JPH08213625A - アクティブマトリクス型表示装置及びその製造方法 - Google Patents

アクティブマトリクス型表示装置及びその製造方法

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JPH08213625A
JPH08213625A JP3616395A JP3616395A JPH08213625A JP H08213625 A JPH08213625 A JP H08213625A JP 3616395 A JP3616395 A JP 3616395A JP 3616395 A JP3616395 A JP 3616395A JP H08213625 A JPH08213625 A JP H08213625A
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JP
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layer
oxide layer
thin film
thermal oxide
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JP3616395A
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Inventor
Shingo Makimura
真悟 牧村
Kazuyoshi Yoshida
和好 吉田
Kikuo Kaise
喜久夫 貝瀬
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクティブマトリクス型表示装置の駆動基板
に集積形成される補助容量の耐圧を確保しつつその大容
量化を図る。 【構成】 アクティブマトリクス型表示装置は所定の間
隙を介して互いに接合した駆動基板1及び対向基板2
と、該間隙に保持された液晶3とを備えている。駆動基
板1には画素電極4、これを駆動する薄膜トランジスタ
TFT及びこれに接続する補助容量Csが集積形成され
ている。対向基板2には対向電極5が形成されている。
薄膜トランジスタTFTは駆動基板1に成膜された半導
体薄膜6を活性層とし、ゲート絶縁膜を介してその上に
パタニング形成されたゲート電極7を有する。補助容量
Csは半導体薄膜6の一部に形成した低抵抗化領域LR
を下部電極8とし、誘電体膜を介してその上にパタニン
グ形成された上部電極9を有している。ゲート絶縁膜は
半導体薄膜6の表面を熱処理して得られる熱酸化層12
を含む一方、誘電体膜は熱酸化層12を一部除去した後
再び熱処理を施して得られる再熱酸化層13を含み、且
つその厚みは先の熱酸化層12より小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクティブマトリクス型
表示装置及びその製造方法に関する。詳しくは、画素電
極、薄膜トランジスタ、補助容量等が集積形成された駆
動基板の構造に関する。さらに詳しくは、補助容量の誘
電体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に一般的なアクティブマトリクス型
表示装置の等価回路を示す。互いに直交配列されたm本
のゲート線(G1,G2,…Gm)とn本の信号線(S
1,S2,…Sn)の交点に薄膜トランジスタTFT、
補助容量Cs、及び画素を構成する液晶セルLCが形成
されている。かかる構造を有するアクティブマトリクス
型液晶表示装置は以下の様に駆動する。即ち、ゲート線
G1,G2,…Gmには、1水平期間毎に選択パルスが
順次印加される。1本のゲート線が選択されている期間
内に、画像信号が信号線S1,S2,…Snに順次サン
プリングされ、その直後夫々の画素に画像信号が書き込
まれる。画素に書き込まれた画像信号は液晶セルLC及
び補助容量Csによって1フィールド期間保持され、次
のフィールドで反対極性の画像信号に書き換えられる。
これにより液晶が交流駆動される。
【0003】個々の液晶セルLCが有する画素容量は大
きいほど、書き込まれた画像信号の保持を確実に行なう
