JPH08207209A - 透明な吸湿性を有する積層フィルム - Google Patents
透明な吸湿性を有する積層フィルムInfo
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- JPH08207209A JPH08207209A JP1900295A JP1900295A JPH08207209A JP H08207209 A JPH08207209 A JP H08207209A JP 1900295 A JP1900295 A JP 1900295A JP 1900295 A JP1900295 A JP 1900295A JP H08207209 A JPH08207209 A JP H08207209A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた吸湿力を有するとともに透明性に優
れ、しかも比較的肉薄にして取扱性がよく安価に量産可
能な積層フィルムを提供する。 【構成】 普通セロハン紙1にグリセリン等の高浸透圧
物質である柔軟剤2またはその水溶液を塗布し、その上
に普通セロハン紙または完全鹸化ポリビニールアルコー
ル膜等の透水性フィルム3を重ね合わせてなる。この場
合、普通セロハン紙を柔軟剤を介して複数層に形成して
吸湿量を大きくすることができる。
れ、しかも比較的肉薄にして取扱性がよく安価に量産可
能な積層フィルムを提供する。 【構成】 普通セロハン紙1にグリセリン等の高浸透圧
物質である柔軟剤2またはその水溶液を塗布し、その上
に普通セロハン紙または完全鹸化ポリビニールアルコー
ル膜等の透水性フィルム3を重ね合わせてなる。この場
合、普通セロハン紙を柔軟剤を介して複数層に形成して
吸湿量を大きくすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明な吸湿性を有する積
層フィルムに関するものである。
層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、スーパーマーケットやコンビニエ
ンスストアなどでは薄い透明な合成樹脂製フィルムで覆
われた種々の食品が販売されている。
ンスストアなどでは薄い透明な合成樹脂製フィルムで覆
われた種々の食品が販売されている。
【0003】例えば、テイクアウト(持ち帰り)用食品
として、合成樹脂製の容器内にご飯や焼きそば等の調理
された食品を収納し、これを透明なフィルムで被覆した
種々の食品が販売され、購入者はこれを電子レンジで所
定時間加熱してから食するようになっている。
として、合成樹脂製の容器内にご飯や焼きそば等の調理
された食品を収納し、これを透明なフィルムで被覆した
種々の食品が販売され、購入者はこれを電子レンジで所
定時間加熱してから食するようになっている。
【0004】また、新鮮野菜や果物等はトレイ中に収納
され或いはそのまま透明な合成樹脂製フィルムで被覆さ
れて販売されている。
され或いはそのまま透明な合成樹脂製フィルムで被覆さ
れて販売されている。
【0005】上記以外にも、魚卵、ウニ等の水産生鮮物
はトレイ中に収納されるとともに、透明な合成樹脂製フ
ィルムで密閉されて販売されている。
はトレイ中に収納されるとともに、透明な合成樹脂製フ
ィルムで密閉されて販売されている。
【0006】上記の透明な合成樹脂製フィルムとして
は、ポリエチレン、塩化ビニール、塩化ビニリデン等の
ラップフィルムが多用されているが、共に吸湿性及び透
湿性がない。
は、ポリエチレン、塩化ビニール、塩化ビニリデン等の
ラップフィルムが多用されているが、共に吸湿性及び透
湿性がない。
【0007】そこで、上記のフィルムで被覆したテイク
アウト用食品を電子レンジで加熱すると、加熱後の温度
の低下とともにフィルムの内表面に結露が生じ、外観及
び味覚を著しく損なう。これは特に、コンビニエンスス
トアにおいてテイクアウト用食品を購入するとともにそ
の食品を電子レンジで加熱してもらってから自宅に持ち
帰り、その後にこれを食するような場合に顕著である。
アウト用食品を電子レンジで加熱すると、加熱後の温度
の低下とともにフィルムの内表面に結露が生じ、外観及
