JPH08224579A - 復水脱塩装置 - Google Patents
復水脱塩装置Info
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Abstract
機物の溶出量が小さい、復水脱塩処理装置を提供するこ
と。 【解決手段】 架橋度が2.5〜10%であるゲル型陽
イオン交換樹脂、または水分保有能力が44〜73%で
あるゲル型陽イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イ
オン交換樹脂の混床を使用することを特徴とする復水脱
塩装置。
Description
にBWR型原子力発電プラントの復水脱塩装置として最
適な装置に関する。
交換容量や高いクラッド除去性能が必要とされ、かつ再
生頻度があまり多くない用途ではゲル型陽イオン交換樹
脂が使用され、再生頻度が多い用途では物理的強度の大
きなマクロポーラス型陽イオン交換樹脂が使用されてい
た。また、これらの陽イオン交換樹脂と混床として使用
される陰イオン交換樹脂も、陽イオン交換樹脂と同じ型
の樹脂が使用されていた。つまり、陽イオン交換樹脂が
ゲル型陽イオン交換樹脂の場合には陰イオン交換樹脂も
ゲル型が使用され、たとえば、BWR型原子力発電プラ
ントでの復水処理ではこの組み合わせが一般的に使用さ
れていた。
比べ水中の溶存酸素などの酸化雰囲気により容易に酸化
分解し、その結果、陽イオン交換樹脂から分解によって
生成された低分子のポリスチレンスルホン酸などの有機
物が溶出する。復水脱塩装置に使用するような混床塔で
は、この陽イオン交換樹脂からの溶出物は陰イオン交換
樹脂を汚染し、その反応性を低下させる要因の一つとな
る。陰イオン交換樹脂の反応性が低下すると、発電所の
復水脱塩装置処理水に陽イオン交換樹脂の溶出物が陰イ
オン交換樹脂に捕捉されないでボイラ、原子炉および蒸
気発生器に流入し、高温下で熱分解してCO2やSO4 2-
を生成するためイオン量が増加し、また、復水器の漏洩
による海水の流入に対し、復水脱塩装置の処理水質の低
下を招く。
量は、マクロポーラス型陽イオン交換樹脂よりもゲル型
陽イオン交換樹脂の方が多く、また架橋度が低いほど溶
出量も多くなることから、低架橋度のゲル型陽イオン交
換樹脂の使用には問題があった。ところが、近年原子力
発電所の冷却水に要求されるクラッドの分離効果への要
求が高度化されており、これに応えるためクラッド除去
性能に優れた陽イオン交換樹脂の探索が行われてきた
が、低架橋度のゲル型陽イオン交換樹脂がクラッド除去
に関して効果的であることが見いだされた。そこで、処
理水への溶出量の増大を引き起こさずに、低架橋度のゲ
ル型陽イオン交換樹脂を使用するための新規な復水脱塩
装置の開発が求められていた。
マクロポーラス型の樹脂があり、それぞれの特性は以下
の通りである。ゲル型樹脂と呼ばれるマクロ・ポアーを
有しない強塩基性陰イオン樹脂は一般的にポーラス型樹
脂と比較した場合、体積基準のイオン交換容量(Volume
Capacity;Vol.Cap.)が高く、微粒子やポリスチレンス
ルホン酸(以下、場合によりPSSと略称する)等の高
分子化合物を吸着する量(率)が少ない。つまりゲル型
樹脂を使用した場合、PSSの捕捉量(率)が少なく、
したがってPSSが素通りしてそのPSSは硫酸イオ
ン、TOCの原因となる。一方、ポーラス型樹脂と呼ば
れるマクロ・ポアーを有する強塩基性陰イオン樹脂はゲ
ル型樹脂と比較した場合、一般的に体積基準のイオン交
換容量が低く、微粒子や高分子化合物を良く吸着する。
つまりマクロポーラス型樹脂を使用した場合、PSSを
効率よく捕捉し、PSSの捕捉量(率)が多い。すなわ
ち、ゲル型ではVol.Cap.は高いがPSSを効率
良く吸着・除去することはできず、ポーラス型樹脂はP
SSを効率良く吸着・除去することができるがVol.
