JP7445413B2 - シューヘッド、ブレーキ装置、及びコッタ - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用のブレーキ装置のシューヘッド、シューヘッドを備えるブレーキ装置、及びコッタの着脱方法に関する。
従来、鉄道車両用のブレーキ装置において車輪の踏面に押し付けられる踏面ブレーキ装置が知られている。このような踏面ブレーキ装置ではブレーキシューはシューヘッドによって支持されている。ブレーキシューは回転する車輪の踏面に押し付けられるため摩耗していく。よって摩耗状況に応じてブレーキシューはシューヘッドから取り外され、摩耗していない新たなブレーキシューがシューヘッドに取り付けられるが、このようなブレーキシューの着脱作業は、車輪やシューヘッドの他、車両の台車に設けられている機器等に隣接した狭いスペースで行なわれることになる。よってこのような作業環境に適したブレーキシューの着脱構造が求められている。
このようなブレーキシューの着脱構造は例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の発明では、シューヘッドの長孔の形成範囲で操作部を操作することでコッタをスライド移動させ、ブレーキシューの着脱を可能としている。
特開2018-112256号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたブレーキシューの着脱構造では、ブレーキシューをシューヘッドに固定する際には、コッタを台車の幅方向から操作することになるが、依然として上記のようにブレーキシューの着脱作業を行う際、作業スペースが狭いといった問題がある。このためブレーキシューの着脱作業をさらに容易化したいとの要望がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ブレーキシューの着脱作業の作業性を向上可能なシューヘッド、ブレーキ装置、及びコッタを提供する。
本発明の一の態様に係るシューヘッドは、台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体と、前記シューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタと、を備え、前記シューヘッド本体は、前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記コッタを配置する空間が設けられたコッタ配置部と、前記コッタ配置部に設けられて前記固定位置で前記コッタの位置を固定するロック部材と、を有し、前記コッタには、前記空間へ前記上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に凹むコッタ係合部が設けられ、前記ロック部材は、前記コッタを前記空間へ前記上下方向から挿入することで前記固定位置において前記コッタ係合部に係合して前記コッタの位置を固定可能なロック係合部と、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材と、前記ロック係合部に設けられて前記弾性部材の付勢力に抗して前記ロック係合部が前記コッタ係合部から離れる方向に操作可能な操作部と、を有する。
このようなシューヘッドでは、コッタにおけるコッタ本体が、前記空間へ上下方向から挿入されて固定位置に配置可能で、かつ、固定位置から離れる非固定位置に向かって上下方向へ抜き出し可能に設けられている。したがって、ブレーキシューの着脱作業を行う際には、台車の上下方向からコッタを操作することができる。台車の上下方向からコッタを抜き差しすれば、台車に設けられた各種機器にコッタが干渉しにくく、ブレーキシューの着脱作業が容易となる。
さらに固定位置へ向けてコッタを上下方向から空間へ挿入する動作のみで、弾性部材の付勢力によってロック部材のロック係合部をコッタにおけるコッタ係合部に対して押し付け、コッタの位置を固定することができる。したがって、作業者が手動でロック部材を動作させなくとも、コッタを固定位置に向けて動作させるのみで、自動でコッタの位置を固定し、ブレーキシューとシューヘッド本体とが固定された状態を保つことができる。
また、ロック係合部がコッタ係合部から離れるように操作部を操作するだけで、ロック部材とコッタとの係合状態が解除される。このため容易にコッタを上下方向に移動させ、コッタを非固定位置に配置することができる。
また、上記のシューヘッドでは、前記弾性部材は、前記コッタ配置部に一端が支持され、前記ロック係合部は、前記弾性部材の他端を支持するとともに前記上下方向及び前記前後方向に交差する方向に延びる軸線回りに前記コッタ配置部に対して回転可能な回転部材に設けられ、前記弾性部材は、前記軸線回りに前記付勢力を生じてもよい。
回転部材を弾性部材の力で回転させることで、固定位置において自動でロック係合部がコッタ係合部に係合し、ロック部材によって自動でコッタの位置を固定することができる。よって、ブレーキシューのシューヘッドへの取付けをさらに容易化することができる。
また、上記のシューヘッドでは、前記シューヘッド本体は、前記コッタ配置部に設けられて、前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態において前記回転部材が接触して回転を規制する接触面をさらに有し、前記弾性部材は、前記接触面に前記回転部材が接触した状態で、該接触面に対して前記回転部材を押し付ける方向に前記回転部材への付勢力を生じるように初期角度が設定されていてもよい。
このようにねじりコイルばねに初期角度が設定されていることで、固定位置においては弾性部材に初期圧が作用することになる。このため、走行中の振動等で回転部材が勝手に回転しにくくなる。この結果、コッタ係合部とロック係合部との係合が解除されてしまうことを回避できる。したがって、走行中にコッタが固定位置から位置ずれしてしまうことを回避できる。
さらに、上記のシューヘッドでは、前記弾性部材としての前記ねじりコイルばねが一対設けられ、前記一対のねじりコイルばねのうちの一方のねじりコイルばねのねじり方向と、他方のねじりコイルばねの反ねじり方向とが同じ方向なるように設けられ、前記一対のねじりコイルばねの角度は、前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態において自由角度となるように設けられていてもよい。
このように一対のねじりコイルばねを設けることで、走行中の振動で回転部材が回転しようとすると一方のねじりコイルばねにはねじり方向の力(又は反ねじり方向の力)が作用し他方のねじりコイルばねには反ねじり方向の力(又はねじり方向の力)が作用する。この際、これら一対のねじりコイルばねが初期状態、即ち、コッタ係合部にロック係合部が係合した状態に戻ろうとする。このため、走行中の振動等でロック部材が勝手に回転しにくくなる。この結果、コッタ係合部とロック係合部との係合が解除されてしまうことを回避できる。したがって、走行中にコッタが固定位置から位置ずれしてしまうことを回避できる。
また、上記のシューヘッドでは、前記ロック係合部は、前記コッタ配置部に対して前記前後方向に進退可能な進退部材に設けられ、前記弾性部材は、前記コッタ配置部と前記進退部材との間に介在されて前記前後方向に付勢力を生じてもよい。
このような弾性部材を使用することで、固定位置においてロック係合部がコッタ係合部に係合し、固定位置において自動でロック部材によってコッタの位置を固定することができる。よってブレーキシューの取付けをさらに容易化することができる。
また上記のシューヘッドでは、前記ロック部材は、前記固定位置で前記コッタ配置部に対して前記ロック係合部の動きを規制する規制部材をさらに有してもよい。
