JPH082230A - 車両用サスペンション制御装置 - Google Patents

車両用サスペンション制御装置

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JPH082230A
JPH082230A JP15793594A JP15793594A JPH082230A JP H082230 A JPH082230 A JP H082230A JP 15793594 A JP15793594 A JP 15793594A JP 15793594 A JP15793594 A JP 15793594A JP H082230 A JPH082230 A JP H082230A
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JP
Japan
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vehicle speed
damping force
vehicle
state
control
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JP15793594A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Kikuma
信浩 菊間
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両発進時の急激な加速及び緩やかな加速の
如何に拘らず良好な乗心地を確保しながら、車両後部側
が沈み込むスクワット現象を抑制する。 【構成】 制御部36は、車速センサ20で検出した車
速が5[Km/h]以下の時は減衰力を「ハード状態」
に設定し,車速が5[Km/h]を超過した時は減衰力
を直ちに「ソフト状態」に設定するアンチスクワット制
御と,車速センサ20で検出した車速が5[Km/h]
以下で,スロットルセンサ21で検出したスロットル開
度が15[deg]以下の時は減衰力を「ソフト状態」
に設定し,スロットル開度が15[deg]を超過した
時は減衰力を例えば2秒間「ハード状態」に設定するア
ンチスクワット制御とを,相互に独立させて同時に行う
と共に、両制御で設定した減衰力のうち高い方の減衰力
を優先させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用サスペンション
制御装置に係り、特に、車速に基づくアンチスクワット
制御とスロットル開度に基づくアンチスクワット制御と
を独立させて同時に行う場合に好適な車両用サスペンシ
ョン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両に装備されたサスペンション
機構の減衰力を制御するサスペンション制御装置は、車
両の急発進時に車両後部側が沈み込むスクワット現象を
抑制するアンチスクワット制御機能等の各種制御機能を
備えている。前述のアンチスクワット制御としては、例
えば実公昭61−44889号公報等に記載されている
如く、車速が所定基準車速以下の間及び所定基準車速を
超過した後の一定時間の間だけサスペンション機構の減
衰力をハード状態に保持することにより、車両の急発進
時におけるスクワット現象を抑制すると共に定常走行状
態に移行した時における乗心地を改善するようにした技
術が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のアンチスクワット制御では、車速が所定基準車
速以下の間及び所定基準車速を超過した後の一定時間の
間,具体的には車両が発進状態にある間及び定常走行状
態に移行した後も一定時間の間は,サスペンション機構
の減衰力をハード状態とするため、車両の急発進時に
は、車両後部側が沈み込むスクワット現象の抑制に有効
であるが、その反面、車両の緩やかな発進時には、前述
のように車両が定常走行へ移行後も一定時間は減衰力が
ハード状態となっているために、乗心地の面で難点があ
るという問題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に、車両発進時における急激な加速及び緩や
かな加速の如何にかかわらず定常走行へ移行後の良好な
乗心地を確保しながら,車両後部側が沈み込むスクワッ
ト現象を有効に抑制することを達成した車両用サスペン
