JPH0821493A

JPH0821493A - 変速機

Info

Publication number: JPH0821493A
Application number: JP6179603A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Yamashita; 正明山下
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1994-07-06
Filing date: 1994-07-06
Publication date: 1996-01-23

Abstract

(57)【要約】【目的】構造が簡単で、かつ、取扱い及び製作が容易
で、高効率な変速機を提供する。【構成】回転自在な入力軸１と、入力軸１の入力回転
軸心Ａと同軸で回転自在な出力軸２と、入力軸１と同軸
Ａにて一体回転する第一太陽外平歯車３と、第一太陽外
平歯車３と同軸Ａにて一体回転する第二太陽外平歯車４
と、第一太陽外平歯車３と噛合する第一遊星外平歯車５
と、第一遊星外平歯車５と同軸Ｃにて一体回転する第二
遊星外平歯車６と、第二太陽外平歯車４と噛合する第三
遊星外平歯車７と、入力回転軸心Ａと同軸にて入力軸１
と相対回転自在な回転体８と、回転体８と同軸Ａにて一
体回転すると共に第二遊星外平歯車６と第三遊星外平歯
車７に夫々噛合する内平歯車９と、を備える。出力軸２
に、第一遊星外平歯車５，第二遊星外平歯車６及び第三
遊星外平歯車７を、入力回転軸心Ａ廻りに公転自在に設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は変速機に関する。

【０００２】

【従来の技術】工作機械、産業機械、建設機械、農業機
械、車両機械等に用いられる変速機としては、従来、イ
ンバーターやサーボモーター等の電気制御による変速機
等が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記変速機で
は、低速域においては、低トルクで出力不足であり、効
率が悪いという問題がある。また、電力を使用しない自
動車等に用いられる変速機では、制御に難があり、構造
が複雑化する問題がある。

【０００４】そこで本発明は、構造が簡単で、かつ、取
扱い及び製作が容易で、高効率な変速機を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、回転自在な入力軸と、該入力軸の入力回
転軸心と同軸で回転自在な出力軸と、該入力軸と同軸に
て一体回転する第一太陽外平歯車と、該第一太陽外平歯
車と同軸にて一体回転する第二太陽外平歯車と、上記第
一太陽外平歯車と噛合する第一遊星外平歯車と、該第一
遊星外平歯車と同軸にて一体回転する第二遊星外平歯車
と、上記第二太陽外平歯車と噛合する第三遊星外平歯車
と、上記入力回転軸心と同軸にて上記入力軸と相対回転
自在な回転体と、該回転体と同軸にて一体回転すると共
に上記第二遊星外平歯車と第三遊星外平歯車に夫々噛合
する内平歯車と、を備え、上記出力軸に、上記第一遊星
外平歯車，第二遊星外平歯車及び第三遊星外平歯車を、
上記入力回転軸心廻りに公転自在に設け、該入力回転軸
心から上記第三遊星外平歯車の軸心までの距離よりも、
該入力回転軸心から上記第一遊星外平歯車と第二遊星外
平歯車の軸心までの距離を長く設定すると共に、該入力
回転軸心から上記第二太陽外平歯車と第三遊星外平歯車
の噛合点までの距離よりも、該入力回転軸心から上記第
一太陽外平歯車と第一遊星外平歯車の噛合点までの距離
を長く設定した。さらに、回転体の回転速度を変化させ
る変速手段を、備えた。

【０００６】

【作用】入力軸が回転すると、第二遊星外平歯車は第二
太陽外平歯車と同一速度で回転すると共に、第三遊星外
平歯車は第二遊星外平歯車の半分の速度で自転し、遊星
歯車が公転して倍速度で内平歯車（回転体）が回転し、
ロック状態となって全体公転になる。従って、第二太陽
外平歯車が第二遊星外平歯車に移動したことになり、第
二遊星外平歯車の歯の背面にて内平歯車を回転させるこ
とになる。このようにして、自動的にトルク変換され
て、出力軸の適当な回転が得られる。