び味覚を著しく損なう。これは特に、コンビニエンスス
トアにおいてテイクアウト用食品を購入するとともにそ
の食品を電子レンジで加熱してもらってから自宅に持ち
帰り、その後にこれを食するような場合に顕著である。
【0008】また、上記のフィルムで被覆した新鮮野菜
の場合には、植物の呼吸作用などで発生する水蒸気がフ
ィルム内面において結露し、フィルムの透明性が損なわ
れ、その美観を損なうとともに鮮度低下の原因となって
いる。
の場合には、植物の呼吸作用などで発生する水蒸気がフ
ィルム内面において結露し、フィルムの透明性が損なわ
れ、その美観を損なうとともに鮮度低下の原因となって
いる。
【0009】また、上記のフィルムで被覆した水産生鮮
物の場合には、時間の経過とともに水産生鮮物の内部か
ら滲み出る滲出液(ドリップ液)が内部に溜まり、その
美観を損なうとともに鮮度低下の原因となっている。
物の場合には、時間の経過とともに水産生鮮物の内部か
ら滲み出る滲出液(ドリップ液)が内部に溜まり、その
美観を損なうとともに鮮度低下の原因となっている。
【0010】上記の透明な合成樹脂製フィルム以外に
も、普通セロハン紙、ポリビニールアルコール膜、酢酸
セルローズ膜、エチレン酢酸ビニール膜、無延伸ポリア
ミド膜等の吸湿性フィルムがあるが、何れも吸湿力が弱
く、吸湿容量も小さいので、これらのフィルムで上記食
品を被覆した場合には種々の問題を生ずる。
も、普通セロハン紙、ポリビニールアルコール膜、酢酸
セルローズ膜、エチレン酢酸ビニール膜、無延伸ポリア
ミド膜等の吸湿性フィルムがあるが、何れも吸湿力が弱
く、吸湿容量も小さいので、これらのフィルムで上記食
品を被覆した場合には種々の問題を生ずる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなフィルム
を改善するものとして、ポリオレフィンフィルム(OP
P,LDPEフィルムなど)に界面活性剤を塗布した透
明な防曇フィルムが一部で用いられているが、この防曇
フィルムはそれ自身で吸湿性がなく、フィルム表面にお
いて結露した水分をフィルム面に沿って均一にするもの
で、水分が過剰に凝集した場合には落下して内部の食品
を損なう恐れがあり、根本的な解決にはなっていない。
を改善するものとして、ポリオレフィンフィルム(OP
P,LDPEフィルムなど)に界面活性剤を塗布した透
明な防曇フィルムが一部で用いられているが、この防曇
フィルムはそれ自身で吸湿性がなく、フィルム表面にお
いて結露した水分をフィルム面に沿って均一にするもの
で、水分が過剰に凝集した場合には落下して内部の食品
を損なう恐れがあり、根本的な解決にはなっていない。
【0012】従って、本発明の目的は、優れた吸湿力を
有するとともに透明性に優れ、しかも比較的肉薄にして
取扱性がよく安価に量産可能な積層フィルムを提供する
にある。
有するとともに透明性に優れ、しかも比較的肉薄にして
取扱性がよく安価に量産可能な積層フィルムを提供する
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の透明な吸湿性を有する積層フィルムは、普
通セロハン紙にセロハン紙の柔軟剤またはその水溶液を
塗布し、その上に透水性フィルムを重ね合わせて構成さ
れている。
め、本発明の透明な吸湿性を有する積層フィルムは、普
通セロハン紙にセロハン紙の柔軟剤またはその水溶液を
塗布し、その上に透水性フィルムを重ね合わせて構成さ
れている。
【0014】好ましくは、前記透水性フィルムを普通セ
ロハン紙または完全鹸化ポリビニールアルコール膜と
し、前記柔軟剤をグリセリンとすることである。
ロハン紙または完全鹸化ポリビニールアルコール膜と
し、前記柔軟剤をグリセリンとすることである。
【0015】更に好ましくは、前記グリセリンの重量を
普通セロハン紙の全重量に対して10%から60%とす
ることである。
普通セロハン紙の全重量に対して10%から60%とす
ることである。
【0016】また、好ましくは、前記普通セロハン紙を
複数枚前記柔軟剤を介して密着積層すると共に最上位の
該普通セロハン紙の上面に前記柔軟剤を介して前記透水
性フィルムを密着積層することである。
複数枚前記柔軟剤を介して密着積層すると共に最上位の