ション制御装置を提供することを、その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、サ
スペンション機構を装備した車両の速度を検出する車速
センサと、前記車両のアクセルペダルの踏み込み度合い
に応じたスロットル開度を検出するスロットルセンサ
と、前記各センサから入力した検出情報に基づき前記サ
スペンション機構の減衰力を所定の状態に設定する制御
手段とを備え、該制御手段が、車速が所定車速以下の場
合に前記減衰力をハード状態に設定し,車速が所定車速
を超えた場合に直ちに前記減衰力をソフト状態に設定す
る第1の制御機能と、車速が所定車速以下でスロットル
開度が所定開度以下の場合に前記減衰力をソフト状態に
設定し,その後スロットル開度が所定開度を超えた場合
に前記減衰力を微少時間ハード状態に設定した後ソフト
状態に設定する第2の制御機能と、前記第1及び第2の
制御機能を相互に独立させて同時に実行すると共に,前
記第1の制御機能の実行により設定した減衰力と前記第
2の制御機能の実行により設定した減衰力とのうち高い
方の減衰力を優先させる第3の制御機能とを備える、と
いう構成を採っている。これによって前述した目的を達
成しようとするものである。
【0006】請求項2の本発明は、サスペンション機構
を装備した車両の速度を検出する車速センサと、前記車
両のアクセルペダルの踏み込み度合いに応じたスロット
ル開度を検出するスロットルセンサと、前記各センサか
ら入力した検出情報に基づき前記サスペンション機構の
減衰力を所定の状態に設定する制御手段とを備え、該制
御手段が、車速が所定車速以下の場合に前記減衰力をハ
ード状態に設定し,車速が所定車速を超えた場合に直ち
に前記減衰力をソフト状態に設定する第1の制御機能
と、スロットル開度が所定開度を超えた場合で且つ前記
車速センサから最初の車速入力があった場合に前記減衰
力を微少時間ハード状態に設定した後ソフト状態に設定
する第2の制御機能と、前記第1及び第2の制御機能を
相互に独立させて同時に実行すると共に,前記第1の制
御機能の実行により設定した減衰力と前記第2の制御機
能の実行により設定した減衰力とのうち高い方の減衰力
を優先させる第3の制御機能とを備える、という構成を
採っている。これによって前述した目的を達成しようと
するものである。
【0007】
【作用】請求項1の本発明によれば、車両運転者が停車
中の車両を発進させるべく、アクセルペダルを踏み込む
と、スロットルセンサにより、アクセルペダルの踏み込
み度合いに応じたスロットル開度が検出され、車速セン
サにより、車両運転者のアクセルペダルの踏み込みに伴
い発進した車両の速度が検出される。これに伴い、制御
手段は、車速が所定車速以下の場合にはサスペンション
機構の減衰力をハード状態に設定し,車速が所定車速を
超えた場合には直ちにサスペンション機構の減衰力をソ
フト状態に設定する制御を行う。また、制御手段は、車
速が所定車速以下でスロットル開度が所定開度以下の場
合にはサスペンション機構の減衰力をソフト状態に設定
し,スロットル開度が所定開度を超えた場合にはサスペ
ンション機構の減衰力を微少時間ハード状態に設定した
後ソフト状態に設定する制御を、前述の制御と相互に独
立させて且つ同時に行う。そして、制御手段は、両制御
で設定した減衰力のうち高い方の減衰力を優先させる。
制御手段による減衰力優先制御により、サスペンション
機構の減衰力は、車速が所定車速以下の場合は常にハー
ド状態に設定され、車速が所定車速を超えた場合でもス
ロットル開度が所定開度を超えた場合は微少時間ハード
状態に設定される。
【0008】請求項2の本発明によれば、車両運転者が
停車中の車両を発進させるべく、アクセルペダルを踏み
込むと、スロットルセンサにより、アクセルペダルの踏
み込み度合いに応じたスロットル開度が検出され、車速
センサにより、車両運転者のアクセルペダルの踏み込み
に伴い発進した車両の速度が検出される。これに伴い、
制御手段は、車速が所定車速以下の場合にはサスペンシ
ョン機構の減衰力をハード状態に設定し,車速が所定車
速を超えた場合には直ちにサスペンション機構の減衰力
をソフト状態に設定する制御を行う。また、制御手段
は、スロットル開度が所定開度を超えた場合で車速セン
サから最初の車速入力があった場合にサスペンション機
構の減衰力を微少時間ハード状態に設定した後,ソフト
状態に設定する制御を、前述の制御と相互に独立させて
且つ同時に行う。そして、制御手段は、両制御で設定し
た減衰力のうち高い方の減衰力を優先させる。制御手段
