JPH08205850A - 日本酒の香味特性による表示方法 - Google Patents

日本酒の香味特性による表示方法

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JPH08205850A
JPH08205850A JP3940595A JP3940595A JPH08205850A JP H08205850 A JPH08205850 A JP H08205850A JP 3940595 A JP3940595 A JP 3940595A JP 3940595 A JP3940595 A JP 3940595A JP H08205850 A JPH08205850 A JP H08205850A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 日本酒の味と香りとを人の実際の感覚と同じ
くなるように表示し、日本酒と料理との間の適切な相性
関係を容易に知ることができるようにする。 【構成】 4本の軸が十字状に直交して設けられ、この
4本の軸はそれぞれ甘み・苦味・酸味・旨味との4種類
の味のレベルと華やかな香り・穏やかな香り・さわやか
な香り・ふくよかな香りとの4種類の香りのレベルとを
とるものであり、人の味覚によって日本酒の4種類の味
と4種類の香りとを4本の軸にとって、次いで味どうし
および香りどうしを線で結んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日本酒を官能テストに
基づいてグラフ化して表示する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本酒は、従来、種々の角度から分類表
示されている。例えば、醸造方法や処理方法による分
類、生産地域による分類、原料米や酵母の種類による分
類などがあげられる。これらの分類は、日本酒のラベル
または裏ラベルに記されている。
【0003】一方、日本酒の味を機器により分析し、そ
の測定数値によって分類表示することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た醸造方法や原料などによって分類した表示だけでは、
日本酒の味や香りの微妙なところを理解することは困難
であるという問題がある。日本酒の味・香りは、他の酒
類例えばワインよりもデリケートで多様である。日本酒
は、その銘柄によりすべて味・香りが異なっているとも
いってもいいすぎではない。
【0005】また、成分分析数値によっても、実際の口
にしたときの味わいとは異なる印象となってしまうこと
が多いという問題がある。
【0006】このように、従来の分類方法によると、日
本酒の分類としては実際口にしたときの印象とは異なる
おそれがあった。そのため、その分類のみを頼った結
果、料理との相性が合わないという問題が生じるおそれ
があった。日本酒の味・香りと料理との間には相性があ
り、相性が良ければ互いに引き立てあう関係にある。
【0007】そこで、本発明の目的は、日本酒の味と香
りとをグラフ化することによって視覚によって容易に理
解可能に表示し、また日本酒の味と香りとを人の実際の
感覚と同じくなるように表示して日本酒と料理との間の
相性関係を容易且つ正確に知ることができる日本酒の香
味特性による表示方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の日本酒の香味特性による表示方法は次のよ
うに構成されている。
【0009】4本の軸が十字状に交差して設けられ、こ
の4本の軸はそれぞれ甘み・苦味・酸味・旨味との4種
類の味のレベルと華やかな香り・穏やかな香り・さわや
かな香り・ふくよかな香りとの4種類の香りのレベルと
をとるものであり、人の味覚および臭覚によって日本酒
の前記4種類の味と4種類の香りとを前記4本の軸にと
って、次いでその味のレベルをとった点どうしおよび香
りのレベルをとった点どうしを線で結んでグラフをつく
る。
【0010】本発明は、日本酒を味と香りとの2つの特
性の観点から分類している。本発明では、味わいを、甘
み・苦味・酸味・旨味の4種類に分ける。また、香り
を、華やかな香り・穏やかな香り・さわやかな香り・ふ