このような規制部材を設けることで、走行中の振動等によるロック係合部の動きを規制することができる。したがって、走行中にコッタが固定位置から位置ずれしてしまうことを回避できる。
また、上記のシューヘッドでは、前記コッタ係合部は、前記上下方向に離れて一対設けられ、前記固定位置では下側の前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合し、前記非固定位置では上側の前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合し、前記非固定位置では、前記コッタの下端が、前記踏面が軌道に接する位置よりも上方に配置されるように、前記コッタの長さ寸法が設定されていてもよい。
操作部を操作して弾性部材の付勢力に抗してロック係合部をコッタ係合部から離す。この際、コッタを台車の下方から抜き出すことが可能となる。その後、操作部を離すとともにコッタを下方に引っ張ると、上側のコッタ係合部にロック係合部が係合してコッタが非固定位置に配置され、コッタの位置が固定される。したがって、ブレーキシューを取り外す際にコッタがシューヘッド本体から抜け落ちてしまうことがなくなる。
また、非固定位置ではコッタの下端が、踏面が軌道に接する位置よりも上方に配置されるようにコッタの長さ寸法が設定されている。このため、コッタの下端が軌道の上方に配置されることになる。よって作業者が再度、コッタをシューヘッド本体の空間に向けて上方に挿入し、コッタを固定位置に配置する際の作業を容易に行うことができる。
また、上記のシューヘッドでは、前記コッタ配置部には、前記固定位置で前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態を確認可能な位置で前記空間の内外を連通する開口部が設けられていてもよい。
このような開口部をコッタ配置部に設けることで、開口部を通じて固定位置でコッタ係合部にロック係合部が配置されたか否かの確認が可能となる。即ち開口部が確認窓として機能する。よってコッタが固定位置に固定されたか否かを確認することができる。
さらに、上記のシューヘッドは、前記コッタ配置部に配置された状態の前記コッタが前記シューヘッド本体から脱落不能となるように、前記上下方向における前記固定位置から離れる方向への前記シューヘッド本体に対する前記コッタの移動を規制する移動規制部をさらに備え、前記移動規制部は、前記コッタ係合部よりも前記コッタの先端に近い位置に形成され、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に凹むか、又は突出するコッタ規制部と、前記シューヘッド本体に形成され、前記コッタ規制部と係合するように、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に突出する、又は凹むシューヘッド規制部とを有していてもよい。
コッタ規制部とシューヘッド規制部とが嵌合することで、コッタがシューヘッド本体に対して固定されていない状態であっても、コッタがシューヘッド本体から脱落してしまうことを防ぐことができる。これにより、ブレーキシューをシューヘッドに対して外したり取り付けたりする作業時に、コッタがシューヘッドから離れてしまうことを防ぐことができる。したがって、作業時に、コッタを別途管理する必要が無くなり、作業性を向上させることができる。
また、上記のシューヘッドは、前記コッタが前記コッタ配置部に配置された状態で、前記シューヘッド本体及び前記ブレーキシューの少なくとも一方に接触させるように前記前後方向に前記コッタを付勢するコッタ付勢部をさらに備えていてもよい。
コッタ付勢部によって、コッタがシューヘッド本体及びブレーキシューの少なくとも一方に接触することで、シューヘッド本体に対するコッタのガタツキを抑えることができる。したがって、車輪の制動時の異音を抑えることができる。
本発明の一の態様に係るブレーキ装置は、上記のシューヘッドと、前記シューヘッドにおける前記シューヘッド本体に支持されたブレーキシューと、を備える。
ブレーキ装置が上記のシューヘッドを備えることで、ブレーキシューの着脱作業を行う際には、台車の上下方向からコッタを操作することができる。台車の上下方向からコッタを抜き差しすれば、台車に設けられた各種機器にコッタが干渉しにくく、ブレーキシューの着脱作業が容易となる。
さらに作業者が手動でロック部材を動作させなくとも、コッタを固定位置に向けて動作させるのみで、自動でコッタの位置を固定し、ブレーキシューとシューヘッド本体とが固定された状態を保つことができる。
また、ロック係合部がコッタ係合部から離れるように操作部を操作するだけで、ロック部材とコッタとの係合状態が解除される。このため容易にコッタを上下方向に移動させ、コッタを非固定位置に配置することができる。
また本発明の一の態様に係るコッタは、台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタであって、前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記コッタを配置する空間が設けられた前記シューヘッド本体におけるコッタ配置部の前記空間へ前記上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に凹むコッタ係合部が設けられ、前記固定位置において前記コッタ係合部に係合するロック係合部、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材、及び、前記ロック係合部に設けられて前記弾性部材の付勢力に抗して前記ロック係合部が前記コッタ係合部から離れる方向に操作可能な操作部を有するロック部材によって、前記空間へ前記上下方向から挿入されることで前記固定位置で固定される。
上記のシューヘッド、ブレーキ装置、及びコッタによれば、ブレーキシューの着脱作業の作業性を向上可能である。
本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置の概略全体図である。 本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを前後方向の背面側から見た図であって、図1のA矢視図である。 本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図であって、図2のB-B断面図である。 本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドのロック部材を上方から見た図であって、図3のC-C断面図である。 本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドのコッタを前後方向の背面側から見た全体図である。 本発明の第一実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドのコッタを幅方向の側面側から見た全体図である。 本発明の第一実施形態の第一変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを前後方向の背面側から見た図であって、図1のA矢視図に相当する図である。 本発明の第一実施形態の第一変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図であって、図7のD-D断面図である。 本発明の第一実施形態の第二変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図であって、図7のD-D断面図に相当する図である。 