による減衰力優先制御により、サスペンション機構の減
衰力は、車速が所定車速以下の場合は常にハード状態に
設定され、スロットル開度が所定開度を超えた場合で最
初に車速入力があった場合は微少時間ハード状態に設定
される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の車両用サスペンション制御装
置を適用してなる第1実施例及び第2実施例を図面に基
づいて説明する。
【0010】(1)第1実施例。 先ず、本第1実施例及び第2実施例に共通の車両用サス
ペンション制御装置を装備した車両の要部構成を図2に
基づき説明すると、車両1の右前輪側には、オイルダン
パ3,コイルスプリング4,アクチュエータ5を備えた
サスペンション機構2が装備され、左前輪側には、オイ
ルダンパ7,コイルスプリング8,アクチュエータ9を
備えたサスペンション機構6が装備され、右後輪側に
は、オイルダンパ11,コイルスプリング12,アクチ
ュエータ13を備えたサスペンション機構10が装備さ
れ、左後輪側には、オイルダンパ15,コイルスプリン
グ16,アクチュエータ17を備えたサスペンション機
構14が装備されている。
【0011】また、車両1には、ステアリングの操舵角
を検出するステアリングセンサ18と、車体に作用する
上下方向加速度を検出する上下加速度センサ19と、車
速を検出する車速センサ20と、車両運転者のアクセル
ペダルの踏み込みの度合いに応じたスロットル開度を検
出するスロットルセンサ21と、車両運転者のブレーキ
ペダルの踏み込み動作に基づきブレーキの操作状態を検
出するブレーキスイッチ22と、エンジンの回転信号を
取出すためのイグニッションコイル23と、サスペンシ
ョン制御を行う電子サスペンションコントローラ25と
が装備されている。
【0012】次に、本第1実施例及び第2実施例に共通
の車両用サスペンション制御装置の電子サスペンション
コントローラを中心とした構成を図1に基づき説明する
と、電子サスペンションコントローラ25は、車速が予
め設定してある所定車速以下か否か,スロットル開度が
予め設定してある基準スロットル開度以下か否かの判定
及びこれに基づくサスペンション制御を行う制御部36
と,サスペンション制御に係る制御プログラム等を記憶
した記憶部37と,後述の各種時間を計時するタイマ3
8と,車両の停車中にアクセルペダルを空吹かした時と
車両の発進時にのみ減衰力を微少時間(例えば2秒間)
「ハード状態」としたことをカウントするカウンタ39
とを備える構成となっている。
【0013】電子サスペンションコントローラ25の制
御部36には、ヒューズ26,27を介してバッテリ2
8と,ヒューズ29を介してイグニッションスイッチ3
0と,ブレーキスイッチ22と,ブレーキ操作時に点灯
するストップランプ31と,オート/スポートスイッチ
32と,DNスイッチ33と,イグニッションコイル2
3と,ノイズフィルタ34と,スポート/オートランプ
35とが各々接続されている。
【0014】更に、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36には、車速センサ20と,ステアリング
センサ18と,上下加速度センサ19と,スロットルセ
ンサ21と,エンジン用コントローラ(EPIコントロ
ーラ)40と,各オイルダンパ3,7,11,15の減
衰力が所定の状態(「ハード状態」「ソフト状態」「ミ
ディアム状態」)となるように各オイルダンパ3,7,
11,15を駆動する各アクチュエータ5,9,13,
17とが各々接続されている。
【0015】電子サスペンションコントローラ25の制
御部36は、ステアリングセンサ18の出力信号に基づ
き車両運転者のステアリングの操作状態を判定し,上下
加速度センサ19の出力信号に基づき車体に作用する上
下方向加速度の大きさを演算し,車速センサ20の出力
信号に基づき車速の大きさを演算し,スロットルセンサ
21の出力信号に基づきスロットル開度の大きさを演算
し,ブレーキスイッチ22の出力信号に基づき車両運転
者のブレーキの操作状態を判定するようになっている。
【0016】ここで、本第1実施例の特徴点について説
明すると、電子サスペンションコントローラ25の制御
部36は、車速センサ20により検出した車速に基づく
アンチスクワット制御(車速が例えば5[Km/h]以
下の時は減衰力を「ハード状態」に設定し,車速が例え
ば5[Km/h]を超過した時は直ちに減衰力を「ソフ
ト状態」に設定する制御)と、スロットルセンサ21に