くよかな香りの4種類に分ける。そして、これら4種類
の味わいおよび4種類の香りとを、4本の軸にグラフ化
したものである。
【0011】ここで、味は、舌の上や口中で感じられた
ものである。一方、香りは、鼻から感じられたものであ
る。共に、人間の実際の感覚器官(官能テスト)により
感じ取られたものによってレベル化する。
【0012】「甘み」は、日常親しみのあるもので一例
を挙げるならば、砂糖のような刺激の味である。同様に
「酸味」は、レモンのような刺激の味であり、アミノ酸
などがその元となっている。「苦味」は、カイワレ大根
のような刺激の味であり、ミネラル、カルシウムなどが
その元となっている。しかしながら、「旨味」は、これ
ら甘味、酸味、苦味と異なってそれら甘味、酸味、苦味
を感じた後に感じられる味覚である。
【0013】4種類の香りとは例えば次のようなものを
いう。
【0014】「華やかな香り」は、例えばライチ・メロ
ン・リンゴ・洋なし・バナナなどの果実、ライラック・
スミレ・水せん・山吹・クチナシなどの花、キャンデイ
ーのような香りをいう。
【0015】「さわやかな香り」は、新緑・笹の葉・松
の葉などの葉、レモン・パイナップル・青リンゴ・グレ
ープフルーツなどの果実、香草のような香りをいう。
【0016】「穏やかな香り」は、石、木炭、ひのき、
シダ、ぶな、キャラ、ぜんまい、ふきのとう、スパイ
ス、ミネラル(鉱物)のような香りをいう。
【0017】「ふくよかな香り」は、例えばつきたての
モチ、白玉粉、あずき、大豆、米、生クリーム、マシュ
マロ、ヨーグルト、ビスケット、みつ、くり、くるみ、
しい、落花生、アーモンドのような香りをいう。
【0018】ところで、日本酒と料理との相性を考えて
いく上で、酒と料理双方の味わいを同調させることは当
然である。しかしながら、その一方、香りの特性も重要
であり、酒や料理の持つ香りから与えられる印象によっ
ても相性にかなり差がでる。
【0019】例えば、当該日本酒の華やかな香りが非常
に高ければ、料理に対してはかえってその香りが目立
ち、浮き上がってしまい、料理の風味を損なうことがあ
る。また、日本酒の香りに含まれる果実香に印象づけら
れた果実を料理に添えるか、または料理自体に使用し
て、日本酒の香りと組み合わせるようにしてもよい。同
様に、穏やかな香りとして感じられるスパイシーさを持
つ日本酒に対し、料理にも同様なスパイスを使用するこ
とによって、日本酒と料理との調和が生まれ、互いに香
りによる相乗効果を生じさせるようにしてもよい。この
ように、酒の持つ香りの特性いかんによって、食材や料
理との調和が生まれ、互いに引き立て合うのである。
【0020】したがって、味と香りの印象とを総合的に
考え、料理との相性を理解していくことが肝要となる。
このとき、日本酒だけを味わった時点と、料理と共に味
わった時点の印象とが同一になるとは限らないというこ
とを念頭におく必要がある。
【0021】料理の味わいと香りと日本酒の味わいと香
りとの関係を図7に示した。この図7に示すように、料
理の味と香りと、日本酒の味と香りとは、すべて互いに
影響しあうものである。つまり、日本酒の味と香りとを
人の実際の感覚と一致するように認識できなければ、真
に料理と相性の良い日本酒を知り得ることはできないと
いえる。本発明は、誰でも客観的に日本酒の味と香りと
を人の実際の感覚と一致するように認識できるようにし
たものである。
【0022】製法や原料によって吟醸酒・本醸造酒・生
酒・純米酒などと分類する方法もあるが、例えば同じ吟
醸酒に分類されるからといっても、人間が実際に味臭覚
により感じとった味や香りは大きく異なってくる場合が
ある。これでは、料理との相性の良否をみるための分類
としては適切とはいえない。むしろ、分類を信じたばか
りに、料理との相性が著しく悪くなるおそれすらある。
これに対して、本発明によると、官能に基づいているの
で、このような不都合を大幅に低減できる。
【0023】次に、本発明を用いて通常の製法で得た日
本酒の4種類の典型例モデルを図6に基づいて挙げて示
すものとする。味又は香りのグラフの形状および全体の
大きさ、4軸の内側に形成される三角形の長さ・面積か
ら判断してタイプ別(典型例)に分類した。
【0024】その前に、図5に示すように、今、4軸の
