JPH081979Y2

JPH081979Y2 - 農作業車のバッテリ支持構造

Info

Publication number: JPH081979Y2
Application number: JP1989064456U
Authority: JP
Inventors: 孝司野村; 秀剛水谷; 宏西川
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1989-05-31
Filing date: 1989-05-31
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2004-05-31
Also published as: JPH032849U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、例えば歩行型耕耘機等の農作業車のバッテ
リ支持構造に関し、詳しくは、一側部のみ開放され内奥
に入り込んだ状態の限られた空間にバッテリを収納する
場合における農作業車のバッテリ支持構造に関する。

〔従来の技術〕

上記バッテリ支持構造において、従来では、例えば、
実開昭61-205842号公報に開示されているように、機体
に対して着脱自在なバッテリ受け台にバッテリを載置
し、バッテリの上縁角部に接当する支持部材の両端と前
記バッテリ受け台との間に一対の長尺ボルトを架設連結
してナットで締付けて固定した状態で、機体側に固定し
てある支持台上をスライド移動させ、バッテリ受け台と
前記支持台とをボルト連結する構造のものがあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記引例の構造では、例えばバッテリを着
脱させる際には、前記支持台とバッテリ受け台との連結
を解除して受け台と共にバッテリを抜き出し、更に一対
の長尺ボルトによる締付けを解除させる必要があり、し
かも、バッテリを取付ける際にも上記した作業と逆の手
順により作業しなければならず、煩雑しい手間がかかる
問題があった。又、部品点数が多く構造が複雑となる欠
点もあった。

本考案は、合理的構造改良により、上記した不具合点
を解消することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、一端が機体外側に臨むバッテリ
載置台の機体内奥側の他端に固定状態で立設された縦壁
から機体外方側に向けてバッテリの上縁角部に接当する
断面Ｌ字形の支持部材を片持ち状に固設延出するととも
に、前記支持部材の外方側縁部とバッテリ載置台との間
において、バッテリの対角線上に締付け固定用長尺ボル
トを取外し自在に架設連結し、かつ、前記バッテリ載置
台の一端側に蓋体を設け、かつ、該蓋体と、前記支持部
材の端部とに蓋体を閉じ姿勢で固定及び固定解除自在に
固定手段を設けてある点にあり、その作用・効果は次の
通りである。

〔作用〕

つまり、バッテリを交換等のために機体から取外す場
合には、バッテリ載置台側を閉止している蓋体の支持部
材への固定を解除して蓋体を開放した後、長尺ボルトに
よる締付けを解除して、該長尺ボルトをバッテリ通過経
路から退避させて、そのままバッテリをバッテリ載置台
に沿って抜き出すだけの作業で済む。又、バッテリ装着
の際には、バッテリを前記バッテリ載置台に沿ってスラ
イド収納させて、前記長尺ボルトによる締付けを行い、
その後、バッテリ載置台側を開放させる状態にした蓋体
を閉止状態にしてその蓋体を固定手段で固定するだけで
よい。このとき、長尺ボルトを締付けると前記縦壁及び
この縦壁から片持ち状に一体的に延設した支持部材がわ
ずかに撓んでバッテリを締付保持することになる。又、
バッテリ載置台、縦壁及び支持部材を一体的に構成でき
ているので、予めこれらをユニットとして製造してから
それらを機体に装備できるものとなっている。

〔考案の効果〕

従って、本考案によれば、バッテリを確実に収納支持
することができるものでありながら、バッテリ着脱作業
を簡単な作業で行うことができて、従来構造における支
持台とバッテリ受け台とを兼用できるとともに、バッテ
リをスライドして収納や抜き出しできることによりバッ
テリを設置する労力を軽減でき、又、蓋体によりバッテ
リ載置箇所の閉止も行えるとともに、締付け用長尺ボル
トが片側のみとなり、さらにバッテリ保持用の支持部材
を蓋体の閉止状態での固定を行う手段にも利用している
ので、部品点数が削減できて構造の簡素化が図れる。そ
の上、バッテリ載置台、縦壁及び支持部材を一体的に構
成できているので、予めこれらをユニットとして製造し
てからそれらを機体に装備できるので、それらの組付作
業も簡易迅速に行えるに至った。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第３図に本考案に係る農作業車の一例である歩行型耕
耘機を示している。この耕耘機は、左右一対の車輪
（１），（１）を支承した機体フレーム兼用のミッショ
ンケース（２）の前部側にエンジン搭載フレーム（３）
を連結固定し、該フレーム（３）上にディーゼルエンジ
ン（４）を搭載するとともに、ミッションケース（２）
の後上部に連結固定したハンドルフレーム（５）を介し
てループ状の操縦ハンドル（６）を後方上方に向けて延
設し、ミッションケース（２）の後方には、ミッション
ケース（２）に連結したヒッチ（７）を介してロータリ
耕耘作業装置（８）を着脱自在に連結して構成してあ
る。