より検出したスロットル開度に基づくアンチスクワット
制御(車速が例えば5[Km/h]以下で,スロットル
開度が例えば15[deg]以下の時は減衰力を「ソフ
ト状態」に設定し,スロットル開度が例えば15[de
g]を超過した時は減衰力を例えば2秒間「ハード状
態」に設定した後,「ソフト状態」に設定する制御)と
を、互いに独立させて且つ同時に行うようになってい
る。
【0017】次に、上記の如く構成した本第1実施例の
作用を図3乃至図7に基づき説明する。
【0018】車両に装備された電子サスペンションコン
トローラ25の制御部36は、車両の発進時において、
車速センサ20により検出した車速に基づくアンチスク
ワット制御(図3及び図4参照)と、スロットルセンサ
21により検出したスロットル開度に基づくアンチスク
ワット制御(図5及び図6参照)とを、互いに独立させ
て且つ同時に行う。
【0019】即ち、車両発進時における車速に基づくア
ンチスクワット制御(図3及び図4参照)に際しては、
電子サスペンションコントローラ25の制御部36は、
車速センサ20により検出した車速が所定車速(例えば
5[Km/h])以下か否かを判定し(ステップSA
1)、車速が所定車速(例えば5[Km/h])以下と
判定した場合(即ち、車両が発進状態にある場合)は、
各アクチュエータ5,9,13,17を駆動制御して各
オイルダンパ3,7,11,15の減衰力を「ハード状
態」に設定する(ステップSA2)。
【0020】他方、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36は、車速センサ20により検出した車速
が所定車速(例えば5[Km/h])を超過していると
判定した場合(即ち、車両が発進状態から定常走行状態
へ移行した場合)は直ちに、各アクチュエータ5,9,
13,17を駆動制御して各オイルダンパ3,7,1
1,15の減衰力を「ソフト状態」に設定する(ステッ
プSA3)。
【0021】また、車両発進時におけるスロットル開度
に基づくアンチスクワット制御(図5及び図6参照)に
際しては、電子サスペンションコントローラ25の制御
部36は、車速センサ20により検出した車速が所定車
速(例えば5[Km/h])以下か否かを判定し(ステ
ップSB1)、車速が所定車速(例えば5[Km/
h])以下と判定した場合には、スロットルセンサ21
により検出したスロットル開度が所定開度(例えば15
[deg])以上か否かを判定する(ステップSB
2)。
【0022】電子サスペンションコントローラ25の制
御部36は、スロットル開度が所定開度(例えば15
[deg])以上になったと判定した場合(即ち、車両
運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合)は、各アク
チュエータ5,9,13,17を駆動制御して各オイル
ダンパ3,7,11,15の減衰力を,タイマ38の計
時に基づき微少時間(例えば2秒間)「ハード状態」に
設定し、当該微少時間経過後は車両が発進状態から定常
走行状態に移行したと判断して「ソフト状態」に戻す
(ステップSB3)。
【0023】他方、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36は、スロットル開度が所定開度(例えば
15[deg])未満と判定した場合(即ち、車両運転
者がアクセルペダルをあまり踏み込んでいない場合)
は、各アクチュエータ5,9,13,17を駆動制御し
て各オイルダンパ3,7,11,15の減衰力を「ソフ
ト状態」に設定する(ステップSB4)。
【0024】ところで、車速に基づくアンチスクワット
制御(図3及び図4参照)と,スロットル開度に基づく
アンチスクワット制御(図5及び図6参照)とを互いに
独立させて且つ同時に行った場合、減衰力の優先順位は
「ハード状態」,「ミディアム状態」,「ソフト
状態」に予め定められているため、車両発進時点から車
速が所定車速(例えば5[Km/h])に達するまでの
設定減衰力は「ハード状態」が優先され(図3参照)、
スロットル開度が所定開度(例えば15[deg])以
上となってから微少時間(例えば2秒間)経過するまで
の設定減衰力は「ハード状態」が優先される(図5参
照)。
【0025】従って、車速に基づくアンチスクワット制
御とスロットル開度に基づくアンチスクワット制御とを
互いに独立させて且つ同時に行った場合におけるトータ
ルの減衰力は、図7に示す如く、車両発進時点からスロ
