JP4343363B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両等に制動力を与えるのに好適に用いられるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に制動力を与えるディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるガイド穴とを備え、ガイド穴と摺動ピンとの間の摺動面を保護するために、両者の間には軸方向に伸縮可能となった保護ブーツが設けられている(例えば、実開平1−113633号公報等)。
【0003】
そこで、この種の従来技術によるディスクブレーキを図5および図6を参照して説明する。図において、1は車両の車輪と共に回転するディスク、2は該ディスク1のインナ側となる位置で車両の非回転部分に一体的に取付けられる取付部材で、該取付部材2は、ディスク1の周方向に離間して、ディスク1の外周を跨ぐように軸方向に伸長した一対の腕部2A,2Aを有し、該腕部2A間で後述の摩擦パッド16をディスク1の軸方向にガイドする構成となっている。
【0004】
3は取付部材2に後述の摺動ピン7を介して摺動可能に支持されたキャリパで、該キャリパ3は、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐように延びたブリッジ部3Aと、該ブリッジ部3Aのインナ側に設けられ、内周側がシリンダボア(図示せず)となったインナ脚部3Bと、ブリッジ部3Aのアウタ側に設けられたアウタ脚部3Cとによって構成されている。また、インナ脚部3Bには図5中の左,右方向に向けてピン取付部3D,3Dが突設され、該各ピン取付部3Dには摺動ピン7用のボルト挿通穴3E(1個のみ図示)が穿設されている。
【0005】
4は取付部材2の各腕部2Aにそれぞれ設けられた一対のガイド穴(一方のみ図示)で、該ガイド穴4は、ディスク1の軸方向に沿って延びる有底の円形穴として形成されている。そして、ガイド穴4はその内部に摺動ピン7が摺動可能に挿嵌され、該摺動ピン7を軸方向にガイドしている。
【0006】
5はガイド穴4の開口端内周側に位置して取付部材2の腕部2Aに設けられたブーツ取付穴で、該ブーツ取付穴5は、図6に示すようにガイド穴4よりも大きな穴径をもって形成され、取付部材2の腕部2Aから外部に開口している。また、ブーツ取付穴5の奥所側には環状溝6が設けられ、該環状溝6は、ガイド穴4とブーツ取付穴5との境界部側に位置してブーツ取付穴5の奥所側を拡径するように形成されている。
【0007】
7,7はキャリパ3のピン取付部3Dに着脱可能に設けられた一対の摺動ピンで、該摺動ピン7は、一端側がガイド穴4内に摺動可能に挿嵌され、他端側はピンボルト8,8によってキャリパ3のピン取付部3Dに固定して取付けられている。また、摺動ピン7の他端側には図5に示す如くブーツ取付溝7Aが設けられている。
【0008】
11,11は取付部材2のガイド穴4と摺動ピン7との間の摺動面を保護する保護ブーツで、該保護ブーツ11は、ゴム等の弾性材料により蛇腹状の筒体として形成されている。そして、保護ブーツ11は、摺動ピン7の周囲を覆うように配置され軸方向に伸縮可能となった伸縮部12と、該伸縮部12の一端側に一体形成された第1の環状鍔部13と、該第1の環状鍔部13の内周側から軸方向に向けて延設された取付筒部14と、該取付筒部14の端部外周側に一体形成された第2の環状鍔部15とによって構成されている。
【0009】
ここで、保護ブーツ11は、一端側の取付筒部14がブーツ取付穴5内に嵌合して取付けられ、伸縮部12の他端側は、図5に示すように摺動ピン7のブーツ取付溝7Aに嵌合して取付けられている。そして、保護ブーツ11の一端側は、第2の環状鍔部15が環状溝6内に嵌合した状態で、第1の環状鍔部13がブッシュ取付穴5の開口側端面に締代をもって当接し、ブーツ取付穴5の周壁側を第1,第2の環状鍔部13,15間で挟持することにより、ブーツ取付穴5に対して取付筒部14を抜止め状態に保持している。
【0010】
また、第2の環状鍔部15の外周側には軸方向に突出する一対のシール部15A,15Aが環状溝6に締代をもって当接することにより、ガイド穴4と摺動ピン7との摺動面間をシールし、両者の摺動面間に外部からゴミ、雨水等の異物が侵入するのを防止している。
【0011】
