JPH08196627A - 細胞選択フィルター用固定基 - Google Patents

細胞選択フィルター用固定基

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Publication number
JPH08196627A
JPH08196627A JP7027739A JP2773995A JPH08196627A JP H08196627 A JPH08196627 A JP H08196627A JP 7027739 A JP7027739 A JP 7027739A JP 2773995 A JP2773995 A JP 2773995A JP H08196627 A JPH08196627 A JP H08196627A
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JP
Japan
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group
aromatic ring
halogen
fixing group
selective filter
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Application number
JP7027739A
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Inventor
Hirokazu Onodera
博和 小野寺
Jiyunsuke Suemitsu
淳輔 末光
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Publication date
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Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 血液等の多細胞浮遊液中の特定の被固定基を
簡便に、安定に、高密度で、低コストで、大量に固定で
きる固定基を提供する。更に、この固定基をフィルター
等に固定し、入口と出口を有する容器に充填し、血液の
体外循環等で用いる。 【構成】 少なくとも芳香族環及び/またはオレフィン
鎖を有し、この芳香族環及び/またはオレフィン鎖に、
カルボニル炭素のα位の炭素及び/またはβ位に位置す
る炭素に少なくとも2つ以上のハロゲン或いはハロゲン
類似置換基が結合されてなることを特徴とする細胞選択
フィルター用固定基。好ましい具体例としては、下記の
ものがあげられる。少なくとも芳香族環を有し、この芳
香族環に下記一般式(1)または(2)で示される構造
が化学的に結合していることを特徴とする細胞選択フィ
ルター用固定基。 【化3】 上式中、R1 は水素またはアルキル基、R2 はハロゲ
ン、R3 はハロゲンまたはハロゲン化炭化水素基であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗体、ペプチド、オリ
ゴペプチド、アミノ酸など末端に活性水素を有するアミ
ノ基を有する化合物を容易に化学的に結合するための固
定基を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】近年、輸血分野において、輸血時の血液
から白血球を除去する技術が発達している。ここでは、
白血球すべてを無差別に高い確率で除去することが、G
VHD等輸血時の副作用を防止するために有用とされて
いる。また、治療の分野においても、白血球または顆粒
球を除去する装置が用いられ、現在実用化されており、
リウマチ等の自己免疫疾患の治療において有効な手段と
なっている。この場合、すべての白血球を除去するた
め、細胞の選択除去は行われていない。更に細胞分離技
術においても、T細胞とB細胞を分離する技術において
は、ナイロンウール等を用いたものが開発されており、
既に用いられている。一方、近年モノクロナール抗体を
用いた細胞分離技術が発達し、免疫学、細胞生物学、血
液学の分野で広範囲に用いられている。細胞分離技術を
用いて、血液等の細胞浮遊液より目的細胞のみを分離採
取し、活性化、増殖等種々の操作を施し、輸注する等の
操作が行われている。この一例として、自家骨髄移植に
おける造血幹細胞及び/または造血前駆細胞の選択採取
がある。これは、大量の抗ガン剤及び/または放射線療
法の副作用である骨髄荒廃により致死的造血障害を、凍
