JP3717878B2 - 変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械、産業機械、建設機械、農業機械、車両機械等に用いられる変速装置としては、従来、インバーターやサーボモータ等の電気制御によるものが知られている。または、機械的に変速を行うものがあるが、歯車を多く使用して変速を行うものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭57−163755号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の変速装置では、低速域においては、低トルクで出力不足であり、効率が悪いという問題がある。また、電力を使用しない内燃機関(自動車等)に用いられる変速装置では、制御に難があり、構造が複雑化する問題がある。さらに、歯車を数多く使用した場合、摩擦等により効率が低下するという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、構造が簡単で、かつ、広範囲の変速域でも高出力が得られ、極めて高効率の変速装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る変速装置は、第一軸心廻りに回転自在に枢支された入力軸と出力軸を備えた変速装置に於て、上記第一軸心と平行に偏心させた第二軸心を軸心とすると共に上記入力軸に回転自在に外嵌する変速偏心軸と、該第二軸心を軸心とすると共に該変速偏心軸に回転自在に外嵌する変速偏心円盤と、上記入力軸に外嵌して上記第一軸心を軸心として一体回転する入力円盤と、上記第二軸心を軸心とすると共に該入力円盤の筒状ボス部に回転自在に外嵌しかつ上記出力軸と一体とされた第一出力偏心軸と、該第二軸心を軸心とすると共に該第一出力偏心軸に回転自在に外嵌しかつ上記変速偏心円盤と外周縁部にて接続手段を介して接続する第二出力偏心軸と、上記変速偏心軸の上記第一軸心廻りの回転速度を変化させる変速手段と、を備え、上記入力円盤の上記第一軸心を中心とした円周上に複数の入力クランク軸を配設し、上記変速偏心円盤の上記第二軸心を中心とした円周上に上記入力クランク軸の外径より大きい内径で該入力クランク軸を挿入状とする軸受孔部を複数形成したものである。
また、上記入力クランク軸の外周部に、ベアリング部材を装着させたものである。
または、第一軸心廻りに回転自在に枢支された入力軸と出力軸を備えた変速装置に於て、上記入力軸に外嵌して上記第一軸心を軸心として一体回転する入力歯車と、上記第一軸心と平行に偏心させた第二軸心を軸心とすると共に上記入力軸に回転自在に外嵌する変速偏心軸と、該第二軸心を軸心とすると共に該変速偏心軸に回転自在に外嵌しかつ上記入力歯車に噛合する受力歯車と、上記第二軸心を軸心とすると共に該入力歯車の筒状ボス部に回転自在に外嵌しかつ上記出力軸と一体とされた第一出力偏心軸と、上記第二軸心を軸心とすると共に該第一出力偏心軸に回転自在に外嵌しかつ上記受力歯車と連結する第二出力偏心軸と、上記変速偏心軸の上記第一軸心廻りの回転速度を変化させる変速手段と、を備えたものである。
また、上記入力歯車と受力歯車の歯を丸歯としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0008】
図1は、本発明に係る変速装置の実施の一形態を示す。この変速装置は、第一軸心L1 廻りに回転自在にベアリング(軸受)等を介在して枢支された入力軸2と出力軸9を備えたものである。入力軸2は、入力動力を発生させ入力軸2へ動力を作用させる原動機1が有する軸受に支持され、出力軸9は、図外の出力側機器の軸受に支持され、これら軸2,9の軸心は同一軸線上にある。
そして、原動機1による入力軸2の回転力(トルク)を出力軸9へ動力伝達させ、出力軸9の回転速度(回転数)を変化させるものである。
【0009】
具体的構成をさらに説明すると、先ず、第一軸心L1 と平行位置に偏心させた第二軸心L2 を中心軸とすると共に、入力軸2の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌する変速偏心軸(変速用クランク)12を有する。即ち、変速偏心軸心12は、第二軸心L2 を中心とする円柱状の外周面と、第一軸心L1 を中心とする円柱状の内周面と、を有する偏心円筒形状である。第一軸心L1 と第二軸心L2 との偏心量をε1 としている。
