JPH10157620A - ディスクブレーキの制輪子取付構造 - Google Patents

ディスクブレーキの制輪子取付構造

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JPH10157620A
JPH10157620A JP33643396A JP33643396A JPH10157620A JP H10157620 A JPH10157620 A JP H10157620A JP 33643396 A JP33643396 A JP 33643396A JP 33643396 A JP33643396 A JP 33643396A JP H10157620 A JPH10157620 A JP H10157620A
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caliper
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Shigeru Yoshizawa
茂 吉澤
Susumu Konno
享 今野
Koji Murabayashi
浩治 村林
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MURABAYASHI KOGYO KK
Akebono Brake Industry Co Ltd
East Japan Railway Co
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MURABAYASHI KOGYO KK
Akebono Brake Industry Co Ltd
East Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカピンをキャップラバーを介して押出可
能にし、ガイドプレートとの嵌合作業を容易にする。 【解決手段】 下部アンカブロック30をキャリパ10
より取り外し、制輪子18をキャリパ10下方からガイ
ドプレート22に嵌め込み摺動移動させる。制輪子18
をガイドプレート22内に収め、次いで制輪子18を上
方に持ち上げるとともに、下部アンカピン26を移動さ
せ、ガイドプレート22を環状溝40に嵌合させる。こ
こで下部アンカピン26の背面側にはキャップ42とキ
ャップラバー44とが配置されており、背面側から押出
部56を押圧することで弾性部54が変形し、押出部5
6が下部アンカピン26を押し出すのである。このため
ガイドプレート22と環状溝40との嵌合作業が容易に
なり、作業効率向上が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として鉄道車両
に適用されるディスクブレーキの制輪子取付構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両用のディスクブレーキで
は、台車枠に支持されたキャリパによって保持される制
輪子を車輪とともに回転するディスクの両面部に対面す
るように配置している。そしてキャリパ片側に装備した
液圧手段に液圧を導入させ、液圧手段にて制輪子をディ
スクに押しつけると、ディスクへの押しつけ反力にてキ
ャリパが移動し、液圧手段反対側に配置された制輪子も
ディスクを押しつけ、ディスク両面から制輪子がディス
クを挟圧し、制動力を得るようにしている。
【0003】このような鉄道車両用のディスクブレーキ
では、ライニング摩耗に伴って制輪子を交換する必要が
あるため、制輪子をキャリパから簡単に着脱できるよう
にしている。この着脱機構は、キャリパにおける制輪子
保持部の内面部に対して制輪子をスライドできるように
制輪子にアリ、制輪子保持部側にアリ溝を設けた摺動構
造とし、通常は制輪子を下方すなわちレール側に引き抜
き可能として構成されている。
【0004】液圧手段が装備された側の制輪子保持部
は、液圧手段から押圧されるガイドインナで構成されて
おり、液圧手段の動作によりディスクの軸方向へと移動
可能になっている。また当該ガイドインナの上下端に位
置するキャリパ部分には、制輪子がディスクに圧接する
ことにより発生する制動トルクを受けとめるアンカブロ
