JP3741320B2 - 白血球選択除去フィルター材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、白血球を選択的に除去し、血小板は通過させる白血球選択除去フィルター材に関する。詳しくは、輸血や体外循環を行う時に血液中の白血球を選択的に除去したり、血液から濃縮血小板血漿を調整する際に混入している白血球を選択的に除去するための白血球選択除去フィルター材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、免疫学、輸血学の進歩に伴い、従来の全血輸血から種々の疾患の治療に必要な成分のみを輸血する成分輸血が行われるようになってきている。成分輸血は輸血による患者への負荷を軽減し、かつ治療効果が高まる優れた輸血療法であり、成分輸血に用いられている各種の血液製剤、即ち濃厚赤血球(CRC)、濃厚血小板(PC)、乏血小板血漿(PPP)等は献血によって得られた全血を遠心操作で分離して調整される。しかしながら、遠心操作によって分離された血液製剤中には多くの白血球が含まれており、この混入白血球が原因で輸血後副作用が誘発されることが明かになってきた。輸血後副作用としては、頭痛、吐き気、悪寒、非溶血性発熱反応などの比較的軽微な副作用から、免疫障害をもつ患者に対しては、輸血された白血球が受血者の皮膚、内部器官に致死的影響を与える移植片対宿主反応(GVH)の誘発や、サイトメガロウィルス感染等の白血球中に存在するウィルスによる感染、アロ抗原感作などの重篤な副作用が知られている。このような輸血後副作用を防止するためには、血液製剤に混入している白血球を除去することが有効である。
通常、全血、赤血球製剤等の輸血に用いられる血液製剤中には107 個/mlの白血球が含まれている。頭痛、吐き気、悪寒、発熱反応などの比較的軽微な副作用を防止するためには、1回の輸血で受血者に輸注される白血球数を1億個程度以下に抑える必要があるとされており、このためには血液製剤中の白血球の残存率を10-1〜10-2以下になるまで除去する必要がある。またアロ抗原感作及びウィルス感染を予防するためには、白血球残存率を10-4〜10-6以下にまで除去することで予防しうると期待されている。
血液製剤から白血球を除去する方法としては、血液の比重差を利用した遠心分離方法と不織布などの繊維状媒体や三次元網目状連続孔を有するスポンジ状構造物などをフィルター材としたフィルター法の2種に大別されるが、白血球除去効率の良いこと、操作の簡便なこと、コストの低いことの利点からフィルター法が広く用いられている。
ところが、上記フィルター材の多くは白血球のみならず高い粘着性を持つ血小板をも粘着除去してしまうものであった。再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、白血病など血小板補給が必要な患者に対する輸血には白血球を選択的に除去し、血小板は通過させるフィルターが切望されてきた。
【0003】
白血球を選択的に除去し、血小板は通過させるためには、フィルター材の物理的因子と化学的因子を考慮する必要がある。物理的因子とは、フィルター素材の物理的な構造を示し、不織布などの繊維状媒体では繊維径、密度、厚み等がこれに当たり、連続孔を有する多孔質体の場合、孔径、気孔率、密度、厚み等がこれに相当する。一般的に白血球の除去にはフィルター素材の物理的因子が大きく寄与し、除去能を高めるには、繊維径の細い極細繊維を用いる、充填密度を高める、孔径を小さくすることにより達成されることが知られている。
一方、血液を様々な高分子材料に接触させると、材料表面の選択によって血栓の有無、細胞崩壊の有無に差が出てくる。この差は未だ解明されていないことであるが、血液に含まれている細胞と用いた材料表面との複雑な相互作用によると考えられている(「医用高分子材料」、医用高分子材料編集委員会編、1981)。親水性、疎水性という観点から材料表面を分類すると、一般的に親水性表面を有する高分子材料は材料表面と血液との界面エネルギーが小さく、タンパク質や血球細胞との相互作用が小さくなるため、血栓の形成や細胞の変態が抑制される傾向があると言われている(「バイオマテリアルサイエンス」第2集、135、1982)。そのため血小板を通過させる性質をフィルター材が持つには、フィルター素材を親水化することが有効であり、親水性の単量体や多量体をグラフト重合やコーティングによってフィルター素材表面に導入することが公知の技術として知られている。しかしながら、このように親水化した表面を有するフィルター材は、血小板の通過性を向上させ得るが、白血球の除去能も低下させたり、また、親水性の多量体をコーティングによってフィルター素材表面に導入すると多量体が溶出してしまうものであった。
【0004】
特開昭55−129755号には不織布表面に抗血栓性材料をコーティングしたフィルターを用い、赤血球及び血小板の混入が少ない白血球及びリンパ球の採取方法を開示している。しかしながら、このフィルターに血液を流すと血小板の損失は少ないが、白血球の除去能も小さく、白血球の選択的除去はできなかった。
WO87/05812号には繊維の表面部分が非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を含有しているフィルター材を用いた、白血球選択除去用フィルター材料が開示されている。しかしながら、このフィルター材は白血球残存率を10-2〜10-3にするようにフィルター材の表面積をコントロールした場合、血小板を効率良く通過させ得るが、輸血後副作用をより確実に防止するため、白血球残存率を10-4以下にするようにフィルター材の表面積を増すと血小板通過率が低下してしまう問題があった。また、塩基性含窒素官能基と非イオン性官能基を有する多量体は一般に水になじみ易いため、疎水性のフィルター素材にコーティングしてもポリマーが脱落しやすい、即ち溶出しやすいといった問題があった。
【0005】
特開平1−249063号には繊維表面を負荷電を有する単量体とヒドロキシル基を有する単量体で表面を改質したフィルター材を用い、血小板濃縮液から白血球を分離する装置及び方法が開示されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、このフィィルター材もWO87/05812号と同様、白血球残存率を10-4以下とする高い白血球除去能を維持しつつ、血小板を効率良く通過させることはできないものであった。