【0010】
そして、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、変速偏心軸12の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌する変速偏心円盤(変速用クランク軸受)13を有する。変速偏心円盤13は、変速偏心軸12に外嵌する円筒状ボス部13bと、ボス部13bの先端部側の外鍔状の円盤部13cと、を有する。即ち、変速偏心円盤13は、第二軸心L2 を中心とする円柱状の内周面及び段付き外周面からなる孔空き円盤形状である。さらに、円盤部13cには、後述するが第二軸心L2 と平行な軸心の軸受孔部(クランク軸受)5が複数形成されている。
なお、本発明において、先端(部)側とは出力軸側であり、基端(部)側とは入力軸側(原動機側)である。
【0011】
さらに、入力軸2の先端部側───変速偏心軸12と変速偏心円盤13より先端部側───に外嵌して第一軸心L1 を軸心として、入力軸2と一体回転する入力円盤(入力クランクアーム)3を有する。入力円盤3は、入力軸2にキー止めされて動力伝達され、入力軸2に外嵌する円筒状ボス部3aと、ボス部3aの基端部側の外鍔状の円盤部3bと、を有する。即ち、入力円盤3は、第一軸心L1 を中心とする円柱状の段付き外周面を有する孔空き円盤形状である。さらに、円盤部3bには、後述するが第一軸心L1 と平行な軸心の入力クランク軸(入力クランク)4が複数(上記軸受孔部5の数に対応させて)形成されている。また、入力円盤3の内周面と入力軸2の連結部外周面は、入力軸2の基端部方向に拡径するテーパー状とし、出力軸9側からのスラスト(軸力)を入力軸2へ作用させ、他の回転部材に作用させない構造としている。
【0012】
そして、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、入力円盤3の筒状ボス部3aの外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌し、かつ、出力軸9と一体とされた第一出力偏心軸(出力クランク)8を有する。即ち、出力軸9は、先端部側が第一軸心L1 を中心とする出力軸9部と、基端部側が第二軸心L2 を中心とする偏心軸8部としている。
【0013】
さらに、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、第一出力偏心軸8の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌し、かつ、変速偏心円盤13と外周縁部にて接続手段Aを介して接続される第二出力偏心軸(出力クランク軸受)7を有する。第二出力偏心軸7は、第一出力偏心軸8に外嵌する円筒部7bと、円筒部7bの基端部側の円盤状外鍔部7aと、を有する。即ち、第二出力偏心軸7は、第二軸心L2 を中心とする段付き円柱状の内周面及び外周面からなる筒状であり、外鍔部7aが、入力円盤3の外周面を包囲している。
なお、接続手段Aはベベル歯車型クラッチ6とし、入力軸2と出力軸9との間の動力伝達を行う。
【0014】
入力円盤3と変速偏心円盤13との動力伝達部についてさらに説明すると、図2の正面図に示すように、入力円盤3の基端側面には、第一軸心L1 を中心とした円周上(半径R1 )に複数の入力クランク軸4を等ピッチで配設している。この入力クランク軸4は、円盤部3bから突出状に形成された片持ち状の軸部で、入力クランク軸4の外周部に、ベアリング部材(転がり軸受)15を装着している。
【0015】
一方、変速偏心円盤13側は、第二軸心L2 を中心とした円周上(半径R2 )に入力クランク軸4(ベアリング部材15)の外径より大きい内径であり、入力クランク軸4を挿入状とする軸受孔部5を等ピッチで複数形成している。即ち、入力円盤3の回転により、入力クランク軸4は軸受孔部5内周面に当接し押圧して、入力クランク軸4が軸受孔部5内周面を転がりながら、変速偏心円盤13を回転させるようにしている。なお、入力クランク軸4の外径と軸受孔部5の内径との差は上記偏心量ε1 より大きく設定する。
