JP7351725B2 - シューヘッド、ブレーキ装置、コッタ、及びブレーキシューの着脱方法 - Google Patents
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ブレーキシューをシューヘッド本体に取り付ける際には、コッタをコッタ配置部の空間に挿入して固定位置に配置した後、ロック部材を離せば弾性部材の付勢力によって自動で交差方向にロック部材が移動してロック係合部がコッタ係合部に係合し、固定位置にコッタを固定できる。
このように弾性部材を用いたことで、シューヘッド本体にブレーキシューを固定する際には、作業者がロック部材を交差方向に移動させる(押し込むか又は引っ張る)作業が不要となる。
このように、第一係合部及びロック係合部が傾斜面を有することで、コッタを非固定位置から固定位置に移動させるのみでロック部材によって自動でコッタを固定位置で固定し、シューヘッド本体にブレーキシューを固定することができる。よってコッタを固定位置に配置する際に、作業者がロック部材を予め交差方向に移動させるような作業が不要となり、ブレーキシューの取付け作業をさらに容易化することができる。
このように第二係合部及びロック係合部が傾斜面を有することで、コッタを引き抜く動作を行うのみで、自動で第二係合部とロック係合部との係合を解除することができ、コッタをシューヘッド本体から容易に取り外すことができる。
さらに、ロック部材に弾性部材を用いたことで、弾性部材の付勢力によって自動で交差方向にロック部材が移動してロック係合部がコッタ係合部に係合し、固定位置にコッタを固定できる。よってシューヘッド本体にブレーキシューを固定する際には、コッタを動かすためにロック部材を交差方向に移動させる(押し込むか又は引っ張る)作業は不要となる。
さらに、ロック部材に弾性部材を用いたことで、弾性部材の付勢力によって自動で交差方向にロック部材が移動してロック係合部がコッタ係合部に係合し、固定位置にコッタを固定できる。よってシューヘッド本体にブレーキシューを固定する際には、コッタを動かすためにロック部材を交差方向に移動させる(押し込むか又は引っ張る)作業は不要となる。
以下、本発明の第一実施形態におけるブレーキ装置110について説明する。
ブレーキ装置110は、いわゆるユニットブレーキ(踏面ブレーキ)と呼ばれるものであって、鉄道車両の車体の下部に設けられた台車における車輪100の踏面100aに摩擦力を付与し、車輪100の制動を行う装置である。踏面100aは、フランジ100bよりも台車幅方向の外側に設けられて軌道(レール)105に接触する面である。
具体的にはブレーキ装置110は、図1に示すように踏面100aに接触可能なブレーキシュー1と、ブレーキシュー1を支持するシューヘッド3と、シューヘッド3を動作させるブレーキ本体4とを備えている。
以下、踏面100aにブレーキシュー1が押し付けられる方向を前後方向D1の前方とし、車輪100の踏面100aからブレーキシュー1が退避する方向を前後方向D1の後方とする。この前方及び後方は、必ずしも車両の走行方向の前方及び後方に一致するものではない。また以下では、上下方向D2及び前後方向D1に交差する台車の幅方向を単に幅方向(交差方向)D3をする。
コッタ本体40は、コッタ配置部15における空間Sへ下方から挿入されて空間Sに配置され、かつ空間Sから下方へ抜き出し可能に設けられている。
ここで、各々のコッタ係合部42の幅寸法は第一ロック凹部32及び第二ロック凹部33の幅方向D3の寸法よりも小さくなっており、各々のコッタ係合部42が第一ロック凹部32及び第二ロック凹部33を通過可能となっている。よって固定位置から非固定位置にコッタ12を移動させる際、コッタ係合部42とロック係合部25とが干渉することなくコッタ12が上下方向D2に移動可能となる。
次に、本発明の第二実施形態のブレーキ装置110Aについて説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
本実施形態のブレーキ装置110Aでは、コッタ本体40には第一実施形態とは異なるコッタ係合部50が設けられている。図6及び図7に示すように、コッタ係合部50は、第一係合部51と、第一係合部51よりも上方に設けられた第二係合部52とを有している。
図8に示すように固定位置でロック係合部25が第一係合部51に係合している状態では、幅方向D3の内側となるロック部材23の基端部28側に設けられた穴24aに規制部材27の先端が挿入されている。また図9に示すように非固定位置でロック係合部25が第二係合部52に係合している状態では、幅方向D3の外側となるロック本体24の先端部29側に設けられた穴24aに規制部材27の先端が挿入されている。
次に、本発明の第三実施形態のブレーキ装置110Bについて説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態及び第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
次に、本発明の第四実施形態のブレーキ装置110Cについて説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態から第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
