JP3459836B2 - 血小板純化用フィルター - Google Patents

血小板純化用フィルター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血小板を含む液体より
白血球を除去する血小板純化用フィルターに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、輸血の形態は全血輸血から、患者
が必要としている成分のみを輸血する成分輸血へと移行
し、血小板製剤についてもその使用数および量共に年々
増加している。また、近年の悪性腫瘍患者に対する化学
療法剤の大量投与による血小板減少症患者の増加ととも
に、血小板輸血の重要性はますます増大してきている。
【0003】血小板製剤としては、現在、血液バッグに
採血後調製されるバッグPC(濃縮血小板血漿 Platel
et Concentrate)と成分採血装置によって得られるアフ
ェーレシスPCとがあるが、いずれも遠心分離法により
血小板成分を分離したものである。
【0004】しかしながら、現行の遠心分離法では、P
C中に白血球(主にリンパ球)の混入が避けられず、こ
のPC中の白血球は、血小板輸血後の発熱等の副作用の
誘発や、頻回の血小板輸血を受けた患者の多くが、輸血
効果の不応症を引起すとされている。この原因として、
患者に抗HLA(ヒトリンパ球抗原 Human Leucocyte
Antigen )抗体、LCT(リンパ球障害性抗原 Lympho
cytotoxic Antigen )抗体が生じたためとされている。
【0005】血小板輸血は、頻回でかつ大量の輸血が必
要となるために、患者は不特定多数の抗原に感作される
結果となり、特に100単位以上の血小板製剤を輸血さ
れた患者では、その90%以上にLCT抗体が検出され
るといわれている。これらの抗体を持つ患者に血小板を
輸血しても、血小板が体内で破壊されるために予期した
輸血効果が得られなくなる。
【0006】また、これまで白血球除去フィルターとし
ては種々のものが開発され市販されているが、これらの
多くは天然セルロースなどの天然繊維、ポリエステル、
ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維ある
いはガラス繊維等の繊維をカラム内にそのまま詰めたも
のや不織布等に二次加工したフィルター部を有するもの
であり、主としてCRC(赤血球濃厚液)などの赤血球
製剤中に混入する白血球を除去することを目的とするも
のであった。これらの白血球除去フィルターは、白血球
の除去に関してはある程度以上の性能を発揮するもの
の、同時に血小板も除去してしまい、血小板浮遊液や全
血からの白血球除去に用いた場合には、その効果は不適
当なものとなるものであった。
【0007】こうした問題点を解決する方法として、ポ
リウレタン樹脂より作製された3次元網目状連続組織を
有するフィルターが特開平3−173825号に記載さ
れている。該血小板純化用フィルターでは、血小板浮遊
液、全血等のごとき白血球および血小板を含有する血液
成分中から、該血液成分中に混入している白血球を選択
的に除去し得るものであり、これにより血小板の粘着は
比較的少なくなるものの、なお十分であるとはいえず、
さらに血小板回収率を向上させるための改善が望まれる
ものであった。
【0008】同様に、こうした上記問題点を解決する他
の方法として、水溶性で非イオン性の重合体を表面に結
合させたフィルターが特開昭61−226056号に記
載されている。該血液フィルターでは、表面に水溶性重
合体が結合した強い親水性表面を有するため血小板は粘
着しないものである。しかしながら除去したい白血球も
粘着しにくくなってしまう問題点を有していた。さらに
含水率の高い表面や親水性の強い表面は、血小板の粘着
を抑制するものの、血小板を活性化して変化を生じさ
せ、マイクロアグリゲートの生成や血小板の生体内(i
n vivo)での代謝(消費)を促進させることも報
告されている(たとえば、Journalof Bio
medical Materials Reserc
h,25,1991,875〜887やJournal
of Lab.Clin.Med.,95,198
0,289〜304、などに記載されている)。
【0009】さらに上記問題点を解決する他の方法とし
て、臨界表面張力(以下、単にCWSTともいう)が少
なくとも90dyne/cmであるフィルターが特開平
1−249063号に記載されている。該フィルターで
は、CWSTが90dyne/cm以上という強い親水
性表面を、ヒドロキシル基やカルボキシル基を導入する
ことにより作製した表面であり、上記血液フィルターと
同様に血小板が粘着しない利点を有する反面、白血球も
粘着しにくくなってしまう問題点を有していた。
【0010】また上述の特開昭61−226056号お
よび特開平1−249063号に記載されているような
強い親水性表面を有する血液フィルターでは、乾燥状態
で血球成分と接触した場合、液性成分を急速に吸収する
ため血球成分の破壊(溶血)を引き起こすことがあり、
その用途が限定されるものであった。
【0011】したがって、今日までに血小板回収率を向
上させ、かつ白血球を好適に除去してなる血小板純化用
(および白血球除去用としても優れてなる)フィルター
は得られていないのが現状であり、血小板輸血をより安
全にかつ輸血効果を長く保つために血小板浮遊液、全血
等のごとき白血球および血小板を含有する血液成分から
白血球、特にリンパ球を除去し、より純粋な血小板を回
収することのできる血小板純化用フィルターが求められ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は新規
な血小板純化用フィルターを提供することを目的とす
る。
【0013】本発明はまた、血小板浮遊液、全血等のご
とき白血球および血小板を含有する血液成分中から、該