従って、入力円盤3と変速偏心円盤13とによる動力伝達部は、遊星機構をなすこととなる。
【0016】
また、この変速装置は、変速偏心軸12の第一軸心L1 廻りの回転速度(回転数)を変化させる変速手段Yを有している。
変速手段Yは、上述した変速偏心軸12の基端側に連結された(又は別部材であるが接続固定された)第一円盤部材21と、入力軸2にキー等で軸方向スライド可能かつ第一軸心L1 廻りに一体回転可能にされた第二円盤部材22と、これら一対の円盤部材21,22に夫々対面するよう付設されたS極とN極の一対乃至複数対のマグネット20と、第一円盤部材21と第二円盤部材22との相互距離を変更させる電気的又は機械的な駆動部17と、を備えている。
【0017】
次に、この変速装置の動作について説明する。変速手段Yの一対の円盤部材21,22が十分に離間した状態(非動力伝達状態)では、入力軸2が原動機1により回転しても、変速偏心軸12はベアリングにより空転し回転しない(静止している)。そしてこの状態では、入力軸2の回転により、入力円盤3を介して、変速偏心円盤13は第二軸心L2 廻りに(変速偏心軸12の外周面の廻りを)回転(自転)するのみで、第一軸心L1 廻りには回転(公転)しない。さらに、第二出力偏心軸7は、第一出力偏心軸8の外周面の廻りを回転(空転)するのみで、第一出力偏心軸8は静止状態のままであり、よって出力軸9は静止している。
【0018】
そして、この非動力伝達状態から、入力軸2と共廻りする第二円盤部材22を第一円盤部材21に接近させると(相互距離を小さくすると)、第一円盤部材21が磁力によって入力軸2と同じ方向に回転を開始し、それにより変速偏心軸12が第一軸心L1 廻りに回転する。これにより、変速偏心円盤13は、入力軸2と入力円盤3の回転による動力により第二軸心L2 廻りに回転(自転)しつつ、変速偏心軸12の回転により第一軸心L1 廻りに回転力(公転力)が付与されて回転し、さらに、第二出力偏心軸7が、入力軸2と入力円盤3の回転による動力により第二軸心L2 廻りに回転(自転)しつつ、第一軸心L1 廻りに公転し、これによって、第一出力偏心軸8が第一軸心L1 廻りに回転しはじめ、これにより、出力軸9が第一軸心L1 廻りの回転を開始する。
【0019】
そして、変速手段Yの第一円盤部材21と第二円盤部材22とを接近させるにつれて、第一円盤部材21の回転速度が早くなり(回転数が高くなり)、第一円盤部材21と第二円盤部材22との回転が同期(両円盤部材21,22が一体的に回転)すれば、入力軸2と出力軸9とは、同一回転速度となって変速動作が完了する。そして、両円盤部材21,22を相対的に離間させれば、出力軸9の回転は遅くなる。
【0020】
また、第一出力偏心軸8と出力軸9との間には、第一軸心L1 又は第二軸心L2 を軸心とする円板部16が形成されており、この円板部16の外周縁の一部にバランスウエイト19を有している。さらに、変速偏心軸12と第一円盤部材21との間には、第一軸心L1 又は第二軸心L2 を軸心とする円板部25が形成されており、この円板部25の外周縁の一部にバランスウエイト18を有している。
従って、偏心回転する構成部材を有するが、変速動作において、バランスウエイト18,19により変速装置全体の動的バランスが安定し、回転時の振動が抑制されて良好な状態で作動させることができる。
【0021】
次に、図3は本発明に係る変速装置の他の実施の形態を示す。この変速装置は、第一軸心L1 廻りに回転自在にベアリング(軸受)等を介在して枢支された入力軸2と出力軸9を備えたものである。入力軸2は、入力動力を発生させ入力軸2へ動力を作用させる原動機1が有する軸受に支持され、出力軸9は、図外の出力側機器の軸受に支持され、これら軸2,9の軸心は同一軸線上にある。
そして、原動機1による入力軸2の回転力(トルク)を出力軸9へ動力伝達させ、出力軸9の回転速度(回転数)を変化させるものである。
【0022】
