JPH08225634A - 水分散性ポリエステル - Google Patents
水分散性ポリエステルInfo
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- JPH08225634A JPH08225634A JP8874195A JP8874195A JPH08225634A JP H08225634 A JPH08225634 A JP H08225634A JP 8874195 A JP8874195 A JP 8874195A JP 8874195 A JP8874195 A JP 8874195A JP H08225634 A JPH08225634 A JP H08225634A
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Abstract
散性ポリエステルを提供する。 【構成】 テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジ
カルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも少な
くとも一種のジカルボン酸単位60〜95モル%及びス
ルホベンゼンジカルボン酸単位5〜17モル%を含む二
塩基酸成分の繰返し単位、そしてエチレングリコール単
位10〜60モル%、トリエチレングリコール単位30
〜90モル%及びビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物単位5〜40モル%を含む二価アルコール成分
の繰返し単位からなる水分散性ポリエステル。
Description
ックス、プラスチック、木材、布、紙等の接着用ポリマ
ー、塗料用ポリマー、あるいは磁気材料、各種写真材料
等の支持体フィルムの下塗層形成用ポリマーとして有用
な水分散性ポリエステルに関する。
ンテレフタレートのようにジカルボン酸成分としてテレ
フタル酸又はそのアルキルエステルを主成分とするポリ
エステルは、金属、ガラス、セラミック、プラスチッ
ク、木材、布、紙等に良く接着するので、これらの接着
剤として広く使用されている。また、このようなポリエ
ステルは、磁気材料、各種写真材料等の支持体フィルム
の下塗層形成用ポリマーとしても有用である。
下塗層形成に利用する場合は、通常ポリエステルを溶剤
を溶解した溶液タイプあるいはホットメルトタイプが使
用されている。上記溶液タイプ等の芳香族ポリエステル
として、種々の組成のものが知られている。例えば、特
に金属、プラスチック、木材等との接着性、耐候性に優
れたポリエステル系接着剤として、主たるジカルボン酸
成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分として
エチレングリコール、トリエチレングリコールおよびネ
オペンチルグリコール、二価のフェノールあるいはビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物を用いたポリ
エステルが特公昭53−37920号公報に記載されて
いる。この公報には、上記以外に使用できる二塩基酸と
して、テレフタル酸、イソフタル酸、p−β−オキシエ
トキシ安息香酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ジフェニレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸が記載されている。また、グリコールの例と
して、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビスオ
キシエトキシベンゼン、ジエチレングリコールが記載さ
れている。また、特公平4−49877号公報には、テ
レフタル酸の酸成分と、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの少なく
とも一種からなるアルコール成分とからなる結晶性ポリ
エステル樹脂と、フタル酸エステル系化合物、スルホン
アミド系化合物等とからなるホットメルト接着剤が開示
されている。この公報には、上記以外に使用できる二塩
基酸として、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、無水フ
タル酸、フタル酸、イソフタル酸、アゼライン酸、セバ
シン酸が記載されている。また、グリコールの例とし
て、1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコールが記載されている。
して溶剤を除去しなければならず、このような接着剤の
使用は有機溶剤による作業環境の汚染を回避しながら行
なう必要がある。また、ホットメルトの場合は、加熱接
着が必要なため使用できる素材が限定されるとの問題が
ある。従って、水を溶媒あるいは分散媒とする、いわゆ
る水分散性または水溶性のポリエステルが好ましい。水
分散性のポリエステルとしては、特開平5−29509
7号公報に、テレフタレート単位、イソフタレート単位
およびスルホアリールジカルボネート単位;およびエチ
レングリコール単位およびポリオキシエチレングリコー
ル単位からなるポリエステルの製法が開示されている。
しかしながら、この製法は、低いTgのポリエステルを
得ることはできるが、水分散性は良好とは言えず、工業
的な規模で良好な分散状態を得ることは困難である。ま
た接着性においても充分とは言えない。
り、上記水分散性ポリエステルのアルコール成分とし
て、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物をさ
らに使用することにより、水分散性と接着性が共に向上
