JPH0821522B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH0821522B2
JPH0821522B2 JP62262729A JP26272987A JPH0821522B2 JP H0821522 B2 JPH0821522 B2 JP H0821522B2 JP 62262729 A JP62262729 A JP 62262729A JP 26272987 A JP26272987 A JP 26272987A JP H0821522 B2 JPH0821522 B2 JP H0821522B2
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一美 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は固体電解コンデンサに関し、特に高温寿命特
性の良好な固体電解コンデンサに関する。
〔従来の技術〕
一般に固体電解コンデンサ素子は、弁作用金属からな
る陽極基体に酸化皮膜層を形成し、この酸化皮膜層の外
面に対向電極として二酸化マンガンなどの半導体層を形
成し、さらに銀ペースト等の導電体層を形成して接触抵
抗を減少している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記固体電解コンデンサは、高温長期
寿命試験を行うと、時間経過にともなって損失係数の増
大をもたらすという欠点があった。
本発明者等は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した
結果、導電体層にビヒクル成分を極力少なくした導電ペ
ースト層を用い、さらに導電体層上に設けられた陰極リ
ードの接続を、ビヒクル成分を比較的多くした導電ペー
ストによって行うことにより、高温寿命特性が改良され
ることを見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記した発見に基づいてなされたもので、高
温寿命特性が良好で、長期にわたって劣化しない固体電
解コンデンサを提供することを目的とする。本発明は、
弁作用を有する金属からなる陽極基体の表面に誘電体酸
化皮膜層、半導体層および導電体層を順次形成し、この
導電体層に陰極リードを取出してなる固体電解コンデン
サにおいて、前記導電体層がビヒクル成分を2重量%乃
至5重量%含有した導電ペースト層であって、前記陰極
リードがビヒクル成分を5重量%乃至45重量%含有した
導電ペーストによって前記導電ペーストからなる導電体
層上に接着している固体電解コンデンサにある。
以下、本発明の固体電解コンデンサについて詳細に説
明する。
本発明の固体電解コンデンサの陰極として用いられる
弁金属基体としては、例えば、アルミニウム、タンタ
ル、ニオブ、チタン及びこれらを基質とする合金等、弁
作用を有する金属がいずれも使用できる。
陽極基体表面の酸化皮膜層は基体自体の酸化物層であ
ってもよく、あるいは基体の表面上に設けられた他の誘
電体酸化物の層であってもよい。望ましくは弁金属自体
の酸化物からなる層である。いずれの場合にも酸化物層
を設ける方法としては、従来公知の方法を用いることが
できる。
次に、本発明において使用する半導体層の組成及び作
製方法に特に制限はないが、コンデンサの性能を高める
ためには二酸化鉛もしくは、二酸化鉛と硫酸鉛を主成分
として、従来公知の化学的析出法、或は電気化学的析出
法で作製するのが好ましい。
化学的析出法としては、例えば、鉛含有化合物と酸化
剤を含んだ溶液から化学的に析出させる方法が挙げられ
る。
鉛含有化合物としては、例えば、オキシン、アセチル
アセトン、ピロメコン酸、サリチル酸、アリザリン、ポ
リ酢酸ビニル、ポルフィリン系化合物、クラウン化合
物、クリプテート化合物等のキレート形成性化合物に鉛
の原子が配位結合もしくはイオン結合している鉛含有化
合物、クエン酸鉛、酢酸鉛、塩基性酢酸鉛、塩化鉛、臭
化鉛、過塩素酸鉛、塩素酸鉛、リードサルファメイト、
六弗化ケイ素鉛、臭素酸鉛、ホウフッ化鉛、酢酸鉛水和
物、硝酸鉛等が挙げられる。これらの鉛含有化合物は、
反応母液に使用する溶剤によって適宜選択される。ま
た、これらの鉛含有化合物は2種以上混合して使用して
も良い。
反応母液中の鉛含有化合物の濃度は、飽和溶解度を与
える濃度から0.05モル/の範囲内であり、好ましくは