具体的構成をさらに説明すると、先ず、入力軸2の先端部側に外嵌して第一軸心L1 を軸心として、入力軸2と一体回転する入力歯車23を有する。入力歯車23は、入力軸2にキー止めされて動力伝達され、入力軸2に外嵌する円筒状ボス部23aと、ボス部23aの基端部側の平歯車23bと、を有する。この平歯車23bの歯は、丸歯(サーキュレート)としてもよい。また、入力歯車23の内周面と入力軸2の連結部外周面は入力軸2の基端部方向に拡径するテーパー状とし、出力軸9側からのスラスト(軸力)を入力軸2へ作用させ、他の回転部材に作用させないよう構成している。
【0023】
そして、第一軸心L1 と平行位置に偏心させた第二軸心L2 を中心軸とすると共に、入力軸2の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌する変速偏心軸(変速用クランク)12を有する。即ち、変速偏心軸心12は、第二軸心L2 を中心とする円柱状の外周面と、第一軸心L1 を中心とする円柱状の内周面と、を有する偏心円筒形状である。第一軸心L1 と第二軸心L2 との偏心量をε2 としている。
【0024】
そして、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、変速偏心軸12の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌し、かつ、入力歯車23に噛合する受力歯車24を有する。受力歯車24は、変速偏心軸12に外嵌する円筒状ボス部24aと、ボス部24aの先端部側の外鍔状の円盤部24bと、上記入力歯車23の外径より大きい内径で第二軸心L2 を中心とする短筒状の内歯車(内接歯車)24c部と、を有する。そして、この内歯車24cの歯形状を、入力歯車23と対応させて丸歯としてもよい。
なお、本発明において、先端(部)側とは出力軸側であり、基端(部)側とは入力軸側(原動機側)である。
【0025】
そして、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、入力歯車23の筒状ボス部23aの外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌し、かつ、出力軸9と一体とされた第一出力偏心軸8を有する。即ち、出力軸9は、先端部側が第一軸心L1 を中心とする出力軸9部と、基端部側が第二軸心L2 を中心とする偏心軸8部としている。
【0026】
さらに、第二軸心L2 を中心軸とすると共に、第一出力偏心軸8の外周面に回転自在に(軸受を介して)外嵌し、かつ、受力歯車24と連結する第二出力偏心軸(出力クランク軸受)7を有する。第二出力偏心軸7の外周面は、その基端部側に上記受力歯車24の内歯車24cに噛合する歯車部34を有しており、第二出力偏心軸7と受力歯車24とを一体連結している。なお、この歯車部34は、動力伝達を制御するクラッチとして作用するよう可動自在としている。
【0027】
図4は、入力歯車23と受力歯車24との動力伝達部の正面図であり、これについてさらに説明すると、入力歯車23の外径(半径R3 )は受力歯車24の内径(半径R4 )より小さく設定されており、その円周上において一部が噛合するように、入力歯車23の軸心(第一軸心L1 )と受力歯車24の軸心(第二軸心L2 )とを所定量(ε2 )偏心させている。
即ち、入力歯車23の回転により、その歯は受力歯車24の歯と内接して噛み合い、そして、受力歯車24が第一軸心L1 廻りに回転(公転)することで、入力歯車23と受力歯車24との噛み合い部が、周方向位置において変化することとなる。従って、入力歯車23と受力歯車24とによる動力伝達部は、遊星機構をなすこととなる。
【0028】
さらに、図3に係る変速装置は、変速偏心軸12の第一軸心L1 廻りの回転速度(回転数)を変化させる変速手段Yを備えている。
図3に示した変速手段Yは、電磁パウダークラッチ(摩擦板)26を使用している。これは、入力軸2と一体回転可能に設けられた電磁石部27と、変速偏心軸12の基端部側に連設された筒部28に一体回転可能に設けられコイルが巻設された受力鉄心部29と、を備える。
この変速手段Yは、電磁パウダークラッチ26が非通電状態であれば、入力軸2と共に電磁石部27が回転しても変速偏心軸12は回転しない。そして、この状態から電磁パウダークラッチ26を通電させると、電磁石部27と受力鉄心部29との間でパウダー(鉄粉)が結合して変速偏心軸12が入力軸2と同一方向に回転する。そして、電流の強弱を調整してパウダーの結合度合いを変化させることにより、変速偏心軸12の回転速度を変化させ、その結果、出力軸9の回転速度を変化させることができる。
