JPH08222133A - 陰極線管のブラックマトリックス形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス基板上に、特に陰極線管のガラス基板
上にブラックマトリックスのパターンを容易に精度よく
形成することのできるブラックマトリックス形成方法を
提供する。 【構成】 ブラックマトリックス形成用インキ組成物を
用いて印刷方式によりガラス基板上にブラックマトリッ
クスを形成する方法において、皮膜形成用樹脂により予
めガラス基板上に皮膜を形成させることを特徴とするブ
ラックマトリックス形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガラス基板上に、特に
陰極線管のフェースプレート上にブラックマトリックス
を容易に効率よく形成するためのブラックマトリックス
形成方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、陰極線管のフェースプレート上に
ブラックマトリックスを形成する方法として、スラリー
塗布露光法や沈降法などが用いられているが、工程数が
多く、装置も複雑であり生産性に欠けるという欠点があ
った。そこで、これらに代わる生産性のよい形成方法と
して、スクリーン印刷方式などの印刷方式を用いる方
法、例えば特公昭５５−４６６７４号公報あるいは特開
平６−４９３９８号公報に記載されている方法が提案さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のスクリ
ーン印刷方式は、生産性が高く、しかも生産設備的にも
極めて有利ではあるが、スラリー塗布露光法などと比較
してパターン形状がやや悪く、膜厚の再現性や均一性に
劣るといった問題点がある。特にブラックマトリックス
の形状は陰極線管の品質を左右する最も重要なポイント
であるが、従来のブラックマトリックス形成方法ではイ
ンキがダレやすく、形状のシャープな均一性の高いパタ
ーンが得られなかった。そこで、本発明は、上記したよ
うな印刷方式の利点を活かしつつ、更に形状がシャープ
で均一性の高いパターンが形成できるブラックマトリッ
クス形成方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、ブラックマト
リックス形成用インキ組成物を用いて印刷方式によりガ
ラス基板上にブラックマトリックスを形成する方法にお
いて、予めガラス基板上に特定の処理を施こすことによ
り、形状がシャープで均一性の高いパターンが得られる
ことを見いだし、本発明に到達した。

【０００５】すなわち本発明の要旨は、ブラックマトリ
ックス形成用インキ組成物を用いて印刷方式によりガラ
ス基板上にブラックマトリックスを形成する方法におい
て、皮膜形成用樹脂により予めガラス基板上に皮膜を形
成させることを特徴とするブラックマトリックス形成方
法に存する。以下、陰極線管のガラスフェースプレート
上にブラックマトリックスおよび赤、青、緑の蛍光膜を
形成する場合を例に挙げて、本発明について詳しく述べ
る。

【０００６】本発明に使用する皮膜形成用樹脂として
は、ガラス基板表面の表面張力を下げる目的から、一般
に知られている熱可塑性樹脂、熱または光硬化性樹脂な
どを使用することが出来るが、熱可塑性樹脂が好まし
く、さらに好ましくは酸素原子を樹脂の構成元素として
含有するものが好ましい。好ましい酸素含有量の目安と
しては、樹脂を構成する炭素元素１個に対し０．０５以
上、一層好ましくは０．１以上であり、少なすぎると最
終工程での除去性が不良となり炭化物が残り好ましくな
い。また好ましい分子量としては、１，０００以上１０
０万以下が印刷適性の面で好ましい。

【０００７】酸素含有量が０．１以上である樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、セルロース樹脂等が好ましく、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニル
ホルマール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ア
クリル樹脂等も好ましいが、上述の酸素含有量（０．０
５以上、一層好ましくは０．１以上）を有するものが特
に好ましい。これらの樹脂は２種以上を混合して用いる
ことも可能である。特にポリビニルブチラール樹脂およ
びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂が好ましい。

【０００８】また、良好な樹脂皮膜を形成するために他
の熱可塑性樹脂、例えば、スチレン・アクリロニトリル
樹脂、スチレン樹脂または石油樹脂などを２０％程度以
下の添加、あるいは表面性を改良するためにレベリング
剤として界面活性剤を数％程度まで添加することも可能
である。上記に挙げた樹脂は、ガラスへの接着性に優れ
るとともにダレを防止し、且つ最終工程である焼成工程
での除去性においても優れている。

