JPH0125074Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２つの後車輪を有する車両の工具箱
取付装置に関するものである。

一般に横方向に間隔をあけて並列配置される２
つの後車輪と、それらの後車輪上をそれらを跨い
で被覆するリヤフエンダとを備えた三輪車等の車
両において、従来では工具箱はリヤフエンダ、あ
るいはその上のシートの裏面に取付けるようにし
ているが、リヤフエンダ、あるいはシートを分離
した後、工具箱内の工具を取出すようにしてお
り、その作業が面倒であるばかりでなく、また工
具箱が車体後部の有効空間を占有し、これにより
他の部品のレイアウトや取付けに少なからず制約
を与える等の不都合があつた。

また上記車両において特に、リヤフエンダの左
右中間部に載置されるシートをロツクし得るロツ
ク機構の係脱用操作レバーを、シート直下のリヤ
フエンダに固着した支持ブラケツトに揺動可能に
取付けるようにしたものも従来公知であるが、そ
のようなものにおいて操作レバーの車両後方から
の操作性を高めるために該レバーの先部を支持ブ
ラケツトの後端面から後方へ長く突出させた場合
には、その突出したレバー先部が他物と衝接し易
くなるという不都合があつた。

そこで本考案は、上記従来装置の不都合を全て
解決し得る、２つの後車輪を有する車両の工具箱
取付装置を提供することを目的とする。

そして上記目的を達成するために本考案は、横
方向に間隔をあけて並列配置される２つの後車輪
を被覆するリヤフエンダの左右中間部にシートを
載置し、このシートをロツクし得るロツク機構の
係脱用操作レバーを、前記シート直下のリヤフエ
ンダに固着した支持ブラケツトに揺動可能に取付
けてなる、２つの後車輪を有する車両において、
前記操作レバーを、その先部が前記支持ブラケツ
トの後端面より後方に突出するように配設し、そ
の操作レバーの前記先部を上方より覆い且つ前記
両後車輪間に配置される工具箱の一端部をリヤフ
エンダの、前記支持ブラケツトよりも後方に延び
る後端部に係止し、さらにその工具箱の他端部を
前記支持ブラケツトの後端面に着脱可能に接合し
たことを特徴とする。

以下、図面により本考案を三輪車に実施した場
合の実施例について説明する。

三輪車の横方向に間隔をあけて並列配置される
後車輪１，１上には、それらを跨いで被覆する幅
広のリヤフエンダ２が配設され、このリヤフエン
ダ２の左右中間部にシート３が載置される。

前記シート３の直下においてリヤフエンダ２の
略水平な後部には、支持ブラケツトとしてのリヤ
ヒンジブラケツト４が固着され、この支持ブラケ
ツト４には、前記シート３をロツクするための公
知のロツク機構（図示せず）の係脱用操作レバー
５が左右に揺動可能に枢支９されており、この操
作レバー５の先部は、前記ブラケツト４の後端壁
に穿設した案内孔６を通して後方に長く突出さ
れ、その端部に握り７が固着されている。而して
このブラケツト４の後端壁の下端部には、後述す
る工具箱８の取付用の左右一対のねじ孔１０，１
０が案内孔６を挟んで穿設されている。

リヤフエンダ２は、リヤヒンジブラケツト４よ
りも後方に延びる後上りの傾斜後端縁２ａを有し
ており、後車輪１，１間において、前記傾斜後端
縁２ａの背面には、一対の係止舌片１１，１１を
上向きに起立した係止部材１２が固着される。

三輪車の工具箱８は横断面三角形状に形成さ
れ、その開口端面の周囲はフランジ片８ａによつ
て縁取りされている。

前記工具箱８の底面上側縁には、前記係止舌片
１１，１１に係合される一対の係合孔１３，１３
が穿設され、また前記フランジ片８ａの下縁に
は、前記ねじ孔１０，１０に対応する切欠孔１
４，１４が形成されている。