Cap.が低いため、Vol.Cap.を高く保ちつつ
PSSを効率良く吸着・除去する方法が望まれていたの
である。
去性能に優れ、かつ混床からの有機物の溶出量が小さい
復水脱塩装置を提供することを目的とし、特にBWR型
原子力発電プラントの復水処理に有益な装置を提供する
ことを目的とする。
を解決すべく鋭意研究した結果、ゲル型陽イオン交換樹
脂とマクロポーラス型陰イオン交換樹脂の混床を使用す
ることにより、混床処理水への有機物の溶出量を低減で
きることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本発
明は、架橋度が2.5〜10%であるゲル型陽イオン交
換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交換樹脂の混床を
使用することを特徴とする復水脱塩装置を提供する。本
発明はBWR型原子力発電プラントの復水脱塩装置とし
て好適であり、その一態様として架橋度が2.5〜10
%であるゲル型陽イオン交換樹脂と、マクロポーラス型
陰イオン交換樹脂の混床を使用することを特徴とする、
BWR型原子力発電プラントの復水脱塩装置を含む。
以下、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下の
場合に、良好なクラッド除去性能が得られるが、本発明
の装置によればいずれのゲル型陽イオン交換樹脂を使用
しても良好なクラッド除去性能を維持しつつ有機物の溶
出量を低減することができる。なお、樹脂の物理的強度
の添加ら、架橋度が2.5%以上、好ましくは4%以上
であることが望ましい。またクラッドの除去性能を保持
するため、ゲル型陽イオン交換樹脂の架橋度は10%以
下であることが好ましい。
能力とは密接な関係にあり、一般には架橋度が小さくな
ると水分保有能力が大きくなる。したがって、本発明で
使用するゲル型陽イオン交換樹脂を水分保有能力によっ
て規定することもできる。すなわち、本発明は水分保有
能力が44〜73%、好ましくは44〜70%であるゲ
ル型陽イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交
換樹脂の混床を使用することを特徴とする復水脱塩装置
を提供すると共に、その一態様として、水分保有能力が
44〜73%、好ましくは44〜70%であるゲル型陽
イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交換樹脂
の混床を使用することを特徴とするBWR型原子力発電
プラントの復水脱塩装置を含む。
樹脂の水分保有能力が44%以上、好ましくは50%以
上の場合に、良好なクラッド除去性能が得られるが、本
発明の復水脱塩装置によればいずれのゲル型陽イオン交
換樹脂を使用しても良好なクラッド除去性能を維持しつ
つ有機物の溶出量を低減することができる。水分保有能
力は73%程度が実際に使用できるゲル型陽イオン交換
樹脂の上限であり、水分保有能力が、これ以上になると
物理的強度が弱過ぎて実際に使用する事が困難となる。
交換樹脂は、公知のものが使用できる。たとえばスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、エチルスチレ
ン、クロルスチレン等の芳香族モノビニルモノマーとジ
ビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族ポリビニ
ルモノマーとを共重合し、これに陽イオン交換基を導入
することにより製造できる。ポリビニルモノマーとして
芳香族ポリビニルモノマーとエステル系ポリビニルモノ
マーを併用することができ、かかる共重合体から誘導さ
れるゲル型陽イオン交換樹脂がより好ましい。エステル
系ポリビニルモノマーとしては、たとえばエチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート等や、
これらに相当するアクリレートを単独あるいは混合して
使用することができる。
よる架橋の度合いをいい、ジビニルベンゼンの全ビニル
モノマーに対する質量比(%)をいう。ただし、前述の
芳香族ポリビニルモノマーとエステル系ポリビニルモノ
マーを併用した樹脂の場合には、架橋の程度を上記の架
橋度の定義で規定することはできない。その場合には、
水分保有能力に基づいて、好適なゲル型陽イオン交換樹
脂を選択・決定することができる。水分保有能力とは、
樹脂の細孔中の水分を飽和平衡状態に調節して測定した
場合の水分をいい、測定方法は後述の実施例において詳
述される。
交換樹脂は、巨大網目状イオン交換樹脂とも称され、M