第二係合部72は、幅方向D3の一方(幅方向D3の内側)から幅方向D3の他方(幅方向D3の外側)に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む下面72aと、上下方向D2に直交する平面状の上面72bとを有している。
またコッタ12が非固定位置に配置された状態で、ロック係合部75の上面75bには第二係合部72の下面72aが上方から接触して、第二係合部72にロック係合部75が係合可能になっている。
次に、本発明の第五実施形態のブレーキ装置110Eについて説明する。以下に説明する第五実施形態においては、第一実施形態から第四実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。本実施形態のブレーキ装置110Eでは、コッタ付勢部80及び移動規制部90をさらに備えている点が上述の実施形態のものと異なっている。
またロック本体24はコッタ配置部15に対して幅方向D3に対して傾斜する方向に移動可能となっていてもよい。即ち、軸線Oの方向は幅方向D3に完全に一致しなくともよい。
1a 背面
2 取付凸部
2a 取付孔
3 シューヘッド
4 ブレーキ本体
7 押棒
8 筐体
9 ハンガー
10 アーム
11 シューヘッド本体
12 コッタ
15 コッタ配置部
16 底板部
16a 対向面
18 側板部
15a 溝
18a 貫通孔
18b 孔
20 取付凹部
23 ロック部材
24 ロック本体
24a 穴
25、65、75 ロック係合部
26 弾性部材
27 規制部材
28 基端部
29 先端部
30 規制凸部
32 第一ロック凹部
33 第二ロック凹部
37 台座
40 コッタ本体
41 拡幅部
42、50、60 コッタ係合部
51、61 第一係合部
52、62、72 第二係合部
80、80A コッタ付勢部
81、81A 付勢部本体
82 付勢固定部
90 移動規制部
91 コッタ規制部
92 シューヘッド規制部
921 上側凹部
922 下側凹部
925 第一テーパ部
926 第二テーパ部
100 車輪
100a 踏面
100b フランジ
110、110A、110B、110C、110E ブレーキ装置
105 軌道
S 空間
O 軸線
D1 前後方向
D2 上下方向
D3 幅方向
Claims (14)
- 台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体と、
前記シューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタと、
を備え、
前記シューヘッド本体は、
前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記コッタを配置する空間が設けられたコッタ配置部と、
前記コッタ配置部に設けられて前記固定位置で前記コッタの位置を固定するロック部材と、
を有し、
前記コッタには、前記空間へ前記上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に設けられて、前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に突出するコッタ係合部が設けられ、
前記ロック部材は、
前記上下方向及び前記前後方向に交差する交差方向に進退可能に前記コッタ配置部に設けられて前記空間に配置された棒状をなすロック本体と、
前記ロック本体の外周面から突出して形成され、前記固定位置において前記コッタ係合部に係合して前記コッタの位置を固定し、前記交差方向に移動した際に前記コッタ係合部との係合が解除されるロック係合部と、
前記ロック係合部を、前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材と、
を有するシューヘッド。 - 前記ロック部材は、前記コッタ配置部に対して前記ロック係合部の動きを規制する規制部材をさらに有する請求項1に記載のシューヘッド。
- 前記コッタ係合部は、
第一係合部と、
前記第一係合部とは前記上下方向、及び前記交差方向にずれた位置に配置された第二係合部と、
を有し、
前記ロック係合部は、前記固定位置で前記第一係合部に係合して前記コッタの位置を固定可能であり、前記非固定位置で前記第二係合部に係合して前記コッタを支持可能であり、
前記規制部材は、前記ロック係合部が前記第一係合部に係合した位置、及び、前記ロック部材が前記第二係合部に係合した位置で前記ロック係合部の動きを規制する請求項2に記載のシューヘッド。 - 前記コッタ係合部は、
第一係合部と、
前記第一係合部とは前記上下方向にずれた位置に、及び前記上下方向から見て重なる位置に配置された第二係合部と、
を有し、
前記ロック係合部は、前記固定位置で前記第一係合部に係合して前記コッタの位置を固定可能であり、前記非固定位置で前記第二係合部に係合して前記コッタを支持可能である請求項1又は2に記載のシューヘッド。 - 前記コッタ係合部は、第一係合部を有し、
前記第一係合部は、
前記固定位置で前記ロック係合部と係合可能である上面及び下面のうちの一方の面と、
前記交差方向の一方から他方に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む上面及び下面のうちの他方の面と、
を有し、
前記ロック係合部は、
前記第一係合部の前記一方の面に係合して前記コッタの位置を固定可能である上面及び下面のうちの一方の面と、