該普通セロハン紙の上面に前記柔軟剤を介して前記透水
性フィルムを密着積層することである。
【0017】
【作用】上記のように、本発明に係る積層フィルムは普
通セロハン紙及び透水性フィルムの半透膜と、高浸透圧
物質である柔軟剤との組合せより構成されているので、
これを密閉容器の被覆フィルムとして使用した場合、容
器内部で発生した水蒸気などはフィルム内に吸収された
結露が防止され、また含水食品の内部から滲出した水分
はこのフィルムによって吸収され食品の鮮度保持に有効
である。
通セロハン紙及び透水性フィルムの半透膜と、高浸透圧
物質である柔軟剤との組合せより構成されているので、
これを密閉容器の被覆フィルムとして使用した場合、容
器内部で発生した水蒸気などはフィルム内に吸収された
結露が防止され、また含水食品の内部から滲出した水分
はこのフィルムによって吸収され食品の鮮度保持に有効
である。
【0018】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例について添付図
面を参照にして説明する。普通セロハン紙は通常数%
(冬)から10%(夏)程度の高浸透圧物質である柔軟
剤を含んでおり、この柔軟剤が浸透性を有するセロハン
紙を通して外部の水分を吸収し、セロハン紙が水分によ
る影響を受けることなく一定の状態となるようにしてい
る。しかしながら、この程度の柔軟剤の量では吸湿力が
弱く、吸湿力が要求されるフィルムとしては実用的では
ない。しかし、柔軟剤を20%以上含有させると、夏期
においてはその柔軟剤が表面より滲出(ブリード)して
ベタ付き、フィルム同士のブロッキングの原因となって
しまう。
面を参照にして説明する。普通セロハン紙は通常数%
(冬)から10%(夏)程度の高浸透圧物質である柔軟
剤を含んでおり、この柔軟剤が浸透性を有するセロハン
紙を通して外部の水分を吸収し、セロハン紙が水分によ
る影響を受けることなく一定の状態となるようにしてい
る。しかしながら、この程度の柔軟剤の量では吸湿力が
弱く、吸湿力が要求されるフィルムとしては実用的では
ない。しかし、柔軟剤を20%以上含有させると、夏期
においてはその柔軟剤が表面より滲出(ブリード)して
ベタ付き、フィルム同士のブロッキングの原因となって
しまう。
【0019】このため、本発明では吸湿力を強めるとと
もに上記のようなブロッキングを防ぐため、図1に示す
ように、下部普通セロハン紙1の上面に柔軟剤2として
グリセリンを塗布して膨潤させ、その上に透水性フィル
ム3して上部普通セロハン紙を密着して一体化した透明
な積層フィルムとしたのである。
もに上記のようなブロッキングを防ぐため、図1に示す
ように、下部普通セロハン紙1の上面に柔軟剤2として
グリセリンを塗布して膨潤させ、その上に透水性フィル
ム3して上部普通セロハン紙を密着して一体化した透明
な積層フィルムとしたのである。
【0020】本発明に好適な透水性フィルム3として
は、上記の普通セロハン紙以外に、完全鹸化ポリビニー
ルアルコール(PVA)膜、酢酸セルローズ膜、無延伸
ポリアミド膜、エチレン酢酸ビニール共重合膜等の透明
な親水性フィルムがある。中でも、大量に生産され流通
している普通セロハン紙と完全鹸化PVA膜が使い易
い。特に、PVA膜の透湿度はセロハン紙の1/4程度
であるが、柔軟剤の滲出が少なく、表面フィルムとして
好適である。
は、上記の普通セロハン紙以外に、完全鹸化ポリビニー
ルアルコール(PVA)膜、酢酸セルローズ膜、無延伸
ポリアミド膜、エチレン酢酸ビニール共重合膜等の透明
な親水性フィルムがある。中でも、大量に生産され流通
している普通セロハン紙と完全鹸化PVA膜が使い易
い。特に、PVA膜の透湿度はセロハン紙の1/4程度
であるが、柔軟剤の滲出が少なく、表面フィルムとして
好適である。
【0021】柔軟剤としてはグリセリン以外に、ソルビ
トール、プロピレングリコール等の食品添加物が使用で
きる。この中でも、特に吸湿力の大きいグリセリンが本
発明には好適である。また、柔軟剤はこれを水に溶解し
た水溶液として使用してもよい。
トール、プロピレングリコール等の食品添加物が使用で
きる。この中でも、特に吸湿力の大きいグリセリンが本