することが明らかになった。本発明の目的は、水分散性
に優れ、且つ接着性にも優れた水分散性ポリエステルを
提供することにある。
(a):
なる群より選ばれる少なくとも少なくとも一種のジカル
ボン酸単位60〜95モル%、及び下記(c):
表わされるスルホベンゼンジカルボン酸単位5〜17モ
ル%を含む二塩基酸成分の繰返し単位、そして下記の
(d):
%、下記の(e):
ル%及び下記の(f):
ノールAのエチレンオキサイド付加物単位5〜40モル
%を含む二価アルコール成分の繰返し単位からなる水分
散性ポリエステルにより達成することができる。
下記の通りである。 1)二塩基酸成分の繰返し単位が、60〜95モル%の
上記(a)で表わされるテレフタル酸単位、0〜35モ
ル%の下記(g):
上記(c)で表わされるスルホベンゼンジカルボン酸単
位からなる上記水分散性ポリエステル。 2)二塩基酸成分の繰返し単位が、0〜35モル%の上
記(g)で表わされるイソフタル酸単位、60〜95モ
ル%の上記(b)で表わされる2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸単位及び5〜17モル%の上記(c)で表わさ
れるスルホベンゼンジカルボン酸単位からなる上記水分
散性ポリエステル。 3)二塩基酸成分の繰返し単位が、10〜90モル%の
上記(a)で表わされるテレフタル酸単位、0〜35モ
ル%の上記(g)で表わされるイソフタル酸単位、10
〜90モル%の上記(b)で表わされる2,6−ナフタ
レンジカルボン酸単位及び5〜17モル%の上記(c)
で表わされるスルホベンゼンジカルボン酸単位からなる
上記水分散性ポリエステル。
レフタル酸またはそのアルキルエステルに由来するもの
であり、上記(g)のイソフタル酸単位は、イソフタル
酸またはそのアルキルエステルに由来するものであり、
上記(b)で表わされる2,6−ナフタレンジカルボン
酸単位は2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのア
ルキルエステルに由来するものであり、そして上記
(c)スルホベンゼンジカルボン酸単位はスルホベンゼ
ンジカルボン酸またはそのアルキルあるいはヒドロキシ
アルキルエステルに由来するものである上記水分散性ポ
リエステル。 5)上記(d)のエチレングリコール単位はエチレング
リコール及びスルホベンゼンジカルボン酸ヒドロキシエ
チルエステル(上記(c)スルホベンゼンジカルボン酸
単位にこれを使用した場合)に由来するものであり、上
記(e)のトリエチレングリコール単位はトリエチレン
グリコールに由来するものであり、そして上記(f)の
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位はビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する
ものである上記水分散性ポリエステル。
基酸成分の繰返し単位として、上記(a)のテレフタル
酸単位及び上記(b)の2,6−ナフタレンジカルボン
酸単位の少なくとも一単位、及び上記(c)のスルホベ
ンゼンジカルボン酸単位が含まれている。そして、所望
により上記(g)のイソフタル酸単位が含まれる。従っ
て、本発明の水分散性ポリエステルの二塩基酸成分の繰
返し単位の構成は、下記の(1)〜(3)のいずれかの
構成を採る。尚、二塩基酸成分の繰返し単位モル%は、
使用する材料のモル%に対応する。従って、下記の二塩
基酸の使用量は、酸単位のモル%も意味する。
上記(c)のスルホベンゼンジカルボン酸単位からな
り、そして所望により上記(g)のイソフタル酸単位を
含む二塩基酸成分の繰返し単位;ポリエステル製造時の
テレフタル酸またはそのアルキルエステルの使用量は、
全二塩基酸成分の60〜95モル%の割合が一般的であ
り、65〜95モル%の割合が好ましく、特に70〜9
5モル%の割合が好ましい。イソフタル酸またはそのア
ルキルエステルの使用量は、全二塩基酸成分の0〜35
モル%の割合が好ましく、特に0〜25モル%の範囲が
好ましい。テレフタル酸及びイソフタル酸のアルキルエ
ステルとしては、低級アルキルエステル(低級アルキル
としてはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ま
たはブチルが好ましい)が好ましく、特にメチルエステ
ルが好ましい。上記スルホベンゼンジカルボン酸または
そのアルキルあるいはヒドロキシアルキルエステルの使
用量は、全二塩基酸成分の5〜17モル%の割合が好ま
しく、特に6〜15モル%の範囲が好ましい。
のアルキルあるいはヒドロキシアルキルエステルは、下
記の一般式(1):
級アルキル基あるいはOH(CH2CH2O)m(CH2CH2)- (mは
0、1または2を表わす)を表わし、そしてMは水素原
子又はアルカリ金属を表わす。)で表わされる。
チル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピ
ル基、ヒドロキシブチル基、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、プロピル基、またはブチル基であることが
好ましく、特にヒドロキシエチル基が好ましい。Mは、
ナトリウム、カリウムまたはリチウムであることが好ま
しく、特にナトリウムが好ましい。上記スルホベンゼン
ジカルボン酸またはそのアルキルあるいはヒドロキシア
ルキルエステルは、スルホン酸の金属塩基を有するイソ
フタル酸、テレフタル酸又はフタル酸、あるいはこれら
の酸の低級アルキルエステルまたはOH(CH2CH2O)m(CH2CH
2)- (mは0、1または2を表わす)とのエステルであ
ることが好ましく、特にスルホン酸の金属塩基を有する