本発明の第一実施形態の第三変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図であって、図7のD-D断面図に相当する図である。 本発明の第一実施形態の第四変形例に係るブレーキ装置の概略全体図である。 本発明の第一実施形態の第四変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドのコッタを前後方向の背面側から見た全体図である。 本発明の第一実施形態の第四変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドのコッタを幅方向の側面側から見た全体図である。 本発明の第一実施形態の第五変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを前後方向の背面側から見た図であって、図1のA矢視図に相当する図である。 本発明の第二実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図である。 本発明の第三実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た図である。 本発明の第四実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを前後方向の背面側から見た要部拡大図である。 本発明の第四実施形態に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た要部拡大断面図である。 本発明の変形例に係るブレーキ装置におけるシューヘッドを幅方向の側面側から見た要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態におけるブレーキ装置110について説明する。
〔第一実施形態〕
ブレーキ装置110は、いわゆるユニットブレーキ(踏面ブレーキ)と呼ばれるものであって、鉄道車両の車体の下部に設けられた台車における車輪100の踏面100aに摩擦力を付与し、車輪100の制動を行う装置である。踏面100aは、フランジ100bよりも台車幅方向の外側に設けられて軌道(レール)105に接触する面である。
具体的にはブレーキ装置110は、図1に示すように踏面100aに接触可能なブレーキシュー1と、ブレーキシュー1を支持するシューヘッド3と、シューヘッド3を動作させるブレーキ本体4とを備えている。
ブレーキシュー1には、例えば、鋳鉄製の普通鋳鉄シューや、マンガンやクロムを添加した合金鋳鉄シュー、合成樹脂に金属粉末や黒鉛を混合して加熱整形した合成シュー、鉄粉、銅、黒鉛、金属酸化物などの混合物を加圧整形して焼結した焼結合金シューなどが用いられる。このブレーキシュー1は踏面100aの形状に沿って湾曲した形状をなしている。
また、ブレーキシュー1には、踏面100aに押し付けられる側とは反対側の背面1aから突出する取付凸部2が設けられている。この取付凸部2には、車輪100の接線方向に沿って延びる取付孔2aが設けられている。取付孔2aは取付凸部2を貫通して形成されている。本実施形態では取付孔2aは上下方向D2に延びている。上下方向D2とは鉄道車両における上下方向D2を示す。
ブレーキ本体4は、台車の走行方向に沿う前後方向D1に延びる押棒7と、押棒7を前後方向D1に進退可能に支持する筐体8とを有している。押棒7の先端部には、棒状をなすハンガー9の一端がピン結合されている。ここで、ハンガー9の他端は、筐体8から上方に突出するアーム10の先端にピン結合されている。
シューヘッド3は、押棒7の端部にハンガー9の一端とともにピン結合され、ブレーキシュー1を支持している。そしてシューヘッド3は、押棒7の進退によって車輪100の踏面100aにブレーキシュー1を押し付けることで車輪100に制動力を付与可能としている。
以下、踏面100aにブレーキシュー1が押し付けられる方向を前後方向D1の前方とし、車輪100の踏面100aからブレーキシュー1が退避する方向を前後方向D1の後方とする。この前方及び後方は、必ずしも車両の走行方向の前方及び後方に一致するものではない。また以下では、上下方向D2及び前後方向D1に交差する台車の幅方向を単に幅方向D3とする。
シューヘッド3は、ブレーキシュー1を支持するシューヘッド本体11と、ブレーキシュー1とシューヘッド本体11とを固定可能なコッタ12とを備えている。
図2から図4に示すように、シューヘッド本体11はブレーキシュー1の背面1aに対向する対向面16aを有する底板部16、及び底板部16に設けられた一対の側板部18を有して内側にコッタ12を配置可能なコッタ配置部15と、コッタ配置部15に設けられてコッタ12の位置を固定するロック部材23とを備える。
コッタ配置部15における底板部16では、対向面16aが踏面100aの形状に沿って、ブレーキシュー1の背面1aの形状に沿って湾曲した形状をなしている。また、底板部16は例えば鋳造によって製造された後に、細部が機械加工によって形成される。
コッタ配置部15における側板部18は、底板部16における対向面16aの幅方向D3の両縁部から、ブレーキシュー1から離れる方向に立ち上がるように底板部16と一体に設けられている。側板部18には、上下方向D2の中央部で押棒7が接続されている。また一方の側板部18(幅方向D3の外側に配置される側板部18)には、側板部18を幅方向D3に貫通する確認窓としての開口部19が設けられている。
ここで、シューヘッド本体11には、上下方向D2の中央部で対向面16aから後方に向かって側板部18の中途位置まで凹む取付凹部20が設けられている。これにより、取付凹部20は、底板部16と一対の側板部18とで囲まれた空間Sに連通している。この空間Sは、取付凹部20に連通するとともに取付凹部20から上下方向D2の両側に延びて下方に開口する空間Sとなっている。この空間Sには後述するコッタ12が配置される。取付凹部20にはブレーキシュー1の取付凸部2が挿入されて配置されるようになっている。取付凸部2が取付凹部20に配置された状態では、空間Sと取付孔2aとが上下方向D2に連通する。
ロック部材23は、空間Sに配置された回転部材24と、回転部材24をコッタ配置部15に対して回転可能に支持する操作部32と、操作部32とコッタ配置部15との間に介在された弾性部材30とを有している。
回転部材24は、図2から図4に示すように、コッタ配置部15における一対の側板部18同士の間に配置されて、幅方向D3に延びる軸線Oを中心にコッタ配置部15に対して回転可能に設けられている。なお、軸線Oは幅方向D3に完全に一致する方向に延びていなくともよく、幅方向D3に対して傾斜する方向に延びていてもよい。回転部材24における幅方向D3の外側の端部には、一方の側板部18に近接した位置で回転部材24の外周面の一部分から径方向外側に突出するカム状部25が設けられている。さらに図3及び図4に示すように、回転部材24には、カム状部25とは回転部材24の周方向に離れた位置で、回転部材24の外周面から径方向に沿って径方向外側に突出する凸部であるロック係合部26が設けられている。
ロック係合部26は、回転部材24の外周面に幅方向D3に離れて一対設けられている。また図4に示すように、これら一対のロック係合部26の各々の幅方向D3の外側には、ロック係合部26よりもさらに径方向外側に突出するようにしてロック係合部26と一体にロック凸部27が設けられている。よってロック凸部27は幅方向D3に離れて回転部材24の幅方向D3の両端部で一対が設けられている。
このような構造により、図4に示すようにロック部材23を上方から見た場合、回転部材24には外周面から径方向内側に凸状に窪む空間Sである凹状空間28が形成されている。凹状空間28には後述のようにコッタ12が配置される。
