JP4568698B2 - 鉄道車両用キャリパブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制輪子の交換を確実に行える鉄道車両用キャリパブレーキ装置に関するものである。
一般に、鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は、対の制輪子が車輪のディスクロータを挟持して制動を掛けるが、この制動に伴い制輪子のライニング部材が摩耗していくため、摩耗量が一定に達すると、制輪子は新しいものと交換される。
従来、この種の鉄道車両用キャリパブレーキ装置として、図7〜図13に示すものがある(特許文献1参照)。
これについて説明すると、図7はキャリパブレーキ装置の側面図、図8は平面図である。
車輪5の両側面にはディスクロータが設けられており、キャリパブレーキ装置1はこのディスクロータの両側に位置して対の制輪子70が設けられる。一方の制輪子70はキャリパ本体10に内蔵した油圧シリンダ40により押圧され、他方の制輪子70との間で制動時にディスクロータを挟持する。
鉄道車両の台車上に支持枠20が溝22を介して固定され、この支持枠20に対してキャリパ本体10が2本の支持ピン30,32を介してフローティング支持される。
キャリパ本体10は、車輪5を挟むようにして延びる第1、第2のアーム12,14を有し、第1のアーム12には2個の油圧シリンダ40が設けられる。この第1のアーム12には制輪子70とディスクロータとの間の隙間を自動的に調整する2個の隙間調整装置50が設けられる。
第1のアーム12はその上下端にアンカブロック60,80がアンカボルト62,82を介して締結され、これらの間に制輪子70を支持する。上部アンカブロック60は、上部アンカピン64を介して制輪子70の上端部を受ける。下部アンカブロック80は、下部アンカピン84を介して制輪子70の下端部を受ける。
図9の(a),(b)は制輪子70の全体構造を示す平面図と側面図である。制輪子70は、ライニング背板72上に4個のセグメントからなるライニング部材74が固着手段75により固着される。ライニング背板72のライニング部材74とは反対側には、ライニング裏板76が取り付けられる。このライニング裏板76は制輪子70をブレーキキャリパ本体10のアームに取り付けるためのもので、両側部に先端が広がるテーパ面76aが形成される。
ライニング裏板76の上下端部にはアンカピン64,84が係合するための係合凹部77がそれぞれ形成される。
図10、図11に示すように、キャリパ本体10の第1のアーム12には、油圧シリンダ40のピストンにより駆動される支持レール100が設けられ、この支持レール100のアリ溝に対して制輪子70のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子70が第1のアーム12に取り付けられる。
第1のアーム12に制輪子70を取り付ける場合、制輪子70のライニング裏板76を支持レール100のアリ溝に嵌合させ、ライニング裏板76の上端部の係合凹部77が上部受け部材60に当接するまで押し上げた状態で、アンカブロック80のアンカピン84をライニング裏板76の下部の係合凹部77に当接させ、アンカボルト82によってアンカブロック80を第1のアーム12に締結する。
第1のアーム12から制輪子70を取り外す場合、アンカボルト82を抜き、アンカブロック80を第1のアーム12から離し、アンカピン84を制輪子70の係合凹部77から外すことによって、制輪子70が下方へ抜き出される。
第1のアーム12に設けられるアンカピン84はアンカブロック80のシリンダ85に摺動自在に支持され、制輪子70のディスクロータ側への移動に追従する。アンカピン84にはその首下部によって首部86が形成される一方、支持レール100の下端部には首部86が嵌合する支持レール溝が形成され、首部86が支持レール溝に係合することによって、アンカピン84がその軸方向について所定の組み付け位置に保持され、アンカピン84の外周面にライニング裏板76の下部の係合凹部77が着座する。
支持レール100には支持レール溝の両側にアンカブロック80の取り付面90よりも下側へ突出する2本の脚部104が形成され、アンカピン84が支持レール溝の入口に乗り上げた状態では、アンカボルト82の先端が取り付面90のボルト穴にとどかないようになっている。これにより、支持レール100に対してアンカピン84が誤って組み付けられることを防止できる。
図12にも示すように、アンカブロック80はアンカスプリング110によって第1のアーム12に対して脱落しないように吊り下げられる。