血液成分中に混入している白血球を選択的に除去し得る
血小板純化用フィルターを提供することを目的とする。
【0014】本発明はさらに、上記課題が解決された高
い血小板回収率を有する血小板純化用フィルターを提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血小板純
化用フィルターにおける種々の材料表面について鋭意検
討を行なった結果、該フィルター表面に血小板の粘着が
少なく、尚かつ、CWSTが90dyne/cm未満と
比較的親水性の低い表面として、アルコキシアルキル
(メタ)アクリレートを主要成分とする重合体が血小板
の粘着、活性化の抑制、補体系の活性化の抑制、生体組
織との親和性といった生体適合性を同時に満たす数少な
い合成高分子であることに着目し、該アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレートを主要成分とする重合体よりな
る表面を形成することにより上記諸目的を達成できるこ
とを見出だし、この知見に基づき本発明を完成するに至
った。
【0016】すなわち、本発明は、(1)白血球および
血小板を含有する血液成分中から、該血液成分中に混入
している白血球を選択的に除去し、血小板を回収する血
小板純化用フィルターであって、一般式(I)
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R1 は水素原子またはメチル基で
あり、R2 およびR3 は、炭素数1〜4のアルキル基で
あり、かつ、R2 とR3 の炭素数の総和が2〜5の自然
数である)よりなるアルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート単量体を主要成分としてなる重合体を該フィルタ
ー表面に保持させたことを特徴とする血小板純化用フィ
ルターにより達成することができる。
【0019】また、本発明は、(2)前記重合体を該フ
ィルター表面に化学結合により保持されてなることを特
徴とする血小板純化用フィルターにより達成することが
できる。
【0020】さらに、本発明は、(3)フィルターが、
ポリウレタン樹脂よりなる3次元網目構造を有する多孔
質フィルターであることを特徴とする上記(2)に記載
の血小板純化用フィルターによっても達成することがで
きる。
【0021】さらにまた、本発明は、(4)アルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート単量体が、メトキシエチ
ル(メタ)アクリレートである上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の血小板純化用フィルターによっても
達成することができる。
【0022】本発明は、また、(5)血液成分が、血小
板浮遊液である上記(1)または(2)に記載の血小板
純化用フィルターにより達成することができる。
【0023】本発明は、さらに、(6)血小板濃縮液中
から、該血小板濃縮液中に混入している白血球数を減少
させるフィルターであって、一般式(I)
【0024】
【化3】
【0025】(式中、R1 は水素原子またはメチル基で
あり、R2 およびR3 は、炭素数1〜4のアルキル基で
あり、かつ、R2 とR3 の炭素数の総和が2〜5の自然
数である)よりなるアルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート単量体を主要成分としてなる重合体を該フィルタ
ー表面に保持させてなり、かつ該フィルター表面の臨界
表面張力が90dyne/cm未満であることを特徴と
する血小板濃縮液の白血球数を減少させる装置により達
成することができる。
【0026】
【作用】本発明に用いられるアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、前記一般式(I)で表わさ
れるものであり、R2 およびR3 は、炭素数1〜4、好
ましくは1〜3のアルキル基であり、かつ、R2 とR3
の炭素数の総和が2〜5の自然数である。一例を挙げる
と、たとえばメトキシメチルアクリレート、メトキシエ
チルアクリレート、メトキシプロピルアクリレート、メ
トキシイソプロピルアクリレート、メトキシブチルアク
リレート、エトキシメチルアクリレート、エトキシエチ
ルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート、エト
キシイソプロピルアクリレート、イソプロポキシエチル
アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシ
メチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレー
ト、メトキシプロピルメタクリレート、メトキシブチル
メタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エト
キシエチルメタクリレート、イソプロポキシメチルメタ
クリレートなどを例示できるが、好ましくは、経済性や
操作性の点よりメトキシエチルアクリレートである。
【0027】本発明のフィルター表面に保持される重合
体は、上記のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート
のホモポリマーに限定されるものでなく、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリレートによる生体適合性が損なわ
れない程度に他の単量体と共重合して使用できる。この
場合のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの量は
コポリマー中に通常10モル%以上、好ましくは20モ
ル%以上である。共重合させる単量体としては、たとえ
ばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
アクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルア
クリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアク
リレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレート、プロピレンま
たはエチレンなどのオレフィン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、スチレンなどを例示することができ
る。分子内にヒドロキシル基やカチオン性基を有しない
単量体が、生体適合性が損なわれにくいので好ましい。
共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体のいずれでも良く、ラジカル重合やイオ
ン重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法で作
製することができる。
【0028】アルコキシアルキル(メタ)アクリレート
を主要成分としてなる重合体をフィルター表面に保持さ
せる方法としては、コーティング法、放射線や紫外線に
よるグラフト重合法、プラズマ重合法等の公知の方法を
例示できる。プラズマ重合法やグラフト重合法である
と、重合体がフィルター表面に結合されているため血液
成分中への溶出が起こらないため好ましい。ここでフィ
ルター表面への結合とは、重合体がフィルター表面に共
有結合等の化学結合により結合されていることであり、
該重合体の良溶媒へもほとんど溶出しないことを特徴と
する。
【0029】さらに本発明の血小板純化用フィルターと
しては、たとえば多孔質フィルター、不織布、織布、編
布等を例示できるが、好ましくは、繊維径1〜30μ
m、好ましくは3〜20μmでかつ不織布、織布、編布
等であり、その材質としては木綿、麻等の天然繊維、ナ
イロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオ
レフィン等の合成繊維がある。また、もしくは平均孔径
1〜10μm、好ましくは2〜8μmの多孔質フィルタ
ー、あるいは該多孔質フィルターと繊維質フィルターと
の組合わせである。さらに本発明の血小板純化用フィル
ターを構成する多孔質フィルター基材としては、特に限
定されるものではないが、たとえば、ポリオレフィン、
ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリスルホン、ナイロン、ポリエーテルスルホン、
ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニト
リルコポリマー、エーテルアミド−ポリアミドブロック
コポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、
もしくはそれらの混合物等を挙げることができる。操作
上の点からポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィ
ン、ポリウレタン、エチレン−ビニルアルコールコポリ
マー、もしくはそれらの混合物であることが望ましい。
さらに好ましくは、後述するポリウレタン樹脂よりなる
基材からなる3次元網目構造を有する多孔質フィルター
である。
【0030】また、本発明に用いられる血液成分として
は、特に限定されるものではないが、好ましくは、血小
板輸血用に血小板製剤として成分採血装置等によって血
小板成分を分離された血小板濃縮液や血小板浮遊液等で
ある。
【0031】さらに、本発明の血小板純化用フィルター
は、該フィルター表面の臨界表面張力が、通常90dy
ne/cm未満、好ましくは75〜88dyne/c
m、より好ましくは80〜85dyne/cmである。
【0032】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明は、これら実施例のみに限定されるもので
ない事は言うまでもない。
【0033】また、これらの実施例および比較例に記載
のフィルターについて、臨界湿潤表面張力(以下、CW
STという)の測定方法および血液濾過実験による白血
球除去率および血小板回収率について、下記の実験方法
によって測定した数値を示す。
【0034】CWSTの測定方法 まずCWSTの測定において、表面張力が順次2ないし
4dyne/cmづつ変化する一連の標準液体を用意し
た。連続する表面張力の標準液体の少なくとも二つを多
孔質基材の代表的部分に別々に滴下し、そして10分間
放置し、10分後に観察を行なった。(ここで「湿潤」
は、10分以内に10滴のうち少なくとも9滴が多孔質
基材へ吸収するかあるいはあきらかな湿潤するものとし
て定義した。また「非湿潤」は、10分間で10滴のう
ち少なくとも9滴が多孔質基材へ吸収しないあるいは湿
潤しないものとして定義した。)一方が湿潤し、他方が
湿潤しない表面張力が最も近接した一対が同定されるま
で、順次より高いあるいはより低い表面張力の液体を使
用して測定を続けた。次いでCWSTはこの範囲に入
り、便宜上、二つの表面張力の平均値をCWSTを表す
単一の数値として用いた。
【0035】なお、異なる表面張力をもつ適宜な溶液
は、種々の方法で調整することができるが、本発明の実
施例および比較例に使用したものとしては下記の表1に
示す通りである。
【0036】
【表1】
【0037】白血球除去率および血小板回収率の実験方
各多孔体を厚さ0.5mm、直径25mmの大きさに打
ち抜き所定のモジュール内に組み込んだ(有効面積1.
2cm2 )。一方、健常人のCPD加新鮮血から採収し
たPRPに密度勾配遠心法によって分離した自己リンパ
球を浮遊させ、これをリンパ球含有PRP(PLT:
3.5×105 〜5.5×105 /μl、WBC:3.