発明には好適である。また、柔軟剤はこれを水に溶解し
た水溶液として使用してもよい。
【0022】柔軟剤としてグリセリンを使用する場合、
その添加量(塗布量)は普通セロハン紙の重量に対し
て、10重量%以上60重量%以下が望ましい。10重
量%以下では吸湿力が不足し、60重量%以上ではグリ
セリンの滲出を防ぎ得ない。
その添加量(塗布量)は普通セロハン紙の重量に対し
て、10重量%以上60重量%以下が望ましい。10重
量%以下では吸湿力が不足し、60重量%以上ではグリ
セリンの滲出を防ぎ得ない。
【0023】図2には、普通セロハン紙(#600、6
0g/m2 )単独からなるフィルムと普通セロハン紙
(#300、30g/m2 )/グリセリン(18g/m
2 )/普通セロハン紙(#300、30g/m2 )の積
層フィルムの平衡吸湿量の比較を示している。
0g/m2 )単独からなるフィルムと普通セロハン紙
(#300、30g/m2 )/グリセリン(18g/m
2 )/普通セロハン紙(#300、30g/m2 )の積
層フィルムの平衡吸湿量の比較を示している。
【0024】この図2から明らかなように、同じ重量の
セロハン紙でも、柔軟剤としてのグリセリンを30重量
%添加することによって吸湿力は約1.7倍に増加して
いる。普通セロハン紙で同程度の吸湿力を達成するため
には、100g/m2 以上のシート状のセロハン紙が必
要であり、肉厚が大きくなって取扱性が悪くなるだけで
なくなるだけでなく、製膜速度、原料費などからコスト
高となり、実用には供しえない。
セロハン紙でも、柔軟剤としてのグリセリンを30重量
%添加することによって吸湿力は約1.7倍に増加して
いる。普通セロハン紙で同程度の吸湿力を達成するため
には、100g/m2 以上のシート状のセロハン紙が必
要であり、肉厚が大きくなって取扱性が悪くなるだけで
なくなるだけでなく、製膜速度、原料費などからコスト
高となり、実用には供しえない。
【0025】図3は本発明の第2実施例に係る積層フィ
ルムの断面を模式図的に示している。この実施例では、
吸湿力の強い積層フィルムを提供するため、普通セロハ
ン紙1を柔軟剤としてのグリセリン2を介して多層積層
し、その上面から柔軟剤2が滲出(ブリード)するのを
防止するために、上面に透過度の低い透水性フィルム3
としてPVA膜を少量の柔軟剤2をバインダーとして貼
り合わせ、ブリードの少ない吸湿力の強い積層フィルム
としている。そして、この積層フィルムの使用にあたっ
ては、透水性フィルム3を食品側にして被覆するのであ
る。
ルムの断面を模式図的に示している。この実施例では、
吸湿力の強い積層フィルムを提供するため、普通セロハ
ン紙1を柔軟剤としてのグリセリン2を介して多層積層
し、その上面から柔軟剤2が滲出(ブリード)するのを
防止するために、上面に透過度の低い透水性フィルム3
としてPVA膜を少量の柔軟剤2をバインダーとして貼
り合わせ、ブリードの少ない吸湿力の強い積層フィルム
としている。そして、この積層フィルムの使用にあたっ
ては、透水性フィルム3を食品側にして被覆するのであ
る。
【0026】上記両実施例に係る積層フィルムは何れも
透明性に優れ、自由に裁断して使用できるので、食品分
野以外でも、結露が問題となる分野に広く適用すること
ができる。
透明性に優れ、自由に裁断して使用できるので、食品分
野以外でも、結露が問題となる分野に広く適用すること
ができる。
【0027】しかし、上記積層フィルムが米飯、ピザ、
魚卵などの食品と直接接触して使用される場合には、食
品がフィルムに粘着し剥離するのが困難な場合がある。
このため、好ましくは、食品が接触する側のフィルムの
表面(例えば、第2実施例の場合には最上層の透水性フ
ィルム3の上面)を部分的に非透湿性(非透水性)にし
て剥離性をよくすることである。具体的には、例えば、
シリコン樹脂、アクリル系エマルジョン、ワックス、低
分子量ポリオレフィン系樹脂等を格子状または点状など
にグラビヤロール等によって上記フィルムの表面に部分
塗布することである。この場合、透湿部分の割合がフィ
ルムの表面積の50〜90%(非透湿部分10〜50
%)で、しかも透湿部分の個々の大きさが被覆対象物で
ある食品の単位より小さくなるようにすることである。