うち縦軸をI軸とIII軸とし、横軸をII軸とIV軸とする。
そして、味については、I軸〜IV軸にそれぞれ甘み・酸
味・苦味・旨味のレベルを示すものとしている。一方、
香りについては、I軸〜IV軸にそれぞれ華やかな香り・
さわやかな香り・穏やかな香り・ふくよかな香りのレベ
ルを示すものとしている。4軸は、それぞれ軸の交点か
ら遠ざかるにつれて、微・低・中・高の4段階のレベル
が目盛りとして示されている。
【0025】次に説明する図6のグラフは、この図5を
用いて作成したモデルの典型例である。
【0026】(i)華やかな香りとさわやかな味わいの
タイプの典型例(図6を参照)
【0027】このタイプは、味の点で、図6(A)に示
すように、縦軸(I軸とIII軸)を基準とすると、左側の
三角形(I軸・II軸・III軸の間に形成された三角形)が
右側の三角形(I軸・IV軸・III軸の間に形成された三角
形)よりも面積が大きいことが特徴である。
【0028】また、香りの点では、図6(B)に示すよ
うに、縦軸(I軸とIII軸)を基準とすると、左側の三角
形(I軸・II軸・III軸の間に形成された三角形)が右側
の三角形(I軸・IV軸・III軸の間に形成された三角形)
よりも面積が大きく、尚且つ左側において上側の三角形
(I軸・II軸の間に形成された三角形)が下側の三角形
(II軸・III軸の間に形成された三角形)より大きいこ
とが特徴である。
【0029】このタイプは、果実や花様の上立ち香が高
く、軽快でさわやかな味わいを有する。
【0030】吟醸酒、大吟醸酒が代表的である。本醸造
酒にも該当するものがある。
【0031】(ii)清そな香りと軽快な味わいのタイプ
の典型例(図6(C)(D)を参照)
【0032】このタイプは、味の点でも香りの点でも、
図6(C)(D)示すように、全体的な四角形の面積が
小さいのが特徴である。
【0033】このタイプは、上立ち香は抑えられている
が、新鮮で軽快な含み香と、滑らかで且つみずみずしい
味わいを有する。
【0034】生酒が代表的である。本醸造酒、純米酒に
も該当するものがある。
【0035】(iii)練れた香りと豊潤な味わいのタイ
プの典型例(図6(E)(F)を参照)
【0036】このタイプは、味の点でも香りの点でも、
図6(E)(F)に示すように、縦軸を基準とすると、
右側の三角形が左側の三角形よりも面積が大きいことが
最大の特徴である。
【0037】また、原則として、(F)図の香り全体が
(E)図の味全体に比べて小さく、味と香りのグラフを
重ねた場合、味全体の四角形の中に香り全体の四角形が
完全に包含される形態となるのも特徴である。(ただ
し、例外的にわずかなものは、味と香りとが一部重なる
よなものもある。)
【0038】このタイプは、落ちついた香りとやや重厚
な良い苦味と旨味を有する。
【0039】純米酒が代表的である。本醸造酒にも該当
するものがある。
【0040】(iv)ふくよかな香りとコクのある味わい
のタイプの典型例(図6(G)(H) を参照)
【0041】香りの点で、図6(H)に示すように、縦
軸を基準とすると、右側の三角形が左側の三角形よりも
面積が大きく、尚且つ右側において下側の三角形(II軸
・III軸の間に形成された三角形)が上側の三角形(II
軸・III軸の間に形成された三角形)より大きいことが
特徴である。
【0042】さらに、味の点でも香りの点でも、図6
(G)(H)に示すように、全体の面積が大きいという
特徴がある。
【0043】尚、右下の領域において、味の線は、香り
の線の内側にあり、香りを超えるようなことはない。
【0044】このタイプは、ナッツ類の香気と、重厚で
ほど良い苦味と後味の良さを有する。
【0045】古酒が代表的である。純米酒の一部にも該
当するものがある。
【0046】本明細書では、記述の便宜上、上述した4
タイプの典型例の日本酒をそれぞれ次のように称するも
のとする。 (i)華やかな香りとさわやかな味わいのタイプ →薫酒 (ii)清そな香りと軽快な味わいのタイプ →爽酒 (iii)練れた香りと豊潤な味わいのタイプ →醇酒 (iv)ふくよかな香りとコクのある味わいのタイプ→熟酒
【0047】これら(i)〜(iv)のタイプに属する日
本酒は、それぞれその味わいと香りに応じた相性の良い