キャリパ本体10の第2のアーム14にはアリ溝94が形成され、このアリ溝94に対して制輪子70のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子70は支持される。
第2のアーム14はその上下端にアンカブロック60a,80aが締結され、これらの間に制輪子70を支持するが、この制輪子70を押圧するための油圧シリンダが設けられない。
特開平8−226469号公報
しかしながら、このような従来の鉄道車両用キャリパブレーキ装置にあっては、図13に示すように、第1のアーム12に制輪子70を取り付ける場合、支持レール100が第1のアーム12に対してディスクロータ側に離れていると、アンカピン84が支持レール100の背後に位置し、アンカピン84と首部86が支持レール100と制輪子70のライニング裏板76に係合しない状態でアンカブロック80が締結される可能性がある。
こうしてアンカピン84の誤組み付けが行われた場合、支持レール100から制輪子70が脱落する不具合が生じるため、アンカピン84の誤組み付けを確実に防止する必要がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、アンカピンの誤組み付けを防止する鉄道車両用キャリパブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明は、車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体と、このキャリパ本体に設けられるアクチュエータによってディスクロータに対して進退するように駆動される支持レールと、この支持レールに連結されディスクロータに押し付けられる制輪子と、支持レールに設けられるアリ溝と、このアリ溝に下方から差し込まれる制輪子のライニング裏板と、このライニング裏板の下端に開口する係合凹部と、この係合凹部に係合して制輪子を支持するアンカピンと、このアンカピンをその軸方向に摺動可能に支持してキャリパ本体に締結されるアンカブロックと、支持レールの下端に開口する支持レール溝と、この支持レール溝に係合するアンカピンの首部とを備え、アンカピンが支持レールと共に進退して制輪子の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、支持レールの下端にヒンジを介してアンカピンの摺動方向へ回動可能に連結される回動ガイド部材を設け、この回動ガイド部材に支持レール溝に接続する延長ガイド溝を形成し、制輪子の組み付け時に回動ガイド部材をアンカピンと共に回動させて待避させた状態でライニング裏板を支持レールのアリ溝に差し込んだ後、回動ガイド部材を支持レールと直線状に延びる位置に戻した状態でアンカピンの首部を延長ガイド溝に沿って支持レール溝に係合させる構成とした。
本発明によると、制輪子の組み付け時にアンカピン溝がこの延長ガイド溝に係合して支持レール溝に案内される。これにより、制輪子及びアンカピンの取り付け作業が回動ガイド部材を介して確実に行われ、アンカピン溝が支持レール溝に係合しない状態でアンカブロックがキャリパ本体に締結されることがなく、アンカピンの誤組み付けによって支持レールから制輪子が脱落する不具合を回避できる。
以下、本発明の第一の実施の形態を添付図面の図1〜3に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一構成部には同一符号を付す。
図1の(a),(b)は、鉄道車両用キャリパブレーキ装置の側面図と正面図である。鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は、制輪子70が車輪のディスクロータを挟持し、制動を掛けるものである。制輪子70はキャリパ本体10の第1のアーム12に設けられる図示しない油圧シリンダ(アクチュエータ)により押圧され、他方の制輪子との間で制動時にディスクロータを挟持する。
制輪子70はディスクロータに押し付けられるライニング部材74を備え、このライニング部材74はライニング背板72を介してライニング裏板76に結合される。
キャリパ本体10にはアクチュエータとして油圧シリンダにより駆動される支持レール100が設けられ、この支持レール100は油圧シリンダの伸縮作動によってディスクロータに対して進退するように駆動される。
支持レール100には上下方向に延びるその前後端部を折り曲げてアリ溝が形成され、このアリ溝に対してライニング裏板76を下方から差し込んで嵌合される。(図10参照)
支持レール100にはその下端101にはアンカピン84が係合する支持レール溝102が開口してる。ライニング裏板76の下端にはアンカピン84が係合する係合凹部77が開口している。