事ができるのでコントラストむらが生ぜず一定の表示品
質を確保できる。従って、画素電極の面積が大きい場合
には特に補助容量を設ける必要はない。しかしながら、
小型の表示装置において画素を高精細化あるいは微細化
した場合には、画素電極の面積が顕著に小さくなるので
画素容量を補う為の補助容量が必要不可欠となる。
【0004】図7は、アクティブマトリクス型表示装置
の一般的な構成を示す部分断面図である。この表示装置
は所定の間隙を介して互いに接合した駆動基板101及
び対向基板102と、該間隙に保持された液晶103等
の電気光学物質とから構成されている。駆動基板101
には少なくとも画素電極104、これを駆動する薄膜ト
ランジスタTFT及びこれに接続する補助容量Csが集
積形成されている。一方、対向基板102の内表面には
対向電極105が全面的に形成されている。画素電極1
04と対向電極105との間に保持された液晶103に
より、図6に示した液晶セルLC(画素)が構成されて
いる。薄膜トランジスタTFTは駆動基板101に成膜
された半導体薄膜106を活性層とし、ゲート絶縁膜を
介してその上にパタニング形成されたゲート電極107
を有する。一方、補助容量Csは半導体薄膜106の一
部に形成した低抵抗化領域を下部電極108とし、誘電
体膜を介してその上にパタニング形成された上部電極1
09を有している。上述したゲート絶縁膜及び誘電体膜
には同一の絶縁層110が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した様に、従来の
駆動基板構成においては、薄膜トランジスタTFTのゲ
ート絶縁膜と補助容量Csの誘電体膜は、作成方法の簡
便さ等の観点から同一の絶縁層110で形成されるのが
一般的である。TFTのゲート絶縁膜は例えば15V程
度の高耐圧が求められる。又、ゲート容量がデバイスと
して駆動させた場合にそのまま負荷容量となる。高耐圧
性を確保し且つ過剰な負荷容量を抑制する為、ゲート絶
縁膜の膜厚は比較的厚く設定されている。一方、補助容
量Csの誘電体膜としては耐圧はゲート部分ほど要求さ
れていないにも関わらず、ゲート絶縁膜と同一層である
為、誘電体膜の厚みが過剰に大きく設定されている事に
なる。周知の様に、誘電体膜が厚いほど容量値は小さく
なる。これを補う為、従来補助容量の面積寸法が比較的
大きく設定されており、画素の高密度設計を阻害すると
共に画素の開口率の低下をもたらしている。
【0006】ところで特開平5−34718号公報に
は、補助容量を小面積で大容量化して有効表示面積の増
加を図る技術が開示されている。これによれば、ゲート
絶縁膜が二酸化シリコン(SiO2 )の第一層と窒化シ
リコン(Si3 4 )からなる第二層とを重ねた二層構
造を有する。これに対し、補助容量の誘電体膜は二酸化
シリコンのみからなる単層構造となっている。従って、
誘電体膜がゲート絶縁膜に比べ薄くなり、単位面積当た
りの容量が増加する。しかしながら、この従来例ではゲ
ート絶縁膜が二層構造であるのに対し誘電体膜が単層構
造である為、特に補助容量の耐圧性に不安が残る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題に鑑み、本発明は耐圧性を維持しつつ補助容量の大容
量化を図り、もって画素開口率の改善が可能なアクティ
ブマトリクス型表示装置及びその製造方法を提供する事
を目的とする。かかる目的を達成する為に以下の手段を
講じた。即ち、本発明にかかるアクティブマトリクス型
表示装置は基本的な構成として、少なくとも画素電極、
これを駆動する薄膜トランジスタ及びこれに接続した補
助容量が集積形成された駆動基板と、少なくとも対向電
極が形成された対向基板と、所定の間隙を介して互いに
接合した両基板の間に保持された電気光学物質とを備え
ている。前記薄膜トランジスタは、駆動基板に成膜され
た半導体薄膜を活性層とし、ゲート絶縁膜を介してその
上にパタニング形成されたゲート電極を有する。又、前
記補助容量は該半導体薄膜の一部に形成された低抵抗化
領域を下部電極とし、誘電体膜を介してその上にパタニ
