JPS5833310Y2 - 摺動キヤリパ型デイスクブレ−キ装置のプツシユ・ブ−ツ結合体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ブレーキディスクを挾んで対向する一対の摩
擦パッドをブレーキディスクの軸線方向に摺動自在に支
持する固定のブラケットニ、一方の摩擦パッドの背面を
押圧する抑圧手段を備えた第１挾み腕および他方の摩擦
パッドの背面に当接する第２挾み腕をもつブレーキキャ
リパをブレーキディスクの軸線と平行な摺動ピンを介し
て連結してなる摺動キャリパ型ディスクブレーキ装置に
おいて、制動トルクによるブラケットの撓みを吸収して
摺動ピンへの横荷重を防止し、且つ摺動ピンの摺動部を
泥水、塵埃等より保護するために、摺動ピンの支持孔に
設けられるブツシュ・ブーツ結合体に関する。

従来、か＼るブツシュ・ブーツ結合体として、摺動ピン
の支持孔に嵌着された摺動ピンを受容する弾性ブツシュ
と、摺動ピンの露出部を被包するベローズ状の伸縮ブー
ツとを一体成形したものが知られているが、そのものは
全体として細長い上、形状が複雑であるため成形が困難
で不良率が高く、コスト高となる欠点がある。

本考案は上記欠点を解消すべく提案されたもので、弾性
ブツシュと伸縮ブツシュとを分離してそれぞれの成形を
容易にし、そして成形後、摺動ピンにその摺動性を阻害
するような過度の緊迫力を与えることなく上記両者を緊
密に結合し得るようにした、簡単有効な前記ブツシュ・
ブーツ結合体を提供することを目的とする。

以下、図面により本考案の一実施例について説明すると
、図示例は自動車用ディスクブレーキ装置であって、車
輪（図示せず）と共に回転するブレーキディスクＤの一
側に、ブレーキキャリパＣを支持するブラケットＢが隣
接して配置され、このブラケツＩ−Ｂは、第２図で下部
の取付孔１，１に挿通されるボルトにより車体（図示せ
ず）に固着されるものである。

ブラケットＢはブレーキディスクＤの回転方向に一定の
間隔を置いて並ぶ二本の支持腕２，２を有し、それらは
ブレーキディスクＤの外周部を左右に跨ぐように先端が
逆Ｕ字状に屈曲している。

これら両腕部２，２の相対向面にはブレーキディスクＤ
を挾んで並ぶ二対の角形案内レール３，３；３’、３’
が一体に突設されており、これらによって、ブレーキデ
ィスクＤの両側に配置される一対の摩擦パッドＰ 、
Ｐ’の各裏板４． 、４２が、その前後両端の肩部を介
して支承され、摩擦パッドＰ 、 Ｐ’は各案内レール
３，３；３’、３’上をブレーキディスクＤの回転軸方
向に摺動することができる。

ブレーキキャリパＣは両摩擦パッドＰ 、 Ｐ’を左右
に跨ぐ第１および第２挾み腕５１，５２を有し、第１挾
み腕５□には、図示しない公知のブレーキマスクシリン
ダと連通ずる油圧シリンダ６が形成され、そこに摩擦パ
ッドＰの背面を押圧し得るピストン７が摺合する。

一方、第２挾み腕５２は他方の摩擦パッドＰ′の背面に
当接する。

また第１挾み腕５．は、その前後両端に一対の耳部８，
８を有し、各耳部にはブレーキディスクＤの回転軸と平
行な摺動ピン９が着脱可能に螺着されており、各摺動ピ
ン９はブラケットＨの各支持腕２の上端部に穿設した支
持孔１０に本考案のブツシュ・ブーツ結合体１１を介し
てそれぞれ摺動自在に嵌挿される。

さて、ブツシュ・ブーツ結合体１１は弾性ブツシュ１２
と伸縮ブーツ１３とに分けられ、それぞれゴム等の弾性
材により個別に成形される。

弾性ブツシュ１２は一端を開放、他端を閉塞しており、
その開放端部外周には、外端に外向きの係止フランジ１
４ａを有する補強環１４が焼付け、接着等により固着さ
れ、またその閉塞端壁には外向きの抜止めフランジ１２
ａが一体に形成される。

補強環１４は金属その他の剛性材より構成される。

伸縮ブーツ１３は両端を開放したベローズ状をなし、そ
の両端にはそれぞれ厚肉の係止リング１３ａ、１３ｂを
一体に備えており、一方の係止リング１３ａを前記係止
フランジ１４ａを越えて補強環１４の円筒部外周に弾力
的且つ緊密に嵌合すれば、弾性ブツシュ１３と緊密に結
合され、即ちブツシュ・ブーツ結合体１１が構成される
。

このブツシュ・ブーツ結合体１１の取付に際しては、先
ず弾性ブツシュ１２を、これに適度な締代を与えながら
ブラケットＢの支持孔１０に弾力的に嵌合すると共に、
閉塞端壁の抜止めフランジ１２ａをブラケットＢの外側
面に係合させ、伸縮ブーツ１３の一方の係止リング１３
ａを、支持孔１０の内端開口部を拡張して形成した環状
凹部１５に弾力的に嵌合し、かくして抜止めフランジ１
２ａと係止リング１３ａおよび係止フランジ１４ａとの
ブラケツＩ−Ｂに対する挟持作用により弾性ブツシュ１
２の軸方向移動は阻止される。