ットル開度が所定開度(例えば15[deg])以上と
なって微少時間(例えば2秒間)経過するまでは(車両
が発進状態にある時は)「ハード状態」に設定され、こ
れ以降は(車両が発進状態から定常走行状態に移行した
時は)「ソフト状態」に設定される。
【0026】即ち、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36は、車両が発進してから定常走行状態に
移行するまでは図7に示す制御を行なうため,換言すれ
ば車両発進時点からスロットル開度が所定開度以上とな
って微少時間経過するまでは減衰力を「ハード状態」に
設定するため、車両発進時に車両後部側が沈み込むスク
ワット現象が有効に抑制され、車両が定常走行に移行し
てからは減衰力を「ソフト状態」に設定するため、定常
走行時における乗心地が良好となる。
【0027】上述したように、本第1実施例によれば、
車速に基づくアンチスクワット制御と,スロットル開度
に基づくアンチスクワット制御とを互いに独立させて且
つ同時に行うことにより、車両の発進時点よりアクセル
ペダルの踏み込み度合いが大きくなってから(スロット
ル開度が所定開度を超えてから)微少時間経過した時点
まで減衰力を「ハード状態」に保持しその後は「ソフト
状態」とするため、従来の如く,車両が発進してから定
常走行へ移行した後もしばらくの間は減衰力を「ハード
状態」に保持しているために加速の度合いが緩やかな時
は乗心地が悪化するといった不具合を解消できる。従っ
て、車両発進時における急激な加速及び緩やかな加速の
如何にかかわらず定常走行へ移行後の良好な乗心地を確
保しながら、車両後部側が沈み込むスクワット現象を有
効に抑制できる。
【0028】また、本第1実施例によれば、車速に基づ
くアンチスクワット制御に際しては、車速が例えば5
[Km/h]以下の時は減衰力を「ハード状態」に設定
し,車速が例えば5[Km/h]を超過した時は直ちに
減衰力を「ソフト状態」に設定するため、従来の如く,
車速が基準車速以下の間及び車速が基準車速を超えた後
一定時間の間は減衰力を「ハード状態」に保持する制御
のように,前記一定時間を計時する回路もしくはタイマ
を設けることが不要となり、従って、その分だけコスト
を低減することができる。
【0029】(2)第2実施例。 本第2実施例では、上記第1実施例と同様に、車速セン
サ20により検出した車速に基づくアンチスクワット制
御と,スロットルセンサ21により検出したスロットル
開度に基づくアンチスクワット制御とを互いに独立させ
て且つ同時に行うものであるが、スロットル開度に基づ
くアンチスクワット制御が下記の点で相異する。
【0030】即ち、本第2実施例におけるスロットル開
度に基づくアンチスクワット制御は、電子サスペンショ
ンコントローラ25の制御部36が、スロットルセンサ
21により検出したスロットル開度が所定開度(例えば
15[deg])以上で且つ車速センサ20から最初に
車速信号の入力が有った場合(車両の発進時)に,減衰
力を微少時間(例えば2秒間)「ハード状態」に設定
し,当該微少時間経過後に減衰力を「ソフト状態」に設
定するようにした点が特徴となっている。この場合、電
子サスペンションコントローラを中心とした制御系及び
車両要部の構成は上記第1実施例の図1及び図2と同様
のため、図示及び説明を省略する。
【0031】次に、上記の如く構成した本第2実施例の
作用を図8及び図9に基づき説明する。
【0032】車両に装備された電子サスペンションコン
トローラ25の制御部36は、車両発進時において、ス
ロットルセンサ21により検出したスロットル開度が所
定開度(例えば15[deg])以上か否か判定し(ス
テップSC1)、スロットル開度が所定開度(例えば1
5[deg])未満と判定した場合は、各アクチュエー
タ5,9,13,17を駆動制御して各オイルダンパ
3,7,11,15の減衰力を「ソフト状態」に設定す
る(ステップSC2)。
【0033】他方、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36は、スロットル開度が所定開度(例えば
15[deg])以上になったと判定した場合,即ち運
転者が例えば信号待ちで車両の停車中にアクセルペダル
を踏み込んで空ぶかしを行った場合や車両の発進時にア
クセルペダルを踏み込んで加速させた場合は、カウンタ
39をセットし(ステップSC3)、各アクチュエータ
5,9,13,17を駆動制御して各オイルダンパ3,