16,16はディスク1の両面側に位置して取付部材2の各腕部2A間に設けられた一対の摩擦パッドで、該各摩擦パッド16は、取付部材2の各腕部2A間でディスク1の軸方向に摺動可能にガイドされ、キャリパ3によりディスク1の両面に押圧されるものである。
【0012】
このように構成される従来技術によるディスクブレーキでは、キャリパ3のインナ脚部3B(シリンダボア)内に外部からブレーキ液圧が供給されることにより、このシリンダボア内に挿嵌されたピストン(図示せず)が摺動し、インナ側の摩擦パッド16をディスク1に向けて押圧する。
【0013】
そして、このときにキャリパ3はディスク1のインナ側から離間する方向に反力を受け、この方向に向けてキャリパ3と一体となった摺動ピン7が取付部材2のガイド穴4内を摺動することにより、キャリパ3はアウタ側の摩擦パッド16をディスク1に押圧する。この結果、ディスク1は各摩擦パッド16により両面側から制動力を付与される。
【0014】
また、摺動ピン7の組付時には、予め保護ブーツ11の取付筒部14をブーツ取付穴5に嵌合して取付けておき、この状態で摺動ピン7を図6中に示す矢示A方向へと保護ブーツ11内に挿入すると共に、ガイド穴4内に挿嵌して取付けるものである。
【0015】
さらに、この従来技術は、ガイド穴4の加工誤差が例え大きくなった場合でも、ガイド穴4と摺動ピン7との間に配設した取付筒部14によって両者間のがた付きを吸収し、走行時にこのようながた付きに起因してディスクブレーキから異音が生じるのを防止できる等の利点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるディスクブレーキでは、摺動ピン7の組付時に、この摺動ピン7をガイド穴4内へと図6中に示す矢示A方向に挿嵌すると、第2の環状鍔部15を含めた取付筒部14の端部側が、図6中に示す矢示F1 方向へと環状溝6内を径方向の外側へと拡開するように弾性変形し、環状鍔部15の先端が環状溝6の周壁に突き当たることがある。
【0017】
この結果、第2の環状鍔部15には環状溝6からの押付け反力が矢示F1 ′方向へと径方向内向きに作用し、取付筒部14が摺動ピン7に強く押付けられる。これにより、摺動ピン7と取付筒部14との間の摺動抵抗が必要以上に増大し、摺動ピン7の組付性が低下するという問題がある。
【0018】
また、前述の如く摺動ピン7と取付筒部14との間の摺動抵抗が増大すると、ブレーキ操作時に摺動ピン7がガイド穴4内を摺動するときに、取付筒部14は第2の環状鍔部15側となる端部側が摺動ピン7に追従して図6中に示す矢示F2 ,F2 ′方向へと軸方向に引き摺られるように動き、摺動抵抗が不安定になって、ディスクブレーキの操作性が低下するという問題がある。
【0019】
本発明は上述した従来技術の問題を鑑みなされたもので、ブレーキ操作時に保護ブーツと摺動ピンとの間の摺動抵抗を安定化させ、摺動ピンを円滑に摺動させることができると共に、摺動ピンの組付性を向上できるようにしたディスクブレーキを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明によるディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるガイド穴と、該ガイド穴と前記摺動ピンとの間の摺動面を保護するため一端側が前記ガイド穴の開口端内周側に取付けられ他端側が前記摺動ピンの外周側に取付けられた保護ブーツとを備えている。
【0021】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記ガイド穴が設けられる一方の部材には、前記ガイド穴の開口端側に位置し該ガイド穴よりも大きな穴径をもって外部に開口したブーツ取付穴と、該ブーツ取付穴の奥所側を拡径するように形成された環状溝とを設け、前記保護ブーツの一端側には、前記ブーツ取付穴の穴径よりも大なる外径をもって形成され前記ブーツ取付穴に嵌合して取付けられることにより内周側が前記摺動ピンに摺接する取付筒部と、該取付筒部の端部外周側に一体形成され前記環状溝内に抜止め状態で嵌合される環状鍔部と、該環状鍔部の径方向内側に位置して前記取付筒部の端部内周側を前記環状溝の溝幅とほぼ対応した長さ寸法をもって軸方向に切欠くことにより形成され前記摺動ピンとの間で径方向の隙間を全周にわたって形成する環状の切欠部とを設ける構成としたことにある。