【０００９】本発明の樹脂皮膜をガラス基板上に形成す
る方法としては、特に制限はなく、上記の樹脂を有機溶
剤に溶解した溶液を用い、通常の方法により塗工、乾燥
することによって得られる。上記の溶剤としては、トル
エン、キシレンなどの芳香族溶剤；メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン系溶剤；酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
系溶剤；イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソ
ルブなどのアルコール系溶剤；ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル系溶剤；ジメチルホルムアミ
ド、Ｎ−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤などが用
いられる。溶液中の樹脂の濃度としては通常５〜３０％
程度が適当である。

【００１０】塗工方法としては、例えば原崎勇次著「コ
ーティング方式」（１９７９年、槇書店発行）に記載さ
れている方法が用いられるが、特にスピンコート方式お
よびディップコート方式が簡便で好ましい。本発明の樹
脂皮膜の膜厚としては、通常０．０１〜１０μｍ、好ま
しくは０．０５〜２μｍである。樹脂皮膜の膜厚が薄過
ぎるとブラックマトリックス形成用インキ組成物のダレ
を充分防止することができず、また厚過ぎると最終工程
である焼成工程で、ブラックマトリックス膜や蛍光膜の
浮きや剥離を引き起こすため好ましくない。

【００１１】本発明に使用するブラックマトリックス形
成用インキ組成物は、主としてバインダー樹脂、隠ぺい
性顔料、溶剤、およびその他必要に応じて加える各種添
加剤からなる。上記バインダー樹脂としては、特に制限
は無いが基本的には皮膜形成用樹脂に記した樹脂が用い
られる。特に、皮膜形成用樹脂として用いた樹脂と同じ
種類の樹脂を組み合わせて用いることが、塗工性や接着
性の面で好ましい。

【００１２】隠ぺい性顔料としては黒鉛、カーボンブラ
ック、酸化ルテニウム等の黒色顔料やＮｉ、Ｃｕ、Ａ
ｌ、Ａｇ、Ａｕ等の金属顔料が用いられる。また、粒子
径としては、充分な隠ぺい性を得るため１０μｍ以下が
好ましい。上記の隠ぺい性顔料とバインダー樹脂との比
は、重量比で１：０．０５〜１：２の範囲が好ましく、
１：０．１〜１：１の範囲が更に好ましい。バインダー
樹脂が少なすぎると、インキ組成物の流動性が不足する
ため、インキ組成物を充分にガラス基板上に転写するこ
とが出来ず、また多すぎると、インキ組成物の流動性が
高すぎるため、転写したインキ組成物のパターン形状の
保持性が悪くなる。

【００１３】使用される溶剤としては、例えば、アルフ
ァーまたはベータテルピネオールなどのテルペン系溶
剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブ
チルカルビトールなどのグリコールエーテル系溶剤、メ
チルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
ト、カルビトールアセテートなどのグリコールエステル
系溶剤などが挙げられる。溶剤の使用量は、隠ぺい性顔
料とバインダー樹脂の合計に対し、重量比で０．０５：
１〜２：１が好ましい。

【００１４】その他、必要に応じて、他の熱可塑性バイ
ンダー樹脂やロジン誘導体、各種可塑剤、流動パラフィ
ンなどの柔軟剤や粘度調節剤、および黒色顔料を分散す
るための各種分散剤を用いることも可能である。蛍光膜
は蛍光膜形成用インキ組成物を用いて形成することがで
き、この蛍光膜形成用インキ組成物としては、主とし
て、蛍光体、バインダー樹脂、溶剤、およびその他必要
に応じて加える各種の添加剤からなる。