飽和溶解度を与える濃度から0.1モル/の範囲内であ
り、より好ましくは飽和溶解度を与える濃度から0.5モ
ル/の範囲である。反応母液中の鉛含有化合物の濃度
が0.05モル/未満では、性能の良好な固体電解コンデ
ンサを得ることができない。また反応母液中の鉛含有化
合物の濃度が飽和溶解度を越える場合は、増量添加によ
るメリットが認められない。
酸化剤としては、例えば、キノン、クロラニル、ピリ
ジン−N−オキサイド、ジメチルスルフォキサイド、ク
ロム酸、過マンガン酸カリ、セレンオキサイド、酢酸水
銀、酸化バナジウム、塩素酸ナトリウム、塩化第二鉄、
過酸化水素、過酸化ベンゾイル、次亜塩素酸カルシウ
ム、亜塩素酸カルシウム、塩素酸カルシウム、過塩素酸
カルシウム等が挙げられる。これらの酸化剤は、使用す
る溶剤によって適宜に選択すればよい。また酸化剤は、
2種以上混合して使用してもよい。
酸化剤の使用割合は、鉛含有化合物の使用モル量の5
〜0.1倍モルの範囲内であることが好ましい。酸化剤の
使用割合が鉛化合物の使用モル量の5倍モルより多い場
合は、コスト的にメリットはなく、また0.1倍モルより
少ない場合は、性能の良好な固体電解コンデンサが得ら
れない。
二酸化鉛を主成分とする半導体層を形成する方法とし
ては、例えば、鉛含有化合物を溶かした溶液と酸化剤を
溶かした溶液を混合して反応母液を調製した後、反応母
液に前記した酸化皮膜を有する化成箔を浸漬して化学的
に析出させる方法が挙げられる。
一方、電気化学的析出法としては、例えば、本発明者
等が先に提案した高濃度の鉛イオンを含んだ電解液中で
電解酸化により二酸化鉛を析出させる方法等が挙げられ
る(特願昭61−26952号)。
また、半導体層を本来、半導体の役割を果たす二酸化
鉛と絶縁物質である硫酸鉛を主成分とする層で構成する
と硫酸鉛の配合により、コンデンサの漏れ電流を低減せ
しめることができる。一方、硫酸鉛の配合により半導体
層の電気伝導度が低くなるため損失係数が大きくなる
が、従来の固体電解コンデンサと比較しても高水準の性
能を維持発現することができる。従って、半導体層を、
二酸化鉛と硫酸鉛の混合物で構成する場合、二酸化鉛を
10重量部以上100重量部未満に対して硫酸鉛を90重量部
以下という広範囲の組成で良好なコンデンサ性能を維
持、発現することができるが、好ましくは二酸化鉛20〜
50重量部に対して硫酸鉛80〜50重量部、より好ましくは
二酸化鉛25〜35重量部に対して硫酸鉛75〜65重量部の範
囲で漏れ電流と損失係数のバランスがとりわけ良好とな
る。二酸化鉛が10重量部未満であると導電性が悪くなる
ために損失係数が大きくなり、また容量が充分出現しな
い。
二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とする半導体層は、例え
ば、鉛イオン及び過硫酸イオンを含んだ水溶液を反応母
液として化学的析出によって形成することができる。
又、過硫酸イオンを含まない適当な酸化剤を加えてもよ
い。
母液中の鉛イオン濃度は、飽和溶解度を与える濃度か
ら0.05モル/、好ましくは飽和溶解度を与える濃度か
ら0.1モル/、より好ましくは飽和溶解度を与える濃
度から0.5モル/の範囲内である。鉛イオンの濃度が
飽和溶解度より高い場合には、増量添加によるメリット
がない。また、鉛イオンの濃度が0.05モル/より低い
場合には、母液中の鉛イオン濃度が薄すぎるため半導体
層の析出回数を多くしなければならないという難点があ
る。
一方、母液中の過硫酸イオン濃度は鉛イオンに対して
モル比で5から0.05の範囲内である。過硫酸イオンの濃
度が鉛イオンに対してモル比で5より多いと、未反応の
過硫酸イオンが残るためコスト高となり、また過硫酸イ
オンの濃度が鉛イオンに対してモル比で0.05より少ない
と、未反応の鉛イオンが残り導電性が悪くなるので好ま
しくない。
鉛イオン種を与える化合物としては、例えば、クエン
酸鉛、過塩素酸鉛、硝酸鉛、酢酸鉛、塩基性酢酸鉛、塩
素酸鉛、リードサルファメイト、六弗化ケイ素鉛、臭素
酸鉛、塩化鉛、臭化鉛等が挙げられる。これらの鉛イオ
ン種を与える化合物は2種以上混合して使用してもよ
い。一方、過硫酸イオン種を与える化合物としては、例
えば、過硫酸カリ、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニ
ウム等が挙げられる。これらの過硫酸イオン種を与える
化合物は、2種以上混合して使用してもよい。