前記交差方向の一方から他方に向かって下方に傾斜する傾斜面を含むとともに、前記第一係合部の傾斜面を含む前記他方の面に上下方向から接触可能な上面及び下面のうちの他方の面と、
を有する請求項1又は2に記載のシューヘッド。 - 前記コッタ係合部は、前記第一係合部とは前記上下方向にずれた位置に、及び前記上下方向から見て重なる位置に配置された第二係合部をさらに有し、
前記ロック係合部は、前記非固定位置で前記第二係合部に係合して前記コッタを支持可能である請求項5に記載のシューヘッド。 - 前記第二係合部は、前記交差方向の一方から他方に向かって下方に傾斜する傾斜面を含む上面及び下面のうちの一方の面を有し、
前記ロック係合部の前記一方の面は、前記交差方向の一方から他方に向かって下方に傾斜する傾斜面を含むとともに、前記非固定位置で前記第二係合部における前記一方の面に前記上下方向から接触可能である請求項6に記載のシューヘッド。 - 前記非固定位置では、前記コッタの下端が、前記踏面が軌道に接する位置よりも上方に配置されるように、前記コッタの長さ寸法が設定されている請求項3、4、6、及び7のいずれか一項に記載のシューヘッド。
- 前記ロック部材は、前記取付凹部の下方に設けられている請求項1から8のいずれか一項に記載のシューヘッド。
- 前記コッタ配置部に配置された状態の前記コッタが前記シューヘッド本体から脱落不能となるように、前記上下方向における前記固定位置から離れる方向への前記シューヘッド本体に対する前記コッタの移動を規制する移動規制部をさらに備え、
前記移動規制部は、
前記コッタ係合部よりも前記コッタの先端に近い位置に形成され、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に凹むか、又は突出するコッタ規制部と、
前記シューヘッド本体に形成され、前記コッタ規制部と係合するように、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に突出する、又は凹むシューヘッド規制部とを有する請求項1から9のいずれか一項に記載のシューヘッド。 - 前記コッタが前記コッタ配置部に配置された状態で、前記シューヘッド本体及び前記ブレーキシューの少なくとも一方に接触させるように前記前後方向に前記コッタを付勢するコッタ付勢部をさらに備える請求項1から10のいずれか一項に記載のシューヘッド。
- 請求項1から11のいずれか一項に記載のシューヘッドと、
前記シューヘッドにおける前記シューヘッド本体に支持されたブレーキシューと、
を備えるブレーキ装置。 - 台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を支持するシューヘッド本体が前記取付凸部を支持した状態で、前記取付孔内に配置された固定位置において前記ブレーキシューと前記シューヘッド本体とを固定可能なコッタであって、
前記取付凸部を配置可能な取付凹部、及び、該取付凹部に連通して前記上下方向に延びる空間が設けられた前記シューヘッド本体におけるコッタ配置部の前記空間へ前記上下方向から挿入されて前記固定位置に配置可能で、かつ、前記固定位置から離れる非固定位置に向かって前記上下方向へ抜き出し可能に設けられて、前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に突出するコッタ係合部が設けられ、
前記上下方向及び前記前後方向に交差する交差方向に進退可能に前記コッタ配置部に設けられて前記空間に配置された棒状をなすロック本体、前記ロック本体の外周面から突出して形成され、前記固定位置において前記コッタ係合部に係合して前記交差方向に移動した際に前記コッタ係合部との係合が解除されるロック係合部、及び、前記ロック係合部を前記コッタ係合部に係合する方向に向かって付勢する弾性部材を有するロック部材によって前記固定位置で固定されるコッタ。 - 台車の車輪の踏面に押し付け可能なブレーキシューの背面から前記踏面とは反対側に突出するとともに、上下方向に延びる取付孔が設けられた前記ブレーキシューにおける取付凸部を、シューヘッド本体に設けられた取付凹部に配置した状態で、前記取付凹部に連通して前記上下方向に延びる前記シューヘッド本体におけるコッタを配置する空間に、前記コッタを前記上下方向から挿入し、前記コッタが前記取付孔と前記空間との間にわたって配置される固定位置に前記コッタを移動させ、前記ブレーキシューを前記シューヘッド本体へ固定して取り付ける取付工程と、
前記コッタを前記空間で前記上下方向へ抜き出すことで前記コッタが前記取付孔の外部に配置される非固定位置に前記コッタを移動させる取外工程と、
を含み、
前記取付工程では、前記コッタを前記固定位置に配置した状態で、前記コッタにおいて前記上下方向に交差する前記台車の前後方向に突出するコッタ係合部に対して、前記空間に設けられた棒状をなすロック本体の外周面から突出して形成されたロック係合部を弾性部材の付勢力によって前記上下方向及び前記前後方向に交差する交差方向に移動させて係合させることで、前記固定位置でコッタを固定し、
前記取外工程では、前記付勢力に抗して前記ロック係合部が前記コッタ係合部から離れるように、前記ロック係合部を前記交差方向に移動させた後に前記コッタを前記固定位置から前記非固定位置に移動させるブレーキシューの着脱方法。
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