【００１５】蛍光体の例示としては、青色発光成分蛍光
体として銀付活硫化亜鉛系蛍光体、例えば［ＺｎＳ：Ａ
ｇ］、［ＺｎＳ：Ａｇ，Ａｌ］など、緑色発光成分蛍光
体として銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛系蛍光体、
例えば［ＺｎＳ：Ｃｕ，Ａｌ］と［ＺｎＳ：Ａｕ，Ａ
ｌ］との混合蛍光体、［ＺｎＳ：Ｃｕ，Ａｌ］、［Ｚｎ
Ｓ：Ａｕ，Ｃｕ，Ａｌ］、［（Ｚｎ，Ｃｄ）Ｓ：Ｃｕ，
Ａｌ］など、赤色発光成分蛍光体としてユーロピウム付
活希土類酸化物系蛍光体、例えば［Ｙ₂ Ｏ₂ Ｓ：Ｅ
ｕ］、［Ｙ₂ Ｏ₃ ：Ｅｕ］などの従来から陰極線管に使
用されている蛍光体を使用することができる。また、こ
れら蛍光体にはフィルター効果を有する顔料を付着した
ものも使用される。この種の顔料としては、例えば青色
発光蛍光体にはアルミン酸コバルトや群青などの青色顔
料、緑色発光蛍光体にはＴｉＯ₂ −ＺｎＯ−ＣｏＯ−Ｎ
ｉＯ系などの緑色顔料、赤色発光蛍光体にはべんがらや
硫セレン化カドミウムなどの赤色顔料がある。蛍光体の
大きさとしては、１〜２０μｍ程度のものが望ましい。

【００１６】蛍光膜形成用インキ組成物に使用されるバ
インダー樹脂の例示としては、熱可塑性樹脂が好まし
く、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニ
ルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂あるいはセルロース系樹脂などが用いられる。蛍
光膜形成用インキ組成物に使用される溶剤の例示として
は、ブラックマトリックス形成用インキ組成物に用いる
溶剤として例示した溶剤が挙げられる。上記のブラック
マトリックス形成用インキ組成物および蛍光膜形成用イ
ンキ組成物の製造方法としては、一般に知られている３
本ロールミルやボールミルなどを用いて容易に製造する
ことができる。

【００１７】また、上記の構成からなるブラックマトリ
ックス形成用インキ組成物および赤、緑、青各色蛍光体
のインキ組成物を用いて、ガラス基板上に所定のパター
ンを印刷する方法としては特に限定されないが、一般に
知られているスクリーン印刷方式が最も適している。印
刷の順としては、上記の方法で樹脂皮膜を形成したガラ
ス基板を用い、先ずブラックマトリックスを印刷した
後、このブラックマトリックス上に多少オーバーラップ
するようにインキ性状あるいは版パターンを設計し、順
次蛍光体をガラス基板上に重ね印刷し、蛍光体層を形成
することが好ましい。上記のブラックマトリックスおよ
び蛍光体層を形成したガラス基板を、例えば４５０℃に
て３０分間焼成することにより有機成分を除去し、赤、
緑、青３色の蛍光膜のパターンを形成できる。

【００１８】

【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、その要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。 ［実施例−１］エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂（三井
ポリケミカル社製、エバフレックス−４５Ｘ：酸素含有
量０．１７４）２０ｇをトルエン１８０ｇに加え、加熱
撹拌することによりエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂の
１０％の溶液を得た。

【００１９】ガラス基板上に、スピンコーターを用い
て、上記の溶液を塗布、乾燥することにより、乾燥膜厚
が０．２μｍの樹脂皮膜を形成した。上記の樹脂皮膜を
形成したガラス基板を用い、スクリーン印刷機を用いて
下記に示すブラックマトリックス形成用インキ組成物お
よび蛍光膜形成用インキ組成物のパターンを印刷した。

【００２０】ブラックマトリックス形成用インキ組成物
としては、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂（三井ポリ
ケミカル社製、エバフレックス−４５Ｘ）５０ｇをアル
ファーテルピネオール２８３ｇに加え、加熱撹拌するこ
とによりエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂の１５重量％
の溶液を得た。隠ぺい性顔料として黒鉛粉末（日立粉末
冶金社製、ヒタゾルＧＰ−６０Ｓ：粒子径１μｍ）３０
ｇに、上記の溶液６０ｇを加え、スパチュラで予備混合
した後、３本ロールミルを用いて、１０分間分散処理す
ることによりブラックマトリックス形成用インキ組成物
を調製した。