魚卵などの食品と直接接触して使用される場合には、食
品がフィルムに粘着し剥離するのが困難な場合がある。
このため、好ましくは、食品が接触する側のフィルムの
表面(例えば、第2実施例の場合には最上層の透水性フ
ィルム3の上面)を部分的に非透湿性(非透水性)にし
て剥離性をよくすることである。具体的には、例えば、
シリコン樹脂、アクリル系エマルジョン、ワックス、低
分子量ポリオレフィン系樹脂等を格子状または点状など
にグラビヤロール等によって上記フィルムの表面に部分
塗布することである。この場合、透湿部分の割合がフィ
ルムの表面積の50〜90%(非透湿部分10〜50
%)で、しかも透湿部分の個々の大きさが被覆対象物で
ある食品の単位より小さくなるようにすることである。
【0028】以下に3枚のフィルムを重ね合わせて本発
明の積層フィルムを製造する方法について図4を参照に
して説明する。
明の積層フィルムを製造する方法について図4を参照に
して説明する。
【0029】第1のロール5から引き出した第1の普通
セロハン紙6の上面にグラビヤロールコーター7にて第
1の柔軟剤(グリセリン)を所定量塗布したものを順次
搬送し、その上に第2のロール8から引き出され上面に
第2の柔軟剤(グリセリン)がグラビヤロールコータ9
にて所定量塗布された第2の普通セロハン紙10を重ね
合わせる。この、第2の普通セロハン紙10の上面には
透水性フィルム11が重ね合わせられ、これら3者は圧
着ロール12によって加圧され、上記の柔軟剤を介して
一体的に接着され積層フィルム13となる。この積層フ
ィルム13は次いで乾燥器14を通って乾燥され、その
後、積層フィルムの上面には散布器15からブロッキン
グ防止材が均一に散布され、カッター16で所定の寸法
に切断され、本発明の製品である積層フィルムとして排
出される。この製品を包装し、2〜3日放置すれば、柔
軟剤が均一になじみ、取り扱いやすい積層フィルムとな
る。
セロハン紙6の上面にグラビヤロールコーター7にて第
1の柔軟剤(グリセリン)を所定量塗布したものを順次
搬送し、その上に第2のロール8から引き出され上面に
第2の柔軟剤(グリセリン)がグラビヤロールコータ9
にて所定量塗布された第2の普通セロハン紙10を重ね
合わせる。この、第2の普通セロハン紙10の上面には
透水性フィルム11が重ね合わせられ、これら3者は圧
着ロール12によって加圧され、上記の柔軟剤を介して
一体的に接着され積層フィルム13となる。この積層フ
ィルム13は次いで乾燥器14を通って乾燥され、その
後、積層フィルムの上面には散布器15からブロッキン
グ防止材が均一に散布され、カッター16で所定の寸法
に切断され、本発明の製品である積層フィルムとして排
出される。この製品を包装し、2〜3日放置すれば、柔
軟剤が均一になじみ、取り扱いやすい積層フィルムとな
る。
【0030】尚、第1及び第2の普通セロハン紙の厚み
は同じである必要はなく、適宜の厚みのものから必要に
応じて選択することができる。また、柔軟剤は所要の吸
湿量に応じてセロハンに対して10%〜60%の範囲内
で適宜選択すればよい。また、柔軟剤としてその水溶液
を用いた場合には上記乾燥器14は不可欠であるが、そ
の他の場合には乾燥器は省略可能である。
は同じである必要はなく、適宜の厚みのものから必要に
応じて選択することができる。また、柔軟剤は所要の吸
湿量に応じてセロハンに対して10%〜60%の範囲内
で適宜選択すればよい。また、柔軟剤としてその水溶液
を用いた場合には上記乾燥器14は不可欠であるが、そ
の他の場合には乾燥器は省略可能である。
【0031】上記のブロッキング剤の塗布はフィルム同
士のブロッキングを防止するためのもので、一般的には
澱粉、タルク等の微粉を2〜5g/m2 散布すれば効果
的であるが、ブロッキングの防止のためには上記以外に
積層フィルム13の上面にエンボス加工を施すようにし
てもよい。
士のブロッキングを防止するためのもので、一般的には
澱粉、タルク等の微粉を2〜5g/m2 散布すれば効果
的であるが、ブロッキングの防止のためには上記以外に
積層フィルム13の上面にエンボス加工を施すようにし
てもよい。
【0032】以下に本発明の積層フィルムを種々の食品