ング形成された上部電極を有する。特徴事項として、前
記ゲート絶縁膜は少なくとも該半導体薄膜の表面を熱処
理して得られる熱酸化層を含む一方、前記誘電体膜は該
熱酸化層を一部除去した後再び熱処理を施して得られる
再熱酸化層を含む。さらに、再熱酸化層の厚みは先の熱
酸化層より小さく設定されている。好ましくは、前記ゲ
ート絶縁膜は該熱酸化層の上に窒化物層及び酸化物層を
順に重ねた三層構造を有する。又、前記誘電体膜も該再
熱酸化層の上に窒化物層及び酸化物層を順に重ねた同一
の三層構造を有する。
【0008】かかる構成を有するアクティブマトリクス
型表示装置は以下の工程により製造される。先ず、成膜
工程を行ない、一方の絶縁基板(駆動基板)に半導体薄
膜を成膜する。次に、熱酸化工程を行ない、該半導体薄
膜の表面を熱処理して熱酸化層を形成する。続いて、再
熱酸化工程を行ない、該熱酸化層を部分的に除去した
後、再び熱処理を施して先の熱酸化層より薄い再熱酸化
層を形成する。続いてトランジスタ作成工程を行ない、
該熱酸化層の上にゲート電極をパタニング形成して薄膜
トランジスタを作成する。さらに、容量作成工程を行な
い、該再熱酸化層の上に上部電極をパタニング形成して
補助容量を作成する。この後画素形成工程を行ない、該
薄膜トランジスタに接続して画素電極をパタニング形成
する。最後に組立工程を行ない、所定の間隙を介して該
一方の絶縁基板(駆動基板)に、予め対向電極が形成さ
れた他方の絶縁基板(対向基板)を接合し、該間隙に液
晶等の電気光学物質を導入し、アクティブマトリクス型
表示装置を完成させる。好ましくは、前記再熱酸化工程
の前に不純物注入工程を行ない、所定のマスクを介して
該半導体薄膜に不純物を選択的にイオン注入して低抵抗
化を図り補助容量の下部電極を設ける。この後の再熱酸
化工程では、該マスクをそのまま利用して先の熱酸化層
を部分的に除去した上で、再び熱処理を施す様にしてい
る。加えて、前記再熱酸化工程の後、該熱酸化層及び再
熱酸化層の上に共通の絶縁物層を形成する様にしてい
る。
【0009】
【作用】本発明によれば、ゲート絶縁膜は少なくとも半
導体薄膜の表面を熱処理して得られる熱酸化層を含んで
いる。これに対し、誘電体膜は熱酸化層を一旦部分的に
除去した後再び熱処理を施して得られる再熱酸化層を含
んでいる。この際、再熱酸化層の厚みは先の熱酸化層よ
り小さく設定されている。この結果、補助容量の単位面
積当たりの容量値が大きくなり、その分補助容量の面積
サイズを小型化できる。又、誘電体膜となる再熱酸化層
はゲート絶縁膜となる熱酸化層と同様に優れた膜品質を
有しており、補助容量の耐圧性を実用レベルで確保する
事ができる。これら熱酸化層と再熱酸化層の上に共通の
窒化物層及び酸化物層を順に重ねたONO三層構造とす
る事により、デバイスの信頼性を高める事が可能であ
る。一方、製造方法の観点からすると、再熱酸化層は予
め熱酸化層を除去した部分にのみ選択的に形成される
為、比較的簡単なプロセス制御で高品質の誘電体膜が作
成できる。なお、再熱酸化工程の前に不純物注入工程を
行ない、所定のマスクを介して半導体薄膜に不純物を選
択的にイオン注入して補助容量の下部電極を設けてい
る。この様にすると、再熱酸化工程ではイオン注入用の
マスクをそのまま利用して先の熱酸化層を部分的に除去
でき、製造工程が簡略化可能である。
【0010】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかるアクティブマト
リクス型表示装置の基本的な構成を示す部分断面図であ
る。図示する様に、本アクティブマトリクス型表示装置
は所定の間隙を介して互いに接合した駆動基板1及び対
向基板2と、該間隙に保持された液晶3等の電気光学物
質とを備えている。駆動基板1には少なくとも画素電極
4、これを駆動する薄膜トランジスタTFT及びこれに
接続した補助容量Csが集積形成されている。一方対向
基板2の内表面には対向電極5が全面的に形成されてい
る。駆動基板1及び対向基板2はガラス等からなり、画
素電極4及び対向電極5はITO等からなり、何れも透
明な材料である。
【0011】薄膜トランジスタTFTは駆動基板1に成