【００２１】蛍光膜形成用インキ組成物としては、ポリ
ビニルブチラール樹脂（積水化学工業社製、エスレック
ＢＸ−１）４０ｇをエチルカルビトール４６０ｇに加
え、加熱撹拌することによりポリビニルブチラール樹脂
の８重量％の溶液を得た。これを蛍光膜形成用インキ用
有機媒体とした。青色の発光色をもつ蛍光体として化成
オプトニクス社製Ｐ２２−Ｂ１（ＺｎＳ：Ａｇ）５０ｇ
に、上記の有機媒体１７．５ｇを加え、スパチュラで予
備混合した後、３本ロールミルを用いて、５分間混練分
散処理することにより青色蛍光膜形成用インキ組成物を
調製した。

【００２２】緑色の発光色をもつ蛍光体として化成オプ
トニクス社製Ｐ２２−ＧＮ（ＺｎＳ：Ｃｕ，Ａｌ）５０
ｇに、上記の有機媒体２０ｇを加え、スパチュラで予備
混合した後、３本ロールミルを用いて、５分間混練分散
処理することにより緑色蛍光膜形成用インキ組成物を調
製した。赤色の発光色をもつ蛍光体として化成オプトニ
クス社製Ｐ２２−ＲＥ３（Ｙ₂Ｏ₂ Ｓ：Ｅｕ）５０ｇ
に、上記の有機媒体１３．７ｇを加え、スパチュラで予
備混合した後、３本ロールミルを用いて、５分間混練分
散処理することにより赤色蛍光膜形成用インキ組成物を
調製した。

【００２３】上記の樹脂皮膜を形成したガラス基板上
に、ステンレス製５００メッシュ、スクリーン厚３０μ
ｍ、乳剤厚１０μｍのスクリーン版を用い、上記ブラッ
クマトリックス形成用インキ組成物を用いて、５０μｍ
の線幅でスクリーン印刷し、１２０℃で１０分乾燥後、
上記と同じスクリーン版を用いて６００μｍ×２００μ
ｍの蛍光体パターンを各発色の上記蛍光膜形成用インキ
組成物にて順次スクリーン印刷した。なお、各色印刷ご
とに１２０℃で１０分の乾燥を実施することによって蛍
光膜をガラス基板上に形成した。

【００２４】このガラス基板を４５０℃で３０分大気雰
囲気で焼成することによって有機成分を除去し、ブラッ
クマトリックスおよび赤・緑・青３色の蛍光体のパター
ンを形成した。この結果、ブラックマトリックスの膜厚
が９μｍの形状がシャープで均一なパターンが得られ、
この上にオーバーラップするように、それぞれ所定の位
置に緑、青、赤の各蛍光膜厚が１４±２μｍの膜厚と形
状の均一性の高い蛍光膜面を得た。

【００２５】［実施例−２］ポリビニルブチラール樹脂
（積水化学工業社製、エスレックＢＬ−１：酸素含有量
０．２７８）２０ｇをトルエン１８０ｇに加え、加熱撹
拌することによりポリビニルブチラール樹脂の１０％の
溶液を得た。ガラス基板上に、スピンコーターを用い
て、上記の溶液を塗布、乾燥することにより、乾燥膜厚
が０．２μｍの樹脂皮膜を形成した。

【００２６】上記の樹脂皮膜を形成したガラス基板を用
い、下記のブラックマトリックス形成用インキ組成物を
用いる以外は、実施例−１と全く同様の蛍光膜形成用イ
ンキ組成物を用い、同様の操作によりパターンを形成し
た。ポリビニルブチラール樹脂（積水化学工業社製、エ
スレックＢＬ−１）４０ｇをエチルカルビトール９４ｇ
に加え、加熱撹拌することによりポリビニルブチラール
樹脂の３０％の溶液を得た。隠ぺい性顔料として黒鉛粉
末（日立粉末冶金社製、ヒタゾルＧＰ−６０Ｓ：粒子径
１μｍ）３０ｇに、上記の溶液６０ｇを加え、スパチュ
ラで予備混合した後、３本ロールミルを用いて、１０分
間分散処理することによりブラックマトリックス形成用
インキ組成物を調製しこれを用いた。この結果、ブラッ
クマトリックスの膜厚が８μｍの形状がシャープで均一
なパターンが得られ、この上にオーバーラップするよう
にそれぞれ所定の位置に緑、青、赤の各蛍光体膜厚が１
４±２μｍの膜厚と形状の均一性の高い蛍光膜面を得
た。

