JPH1033668A - 白血球選択除去フィルター及び白血球選択除去フィルター装置 - Google Patents

白血球選択除去フィルター及び白血球選択除去フィルター装置

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JPH1033668A
JPH1033668A JP8210440A JP21044096A JPH1033668A JP H1033668 A JPH1033668 A JP H1033668A JP 8210440 A JP8210440 A JP 8210440A JP 21044096 A JP21044096 A JP 21044096A JP H1033668 A JPH1033668 A JP H1033668A
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JP
Japan
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leukocyte
filter
polyethylene glycol
selectively removing
less
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JP8210440A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Onodera
博和 小野寺
Hiroshi Matsunami
弘 松浪
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、血液、体液等の白血球浮遊液から
の白血球の選択的除去を、高い除去能で行いかつ、他の
成分特に血小板の粘着を抑制できる白血球除去フィルタ
ー及びこれを充填した白血球選択除去フィルター装置を
提供する。 【解決手段】 白血球除去用のフィルターにおいて、そ
の基材表面にポリエチレングリコールがその片末端及び
/または両末端で共有結合により固定されており、且つ
その固定密度が1mmol/m2 以上、100mmol
/m2 未満であることを特徴とする白血球選択除去フィ
ルター。流体の入口と出口を有する容器に、白血球除去
用のフィルター基材表面にポリエチレングリコールがそ
の片末端及び/又は両末端で共有結合により固定されて
おり、且つその固定密度が1mmol/m2 以上100
mmol/m2 未満である白血球選択除去フィルターを
充填してなることを特徴とする白血球選択除去フィルタ
ー装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中より白血球を選
択的に除去するフィルター及びこれを充填した白血球選
択除去フィルター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、輸血分野において、白血球の混入
による副作用が数多く知られている。この副作用予防の
ため、ポリエステル性の不織布やコットン綿などの材料
を用いて白血球除去が行われている。又、血小板製剤を
輸血する場合血小板の材料への粘着性を抑制するため親
和性のポリマー等を表面に被覆する技術が用いられてい
る。一方、全身性エリトマトーデス、悪性関節リウマ
チ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等の自己
免疫性疾患、白血病、癌などの治療、或いは移植前の免
疫抑制の目的で白血球を選択的に除去する技術が進歩し
てきた。従来、不織布等をフィルターとして用いて白血
球除去が行われている。これら白血球除去器においては
高い白血球の除去能力が要求されている。一方、同時に
他の血液成分、特に有用な血小板粘着を抑え、主目的の
白血球のみを選択的に除去する必要がある。血小板は特
に粘着性が高く一般的な材料表面では白血球以上に除去
されやすい。従って、白血球の除去効率と血小板粘着抑
制のバランスをとるためにフィルター量を増減させるこ
とでは解決できない。そこで特開平4−187206号
公報では、表面にエチレングリコール多量体を被覆した
白血球分離材料が開示されているが、表面を被覆してし
まうため、血小板の粘着はある程度抑制できるが、求め
られる白血球除去能力が減少してしまうので好ましいと
はいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するために成されたものであり、白血
球に対する除去能は維持した状態でなおかつ血小板の粘
着を抑制する白血球選択除去フィルター及びこれを充填
した白血球選択除去フィルター装置を提供することを課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、表面に特定密度で
ポリエチレングリコールが片末端及び/又は両末端で共
有結合により固定されたフィルターが高い白血球除去能