膜された半導体薄膜6を活性層とし、ゲート絶縁膜を介
してその上にパタニング形成されたゲート電極7を有す
る。半導体薄膜6は例えば多結晶シリコンからなり、ゲ
ート電極7も例えば不純物を高濃度に拡散した多結晶シ
リコンからなる。一方、補助容量Csは半導体薄膜6の
一部に形成した低抵抗化領域LRを下部電極8とし、誘
電体膜を介してその上にパタニング形成された上部電極
9を有している。この上部電極9はゲート電極7と同様
に多結晶シリコン等からなる。かかる構成を有するTF
T及びCsはPSG等からなる層間絶縁膜10により被
覆されている。その上には前述した画素電極4がパタニ
ング形成されており、層間絶縁膜10に開口したコンタ
クトホールを介して、TFTのドレイン領域Dに電気接
続している。又、アルミニウム等からなる配線11もパ
タニング形成されており、同じく層間絶縁膜10に開口
したコンタクトホールを介してTFTのソース領域Sに
電気接続している。
【0012】本発明の特徴事項として、ゲート絶縁膜は
少なくとも半導体薄膜6の表面を熱処理して得られる熱
酸化層12を含む一方、誘電体膜は熱酸化層12を一部
除去した後再び熱処理を施して得られる再熱酸化層13
を含んでいる。さらに、再熱酸化層13の厚みは先の熱
酸化層12より小さく設定されている。好ましくは、ゲ
ート絶縁膜は熱酸化層12の上に窒化物層14及び酸化
物層15を順に重ねた所謂ONO三層構造を有する。誘
電体膜も再熱酸化層13の上に同一の窒化物層14及び
酸化物層15を順に重ねたONO三層構造を有する。図
7に示した従来構造では、補助容量Csの誘電体膜は薄
膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜と全く同一の構造
となっている。これに対し、図1に示した本発明にかか
る構造の場合、ゲート絶縁膜と比較して誘電体膜の厚み
を部分的に薄くする事により、単位面積当たりの容量値
が大きくとれる様にしている。この為、設計上必要とさ
れる一定の補助容量を、図7の構造と比較してより小さ
な面積で得る事ができる。従って、より高密度な画素電
極パタンの設計や画素開口率の向上に寄与できる。この
際、ゲート絶縁膜と誘電体膜では要求される膜特性が異
なる為、夫々に適した層構成となる様に設計する事がで
きる。
【0013】引き続き図1を参照して、アクティブマト
リクス型表示装置の製造方法を詳細に説明する。先ず、
成膜工程を行ない、一方の絶縁基板(駆動基板1)に半
導体薄膜6を成膜する。次に熱酸化工程を行ない、半導
体薄膜6の表面を熱処理して熱酸化層12を形成する。
さらに再熱酸化工程を行ない、熱酸化層12を部分的に
除去した後、再び熱処理を施して先の熱酸化層12より
薄い再熱酸化層13を形成する。なお、再熱処理に先立
って半導体薄膜6の一部に不純物をイオン注入し、低抵
抗化領域LRを設けておく。この低抵抗化領域LRは補
助容量Csの下部電極8となるものである。続いてトラ
ンジスタ作成工程を行ない、熱酸化層12の上にゲート
電極7をパタニング形成して薄膜トランジスタTFTを
作成する。なお、本例ではゲート電極7の作成に先立っ
て、熱酸化層12及び再熱酸化層13の上に予め窒化物
層14及び酸化物層15を順に成膜してある。一般に
は、熱酸化層12及び再熱酸化層13の上に共通の絶縁
物層を形成する様にしている。この後、ゲート電極7を
マスクとしてセルフアライメントにより不純物イオンを
半導体薄膜6に注入し、ソース領域S及びドレイン領域
Dを形成する。続いて、容量作成工程に進み、再熱酸化
層13の上に上部電極9をパタニング形成して補助容量
Csを作成する。この後TFT及びCsを層間絶縁膜1
0で被覆し且つ所定のコンタクトホールを開口した後、
画素形成工程を行ないTFTのドレイン領域Dに接続し
て画素電極4をパタニング形成する。又、TFTのソー
ス領域Sに接続して信号配線11をパタニング形成す
る。最後に組立工程を行ない、所定の間隙を介して一方
の絶縁基板(駆動基板1)に、予め対向電極5が形成さ
れた他方の絶縁基板(対向基板2)を接合し、この間隙
に液晶3を導入する。
【0014】次に、図2を参照して誘電体膜の具体的な