いま前記工具箱８を取付けるには、該箱８の一
対の係合孔１３，１３をリヤフエンダ２側の係止
舌片１１，１１に係合した後、その工具箱８を下
方に回動すれば、前記切欠孔１４，１４とねじ孔
１０，１０とが符合するので、切欠孔１４，１４
を通して蝶ねじ１５，１５をねじ孔１０，１０に
螺着すれば、第２図に示すようにリヤフエンダ２
の傾斜後端縁の背面左右中央部に工具箱８を堅固
に固着することができる。而してこの工具箱８
は、その取付状態では前記操作レバー７の先部を
上方より覆うものである。

また蝶ねじ１５を離脱した後係合孔１３，１３
を係止舌片１１，１１より抜取れば、工具箱８を
リヤフエンダ２から取外すことができる。

以上のように本考案によれば、横方向に間隔を
あけて並列配置される２つの後車輪を覆うリヤフ
エンダの左右中間部にシートを載置し、このシー
トをリヤフエンダに係脱し得るロツク機構の係脱
用操作レバーを、前記シート直下のリヤフエンダ
に固着した支持ブラケツトに揺動可能に取付けて
なる、２つの後車輪を有する車両において、前記
操作レバーを、その先部が前記支持ブラケツトの
後端面より後方に突出するように配設したので、
操作レバーに操作者の手が届き易くなり、従つて
車両後方からの操作レバーに対する操作性が向上
する。

また前記操作レバーの前記先部を上方より覆い
且つ前記両後車輪間に配置される工具箱の一端部
をリヤフエンダの、前記支持ブラケツトよりも後
方に延びる後端部に係止し、さらにその工具箱の
他端部を前記支持ブラケツトの後端面に着脱可能
に接合したので、操作レバー先部が支持ブラケツ
トの後端面より後方へ長く突出しても、それを工
具箱で上方より覆うことができて、該操作レバー
先部と他物との衝接、ひいてはその衝接に因るレ
バー及び他物双方の変形破損の防止に効果的であ
る。しかもその操作レバー用支持ブラケツトの後
端面に他端部が接合される前記工具箱は、リヤフ
エンダへの取付状態では該支持ブラケツトを効果
的に補強することができる。さらに前記工具箱の
一端部はリヤフエンダ後端縁の背面に単に係止さ
れるだけであるから、着脱作業が容易である上、
その作業の際してリヤフエンダやシートを特別に
分離する必要はなく、従つて作業能率の向上に寄
与し得る。さらにまた前記２つの後車輪間の死空
間を利用してリヤフエンダに工具箱を設置するこ
とができるから、その設置のために他の部品のレ
イアウトや取付に制約を与えることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すもので、第
１図は本考案装置を備えた三輪車の後部斜視図、
第２図は本考案装置の側面図である。 １……後車輪、２……リヤフエンダ、２ａ……
傾斜後端縁、４……支持ブラケツトとしてのリヤ
ヒンジブラケツト、５……操作レバー、８……工
具箱、１２……係止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横方向に間隔をあけて並列配置される２つの後
   車輪１，１を被覆するリヤフエンダ２の左右中間
   部にシート３を載置し、このシート３をロツクし
   得るロツク機構の係脱用操作レバー５を、前記シ
   ート３直下のリヤフエンダ２に固着した支持ブラ
   ケツト４に揺動可能に取付けてなる、２つの後車
   輪を有する車両において、前記操作レバー５を、
   その先部が前記支持ブラケツト４の後端面より後
   方に突出するように配設し、その操作レバー５の
   前記先部を上方より覆い且つ前記両後車輪１，１
   間に配置される工具箱８の一端部をリヤフエンダ
   ２の、前記支持ブラケツト４よりも後方に延びる
   後端部に係脱可能に係止し、さらにその工具箱８
   の他端部を前記支持ブラケツト４の後端面に着脱
   可能に接合したことを特徴とする、２つの後車輪
   を有する車両の工具箱取付装置。