キャリパ本体10には制輪子70とディスクロータとの間の隙間を自動的に調整する2個の隙間アジャスタ50が設けられ、支持レール100には隙間アジャスタ50から延びるアジャスタピンに係合する2つの穴109が形成される。
第1のアーム12の下端にはアンカブロック80が連結され、このアンカブロック80は2本のアンカボルト82を介して第1のアーム12に締結される。
アンカブロック80はアンカピン84を摺動自在に支持するシリンダ85を有し、アンカピン84がディスクロータに対して進退するように支持される。
アンカピン84は円盤状の頭部87と環状溝状の首部86を有し、この頭部87がライニング裏板76の係合凹部77に係合して制動トルク反力を受け、首部86が支持レール100の支持レール溝102に係合して支持レール100と共に進退する。首部86が支持レール溝102に係合することによって、アンカピン84がその軸方向について支持レール100に対し所定の組み付け位置に保持され、頭部87の外周面にライニング裏板76の係合凹部77が着座するようになっている(図2の(b)参照)。
そして本発明の要旨とするところであるが、支持レール100の下端101にヒンジ120を介してアンカピン84の摺動方向へ回動可能に連結される回動ガイド部材130を設け、この回動ガイド部材130に支持レール溝102に接続する延長ガイド溝131を形成し、制輪子70の組み付け時に首部86がこの延長ガイド溝131に係合して支持レール溝102に案内される構成とする。
ヒンジ120の回動中心線Ohはディスクロータと平行な水平線に沿って設けられ、図1の(b)に示すように、回動ガイド部材130がヒンジ120を介して回動することによってアンカピン84が制輪子70の組み付け経路から外れた待避位置へと移動する。
なお、図1の(b)は支持レール100から制輪子70を抜き取る様子を示すキャリパブレーキ装置の側面図であるが、図において支持レール100と延長ガイド130を示す部位に斜線を入れている。
回動ガイド部材130は支持レール100と同等の板厚を有する。延長ガイド溝131と支持レール溝102の開口幅は互いに等しく、延長ガイド溝131と支持レール溝102は段差無く接続する。延長ガイド溝131と支持レール溝102の開口幅は首部86の溝底部の直径より所定値だけ大きい寸法に設定される。
これにより、制輪子70の組み付け時に、首部86は延長ガイド溝131と支持レール溝102に渡って円滑に摺動し、かつ延長ガイド溝131と支持レール溝102から外れないように摺動する。
延長ガイド溝131と支持レール溝102は支持レール100の中心線Ozに沿って直線状に延びるように形成される。これにより、首部86は延長ガイド溝131と支持レール溝102に沿って昇降するように案内される。
回動ガイド部材130はその上端132が支持レール100の下端101に対のヒンジ120を介して回動可能に連結される。支持レール100の下端101と回動ガイド部材130の上端132は支持レール100の中心線Ozに直交する直線状に形成される。そして、ヒンジ120の回動中心線Ohは支持レール100の下端101と回動ガイド部材130の上端132に沿うように配置される。
これにより、キャリパ本体10から制輪子70を取り外すとき、図1の(b)に示すように、回動ガイド部材130をヒンジ120を中心に回動させ、アンカピン84をディスクロータから離れるように待避させ、支持レール100から抜き取られる制輪子70にアンカピン84が干渉しないようにする。
支持レール100の下端101に対する支持レール溝102の深さは首部86の溝底部の直径より所定値だけ大きい寸法に設定される。
これにより、首部86が支持レール溝102に嵌合した状態では、回動ガイド部材130がヒンジ120を介して回動できる(図2の(a),(b)参照)。
ヒンジ120はピン123を介して回動可能に連結される上下ヒンジ板124,125を備え、この上下ヒンジ板124,125がビス126を介して支持レール100と回動ガイド部材130にそれぞれ締結される。
延長ガイド溝131の下端は回動ガイド部材130の下端133に開口し、延長ガイド溝131は2枚のL字形をした金属板によって形成される。
アンカブロック80は、一対のアンカスプリング110によってキャリパ本体10に脱落しないように保持される。アンカスプリング110の下端部114はアンカブロック80に留め具116を介して固定され、アンカスプリング110の長穴117に係合するピン115がキャリパ本体10に設けられる。
図1の(b)に示すように、アンカブロック80がアンカスプリング110によってキャリパ本体10に吊り下げられた状態で、回動ガイド部材130が首部86から外れないように、延長ガイド溝131の長さを設定する。