イソフタル酸またはその低級アルキルあるいはOH(CH2CH
2O)m(CH2CH2)- (mは0、1または2を表わす)とのエ
ステル、更にスルホン酸の金属塩基を有するイソフタル
酸メチルエステルまたはヒドロキシエチルエステル(上
記m=0)が好ましい。スルホアリールジカルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステルとして、スルホアリールジ
カルボン酸のヒドロキシエチルエステルを使用した場
合、その一部は二価アルコール成分のエチレングリコー
ルとしてポリエステルの反応に与ることになる。ヒドロ
キシエトキシエチルエステル、ヒドロキシジエトキシエ
チルエステル等を用いた時も同様である。
カルボン酸単位及び上記(c)のスルホベンゼンジカル
ボン酸単位、そして所望により上記(g)のイソフタル
酸単位を含む二塩基酸成分の繰返し単位;ポリエステル
製造時の2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのア
ルキルエステルの使用量は、全多塩基酸成分の60〜9
5モル%の割合が一般的であり、65〜95モル%の割
合が好ましく、特に70〜95モル%の割合が好まし
い。2,6−ナフタレンジカルボン酸のアルキルエステ
ルとしては、2,6−ナフタレンジカルボン酸の低級ア
ルキルエステル(低級アルキルとしてはメチル、エチ
ル、イソプロピル、プロピル、またはブチルが好まし
い)が好ましく、特にメチルエステルが好ましい。2,
6−ナフタレンジカルボン酸のアルキルエステルは、一
般にメチルエステルが使用される。イソフタル酸または
そのアルキルエステル及びスルホベンゼンジカルボン酸
またはそのアルキルあるいはヒドロキシアルキルエステ
ルの使用量と材料は、前記(1)と同じである。
記(b)の2,6−ナフタレンジカルボン酸単位及び上
記(c)のスルホベンゼンジカルボン酸単位、そして所
望により上記(g)のイソフタル酸単位を含む二塩基酸
成分の繰返し単位;ポリエステル製造時のテレフタル酸
またはそのアルキルエステル(材料は(1)と同じ)の
使用量は、全二塩基酸成分の10〜90モル%の割合が
一般的であり、20〜80モル%の割合が好ましく、特
に30〜70モル%の割合が好ましい。2,6−ナフタ
レンジカルボン酸またはそのアルキルエステル(材料は
(2)と同じ)の使用量は、全多塩基酸成分の10〜9
0モル%の割合が一般的であり、20〜80モル%の割
合が好ましく、特に30〜70モル%の割合が好まし
い。イソフタル酸またはそのアルキルエステル及びスル
ホベンゼンジカルボン酸またはそのアルキルあるいはヒ
ドロキシアルキルエステルの使用量と材料は、前記
(1)と同じである。上記の二塩基酸単位の合計は、全
二塩基酸成分の繰返し単位の少なくとも80モル%以上
占めるものであり、90モル%以上占めることが好まし
く、100モル%が最も好ましい。
損なわない範囲で、フタル酸および2,7−ナフタレン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、マ
ロン酸、コハク酸、アゼライン酸及びセバシン酸等の脂
肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環式ジカルボン酸を使用することができる。ま
た、トリメリット酸のような多塩基酸成分も使用しても
良い。
を形成する二価アルコールとして、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコール及びビスフェノールAのエ
チレンオキサイド付加物が使用される。エチレングリコ
ール単位が10〜60モル%、トリエチレングリコール
単位が30〜90モル%そしてビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物が5〜40モル%含まれる。エチ
レングリコール単位は、20〜60モル%が好ましく、
特に30〜60モル%が好ましい。ポリエステル製造時
のエチレングリコールの使用量は、反応時に蒸発する量
及び前記スルホアリールジカルボン酸のヒドロキシエチ
ルエステルに由来する量を考慮して上記エチレングリコ
ール単位の量より多く設定される。トリエチレングリコ
ール単位は30〜80モル%が好ましく、特に30〜7
0モル%が好ましい。ポリエステル製造時のトリエチレ
ングリコールの使用量は、上記トリエチレングリコール
単位とほぼ同量に設定される。ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物単位は5〜30モル%が好まし
く、特に5〜25モル%が好ましい。ポリエステル製造
時のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の使
用量は、上記ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物と同量に設定される。上記エチレングリコール単
位、トリエチレングリコール単位及びビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物単位の合計が、全多価アル
コール単位の70モル%以上を占め、80モル%以上を
占めることが好ましく、特に90モル%以上を占めるこ
とが好ましく、そして100モル%が最も好ましい。
ド付加物が、下記の一般式(2):
す。)で表わされる化合物であることが好ましい。
わない範囲で、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,2−ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール及びポリエチレングリコール等を使用することが
できる。
レンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナ
フタレートの合成と同様に、二塩基酸と二価アルコール
をエステル化反応もしくはエステル交換反応させること
によりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮合反応を行
って合成することができる。また、特公昭53−379
20号に記載のようにポリエステルの解重合法によって
も得ることができる。また、二塩基酸としては、ジメチ
ルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチル
−2,6−ナフタレンカルボキシレート等のジカルボン
酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステ
ル交換反応を行なった後重縮合反応を行なっても、ジカ
ルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を
行なっても良い。
基酸と二価アルコールを使用した場合、大気圧下もしく
は1.5〜4kg/cm2の圧力下、これらの原料を140〜
280℃で120〜300分間反応させることにより、
水の留出を終了させて、エステル交換反応を完結させ
る。また、ポリエステルの原料として、二塩基酸のアル
キルエステルと二価アルコールを使用した場合、これら
の原料を大気圧下140〜280℃で120〜300分
間反応させることにより、アルコールの留出を終了させ
て、エステル交換反応を完結させる。もしくは特公昭5
3−37920号公報に記載されたポリエステルの解重
合法によっても本発明の前駆体となるポリエステルオリ
ゴマーを得ることができる。次いで、反応系内の圧力を
10〜1mmHg以下の高真空にすると共に、240〜29
0℃に昇温し、この温度にて60〜180分間加熱して
ポリエステルを得る。
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートのようなホモポリマ
ーを混合することによっても得ることができる。本発明
の接着剤に使用されるポリエステルのガラス転移温度
(Tg)は、20〜120℃が好ましく、特に30〜1
00℃が好ましい。また、ポリエステルの粘度は、26
0℃で20〜3000ポイズが好ましく、特に、50〜
1700ポイズが好ましい。
る、エステル化反応、エステル交換反応、重縮合にはそ
れぞれ公知の触媒を使用することができる。更に公知の
熱安定剤、酸化防止剤、着色剤やフィラー類を添加して
も良い。エステル化反応は特に触媒を添加しなくても進
行するが、下記の触媒を用いることにより効率よく反応
を進めることができる。例えば、エステル交換反応の触
媒としては、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コ
バルト等の金属のエチレングリコールに可溶な塩、特に
酢酸塩が一般に使用される。また、重縮反応触媒には、
三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、チタンブトキ
サイド等のチタン化合物等が一般に使用される。
れらのエステル化合物を添加しても良い。例えば、燐酸
トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリフェニル、亜燐
酸トリフェニル、亜燐酸トリメチル、亜燐酸トリエチ
ル、亜燐酸トリフェニル及び燐酸または亜燐酸のモノあ
るいはジエステル等を挙げることができる。また、酸化
防止剤として、公知のヒンダードフェノール類を添加し
ても良い。例えば、イルガノックス1010、同スミラ
イザーBHT、同スミライザーGA−80等の商品名で
市販されているものを使用することができる。また、こ
れらの一次酸化防止剤に二次酸化防止剤を組み合わせる
ことも可能である。二次酸化防止剤としては、例えばス
ミライザーTPL−R、同スミライザーTPM、同スミ
ライザーTP−D等の商品名で市販されているものを使
用することができる。また、その他の添加剤として、シ
リカ、アルミナ、カルシウム含有化合物等の無機粒子や
有機架橋高分子粒子、あるいは染料等を添加しても良
い。
たポリエステルは、冷水中に押し出された後、細かく裁
断してペレット状(好ましくは3mm角程度の小片)に
し、乾燥する。あるいは得られたポリエステルをスチー
ルベルト上に押し出した後、裁断してペレット状あるい
はチップ状とする。得られたポリエステルの小片を、公
知の方法にて水中に溶解又は分散させる。例えば、温水
(例、70℃程度)中に上記ポリマーの小片を、攪拌し
ながら徐々に投入し、溶解もしくは分散させる。攪拌に
は、一般に、ディスパーが使用される。また、合成又は
混合により得られたポリエステルを、溶融状態で直接水
中に投入し、分散させても良い。
分散液を、磁気記録材料のPET(ポリエチレンテレフ
タレート)等の支持体上に、塗布して下塗層を形成する
場合は、ポリマーが析出しない範囲でメタノール等の蒸
発し易く、水と相溶性のある溶剤を添加して、乾燥時の
加熱条件を緩和することができる。塗布対象のフィルム
の表面は、上記下塗層の接着性を向上させるために、コ
ロナ放電処理、火炎処理等の表面処理が施されているこ
とが好ましい。フィルムがPETやポリエチレンナフタ
レートの場合に、特に好ましい。
挙げて以下に説明するが、本発明はこれによって限定さ
れるものではない。なお、実施例中の添加量を示す
「部」とは重量部を意味する。
ルテレフタレート261部(1.345モル部)及びジ
メチルイソフタレート30部(0.155モル部)、二
価アルコールとしてエチレングリコール95部(1.5
32モル部)、トリエチレングリコール135部(0.