料理がある。勿論、同じタイプの中に属する日本酒で
も、個別のグラフの形態に応じて更に相性の良い料理を
具体的に挙げることができる。
【0048】尚、上述の4軸のうち、縦軸の甘味・はな
やかな香り、苦味・おだやかな香りは、横軸の酸味・さ
わやかな香り、旨味・ふくよかな香りに比べて、変化し
にくい。例えば、日本酒を外気にさらした状態においた
場合、苦味・さわやかな香り、旨味・ふくよかな香り
は、甘味・はなやかな香り、酸味・おだやかな香りに比
べて劣化しやすい。
【0049】また、味と香り、味相互、香り相互の間に
は連動性がある。例えば、ある味が増加すると、それに
伴って外のある味が低減するという関係がある。したが
って、グラフの形態はおのずと限られたものとなり、全
く自由に表れてくるわけではない。
【0050】なお、実際の日本酒は、上述の典型例とは
異なり、どのタイプに属するのか判然としない中間的な
ものが多数あることは勿論である。
【0051】上述のように分類された4タイプの日本酒
の典型例と料理との相性は次のとおりである。
【0052】4タイプの日本酒と料理成分との相性 ・薫酒 魚介類の素材の味を生かすものである。 ・爽酒 赤身肉と比べて魚介類のような動物性旨味が少ない素材
に適している。 ・醇酒 アミノ酸含有量の多い料理に適している。 ・熟酒 油脂の多い肉類、高タンパク質の料理、タンパク質分解
が行われた動物性食材に適している。
【0053】4タイプの日本酒と洋風料理との相性 ・薫酒 4タイプの中で一番香りが強く、全体に華やかな香りと
なるので、相性の良い料理の幅が比較的狭い。魚や野菜
をバターやクリームで味付けしたてものと相性が良い。 ・爽酒 味、香り共に柔らかく、調和がとれているので、料理の
相性範囲が広い。特に、軽い味付け料理や、素材自体に
淡い甘旨を持った料理との相性が良い。 ・熟酒 香りは香ばしさ、乳製品・穀類を感じさせ、味について
は旨味のある適度の酸味と調和のとれた苦味が後味にコ
クを与える。したがって、味にコクのある料理との相性
が良い。 ・醇酒 肉類を素材とする料理、脂肪分の多い濃厚な味の料理と
の相性が良い。すなわち、香りがスパイス香、ナッツ
香、ヨード香など非常に複雑性に富み、全体の味わいの
調和がとれ、旨味濃厚で味わいが濃厚、余韻も長いの
で、濃厚で残存時間が長い味の料理との相性が良い。
【0054】和風料理との相性 ・薫酒 和風料理についても相性の良い料理の幅が狭い。 ・爽酒 素材や味の濃淡を問わず、どの和風料理でも相性が良
い。 ・醇酒 相性範囲が広い。 ・熟酒 4タイプの中でも独特の個性があるので、濃厚な味わ
い、動物性樹脂の多い料理との相性が良い。
【0055】中華料理と相性 4タイプ共に洋風・和風料理に準ずる傾向がある。特
に、醇酒は中華料理と相性が良い。
【0056】尚、これまで4タイプの日本酒と料理との
相性関係を述べてきたが、料理に限らず、ソースとの相
性、飲用時の温度、他の酒類とのカクテルをつくるとき
の相性など種々の場合において、タイプ別に最も合った
ものを見いだすことに適用できる。
【0057】
【作用】本発明によると、日本酒の香味特性をグラフ化
し、視覚によって容易に理解可能に表示する。
【0058】また、味わいおよび香りのレベルによって
形成された形状および全体の大きさ、4本の軸の内側の
領域に形成される三角形の長さ・面積によって日本酒の
香味特性を視覚によって容易に理解可能に表示する。
このようにグラフによって表示された日本酒の味わいお
よび香りの観点から、その日本酒と相性の良い料理を見
いだすものである。
【0059】
【実施例】以下、本発明の日本酒の香味特性の表示方法
の実施例を図1〜4を参照して説明する。
【0060】この例は、味および香りのレベルを共に、
図5に示した4軸上に表したものである。
【0061】この例は、上述した(i)〜(iv)のモデ
ルに属する日本酒の典型例を具体例を挙げて、それぞれ
の味わい・香り・料理との相性理由・料理・飲用温度を
示したものである。グラフの実線は味1を示しており、
点線は香り2を示している。
【0062】(i)華やかな香りとさわやかな味わいの
タイプに属する日本酒の典型例 図1(A)に示した日本酒 味わい:すっきりとしたさわやかさで清涼感のある味わ