以上のように鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は構成され、次に作用及び効果について説明する。
図2の(a)は、支持レール100に制輪子70を組み付けないでアンカブロック80をキャリパ本体10に締結した状態を示し、支持レール溝102に首部86が係合し、アンカピン84が支持レール100と共に移動する。
図2の(b)は、支持レール100に制輪子70を組み付けてアンカブロック80をキャリパ本体10に締結した状態を示し、支持レール100のアリ溝108に制輪子70のライニング裏板76が嵌合し、ライニング裏板76の係合凹部77にアンカピン84の頭部87が係合し、キャリパ本体10にライニング裏板76が支持されている。この状態でも、アンカピン84の首部86が支持レール溝102に係合しており、アンカピン84が支持レール100と共に移動する。
図3の(a),(b)はキャリパ本体10から制輪子70を取り外す様子を示し、アンカボルト82を抜き、アンカブロック80をキャリパ本体10から下方へ離し、アンカピン84をライニング裏板76の下端部の係合凹部77から外して、制輪子70を下方へ抜き出す。このとき、図1の(b)に示すように、回動ガイド部材130をヒンジ120を介して回動させることによって待避させ、支持レール100から抜き取りられる制輪子70にアンカピン84が干渉しないようにする。
キャリパ本体10に制輪子70を取り付ける場合、制輪子70のライニング裏板76を支持レール100のアリ溝に嵌合させ、ライニング裏板76の上端部の係合凹部77が上部受け部材に当接するまで押し上げる。このときも、図1の(b)に示すように、回動ガイド部材130をヒンジ120を介して回動させることによって待避させ、支持レール100に差し込まれる制輪子70にアンカピン84が干渉しないようにする。
そして、図2の(a),(b)に示すように、アンカブロック80のアンカピン84をライニング裏板76の下部の係合凹部77に当接させ、アンカボルト82によってアンカブロック80をキャリパ本体10に締結する。
このとき、首部86がこの延長ガイド溝131に係合して支持レール溝102に案内されることにより、首部86が支持レール100の支持レール溝102に確実に係合するとともに、アンカピン84がライニング裏板76の係合凹部77に確実に係合する。
本実施形態においては、車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体10と、このキャリパ本体10に設けられる油圧シリンダ(アクチュエータ)によってディスクロータに対して進退するように駆動される支持レール100と、この支持レール100に連結されディスクロータに押し付けられる制輪子70と、支持レール100に設けられるアリ溝と、このアリ溝に下方から差し込まれる制輪子70のライニング裏板76と、このライニング裏板の下端に開口する係合凹部77と、この係合凹部77に係合して制輪子70を支持するアンカピン84と、このアンカピン84をその軸方向に摺動可能に支持してキャリパ本体10に締結されるアンカブロック80と、支持レール100の下端101に開口する支持レール溝102と、支持レール溝102に係合するアンカピン84の首部86とを備え、アンカピン84が支持レール100と共に進退して制輪子70の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、支持レール100の下端101にヒンジ120を介してアンカピン84の摺動方向へ回動可能に連結される回動ガイド部材130を設け、この回動ガイド部材130に支持レール溝102に接続する延長ガイド溝131を形成し、制輪子70の組み付け時に回動ガイド部材130をアンカピン84と共に回動させて待避させた状態でライニング裏板76を支持レール100のアリ溝に差し込んだ後、回動ガイド部材130を支持レール100と直線状に延びる位置に戻した状態でアンカピン84の首部86を延長ガイド溝131に沿って支持レール溝102に係合させる構成としたため、制輪子70及びアンカピン84の取り付け作業が回動ガイド部材130を介して確実に行え、首部86が支持レール溝102に係合しない状態でアンカブロック80がキャリパ本体10に締結されることがなく、アンカピン84の誤組み付けによって支持レール100から制輪子70が脱落する不具合を回避できる。
また、本実施形態においては、延長ガイド溝131を回動ガイド部材130の下端133に開口させ、アンカブロック80をキャリパ本体10に対して脱落しないように吊り下げるアンカスプリング110を備えたため、アンカスプリング110を撓ませてピン115から外すことにより、アンカブロック80をキャリパ本体10から取り外すことが容易に行える。