【0022】
このように構成することにより、保護ブーツは、取付筒部の端部内周側が環状鍔部の径方向内側の位置で環状溝の溝幅とほぼ対応した長さ寸法をもって軸方向に延び摺動ピンとの間で径方向の隙間を全周にわたって形成する環状の切欠部として形成されるから、摺動ピンの組付時に摺動ピンを保護ブーツの取付筒部からガイド内に挿嵌したときには、前記切欠部により取付筒部の端部内周側と摺動ピンとの間を非接触の状態に保つことができ、摺動ピンと取付筒部との間の摺動抵抗を小さくできる。
【0023】
そして、環状鍔部が環状溝の周壁に突き当たるような場合でも、取付筒部の端部内周側が径方向内向きに弾性変形して摺動ピンに押付けられる等の不具合をなくすことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを添付図面に従って詳細に説明する。なお、本実施の形態では、前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0025】
図中、21はガイド穴4の開口端内周側に位置して取付部材2の腕部2Aに設けられた本実施の形態に用いるブーツ取付穴で、該ブーツ取付穴21は、前述した従来技術によるブーツ取付穴5とほぼ同様に、ガイド穴4よりも大きな穴径をもって形成されている。
【0026】
また、ブーツ取付穴21の奥所側にはガイド穴4との境界部側を径方向に拡径して環状溝22が形成されている。そして、この環状溝22は、周壁面22Aと、該周壁面22Aとガイド穴4との間に径方向に配置された一方側の側壁面22Bと、周壁面22Aとブーツ取付穴21との間に径方向に配置された他方側の側壁面22Cとを有している。
【0027】
31はガイド穴4と摺動ピン7との間を保護する本実施の形態に用いる保護ブーツを示し、該保護ブーツ31は、従来技術による保護ブーツ11とほぼ同様に、軸方向に伸縮可能となった伸縮部32と、該伸縮部32の一端側に一体形成され取付筒部33と、該取付筒部33の端部外周側に一体形成された環状鍔部34とによって構成され、伸縮部32の他端側は摺動ピン7のブーツ取付溝7Aに嵌合して取付けられている。
【0028】
しかし、保護ブーツ31の取付筒部33は、図3に示すようにブーツ取付穴21の穴径d1 (図2参照)よりも大きな外径d2 (d2 >d1 )をもって形成され、これにより取付筒部33はブーツ取付穴21内に弾性変形状態(圧入状態)で嵌合して取付けられている。また、保護ブーツ31の環状鍔部34は環状溝22内に径方向に隙間S1 をもって嵌合し、取付筒部33をブーツ取付穴21に対して抜止め状態に保持している。
【0029】
また、取付筒部33の端面外周側には軸方向に突出する環状のシール部33Aが設けられると共に、環状鍔部34の外周側には、軸方向に突出する環状のシール部34Aが設けられ、これらのシール部33A,34Aは環状溝22の側壁面22B,22Cにそれぞれ締代をもって当接し、ガイド穴4と摺動ピン7との摺動面間をシールしている。
【0030】
35は環状鍔部34よりも径方向内側に位置して、保護ブーツ31を構成する取付筒部33の端部内周側に設けられた環状の切欠部を示し、該切欠部35は、取付筒部33の端部内周側を全周に亘りほぼ一定の内径をもって軸方向に切欠くことにより形成されている。
【0031】
そして、この切欠部35は、図2に示すように環状溝22の溝幅Wとほぼ対応した長さ寸法Lをもって軸方向に延び、摺動ピン7との間で径方向の隙間S2 を全周に亘って形成している。
【0032】
36は保護ブーツ31の環状鍔部34に設けられたテーパ面部で、該テーパ面部36は、シール部33Aの位置から環状鍔部34の外周側に向けて斜めに傾斜して形成され、環状溝22の側壁面22Bとの間で軸方向または径方向に隙間S1 の一部を形成している。
【0033】
本実施の形態によるディスクブレーキは上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0034】
然るに、本実施の形態では、保護ブーツ31の取付筒部33をブーツ取付穴21の穴径d1 よりも大なる外径d2 をもって形成し、取付筒部33を環状鍔部34と共にブーツ取付穴21内、環状溝22内に取付けるときには、取付筒部33を径方向内向きに弾性変形させ、この状態で取付筒部33、環状鍔部34をブーツ取付穴21、環状溝22内に強く押込むようにして装着でき、環状鍔部34を環状溝22内に嵌合させることにより、取付筒部33をブーツ取付穴21に対して抜止め状態で取付けることができる。