い、優しい甘味、新鮮な酸味とわずかな苦味のバランス
が良く取れている。 香り :華やかさとさわやかさとが調和する。 料理との相性理由:さわやかな味わいからは、すっきり
とした清涼感のある料理との相性を考える。 料理例:あゆの背ごし、ふぐの刺身、シーフードサラ
ダ、帆立貝のホイル蒸し、生ガキ 飲用温度:8〜10°C 図1(B)に示した日本酒 味わい:すっきりとしたさわやかさな甘味は、フレッシ
ュ感のある酸味にすぐ包み込まれ、新緑を連想させる清
々しい苦味が新鮮味を与える。 香り :さわやかな印象の香りが華やかな香りを上回
る。 料理との相性理由:清々しい苦味、清々しい香りを料理
にあわせる。 料理例:あゆの塩焼き、アワビのステーキ、山菜(ふき
のとう、タラの芽)の天プラ 飲用温度:10〜12°C
【0063】(ii)清そな香りと軽快な味わいのタイプ
に属する日本酒の典型例 図2(A)に示した日本酒 味わい:軽快で優しい甘味、なめらかな旨味と優しい酸
味とのバランスがとれ、全体的にソフトでなめらかな印
象を与える。 香り :控え目で落ちついた香りにふくよかさと穏やか
さが調和する。 料理との相性理由:軽快で優しい味わいと落ちついた香
りには、シンプルで軽やかな味わいの料理を考える。 料理例:イカソーメン、玉子どうふ、甘海老・帆立貝の
刺身、茶わん蒸し、 野菜のムース 飲用温度:6〜8°C 図2(B)に示した日本酒 味わい:なめらかでスムーズな優しい甘、みずみずしく
すっきりとした酸味、水せりのような優しく繊細な苦味
が調和して、軽快で心地良い印象となる。 香り :ふくよかさと華やかさが上品に調和する。 料理との相性理由:味わいの印象からくる優しくみずみ
ずしい特徴を料理に求める。 料理例:白子酢、里いもや大根の煮物、湯豆腐、イカ・
甘海老の刺身、じゅんさい菜 飲用温度:6〜8°C
【0064】(iii)練れた香りと豊潤な味わいのタイ
プに属する日本酒の典型例 図3(A)に示した日本酒 味わい:クリーミーさを与える甘味と香ばしさとを感じ
させる苦味が同調して豊かさを与える旨味を引き出して
いる力強い味 香り :ふくよかな香り主体 料理との相性理由:クリーミーな味わいとコクを感じさ
せる印象から、料理も乳製品を使用したコクのあるもの
又はみそを使用した料理を考える。 料理例:鶏のクリーム煮、海老のクリームグラタン、さ
ばのみそ煮、みそを使ったなべ物、干しあわびの煮物。 飲用温度:12〜15°C 図3(B)に示した日本酒 味わい:穏やかな甘味と酸味とが調和し、旨味をともな
った心地良い苦味をさらに強調している。 香り :ふくよかな香りと穏やかな香りとが同調してい
る。 料理との相性理由:旨味をともなったコクを感じさせる
印象から料理自体にもコクがあるものを考える。 料理例:ハンバーグステーキ、すき焼き、さわらの西京
焼き、ウナギの白焼き。 飲用温度:10〜12°C 40〜42°C
【0065】(iv)ふくよかな香りとコクのある味わい
のタイプに属する日本酒の典型例 図4(A)に示した日本酒 味わい:ふっくらと丸みがあり、旨味ののった第一印象
から口中に広がるにつれ、際立った苦味がコクとさわや
かさの両方の印象を与える。苦味や強い旨味は後味にも
少なく、余韻はさらさらとした印象を備えている。 香り :複雑性のあるスパイシーな印象で、総合的な香
りは、穏やかさとふくよかさの印象となる。 料理との相性理由:スパイシーな風味、深みのある酸が
特徴の味わいから、 淡泊な肉類などにスパイ
シーな味付けをした料理などを考える。 料理例:豚肉のオイスターソースいため、鶏の唐揚げ、
ハンバーグステーキ、豚の角煮、焼肉 飲用温度:12〜20°C 35〜40°C 図4(B)に示した日本酒 味わい:第一印象からアルコールによる熱い広がりがあ
り、その中に次第に甘味、酸味、旨味、苦味の順に口中
にコクを増長させていく。 香り :複雑なふくよかさを与える香りが主となり、穏
やかな印象が加わる強い印象の香り 料理との相性理由:コクのある肉料理や味付けの濃い魚
料理を考える。 料理例:うなぎのかば焼き、ぶりの照焼き、すき焼き、
焼き鳥(タレ焼き) 、子羊のロースト 飲用温度:15〜20°C 40°C前後
【0066】なお、本発明は、上述の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形例が実施可能である。