900モル部)及びビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物(前記一般式(2)のn=1の化合物;NC
−1900、日本乳化剤(株)製)50部(0.158
モル部)、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水塩
0.09部、そして重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.1部を、熱媒加熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔
が装着された反応槽に仕込んだ。窒素を通気しながら徐
々に昇温し、150℃から250℃で反応副生物である
メタノールを精溜塔から除去しながらエステル交換反応
を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液1
33.5部(SSIA:0.150モル部、EG:1.
292モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を
添加し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.
09部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、6
0分で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々
に高め、最終的に260℃とした。撹拌軸に設置したト
ルクメーターで反応物の溶融粘度を測定し、1600ポ
イズ(260℃)になった時点で、窒素導入により真空
から大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出
し、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成
を表1に示す。
タル酸83部(0.500モル部)、二価アルコールと
してエチレングリコール15部(0.242モル部)、
トリエチレングリコール45部(0.300モル部)及
びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記
一般式(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本
乳化剤(株)製)31.6部(0.100モル部)、重
縮合触媒として三酸化アンチモン0.03部を、熱媒加
熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反応槽
に仕込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、生成す
る水を除去しながら250℃まで加熱し、反応液が透明
になったところで反応を終了した。
ジャケット、高粘度用撹拌装置及び真空装置が装着され
た250℃の重縮合反応槽に移した。その反応槽に、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸のエチレングリコール
エステル(5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロ
キシエチル;SSIA)の40重量%エチレングリコー
ル(EG)溶液44.5部(SSIA:0.050モル
部、EG:0.431モル部;SIPE−40、三洋化
成(株)製)を添加し、5分後更に熱安定剤として燐酸
トリメチル0.03部を添加して2分間撹拌した後、減
圧を開始し、60分で1mmHgまで減圧した。この間
反応温度も徐々に高め、最終的に270℃とした。撹拌
軸に設置したトルクメーターで反応物の溶融粘度を測定
し、1500ポイズ(270℃)になった時点で、窒素
導入により真空から大気圧に戻して重縮合反応を停止
し、樹脂を取り出し、ポリエステルを得た。得られたポ
リエステルの組成を表1に示す。
ルテレフタレート484部(2.495モル部)、ジメ
チル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート609部
(2.496モル部)及びジメチルイソフタレート11
0部(0.567モル部)、二価アルコールとしてエチ
レングリコール552部(8.903モル部)、トリエ
チレングリコール501部(3.340モル部)及びビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一般
式(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳化
剤(株)製)176部(0.557モル部)、エステル
交換触媒として二酸化マンガン四水塩0.33部、そし
て重縮合触媒として三酸化アンチモン0.37部を、熱
媒加熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反
応槽に仕込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、1
50℃から250℃で反応副生物であるメタノールを精
溜塔から除去しながらエステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.82
3モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
した後、減圧を開始し、60分で1mmHgまで減圧し
た。この間反応温度も徐々に高め、最終的に260℃と
した。撹拌軸に設置したトルクメーターで反応物の溶融
粘度を測定し、150ポイズ(260℃)になった時点
で、窒素導入により真空から大気圧に戻して重縮合反応
を停止し、樹脂を取り出し、ポリエステルを得た。得ら
れたポリエステルの組成を表1に示す。
ルテレフタレート594部(3.062モル部)及びジ
メチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート609
部(2.496モル部)、二価アルコールとしてエチレ
ングリコール552部(8.903モル部)、トリエチ
レングリコール501部(3.340モル部)及びビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一般式
(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳化剤
(株)製)176部(0.557モル部)、エステル交
換触媒として二酸化マンガン四水塩0.33部、そして
重縮合触媒として三酸化アンチモン0.37部を、熱媒
加熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反応
槽に仕込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、15
0℃から250℃で反応副生物であるメタノールを精溜
塔から除去しながら、エステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.81
9モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し後、減圧を開始し、60分で1mmHgまで減圧し
た。この間反応温度も徐々に高め、最終的に260℃と
した。撹拌軸に設置したトルクメーターで反応物の溶融
粘度を測定し、120ポイズ(260℃)になった時点
で、窒素導入により真空から大気圧に戻して重縮合反応
を停止し、樹脂を取り出し、ポリエステルを得た。得ら
れたポリエステルの組成を表1に示す。
タル酸836部(5.036モル部)及びイソフタル酸
93部(0.560モル部)、二価アルコールとしてエ
チレングリコール552部(8.903モル部)、トリ
エチレングリコール501部(3.340モル部)及び