結保存していた骨髄液等から採取した造血幹細胞を再輸
注することで回避する手段がとられており、その有効性
が確認されている。ところが、ガン患者の骨髄にはガン
細胞が浸潤しており、これを再輸血することで再発等の
可能性も否定できない。また、同種骨髄移植、または同
種末梢血移植においても、目的とする造血幹細胞のみを
移植することが、移植片対宿主病等の副作用を予防する
観点より重要な手段となってきた。これら造血幹細胞及
び/または造血前駆細胞の選択的採取に現在用いられて
いる細胞分離器具としては、抗体結合フラスコ、磁気ビ
ーズ、アビジン−ビオチンカラム等があるが(Hema
topoitic Stem Cell,AlphaM
ed Press,1994,186−187)、造血
幹細胞及び/または造血前駆細胞の回収率及び純度が十
分なものではなかった。この理由として、ビーズ、フラ
スコ等は表面積が小さく、大量の細胞を処理する場合、
巨大な器具が必要となり、このため被特異的な細胞の吸
着を引き起こす為である。また、被固定物質の結合条件
が過酷であったり、結合点が少なく、固定量が充分で無
いため、これまで充分なものは無かった。一方、特公平
5−71603号公報においては、芳香環に、活性なハ
ロゲンが1つある繊維が開示されているが、結合点が一
点と少ない為、充分な結合能力とはいえない。また、特
開平2−261833号公報においては、透明なポリス
チレンに活性なハロゲンあるいは疑似ハロゲンを固定し
た表面が開示されているが、透明なポリスチレンに限定
されており、さらには結合点が1つであることより充分
な物ではなかった。また、特開平6−218051号公
報に、表面にエポキシ基を有する不織布にペプチドを固
定した細胞捕集材が開示されているが、ペプチドをエポ
キシを用いて固定するため、固定時に高いあるいは低い
pH条件下で固定化を行うため被固定物に対して過酷な
条件を与えるため好ましくない。更に固定点が分散する
ため、高密度で被固定物質を固定することは出来ないた
め、充分な固定能力であるとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、被固定基
を簡便に、安定に、高密度で、低コストで、大量に固定
できる不織布は現在ない。従って、本発明は被固定基を
簡便に、安定に、高密度で、低コストで、大量に固定で
きる固定基を提供することにある。更に、これをフィル
ター等に固定し、入口と出口を有する容器に充填し、被
固定基を固定し、体外循環等で、簡便に用いることもで
きる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、固定基が少なくとも芳香族環及び/またはオレ
フィン鎖を有し、この芳香族環及び/またはオレフィン
鎖に、カルボニル炭素のα位の炭素及び/またはβ位に
位置する炭素に少なくとも2つ以上のハロゲン或いはハ
ロゲン類似置換基が結合している時課題を達成できるこ
とが解った。また、被固定基の固定の容易さ或いは固定
密度の点で好ましくは、少なくとも芳香族環を有し、こ
の芳香族環に下記一般式(1)または(2)で示される
構造が化学的に結合していることを特徴とする固定基が
課題を達成できることが解った。
【0005】
【化2】
【0006】上式中、R1 は水素またはアルキル基で、
アルキル基には特に限定はないが、好ましくは水素或い
はn=1〜10の炭素数であるアルキル基である時、非
特異的な吸着を抑制できることより好ましい。R2 はハ
ロゲン原子であれば特に限定はないが、好ましくは臭
素、塩素、ヨウ素、フッ素のとき良好な置換反応ができ
好ましい。R3 はハロゲンまたはハロゲン化炭化水素基
で特に限定はないが、ハロゲン化炭化水素の時、β位に
ハロゲンがある時、良好な置換反応ができ特に好まし
い。また、この時のハロゲン化炭化水素は、炭素数n=
1以上であれば特に限定はなく、非吸着物質に併せて親
疎水性を調節することもできる。本発明の固定基に用い
るトリハロアセトアミノメチル化剤としては、N−ヒド
ロキシメチルトリクロロアセトアミド、N−ヒドロキシ
メチルトリフルオロアセトアミド、N−ヒドロキシメチ
ルトリブロモアセトアミド、N−ヒドロキシメチルトリ
ヨードアセトアミド等が良好に用いられる。また、ジハ
ロアセトアミノメチル化剤としては、N−ヒドロキシメ
チルジクロロアセトアミド、N−ヒドロキシメチルジフ
ルオロアセトアミド、N−ヒドロキシメチルジブロモア
セトアミド、N−ヒドロキシメチルジヨードアセトアミ