これらロック係合部26及びロック凸部27は、図3に示すようにカム状部25における周方向の中心位置と、回転部材24の軸線Oとを結ぶ径方向に延びる仮想線Xに対して直交する方向に突出している。さらに仮想線X及び軸線Oに直交するとともに回転部材24の軸線Oを通る仮想線Yに接するように、この仮想線Yよりもカム状部25から周方向に離れる側に、ロック係合部26とロック凸部27とが設けられている。ロック係合部26とロック凸部27とは幅方向D3から見て重なるように、回転部材24の周方向に沿う長さ寸法が同等になっている。この結果、図3に示すように回転部材24、ロック係合部26、及びロック凸部27を幅方向D3から見ると、これらが全体としてL字状をなしている。
ここで図4に示すように、コッタ配置部15における空間Sには、上方を向く接触面15aが設けられている。接触面15aは、幅方向D3に離れて一対設けられている。これら接触面15aの各々に上方からロック凸部27が接触可能になっている。
図2及び図4に示すように操作部32は軸状部材であって、コッタ配置部15の一対の側板部18を貫通して設けられている。操作部32の中心軸線は回転部材24の軸線Oと一致している。操作部32が回転部材24に挿通され、回転部材24とともに軸線O回りに回転可能になっている。操作部32には側板部18の外側で把持部33が設けられている。把持部33は例えば六角ボルトの頭部と同様の形状をなしている。把持部33に工具をかみ合わせることで、操作部32とともに回転部材24を回転させることが可能となっている。把持部33へは作業者が台車の幅方向D3の外側からアクセス可能になっている。
また操作部32には、把持部33とは反対側の端部で、かつ側板部18の外側で、固定部34が設けられている。固定部34は例えばダブルナットであって、操作部32をコッタ配置部15から抜け落ちないようにしている。また固定部34よりも操作部32の先端側には操作部32の抜け止め用のピン35がさらに設けられている。
弾性部材30は、例えばねじりコイルばねである。弾性部材30は、コッタ配置部15の側板部18と把持部33との間に介在されている。弾性部材30の一端は、側板部18に形成された穴(不図示)に挿入されてコッタ配置部15によって支持されている。また弾性部材30の他端は把持部33における側板部18に対向する面に形成された穴(不図示)に挿入されて支持されている。なお本実施形態では弾性部材30がねじりコイルばねである場合について説明するが、弾性部材30は例えばナイトハルトゴム等であってもよい。
本実施形態では、ねじりコイルばねである弾性部材30には初期角度が設定されている。ロック係合部26及びロック凸部27が前後方向D1に延び、カム状部25が下方に延びている状態になっているとき、ロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触している状態になっている。
このとき、接触面15aに対してロック凸部27を押し付ける方向に、弾性部材30によって付勢力を生じるよう、ロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触している状態で、弾性部材30はねじり方向にねじった状態でコッタ配置部15と把持部33とによって支持されている。ねじり方向にねじった状態とは、例えば1度~10度程度、弾性部材30をねじり方向にねじった状態であってもよく、特に、5度ねじり方向にねじった状態であってもよい。これによりロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触している状態で、弾性部材30に反ねじり方向のねじり力が残っていることになる。
ここでねじりコイルばねである弾性部材30の「ねじり方向」とは、コイルの径が縮もうとする方向を示し、「反ねじり方向」とは、コイルの径が拡大しようとする方向を示す。即ち、ねじり方向とは、ねじりコイルばねの巻き方向に合わせた方向にねじりを加える方向であって、反ねじり方向とは、ねじりコイルばねに巻き方向とは逆の方向にねじりを加える方向である。
コッタ12は、図5及び図6に示すように、板状をなすコッタ本体36と、コッタ本体36の下端に設けられた拡幅部37とを有している。
図1から図4に示すようにコッタ本体36は、コッタ配置部15における空間Sへ下方から挿入されて空間Sに配置され、かつ空間Sから下方へ抜き出し可能に設けられている。
コッタ本体36は表面を前後方向D1に向けて配置される。コッタ本体36には後方を向く表面から前方に凹むようにコッタ係合部38が設けられている。コッタ係合部38は、コッタ本体36の表面における上下方向D2の一部で、幅方向D3の両端縁を含む両端部でコッタ本体36の表面から窪むように形成された一対の凹部である。よって、コッタ本体36は、このコッタ係合部38が設けられた位置で、前後方向D1の肉厚が薄くなっている。なお、コッタ係合部38は、完全にコッタ本体36を前後方向D1に貫通する孔状をなしていてもよい。
さらにコッタ本体36の先端(上端)は幅方向D3及び前後方向D1に先細りするような形状をなしている。
コッタ本体36がコッタ配置部15の空間Sに挿入された状態、かつ、ロック係合部26が回転部材24の外周面から前方に突出した状態(図3の実線参照)で、ロック係合部26がコッタ係合部38に配置されて係合可能となっているような位置を、コッタ12の固定位置とする。固定位置では、コッタ本体36はブレーキシュー1の取付凸部2の取付孔2a内に配置され、かつ取付凸部2の上方まで延びている。固定位置では、ロック係合部26とコッタ係合部38とが係合してコッタ12の位置が固定位置で固定される。
固定位置では側板部18に設けられた開口部19を通じてロック係合部26とコッタ係合部38との係合状態を確認可能となっている。本実施形態では、開口部19は図1に示すように把持部33から前方に延びるように設けられている。
また固定位置よりも下方にコッタ本体36が配置されている場合、ロック係合部26とコッタ係合部38とは係合しない。ロック係合部26とコッタ係合部38とが係合不能となった位置を非固定位置とする。即ち、固定位置よりも下方の固定位置以外の全てのコッタ12の位置を非固定位置とする。非固定位置ではコッタ12が上下方向D2に移動可能になっている。非固定位置では、ロック係合部26が回転部材24の外周面から斜め上方に突出した状態となる(図3の二点鎖線参照)。
拡幅部37は、コッタ本体36よりも幅方向D3の寸法が大きいブロック状をなしている。この拡幅部37はコッタ本体36の表面から少し後方にも突出している。よって図5に示すようにコッタ12は前後方向D1から見てT字状をなしている。なお拡幅部37はコッタ本体36を上下方向D2に動作させる際に作業者が把持可能な形状であればよく、他の形状をなしていてもよい。また拡幅部37は必ずしも設けられなくともよい。拡幅部37を設けず、コッタ本体36の下端部を前後方向D1に屈曲又は湾曲させることで、コッタ12を幅方向D3から見るとL字状をなすようにコッタ12を形成してもよい。
以上説明した本実施形態のブレーキ装置110では、コッタ本体36が、コッタ配置部15の空間Sへ下方から挿入されて固定位置に配置可能で、かつ、固定位置から離れる非固定位置に向かって下方へ抜き出し可能に設けられている。したがって、ブレーキシュー1の着脱作業を行う際には、台車の下方からコッタ12を操作することができる。
台車の下方からコッタ12を抜き差しすれば、台車に設けられた各種機器にコッタ12が干渉しにくく、ブレーキシュー1の着脱作業が容易となる。