ックを装着可能としている。このアンカブロックは、ガ
イドインナのアリ溝を塞ぐように締め付けボルトでキャ
リパに固定されるようになっており、またアンカブロッ
クの中央付近にはディスクの軸方向に沿った摺動穴が設
けられている。当該摺動穴にはガイドインナと嵌合し、
摺動穴と摺動可能なアンカピンが備えられている。そし
てアンカピンにおいてガイドインナと嵌合位置合わせさ
れる部分には、当該ガイドインナの厚みに対応した、環
状溝が設けられている。このため液圧手段の働きによっ
て制輪子とガイドインナとが移動しても、アンカピンは
ガイドインナと環状溝で嵌合していることから、制輪子
とガイドインナ、およびアンカピンとの相対位置は変動
せず、アンカピンは、常に同じ位置で制輪子からの制動
トルクを受ける。
【0005】また摺動穴の背面側には、当該摺動穴とア
ンカピンとの摺動部分には、異物が侵入するのを防止す
るため、摺動穴開口部に金属製のキャップがはめ込まれ
ており、その中央部分には通気用のスリットをもつゴム
製のキャップラバーが装着されている。
【0006】制輪子はキャリパの下方側、すなわちレー
ル側から装着されるので、ガイドインナ下方側に装着さ
れるアンカブロックは、制輪子の交換に伴いキャリパよ
り着脱されるのである。一方、ガイドインナ上方側に装
着されるアンカブロックは、制輪子の交換に応じてキャ
リパより着脱させる必要がなく、常に締め付けボルトに
よってキャリパに固定されている。
【0007】ここで新規の制輪子をガイドインナに装着
する手順を図6を用いて説明する。締め付けボルト3を
緩めて、アンカブロックを下方に移動させると共に回転
させて、古い制輪子を下方に抜き取った後、新規の制輪
子をガイドインナ1下方側から、制輪子のアリをガイド
インナ1に設けられているアリ溝に摺動させ、上方へと
移動させる。制輪子をガイドインナ1に収めた後、制輪
子を上方へ持ち上げるとともにアンカブロック2内のア
ンカピン5の先端側を手6で掴み前後に摺動させ、当該
アンカピン5の環状溝7にガイドインナ1を嵌合させ
る。その後、締め付けボルト3を締め付け、キャリパ4
にアンカブロック2を固定して、制輪子の装着作業を終
了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液圧手段が
装備された側の制輪子保持部では、アンカピンの環状溝
にガイドインナを嵌合させる際、片手で制輪子を上方に
持ち上げるとともに、アンカピンの環状溝先端側をもう
片方の手で掴み、アンカピンを前後移動させる作業が要
求される。しかしアンカピンをディスク方向へと移動さ
せる場合には、摺動穴の背面側開口部に設置されたキャ
ップとキャップラバーとが摺動穴の蓋部分となり、摺動
穴内部が負圧気味となる。このためアンカピンの引き出
しには、多大な力を必要とし、作業は困難なものになっ
ていた。この負圧現象は、アンカピンの摺動抵抗を低減
させるため摺動穴に充填されたグリースがキャップラバ
ーに設けたスリットを塞ぎ、通気性を損なわせているこ
とが原因である。しかしアンカピンの摺動抵抗低減の目
的からグリースの削除は困難であり、その結果制輪子の
交換作業には作業性の悪化が伴っていた。
【0009】本発明は、摺動穴の背面に設置された蓋部
分を改良することにより、摺動穴の背面側開口部からの
アンカピン押出を可能にし、もって作業性の向上を図る
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンカピンの
摺動移動を摺動穴の背面側からの押圧で達成できれば、
作業者はアンカピン環状溝先端側を掴み、アンカピンを
引き抜く必要が無くなり、作業性が向上する。さらに押
圧機構にダイヤフラム構造を適用すれば、アンカピン端
面と摺動穴の蓋部分とで形成する空間を負圧気味にする
ことも防止できるので、このことからも作業性が向上す
るという知見に基づいてなされたものである。
【0011】すなわち本発明に係るディスクブレーキの
制輪子取付構造とは、制輪子を保持する制輪子保持部
と、前記制輪子保持部と位置合わせされ前記制輪子から
の制動トルクを支承するアンカピンと、前記アンカピン
を摺動穴で摺動保持可能としキャリパから着脱自在のア
ンカブロックとからなるディスクブレーキの制輪子取付