ド、N−ヒドロキシメチル−α、β−ジクロロポロピオ
ンアミド、N−ヒドロキシメチル−α、β−ジフルオロ
プロピオンアミド、N−ヒドロキシメチル−α、β−ジ
ブロモプロピオンアミド、N−ヒドロキシメチル−α、
β−ジヨードプロピオンアミド等が良好に用いられるが
これに限定されるものではない。中でも、経済性及び安
定性の面から好ましくは、N−ヒドロキシメチルトリブ
ロモアセトアミド、N−ヒドロキシメチルトリヨードア
セトアミド、N−ヒドロキシメチル−α、β−ジブロモ
プロピオンアミド等が良好に用いられる。不織布中に導
入されたフルオロ基、クロロ基は固定基固定後の基材を
ヨウ化カリウム或いは臭化カリウムの溶液で処理するこ
とで容易にヨウ素基或いは臭素基に変換できる。本発明
の不織布の製造に用いられる酸触媒としては、強酸特に
プロトン酸であれば何れのものでもよいが、敢えて例を
挙げるとトリフルオロメタン、メタン、ベンゼン、トル
エン、各スルホン酸の如き有機スルホン酸及び硫酸、塩
化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化スズ等のフリーデル
・クラフツ触媒等が良好に用いられる。中での反応性の
点で、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン
酸が良好に用いられる。酸触媒の量は、ハロアセトアミ
ノメチル化剤の1倍モル以上であれば良好に用いられる
が、膨潤剤等の量により適宜至適使用量を変化しても良
好に用いられる。更に、本発明のフィルター材料用不織
布として用いる膨潤剤としては、直鎖及び/または架橋
ポリビニル芳香族化合物に対する膨潤作用を有し、且
つ、ハロアミドメチル化剤及び酸触媒に対する溶解性を
有する不活性溶媒であれば何れでも良いが、ニトロプロ
パン等のニトロアルカン、1、2−ジクロロエタン等の
塩素化炭化水素、スルホラン、ジメチルスルホキシド等
の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。これらは別
々に、もしくは、互いに混合して用いることができる。
【0007】不織布 更に、本発明の固定基は公知の方法で不織布に固定し、
フィルター材料用不織布として用いることもできる。こ
の基材となる不織布は公知の何れの方法で製造されるも
のでも良く、具体的に例を挙げるとメルトブロー法やフ
ラッシュ紡糸、短繊維を相互に絡ませるニードルパンチ
法、繊維を形成させると同時に不織布を製造するスパン
ボンド法、或いは溶融紡糸により成型した短繊維をシー
ト状のウエブに広げ、このウエブをポリアクリル酸エス
テルエマルジョン或いは合成ゴムラテックス等の接着材
を使用して接合する方法等の方法が挙げられる。この様
にして製造された不織布は、そのまま用いることも出来
るが、更にプレス圧縮や熱収縮、適当な液体による処理
等の2次加工を施しても、良好に使用することが出来
る。
【0008】不織布の材質 本発明で用いるフィルターの材料は、活性水素を殆ど有
せず水不溶性であれば如何なる材質も使用可能である
が、例を示すと、ポリスチレン、ポリアルキルスチレ
ン、ポリアルコキシスチレン、ポリ安息香酸エステル、
ポリハロゲン化スチレン、ポリビニルナフタレン、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルフェナントレン等のポリスチ
レン誘導体またはポリ芳香族置換エチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチ
レン等のポリオレフィン、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート等のメタクリル酸誘導体を重合してな
る高分子化合物、メチルアクリレート、エチルメタクリ
レート等のメタクリル酸誘導体を重合してなる高分子化
合物、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリビニルホ
ルマール、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリ
カーボネート等の合成高分子化合物で、上記高分子化合
物の単量体の単独重合体、共重合体、ブロック重合体及
び上記高分子化合物のブレンド及びアロイ化したものを
含むものや、セルロース及び/またはその誘導体の再生
繊維及び上記に示した合成高分子化合物とのブレンド、
アロイ化したものを含むものなどが挙げられる。更に上
記の基材に芳香族環を公知の方法で新たに導入しても良