さらに固定位置へ向けてコッタ12を下方から空間Sへ挿入すると、コッタ本体36の表面によって弾性部材30の付勢力に抗してロック係合部26が上方に押された状態となる。その後、固定位置にコッタ12が到達すると、弾性部材30の付勢力によってロック係合部26をコッタ係合部38に対して押し付けるようにしてロック係合部26とコッタ係合部38とが係合する。この結果、コッタ12の位置を固定位置に固定することができる(取付工程)。したがって、作業者が手動でロック部材23を動作させなくとも、コッタ12を固定位置に向けて上方に動作させるのみで、自動でコッタ12の位置を固定し、ブレーキシュー1とシューヘッド本体11とが固定された状態を保つことができる。よって、ブレーキシュー1のシューヘッド3への取付けを容易化することができる。
また、ロック係合部26がコッタ係合部38から離れるように弾性部材30の付勢力に抗して操作部32を操作し、回転部材24を回転させるのみで、ロック部材23とコッタ12との係合状態が解除される。このため容易にコッタ12を下方に移動させ、コッタ12を非固定位置に配置することができる(取外工程)。この結果、ブレーキシュー1の着脱作業の作業性を向上することができる。
また、ねじりコイルばねである弾性部材30に初期角度が設定されていることで、固定位置においてはねじりコイルばねに初期圧が作用し、ロック凸部27から接触面15aに付勢力が作用することになる。このため、走行中の振動等で回転部材24が勝手に回転してしまうことを回避でき、コッタ係合部38とロック係合部26との係合が解除されてしまうことを回避できる。したがって、走行中にコッタ12が固定位置から位置ずれしてしまうことを回避でき、ブレーキシュー1のシューヘッド3への固定をより確実なものとすることができる。
また、確認窓としての開口部19をコッタ配置部15に設けることで、開口部19を通じて固定位置でコッタ係合部38にロック係合部26が係合したか否かの確認が可能となる。よってコッタ12が固定位置に固定されたか否かを確認することができる。
ここで、図7に示すように、ロック部材23はさらに規制部材40を有していてもよい。規制部材40は、例えばプランジャであって、回転部材24とともにロック係合部26の回転動作を規制する。具体的にはこの規制部材40はカム状部25が近接する側板部18、即ち幅方向D3の外側に位置する側板部18を貫通してコッタ配置部15の空間Sにまで到達している。
図8に示すようにコッタ配置部15の空間Sにまで到達する規制部材40の先端部は、カム状部25に回転部材24における周方向から接触可能となっている。コッタ12が固定位置に配置され、コッタ係合部38とロック係合部26とが係合し、ロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触した状態で、周方向の前方から規制部材40がカム状部25に接触可能となっている。
規制部材40はプランジャに限られない。また規制部材40は幅方向D3に移動し、カム状部25と接触した状態と非接触な状態とを切換え可能であればよく、側板部18から完全に取り外し可能であってもよいし、側板部18から取り外しが不能となっていてもよい。
規制部材40をコッタ配置部15に設けることで、走行中の振動等でロック係合部26が勝手に回転して、コッタ係合部38とロック係合部26との係合状態が解除されてしまうことを回避することができる。したがって、走行中にコッタ12が固定位置から位置ずれしてしまうことを回避できる。
また、図9に示すように、規制部材40は、コッタ12が固定位置に配置され、コッタ係合部38とロック係合部26とが係合し、ロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触した状態で、カム状部25に形成された穴42に幅方向D3から挿入されることで、回転部材24の回転を規制してもよい。
また、図10に示すように回転部材24にはロック凸部27が設けられていなくともよい。この場合、コッタ配置部15の接触面15bはカム状部25よりも後方に配置されて前方を向く面であってもよい。コッタ12が固定位置に配置され、コッタ係合部38とロック係合部26とが係合した状態で、接触面15bがカム状部25に対して後方から接触することで、回転部材24の回転が規制される。
また、図11から図13に示すように、コッタ本体36にはコッタ係合部38が上下方向D2に離れて一対設けられていてもよい。固定位置では下側のコッタ係合部38aにロック係合部26が係合し、非固定位置では上側のコッタ係合部38bにロック係合部26が係合するようになっている。コッタ係合部38bはコッタ本体36が先細りし始める位置を跨いで設けられている。
図11に示すように、非固定位置では、コッタ12の下端が、踏面100aが軌道105に接する位置よりも上方に配置されるように、コッタ12の長さ寸法が設定されている。即ち非固定位置にコッタ12が配置された状態で、コッタ12の上端から踏面100aが軌道105に接する位置までの距離L2の方が、コッタ12の長さ寸法L1よりも大きく設定されている。
ここで、操作部32を操作して弾性部材30の付勢力に抗してロック係合部26をコッタ係合部38aから離す。この際、コッタ12をコッタ配置部15の下方へ抜き出すことが可能となる。その後、操作部32を離すとともにコッタ12を下方に引っ張ると、上側のコッタ係合部38bにロック係合部26が係合してコッタ12が非固定位置に配置されてコッタ12の位置が固定される。したがって、ブレーキシュー1を取り外す際にコッタ12がシューヘッド本体11から抜け落ちてしまうことがなくなる。
また、非固定位置ではコッタ12の下端が、踏面100aが軌道105に接する位置よりも上方に配置されるようにコッタ12の長さ寸法が設定されている。このため、コッタ12の下端が軌道の上方に配置されることになる。よって作業者が再度、コッタ12をコッタ配置部15の空間Sに向けて上方に挿入し、コッタ12を固定位置に配置する際の作業を容易に行うことができる。
また、図14に示すように、弾性部材30は、把持部33と一方の側板部18との間だけでなく、固定部34と他方の側板部18との間にも設けられていてもよい。これら一対の弾性部材30(ねじりコイルばね)のうちの一方のねじりコイルばねのねじり方向と、他方のねじりコイルばねの反ねじり方向とが同じ方向となっている。また一対の弾性部材30の角度は、固定位置においてコッタ係合部38にロック係合部26が係合した状態において自由角度となるように設けられていてもよい。
このように一対のねじりコイルばねである弾性部材30を設けることで、走行中の振動等で回転部材24が回転しようとすると、一方のねじりコイルばねにはねじり方向の力(又は反ねじり方向の力)が作用し、他方のねじりコイルばねには反ねじり方向の力(又はねじり方向の力)が作用する。この際、これら一対のねじりコイルばねが初期状態、即ち、コッタ係合部38にロック係合部26が係合した状態に戻ろうとする。このため、走行中の振動等でロック部材23が勝手に回転しにくくなる。この結果、コッタ係合部38とロック係合部26との係合が勝手に解除されてしまうことを回避できる。したがって、走行中にコッタ12が固定位置から位置ずれしてしまうことを回避できる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態のブレーキ装置110Aについて説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図15に示すように本実施形態のブレーキ装置110Aにおけるコッタ12では、コッタ本体36にはその表面から後方に突出するようにコッタ係合部52が設けられている。
コッタ係合部52は、コッタ本体36の表面における上下方向D2の一部で、幅方向D3の両端部で、コッタ本体36の表面から突出するように形成された一対の凸部である。よって、コッタ本体36は、このコッタ係合部52が設けられた位置で、その肉厚が厚くなっている。即ちコッタ係合部52は上記の第一実施形態のコッタ係合部52と同じ位置に設けられている。なお、コッタ係合部52は、幅方向D3の両端部ではなく、幅方向D3の全域にわたってコッタ本体36の表面から突出していてもよい。