を持ちながらも血小板の粘着が驚く程抑制できることを
見いだし、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、
白血球除去用のフィルターにおいて、その基材表面にポ
リエチレングリコールがその片末端及び/又は両末端で
共有結合により固定されており、且つその固定密度が1
mmol/m2 以上、100mmol/m2 未満である
ことを特徴とする白血球選択除去フィルターであり、流
体の入口と出口を有する容器に、白血球除去用のフィル
ター基材表面にポリエチレングリコールがその片末端及
び/又は両末端で共有結合により固定されており、且つ
その固定密度が1mmol/m2 以上100mmol/
2 未満である白血球選択除去フィルターを充填してな
ることを特徴とする白血球選択除去フィルター装置であ
る。本発明でいう白血球除去用のフィルターとは、血
液、体液、遠心分離等により粗分離された血液等の白血
球を含む白血球浮遊液を濾過し、白血球浮遊液中の白血
球を除去するためのフィルターのことをいう。
【0005】また本発明でいう表面とは血液成分と接触
できる面を言う。従って液層との界面がこれに相当す
る。本発明のフィルターにおける表面とは、液性成分と
接触可能なフィルター基材表面をさすものである。従っ
て固定されたポリエチレングリコール部は含まれない。
ただし、固定後の表面積を測定する場合、表面積当たり
の固定量が小さいため無視できるものとする。本発明の
白血球選択除去フィルターには、あらかじめポリエチレ
ングリコールを有していてもよいし、活性基を介して共
有結合させることによりポリエチレングリコールが固定
されていても良好に用いることができる。固定時の結合
方法は末端で固定されればいずれの反応でも良好に用い
ることができる。敢えて例示すると、置換反応、縮合反
応等を用いて良好に実施できる。公知の活性基を用いて
ポリエチレングリコールを良好に固定できる。本発明で
最も重要な点は、表面積当たりのポリエチレングリコー
ル密度である。本発明者らの研究によれば、表面積当た
りのポリエチレングリコール密度が、1mmol/m2
以上100mmol/m2 未満の時良好な白血球除去能
と血小板通過性を示す。表面積当たりのポリエチレング
リコール密度が1mmol/m2 未満であると白血球除
去能は向上する一方、血小板粘着性が高まり好ましくな
い。表面積当たりのポリエチレングリコール密度が10
0mmol/m2 以上の場合血小板の粘着性は低くおさ
えられる一方、白血球除去能が低下するため決して好ま
しくない。更に好ましくはポリエチレングリコールの分
子量依存性の少ない点より5mmol/m2 以上100
mmol/m2 未満が好ましく、最も好ましくは10m
mol/m2 以上80mmol/m2 未満が安定性の点
で好ましく用いられる。
【0006】又、好ましいポリエチレングリコール分子
量は血小板粘着性の点より60以上3000未満であ
る。ポリエチレングリコールの分子量が60未満の時は
単量体となり高い血小板粘着抑制効果が得られないため
好ましくない。分子量3000以上では高分子量のため
白血球の排除効果が高くまた取り扱い性の点で良好とは
いえない。血小板粘着抑制効果の点より好ましいポリエ
チレングリコールの分子量範囲は90以上3000未満
であり、白血球除去の点より最も好ましい範囲は90以
上2000未満である。ポリエチレングリコールの表面
積当たりの密度は、公知の表面分析方法を用いて酸素量
或いは窒素量の定量により求めることができる。即ち、
固定前後の酸素量或いは窒素量の定量を行うことで求め
ることができる。特に、高感度な表面分析方法として
は、蛍光X線による酸素量の定量、電子プローブX線マ
イクロアナライザー(EPMA)による酸素量の定量等
が挙げられるがこれに限定されるものではない。更に表
面積は、公知のBET法、水銀圧入法、或いは、最も単
純に計算より求める表面積等の方法により求めることが
できる。不織布等の表面積に関しては特にBET法或い
は繊維直径より計算される表面積が用いられるがこれに
限定されるものではない。
【0007】ポリエチレングリコールを活性基を用いて
末端で固定する場合、末端に官能基を有するポリエチレ
ングリコールが特に好ましい。好ましい官能基の例を挙
げると、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、硫酸基、
イソシアネート基等が挙げられる。反応性の面よりより
好ましくはアミノ基、カルボキシル基、水酸基が挙げら
れ、活性基をハロアセトアミド基とした場合アミノ基が
最も好ましい。又、活性基に水酸基を用いた場合、イソ
シアネート基が、活性基にアミノ基を用いた場合カルボ
キシル基がそれぞれ好ましく用いられる。中でも、活性
基をハロアセトアミド基とし末端アミノ基を用いてポリ
エチレングリコールを固定した場合固定密度制御の点で
最も好ましい。本発明で用いる活性基は、上述の如くポ