好なものが得られる。上記の内、フィルターへの成形
性、滅菌における安定性等から好ましい例を挙げると、
ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リビニルホルマール、ポリスルホン、ポリビニルアセタ
ール、ポリカーボネート等の合成高分子化合物で、上記
高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合体、ブロッ
ク重合体及び上記高分子化合物のブレンド及びアロイ化
したものを含むものや、セルロース誘導体等の再生繊維
及び上記に示した合成高分子化合物とのブレンド、アロ
イ化したものを含むものなどが挙げられる。
【0009】芳香族環導入用修飾材 本発明に用いる芳香族環導入用の修飾材は、芳香族環の
末端に反応性の置換基を有するものであれば何れの構造
体でも用いることが出来るが、好ましくは、スチレン及
びその誘導体の様にビニル基を有する構造体、アクリル
酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル等のベンジル基等の
芳香族環を有するアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体
等があるががこれに限定されるものではない。またこれ
らのモノマーを重合したポリマー或いはオリゴマーもこ
の表面修飾材として良好に用いることができる。
【0010】親水性表面構造材 本発明に用いる固定基は、表面に親水性を付与する親水
性表面構造材とともに良好に用いることができる。親水
性表面構造材とは、親水性を有する無定型の構造体で、
基材に結合する事によって、表面に安定に存在する構造
材を指し、その構成要素に、細胞が存在するとき、その
非特異吸着を防止するために、有効に働く。更にこの親
水性表面構造材は、血液中の蛋白の吸着を少なくできる
点より、親水性基を有することが好ましい。
【0011】修飾方法 これらの表面への結合は、何れの方法によっても可能で
あるが、例を挙げると、共有結合、イオン結合、疎水結
合等が挙げられる。結合方法は、放射線グラフト、コー
ティング等何れの方法を用いても良好である。
【0012】親水性を付与する官能基の例を示すと、繰
り返し単位が2から100のポリエチレングリコール
鎖、水酸基、アミド基、エーテル基、エステル基がそれ
に該当する。但し、ポリエチレングリコール鎖と水酸基
は結合していても、別に存在しても良い。親水性を付与
するポリエチレングリコール鎖を有するモノマーの例を
挙げると、メトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、
メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メ
トキシペンタエチレングリコールメタクリレート、メト
キシヘキサエチレングリコールメタクリレート、メトキ
シヘプタエチレングリコールメタクリレート、メトキシ
オクタエチレングリコールメタクリレート、メトキシノ
ナエチレングリコールメタクリレート、メトキシデカエ
チレングリコールメタクリレート、メトキシウンデカエ
チレングリコールメタクリレート、メトキシドデカエチ
レングリコールメタクリレート、メトキシトリデカエチ
レングリコールメタクリレート、メトキシテトラデカエ
チレングリコールメタクリレート、メトキシペンタデカ
エチレングリコールメタクリレート、等の末端メトキシ
メタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリ
レート、メトキシトリエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、
メトキシペンタエチレングリコールアクリレート、メト
キシヘキサエチレングリコールアクリレート、メトキシ
ヘプタエチレングリコールアクリレート、メトキシオク
タエチレングリコールアクリレート、メトキシノナエチ
レングリコールアクリレート、メトキシデカエチレング
リコールアクリレート、メトキシウンデカエチレングリ
コールアクリレート、メトキシドデカエチレングリコー
ルアクリレート、メトキシトリデカエチレングリコール
アクリレート、メトキシテトラデカエチレングリコール
アクリレート、メトキシペンタデカエチレングリコール
アクリレート等の末端メトキシアクリレート、及びメチ
ル基の代わりに水素が結合した末端水酸基を有するメタ