コッタ12が固定位置にある状態で、このようなコッタ係合部52がロック係合部26に係合する。即ち、凸部であるコッタ係合部52が上方からロック係合部26に接触し、かつ、ロック凸部27がコッタ配置部15の接触面15aに接触し、コッタ12の位置が固定される。
以上説明した本実施形態のブレーキ装置110Aでは、固定位置において弾性部材30の付勢力によって自動でロック係合部26をコッタ係合部52に係合させ、コッタ12の位置を固定できる。また、弾性部材30の付勢力に抗して操作部32を操作し、回転部材24を回転させるだけでロック部材23とコッタ12との係合状態が解除され、コッタ12を非固定位置に配置できる。したがってブレーキシュー1の着脱作業の作業性を向上することができる。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態のブレーキ装置110Bについて説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一実施形態及び第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。本実施形態のブレーキ装置110Bでは、シューヘッド3におけるロック部材63の構成が上述の実施形態のものと異なっている。
図16に示すようにロック部材63は、空間Sに配置された進退部材64と、進退部材64をコッタ配置部15に対して前後方向D1に空間S内で進退可能に支持する操作部68と、進退部材64とコッタ配置部15との間に介在された弾性部材69とを有している。
進退部材64は、固定位置において凹部(又は凸部)であるコッタ係合部38(又は52)に係合可能な形状をなしている。即ち進退部材64の先端部には凸状(又は凹状)のロック係合部66が設けられている。ここで、コッタ配置部15には、上下方向D2に間隔をあけて、進退部材64を上下から挟みこむガイド面70aを有するガイド部70が設けられている。進退部材64はガイド部70によって案内される。
操作部68は、操作部32と同様な軸状部材であって、コッタ配置部15の一対の側板部18を貫通して設けられている。ここでコッタ配置部15の側板部18には幅方向D3に貫通して前後方向D1に延びる長孔71が設けられている。操作部68は、この長孔71の形成範囲でスライド可能に設けられている。操作部68は進退部材64と一体に設けられ、操作部68の操作により進退部材64を前後方向D1にスライド移動可能としている。図示は省略するが、操作部68には上記の実施形態と同様に幅方向D3の外側の側板部18の外側に、上記の把持部33と同様の把持部が設けられている。
弾性部材69は、例えばコイルばねである。ここでコッタ配置部15の空間Sには、前方を向く支持面72aを有する支持部72が設けられている。弾性部材69は、この支持部72と進退部材64との間に介在されている。弾性部材69には初期圧が付与されていてもよい。即ち、弾性部材69は、進退部材64に対して、コッタ係合部38にロック係合部66を押し付ける方向に付勢力を生じるように、コッタ係合部38にロック係合部66が係合した状態では圧縮状態で取り付けられている。なお弾性部材69は板ばね等の他のばねであってもよいし、ゴム等であってもよい。
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態のブレーキ装置110Eについて説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第一実施形態から第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。本実施形態のブレーキ装置110Eでは、コッタ付勢部80及び移動規制部90をさらに備えている点が上述の実施形態のものと異なっている。
図17及び図18に示すように、コッタ付勢部80は、コッタ12がコッタ配置部15に配置された状態で、底板部16に接触させるように前後方向D1にコッタ12を付勢している。本実施形態のコッタ付勢部80は、付勢部本体81と、付勢固定部82とを有している。
付勢部本体81は、弾性力によってコッタ本体36を前後方向D1に付勢する部材である。本実施形態の付勢部本体81は、湾曲した板バネである。付勢部本体81の基端(上下方向D2の一方の端部)は、付勢固定部82によって、底板部16に固定されている。付勢固定部82は、六角ボルト等の固定部材である。付勢部本体81は、上下方向D2において、付勢固定部82から離れるにしたがって、底板部16から離れるように延びている。つまり、付勢部本体81の先端(上下方向D2の他方の端部)は、底板部16との間で前後方向D1に隙間を形成している。付勢部本体81の先端は、コッタ本体36がコッタ配置部15に配置された状態で、コッタ本体36の先端に接触可能な位置に配置されている。付勢部本体81の先端は、コッタ本体36に対して、前後方向D1の後方から接触可能とされている。したがって、付勢部本体81は、コッタ本体36に前後方向D1の後方から接触することで、コッタ12を前後方向D1の前方に向かって付勢し、底板部16に接触させている。
移動規制部90は、コッタ配置部15に配置された状態のコッタ12が脱落不能となるように、シューヘッド本体11に対するコッタ12の移動を規制している。具体的には、移動規制部90は、上下方向D2におけるシューヘッド本体11に対するコッタ12の固定位置から離れる方向への移動を規制している。つまり、コッタ12は、移動規制部90によって、コッタ配置部15に配置された状態では、シューヘッド本体11から脱落できないようにされている。本実施形態の移動規制部90は、コッタ規制部91と、シューヘッド規制部92とを有している。コッタ規制部91及びシューヘッド規制部92は、キー及びキー溝のように互いに嵌り合うことで、移動を規制している。
コッタ規制部91は、コッタ本体36と一体に形成されている。コッタ規制部91は、上下方向D2において、コッタ係合部38よりもコッタ本体36の先端に近い位置に形成されている。本実施形態のコッタ規制部91は、上下方向D2において、コッタ本体36の端面からわずかに離れた位置に形成されている。コッタ規制部91は、幅方向D3において、コッタ本体36の中央付近に形成されている。コッタ規制部91は、前後方向D1の前方を向くコッタ本体36の面から矩形状をなして突出している。つまり、コッタ規制部91は、ロック係合部26をコッタ係合部38に係合する方向である前後方向D1の前方に向かって突出している。コッタ規制部91は、ロック部材23によってコッタ12が固定された状態で、取付孔2aよりも上下方向D2の上方に位置している。コッタ規制部91は、コッタ本体36に対してキーとして形成されている。
シューヘッド規制部92は、底板部16に形成されている。シューヘッド規制部92は、前後方向D1から見た際に、取付凹部20を挟むように形成されている。シューヘッド規制部92は、コッタ規制部91が係合するような形状で底板部16から凹んでいる。具体的には、シューヘッド規制部92は、コッタ規制部91を幅方向D3の位置を維持したまま上下方向D2にスライドさせることが可能な形状で凹んでいる。シューヘッド規制部92は、底板部16に対してコッタ規制部91に対応するキー溝として形成されている。
本実施形態のシューヘッド規制部92は、取付凹部20に対して上下方向D2の上方に位置する上側凹部921と、取付凹部20に対して上下方向D2の下方に位置する下側凹部922と、有している。