一方、酸化剤としては、例えば、過酸化水素、次亜塩
素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩等が挙げら
れる。
次に、前述した半導体層の表面に導電体層が形成され
る。導電体層はビヒクル成分が2重量%乃至5重量%含
有した導電ペーストで形成されていることが肝要であっ
て、この導電ペーストには銀、銅、銀コート銅粉、金、
白金、ニッケル、二酸化鉛等の導電性を付与する粉体の
一種以上が混入している。
ビヒクルとしては、一般にモノマー、オリゴマーまた
は高分子物質であり、従来公知のビヒクルを利用するこ
とができる。例えば、フッ素樹脂、アルキッド樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、イミド樹脂、シリコン樹脂、アミドイミド樹脂、 〔R1,R2はメチル又はフェニル基)で表わされるガラス
樹脂等が挙げられる。ビヒクルがモノマーまたはオリゴ
マーの時は適当な硬化剤を加えて導電ペーストを加熱す
る。なおビヒクルが液体でない場合は適当な溶媒を加え
て適正な粘度にして用いる。
導電ペースト中のビヒクル成分の量は余り少なくなる
と導電体層が脆くなるので最少の下限があり、逆に、ビ
ヒクル成分の量が多くなると固体電解コンデンサの高温
寿命特性が充分に満たされないので上限も制限される。
陰極リードはビヒクル成分が2重量%乃至5重量%含
有した導電ペーストで形成された導電体層上にビヒクル
成分が5重量%乃至45重量%含有した導電ペーストを用
いて接続する。この導電ペースト中の粉体は前述の導電
体層に用いている粉体が使用される。
導電ペースト中のビヒクル成分の量が少ないと陰極リ
ードが導電体層に堅固に接続できないで固体電解コンデ
ンサを作製中にこの陰極リードが脱離する恐れがあるの
で、ビヒクル成分量の下限があり、また、ビヒクル成分
の量が余り多いと導電ペーストの導電度が不充分で、作
製した固体電解コンデンサの高温寿命試験後の損失係数
が大きくなって好ましくないので、上限としての制限も
ある。
以上述べた如く本発明の方法によって製造された固体
電解コンデンサは、例えば、樹脂モールド、樹脂ケー
ス、金属製の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネ
ートフィルムによる外層などにより各種用途の汎用コン
デンサ製品とすることができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を示して、本発明をさらに
詳しく説明する。
実施例 1 長さ2cm、幅0.5cmのアルミニウム箔を陰極とし、交流
により箔の表面を電気化学的にエッチング処理した後、
エッチングアルミニウム箔に陽極端子をかしめ付けし、
陽極リード線を接続した。次いで、ホウ酸とホウ酸アン
モニウムの水溶液中で電気化学的に処理してアルミナの
酸化皮膜を形成し、低圧用エッチングアルミニウム化成
箔(約12μF/cm2)を得た。この化成箔を巻回した後化
成箔の陽極リード線以外の部分を酢酸鉛三水和物1.0モ
ル/水溶液に浸漬した。この化成箔を陽極側に、通常
のエッチングされていないアルミニウム箔を陰極側とし
て、15Vで電解酸化を行った。1時間後、化成箔上に形
成された二酸化鉛からなる半導体を水洗して未反応物を
除いた後、120℃で3時間乾燥した。一方、別に用意し
た銀粉30重量%、二酸化鉛粉66重量%、フッ素樹脂4重
量%からなる導電ペーストを入れた槽に前述した化成箔
部を浸漬し導電体層を形成した。続いて、銀粉85重量
%、フッ素樹脂15重量%からなる導電ペーストを用いて
陰極リードを導電体層上に接着させて陰極リードを取出
した。120℃で5時間乾燥した後、樹脂封口して固体電
解コンデンサを作製した。
実施例 2 実施例1と同様な化成箔を、酢酸鉛三水和物2.4モル
/の水溶液を過硫酸アンモニウム4モル/の水溶液
の混合液(反応母液)に浸漬し、80℃で30分反応させ、
誘導体酸化皮膜層上に生じた二酸化鉛と硫酸鉛からなる
半導体層を水で充分洗浄した後、120℃で減圧乾燥し
た。生成した半導体層は、二酸化鉛と硫酸鉛からなり、
二酸化鉛が約25重量%含まれるこををX線分析および赤
外分光分析により確認した。一方、別に用意した銀粉31
重量%、二酸化鉛粉66重量%、アクリル樹脂3重量%か
らなる導電ペーストを入れた槽に前述した化成箔部を浸
漬し導電体層を形成した。続いて、銀粉31重量%、二酸