クリレート及びアクリレート、また末端に1つ以上の重
合性の官能基を有する繰り返し単位が2〜15のポリエ
チレングリコール鎖を有するモノマー全般をさす。更
に、担体に直接結合させる場合、繰り返し単位2〜15
のポリエチレングリコール誘導体も含まれる。
【0013】親水性を与えるその他の置換基を有するモ
ノマーの例を示すと、ビニルピロリドン等が挙げられる
がこれに限定されるものではない。更に重合性官能基は
1つ以上幾つ存在しても良い。
【0014】重合性の官能基 重合性の官能基とは、単独または2つ以上の官能基によ
って重合できる官能基を指し、例を挙げるとビニル基、
アセチレン基、ジエン基等の炭素多重結合、エポキシ
基、オキセタン基等の環構造、等が挙げられるがこれに
限定されるものではない。
【0015】共存する官能基 更に、上記官能基と共に非イオン性官能基が共存して存
在しても良くその例を挙げると、非イオン性官能基で特
に親水性の向上を目的にしたジメチルアミド基、ジエチ
ルアミド基、ジイソプロピルアミド基等のアミド基、ポ
リエチレンテレフタレート鎖、ポリブチレンテレフタレ
ート鎖等の芳香族ポリエステル鎖及び脂肪族ポリエステ
ル鎖等のポリエステル鎖、メチレングリコール鎖、プロ
ピレングリコール等のポリエーテル鎖、ポリカーボネー
ト鎖、等の非イオン性親水性官能基、または、疎水性付
与を目的としたアルキル鎖、フツ化アルキル鎖、アリル
鎖等の非イオン性官能基全般を含む。以上の何れの官能
基が共存しても良いが、好ましくは、非イオン性親水性
官能基を有する場合良好な固定基として用いることがで
きる。
【0016】基材に親水性表面構造材を固定する方法と
して、共有結合、イオン結合、放射線やプラズマによる
グラフト法、物理吸着、包埋あるいは基材表面への沈澱
不溶化等あらゆる公知の方法を用いることもできる。従
って、高分子化合物やその単量体を放射線或いはプラズ
マ等を用いてグラフト重合したり、共有結合するなどの
公知の方法により表面改質(特開平1−249063、
特開平3−502094)を施す方法は本発明に好適に
用いられる。
【0017】不織布の平均繊維直径、繊維直径変動係数 不織布等の繊維状のフィルターを用いる場合、繊維径が
孔径及び細孔分布に寄与する為、その有効な平均繊維直
径を示すことも重要である。本発明の平均繊維直径の測
定は走査電子顕微鏡で繊維状のフィルターの表面を撮影
し、目視により撮影面上に分散している糸の直径をラン
ダムに100個以上測定して求める。機械的強度及び表
面積の点より有効なフィルターの繊維直径は1μm以上
150μm未満で、より好ましくは、1μm以上100
μm以下、更に好ましくは2μm以上100μm以下で
ある。更に、平均繊維直径からの繊維直径の変動の分布
は、狭い方が好ましく、上下変動が20〜60%以内で
ある必要がある。好ましくは上下変動が20〜50%以
内で、更に好ましくは、20〜45%以内が均一なフィ
ルターを与える。
【0018】細胞選択フィルター用固定基の用途 本発明の不織布は、抗体を固定用、アミノ酸、ペプチ
ド、オリゴペプチド、タンパク等の固定用として有効に
用いられる。特に穏和な固定条件を活かす点を考慮する
と、抗体、タンパク、ペプチド等の固定化に有効であ
る。これらを固定した不織布を用いて、白血球、リンパ
球、単球、顆粒球等の各分画細胞の選択分離または吸
着、血漿中の特定成分の選択吸着等に有効に活用でき
る。以下に実施例を示し、発明を詳細に説明する。
【0019】
【実施例1】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ル−α、β−ジブロモプロピオンアミド2.15g及び
スルホラン100mlを加え攪拌し、トリフルオロメタ
ンスルホン酸25gを加え攪拌した。これにポリスチレ
ンからなる不織布(平均繊維直径4.5μm)を入れ4
時間反応した。4時間反応後不織布を取り出し、純水に
て洗浄し、これを真空乾燥して、目的の不織布を得た。
この不織布を直径0.55cmの円に切断し、PBS
(−)に溶解したアルカリフォスファターゼ標識したマ
ウスIgG液(7.2μg/500μl)に2.5時間
浸し、抗体を固定した。2.5時間後、PBS(−)で
洗浄した。これをマイクロプレート中で基質(p−ニト
ロフェニルリン酸水溶液)4mg/ml(含むジエタノ
ールアミンバッファー)に調製し、100μl加え、5
0分後溶液の吸光度を405nm、492nmで2波長
測定した。結果吸光度は1.4であった。この時コント
ロールとして基質のみ50分放置後測定したところ0.