上側凹部921は、底板部16に形成された溝である。上側凹部921は、コッタ規制部91が内部に収まるように、コッタ規制部91より大きく形成されている。上側凹部921は、幅方向D3において、コッタ規制部91が傾かない程度に、コッタ規制部91よりわずかに大きく形成されている。上側凹部921は、上下方向D2において、コッタ規制部91の上下方向D2の移動を阻害しないように形成されている。上側凹部921の上下方向D2の下端は、取付凹部20と連通している。
上側凹部921は、取付凹部20と繋がる位置(上下方向D2の下端)に第一テーパ部925が形成されている。第一テーパ部925は、前後方向D1において、取付凹部20に近づくにしたがって、深くなるように傾斜した平面を有している。第一テーパ部925は、幅方向D3において、取付凹部20に近づくにしたがって、広がるよう傾斜した平面を有している。
下側凹部922は、底板部16に形成された溝である。下側凹部922は、コッタ規制部91が内部に収まるように、コッタ規制部91より大きく形成されている。下側凹部922は、幅方向D3において、上側凹部921と同じ大きさで形成されている。下側凹部922は、上下方向D2において、前後方向D1から見た際に、コッタ12が取付凹部20から外れる位置かつ、コッタ12がシューヘッド本体11から脱落しない位置まで移動可能となるように形成されている。具体的には、下側凹部922の上下方向D2の下端は、前後方向D1から見た際に、コッタ本体36が取付凹部20と重ならない位置に配置された状態(コッタ本体36の先端が取付凹部20よりも上下方向D2の下方に位置する状態)で、コッタ規制部91の上下方向D2の下端と接触する。したがって、下側凹部922の上下方向D2の下端と、コッタ規制部91の上下方向D2の下端とが接触した状態では、コッタ本体36の先端は、取付凹部20に対して上下方向D2の下方に位置している。これにより、下側凹部922によって、コッタ12の上下方向D2の下方への移動が規制されている。また、下側凹部922の上下方向D2の上端は、取付凹部20と連通している。
下側凹部922は、取付凹部20と繋がる位置(上下方向D2の上端)に第二テーパ部926が形成されている。第二テーパ部926は、取付凹部20を挟んで、第一テーパ部925と対称な形状とされている。つまり、第二テーパ部926は、前後方向D1において、取付凹部20に近づくにしたがって、深くなるように傾斜した平面を有している。第二テーパ部926は、幅方向D3において、取付凹部20に近づくにしたがって、広がるよう傾斜した平面を有している。
このような構成によれば、コッタ本体36の先端を付勢部本体81と底板部16との隙間に挿入することで、付勢部本体81によって、コッタ本体36が前後方向D1の前方に向かって押し付けられる。その結果、コッタ本体36と一体に形成されたコッタ規制部91と、底板部16から窪んで形成された上側凹部921とが接触する。これにより、ボルト等の新たな取り付け作業を発生させる固定部材を用いることなく、シューヘッド本体11に対するコッタ12の前後方向D1でのガタツキが抑えられる。したがって、車輪100の制動時の異音を抑えることができる。
また、コッタ本体36がコッタ配置部15に配置された状態では、コッタ規制部91が上側凹部921又は下側凹部922に収まった状態で、コッタ本体36が移動する。その結果、コッタ本体36は、上側凹部921及び下側凹部922をガイドとしながら、上下方向D2へ移動される。また、上側凹部921及び下側凹部922から取付凹部20にコッタ規制部91が出た場合でも、第一テーパ部925や第二テーパ部926によって、コッタ規制部91の上側凹部921や下側凹部922への進入がガイドされる。そのため、コッタ本体36の上下方向D2への移動が損なわれない。
また、ブレーキシュー1の着脱作業の際には、ロック係合部26によるコッタ12の固定が解除された状態で、取付凸部2の取付孔2aからコッタ本体36が抜かれるように、コッタ12が上下方向D2の下方に移動される。その際、下側凹部922の上下方向D2の下端と、コッタ規制部91の上下方向D2の下端とが接触する。下側凹部922とコッタ規制部91とが接触した状態では、コッタ本体36の先端は、取付凹部20に対して上下方向D2の下方に位置している。つまり、取付凹部20が開放された状態となり、ブレーキシュー1が着脱可能となる。さらに、下側凹部922とコッタ規制部91とが接触することで、底板部16と回転部材24とによって前後方向D1に挟まれているコッタ本体36は、その位置から上下方向D2の下方に向かって移動することができなくなる。したがって、コッタ12がシューヘッド本体11から脱落してしまうことを防ぐことができる。これにより、ブレーキシュー1をシューヘッド3に対して取り外したり取り付けたりする作業時に、コッタ12がシューヘッド3から離れてしまうことを防ぐことができる。したがって、作業時に、コッタ12を別途管理する必要が無くなり、作業性を向上させることができる。
なお、移動規制部90は、本実施形態のような構造に限定されるものではない。つまり、移動規制部90は、コッタ規制部91が突出する構造であり、シューヘッド規制部92が凹む構造であることに限定されるものではない。コッタ規制部91及びシューヘッド規制部92は、互いに嵌まる構造であればよい。したがって、コッタ規制部91が凹む構造であり、シューヘッド規制部92が突出する構造であってもよい。
また、コッタ付勢部80は、本実施形態のように、コッタ12を底板部16に接触させるように付勢する構造に限定されるものではない。コッタ付勢部80は、シューヘッド本体11及びブレーキシュー1の少なくとも一方に接触させるようにコッタ12を前後方向D1に付勢できる構造であればよい。例えば、図19の変形例に示すように、コッタ付勢部80Aでは、付勢部本体81Aがコッタ12を前後方向D1の後方へ付勢して、取付凸部2に接触させるような構造であってもよい。
また、コッタ付勢部80は、本実施形態の付勢部本体81のように、板バネによってコッタ12を付勢する構造に限定されるものではない。コッタ付勢部80は、シューヘッド本体11及びブレーキシュー1の少なくとも一方に接触するようにコッタ12を付勢することができればよい。したがって、コッタ付勢部80は、スプリングバネのような形状に基づく弾性力によってコッタ12を付勢させる部材であってもよく、ゴム材のように材質に基づく弾性力によってコッタ12を付勢させる部材であってもよい。
以上説明した本実施形態のブレーキ装置110Bでは、固定位置において進退部材64が弾性部材69の付勢力により前方へ進出し、ロック係合部66がコッタ係合部38に係合し、固定位置において自動でロック部材63によってコッタ12の位置を固定することができる。よってブレーキシュー1の取付けをさらに容易化することができる。ブレーキシュー1をシューヘッド3から取り外す際には、上記と同様に弾性部材69の付勢力に抗して操作部68を操作するのみで、ロック部材63とコッタ12との係合状態を解除できる。このため容易にコッタ12を下方に移動させ、コッタ12を非固定位置に配置することができ、コッタ12の着脱を容易化できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えばコッタ12はコッタ配置部15の空間Sに上方から抜き差しするようにしてもよい。
また、コッタ配置部15は側板部18と底板部16とを有する形状に限定されず、コッタ12を配置する空間Sがあれば上述した形状には限定されない。
さらに、実施形態及び各変形例に記載した構成は適宜組み合わせてもよい。
1 ブレーキシュー
1a 背面
2 取付凸部
2a 取付孔
3 シューヘッド
4 ブレーキ本体
7 押棒
8 筐体
9 ハンガー
10 アーム
11 シューヘッド本体
12 コッタ
15 コッタ配置部
15a、15b 接触面