構造において、前記摺動穴の背面側に押出機構を設け、
前記押出機構への押圧動作で前記制輪子取付時における
前記アンカピンと前記制輪子保持部との位置合わせを可
能にしたのである。そして前記押出機構には、ダイヤフ
ラム構造を用いることとしたのである。
【0012】
【作用】上記構成によれば、制輪子を制輪子保持部に対
して、案内に沿って挿入し、そしてアンカブロックが摺
動可能に保持しているアンカピンを摺動穴に沿って前後
移動させ、制輪子保持部との位置合わせをおこなう。こ
こで摺動穴の背面側には、押出機構が設けられているの
で、当該押出機構への押圧動作をおこなうことにより、
アンカピンをディスク側へと摺動移動させることができ
る。このためアンカピンの摺動移動に要する力は最小限
で済み、作業者は、制輪子取付時におけるアンカピンと
制輪子保持部との位置合わせを容易に行うことができ
る。次いでアンカブロックを締め付けボルトを用いてキ
ャリパへ固定する。
【0013】また押出機構にダイヤフラム構造を用いれ
ば、部品点数を削減が可能で機構を簡略化できるととも
に、摺動穴に対して密閉構造をとることが可能である。
このため押出機構のコスト低減と摺動穴内部への粉塵等
の侵入を防止することができる。また摺動穴に対して密
閉を保つとともに、アンカピンの摺動移動に伴う摺動穴
内部の負圧発生も抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るディスクブ
レーキの制輪子取付構造において、好適な実施の形態を
図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るデ
ィスクブレーキの制輪子取付構造を用いたディスクブレ
ーキ装置の断面図を示し、図2は同装置の側面図を示
す。
【0015】本実施の形態に係る鉄道車両用ディスクブ
レーキ装置は、台車枠に取り付けられる図示しないサポ
ートに対して別体構造とされたキャリパ10が上下一対
のガイドピン12によって車軸方向に摺動可能に取り付
けられている。そしてキャリパ10におけるガイドピン
12装着位置の反対側には、図示しない車輪と一体にな
ったディスク11を跨いで対面するように図示しないア
ーム(アウタ側)と、アーム14(インナ側)とが延長
配置されている。そして当該2本のアームの先端には、
T字形状をなすように形成された制輪子保持部が設けら
れており、これは地表面に対して垂直方向を向くように
設定されているのである。
【0016】ここで前記アームのうち台車枠の内側に配
置されたインナ側となるアーム14においては、制輪子
保持部16のディスク対面部に設けたガイドインナと、
制輪子18とに形成したアリとアリ溝との摺動保持構造
によって両者を取り付けるようにしている。本実施の形
態では制輪子保持部16側のガイドインナにアリ溝を形
成し、制輪子18側にアリを形成するようにしている。
また同様にアウタ側に設けた制輪子保持部にも、アリと
アリ溝との摺動保持構造によって制輪子が取り付けられ
ている。
【0017】インナ側には、液圧手段となる液圧シリン
ダ機構20が装備されており、当該液圧シリンダ機構2
0の作動によりディスクに向けて制輪子18を移動さ
せ、ディスクを押圧する。そしてディスクへの押しつけ
反力によりキャリパ10がガイドピン12に沿って移動
し、次いでディスクを跨いで対面するアウタ側に配置さ
れた制輪子がディスクを押圧する。これらの動作によ
り、ディスクを制輪子が両面から挟圧してディスクまわ
りの制動力を発生するようにしている。したがってシリ
ンダ側制輪子保持部16には、液圧シリンダ機構20の
ピストンに押圧されるガイドインナとしてのガイドプレ
ート22を適用し、これにアリ溝を形成して制輪子18
を装着するものとしている。
【0018】ガイドプレート22は図4(1)に示すよ
うに、長尺板材の両側縁をU字状に折り返すことにより
形成されたアリ溝を有し、アリ溝の上下端は開放させて
ある。ガイドプレート22上端には上部アンカピン24
が装着可能なように貫通穴が形成され、ガイドプレート
22下端には、下部アンカピン26を端縁からスライド
挿入できるように切欠きが形成されている。なお、ガイ
ドプレート22の中央部分にはオートアジャスタ機構の
取合い穴が一対形成されている。ガイドプレート22に