【0035】
そして、このときには取付筒部33の外周面がブーツ取付穴21の周壁に締代をもって嵌合し、両者は摩擦接触状態を保つために、この摩擦力によっても取付筒部33に対する抜止め力を付与することができる。また、弾性変形状態の取付筒部33は、その内周側で摺動ピン7の外周面に接触するため、取付筒部33の内周側で摺動ピン7を摺動可能に支持でき、摺動ピン7がガイド穴4に対してがたつく等の不具合を解消することができる。
【0036】
また、取付筒部33の端部内周側には、環状鍔部34の径方向内側に位置して環状溝22の溝幅Wとほぼ対応した長さを有する切欠部35を設ける構成としたので、摺動ピン7と取付筒部33の端部内周側との間に環状の隙間S2 を形成し、両者を環状鍔部34の径方向内側の位置で互いに非接触の状態に保つことができる。
【0037】
このため、図4に示すように摺動ピン7の組付時に、この摺動ピン7を保護ブーツ31の取付筒部33からガイド穴4内へと矢示A方向に挿嵌するときには、従来技術で述べたように、取付筒部33が径方向の外側に弾性変形して環状鍔部34が環状溝22の周壁面22Aに突き当たることがなくなり、取付筒部33の端部内周側から摺動ピン7に向けて付加される径方向内向きの押付力を排除でき、摺動ピン7と取付筒部33との間の摺動抵抗を小さくできる。これにより摺動ピン7をガイド穴4内に円滑に挿嵌することができ、組付時の作業性を高めることができる。
【0038】
また、環状溝22と環状鍔部34との間には径方向に環状の隙間S1 を設ける構成としたので、前述の如く摺動ピン7を取付筒部33内に挿入するときに、例え取付筒部33の端部側が環状溝22内で径方向外側へと拡開するように弾性変形したとしても、環状鍔部34が環状溝22の周壁面22Aに突き当たって反力を受けることはなく、これにより摺動ピン7と取付筒部33との間の摺動抵抗をより効果的に低減することができる。
【0039】
さらに、保護ブーツ31の取付筒部33は、その端部内周側が摺動ピン7に対して非接触の状態におかれるから、ブレーキ操作時に摺動ピン7がガイド穴4内を摺動するときには、従来技術で述べたように、環状鍔部34を含めた取付筒部33の端部側が環状溝22内で摺動ピン7に追従して軸方向に動くことがなくなり、摺動ピン7と取付筒部33との間の摺動抵抗を安定化させ、ディスクブレーキの操作性等を高めることができる。
【0040】
そして、保護ブーツ31の取付筒部33と環状鍔部34に設けたシール部33A,34Aを、環状溝22に安定して当接させることができ、ガイド穴4と摺動ピン7との摺動面間を良好にシールし続けることができる。これにより、ガイド穴4と摺動ピン7との間に予め給脂したグリース等の潤滑油が保護ブーツ31の環状鍔部34と環状溝22(ブーツ取付穴21)との間から外部に漏洩するのを防止でき、外部からの異物侵入も阻止することができる。
【0041】
また、保護ブーツ31の取付筒部33端部側を環状の切欠部35により径方向で薄肉に形成できるから、図3に示すように取付筒部33を径方向の内側へと矢示B方向に容易に撓ませることができる。これにより、保護ブーツ31の組付時には、取付筒部33を矢示B方向に撓ませた状態でブーツ取付穴21内に容易に嵌合して取付けることができ、保護ブーツ31の組付性を高めることができる。
【0042】
さらに、保護ブーツ31の取付筒部33をブーツ取付穴21内に締代をもって弾性変形状態で取付ける構成としたので、ブーツ取付穴21の周壁面と取付筒部33の外周面との間を全周に亘って気液密にシールすることができ、保護ブーツ31が有するシール機能を一層高めることができる。
【0043】
なお、実施の形態では、取付部材2とキャリパ3のうち取付部材2側にガイド穴4を設け、キャリパ3側に一体に設けた摺動ピン7をガイド穴4内に挿嵌する構成とした場合を例示したが、これに替えて、取付部材側に一体に設けられた摺動ピンをキャリパ側のガイド穴内に挿嵌する構成としてもよい。
【0044】