16 底板部
16a 対向面
18 側板部
S 空間
19 開口部
20 取付凹部
23 ロック部材
24 回転部材
25 カム状部
26 ロック係合部
27 ロック凸部
28 凹状空間
30 弾性部材
32 操作部
33 把持部
34 固定部
35 ピン
36 コッタ本体
37 拡幅部
38、38a、38b コッタ係合部
40 規制部材
42 穴
63 ロック部材
64 進退部材
66 ロック係合部
68 操作部
69 弾性部材
70 ガイド部
70a ガイド面
71 長孔
72 支持部
72a 支持面
80、80A コッタ付勢部
81、81A 付勢部本体
82 付勢固定部
90 移動規制部
91 コッタ規制部
92 シューヘッド規制部
921 上側凹部
922 下側凹部
925 第一テーパ部
926 第二テーパ部
100 車輪
100a 踏面
100b フランジ
105 軌道
110、110A、110B、110E ブレーキ装置
D1 前後方向
D2 上下方向
D3 幅方向
X 仮想線
Y 仮想線
O 軸線

Claims (12)

  1. 台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体と、
    前記シューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタと、
    を備え、
    前記シューヘッド本体は、
    前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記コッタを配置する空間が設けられたコッタ配置部と、
    前記コッタ配置部に設けられて前記固定位置で前記コッタの位置を固定するロック部材と、
    を有し、
    前記コッタには、前記空間へ上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に凹むコッタ係合部が設けられ、
    前記ロック部材は、
    前記コッタを前記空間へ前記上下方向から挿入することで前記固定位置において前記コッタ係合部に係合して前記コッタの位置を固定可能なロック係合部と、
    前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材と、
    前記ロック係合部に設けられて前記弾性部材の付勢力に抗して前記ロック係合部が前記コッタ係合部から離れる方向に操作可能な操作部と、
    を有するシューヘッド。
  2. 前記弾性部材は、前記コッタ配置部に一端が支持され、
    前記ロック係合部は、前記弾性部材の他端を支持するとともに前記上下方向及び前記前後方向に交差する方向に延びる軸線回りに前記コッタ配置部に対して回転可能な回転部材に設けられ、
    前記弾性部材は、前記軸線回りに前記付勢力を生じる請求項1に記載のシューヘッド。
  3. 前記シューヘッド本体は、前記コッタ配置部に設けられて、前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態において前記回転部材が接触して回転を規制する接触面をさらに有し、
    前記弾性部材は、前記接触面に前記回転部材が接触した状態で、該接触面に対して前記回転部材を押し付ける方向に前記回転部材への付勢力を生じるように初期角度が設定されている請求項2に記載のシューヘッド。
  4. 前記弾性部材としてねじりコイルばねが一対設けられ、
    前記一対のねじりコイルばねのうちの一方のねじりコイルばねのねじり方向と、他方のねじりコイルばねの反ねじり方向とが同じ方向なるように設けられ、
    前記一対のねじりコイルばねの角度は、前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態において自由角度となるように設けられている請求項2に記載のシューヘッド。
  5. 前記ロック係合部は、前記コッタ配置部に対して前記前後方向に進退可能な進退部材に設けられ、
    前記弾性部材は、前記コッタ配置部と前記進退部材との間に介在されて前記前後方向に付勢力を生じる請求項1に記載のシューヘッド。
  6. 前記ロック部材は、前記固定位置で前記コッタ配置部に対して前記ロック係合部の動きを規制する規制部材をさらに有する請求項1から5のいずれか一項に記載のシューヘッド。
  7. 前記コッタ係合部は、前記上下方向に離れて一対設けられ、
    前記固定位置では下側の前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合し、
    前記非固定位置では上側の前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合し、
    前記非固定位置では、前記コッタの下端が、前記踏面が軌道に接する位置よりも上方に配置されるように、前記コッタの長さ寸法が設定されている請求項1から6のいずれか一項に記載のシューヘッド。
  8. 前記コッタ配置部には、前記固定位置で前記コッタ係合部に前記ロック係合部が係合した状態を確認可能な位置で前記空間の内外を連通する開口部が設けられている請求項1から7のいずれか一項に記載のシューヘッド。
  9. 前記コッタ配置部に配置された状態の前記コッタが前記シューヘッド本体から脱落不能となるように、前記上下方向における前記固定位置から離れる方向への前記シューヘッド本体に対する前記コッタの移動を規制する移動規制部をさらに備え、
    前記移動規制部は、
    前記コッタ係合部よりも前記コッタの先端に近い位置に形成され、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に凹むか、又は突出するコッタ規制部と、
    前記シューヘッド本体に形成され、前記コッタ規制部と係合するように、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に突出する、又は凹むシューヘッド規制部とを有する請求項1から8のいずれか一項に記載のシューヘッド。
  10. 前記コッタが前記コッタ配置部に配置された状態で、前記シューヘッド本体及び前記ブレーキシューの少なくとも一方に接触させるように前記前後方向に前記コッタを付勢するコッタ付勢部をさらに備える請求項1から9のいずれか一項に記載のシューヘッド。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のシューヘッドと、
    前記シューヘッドにおける前記シューヘッド本体に支持されたブレーキシューと、
    を備えるブレーキ装置。
  12. 台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタであって、
    前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記コッタを配置する空間が設けられた前記シューヘッド本体におけるコッタ配置部の前記空間へ前記上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に凹むコッタ係合部が設けられ、
    前記固定位置において前記コッタ係合部に係合するロック係合部、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材、及び、前記ロック係合部に設けられて前記弾性部材の付勢力に抗して前記ロック係合部が前記コッタ係合部から離れる方向に操作可能な操作部を有するロック部材によって、前記空間へ前記上下方向から挿入されることで前記固定位置で固定されるコッタ。
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