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一
般式(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳
化剤(株)製)176部(0.557モル部)、重縮合
触媒として三酸化アンチモン0.37部を、熱媒加熱ジ
ャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反応槽に仕
込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、生成する水
を除去しながら250℃まで加熱し、反応液が透明にな
ったところで反応を終了した。
ジャケット、高粘度用撹拌装置及び真空装置が装着され
た250℃の重縮合反応槽に移した。その反応槽に、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸のエチレングリコール
エステル(5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロ
キシエチル;SSIA)の40重量%エチレングリコー
ル(EG)溶液498部(SSIA:0.560モル
部、EG:8.903モル部;SIPE−40、三洋化
成(株)製)を添加し、5分後更に熱安定剤として燐酸
トリメチル0.37部を添加して2分間撹拌した後、減
圧を開始し、60分で1mmHgまで減圧した。この間
反応温度も徐々に高め、最終的に265℃とした。撹拌
軸に設置したトルクメーターで反応物の溶融粘度を測定
し、120ポイズ(265℃)になった時点で、窒素導
入により真空から大気圧に戻して重縮合反応を停止し、
樹脂を取り出し、ポリエステルを得た。
ル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート1218部
(4.992モル部)、二価アルコールとしてエチレン
グリコール552部(8.903モル部)、トリエチレ
ングリコール501部(3.340モル部)及びビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一般式
(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳化剤
(株)製)528部(0.557モル部)、エステル交
換触媒として二酸化マンガン四水塩0.32部、そして
重縮合触媒として三酸化アンチモン0.35部を、熱媒
加熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反応
槽に仕込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、15
0℃から250℃で反応副生物であるメタノールを精溜
塔から除去しながらエステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液7
47部(SSIA:0.839モル部、EG:7,22
6モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.35
部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、60分
で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々に高
め、最終的に270℃とした。撹拌軸に設置したトルク
メーターで反応物の溶融粘度を測定し、1500ポイズ
(270℃)になった時点で、窒素導入により真空から
大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出し、
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成を表
1に示す。
ル−2,6−ナフタレンジカルボキシレート1096部
(4.492モル部)及びジメチルイソフタレート11
0部(0.567モル部)、二価アルコールとしてエチ
レングリコール552部(8.903モル部)、トリエ
チレングリコール501部(3.340モル部)及びビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一般
式(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳化
剤(株)製)176部(0.557モル部)、エステル
交換触媒として二酸化マンガン四水塩0.34部、そし
て重縮合触媒として三酸化アンチモン0.34部を、熱
媒加熱ジャケット、撹拌装置及び精溜塔が装着された反
応槽に仕込んだ。窒素を通気しながら徐々に昇温し、1
50℃から250℃で反応副生物であるメタノールを精
溜塔から除去しながらエステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.82
3モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.34
部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、60分
で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々に高
め、最終的に275℃とした。撹拌軸に設置したトルク
メーターで反応物の溶融粘度を測定し、1700ポイズ
(275℃)になった時点で、窒素導入により真空から
大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出し、
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成を表
1に示す。
ルテレフタレート1086部(5.598モル部)、二
価アルコールとしてエチレングリコール552部(8.
903モル部)、トリエチレングリコール351部
(2.340モル部)及びビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物(前記一般式(2)のn=1の化合
物;NC−1900、日本乳化剤(株)製)176部
(0.557モル部)、エステル交換触媒として二酸化
マンガン四水塩0.37部、そして重縮合触媒として三
酸化アンチモン0.37部を、熱媒加熱ジャケット、撹
拌装置及び精溜塔が装着された反応槽に仕込んだ。窒素
を通気しながら徐々に昇温し、150℃から250℃で
反応副生物であるメタノールを精溜塔から除去しながら
エステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.82
3モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.05
部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、60分
で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々に高
め、最終的に270℃とした。撹拌軸に設置したトルク
メーターで反応物の溶融粘度を測定し、1500ポイズ
(270℃)になった時点で、窒素導入により真空から
大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出し、
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成を表
1に示す。
ノールAのエチレンオキサイド付加物(前記一般式
(2)のn=1の化合物;NC−1900、日本乳化剤
(株)製)を使用しない以外は実施例1と同様にしてポ
リエステルを得た。但し組成の違いに伴い重縮合終了時
の最終粘度は1500ポイズであった。得られたポリエ
ステルの組成を表1に示す。
ルテレフタレート1086部(5.598モル部)、二
価アルコールとしてエチレングリコール552部(8.