特開平4−187206号には材料表面にポリエチレングリコール鎖を導入した、白血球分離装置及び白血球分離材料の製造方法が開示されている。しかしながら、このフィルター材も白血球除去能が満足のいくものではなかった。
以上のように、現在までのところ、白血球残存率を10-4以下とする高い白血球除去能を維持しつつ、血小板損失を少なくするフィルター材は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は白血球残存率を10-4以下にするようにフィルター材の表面積を増しても血小板はほとんど粘着しない白血球選択除去フィルター材を提供することを目的とする。本発明はまた、血小板輸血や血液の体外循環白血球除去治療に有効に用いることのできる、血小板粘着が少なく白血球を効率よく除去する白血球選択除去フィルター材を提供することを目的とする。本発明は更に、輸血や体外循環治療を安全に行い得る溶出物のないフィルター材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、フィルター素材が血液を濾過し得る細孔を有する多孔質素子であって、該フィルター素材の表面部分に疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを含む重合性単量体からなる多量体をコーティングしているフィルター材により達成される。
即ち、疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを含む重合性単量体からなる多量体を表面に有するフィルター材は、白血球除去能を維持しつつ、血小板はほとんど粘着しない性質を有すること、及びフィルター材から多量体が溶出しない、即ち溶出物のないことが判明し、本発明のフィルター材を開発するに至ったのである。
【0008】
本発明でいう疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を有する多量体とは、水に対する親和性が低く水に溶けにくい疎水性部分、及びポリエチレンオキサイド鎖の両方を含み、多量体を構成する単量体の数(重合度)が2以上である多量体のことである。例えば、二重結合や三重結合などの反応性に富む疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を含む重合性単量体のランダム共重合体やブロック重合体、疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む重合性単量体からなる重合体、疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖を含むように縮合重合などによって合成した多量体、親水性の多量体であっても化学反応によって疎水性部分及びポリエチレンオキサイド鎖を導入した多量体などが挙げられる。
【0009】
水に対する溶解度が大きい、即ち親水性の単量体からなる多量体をコーティングにより疎水性材料表面に導入しても材料表面との物理的接着が弱いため、血液と接触すると材料表面から脱落しやすくなる。このような材料は如何に血小板通過性が良好でも血液を濾過する材料として使用し得るものではない。
フィルター材表面からの溶出物は、高分子材料にコーティングする多量体を構成する単量体の水に対する溶解度に依存する。即ち、一般に高分子材料は疎水性表面を持つため、水に対する溶解度が極めて低い単量体からなる多量体を用いれば、高分子材料表面と多量体との接着性が向上し、溶出物のない材料表面とすることができるのである。しかし、このようにして設計した材料を用い、血液と接触させると、材料表面が非常に疎水性であるため血小板の通過性が低下してしまう問題があった。
【0010】
一方、ポリエチレンオキサイド鎖を有する単量体は抗血栓性を有する優れた血液適合性材料であることが知られている。例えば、ポリエチレンオキサイド鎖を表面にもつ高分子材料に血液を接触させてもアルブミンやグロブミンなどの血漿タンパク質が材料表面に粘着せず、血小板の反応性も低くなり血栓形成が見られないことが知られている(筏義人 医用高分子材料、共立出版、1989)。このような優れた血液適合性材料であるポリエチレンオキサイド鎖を有する単量体をフィルター素材の表面に導入すると、細胞低付着性、血液適合性が付与され、血小板がフィルター材表面に付着することなく通過するようになる。しかし、ポリエチレンオキサイド鎖は非常に親水性であるため、白血球も同時に通過するようになり、本目的の白血球選択除去フィルター材として用いることができなかった。
このように、材料表面を疎水化すれば血小板通過性が低下してしまい、逆に親水化すれば材料表面にコーティングしている多量体が溶出しやすくなる場合が一般点であった。
このような問題に対し、本発明者が鋭意検討したところ、疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を有する多量体をフィルター材表面にコーティングすると、高い血小板通過性と白血球除去能を維持しつつ、溶出物のない材料にすることを可能とし、本発明の白血球選択除去フィルター材を開発するに至ったのである。
【0011】
本発明の疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖を有する多量体は前述のように様々な方法で合成することができるが、中でも疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を含む重合性単量体からなる多量体や疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む重合性単量体からなる多量体が単量体の入手が容易であること、取扱いやすいこと、合成しやすいことの理由により好ましい。また、この場合の疎水性部分を有する重合性単量体の水(20〜25℃、pH=6〜8)に対する溶解度は50以下、好ましくは40以下、より好ましくは20〜1であることが望ましい。同様に、疎水性部分及びポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む重合性単量体からなる多量体おいて、疎水性部分及びポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む重合性単量体の水(20〜25℃、pH=6〜8)に対する溶解度は60以下、好ましくは50以下、より好ましくは30〜1であることが望ましい。疎水性部分を有する単量体、疎水性部分及びポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む単量体の水に対する溶解度がそれぞれ50を超える、60を超えると、フィルター素材と多量体との接着性が低下し、溶出物が増加してしまうため好ましくない。