2であった。
【0020】
【比較例1】N−ヒドロキシメチル−α、β−ジブロモ
プロピオンアミドを入れない以外は実施例1と全く同様
の操作を行ったところ吸光度は0.3であった。
【0021】
【比較例2】N−ヒドロキシメチル−α−ブロモプロピ
オンアミドをN−ヒドロキシメチル−α、β−ジブロモ
プロピオンアミドの代わりに同mol入れた以外は実施
例1と全く同様の操作を行ったところ吸光度は0.9で
あった。
【0022】
【実施例2】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ルトリブロモアセトアミド2.15g及びスルホラン1
00mlを加え攪拌し、トリフルオロメタンスルホン酸
25gを加え攪拌した。これにポリスチレンからなる不
織布(平均繊維直径4.5μm)を入れ4時間反応し
た。4時間反応後不織布を取り出し、純水にて洗浄し、
これを真空乾燥して、目的の不織布を得た。この不織布
を直径0.55cmの円に切断し、PBS(−)に溶解
したアルカリフォスファターゼ標識したマウスIgG液
(7.2μg/500μl)に2.5時間浸し、抗体を
固定した。2.5時間後、PBS(−)で洗浄した。こ
れをマイクロプレート中で基質(p−ニトロフェニルリ
ン酸水溶液)4mg/ml(含むジエタノールアミンバ
ッファー)に調製し、100μl加え、50分後溶液の
吸光度を405nm、492nmで2波長測定した。結
果吸光度は1.7であった。この時コントロールとして
基質のみ50分放置後測定したところ0.2であった。
【0023】
【実施例3】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ルトリブロモアセトアミド2.15g及びスルホラン1
00mlを加え攪拌し、トリフルオロメタンスルホン酸
25gを加え攪拌した。これにポリスチレンからなる不
織布(平均繊維直径4.5μm)を入れ4時間反応し
た。4時間反応後不織布を取り出し、純水にて洗浄し、
これを真空乾燥して、目的の不織布を得た。この不織布
を直径0.9cmの円に切断し、PBS(−)に溶解し
た抗ヒトCD4液(72μg/500μl)に2.5時
間浸し、抗体を固定した。2.5時間後、PBS(−)
で洗浄した。充填した入口と出口を有する容器に2枚充
填し、カラムを作成した。 実験用検体 血液より公知の遠心分離器及び比重遠心法分離採取した
単核球浮遊液をPBS(−)により希釈し、1.0x1
6 個/5mlに調整した。この単核球浮遊液を検体と
して用いた。 実験操作 該単核球浮遊液5mlをペリスタポンプを用いて流速
0.1ml/minで送液し、カラムの入口より流し
た。カラム出口より処理後の液を回収した。この時のC
D4(+)の回収率は、公知のフローサイトメトリー法
で測定した。この時のCD4(+)の回収率は、20%
であった。この時他の細胞のCD8+細胞の回収率は1
50%であった。
【0024】
【比較例3】N−ヒドロキシトリブロモアセトアミドの
代わりにN−ヒドロキシメチルヨードアセトアミドを同
mol用いた以外は実施例3と全く同様の操作を行った
ところ、この時のCD4(+)の回収率は、40%であ
った。このとき他の細胞のCD8+細胞の回収率は13
0%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、血液等の多細胞浮遊液
中の特定の被固定基を簡便に、安定に、高密度で、低コ
ストで大量に固定できる固定基を提供できる。更にこの
固定基をフィルター等に固定し、入口と出口を有する容
器に充填すれば、血液の体外循環等に好適な装置を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 233/18 9547−4H D06M 13/408

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芳香族環及び/またはオレフ
    ィン鎖を有し、この芳香族環及び/またはオレフィン鎖
    に、カルボニル炭素のα位の炭素及び/またはβ位に位
    置する炭素に少なくとも2つ以上のハロゲン或いはハロ
    ゲン類似置換基が結合されてなることを特徴とする細胞
    選択フィルター用固定基。
  2. 【請求項2】 少なくとも芳香族環を有し、この芳香族
    環に下記一般式(1)または(2)で示される構造が化
    学的に結合していることを特徴とする細胞選択フィルタ
    ー用固定基。 【化1】 上式中、R1 は水素またはアルキル基、R2 はハロゲ
    ン、R3 はハロゲンまたはハロゲン化炭化水素基であ
    る。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006306784A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Noguchi Inst 高度にフッ素化されたアルコール誘導体と再利用が容易な使用法

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