おけるアリ溝の上下開口部分には、それぞれ上下アンカ
ピン24、26を含んだ上下アンカブロック28、30
を取り付けることにより閉塞可能となっている。そして
制輪子18からの制動トルクを支承する上下アンカブロ
ック28、30は、締め付けボルト32によりキャリパ
10に固定されるものとなっている。
【0019】上下アンカブロック28、30は、中央部
付近にディスクの軸方向に沿った摺動穴34が設けられ
ており、また当該摺動穴34の両側側方には、摺動穴3
4の軸心に直交し、締め付けボルト32でキャリパ10
に固定するための取付穴36が設けられている。ここで
摺動穴34には、上下アンカピン24、26が収まると
ともにグリースが充填されており、当該グリースによっ
て摺動穴内部での上下アンカピン24、26の摺動抵抗
の低減作用をなしている。
【0020】下部アンカピン26のディスク側には、ガ
イドプレート22の切欠きに嵌合する環状溝40が設け
られている。そして当該環状溝40からディスク側端面
までは、制輪子18のバックプレートアンカ41と接触
がおこなわれるように径が設定されている。このため液
圧シリンダ機構20の作動で、上下アンカピン24、2
6は、ガイドプレート22および制輪子18に伴いディ
スク面方向に移動するとともに、バックプレートアンカ
41からの制動トルクを支承するのである。
【0021】また下部アンカブロック30のディスク面
と対面する面の反対側、すなわち背面側には、摺動穴3
4の開口部を塞ぐように、ダイヤフラム構造を用いた押
出機構であるキャップ42とキャップラバー44とが設
けられている。図3はキャップ42とキャップラバー4
4との部品構成を示すとともに両者の組み付け後の状態
を示す。キャップ42は、金属の薄板をプレス加工によ
り円盤状に打ち抜き形成したものであり、その形態は外
縁部46に沿って同心円状に段差絞りをおこない段差部
48を設けるとともに、段差部48の中央部分にラバー
取付用のラバー取付穴50を打ち抜き形成したものであ
る。
【0022】一方キャップラバー44は、キャップ42
中央部分のラバー取付穴50に嵌合固定されるものであ
る。そして当該キャップラバー44は、ゴム弾性材で成
形されたものであり、その構成は、外縁側から内側へと
順に取付部52、弾性部54、押出部56となってい
る。すなわち取付部52においては、円筒状からなり前
記ラバー取付穴50に嵌合固定が可能なように、取付部
52の厚み方向中央部分にラバー取付穴50の穴径に対
応し、キャップ42の板厚に応じた取付溝58が設けら
れている。また押出部56は円柱状からなり、押出部5
6の軸心方向から押圧外力が加わった際、当該押圧外力
によって押出部56が大きく変形するのを防止する目的
から厚肉に成形されている。そして前述した取付部52
と押出部56との間には、両者を接続するように弾性部
54が設けられているのである。当該弾性部54は、取
付部52において下部アンカピン26端面と対面する側
から引き出され、押出部56の後端側に接続するように
傘状に設けられたものである。そして弾性部54の厚み
は、押出部56に押圧外力が加わった際、当該押圧外力
による変形の大半を弾性部54が受け持てるように薄肉
に成形されている。
【0023】上述のように構成されたキャップ42とキ
ャップラバー44とは、図3(3)に示すようにラバー
取付穴50と取付溝58とで嵌合固定され、この状態で
下部アンカブロック30における摺動穴34の背面側開
口部に固定される。そしてこの嵌合固定により摺動穴3
4外部より摺動穴34内部に粉塵等が侵入するのを防止
することができる。このように摺動穴34に固定された
キャップラバー44の押出部56を下部アンカブロック
30外方から摺動穴34軸心方向に向かって押圧する
と、弾性部54の変形によって押出部56が下部アンカ
ピン26端面に接触し、下部アンカピン26を移動させ
るのである。
【0024】このように構成されたディスクブレーキの
制輪子取付構造を用いて、鉄道車両用ディスクブレーキ
装置におけるインナ側制輪子を交換する手順を説明す
る。
【0025】まず、締め付けボルト32を緩めること
で、下部アンカブロック30をキャリパ10より取り外
す。そして摩耗した制輪子をガイドプレート22から下