7,11,15の減衰力を微少時間(例えば2秒間)
「ハード状態」に設定し、当該微少時間経過後は「ソフ
ト状態」に戻す(ステップSC4)。
【0034】次に、電子サスペンションコントローラ2
5の制御部36は、車速センサ20から車速信号の入力
が有るか無いか,即ち車両が発進中か停車中かを判定し
(ステップSC5)、車速センサ20から車速信号の入
力が無いと判定した場合,即ち車両が停車中と判定した
場合は、カウンタ39をクリアする(ステップSC
6)。
【0035】本第2実施例においても、上記第1実施例
と同様に、車速に基づくアンチスクワット制御とスロッ
トル開度に基づくアンチスクワット制御とを互いに独立
させて且つ同時に行った場合におけるトータルの減衰力
は、車両が発進状態にある時は「ハード状態」に設定さ
れ、車両が発進状態から定常走行状態に移行した時は
「ソフト状態」に設定される。これにより、車両発進時
に車両後部側が沈み込むスクワット現象を有効に抑制で
きると共に、車両が発進状態から定常走行状態へ移行し
てからは乗心地を確保できる。
【0036】上述したように、本第2実施例によれば、
上記第1実施例と同様に、車両発進時における急激な加
速及び緩やかな加速の如何にかかわらず定常走行へ移行
後の良好な乗心地を確保しながら、車両後部側が沈み込
むスクワット現象を有効に抑制することができる。
【0037】ここで、上記実施例では、サスペンション
機構の減衰力を設定変更する際の所定車速を例えば5
[Km/h]に設定し,サスペンション機構の減衰力を
設定変更する際の所定開度を例えば15[deg]に設
定し,車両発進時における減衰力を例えば2秒間「ハー
ド状態」に設定したが、当該数値に限定されるものでは
無く、車両の仕様等に応じて任意の数値に設定すること
ができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の本発明
によれば、サスペンション機構の減衰力を,車速が所定
車速以下の場合にハード状態に設定し所定車速を超えた
場合に直ちにソフト状態に設定する制御と,車速が所定
車速以下でスロットル開度が所定開度以下の場合にソフ
ト状態に設定しスロットル開度が所定開度を超えた場合
に微少時間ハード状態に設定した後ソフト状態に設定す
る制御とを,相互に独立させて同時に行うと共に,両制
御で設定した減衰力のうち高い方の減衰力を優先させる
ため、換言すれば、車両を発進させた時点よりアクセル
ペダルの踏み込み度合いが大きくなってから(スロット
ル開度が所定開度を超えてから)微少時間経過した時点
まで減衰力をハード状態に保持しその後はソフト状態と
するため、従来の如く,車両が発進してから定常走行へ
移行した後もしばらくの間は減衰力をハード状態に保持
しているために加速の度合いが緩やかな時は乗心地が悪
化するといった不具合を解消でき、従って、車両発進時
における急激な加速及び緩やかな加速の如何にかかわら
ず定常走行へ移行後の良好な乗心地を確保しながら、車
両後部側が沈み込むスクワット現象を有効に抑制でき
る、という効果を奏する。
【0039】また、前述のように,サスペンション機構
の減衰力を,車速が所定車速以下の場合にハード状態に
設定し所定車速を超えた場合に直ちにソフト状態に設定
するため、従来の如く,車速が基準車速以下の間及び車
速が基準車速を超えた後一定時間の間は減衰力をハード
状態に保持する制御のように,前記一定時間を計時する
回路もしくはタイマを設けることが不要となり、従っ
て、その分だけコストを低減することができる、という
効果を奏する。
【0040】請求項2の本発明によれば、サスペンショ
ン機構の減衰力を,車速が所定車速以下の場合にハード
状態に設定し所定車速を超えた場合に直ちにソフト状態
に設定する制御と,スロットル開度が所定開度を超えた
場合で車速センサから最初の車速入力があった場合に微
少時間ハード状態に設定した後ソフト状態に設定する制
御とを,相互に独立させて同時に行うと共に,両制御で
設定した減衰力のうち高い方の減衰力を優先させるた
め、換言すれば、車両を発進させた時点よりアクセルペ
ダルの踏み込み度合いが大きくなってから(スロットル
開度が所定開度を超えてから)微少時間経過した時点ま
で減衰力をハード状態に保持しその後はソフト状態とす
るため、請求項1の発明と同様に、車両発進時における
急激な加速及び緩やかな加速の如何にかかわらず定常走
行へ移行後の良好な乗心地を確保しながら、車両後部側
が沈み込むスクワット現象を有効に抑制できる、という