【０００７】また、回転体の回転速度を変化させる変速
手段を備えた変速機では、原動機等により入力軸が回転
している状態で、変速手段にて、回転体と入力軸を同一
の回転方向及び回転速度にすれば、入力軸から出力軸ま
で回転トルクを伝動する歯車全部がロック状態となっ
て、出力軸は入力軸と同一回転数となる。そして、入力
軸よりも回転体の回転速度を遅らせていくと、その回転
速度差によって、遊星歯車が自転を始め、上記回転速度
差が大きくなるにしたがって、出力軸の回転が遅くな
る。

【０００８】

【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を
詳説する。

【０００９】図１は、本発明に係る変速機の一実施例を
示し、この変速機は、回転自在な入力軸１と、入力軸１
の入力回転軸心Ａと同軸で回転自在な出力軸２と、入力
軸１と同軸Ａにて一体回転する第一太陽外平歯車３と、
第一太陽外平歯車３と同軸Ａにて一体回転する第二太陽
外平歯車４と、第一太陽外平歯車３と噛合する第一遊星
外平歯車５と、第一遊星外平歯車５と同軸Ｃにて一体回
転する第二遊星外平歯車６と、第二太陽外平歯車４と噛
合する第三遊星外平歯車７と、入力回転軸心Ａと同軸に
て入力軸１と相対回転自在な回転体８と、回転体８と同
軸Ａにて一体回転すると共に第二遊星外平歯車６と第三
遊星外平歯車７に夫々噛合する内平歯車９と、回転体８
の回転速度を変化させる変速手段10と、を備え、出力軸
２に、第一遊星外平歯車５，第二遊星外平歯車６及び第
三遊星外平歯車７を、入力回転軸心Ａ廻りに公転自在に
設けてある。

【００１０】具体的には、入力軸１と出力軸２は、軸受
11…等を介してケーシング等に、入力回転軸心Ａを中心
に回転自在に枢支される。入力軸１の基端側は、図示省
略の原動機に接続されて回転駆動され、出力軸２の先端
側は、変速駆動される機械等に接続される。なお、同図
に於て左側が先端側、右側が基端側である。

【００１１】第一太陽外平歯車３と第二太陽外平歯車４
は、入力軸１の一部（図例では先端部）に軸心方向に並
ぶように一体形成され、入力軸１の先端部は出力軸２の
基端部に相対回転自在に枢支される。

【００１２】出力軸２の一部（図例では基端部）には、
軸心方向の枢軸12…を有すると共に出力軸２と一体に回
転する第一支持体13を、付設し、かつ、軸心方向の枢軸
14…を有すると共に複数本の連結杆15…を介して第一支
持体13と一体に回転する第二支持体16を、付設する。

【００１３】この枢軸14と枢軸12に、第一遊星外平歯車
５及び第二遊星外平歯車６と、第三遊星外平歯車７と
が、夫々枢着されて、入力回転軸心Ａと平行な軸心Ｃ，
Ｂを中心として夫々自転自在かつ入力回転軸心Ａ廻りに
公転自在となる。なお、第一遊星外平歯車５と第二遊星
外平歯車６は一体形成される。

【００１４】また、動的バランスの点から、入力回転軸
心Ａから第一遊星外平歯車５及び第二遊星外平歯車６の
軸心Ｃまでの距離Ｌ₂ を半径とする円周上に於て周方向
等ピッチで、第一遊星外平歯車５及び第二遊星外平歯車
６を複数配設すると共に、入力回転軸心Ａから第三遊星
外平歯車７の軸心Ｂまでの距離Ｌ₁ を半径とする円周上
に於て周方向等ピッチで、第三遊星外平歯車７を複数配
設する。このようにすれば、第一・第二・第三遊星外平
歯車５，６，７等に対する錘等によるバランシングが不
要となり、変速機全体の重量バランスが良くなって、回
転時の振動を抑えることができる。

【００１５】さらに、入力回転軸心Ａから第三遊星外平
歯車７の軸心Ｂまでの距離Ｌ₁ よりも、入力回転軸心Ａ
から上記第一遊星外平歯車５と第二遊星外平歯車６の軸
心Ｃまでの距離Ｌ₂ を長く設定すると共に、入力回転軸
心Ａから第二太陽外平歯車４と第三遊星外平歯車７の噛
合点までの距離Ｔ₁ よりも、入力回転軸心Ａから第一太
陽外平歯車３と第一遊星外平歯車５の噛合点までの距離
Ｔ₂ を長く設定する。図例では、入力回転軸心Ａを中心
とする円周上であって、内平歯車９と第二・第三遊星外
平歯車６，７の噛合点と、軸心Ｂと、の中間点を含む円
周上に、軸心Ｃが位置するように構成している。