形成方法の一例を詳細に説明する。通常、誘電体膜やゲ
ート絶縁膜等は、熱酸化膜のみの単層構造や、熱酸化膜
と他の絶縁膜とを重ねた多層構造が採用されている。こ
こでは一例としてONO(熱酸化膜/窒化膜/酸化膜)
構造の場合を示す。先ず工程(A)で、ガラス又は石英
等からなる絶縁基板1の上に多結晶シリコンからなる半
導体薄膜6を成膜する。さらに、900℃〜1000℃
の温度で加熱処理を施し、多結晶シリコンの表面を熱酸
化して、所望の熱酸化層12を形成する。次に、工程
(B)に進み、レジストを塗布した後フォトリソグラフ
ィにより選択的にパタニングし、補助容量の形成される
領域のみに窓が開く様にマスクMKを形成する。このマ
スクMKを介して半導体薄膜6に不純物を選択的にイオ
ン注入して低抵抗化領域LRを形成し、補助容量の下部
電極とする。さらに、このマスクMKをそのまま利用し
て熱酸化層12をウェットエッチングにより部分的に除
去する。これにより、低抵抗化領域LRに属する半導体
薄膜6の表面が露出する。この様に、本実施例ではマス
クMKが低抵抗化領域LRの形成と熱酸化層12の選択
的除去の両者に共通して用いられており、特に負担の大
きい工程であるレジストのフォトリソグラフィが増える
惧れはない。続いて工程(C)に移り、マスクMKを剥
離後、再度熱処理を施す事により低抵抗化領域LRの上
に薄い再熱酸化層13を形成する。一般に、熱酸化処理
は表面に露出したシリコン原子と雰囲気中の酸素原子と
が結合する事により進行する。従って、この再熱酸化処
理では露出した低抵抗化領域LRのみに選択的に再熱酸
化層13が成長し、且つ処理時間を制御する事により所
望の膜厚が得られる。本発明は先の熱酸化層12に比べ
再熱酸化層13の厚みを十分小さく制御する事を特徴と
する。この後工程(D)に移り、熱酸化層12及び再熱
酸化層13の上に窒化物層14としてシリコンナイトラ
イドを成膜する。さらにこれをパイロ酸化する事により
上側の酸化物層15を形成している。この様にしてON
O構造の誘電体膜及びゲート絶縁膜が形成される。ゲー
ト絶縁膜と誘電体膜は基本的に同一層構造を有してい
る。即ち、誘電体膜もONO構造となる為実用的なレベ
ルで補助容量の耐圧を確保する事ができる。又ゲート絶
縁膜に属する熱酸化層12に比べ誘電体膜に属する再熱
酸化層13の厚みを小さくする事により、単位面積当た
りの容量が大となる。この様に、本発明によれば補助容
量の耐圧性確保と容量増大化を両立させている。
【0015】図3は本発明の他の実施例を示す模式的な
断面図であり、駆動基板1の要部のみを示してある。基
本的には、図1に示した駆動基板1と同一の構造を有し
ており、対応する部分には対応する参照番号を付して理
解を容易にしている。図1に示した先の実施例と同様
に、TFTのゲート絶縁膜は厚い熱酸化層12を含み、
補助容量Csの誘電体膜は薄い再熱酸化層13を含んで
いる。異なる点は、熱酸化層12及び再熱酸化層13が
HTO16により被覆されている事である。このHTO
はLPCVD法により高温成膜されたシリコン酸化膜で
あり、所望の耐圧性が得られる。この様に、熱酸化層1
2及び再熱酸化層13の上に成膜される共通の絶縁物層
は、図1に示したシリコンナイトライドとそのパイロ酸
化物に限られるものではなく、本実施例の様にHTOを
用いる事ができる。一般には、CVD法によるSiO,
SiO2 ,SiNx ,SiON等が採用可能である。あ
るいは、スパッタ法によるSiO,SiO2 等を用いる
事も可能である。
【0016】図4は、駆動基板の参考例を示す模式的な
部分断面図である。基本的には図1に示した駆動基板1
と類似の構造を有しており、対応する部分には対応する
参照番号を付して理解を容易にしている。この参考例で
は、ゲート絶縁膜は熱酸化層12と窒化物層14と酸化
物層15のONO三層構造を有する一方、誘電体膜は窒
化物層14と酸化物層15のON二層構造となってい
る。即ち、再熱酸化層13が省かれた層構成になってい
る。この参考例では誘電体膜の厚みをさらに小さくでき
る一方、ボトムの再熱酸化層13が除かれている為耐圧
性に不安が残る。
