寸法に設定される。これにより、制輪子70の組み付け時に、首部86は延長ガイド溝106と支持レール溝102に渡って円滑に摺動し、かつ延長ガイド溝106と支持レール溝102から外れないように摺動する。
本実施形態において、支持レール100はT字形の延長ガイド溝106を持つことにより、その中心線Ozについて対称の形状となるため、左右車輪のキャリパブレーキ装置に共通の支持レール100を用いることが可能となり、部品点数の削減がはかれる。
ところで、アンカピン84を延長ガイド溝106に組み付ける場合、分解したアンカピン84をその首部86が延長ガイド溝106に差し込まれるように組み立てる必要があり、この組み付け作業に手間がかかる。
この対策として、次に図4の(a),(b)に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の(a),(b)の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
延長ガイド溝107は支持レール延長下端部105に開口する溝開口端108を有し、この溝開口端108を開閉するストッパ109と、このストッパ109を開口端を閉じる方向に付勢するスプリング119とを備える。
棒状のストッパ109の基端部はピン118を介して回動可能に支持される。コイル状にスプリング119はこのピン118に掛け回されるように介装され、ストッパ109を図4の(a)において左方向に回動させる方向に付勢する。
図4の(a),(b)に示すように、ストッパ109が立って溝開口端108を閉じた状態ではストッパ109の突起109aが支持レール延長下端部105の段部117に当接している。この状態からストッパ109を図4の(a)において右方向に回動させて倒すと、ストッパ109の突起109aが支持レール延長下端部105の凹部116に係合し、ストッパ109が延長ガイド溝107の下面107aより上方に突出しないようになっている。
アンカピン84を延長ガイド溝106に組み付ける場合、ストッパ109をスプリング119に抗して倒し、アンカピン84の首部86を延長ガイド溝106に差し込み、首部86を延長ガイド溝107の先端へて移動し、ストッパ109をスプリング119の付勢力によって立てて溝開口端108を閉じる。これにより、前記実施形態のように、アンカピン84を分解して組み付ける必要が無く、この組み付け作業に手間がかからない。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の実施の形態を示す支持レールの側面図及び正面図。 同じく制輪子を取り外す様子を示す側面図。 他の実施の形態を示す支持レールの側面図及び正面図。 さらに他の実施の形態を示す支持レールの側面図及び正面図。 従来例を示すキャリパブレーキ装置の側面図。 同じくキャリパブレーキ装置の正面図。 同じく制輪子の平面図及び側面図。 同じくキャリパブレーキ装置の断面図。 同じく第1、第2のアームに嵌合されていた制輪子を下方へ引き抜く様子を示す正面図。 同じく制輪子が正常に組み付けられる様子を示す正面図。 同じく制輪子が誤って組み付けられる様子を示す正面図。
符号の説明
10 キャリパ本体
70 制輪子
76 ライニング裏板
77 係合凹部
80 アンカブロック
84 アンカピン
86 首部
87 頭部
100 支持レール
102 支持レール溝
103 延長ガイド溝
105 支持レール延長下端部
106 延長ガイド溝
107 延長ガイド溝
109 ストッパ
119 スプリング

Claims (4)

  1. 車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体と、このキャリパ本体に設けられるアクチュエータによって前記ディスクロータに対して進退するように駆動される支持レールと、この支持レールに連結され前記ディスクロータに押し付けられる制輪子と、支持レールに設けられるアリ溝と、このアリ溝に下方から差し込まれる前記制輪子のライニング裏板と、このライニング裏板の下端に開口する係合凹部と、この係合凹部に係合して前記制輪子を支持するアンカピンと、このアンカピンをその軸方向に摺動可能に支持して前記キャリパ本体に締結されるアンカブロックと、前記支持レールに開口する支持レール溝と、この支持レール溝に係合する前記アンカピンの首部とを備え、前記アンカピンが前記支持レールと共に進退して前記制輪子の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、
    前記支持レールにディスクロータと略平行に延びる支持レール延長下端部を設け、この支持レール延長下端部に前記支持レール溝に接続して車両の前後方向に延びる延長ガイド溝を形成し、前記制輪子の組み付け時に前記アンカピンの前記首部を延長ガイド溝に係合して待避させた状態で前記ライニング裏板を前記支持レールのアリ溝に差し込んだ後、前記アンカピンの前記首部を前記延長ガイド溝に沿って前記支持レール溝に係合させる構成としたことを特徴とする鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  2. 前記支持レール溝の下端に前記延長ガイド溝の基端部が接続し、前記支持レール溝と前記延長ガイド溝がL字形に延びることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  3. 前記支持レール溝の下端に前記延長ガイド溝の中央部が接続し、前記支持レール溝と前記延長ガイド溝がT字形に延びることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  4. 前記延長ガイド溝は前記支持レール延長下端部に開口する溝開口端を有し、この溝開口端を開閉するストッパと、このストッパを開口端を閉じる方向に付勢するスプリングとを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
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