方に摺動させながら取り外す。摩耗した制輪子を取り外
した後、今度は新規の制輪子18をキャリパ10下方か
ら、制輪子18側に形成させたアリをガイドプレート2
2に形成させたアリ溝に挿入させ、制輪子18を上方へ
と摺動移動させるのである。ガイドプレート22に制輪
子18を装着する手順を図4(1)に示す。このように
制輪子18をガイドプレート22内に保持した後に、制
輪子18が上部アンカピン24に接触するまで、上方に
持ち上げる。そして制輪子18を上部アンカピン24に
接触させた状態を保つとともに、下部アンカピン26に
設けられた環状溝40がガイドプレート22の下方に設
けた切欠きに嵌合するように下部アンカピン26を前後
に摺動移動させる。この摺動移動の状態を図4(2)に
示す。作業者は下部アンカピン26のディスク側への摺
動移動を摺動穴34の背面側より、押出部56を下部ア
ンカピン26の軸心方向に押圧することでおこなう。こ
の押出部56を押圧することによって、取付部52と押
出部56とを接続する弾性部54が変形し、当該弾性部
54の変形によって押出部56の先端が下部アンカピン
26の環状溝40反対側端面に接触する。そして下部ア
ンカピン26をディスク側へと移動させるのである。こ
の押圧動作に伴って弾性部54は変形していくので、下
部アンカピン26端面と押出機構とで形成する空間の負
圧発生を抑えることができる。このように下部アンカピ
ン26を摺動移動させることにより、環状溝40をガイ
ドプレート22に嵌合させるのである。そしてこれら環
状溝40とガイドプレート22とを嵌合させた後は、下
部アンカブロック30を持ち上げて、バックプレートア
ンカ41を下部アンカピン26に接触させ、次いで締め
付けボルト32を締め、下部アンカブロック30をキャ
リパ10に固定させるのである。
【0026】このように摺動穴34をキャップ42とキ
ャップラバー44とで覆いつつ下部アンカピン26を押
出可能にしたことから、外部より摺動穴34内部への粉
塵等の侵入が防止できるとともにガイドプレート22と
環状溝40との嵌合作業を容易におこなうことが可能に
なる。なお下部アンカブロック30については、キャリ
パ10からの離脱を防止する目的から、下部アンカブロ
ック30の一端部にヒンジを設けるとともに他端部には
アンカスプリングを設け、これらにより締め付けボルト
32をキャリパ10から取り外した場合でも、下部アン
カブロック30がキャリパ10に連繋されるようにして
もよい。
【0027】本実施の形態における鉄道車両用ディスク
ブレーキの構成から、台車枠内側すなわちインナ側の制
輪子交換作業の手順について述べたが、アウタ側の制輪
子に発生する制動トルクをアンカピンで支承する構成
や、インナ側、アウタ側両方共にアンカピンを使用し制
動トルクを支承する構成についても、上述したディスク
ブレーキの制輪子取付構造が適応できるのはいうまでも
ない。
【0028】また本実施の形態では、キャップ42にキ
ャップラバー44の取付溝58を用いて両者を嵌合させ
ダイヤフラムとなる押出機構としていたが、両者を一体
成形により構成してもよい。またキャップ42とキャッ
プラバー44との2つの部品を用いずとも、単一の弾性
部材からなる部品で構成してもよい。
【0029】さらに本実施の形態では、押出機構にダイ
ヤフラム構造を用いたが、ダイヤフラム構造以外の下部
アンカピン30を押出可能にする構造を適用してもよ
い。ダイヤフラム構造に代わる第2の構造としては、図
5に示すようにキャップ60中央部にシャフト挿通穴を
設け、当該シャフト挿通穴にシャフト64を挿通させ
る。シャフト64の摺動穴34側には、押圧板66が設
けられておりシャフト64他端側にはスプリングストッ
パ68が設けられている。そしてキャップ60とスプリ
ングストッパ68との間には、スプリング70が配置さ
れている。
【0030】このように押出機構を構成すればダイヤフ
ラアム構造と同様に下部アンカピン26を押出可能にす
ることが可能となる。またスプリング70の代わりにカ
ム機構を用いれば、下部アンカピン26の押出量を微調
整できるとともに、押出位置での下部アンカピン26の
固定が可能となる。このため作業者は作業の途中で片手
を離すことができ、他の作業を同時におこなうことが可