の被覆に用いた場合の具体的な実験例について説明す
る。
の被覆に用いた場合の具体的な実験例について説明す
る。
【0033】実験例1 普通セロハン紙PT500の表面にグリセリンを25g
/m2 の割合で塗布し、その上に他の普通セロハン紙P
T500を重ねて密着し積層フィルムとした(サンプル
1)。米飯250g(温度72℃)をポリエチレン製蓋
付き密閉容器(縦160mm×横100mm×深さ30
mm)に詰め、蓋の内側にサンプル1を160×100
mmにカットし貼り付け密閉した。上記容器詰め米飯を
23℃の室内に12時間放置後、開封検査を行った。そ
の結果は次の通りであった。
/m2 の割合で塗布し、その上に他の普通セロハン紙P
T500を重ねて密着し積層フィルムとした(サンプル
1)。米飯250g(温度72℃)をポリエチレン製蓋
付き密閉容器(縦160mm×横100mm×深さ30
mm)に詰め、蓋の内側にサンプル1を160×100
mmにカットし貼り付け密閉した。上記容器詰め米飯を
23℃の室内に12時間放置後、開封検査を行った。そ
の結果は次の通りであった。
【0034】サンプル1の重量変化(吸湿量) 使用前の初期において2.0gであったものが吸湿使用
後は3.1gとなった。その結果、吸湿量は1.1g
(吸湿割合は0.68g/dm2 )。 容器 蓋部に水滴なし。壁及び底部に細かい水滴付着(1.2
g) 米飯 初期において250.0gであったものが放置後は24
7.7gとなった。その結果、重量減は2.3g(−
0.92%) 食感は硬めでベタ付きがなかった。
後は3.1gとなった。その結果、吸湿量は1.1g
(吸湿割合は0.68g/dm2 )。 容器 蓋部に水滴なし。壁及び底部に細かい水滴付着(1.2
g) 米飯 初期において250.0gであったものが放置後は24
7.7gとなった。その結果、重量減は2.3g(−
0.92%) 食感は硬めでベタ付きがなかった。
【0035】実験例2 普通セロハン紙PT300に50%グリセリン溶液を3
0g/mの割合で塗布し、その上に他の普通セロハン紙
PT300を重ねて密着し積層フィルムとした。1日放
置後これを100×150mmに切断し、10枚を電子
レンジで1分間加熱乾燥してサンプル2とした。
0g/mの割合で塗布し、その上に他の普通セロハン紙
PT300を重ねて密着し積層フィルムとした。1日放
置後これを100×150mmに切断し、10枚を電子
レンジで1分間加熱乾燥してサンプル2とした。
【0036】市販のイチゴ2パック(縦100mm×横
150mm×深さ50mmのポリスチレン製容器248
g/パック)を用意し、一方のパックの上部にサンプル
2を設置し、ポリエチレンフィルムをラップ掛けし、他
方はサンプル2無しでラップ掛けのまま冷蔵庫の野菜室
で保管し、比較した。結果は次の通りであった。
150mm×深さ50mmのポリスチレン製容器248
g/パック)を用意し、一方のパックの上部にサンプル
2を設置し、ポリエチレンフィルムをラップ掛けし、他
方はサンプル2無しでラップ掛けのまま冷蔵庫の野菜室
で保管し、比較した。結果は次の通りであった。
【0037】外観 サンプル2を設置しない方は7日目から一部個体にカビ
の発生が見られ、10日目にはカビは全個体に広がり食
べられなかった。一方、サンプル2を設置した方は、1
0日目に一部個体にカビの発生が認められたが、充分食
べられる状態であった。 サンプル2の重量変化 初期において1.2gであったものが10日間保存後は
1.4gとなった。その結果、吸湿量は0.2g(吸湿
割合は0.13g/dm2 )。
の発生が見られ、10日目にはカビは全個体に広がり食
べられなかった。一方、サンプル2を設置した方は、1
0日目に一部個体にカビの発生が認められたが、充分食
べられる状態であった。 サンプル2の重量変化 初期において1.2gであったものが10日間保存後は
1.4gとなった。その結果、吸湿量は0.2g(吸湿
割合は0.13g/dm2 )。
【0038】実験例3 完全鹸化ポリビニールアルコールフィルム(東セロ
(株)LH−18)の片面に剥離剤として溶融した石油
ワックスを1mm幅、間隔4mmで格子状に塗布した
(開口率64%)。このフィルムと実験例1のサンプル