【００１６】さらに、各歯車の基準ピッチ、歯数等の関
係は、例えば、第一太陽外平歯車３と第一遊星外平歯車
５と第三遊星外平歯車７、第二太陽外平歯車４と第二遊
星外平歯車６を、夫々同じとし、第三遊星外平歯車７を
第二遊星外平歯車６の２倍、第一遊星外平歯車５を第二
遊星外平歯車６の２倍、第一太陽外平歯車３を第二太陽
外平歯車４の２倍に、夫々設定する。

【００１７】また、回転体８は、中空状であって、全歯
車を包囲状として入力軸１及び出力軸２に外嵌状に設け
られる。この回転体８に、内平歯車９一体形成される。

【００１８】また、回転体８の基端部には、プーリー17
が、滑りキー18を介して外嵌状に取付けられる。プーリ
ー17は、一対のプーリー半体19ａ，19ｂからなり、一方
のプーリー半体19ａは回転体８に固定される。他方のプ
ーリー半体19ｂは、回転体８に対して、一体回転可能か
つ軸心Ａ方向にスライド自在となっており、図示省略の
バネ等によりプーリー半体19ａに接近する方向に弾発付
勢される。

【００１９】プーリー17と、図示省略の電動機等の回転
軸に取付けられたプーリーには、Ｖベルト20が巻き掛け
られ、該回転軸の回転により、プーリー17及び回転体８
が一体に回転する。また、プーリー半体19ａに対してプ
ーリー半体19ｂを接近・離間させることにより、Ｖベル
ト20を、プーリー17の径方向にスライドさせ、プーリー
17及び回転体８の回転速度（即ち、内平歯車９の回転速
度）を変化させることができる。

【００２０】このプーリー17やＶベルト20等により変速
手段10が構成される。なお、これ以外に、摩擦車や油圧
等を用いて変速手段10を構成するも自由であり、さら
に、回転体８を正転・逆転自在に制御できる変速手段10
を用いるも自由である。

【００２１】しかして、上述の如く構成された変速機に
於て、入力軸１を所定速度で回転させた状態として、回
転体８を、入力軸１と同一の方向及び回転速度で回転さ
せれば、全歯車３，４，５，６，７がロック状態となっ
て、第一遊星外平歯車５、第二遊星外平歯車６、第三遊
星外平歯車７は自転を起こさずに、入力回転軸心Ａ廻り
に一体に（入力軸１と同一回転方向へ）回転（公転）す
る。従って、出力軸２は入力軸１と同一回転数となる。

【００２２】この状態から、回転体８の回転を変速手段
10にて入力軸１の回転よりも遅らせていくと、内平歯車
９と第一・第二太陽外平歯車３，４の回転速度差によ
り、第一遊星外平歯車５、第二遊星外平歯車６、第三遊
星外平歯車７が自転して、この歯車４，５，６の公転
（即ち出力軸２の回転）が入力軸１よりも遅くなり、つ
いには出力軸２の回転が停止する（以下ゼロ回転とい
う）。

【００２３】また、この変速機では、変速手段10無しで
も、出力軸２と回転体８の負荷（回転抵抗等）により、
出力軸２が自動変速する。即ち、入力軸１（第一・第二
太陽外平歯車３，４）が所定速度で回転すると、第一遊
星外平歯車５、第二遊星外平歯車６、第三遊星外平歯車
７が自転しつつ入力軸１の回転方向と同じ方向に公転し
て出力軸２が回転し、回転体８（内平歯車９）が公転方
向と逆方向に回転する。そして、回転体８に対して出力
軸２の負荷が相対的に大きくなると、その負荷が大きく
なるにつれて、回転体８の回転が速くなって、第一・第
二・第三遊星外平歯車５，６，７の公転が遅くなり、出
力軸２が減速する。このとき、出力軸２は、回転数に見
合ったトルクを出力する。