能となる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制輪子を保持する制輪子保持部と、制輪子保持部と位置
合わせされ制輪子からの制動トルクを支承するアンカピ
ンと、アンカピンを摺動穴で摺動保持可能としキャリパ
から着脱自在のアンカブロックとからなるディスクブレ
ーキの制輪子取付構造において、摺動穴の背面側に押出
機構を設け、押出機構への押圧動作で制輪子取付時にお
けるアンカピンと制輪子保持部との位置合わせを可能に
したことより、アンカピンの摺動移動に要する力は最小
限で済み、作業者は、制輪子取付時におけるアンカピン
と制輪子保持部との位置合わせを容易に行うことができ
る。
【0032】また押出機構にダイヤフラム構造を用いれ
ば、部品点数を削減が可能で機構を簡略化できるととも
に、摺動穴に対して密閉構造をとることが可能である。
このため押出機構のコスト低減と摺動穴内部への粉塵等
の侵入を防止することができる。また摺動穴に対して密
閉を保つとともに、アンカピンの摺動移動に伴う摺動穴
内部の負圧発生も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクブレーキの制輪子取付構造を用いたデ
ィスクブレーキ装置の断面図である。
【図2】ディスクブレーキの制輪子取付構造を用いたデ
ィスクブレーキ装置の側面図である。
【図3】キャップ42とキャップラバー44との部品構
成と両者の組み付け後の状態とを示す構成図である。
【図4】下部アンカブロック30をキャリパ10に装着
する手順と、下部アンカピン26を摺動させる状態を示
した状態図である。
【図5】ダイヤフラム構造に代わる押出機構の説明図で
ある。
【図6】従来におけるガイドインナとアンカピンとの嵌
合手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドインナ 2 アンカブロック 3 締め付けボルト 4 キャリパ 5 アンカピン 6 手 7 環状溝 10 キャリパ 11 ディスク 12 ガイドピン 14 アーム(インナ側) 16 制輪子保持部 18 制輪子 20 液圧シリンダ機構 22 ガイドプレート 24 上部アンカピン 26 下部アンカピン 28 上部アンカブロック 30 下部アンカブック 32 締め付けボルト 34 摺動穴 36 取付穴 40 環状溝 41 バックプレートアンカ 42 キャップ 44 キャップラバー 46 外縁部 48 段差部 50 ラバー取付穴 52 取付部 54 弾性部 56 押出部 58 取付溝 60 キャップ 64 シャフト 66 押圧板 68 スプリングストッパ 70 スプリング 72 Oリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今野 享 宮城県仙台市若林区文化町10−6−311 (72)発明者 村林 浩治 神奈川県鎌倉市浄明寺6−16−4

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制輪子を保持する制輪子保持部と、前記
    制輪子保持部と位置合わせされ前記制輪子からの制動ト
    ルクを支承するアンカピンと、前記アンカピンを摺動穴
    で摺動保持可能としキャリパから着脱自在のアンカブロ
    ックとからなるディスクブレーキの制輪子取付構造にお
    いて、前記摺動穴の背面側に押出機構を設け、前記押出
    機構への押圧動作で前記制輪子取付時における前記アン
    カピンと前記制輪子保持部との位置合わせを可能にした
    ことを特徴とするディスクブレーキの制輪子取付構造。
  2. 【請求項2】 前記押出機構には、ダイヤフラム構造を
    用いたことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレ
    ーキの制輪子取付構造。
JP33643396A 1996-12-02 1996-12-02 ディスクブレーキの制輪子取付構造 Expired - Fee Related JP3797500B2 (ja)

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