次いで弾性ブツシュ１２内に摺動ピン９を嵌挿し、その
際、両者の摺動面には潤滑グリースを塗布する。

最後に摺動ピン９の基端外周に形成した環状溝１６に伸
縮ブーツ１３の他方の係止リング１３ｂを弾力的に嵌込
むものである。

而して、弾性ブツシュ１２は摺動ピン９の摺動性を阻害
しない程度にその外周面に適当な緊迫力を加えてその盲
動を防止する。

次にこの実施例の作用を説明すると、いま第１図におい
て、ブレーキマスクシリンダから油圧シリンダ６に圧油
を供給すれば、その油圧により前進するピストン７が摩
擦パッドＰを押動してブレーキディスクＤの一側面に圧
接し、同時にその反作用によりブレーキキャリパＣが、
摺動ピン９を支持孔１０に嵌着された弾性ブツシュ１２
に摺動させながらピストン７と反対方向に移動して、第
２挾み腕５２により摩擦パッドＰ′を押動してブレーキ
ディスクＤの他側面に圧接し、以上によりブレーキディ
スクＤの両側面に摩擦制動力を等しく加えることができ
る。

このとき摩擦パッドＰ 、 Ｐ’に働く制動トルクは、
ブレーキディスクＤの回出側に位置する支持腕２に支承
され、それに伴い該支持腕２が撓みを起こしても、その
撓みは弾性ブツシュ１２の弾性変形に吸収されるので、
摺動ピン９に横荷重が加わることを防止若しくは著しく
減少でき、摺動ピン９、したがってブレーキキャリパＣ
の摺動性が損われず、両摩擦パッドＰ、Ｐ′を的確に挟
圧することができる。

また摩擦パッドＰ 、 Ｐ’の摩擦振動はブラケットＢ
に伝達されるが、弾性ブツシュ１２の防振機能により摺
動ピン９への伝達が抑制されるので、ブレーキキャリパ
Ｃの共振による制動異音の発生を未然に防止することが
できる。

以上のように本考案によれば、ブツシュ・ブーツ結合体
１１を弾性ブツシュ１２と伸縮ブーツ１３とに分割した
ので、それぞれの単体形状は比較的単純でそれぞれの成
形を容易、確実に行うことができ、そして弾性ブツシュ
１２の一端部に外向きの係止フランジ１４ａを有する補
強環１４を結着し、伸縮ブーツ１３の一端に一体に形成
した係止リング１３ａを前記係止フランジ１４ａを越え
て補強環１４の外周に緊密に嵌合したので、両者１２゜
１３の連結を簡単、容易に行うことができ、全体として
製作が容易で安価に提供することができる。

しかも、係止リング１３ｂの補強環１４に対する緊迫力
により連結部のシールが確実で結合体１１内部への塵埃
、泥水等の侵入を防止でき、その上係止リング１３ａの
緊迫力は補強環１４で支承されて弾性ブツシュ１２には
作用しないため、摺動ピン９の摺動抵抗を増加させるこ
とがなく、シたがってブレーキキャリパＣの円滑な摺動
性を保障し、良好な制動作用を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一部破断乎面図、第２および３図
は第１図の■−■およびＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、第４
図は第１図の■部拡犬図である。 Ｂ・・・・・・ブラケット、Ｃ・・・・・・ブレーキキ
ャリパ、Ｄ・・・・・・ブレーキディスク、Ｐ、Ｐ’・
・・・・・摩擦パッド、５、・・・・・・第１挾み腕、
５２・・・・・・第２挾み腕、７・・・・・・押圧手段
としてのピストン、９・・・・・・摺動ピン、１０・・
・・・・支持孔、１１・・・・・・ブツシュ・ブーツ結
合体、１２・・・・・・弾性ブツシュ、１３・・・・・
・伸縮ブーツ、１３ａ・・・・・・係止リング、１４・
・・・・・補強！、１４ａ・・・・・・係止フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキディスクＤを挾んで対向する一対の摩擦パッド
   Ｐ 、 Ｐ’をブレーキディスクＤの軸線方向に摺動自
   在に支持する固定のブラケツｔ−Ｈに、一方の摩擦パッ
   ドＰの背面を押圧する抑圧手段を備えた第１挾み腕５、
   および他方の摩擦パッドＰ′の背面に当接する第２挾み
   腕５２をもつブレーキキャリパＣをブレーキディスクＤ
   の軸線と平行な摺動ピン９を介して連結してなるディス
   クブレーキ装置において、前記摺動ピン９の支持孔１０
   に嵌着されて前記摺動ピン９を受容する弾性ブツシュ１
   ２の一端部に外向きの係止フランジ１４ａを有する補強
   環１４を結着し、前記摺動ピン９の露出部を被包する伸
   縮ブーツ１３の一端に一体に形成した係止リング１３ａ
   を前記係止フランジ１４ａを越えて補強環１４の外周に
   緊密に嵌合してなる、摺動キャリパ型ディスクブレーキ
   装置のブツシュ・ブーツ結合体。