【0017】図5は他の参考例を示す模式的な断面図で
ある。基本的には、図1に示した駆動基板と類似の構造
を有しており対応する部分には対応する参照番号を付し
て理解を容易にしている。ゲート絶縁膜は熱酸化層12
と窒化物層14と酸化物層15を重ねたONO三層構造
となっている。誘電体膜も熱酸化層12と窒化物層14
と酸化物層15からなるONO三層構造である。この参
考例では誘電体膜がゲート絶縁膜と同一のルーチンON
O構造となっており、十分な耐圧性を確保する事ができ
るものの補助容量値を改善する事はできない。
【0018】最後に、3種類のメカサンプルを作成して
その耐圧性及びリーク電流特性を測定した。第一サンプ
ルにかかる補助容量の誘電体膜は図1に示した再酸化O
NO構造を有している。具体的には、再熱酸化層13の
厚みが17nmに設定され、窒化物層14の厚みが24nm
に設定され、酸化物層15の厚みが10nmに設定されて
いる。第二サンプルにかかる補助容量の誘電体膜は図4
に示したON構造となっている。具体的には、窒化物層
14の厚みが24nmに設定され、酸化物層15の厚みが
10nmに設定されている。第三サンプルにかかる補助容
量の誘電体膜は図5に示したルーチンONO構造となっ
ている。具体的には、熱酸化層12の厚みが60nmに設
定され、窒化物層14の厚みが24nmに設定され、酸化
物層15の厚みが10nmに設定されている。なお、再酸
化ONO構造は前述した様に熱酸化層12を一旦除去し
た後に再度熱酸化を行なう事によって、薄い再熱酸化層
13を形成したものである。再酸化ONO構造の総厚が
51nmであるのに対し、ルーチンONO構造の総厚は9
4nmである。従って、ルーチンONO構造に比べ再酸化
ONO構造の誘電体膜を有する補助容量はキャパシタン
スが約2倍に増大している。
【0019】先ず、各サンプルについて上部電極と下部
電極の間に電圧を可変で印加しリーク電流を測定した。
再酸化ONO構造では印加電圧の極性に関わらず、25
V付近まではルーチンONO構造と同等のリーク特性を
示し有意差は見られない。ON構造では負バイアス時の
リークレベルが約4.5V付近から上昇しており、デバ
イス動作上問題となる可能性がある。ハードブレイクダ
ウン耐圧については、ルーチンONO構造の場合印加電
圧の極性に関わらず約55V程度である。再酸化ONO
構造は約47Vであった。ON構造は印加電圧の極性に
依存性をもち、正の場合約38Vであるのに対し、負の
場合約24V程度まで低下する。誘電体膜の薄層化によ
り内部の電界強度が高まる為、ハードブレイクダウン耐
圧が低下する事は避けられないが、再酸化ONO構造の
レベルであれば問題はないと考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ゲ
ート絶縁膜は少なくとも半導体薄膜の表面を熱処理して
得られる熱酸化層を含む一方、補助容量の誘電体膜は熱
酸化層を一部除去した後再び熱処理を施して得られる再
熱酸化層を含み、且つその厚みは先の熱酸化層より小さ
い。これにより、単位面積当たりの容量値が増大し、結
果的に補助容量の面積サイズを縮小可能となり、アクテ
ィブマトリクス型表示装置の高密度化や画素開口率の向
上が達成できる。又、誘電体膜として品質の優れた再熱
酸化層を利用している為補助容量の耐圧を実用レベルで
十分確保する事が可能である。加えて、補助容量の面積
を縮小した事により金属配線等他の層とのオーバーラッ
プが少なくなり、寄生容量が減少しデバイス特性が改善
できる。なお、先に形成した熱酸化層を除去する際用い
るレジストマスクは、補助容量の下部電極となる低抵抗
化領域の形成時実施する不純物イオン注入のレジストマ
スクと兼ねる事ができる為、TFTプロセスで負担の大
きいレジストフォトリソグラフィ工程を特に増加させる
惧れはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるアクティブマトリクス型表示装
置の基本的な構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるアクティブマトリクス型表示装