【0067】例えば、上記実施例のようなタイプ別分類
の典型例ではなく、その中間タイプに属するものも多数
あるが、それについても本発明に包含される。
【0068】また、上記実施例では通常の製法による日
本酒のグラフを示したたが、これに限らず、通常の製法
以外の日本酒をもグラフ化でき、その味香り特性を容易
に知ることができる。例えば、図8に示すものは、図示
から明らかなように、高酸味酒であり、酸味のある焼ち
ゅう麹を使用したりするなど種々の製法により得られ
る。また、図9に示すものは、甘味が顕著に突出してい
る。仕込み水の一部又は全部に清酒を使用して得られた
ものである。
【0069】また、図1〜図4に挙げたグラフでは、
「甘み」・「苦味」・「酸味」・「旨味」、「華やかな
香り」・「穏やかな香り」・「さわやかな香り」・「ふ
くよかな香り」と記述したが、これに限らず、実質的に
同一意味ならば他の言葉に置き換えてもよく、文字以外
に記号などに置き換えてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明した本発明の日本酒の香味特性
による表示方法によると次のような効果を奏する。
【0071】4軸に人の味覚および臭覚によって日本酒
の4種類の味と4種類の香りとをとった点どうしを線で
結んでグラフをつくって表示したので、日本酒の香味特
性を視覚によって容易に理解可能に表示できる。また、
このグラフの形態・大きさから判断して味わいと香りの
印象とを総合的に認識し、しかも人の実際の感覚に合っ
た日本酒と料理との間の適切な相性関係を明瞭・容易に
知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の日本酒の香味特性による表示方法の実
施例1,2を示すグラフで、(A)(B)共に華やかな
香りとさわやかな味わいのタイプの典型例を示してい
る。
【図2】本発明の日本酒の香味特性の表示方法の実施例
3,4を示す図で、(A)(B)共に清そな香りと軽快
な味わいのタイプの典型例を示している。
【図3】本発明の日本酒の香味特性の表示方法の実施例
5,6を示す図で、(A)(B)共に練れた香りと豊潤
な味わいのタイプの典型例を示している。
【図4】本発明の日本酒の香味特性の表示方法の実施例
7,8を示す図で、(A)(B)共にふくよかな香りと
コクのある味わいのタイプの典型例を示している。
【図5】本発明の4軸の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の分類方法による味・香り別のモデル化
したものの典型例のグラフであり、(A)(B)はそれ
ぞれ華やかな香りとさわやかな味わいのタイプの味・香
りのモデルの典型例、(C)(D)はそれぞれ清そな香
りと軽快な味わいのタイプの味・香りの典型例、(E)
(F)はそれぞれ練れた香りと豊潤な味わいのタイプの
味・香りのモデルの典型例、(G)(H)はそれぞれふ
くよかな香りとコクのある味わいのタイプの味・香りの
モデルの典型例を示している。
【図7】料理の味わいと香りと、日本酒の味わいと香り
との関係を示す説明図である。
【図8】特殊な製法による日本酒の香味特性グラフであ
る。
【図9】特殊な製法による日本酒の香味特性グラフであ
る。
【符号の説明】
1 味 2 香り

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4本の軸が十字状に交差して設けられ、
    この4本の軸はそれぞれ甘み・苦味・酸味・旨味との4
    種類の味のレベルと華やかな香り・穏やかな香り・さわ
    やかな香り・ふくよかな香りとの4種類の香りのレベル
    とをとるものであり、人の味覚および臭覚によって日本
    酒の前記4種類の味と4種類の香りとを前記4本の軸に
    とって、次いでその味のレベルをとった点どうしおよび
    香りのレベルをとった点どうしを線で結んでグラフをつ
    くって日本酒を表示することを特徴とする日本酒の香味
    特性による表示方法。
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