エンジン（４）に燃焼用空気を供給するための湿式の
エアークリーナ（９）を、ミッションケース（２）の右
横側部に支持部材（10）を介して取付支持してある。つ
まり、第４図及び第５図に示すように、ミッションケー
ス（２）の横外側壁に複数の取付け用ボス部（11）を形
成するとともに、平面視コの字形に屈曲成形した支持部
材（10）の固定支持部（10a）を取付け用うボス部（1
1）にボルト固定し、固定支持部（10a）から外方側に片
持ち延設した取付部（10b）に前記エアークリーナ
（９）を取付けてある。

そして、ディーゼルエンジン（４）に代えて、ガソリ
ンエンジン（図示せず）を搭載する場合には、エンジン
自体がやや小型であるために、エアークリーナ（９）は
ガソリンエンジンに直接取付けることが可能であり、こ
の場合には、上記したようなミッションケース（２）の
右横側部には、第６図に示すように、ミッションケース
（２）上方の隙間に外物が侵入しないようカバー部材
（12）を付設する。カバー部材（12）には、下縁部に切
欠き（13）を形成してあり、エアークリーナ取付け用ボ
ス部（11）を切欠き（13）に係合させて取付時の位置合
わせを行えるよう構成してある。

そして、機体の左側部において、エンジン（４）、ミ
ッションケース（２）及び上方の燃料タンク（14）によ
って囲まれた領域にバッテリ（15）を収納してある。

次にバッテリ（15）の支持構造について詳述する。第
１図及び第２図に示すように、エンジン支持フレーム
（３）から立上延設したバッテリ支持台（16）の上部に
バッテリ（15）を機体横側内外方向にスライド移動自在
に載置収納するバッテリ載置台（17）をボルト固定する
とともに、バッテリ載置台（17）の機体内奥側端部から
縦壁（18）を一体的に立上延設してある。バッテリ載置
台（17）は、前後端縁部はＬ字形に屈曲立上成形してバ
ッテリ（15）の前後方向への移動規制を図りながら内外
方向に沿うスライド移動を許容するよう構成してある。
そして、縦壁（18）からバッテリ（15）の上縁角部に略
沿う状態で機体外方側に向けて支持部材（19）を片持ち
状に固設延出してある。支持部材（19）はバッテリ（1
5）の角部外面に沿うよう断面Ｌ字形に成形してある。

支持部材（19）の外方側端部とバッテリ載置台（17）
との間において、バッテリ（15）の対角線上に締付け固
定用の長尺ボルト（20）を取外し自在に架設連結してあ
る。

つまり、長尺ボルト（20）は一端部をＬ字形に屈曲成
形して引掛け係合部（21）を構成し、係合部（21）を、
バッテリ載置台（17）における支持部材（19）の対角線
上位置に形成した係合孔（22）に引掛け係合させてあ
る。又、長尺ボルト（20）の他端部は支持部材（19）を
貫通して外方側から締付ナット（23）を螺合してある。

又、バッテリ載置台（17）の外方側端部には前後軸芯
（Ｐ）周りで揺動開閉自在な蓋体（24）を枢支してあ
る。この蓋体（24）は縦姿勢の閉じ状態において、バッ
テリ（15）の横側全域を覆うよう構成してあり、中央よ
りも少し上方寄りの箇所に、バッテリ（15）内部の電解
液の量を外部から目視するための透孔（25）を形成して
ある。蓋体（24）は閉じ姿勢において、把手付きボルト
（26）で固定できるよう構成し、このボルト（26）は支
持部材（19）に固着したブラケット（27）に形成したネ
ジ孔に螺着するよう構成してある。又、蓋体（24）の開
姿勢においては、車輪フェンダ（28）上に接当してバッ
テリ載置台（17）と略面一となる位置で姿勢保持できる
ようにして、バッテリ（15）のスライド出退を行い易く
するよう考慮してある。ここで、把手付きボルト（2
6）、支持部材（19）のブラケット（27）等は蓋体（2
4）の固定手段を構成している。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農作業車のバッテリ支持構造の実施
例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は縦断背面図、
第３図は歩行型耕耘機の全体側面図、第４図はエアーク
リーナ配設部の側面図、第５図はエアークリーナ配設部
の正面図、第６図はカバー部材取付部の側面図である。（15）……バッテリ、（17）……バッテリ載置台、（1
8）……縦壁、（19）……支持部材、（20）……長尺ボ
ルト、（24）……蓋体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一端が機体外側に臨むバッテリ載置台（1
7）の機体内奥側の他端に固定状態で立設された縦壁（1
8）から機体外方側に向けてバッテリ（15）の上縁角部
に接当する断面Ｌ字形の支持部材（19）を片持ち状に固
設延出するとともに、前記支持部材（19）の外方側縁部
とバッテリ載置台（17）との間において、バッテリ（1
5）の対角線上に締付け固定用長尺ボルト（20）を取外
し自在に架設連結し、かつ、前記バッテリ載置台（17）
の一端側に蓋体（24）を設け、かつ、該蓋体（24）と、
前記支持部材（19）の端部とに蓋体（24）を閉じ姿勢で
固定及び固定解除自在に固定手段を設けてある農作業車
のバッテリ支持構造。