【００２４】次に、図２と図３は変形例であり、図１に
おける第二支持体16及び連結杆15…を省略し、第一支持
体13に枢軸14を配設し、この枢軸14に第一遊星外平歯車
５及び第二遊星外平歯車６を枢着して、入力回転軸心Ａ
と平行な軸心Ｃを中心として自転自在かつ入力回転軸心
Ａ廻りに公転自在とした場合を示しており、その他の構
成は図１と同一である。この場合、部品数を削減でき、
小型化を図れる利点がある。

【００２５】なお、本発明は上述の実施例に限定されず
本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由である。
例えば、第一遊星外平歯車５、第二遊星外平歯車６、第
三遊星外平歯車７の個数の増減は自由で、さらに、各歯
車の基準ピッチ円、歯数等の変更も自由である。

【００２６】また、回転体８と内平歯車９、第一遊星外
平歯車５と第二遊星外平歯車６、第一太陽外平歯車３及
び第二太陽外平歯車４と入力軸１を、夫々一体形成せず
に、別体の部品を相互に固着して一体化してもよい。

【００２７】あるいは、図２に於て仮想線で示すよう
に、出力軸２を中空状に形成すると共に、入力軸１の先
端側を延伸させて該出力軸２に回転自在に挿通すれば、
自転車等の簡単な機械の自動変速に応用できる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載するような著大な効果を奏する。

【００２９】請求項１記載の変速機では、入力軸１の回
転数やトルクが一定でも、出力軸２の負荷の変化に応じ
て、出力軸２の回転速度等を自動的に無段階に変化させ
ることができ、低速域においても十分なトルクを出力で
きて、効率が良い。しかも、歯車等の簡単な形状・構造
の部品により構成されているので、取扱い操作及び製作
が容易である。

【００３０】請求項２記載の変速機では、変速手段10に
て回転体８の回転速度を変化させるだけで、出力軸２を
無段階かつ全域定出力で、所望回転数に変速することが
できる。しかも、出力軸２のゼロ回転は、入力軸１を回
転させる原動機の回転数に関係なく得られて、原動機の
回転力により保障され、閉ループであるので、歯車に反
力が作用せず、噛合した歯車を軽く回すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面側面図である。

【図２】変形例を示す断面側面図である。

【図３】歯車の位置関係を示す簡略正面図である。

【符号の説明】

１入力軸２出力軸３第一太陽外平歯車４第二太陽外平歯車５第一遊星外平歯車６第二遊星外平歯車７第三遊星外平歯車８回転体９内平歯車Ａ入力回転軸心Ｂ軸心Ｃ軸心Ｌ₁ 距離Ｌ₂ 距離Ｔ₁ 距離Ｔ₂ 距離

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転自在な入力軸１と、該入力軸１の入
力回転軸心Ａと同軸で回転自在な出力軸２と、該入力軸
１と同軸Ａにて一体回転する第一太陽外平歯車３と、該
第一太陽外平歯車３と同軸Ａにて一体回転する第二太陽
外平歯車４と、上記第一太陽外平歯車３と噛合する第一
遊星外平歯車５と、該第一遊星外平歯車５と同軸Ｃにて
一体回転する第二遊星外平歯車６と、上記第二太陽外平
歯車４と噛合する第三遊星外平歯車７と、上記入力回転
軸心Ａと同軸にて上記入力軸１と相対回転自在な回転体
８と、該回転体８と同軸Ａにて一体回転すると共に上記
第二遊星外平歯車６と第三遊星外平歯車７に夫々噛合す
る内平歯車９と、を備え、上記出力軸２に、上記第一遊
星外平歯車５，第二遊星外平歯車６及び第三遊星外平歯
車７を、上記入力回転軸心Ａ廻りに公転自在に設け、該
入力回転軸心Ａから上記第三遊星外平歯車７の軸心Ｂま
での距離Ｌ₁ よりも、該入力回転軸心Ａから上記第一遊
星外平歯車５と第二遊星外平歯車６の軸心Ｃまでの距離
Ｌ₂ を長く設定すると共に、該入力回転軸心Ａから上記
第二太陽外平歯車４と第三遊星外平歯車７の噛合点まで
の距離Ｔ₁ よりも、該入力回転軸心Ａから上記第一太陽
外平歯車３と第一遊星外平歯車５の噛合点までの距離Ｔ
₂ を長く設定したことを特徴とする変速機。
【請求項２】回転体８の回転速度を変化させる変速手
段10を、備えた請求項１記載の変速機。