5×103 〜4.5×103 /μl)とした。
【0038】これを落差10cmで上記のリンパ球含有
PRPを5ml流し、多孔体通液前後におけるWBC、
PLTを測定した後、下記の数式1および数式2により
算出した。
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】実施例1 ポリウレタン製多孔質フィルター(東洋ポリマー株式会
社製:ルビセル)にアルゴンガス下(0.1Tor
r)、100W、20秒間、低温プラズマ照射した後、
気相でメトキシエチルアクリレートを供給して、0.9
Torrで5分間グラフト重合を行なった。該フィルタ
ーをメタノールで洗浄した後の孔径は5μmであった。
ついで該フィルターについてCWSTとグラフト率(グ
ラフトした重合体の重量/グラフト前の基材の重量×1
00[%])を測定し、濾過実験に供して白血球除去率
および血小板回収率を測定した。得られた結果を表2に
示す。
【0042】実施例2 ポリウレタン製多孔質フィルター(東洋ポリマー株式会
社製:ルビセル)にアルゴンガス下(0.2Tor
r)、100W、30秒間、低温プラズマ照射した後、
気相でメトキシブチルアクリレートを供給して、0.6
Torrで5分間グラフト重合を行なった。該フィルタ
ーをメタノールで洗浄した後の孔径は4μmであった。
ついで該フィルターについてCWSTとグラフト率(グ
ラフトした重合体の重量/グラフト前の基材の重量×1
00[%])を測定し、濾過実験に供して白血球除去率
および血小板回収率を測定した。得られた結果を表2に
示す。
【0043】比較例1 実施例1および2の基材として用いたポリウレタン製多
孔質フィルター(東洋ポリマー株式会社製:ルビセル)
をメタノールで洗浄した後、CWSTとグラフト率(グ
ラフトした重合体の重量/グラフト前の基材の重量×1
00[%])を測定し、濾過実験に供して白血球除去率
および血小板回収率を測定した。得られた結果を表2に
示す。
【0044】
【表2】
【0045】参考例 血小板の材料表面への粘着性を調べるために、表3に示
した材料について、血小板の粘着テストを行なった。即
ち、クエン酸ナトリウムで抗凝固した人新鮮多血小板血
漿と材料表面とを30分接触させ、生理食塩水でリンス
しグルタルアルデヒド固定した後、粘着した血小板数を
電子顕微鏡で観察した。
【0046】得られた結果を下記の表3に示すが、アル
コキシアルキル(メタ)アクリレート表面への血小板の
粘着は少なかった。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明の血小板純化用フィルターは、ア
ルコキシアルキル(メタ)アクリレートを主成分とした
重合体を表面に有している。該アルコキシアルキル(メ
タ)アクリレートは、分子内に極性基としてエーテル結
合とエステル結合を有しているだけであり、これらの極
性基は、窒素原子(アミノ基、イミノ基)やカルボキシ
ル基などと異なり、生体成分と強い静電的相互作用をも
たないため、組織や体液にたいして異物認識されにく
い。また、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート
は、大きな疎水性基を持たず適度な親水性を有するた
め、生体成分と強い疎水性相互作用をもたないこととな
る。材料表面と血液成分との接触を考えると、タンパク
質の変性や多層吸収、活性化等が少ない表面が好まし
く、物質間に働く大きな相互作用である疎水性相互作用
や静電的相互作用を小さくすることが有用と考えられて
いる。本発明のフィルターは、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリレートを主成分とした重合体を表面に有して
おり、その結果、血小板の粘着が少なく、血小板の回収
率が向上することとなる。
【0049】本発明によれば、白血球除去率に優れ、し
かも血小板の回収率が高い優れた白血球除去剤や白血球
除去フィルターを提供することができる。このような白
血球除去剤および白血球除去フィルターは、血小板や新
鮮血等の輸血における副作用の防止のための血小板純化
用フィルターや白血球除去フィルターとして有用であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−54853(JP,A) 特開 昭61−228871(JP,A) 特開 昭56−140927(JP,A) 特許2806510(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/14 A61M 1/34 B01D 39/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白血球および血小板を含有する血液成分
    中から、該血液成分中に混入している白血球を選択的に
    除去し、血小板を回収する血小板純化用フィルターであ
    って、一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2およ
    びR3は、炭素数1〜4のアルキル基であり、かつ、R2
    とR3の炭素数の総和が2〜5の自然数である)よりな
    るアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体を主
    要成分としてなる重合体を該フィルター表面に保持させ
    たことを特徴とする血小板純化用フィルター。
  2. 【請求項2】 前記血液成分は、血小板浮遊液である請
    求項1に記載の血小板純化用フィルター。
  3. 【請求項3】 前記フィルターは、ポリウレタン樹脂よ
    りなる3次元網目構造を有する多孔質フィルターである
    請求項1または2に記載の血小板純化用フィルター。
JP06237092A 1992-03-18 1992-03-18 血小板純化用フィルター Expired - Fee Related JP3459836B2 (ja)

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