置製造方法の要部を示す工程図である。
【図3】本発明にかかるアクティブマトリクス型表示装
置の他の実施例の要部を示す部分断面図である。
【図4】参考例を示す模式的な部分断面図である。
【図5】他の参考例を示す模式的な部分断面図である。
【図6】アクティブマトリクス型表示装置の一般的な回
路構成を示す回路図である。
【図7】従来のアクティブマトリクス型表示装置の一例
を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 駆動基板 2 対向基板 3 液晶 4 画素電極 5 対向電極 6 半導体薄膜 7 ゲート電極 8 下部電極 9 上部電極 12 熱酸化層 13 再熱酸化層 14 窒化物層 15 酸化物層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも画素電極、これを駆動する薄
    膜トランジスタ及びこれに接続した補助容量が集積形成
    された駆動基板と、少なくとも対向電極が形成された対
    向基板と、所定の間隙を介して互いに接合した両基板の
    間に保持された電気光学物質とを備えたアクティブマト
    リクス型表示装置であって、 前記薄膜トランジスタは、駆動基板に成膜された半導体
    薄膜を活性層とし、ゲート絶縁膜を介してその上にパタ
    ニング形成されたゲート電極を有する一方、 前記補助容量は該半導体薄膜の一部に形成した低抵抗化
    領域を下部電極とし、誘電体膜を介してその上にパタニ
    ング形成された上部電極を有しており、 前記ゲート絶縁膜は、少なくとも該半導体薄膜の表面を
    熱処理して得られる熱酸化層を含む一方、 前記誘電体膜は該熱酸化層を一部除去した後再び熱処理
    を施して得られる再熱酸化層を含み、且つその厚みは先
    の熱酸化層より小さい事を特徴とするアクティブマトリ
    クス型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲート絶縁膜は該熱酸化層の上に窒
    化物層及び酸化物層を順に重ねた三層構造を有し、前記
    誘電体膜も該再熱酸化層の上に窒化物層及び酸化物層を
    順に重ねた同一の三層構造を有する事を特徴とする請求
    項1記載のアクティブマトリクス型表示装置。
  3. 【請求項3】 一方の絶縁基板に半導体薄膜を成膜する
    成膜工程と、 該半導体薄膜の表面を熱処理して熱酸化層を形成する熱
    酸化工程と、 該熱酸化層を部分的に除去した後、再び熱処理を施して
    先の熱酸化層より薄い再熱酸化層を形成する再熱酸化工
    程と、 該熱酸化層の上にゲート電極をパタニング形成して薄膜
    トランジスタを作成するトランジスタ作成工程と、 該再熱酸化層の上に上部電極をパタニング形成して補助
    容量を作成する容量作成工程と、 該薄膜トランジスタに接続して画素電極をパタニング形
    成する画素形成工程と、 所定の間隙を介して該一方の絶縁基板に、予め対向電極
    が形成された他方の絶縁基板を接合し、該間隙に電気光
    学物質を導入する組立工程とを行なうアクティブマトリ
    クス型表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記再熱酸化工程の前に不純物注入工程
    を行ない、所定のマスクを介して該半導体薄膜に不純物
    を選択的にイオン注入して低抵抗化を図り補助容量の下
    部電極を設けると共に、前記再熱酸化工程は、該マスク
    をそのまま利用して先の熱酸化層を部分的に除去した上
    で再び熱処理を施す請求項3記載のアクティブマトリク
    ス型表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記再熱酸化工程の後、該熱酸化層及び
    再熱酸化層の上に共通の絶縁物層を形成する工程を含む
    請求項3記載のアクティブマトリクス型表示装置の製造
    方法。
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