化鉛粉64重量%、アクリル樹脂5重量%からなる導電ペ
ーストにより陰極リードを取出した。その後実施例1と
同様にして乾燥、封止を行い、固体電解コンデンサを作
製した。
実施例 3 実施例2で導電体層の導電ペーストおよび陰極リード
取出しの導電ペーストに使用したアクリル樹脂の代わり
にウレタン樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして
固体電解コンデンサを作製した。
実施例 4〜8 実施例2で導電体層の導電ペーストの組成および陰極
リード取出しのための導電ペーストの組成を各々変えた
以外は実施例2と同様にして固体電解コンデンサを作製
した。第1表に各実施例で使用した導電ペーストの組成
を示してある。
比較例 1〜5 実施例2で導電体層の導電ペーストの組成および陰極
リード取出しのための導電ペーストの組成を各々変えた
以外は実施例2と同様にして固体電解コンデンサを作製
した。第1表に各比較例で使用した導電ペーストの組成
を示してある。
実施例1〜8、および比較例1〜5で作製した固体電
解コンデンサの初期性能および125℃寿命特性を第2表
にまとめて示してある。
第2表から明らかなように導電体層の導電ペーストお
よび陰極リードの取出しに用いる導電ペースト中のビヒ
クル粉すなわちフッ素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂等の成分量を規定することによって初期の損失係数お
よび125℃寿命特性試験後の損失係数が小さく性能の良
好な固体電解コンデンサが作製されている。一方、導電
体層の導電ペーストが規定量以下であると導電体層が脆
くて形成が困難であり、規定量以上であると125℃寿命
特性が悪くなっている。陰極リード取出しの導電ペース
トが規定量以下であると陰極リードが導電体層に堅固に
接着しないで陰極リード端子が脱落し、規定量以上であ
ると損失係数が大きくなって使用に耐え得る固体電解コ
ンデンサが得られない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、弁作用金属からなる陽極基体の表面
に、誘電体酸化皮膜層、半導体層および導電体層を順次
形成して、この導電体層に陰極リードを取出してある固
体電解コンデンサにおいて、導電体層がビヒクル成分の
量を2重量%乃至5重量%の規定量含有した導電ペース
トから形成されており、また、この導電体層にビヒクル
成分の量が5重量%乃至45重量%の規定量含有した導電
ペーストを用いて陰極リードが接着されている。従っ
て、導電体層および陰極リード取出しの導電ペーストが
ビヒクル成分を最適な量に規定した導電ペーストである
ので、極めて高温寿命特性の良好な固体電解コンデンサ
を作製することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁作用を有する金属からなる陽極基体の表
    面に、誘電体酸化皮膜層、半導体層および導電体層を順
    次形成し、この導電体層に陰極リードを取出してなる固
    体電解コンデンサにおいて、前記導電体層がビヒクル成
    分を2重量%乃至5重量%含有した導電ペースト層であ
    って、前記陰極リードがビヒクル成分を5重量%乃至45
    重量%含有した導電ペーストによって前記導電体層上に
    接着していることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】半導体層が二酸化鉛を主成分とする層であ
    る特許請求の範囲第1項記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】半導体層が二酸化鉛と硫酸鉛を主成分とす
    る層である特許請求の範囲第1項記載の固体電解コンデ
    ンサ。
JP62262729A 1987-10-20 1987-10-20 固体電解コンデンサ Expired - Lifetime JPH0821522B2 (ja)

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JPS6167216A (ja) * 1984-09-10 1986-04-07 関西日本電気株式会社 固体電解コンデンサ

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