リエチレングリコールを共有結合できる構造であれば公
知のいずれの官能基であってもよい。例示すれば、アセ
トアミノアルカンを介してポリエチレングルコールを共
有結合することができる。即ちN−ヒドロキシメチルヨ
ードアセトアミド、N−ヒドロキシメチルブロモアセト
アミド、N−ヒドロキシメチルクロロアセトアミド等の
α−ハロアミノメチルアセトアミドを用いて担体表面を
活性化したα−アセトアミノハロゲン基等が挙げられ
る。又、N−ヒドロキシメチルジハロプロピオンアミド
等を用いて担体表面を活性化したα,β−プロピオンア
ミノハロゲン基、N−ヒドロキシメチルジハロアセトア
ミド等を用いて担体表面を活性化したα,α−アセトア
ミノジハロゲン基、N−ヒドロキシメチルトリハロアセ
トアミド等を用いて担体表面を活性化したα,α,α−
アセトアミノトリハロゲン基等のハロアセトアミノアル
カン化剤を用いた活性基がアセトアミノアルカンとして
挙げられる。他にイソシアネート基、イソチアシアネー
ト基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ビニル基、
ブロモシアンによる活性基等が挙げられるがこれに限定
されるものではない。特に固定量を制御できる点より、
更に好ましくは、アセトアミノアルカン化剤を用いた活
性基が良好に用いられる。特に安定に均一に制御できる
点より最も好ましくはα−ハロアミノメチルアセトアミ
ドを用いた活性基が良好に用いられる。
【0008】基材の形状は血液と接触でき、白血球を除
去できるものであれば何れの形状であっても用いること
ができるが、液層で血液との接触を良好に行うために接
触頻度の面より表面積が大きいことが好ましい。好まし
い形状の例を挙げると、不織布状、繊維状、綿状、糸
状、束状、簾状、織布状等の繊維構造体、スポンジ等の
高分子多孔質体、或はビーズ状、ゲル状等の形状が挙げ
られる。特に血液成分のうち白血球を除去する場合、除
去効率の面より、織布、不織布が良好に用いられる。中
でも高表面積を有する点で不織布が最も好ましい。不織
布等の繊維状基材を用いる場合、繊維径が白血球除去能
力に寄与する為、その有効な平均繊維径を示すことも重
要である。本発明の平均繊維径の測定は走査型電子顕微
鏡で繊維状基材の表面を撮影し、目視により撮影面上に
分散している糸の直径をランダムに100個以上測定し
求める。機械的強度及び白血球除去能において有効な平
均繊維直径は1μm以上10μm未満で繊維径は細いほ
ど白血球除去能が向上する点より、好ましくは1μm以
上5μm以下で、更に好ましくは1μm以上3.5μm
以下である。不織布等の基材に活性基を導入する場合、
化学反応の均一性の面より厚みは薄いほうが好ましい。
好ましい厚みを例示すると0.1mm以上20mm未満
が好ましい。厚みが0.1mm未満であると機械的強度
が弱く好ましくない。一方厚みが20mm以上の場合内
部まで均一な活性基の導入が困難なため好ましいとはい
えない。化学反応の均一性の面より更に好ましい厚みは
0.1mm以上15mm未満、最も好ましくは0.1m
m以上10mm未満の時均一な化学反応が可能となり好
ましい。
【0009】本発明において疎水性基材とは、疎水基を
有することにより水に難溶で油に膨潤できる基材をい
う。疎水基とは、鎖状及び環状炭化水素基、芳香族炭化
水素基、ハロゲン化アルキル基、オルガノシリコン基等
を有する基をいう。その基材部分を成す担体の材質は、
ポリエチレングリコール鎖と共有結合できる或は官能基
が導入できる材質であれば、何れの材質においても良好
に用いることができる。強度及び実用性の点より好まし
い例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブチレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアル
キルスチレン、ポリアルコキシスチレン、ポリビニルナ
フタレン等のポリスチレン誘導体、或はポリ芳香族置換
エチレン等が挙げられる。更に、ポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステル、ポリビニルアルコール系ポリ
マー、ポリメチルメタクリレート、ポリベンジルメタク
リレート等のポリメタクリル酸エステル或いは同様のア
クリレートエステル、ナイロン66、ナイロン6等のポ
リアミド、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体、ス
チレンブタジエン共重合体やポリプロピレン−スチレン
ブレンド材料等の複数の材料の共重合体或いはアモルフ
ァス等の材料が有効に用いられる。上記の内、活性基導
入の容易さ及び疎水性材料である点より、好ましくはポ
リスチレン等のポリスチレン誘導体、或いはポリ芳香族
置換エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン或いはポリエチレン−ポリプロピレン共重合