903モル部)、トリエチレングリコール187部
(1.247モル部)及びビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物(前記一般式(2)のn=1の化合
物;NC−1900、日本乳化剤(株)製)880部
(2.785モル部)、エステル交換触媒として二酸化
マンガン四水塩0.37部、そして重縮合触媒として三
酸化アンチモン0.37部を、熱媒加熱ジャケット、撹
拌装置及び精溜塔が装着された反応槽に仕込んだ。窒素
を通気しながら徐々に昇温し、150℃から250℃で
反応副生物であるメタノールを精溜塔から除去しながら
エステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.82
3モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.37
部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、60分
で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々に高
め、最終的に275℃とした。撹拌軸に設置したトルク
メーターで反応物の溶融粘度を測定し、130ポイズ
(275℃)になった時点で、窒素導入により真空から
大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出し、
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成を表
1に示す。
ルテレフタレート977部(5.036モル部)及びジ
メチルイソフタレート109部(0.562モル部)、
二価アルコールとしてエチレングリコール1104部
(17.806モル部)、トリエチレングリコール50
部(0.333モル部)及びビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物(前記一般式(2)のn=1の化合
物;NC−1900、日本乳化剤(株)製)176部
(0.557モル部)、エステル交換触媒として二酸化
マンガン四水塩0.37部、そして重縮合触媒として三
酸化アンチモン0.37部を、熱媒加熱ジャケット、撹
拌装置及び精溜塔が装着された反応槽に仕込んだ。窒素
を通気しながら徐々に昇温し、150℃から250℃で
反応副生物であるメタノールを精溜塔から除去しながら
エステル交換反応を進めた。
生成物であるオリゴマーを、熱媒加熱ジャケット、高粘
度用撹拌装置及び真空装置が装着された250℃の重縮
合反応槽に移した。その反応槽に、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸のエチレングリコールエステル(5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチル;SS
IA)の40重量%エチレングリコール(EG)溶液4
98部(SSIA:0.560モル部、EG:4.82
3モル部;SIPE−40、三洋化成(株)製)を添加
し、5分後更に熱安定剤として燐酸トリメチル0.37
部を添加して2分間撹拌した後、減圧を開始し、60分
で1mmHgまで減圧した。この間反応温度も徐々に高
め、最終的に270℃とした。撹拌軸に設置したトルク
メーターで反応物の溶融粘度を測定し、1500ポイズ
(270℃)になった時点で、窒素導入により真空から
大気圧に戻して重縮合反応を停止し、樹脂を取り出し、
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの組成を表
1に示す。
ポリエステルの組成、およびポリエステルの水分散性及
び接着強度を下記のようにして測定した。
よる測定値より決定した。
れたポリエステルを約3mm角の形状に切断し、このポ
リエステル0.5gを、蒸留水15mlに浸し、70℃
で2時間振動を与えた。その後、分散状態を目視で観察
した。 AA:ポリマーが完全に水に分散されている。 BB:ポリマーは、膨潤しているが、ポリマーの約3m
m角の形状は残っている。 CC:ポリマーの約3mm角の形状はそのまま残り、膨
潤も見られない。なお、上記完全に水に分散されたポリ
マーは、一か月後も分散は維持されていた。
で得られた分散液を、濁度計(MODEL 1001D
P、日本電色工業(株)製)を用いて、ヘイズ(濁度)
を測定した。
した幅25mm、厚さ0.5mmのSUS304製の板
二枚のそれぞれの片面に、約30μmの厚さになるよう
に下記のポリエステルの水分散塗布液を塗布乾燥し、該
ポリエステルの面を合わせて、ホットプレス装置にて1
50℃、50kg/cm2 で二分間圧着した。得られた
圧着板を、加熱装置付き引張試験機(オリエンテック社
製)にて50℃、24mm/分でT剥離して、剥離時の
接着強度を測定した。 [ポリエステルの水分散塗布液] 各例で得られたポリエステル 20重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル 1重量部 水 79重量部 上記ポリエステルを、70℃に加熱した上記水中にディ
スパーで攪拌しながら(1000rpm)投入し、この
温度で3時間攪拌を続けた。得られた分散液に上記ポリ
オキシエチレンアルキルエーテルを添加、混合してポリ
エステルの水分散塗布液を得た。
レンテレフタレートフィルム二枚のそれぞれの片面に、
4μmの厚さになるように上記と同じ組成のポリエステ
ルの水分散塗布液を塗布し、110℃のオーブンで2分
間乾燥した。ポリエチレンテレフタレートフィルム二枚
を塗布面同士が接触するように重ね合わせて、ホットプ
レス装置にて100℃、20kg/cm2 で1分間圧着
した。得られた圧着板を、25mm幅に切断し、加熱装
置付き引張試験機(オリエンテック社製)にて25℃、
50%RHの環境で、24mm/分の引張速度でT剥離
した。ポリエチレンテレフタレートフィルムの凝集破壊
により剥離したものをAAとした。
としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単
位を含まないポリエステル(比較例1)、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物単位を含んだ場合でも
トリエチレングリコール単位を本発明の範囲より少ない
量しか含まないポリエステル(比較例2)、及びビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物単位を含んだ場
合でもエチレングリコール単位を本発明の範囲より多い
量で含むポリエステル(比較例3)では、良好な水分散
性が得られない。また当然、接着性に於ても充分な性能
は得られない。本発明の特定の組成を特定の量に於て含
むポリエステルのみ優れた水分散性と良好な接着性が得
られることが分かる。
の分散が容易で、且つ得られた分散液の分散安定性も優
れている。さらに、金属、ガラス、セラミックス、プラ
スチック、木材、布、紙等の種々な素材に対して良好な
接着性を示し、またポリエステルフィルム等のプラスス
チックフィルムの表面層(写真感光層等)との接着性を
向上させる下塗層としても有用である。更にまた、本発