【0029】
次に、この変速装置の動作について説明する。変速手段Yの電磁パウダークラッチ26が非通電状態では、入力軸2が原動機1により回転しても、変速偏心軸12はベアリングにより空転し回転しない(静止している)。そしてこの状態では、入力軸2の回転により、入力歯車23を介して、受力歯車24は第二軸心L2 廻りに(変速偏心軸12の外周面の廻りを)回転(自転)するのみで、第一軸心L1 廻りには回転(公転)しない。さらに、第二出力偏心軸7は、第一出力偏心軸8の外周面の廻りを回転(空転)するのみで、第一出力偏心軸8は静止状態のままであり、よって出力軸9は静止している。
【0030】
そして、この非通電状態から、電磁パウダークラッチ26を通電させると、筒部28が入力軸2と同じ方向に回転を開始し、それにより変速偏心軸12が第一軸心L1 廻りに回転(公転)する。これにより、受力歯車24は、入力軸2と入力歯車23の回転による動力により第二軸心L2 廻りに回転(自転)しつつ、変速偏心軸12の回転により第一軸心L1 廻りに回転力(公転力)が付与されて回転し、さらに、第二出力偏心軸7が、入力軸2と入力歯車23の回転による動力により第二軸心L2 廻りに回転(自転)しつつ、第一軸心L1 廻りに公転し、これによって、第一出力偏心軸8が第一軸心L1 廻りに回転(公転)しはじめ、出力軸9が第一軸心L1 廻りに回転を開始する。
【0031】
そして、変速手段Yの電磁パウダークラッチ26の電流値を大きくするにつれて、筒部28の回転速度が早くなり(回転数が高くなり)、筒部28と入力軸2との回転が同期すれば、入力軸2と出力軸9とは、同一回転速度となって変速動作が完了する。そして、電磁パウダークラッチ26の電流値を小さくすれば、出力軸9の回転は遅くなる。
【0032】
また、第一出力偏心軸8と出力軸9との間には、第一軸心L1 又は第二軸心L2 を軸心とする円板部32が形成されており、この円板部32の外周縁の一部にバランスウエイト31を有している。さらに、変速偏心軸12と筒部28との間には、第一軸心L1 又は第二軸心L2 を軸心とする円板部33が形成されており、この円板部33の外周縁の一部にバランスウエイト30を有している。
従って、偏心回転する構成部材を有するが、変速動作において、バランスウエイト30,31により変速装置全体の動的バランスが安定し、回転時の振動が抑制されて良好な状態で作動させることができる。
【0033】
なお、変速手段Yの形式は、上述したもの以外に、図示省略するが、相互間距離が変更自在な一対の円錐台状プーリとそのプーリ間において回転するベルトによるものや、その他、同様の動作・作用を奏するものとすればよい。
また、図3において、円板部33の基端部側の対面する位置に、摺接式のブレーキ手段10を備えており、円板部33に摺接することで、回転制動力を与えるようにしている。図1においても(図示省略しているが)同様に設置してもよい。
【0034】
なお、図示省略するが、本発明に係る変速装置は無段式であるが、別機構のカウンタ軸をさらに設け、歯車によって他段式として変速偏心軸12(変速クランク)を多段変速可能とし、両方(多段・無段)の形式として切り換え自在に使用することもできる。
【0035】
また、図1及び図3共に、バランスウエイトを夫々二個としているが、両方を一体としても良い。この場合、出力側もしくは入力側の一方を固定し、他方を自由回転とすることにより、各部の不釣合を完全に近い状態まで釣合せることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0037】
(請求項1によれば)入力軸2側から出力軸9側までの変速機構において、歯車を全く使用しないため、極めて高効率で動力伝達が可能となり、低速域においても高トルクの伝達が可能となり、広範囲の変速域で高出力が得られる。
(請求項3によれば)入力軸2側から出力軸9側までの変速機構において、歯車を殆ど使用しないため、極めて高効率で動力伝達が可能となり、低速域においても高トルクの伝達が可能となり、広範囲の変速域で高出力が得られる。
【0038】