R型(macro reticular )およびMP型(macro porou
s)の両者を含むものである。通常のゲル型イオン交換
樹脂の内部構造は分子の架橋度によって決まる網目の構
造(ミクロ多孔性)を持つが、MR型イオン交換樹脂は
これとは区別される物理的細孔(マクロ多孔性)とミク
ロ多孔性を併せて有する。これはスチレン−ジビニルベ
ンゼンを共重合させ、イオン交換基を導入する際の重合
方法を変えることによって製造することができる。マク
ロポーラス型イオン交換樹脂は、イオン交換容量はやや
小さいが有機物の除去に優れた性能を有する。また、物
理的強度が大きく高度に精製可能で、化学的にも安定で
ある。直径が100から1000μmの公知並びに市販
のマクロポーラス型イオン交換樹脂を使用でき、強塩基
性樹脂および弱塩基性樹脂のどちらも使用できる。本発
明において好適に使用される市販のマクロポーラス型イ
オン交換樹脂としては、たとえば、ローム アンド ハ
ース社製アンバーライト(IRA−900,IRA−9
04,IRA−938,IRA−911,IRA−9
3)、三菱化学社製ダイヤイオン(PK308,PA3
16,PA416,WA30)等がある。
とマクロポーラス型陰イオン交換樹脂の比率は、ゲル型
陽イオン交換樹脂:マクロポーラス型陰イオン交換樹脂
=1:2〜3:1(体積比)の範囲が好ましい。また、
ゲル型陽イオン交換樹脂は通常H型で、マクロポーラス
型陰イオン交換樹脂はOH型で使用される。
つつPSSを効率良く吸着・除去するためには、ゲル型
樹脂とポーラス型樹脂を混合使用すればよいことも見い
だした。すなわち、本発明においては、マクロポーラス
型陰イオン交換樹脂およびゲル型陰イオン交換樹脂を混
合使用することもできる。したがって、本発明は架橋度
が2.5〜10%、好ましくは4〜10%であるゲル型
陽イオン交換樹脂、マクロポーラス型陰イオン交換樹
脂、およびゲル型陰イオン交換樹脂との混床を使用する
ことを特徴とする復水脱塩装置、ならびに水分保有能力
が44〜73%、好ましくは44から70%であるゲル
型陽イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交換
樹脂、およびゲル型陰イオン交換樹脂との混床を使用す
ることを特徴とする復水脱塩装置をも提供するものであ
る。
陰イオン交換樹脂の体積比率は、MR型陰イオン交換樹
脂とゲル型陰イオン交換樹脂との合計の体積に対して、
MR型陰イオン交換樹脂が5%以上、より好ましくは4
0%以上である。ゲル型陽イオン交換樹脂と、マクロポ
ーラス型陰イオン交換樹脂とゲル型陰イオン交換樹脂と
の合計との比率は、陽イオン交換樹脂:陰イオン交換樹
脂=1:2〜3:1(体積比)の範囲が好ましい。ゲル
型陰イオン交換樹脂も通常OH型で使用される。
性を有しないで、分子の架橋度によって決まる、編み目
の構造(ミクロ多孔性)のみを有している陰イオン交換
樹脂をいう。本発明において使用されるゲル型陰イオン
交換樹脂は、公知のものが使用できる。たとえば、ゲル
型陰イオン交換樹脂は、前述のゲル型陽イオン交換樹脂
と同様、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、
エチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族モノビニル
モノマーとジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳
香族ポリビニルモノマーとを共重合した後、これに陰イ
オン交換基を導入することにより製造できる。
所、原子力発電所、抄紙用ドライヤー等の分野における
復水の処理に使用できるが、特に火力発電所や原子力発
電所の復水処理に有用であり、特には発電所プラントに
おいて複合水処理法または中性水処理法で運用された復
水循環系の水を処理する装置として有用である。さらに
好適には、BWR型原子力発電プラントの中性水処理法
で運用される復水の脱塩処理、PWR型原子力発電プラ
ントの復水である二次系統水の脱塩処理や火力発電プラ
ントの復水の脱塩処理などに適用され、不純物イオンの
除去と共に、クラッドの除去にその効果が発揮される。
なお、本発明の復水脱塩装置は上述のごとく使用するイ
オン交換樹脂の組合せに特徴を有するもので、この点が
従来の復水脱塩装置とは異なるが、その他の構造は従来
の復水脱塩装置とほぼ同じであるので、装置の構造につ
いての詳しい説明は省略する。
とOH型に再生し、超純水を用いて十分に洗浄した。そ
の後、各イオン交換樹脂を樹脂/超純水=1/1の体積
比で超純水中に浸漬し、60℃に加熱下で24時間放置