体、スチレンブタジエン共重合体等の材料が好ましく用
いられる。更に特に好ましくは活性基の導入のし易さの
面でポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエチレン−ポリプロピレン共重合体、スチレンブタジ
エン共重合体等の材料が良好に用いられる。
【0010】本発明の白血球選択除去フィルターは少な
くとも入口と出口を有する容器に充填して白血球の選択
除去や、白血球除去を目的とする体外循環用として有効
に用いられる。これら白血球選択除去フィルターを用い
て、白血球、リンパ球、単球、顆粒球等の各分画の白血
球細胞の除去等に有効に活用できる。また、濃厚血小板
液等からの白血球除去に有効に用いられる。本発明の容
器形状としては、入口と出口を有する容器であれば特に
限定はないが、敢えて例を挙げると、白血球選択除去フ
ィルターを積層状に充填できる容器や、円柱状、三角柱
状、四角柱状、六角柱状、八角柱状等の角柱状容器、更
に、白血球選択除去フィルターを円筒状に巻きこれを充
填できる容器、または、血液の流れが円筒の外周より入
り内側へと流れ、最も内側に集まり血液流出口より出る
ことを特徴とする容器等が良好な形状となる。更に、錘
状等の断面積が入口から出口に向かうに従って、小さく
なる形状を有する容器等も良好に用いられる。白血球選
択除去フィルターの容器への充填密度は、容器中に該白
血球選択除去フィルターを充填した時の一定体積当たり
の重さをいうが、該容器への該白血球選択除去フィルタ
ーの充填密度は0.05g/cm3 以上0.5g/cm
3 以下が好ましい。更に白血球選択除去効率を上げ目詰
まりを抑制し、圧損の上昇を防ぎ流れをスムーズにする
点より好ましい充填密度は0.1g/cm3 以上0.4
g/cm3 以下、最も好ましくは0.1g/cm3 以上
0.35g/cm3 以下である。また、本発明の白血球
選択除去フィルター装置は、マイクロアグリゲート等に
よる目詰まりを未然に防ぐために本白血球選択除去フィ
ルターの入口側にプレフィルターを用いることができ
る。プレフィルターの構造は、繊維或いは、多孔質体等
の白血球選択除去フィルターの形態と同様の何れの形態
であってもよいが、平均繊維直径が10μm以上100
0μm未満であることが好ましい。
【0011】本発明の白血球選択除去フィルターは、照
射滅菌、湿熱滅菌、薬剤滅菌、ガス滅菌、乾熱滅菌等公
知の方法で滅菌できるが滅菌後の使用或いはポリエチレ
ングリコールの安定性より充填液と共に湿潤状態で滅菌
することが好ましい。更に好ましくはγ線、電子線等の
放射線を照射する照射滅菌または高圧蒸気滅菌等の湿熱
滅菌により良好に滅菌できる。本発明の白血球選択除去
フィルター装置は充填液と共に滅菌することが可能であ
る。充填液は、ポリエチレングリコールの劣化を起こさ
ない液ならば何れの液体も良好に用いられるが、白血球
浮遊液の成分等に悪い影響を及ぼさない液である必要が
ある。好ましくは、PBS(−)液、ハンクス液等の培
養液或いは緩衝液や生理食塩液、抗酸化剤含有液、純水
等の液が良好に用いられる。更に好ましくはPBS
(−)液、ハンクス液等の培養液或いは緩衝液や生理食
塩液、或いは純水等が良好に用いられる。最も好ましく
は、使用時の洗浄を考慮すると、緩衝液或いは生理食塩
液、純水等が良好に用いられる。
【0012】以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明
する。
【実施例1】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ルヨードアセトアミド2.15g及びスルホラン100
mlを加え攪拌し、更にトリフルオロメタンスルホン酸
25gを加え攪拌した。これにポリプロピレンからなる
不織布(平均繊維直径1.8μm、厚み0.3mm)
0.1gを入れ4時間反応した。4時間反応後不織布を
取り出し、純水にて洗浄し、これを真空乾燥して、活性
化不織布を得た。この活性化不織布を直径0.68cm
の円に切断し、1%アミノポリエチレングリコール(分
子量1000)PBS(−)溶液500μLに2.5時
間浸し、ポリエチレングリコールを固定した。2.5時
間後、純水で洗浄し、目的の白血球選択除去フィルター
を得た。同時に上記と同様に処理して得たポリエチレン
グリコール固定化不織布を直径2.5cmの円に切断
し、公知の蛍光X線分析装置で不織布の酸素原子に依存
する蛍光強度を測定し、表面の酸素含量を求めた。同様
にポリプロピレン不織布にアミノポリエチレングリコー
ル(分子量1000)水溶液を不織布あたりそれぞれ
2.5x10-4mmol,2.5x10-3mmol,
2.5x10-2mmol,2.5x10-1mmolコー
ティングした不織布を作製し検量線とした。蛍光X線分
析は、分光結晶SX−14を用いΚα線(2θ=34.