また、実施の形態では、切欠部35の軸方向の長さ寸法Lを環状溝22の溝幅Wとほぼ同等の大きさ(L≒W)に設定する場合を例示したが、この切欠部35の長さ寸法Lは、取付筒部33の端部から摺動ピン7に向けて付加される径方向内向きの押圧力を排除できる程度の大きさであればよく、例えば切欠部35の長さ寸法Lを環状溝22の溝幅Wよりも大きく(L>W)設定してもよいし、小さく(L<W)設定してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、保護ブーツの取付筒部をブーツ取付穴に弾性変形状態で嵌合して取付け、この取付筒部の端部外周側に設けた環状鍔部を、ブーツ取付穴の奥所側に設けた環状溝に嵌合して取付けると共に、前記取付筒部の端部内周側には、前記環状鍔部の径方向内側に位置して当該取付筒部の端部内周側を前記環状溝の溝幅とほぼ対応した長さ寸法をもって軸方向に切欠くことにより形成され前記摺動ピンとの間で径方向の隙間を全周にわたって形成する環状の切欠部を設ける構成としたので、この切欠部により摺動ピンと取付筒部の端部内周側との間を互いに非接触状態に保つことができ、摺動ピンと取付筒部との間の摺動抵抗を小さくできる。
【0046】
これにより、摺動ピンの組付時には、保護ブーツをブーツ取付穴に取付けた状態で摺動ピンを保護ブーツの取付筒部からガイド穴内に円滑に挿嵌することができ、組付時の作業性を高めることができる。また、保護ブーツの取付筒部は、その端部内周側が摺動ピンに対して非接触の状態におかれるから、ブレーキ操作時に摺動ピンがガイド穴内を摺動するときには、従来技術で述べたように、取付筒部の端部側が摺動ピンに追従して軸方向に動くことがなくなり、摺動ピンと取付筒部との間の摺動抵抗を安定化させ、ディスクブレーキの操作性等を高めることができる。
【0047】
さらに、保護ブーツの取付筒部はブーツ取付穴の穴径よりも大なる外径をもって形成したことにより、取付筒部をブーツ取付穴内に締代をもって弾性変形状態で取付けることができるから、取付筒部をブーツ取付穴に強く摩擦接触させ、これによって抜止め性を付与できると共に、ブーツ取付穴の周壁面と取付筒部の外周面との間を全周に亘って気液密にシールすることができ、保護ブーツが有するシール機能を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるディスクブレーキの正面図である。
【図2】図1中のブーツ取付穴および保護ブーツ等を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の保護ブーツを単体で示す縦断面図である。
【図4】図1中の摺動ピンをガイド穴に組付ける状態を示す拡大断面図である。
【図5】従来技術によるディスクブレーキの正面図である。
【図6】図5中のブーツ取付穴および保護ブーツ等を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 取付部材
3 キャリパ
4 ガイド穴
7 摺動ピン
21 ブーツ取付穴
22 環状溝
31 保護ブーツ
32 伸縮部
33 取付筒部
34 環状鍔部
35 環状の切欠部
d1 穴径
d2 外径
W 溝幅
Claims (1)
- 車両の非回転部分に取付けられ摺動ピンを介してキャリパを摺動可能に支持する取付部材と、該取付部材と前記キャリパのうちいずれか一方の部材に設けられ前記摺動ピンが摺動可能に挿嵌されるガイド穴と、該ガイド穴と前記摺動ピンとの間の摺動面を保護するため一端側が前記ガイド穴の開口端内周側に取付けられ他端側が前記摺動ピンの外周側に取付けられた保護ブーツとを備えてなるディスクブレーキにおいて、
前記ガイド穴が設けられる一方の部材には、前記ガイド穴の開口端側に位置し該ガイド穴よりも大きな穴径をもって外部に開口したブーツ取付穴と、該ブーツ取付穴の奥所側を拡径するように形成された環状溝とを設け、
前記保護ブーツの一端側には、前記ブーツ取付穴の穴径よりも大なる外径をもって形成され前記ブーツ取付穴に嵌合して取付けられることにより内周側が前記摺動ピンに摺接する取付筒部と、該取付筒部の端部外周側に一体形成され前記環状溝内に抜止め状態で嵌合される環状鍔部と、該環状鍔部の径方向内側に位置して前記取付筒部の端部内周側を前記環状溝の溝幅とほぼ対応した長さ寸法をもって軸方向に切欠くことにより形成され前記摺動ピンとの間で径方向の隙間を全周にわたって形成する環状の切欠部とを設ける構成としたことを特徴とするディスクブレーキ。
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