し、24時間浸漬後の上澄水のTOCを測定した。サン
プルとして以下のものを使用した。 サンプルA:架橋度8%のゲル型陽イオン交換樹脂(ア
ンバーライトIR−120B) サンプルB:架橋度6%のゲル型陽イオン交換樹脂(ア
ンバーライトXT−1004) サンプルC:マクロポーラス型陰イオン交換樹脂(アン
バーライトIRA−900CP) サンプルD:ゲル型陰イオン交換樹脂(アンバーライト
IRA−400T) 上記の樹脂および以下の実施例において使用されるイオ
ン交換樹脂はいずれもオルガノ株式会社より販売されて
いるものである。結果を図1に示す。なお、表示された
TOCは、超純水のTOCを差し引いた、イオン交換樹
脂の浸漬によるTOCの増加分であり、これは実施例1
および2においても同じである。また、図1において横
軸の符号A〜Dはそれぞれ上記各イオン交換樹脂のサン
プル名に対応している。
とOH型に再生し、超純水で洗浄後、陽イオン交換樹脂
と陰イオン交換樹脂とを体積比1/1で混合して混合樹
脂を調整した。この混合樹脂を樹脂/超純水=1/1の
体積比で超純水中に浸漬し、60℃に加熱下で24時間
放置して、24時間浸漬後の上澄水のTOCを測定し
た。使用したゲル型陽イオン交換樹脂のサンプルは以下
の通りである。 サンプルA:アンバーライトIR−120B (架橋度
8%、水分保有能力47.0%) サンプルB:アンバーライトIR−120BN(架橋度
8%、水分保有能力45.3%) サンプルC:アンバーライトXT−1004 (架橋度
6%、水分保有能力53.8%) 上記のサンプルをゲル型陰イオン交換樹脂(アンバーラ
イトIRA−400T)またはマクロポーラス型陰イオ
ン交換樹脂(アンバーライトIRA−900CP)と混
床とし、それぞれの場合の24時間浸漬後の上澄水のT
OCを測定した。結果を図2に示すが、斜線で示された
ものがゲル型陽イオン交換樹脂とゲル型陰イオン交換樹
脂との混床の結果であり、他方がゲル型陽イオン交換樹
脂とマクロポーラス型陰イオン交換樹脂との混床の結果
である。なお、図2において横軸のA,B,C,の符号
は上記陽イオン交換樹脂のサンプル名に対応している。
ゲル型陰イオン交換樹脂とマクロポーラス型陰イオン交
換樹脂を単独で比較すると、前記図1に示したごとくゲ
ル型陰イオン交換樹脂の方がTOCの溶出量が少ないに
も拘らず、ゲル型陽イオン交換樹脂と混床にした場合に
は、予想外にもマクロポーラス型陰イオン交換樹脂の方
がTOCの溶出量が少なくなることがわかる。
の実施例において、以下の方法により測定された。 (a) 水分が平衡状態にある試料樹脂を調製する。 (b) あらかじめ恒量にしてある平型はかり瓶2個に
それぞれ(a)で調製した試料樹脂約5gを1mgまで
はかりとる。 (c) これを110±5℃にあらかじめ調節してある
乾燥容器中に入れ、24時間乾燥する。 (d) デシケーター中で約30分放冷する。 (e) 次いで、はかり瓶のふたをしてその質量をはか
り、はかり瓶の前後の差(ag)を求め、次式によって
水分保有能力(%)を算出する。 M1=a/W × 100 ここでM1:水分保有能力(%) W:試料樹脂(g)
トXT−1004)と、OH型に再生したゲル型陰イオ
ン交換樹脂(アンバーライトIRA−400T)および
マクロポーラス型陰イオン交換樹脂(アンバーライトI
RA−900CP)を体積比1/1で混合し、この混合
樹脂を内径20mm、層高800mmのアクリルカラム
に充填し、25℃の超純水を毎時20メートルの線流速
で通水した。この時のカラム出口水のTOCを測定し、
結果を図3に示した。図3から明かなごとく、ゲル型陽
イオン交換樹脂とマクロポーラス型陰イオン交換樹脂と
の混床では、使用開始当初より長期間にわたりゲル型陽
イオン交換樹脂とゲル型陰イオン交換樹脂との混床の場
合よりも著しくTOC濃度の低い出口水が得られた。
クロポーラス型陰イオン交換樹脂(IRA−900C
P)に、陽イオン交換樹脂から溶出する代表的分解生成
物であるポリスチレンスルホン酸(PSS)の標準物質
(分子量10,000)を、所定量吸着させ、吸着後の
樹脂の物質移動係数(MTC)を測定し、PSS吸着量
と陰イオン交換樹脂の動的性能との関係を調べた。陰イ
オン交換樹脂へのPSS吸着量と陰イオン交換樹脂の動
的性能の結果を図4に示した。なお、図4における横軸
のPSS吸着量とは、陰イオン交換樹脂に一旦PSSを
吸着させ、次いでこの樹脂を水酸化ナトリウム水溶液を
用いて再生した後の樹脂中に残留していたPSS量であ
る。図4より、マクロポーラス型陰イオン交換樹脂の方
がゲル型陰イオン交換樹脂よりも耐汚染性が強く、反応
性の低下が少ないことがわかる。