【００２７】［実施例−３］樹脂皮膜とインキバインダ
ー樹脂とを異なる種類の樹脂の組み合わせで行う例とし
て、ガラス基板上に実施例−１と全く同様にして樹脂皮
膜を形成した後、実施例−２と全く同様にしてブラック
マトリックスおよび蛍光膜を形成した。この結果、ブラ
ックマトリックスの膜厚が７μｍのパターンの形状がシ
ャープで均一なパターンが得られ、この上にオーバーラ
ップするようにそれぞれ所定の位置に、緑、青、赤の各
蛍光体膜厚が１４±２μｍの膜厚と形状の均一性の高い
蛍光膜面を得た。

【００２８】［比較例−１］ガラス基板上に樹脂皮膜を
形成しないこと以外は、実施例−１と全く同じ、ブラッ
クマトリックス形成用インキ組成物および蛍光膜形成用
インキ組成物を用い、全く同様の操作によりパターンを
形成した。この結果、ブラックマトリックスの膜厚が８
μｍのパターンが得られたが、矩形であるべきパターン
がいずれも液ダレのためガラス面に不均一に濡れ広がり
シャープな形状は得られなかった。この上にオーバーラ
ップするようにそれぞれ所定の位置に緑、青、赤の各蛍
光体膜厚が１３±３μｍのパターンが形成出来たが、ブ
ラックマトリックスが不均一に濡れ広がっているため蛍
光体の発光部位の面積および形状が不均一で小さく、輝
度も不良であった。

【００２９】［比較例−２］ガラス基板上に樹脂皮膜を
形成しないこと以外は、実施例−２と全く同じ、ブラッ
クマトリックス形成用インキ組成物および蛍光膜形成用
インキ組成物を用い、全く同様の操作によりパターンを
形成した。この結果、ブラックマトリックスの膜厚が８
μｍのパターンが得られたが、矩形であるべきパターン
がいずれも液ダレのためガラス面に不均一に濡れ広がり
シャープな形状は得られなかった。この上にオーバーラ
ップするようにそれぞれ所定の位置に緑、青、赤の各蛍
光体膜厚が１４±３μｍのパターンが形成出来たが、ブ
ラックマトリックスが不均一に濡れ広がっているため蛍
光体の発光部位の面積および形状が不均一で小さく、輝
度も不良であった。

【００３０】

【発明の効果】本発明によると、ガラス基板上に印刷方
式でブラックマトリックスを形成する際に、ガラス基板
上に予め樹脂皮膜を形成させることによって、シャープ
で均一なブラックマトリックスのパターンを精度良く形
成することができる。また転写されたパターンからバイ
ンダー樹脂等の有機物を容易に焼成することができ、高
品質の陰極線管を形成することができる。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブラックマトリックス形成用インキ組成
   物を用いて印刷方式によりガラス基板上にブラックマト
   リックスを形成する方法において、皮膜形成用樹脂によ
   り予めガラス基板上に皮膜を形成させることを特徴とす
   るブラックマトリックス形成方法。
2. 【請求項２】 皮膜形成用樹脂が、その構成元素として
   酸素原子を有することを特徴とする請求項１に記載のブ
   ラックマトリックス形成方法。
3. 【請求項３】 ブラックマトリックス形成用インキ組成
   物中のバインダー樹脂と、皮膜形成用樹脂が、同じ樹脂
   であることを特徴とする請求項１または２に記載のブラ
   ックマトリックス形成方法。
4. 【請求項４】 印刷方式としてスクリーン印刷方式を用
   いることを特徴とする請求項１乃至３に記載のブラック
   マトリックス形成方法。