25)の蛍光強度を測定し求めた。蛍光X線で測定でき
る範囲は不織布の表層部分のみであり蛍光が透過しない
内部についてはみることができない為、不織布の場合、
見かけ表面積を用いて表面積当たりの固定量を求めるこ
ととする。即ち、見かけの表面積とは、測定円表面に円
柱が敷き詰められていると仮定しその上半分を見かけ表
面積として繊維径から計算で求めることができる。本実
施例で用いた不織布では平均繊維直径が1.8μmであ
ることより、直径2.5cmの不織布の見かけ表面積は
7.69m2 と計算される。また、検量線より求めたポ
リエチレングリコール固定量は5.35mmol/m2
であった。入口と出口を有する容量1mlの容器に上記
白血球選択除去フィルターを7枚充填し(充填密度0.
1g/cm3 )、充填液としてPBS(−)を充填しカ
ラムを作成した。 実験操作 ヘパリン加ヒト全血1ml(200単位/L)をシリン
ジポンプを用いて流速1ml/minで送液し、カラム
の入口より流した。カラム出口より処理後の液を回収し
た。更に残留した液体は、空気により圧をかけて回収し
た。この時の白血球除去率はチュルク染色により視算法
で求めたところ99.99%であった。この時血小板の
除去率は0.1%であり高い回収率であった。
【0013】
【比較例1】ポリエチレングリコールの表面積当たりの
固定量が150mmol/m2 であったこと以外は全く
実施例1と同様の実験操作を行ったところ、この時の白
血球除去率は90%であり、この時血小板の除去率は
0.1%であり白血球除去率の低下がみられた。
【0014】
【比較例2】ポリエチレングリコールの表面積当たりの
固定量が0.5mmol/m2 であったこと以外は全く
実施例1と同様の実験操作を行ったところ、この時の白
血球除去率は99.99%であったが、この時血小板の
除去率は52.1%であり回収率は低下した。
【0015】
【実施例2】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ルブロモアセトアミド2.15g及びスルホラン100
mlを加え攪拌し、更にトリフルオロメタンスルホン酸
25gを加え攪拌した。これにポリプロピレンからなる
不織布(平均繊維直径3.3μm、厚み0.7mm)
0.1gを入れ2時間反応した。2時間反応後不織布を
取り出し、純水にて洗浄し、これを真空乾燥して、活性
化不織布を得た。この不織布を直径0.68cmの円に
切断し、1%アミノポリエチレングリコール(分子量6
00)PBS(−)溶液500μLに2.5時間浸し、
ポリエチレングリコールを固定した。2.5時間後、純
水で洗浄し、目的の白血球選択除去フィルターを得た。
実施例1と同様にこの不織布への表面積当たりポリエチ
レングリコール固定量を測定したところ20mmol/
2 であった。入口と出口を有する容量1mlの容器に
上記白血球選択除去フィルターを7枚充填し(充填密度
0.1g/cm3 )、充填液としてPBS(−)を充填
しカラムを作成した。実施例1と同様の方法で求めた白
血球除去率は99.99%であり、この時血小板の除去
率は1.5%であり高い回収率であった。
【0016】
【比較例3】放射線グラフト法により15%トリエチレ
ングリコールジメタクリレートを含んだエタノール溶液
にポリプロピレン製不織布(平均繊維直径1.8μm、
厚み0.3mm)を浸漬し、続いて窒素バブリングを行
い溶存酸素を置換した。これにγ線を25kGy照射し
不織布繊維表面を被覆するグラフト重合を行った。重合
後十分なエタノールで洗浄し乾燥した。グラフト前後の
重量変化より求めたグラフト率は、110%でありほぼ
全表面を被覆できた。実施例1と同様の方法で求めた白
血球除去率は91.0%であり、この時血小板の除去率
は49.7%であり白血球除去率が低下し、血小板の回
収率も良いとは言えなかった。
【0017】
【実施例3】ガラス製のフラスコにN−ヒドロキシメチ
ルヨードアセトアミド2.15g及び濃硫酸50ml及
びニトロベンゼン40mlを加え攪拌溶解し、氷浴中で
パラホロムアミド0.3gを加え攪拌した。これにポリ
プロピレンからなる不織布(平均繊維直径1.8μm、
厚み0.3mm)0.1gを入れ3時間反応した。3時
間反応後不織布を取り出し、エタノール次いで純水にて
洗浄し、これを真空乾燥して、活性化不織布を得た。こ