陰イオン交換樹脂との混床を使用し、各種比率の混合樹
脂において、参考例2に従ってPSSの吸着量および吸
着率を測定した。PSSサンプルとしては、東ソー株式
会社製のPoly NaSS 5(分子量5万)を使用
した。 PSS吸着条件:OH型強塩基性アニオン交換樹脂の各
50mlに、H型PSS水溶液(約0.1%)100m
lを加え、40℃で16時間振蕩させた。0.45μm
のフィルターで濾過した。 樹脂調製条件:基準型(Cl型)の樹脂100mlに、
2リットルの8%NaOH水溶液を5時間かけて通液し
た後、超純水2リットルを1時間通水した。 PSS調製条件:Na型(基準型)ポリスチレンスルホ
ン酸(20%)20gを、樹脂高50cm、樹脂量20
0mlのH型強酸性カチオン交換樹脂に1時間かけて通
過させてH型とした。分析はHPLCで行った。結果を
表1に示す。
脂に吸着されるPSSの吸着量をPSSの負荷量で割っ
たものを100倍して%で表示したものであり、以下の
式で表される。 実吸着率(%)=[PSS吸着量(mg)/PSS負荷
量(mg)]×100 「単純平均吸着率」は、ゲル型陰イオン交換樹脂とMR
型陰イオン交換樹脂を混合した場合に、その混合比率に
基づいて予測される吸着率をいい、ゲル型陰イオン交換
樹脂の実吸着率をA(%)、MR型陰イオン交換樹脂の
実吸着率をB(%)とし、ゲル型陰イオン交換樹脂とM
R型陰イオン交換樹脂の混合物中のそれぞれの体積分率
をV1およびV2とすると、以下の式で表される。 単純平均吸着率(%)=A×V1+B×V2 混合物の単純平均吸着率と実吸着率との比較から、少量
のMR型強塩基性陰イオン交換樹脂の混合により吸着率
が大きく改善されることがわかる。
し、実施例3と同様の方法でPSS吸着率を測定した。
結果は表2に示す通りである。
水分保有能力のゲル型陽イオン交換樹脂とマクロポーラ
ス型陰イオン交換樹脂とを組み合わせて使用することに
より、クラッド除去性能に優れ、かつ混床系での有機物
の溶出量を低減して陰イオン交換樹脂の反応性低下を抑
制できる復水脱塩装置が得られる。
て、水分保有能力の値とは、イオン形が基準形(ナトリ
ウム形)のゲル形強酸性カチオン交換樹脂に対して以下
の方法によって測定された値をいう。 (a) 水分が平衡状態にある基準形(ナトリウム形)
の試料樹脂を調製する。 (b) あらかじめ恒量にしてある平型はかり瓶2個に
それぞれ(a)で調製した試料樹脂約5gを1mgまで
はかりとる。 (c) これを110±5℃にあらかじめ調節してある
乾燥容器中に入れ、24時間乾燥する。 (d) デシケーター中で約30分放冷する。 (e) 次いで、はかり瓶のふたをしてその質量をはか
り、はかり瓶の前後すなわち水分が平衡状態にある樹脂
の重さと、乾燥後の樹脂の重さの差(ag)を求め、次
式によって水分保有能力(%)を算出する。 M1=a/W × 100 ここでM1:水分保有能力(%) W:水分が平衡状態にある樹脂(g) なお上記水分が平衡状態にある樹脂と乾燥後の樹脂の秤
量は、同じ樹脂について2個づつ同時に行い、2個の結
果が0.5%以上変動する場合には、試験を繰り返し
0.5%以内で一致したときは、2個の平均値を試験結
果として示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 架橋度が2.5〜10%であるゲル型陽
イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交換樹脂
の混床を使用することを特徴とする復水脱塩装置。 - 【請求項2】 ゲル型陽イオン交換樹脂の架橋度が4〜
10%である請求項1記載の復水脱塩装置。 - 【請求項3】 水分保有能力が44〜73%であるゲ
ル型陽イオン交換樹脂と、マクロポーラス型陰イオン交
換樹脂の混床を使用することを特徴とする復水脱塩装
置。 - 【請求項4】 ゲル型陽イオン交換樹脂の水分保有能
力が44〜70%である請求項3記載の復水脱塩装置。 - 【請求項5】 ゲル型陰イオン交換樹脂をさらに含む、
請求項1から4のいずれか1項記載の復水脱塩装置。 - 【請求項6】 ゲル型陰イオン交換樹脂をさらに含み、
マクロポーラス型陰イオン交換樹脂を、マクロポーラス
型陰イオン交換樹脂とゲル型陰イオン交換樹脂との合計
体積の5%以上含む、請求項1から4のいずれか1項記
載の復水脱塩装置。
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JP6-319517 | 1994-11-30 | ||
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