次に図4の(a),(b)に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の(a),(b)の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
回動ガイド部材140をU字形に形成し、延長ガイド溝141の下端146を回動ガイド部材140の中程に形成し、延長ガイド溝141を回動ガイド部材140の下端143に開口させない構造とする。
回動ガイド部材140の上端142は支持レール100の下端101に対のヒンジ120を介して回動可能に連結される。
この場合、延長ガイド溝141を回動ガイド部材140の下端143に開口していないため、首部86が延長ガイド溝141から外れることがなく、回動ガイド部材140がアンカスプリング110と共にアンカピン84をキャリパ本体10に対して脱落しないように吊り下げる役割を果たす。
なお、アンカピン84を回動ガイド部材140に組み付ける方法として、ヒンジ120を介して回動ガイド部材140をキャリパ本体10から取り外し、延長ガイド溝141の上端から首部86を延長ガイド溝141に差し込み、ヒンジ120を介して回動ガイド部材140をキャリパ本体10に取り付ける。
また、アンカピン84を回動ガイド部材140に組み付ける他の方法として、ヒンジ120をキャリパ本体10から外すことなく、分解されたアンカピン84をその首部86に延長ガイド溝141が差し込まれるように組み立てても良い。
本実施形態においては、回動ガイド部材140をU字形に形成し、延長ガイド溝141の下端146を回動ガイド部材140の中程に形成したため、アンカブロック80をキャリパ本体10に対して脱落しないように吊り下げるアンカスプリング110を廃止することが可能となり、構造の簡素化がはかれる。
次に図5の(a),(b)に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の(a),(b)の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
回動ガイド部材160の上端162は支持レール100の下端101に対のヒンジ150を介して回動可能に連結される。
ヒンジ150はピン153を介して回動可能に連結される上下ヒンジ板部151,152を備え、この上ヒンジ板部151を支持レール100の下端101から突出するように一体形成し、下ヒンジ板部152を回動ガイド部材160の上端162から突出するように一体形成する。
回動ガイド部材160に支持レール溝102に接続する延長ガイド溝161を形成し、延長ガイド溝161の下端は回動ガイド部材160の下端163に開口し、延長ガイド溝161は2枚のL字形をした金属板によって形成される。
アンカブロック80は、対のアンカスプリング110によってキャリパ本体10に脱落しないように保持される。
本実施形態において、ヒンジ150はピン153を介して回動可能に連結される上下ヒンジ板部151,152を備え、この上ヒンジ板部151を支持レール100の下端101から突出させる一方、下ヒンジ板部152を回動ガイド部材160の上端162から突出させたため、構造の簡素化がはかれるとともに、回動ガイド部材160の小型化がはかれる。
次に図6の(a),(b)に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の(a),(b)の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
回動ガイド部材170をU字形に形成し、延長ガイド溝171の下端176を回動ガイド部材170の中程に形成し、延長ガイド溝171を回動ガイド部材170の下端173に開口させない構造とする。
回動ガイド部材170の上端172は支持レール100の下端101に対のヒンジ120を介して回動可能に連結される。
ヒンジ150はピン153を介して回動可能に連結される上下ヒンジ板部151,152を備え、この上ヒンジ板部151を支持レール100の下端101から突出するように一体形成し、下ヒンジ板部152を回動ガイド部材170の上端172から突出するように一体形成する。
回動ガイド部材170に支持レール溝102に接続する延長ガイド溝171を形成し、延長ガイド溝171の下端は回動ガイド部材170の下端173に開口し、延長ガイド溝171は2枚のL字形をした金属板によって形成される。
アンカブロック80は、対のアンカスプリング110によってキャリパ本体10に脱落しないように保持される。
本実施形態においては、回動ガイド部材170をU字形に形成し、延長ガイド溝171の下端176を回動ガイド部材170の中程に形成したため、アンカブロック80をキャリパ本体10に対して脱落しないように吊り下げるアンカスプリング110を廃止することが可能となり、構造の簡素化がはかれる。