1を少量の50%グリセリン水溶液をバインダーとして
密着させ、サンプル3とした。
(株)LH−18)の片面に剥離剤として溶融した石油
ワックスを1mm幅、間隔4mmで格子状に塗布した
(開口率64%)。このフィルムと実験例1のサンプル
1を少量の50%グリセリン水溶液をバインダーとして
密着させ、サンプル3とした。
【0039】このサンプル3を270mm×270mm
に切断し、剥離剤を上側にして蓋付きポリエチレン容器
(縦100mm×横150mm×深さ45mm)の内底
面に敷き、岩手県産イクラ(鮭の卵)の塩水処理品50
0gをそのサンプル3上に載置し、サンプルの端部をイ
クラの上部に折り畳み、容器を密閉後冷蔵庫で24時間
放置した。尚、イクラの粒径は7.2mm〜8.9mm
で10粒の平均粒径は7.97mmであった。その結果
は次の通りであった。
に切断し、剥離剤を上側にして蓋付きポリエチレン容器
(縦100mm×横150mm×深さ45mm)の内底
面に敷き、岩手県産イクラ(鮭の卵)の塩水処理品50
0gをそのサンプル3上に載置し、サンプルの端部をイ
クラの上部に折り畳み、容器を密閉後冷蔵庫で24時間
放置した。尚、イクラの粒径は7.2mm〜8.9mm
で10粒の平均粒径は7.97mmであった。その結果
は次の通りであった。
【0040】イクラの重量変化 初期重量500gであったのが24時間後には487g
になった。脱水率2.6% サンプル3の重量変化(吸湿量) 初期重量10.6gであったものが24時間後には2
2.4gになった。その結果、吸湿量は11.8g。 総合評価 サンプル3とイクラは簡単に分離できた。容器内にはド
リップ液の溜まりもなく、生臭みの少ないイクラが得ら
れた。
になった。脱水率2.6% サンプル3の重量変化(吸湿量) 初期重量10.6gであったものが24時間後には2
2.4gになった。その結果、吸湿量は11.8g。 総合評価 サンプル3とイクラは簡単に分離できた。容器内にはド
リップ液の溜まりもなく、生臭みの少ないイクラが得ら
れた。
【0041】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る積層フィル
ムは食品加熱により発生する水蒸気の除去、野菜果物の
呼吸による水蒸気の除去、その他の温度変化による結露
防止など、密閉容器においての使用に優れた効果を示
す。
ムは食品加熱により発生する水蒸気の除去、野菜果物の
呼吸による水蒸気の除去、その他の温度変化による結露
防止など、密閉容器においての使用に優れた効果を示
す。
【0042】また、本発明の積層フィルムは普通セロハ
ン紙及び透水性フィルムの半透膜と、高浸透圧物質であ
る柔軟剤との組合せより構成されているので、透明性に
優れたものとすることができ、当然のことながら液状の
水も吸収でき、食品中の自由水、水溶性低分子化合物な
どを選択的に除去する機能を有しているので、含水食品
と共に用いることによって食品からの浸出液を吸着して
食品の鮮度を保つことができる。
ン紙及び透水性フィルムの半透膜と、高浸透圧物質であ
る柔軟剤との組合せより構成されているので、透明性に
優れたものとすることができ、当然のことながら液状の
水も吸収でき、食品中の自由水、水溶性低分子化合物な
どを選択的に除去する機能を有しているので、含水食品
と共に用いることによって食品からの浸出液を吸着して
食品の鮮度を保つことができる。
【0043】また本発明の積層フィルムは、これと同一
の吸湿量を有するものを普通セロハン紙単体で形成する
場合に比べてその肉厚を大幅に減少させることができ、
また取扱い勝手がよくしかも量産に適し低コストなもの
とすることができる。
の吸湿量を有するものを普通セロハン紙単体で形成する
場合に比べてその肉厚を大幅に減少させることができ、
また取扱い勝手がよくしかも量産に適し低コストなもの
とすることができる。
【0044】特に本願発明において、普通セロハン紙を
複数枚柔軟剤を介して密着積層すると共に最上位の普通
セロハン紙の上面に柔軟剤を介して透水性フィルムを密
着積層してなる場合には、吸湿量が大きくなり、より一
層優れた積層フィルムとすることができる。
複数枚柔軟剤を介して密着積層すると共に最上位の普通