明の水分散性ポリエステルは、水分散性に優れ、種々の
素材に対して優れた接着性を有することから、上記接着
剤の他、水分散型塗料、電着塗料、粉体塗料または焼き
付け塗料等の塗料バインダーあるいは水分散型印刷イン
キ用バインダーとしても有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(a): 【化1】 で表わされるテレフタル酸単位及び下記(b): 【化2】 で表わされる2,6−ナフタレンジカルボン酸単位から
なる群より選ばれる少なくとも少なくとも一種のジカル
ボン酸単位60〜95モル%、及び下記(c): 【化3】 [但し、Mは水素原子又はアルカリ金属を表わす。]で
表わされるスルホベンゼンジカルボン酸単位5〜17モ
ル%を含む二塩基酸成分の繰返し単位、そして下記の
(d): 【化4】 で表わされるエチレングリコール単位10〜60モル
%、下記の(e): 【化5】 で表わされるトリエチレングリコール単位30〜90モ
ル%及び下記の(f): 【化6】 [但し、nは1〜5を表わす。]で表わされるビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物単位5〜40モル
%を含む二価アルコール成分の繰返し単位からなる水分
散性ポリエステル。 - 【請求項2】 二塩基酸成分の繰返し単位が、上記
(a)で表わされるテレフタル酸単位60〜95モル
%、下記(g): 【化7】 で表わされるイソフタル酸単位0〜35モル%、及び上
記(c)で表わされるスルホベンゼンジカルボン酸単位
5〜17モル%からなる請求項1に記載の水分散性ポリ
エステル。 - 【請求項3】 二塩基酸成分の繰返し単位が、下記
(g): 【化8】 で表わされるイソフタル酸単位0〜35モル%、上記
(b)で表わされる2,6−ナフタレンジカルボン酸単
位60〜95モル%及び上記(c)で表わされるスルホ
ベンゼンジカルボン酸単位5〜17モル%からなる請求
項1に記載の水分散性ポリエステル。 - 【請求項4】 二塩基酸成分の繰返し単位が、上記
(a)で表わされるテレフタル酸単位0〜90モル%、
0〜35モル%の下記(g): 【化9】 で表わされるイソフタル酸単位、上記(b)で表わされ
る2,6−ナフタレンジカルボン酸単位10〜90モル
%及び5〜17モル%の上記(c)で表わされるスルホ
ベンゼンジカルボン酸単位からなる請求項1に記載の水
分散性ポリエステル。
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---|---|---|---|
JP08874195A JP3461963B2 (ja) | 1994-12-20 | 1995-03-20 | 水分散性ポリエステル |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33552294 | 1994-12-20 | ||
JP6-335522 | 1994-12-20 | ||
JP08874195A JP3461963B2 (ja) | 1994-12-20 | 1995-03-20 | 水分散性ポリエステル |
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JPH08225634A true JPH08225634A (ja) | 1996-09-03 |
JP3461963B2 JP3461963B2 (ja) | 2003-10-27 |
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ID=26430092
Family Applications (1)
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JP08874195A Expired - Lifetime JP3461963B2 (ja) | 1994-12-20 | 1995-03-20 | 水分散性ポリエステル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3461963B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008111076A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Toyobo Co Ltd | 共重合ポリエステルおよび被覆ポリエステルフィルム |
JP2009007548A (ja) * | 2007-05-30 | 2009-01-15 | Toyobo Co Ltd | 共重合ポリエステル樹脂 |
JP2009242461A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Goo Chemical Co Ltd | ポリエステル樹脂、ポリエステル水分散体及び被膜付きポリエステルフィルム |
JP2010095585A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Kansai Paint Co Ltd | 防汚塗料用加水分解型ポリエステル樹脂及び防汚塗料組成物 |
JP2013023531A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | コーティング用共重合ポリエステルおよびそれを用いた共重合ポリエステル水分散体 |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP08874195A patent/JP3461963B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008111076A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Toyobo Co Ltd | 共重合ポリエステルおよび被覆ポリエステルフィルム |
JP2009007548A (ja) * | 2007-05-30 | 2009-01-15 | Toyobo Co Ltd | 共重合ポリエステル樹脂 |
JP2009242461A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Goo Chemical Co Ltd | ポリエステル樹脂、ポリエステル水分散体及び被膜付きポリエステルフィルム |
JP2010095585A (ja) * | 2008-10-15 | 2010-04-30 | Kansai Paint Co Ltd | 防汚塗料用加水分解型ポリエステル樹脂及び防汚塗料組成物 |
JP2013023531A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | コーティング用共重合ポリエステルおよびそれを用いた共重合ポリエステル水分散体 |
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---|---|
JP3461963B2 (ja) | 2003-10-27 |
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