の不織布を直径0.68cmの円に切断し、1%アミノ
ポリエチレングリコール(分子量1000)PBS
(−)溶液500μLに2.5時間浸し、ポリエチレン
グリコールを固定した。2.5時間後、純水で洗浄し、
目的の白血球選択除去フィルターを得た。実施例1と同
様にこの不織布への表面積当たりポリエチレングリコー
ル固定量を測定したところ17mmol/m2 であっ
た。入口と出口を有する容量1mlの容器に上記白血球
選択除去フィルターを7枚充填し(充填密度0.1g/
cm3 )、充填液としてPBS(−)を充填しカラムを
作成した。実施例1と同様の方法で求めた白血球除去率
は99.99%であり、この時血小板の除去率は0.5
%であり高い回収率であった。
【0018】
【発明の効果】本発明の白血球選択除去フィルター及び
装置を用いることにより、血液、体液等の白血球浮遊液
から白血球を選択的に除去し他の成分特に血小板の粘着
を抑制できるようになった。本発明の白血球選択除去フ
ィルター及び装置は白血球浮遊液よりの白血球選択除去
や、白血球除去を目的とする体外灌流用フィルターとし
て有効に用いられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白血球除去用のフィルターにおいて、そ
    の基材表面にポリエチレングリコールがその片末端及び
    /または両末端で共有結合により固定されており、且つ
    その固定密度が1mmol/m2 以上、100mmol
    /m2 未満であることを特徴とする白血球選択除去フィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 ポリエチレングリコールがアセトアミノ
    アルカンを介して基材と共有結合している請求項1記載
    の白血球選択除去フィルター。
  3. 【請求項3】 ポリエチレングリコールがα−ハロアミ
    ノメチルアセトアミド基を介して基材と共有結合してい
    る請求項2記載の白血球選択除去フィルター。
  4. 【請求項4】 基材が疎水性不織布である請求項1記載
    の白血球選択除去フィルター。
  5. 【請求項5】 不織布の繊維径が1μm以上10μm未
    満であり、厚みが0.1mm以上20mm未満である請
    求項4記載の白血球選択除去フィルター。
  6. 【請求項6】 ポリエチレングリコールの分子量が60
    以上、3000未満である請求項1記載の白血球選択除
    去フィルター。
  7. 【請求項7】 流体の入口と出口を有する容器に、白血
    球除去用のフィルター基材表面にポリエチレングリコー
    ルがその片末端及び/又は両末端で共有結合により固定
    されており、且つその固定密度が1mmol/m2 以上
    100mmol/m2 未満である白血球選択除去フィル
    ターを充填してなることを特徴とする白血球選択除去フ
    ィルター装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001066171A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-13 Asahi Medical Co., Ltd. Nouveau filtre pour leucopherese
JP2002172163A (ja) * 2000-07-26 2002-06-18 Toray Ind Inc 細胞吸着材および体外循環用カラムならびにそれらの製造方法
US7775376B2 (en) 2003-01-24 2010-08-17 Fresenius Hemocare Italia S.R.L. Filter for the separation of leukocytes from whole blood or blood preparations, method for production of said filter, corresponding device and use thereof
KR101462513B1 (ko) * 2013-03-04 2014-11-19 주식회사 퓨어멤 다층 구조의 백혈구 제거용 필터 및 그 제조방법

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