(請求項1、3によれば)作動音が静かで、動力の伝達が円滑であり、コンパクトに製作できる。変速手段Yにより、変速偏心軸12の回転速度を変化させるだけで、出力軸9を無段階かつ全域定出力で、所望の回転数に変速させることができる。
【0039】
(請求項2によれば)作動をより一層滑らかにし、高効率の変速装置とすることができる。
【0040】
(請求項4によれば)作動効率をさらに向上させ、高効率の変速装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速装置の実施の一形態を示す側面断面図である。
【図2】変速偏心円盤の入力軸側から見た正面図である。
【図3】本発明に係る変速装置の他の実施の形態を示す側面断面図である。
【図4】入力歯車及び受力歯車の入力軸側から見た正面図である。
【符号の説明】
2 入力軸
3 入力円盤
3a 筒状ボス部
4 入力クランク軸
5 軸受孔部
7 第二出力偏心軸
8 第一出力偏心軸
9 出力軸
12 変速偏心軸
13 変速偏心円盤
13a 外周縁部
15 ベアリング部材
23 入力歯車
23a 筒状ボス部
24 受力歯車
A 接続手段
L1 第一軸心
L2 第二軸心
Y 変速手段
Claims (4)
- 第一軸心(L1 )廻りに回転自在に枢支された入力軸(2)と出力軸(9)を備えた変速装置に於て、上記第一軸心(L1 )と平行に偏心させた第二軸心(L2 )を軸心とすると共に上記入力軸(2)に回転自在に外嵌する変速偏心軸(12)と、該第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該変速偏心軸(12)に回転自在に外嵌する変速偏心円盤(13)と、上記入力軸(2)に外嵌して上記第一軸心(L1 )を軸心として一体回転する入力円盤(3)と、上記第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該入力円盤(3)の筒状ボス部(3a)に回転自在に外嵌しかつ上記出力軸(9)と一体とされた第一出力偏心軸(8)と、該第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該第一出力偏心軸(8)に回転自在に外嵌しかつ上記変速偏心円盤(13)と外周縁部にて接続手段(A)を介して接続する第二出力偏心軸(7)と、上記変速偏心軸(12)の上記第一軸心(L1 )廻りの回転速度を変化させる変速手段(Y)と、を備え、上記入力円盤(3)の上記第一軸心(L1 )を中心とした円周上に複数の入力クランク軸(4)を配設し、上記変速偏心円盤(13)の上記第二軸心(L2 )を中心とした円周上に上記入力クランク軸(4)の外径より大きい内径で該入力クランク軸(4)を挿入状とする軸受孔部(5)を複数形成したことを特徴とする変速装置。
- 上記入力クランク軸(4)の外周部に、ベアリング部材(15)を装着させた請求項1記載の変速装置。
- 第一軸心(L1 )廻りに回転自在に枢支された入力軸(2)と出力軸(9)を備えた変速装置に於て、上記入力軸(2)に外嵌して上記第一軸心(L1 )を軸心として一体回転する入力歯車(23)と、上記第一軸心(L1 )と平行に偏心させた第二軸心(L2 )を軸心とすると共に上記入力軸(2)に回転自在に外嵌する変速偏心軸(12)と、該第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該変速偏心軸(12)に回転自在に外嵌しかつ上記入力歯車(23)に噛合する受力歯車(24)と、上記第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該入力歯車(23)の筒状ボス部(23a)に回転自在に外嵌しかつ上記出力軸(9)と一体とされた第一出力偏心軸(8)と、上記第二軸心(L2 )を軸心とすると共に該第一出力偏心軸(8)に回転自在に外嵌しかつ上記受力歯車(24)と連結する第二出力偏心軸(7)と、上記変速偏心軸(12)の上記第一軸心(L1 )廻りの回転速度を変化させる変速手段(Y)と、を備えたことを特徴とする変速装置。
- 上記入力歯車(23)と受力歯車(24)の歯を丸歯とした請求項3記載の変速装置。
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