セロハン紙の上面に柔軟剤を介して透水性フィルムを密
着積層してなる場合には、吸湿量が大きくなり、より一
層優れた積層フィルムとすることができる。
【図1】本発明の第1実施例に係る積層フィルムを示す
断面模式図。
断面模式図。
【図2】本発明の第1実施例に係る積層フィルムと一枚
の普通セロハン紙からなるフィルムとの平衡吸湿量を比
較するグラフ。
の普通セロハン紙からなるフィルムとの平衡吸湿量を比
較するグラフ。
【図3】本発明の第2実施例に係る積層フィルムを示す
断面模式図。
断面模式図。
【図4】本発明の積層フィルムを製造する方法を示す概
略説明図。
略説明図。
1 普通セロハン紙 2 柔軟剤 3 透水性フィルム
Claims (4)
- 【請求項1】 普通セロハン紙にセロハン紙の柔軟剤ま
たはその水溶液を塗布し、その上に透水性フィルムを重
ね合わせてなることを特徴とする透明な吸湿性を有する
積層フィルム。 - 【請求項2】 前記透水性フィルムが普通セロハン紙ま
たは完全鹸化ポリビニールアルコール膜であり、前記柔
軟剤がグリセリンであることを特徴とする請求項1記載
の透明な吸湿性を有する積層フィルム。 - 【請求項3】 前記グリセリンの重量が普通セロハン紙
の重量に対して10%から60%である請求項2記載の
透明な吸湿性を有する積層フィルム。 - 【請求項4】 前記普通セロハン紙を複数枚前記柔軟剤
を介して密着積層すると共に最上位の該普通セロハン紙
の上面に前記柔軟剤を介して前記透水性フィルムを密着
積層してなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
1項に記載の透明な吸湿性を有する積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1900295A JPH08207209A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 透明な吸湿性を有する積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1900295A JPH08207209A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 透明な吸湿性を有する積層フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08207209A true JPH08207209A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11987334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1900295A Pending JPH08207209A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 透明な吸湿性を有する積層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08207209A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013166362A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-08-29 | Futamura Chemical Co Ltd | 帯電防止積層セロハンの製造方法 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP1900295A patent/JPH08207209A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013166362A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-08-29 | Futamura Chemical Co Ltd | 帯電防止積層セロハンの製造方法 |
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