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例における電子サス
ペンションコントローラを中心とした制御系の構成を示
す図である。
【図2】第1実施例における電子サスペンションコント
ローラを搭載した車両の要部の構成を示す説明図であ
る。
【図3】第1実施例における車速に基づくアンチスクワ
ット制御を説明するためのタイムチャートである。
【図4】第1実施例における車速に基づくアンチスクワ
ット制御の流れ図である。
【図5】第1実施例におけるスロットル開度に基づくア
ンチスクワット制御を説明するためのタイムチャートで
ある。
【図6】第1実施例におけるスロットル開度に基づくア
ンチスクワット制御の流れ図である。
【図7】第1実施例における車速に基づくアンチスクワ
ット制御及びスロットル開度に基づくアンチスクワット
制御を独立させて且つ同時に行った場合の説明図であ
る。
【図8】第2実施例におけるアンチスクワット制御を説
明するためのタイムチャートである。
【図9】第2実施例におけるアンチスクワット制御の流
れ図である。
【符号の説明】 1 車両 2,6,10,14 サスペンション機構 20 車速センサ 21 スロットルセンサ 36 制御手段としての制御部
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サスペンション機構を装備した車両の速
    度を検出する車速センサと、前記車両のアクセルペダル
    の踏み込み度合いに応じたスロットル開度を検出するス
    ロットルセンサと、前記各センサから入力した検出情報
    に基づき前記サスペンション機構の減衰力を所定の状態
    に設定する制御手段とを備え、 該制御手段が、 車速が所定車速以下の場合に前記減衰力をハード状態に
    設定し,車速が所定車速を超えた場合に直ちに前記減衰
    力をソフト状態に設定する第1の制御機能と、 車速が所定車速以下でスロットル開度が所定開度以下の
    場合に前記減衰力をソフト状態に設定し,その後スロッ
    トル開度が所定開度を超えた場合に前記減衰力を微少時
    間ハード状態に設定した後ソフト状態に設定する第2の
    制御機能と、 前記第1及び第2の制御機能を相互に独立させて同時に
    実行すると共に,前記第1の制御機能の実行により設定
    した減衰力と前記第2の制御機能の実行により設定した
    減衰力とのうち高い方の減衰力を優先させる第3の制御
    機能とを備えて成ることを特徴とした車両用サスペンシ
    ョン制御装置。
  2. 【請求項2】 サスペンション機構を装備した車両の速
    度を検出する車速センサと、前記車両のアクセルペダル
    の踏み込み度合いに応じたスロットル開度を検出するス
    ロットルセンサと、前記各センサから入力した検出情報
    に基づき前記サスペンション機構の減衰力を所定の状態
    に設定する制御手段とを備え、 該制御手段が、 車速が所定車速以下の場合に前記減衰力をハード状態に
    設定し,車速が所定車速を超えた場合に直ちに前記減衰
    力をソフト状態に設定する第1の制御機能と、 スロットル開度が所定開度を超えた場合で且つ前記車速
    センサから最初の車速入力があった場合に前記減衰力を
    微少時間ハード状態に設定した後ソフト状態に設定する
    第2の制御機能と、 前記第1及び第2の制御機能を相互に独立させて同時に
    実行すると共に,前記第1の制御機能の実行により設定
    した減衰力と前記第2の制御機能の実行により設定した
    減衰力とのうち高い方の減衰力を優先させる第3の制御
    機能とを備えて成ることを特徴とした車両用サスペンシ
    ョン制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100501373B1 (ko) * 2002-11-08 2005-07-18 현대자동차주식회사 차량의 스쿼트 및 다이브 방지 방법
KR100656084B1 (ko) * 2004-12-21 2006-12-08 주식회사 만도 차량의 전복 방지를 위한 댐퍼 제어방법
JP2016020134A (ja) * 2014-07-14 2016-02-04 トヨタ自動車株式会社 減衰力可変式ショックアブソーバの制御装置

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