また、本実施形態において、ヒンジ150はピン153を介して回動可能に連結される上下ヒンジ板部151,152を備え、この上ヒンジ板部151を支持レール100の下端101から突出させる一方、下ヒンジ板部152を回動ガイド部材170の上端172から突出させたため、構造の簡素化がはかれるとともに、回動ガイド部材170の小型化がはかれる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の実施の形態を示すキャリパブレーキ装置の側面図及び正面図。 同じくアンカブロックをキャリパ本体に取り付けた状態を示す側面図及び正面図。 同じくアンカブロックをキャリパ本体から取り外した状態を示す側面図及び正面図。 他の実施の形態を示すキャリパブレーキ装置の側面図及び正面図。 さらに他の実施の形態を示すキャリパブレーキ装置の側面図及び正面図。 さらに他の実施の形態を示すキャリパブレーキ装置の側面図及び正面図。 従来例を示すキャリパブレーキ装置の側面図。 同じくキャリパブレーキ装置の正面図。 同じく制輪子の平面図及び側面図。 同じくキャリパブレーキ装置の断面図。 同じく第1、第2のアームに嵌合されていた制輪子を下方へ引き抜く様子を示す正面図。 同じく制輪子が正常に組み付けられる様子を示す正面図。 同じく制輪子が誤って組み付けられる様子を示す正面図。
符号の説明
10 キャリパ本体
70 制輪子
76 ライニング裏板
80 アンカブロック
84 アンカピン
86 首部
100 支持レール
102 支持レール溝
110 アンカスプリング
120 ヒンジ
123 ピン
130 回動ガイド部材
131 延長ガイド溝
140 回動ガイド部材
141 延長ガイド溝
150 ヒンジ
151 上ヒンジ板部
152 下ヒンジ板部
153 ピン
160 回動ガイド部材
161 延長ガイド溝
170 回動ガイド部材
171 延長ガイド溝

Claims (4)

  1. 車体に連結され車輪に設けられるディスクロータを挟むようにして設けられるキャリパ本体と、このキャリパ本体に設けられるアクチュエータによって前記ディスクロータに対して進退するように駆動される支持レールと、この支持レールに連結され前記ディスクロータに押し付けられる制輪子と、支持レールに設けられるアリ溝と、このアリ溝に下方から差し込まれる制輪子のライニング裏板と、このライニング裏板の下端に開口する係合凹部と、この係合凹部に係合して制輪子を支持するアンカピンと、このアンカピンをその軸方向に摺動可能に支持してキャリパ本体に締結されるアンカブロックと、支持レールの下端に開口する支持レール溝と、この支持レール溝に係合する前記アンカピンの首部とを備え、前記アンカピンが前記支持レールと共に進退して前記制輪子の制動トルク反力を受ける鉄道車両用のキャリパブレーキ装置において、
    前記支持レールの下端にヒンジを介して前記アンカピンの摺動方向へ回動可能に連結される回動ガイド部材を設け、この回動ガイド部材に前記支持レール溝に接続する延長ガイド溝を形成し、前記制輪子の組み付け時に前記回動ガイド部材を前記アンカピンと共に回動させて待避させた状態で前記ライニング裏板を前記支持レールのアリ溝に差し込んだ後、前記回動ガイド部材を前記支持レールと直線状に延びる位置に戻した状態で前記アンカピンの前記首部を前記延長ガイド溝に沿って前記支持レール溝に係合させる構成としたことを特徴とする鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  2. 前記延長ガイド溝を前記回動ガイド部材の下端に開口させ、前記アンカブロックを前記キャリパ本体に対して脱落しないように吊り下げるアンカスプリングを備えたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  3. 前記回動ガイド部材をU字形に形成し、前記延長ガイド溝の下端を前記回動ガイド部材の中程に形成したことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
  4. 前記ヒンジはピンを介して回動可能に連結される上下ヒンジ板部を備え、この上ヒンジ板部を前記支持レールの下端から突出させる一方、この下ヒンジ板部を前記回動ガイド部材の上端から突出させたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の鉄道車両用キャリパブレーキ装置。
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