【0012】
溶解度の測定は、重合性単量体が個体の場合は霧点法、熱解析法、溶液の起電力や電導度を測定する電気的方法、ガスクロマトグラフィー分析法、トレーサー法等の公知の測定方法で測定でき、重合性単量体が液体の場合には、個体のときと同じ測定法でも測定できるが、更に容量法、光散乱法、蒸気圧法等の公知の方法によって測定することができる。また、より簡便な方法として、重合性単量体の飽和水溶液から水を蒸発させ、残量の重さを測定する方法により求めることもできる。
【0013】
本発明の多量体に含まれる疎水性部分の含量は10重量%以上、好ましくは20重量%以上であることが望ましい。疎水性部分の含量が10重量%未満であると、多量体とフィルター素材との接着性が低く、血液と接触したとき、多量体が溶出してしまうため好ましくない。
また、本発明の多量体に含まれるポリエチレンオキサイド鎖の含量は、2〜80重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは40〜80重量%であることが望ましく、ポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位数としては、2〜100、好ましくは2〜60、より好ましくは2〜30、最も好ましくは2〜15であることが望ましい。多量体中のポリエチレンオキサイド鎖の含量が2重量%未満、またはポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が2未満であると、血小板通過性が減少してしまい、ポリエチレンオキサイド鎖の含量が80重量%を超えるまたはポリエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が100を超えるとフィルター材素材との接触性が低下し、溶出物が増大してしまうため好ましくない。
【0014】
また、本発明の多量体の分子量は6000以上、好ましくは20000万以上であることが望ましい。分子量が6000未満であると、フィルター素材から多量体が脱落しやすくなるため好ましくない。
【0015】
疎水性部分の含量及びポリエチレンオキサイド鎖の含量は例えば、多重全反射赤外線分光計を用いる赤外線吸光光度法(ATR−IR)、核磁気共鳴スペクトル法(NMR)、元素分析などの公知の方法で測定することができる。また、多量体の分子量は例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)、融点降下法、沸点上昇法、恒温蒸留法、膜浸透圧法などの公知の方法で測定することができる。
【0016】
本発明でいう疎水性部分とは、水に対する親和性が極めて低い部分のことであり、炭素−炭素結合が3以上の部分、炭素原子と炭素原子との間に酸素原子や硫黄原子などの異原子を含む結合部分、ハロゲン化炭化水素などである。また、疎水性部分を構成する官能基としては、アルキル基、ハロゲン基、アルキルオキソ基、アルキルチオ基、エステル結合部分、エーテル結合部分、芳香族部分などがこれにあたる。このような疎水性部分を有している疎水性の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン誘導体、メチル(メタ)クリレート、エチル(メタ)クリレート、ブチル(メタ)クリレート、フェニル(メタ)クリレート、エチルヘキシル(メタ)クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)クリレート、トリクロロエチル(メタ)クリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル誘導体、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどのアルケン類などが挙げられるが、疎水性部分を有する重合性単量体は上記物質に限定されるものではない。
【0017】
また、疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を含む重合性単量体としては、ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコール(メタ)クリレート、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール(メタ)クリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)クリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル誘導体などが挙げられるが疎水性部分とポリエチレンオキサイド鎖の両方を有する重合性単量体は上記物質に限定されるものではない。
【0018】
また、ポリエチレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを有する重合性単量体としては、メトキシトリエチレングリコール(メタ)クリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)クリレート、ヒドロキシポリエチレングリコール(メタ)クリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル誘導体などが挙げられるがポリエチレンオキサイド鎖を有する重合性単量体は上記物質に限定されるものではない。
【0019】
また、本発明の多量体が塩基性含窒素官能基を0.2〜4.0重量%、好ましくは0.3〜3.0重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%有することが望ましい。塩基性含窒素官能基を有する材料は、細胞を浮遊させるような生理的体液中で材料表面が正荷電を有するようになり、負荷電を有する血小板及び白血球を粘着させるというのが一般的な現象であった。しかしながら、塩基性含窒素官能基の量が0.2〜4.0重量%である多量体をコーティングしたフィルター材は、血小板は粘着しにくいにもかかわらず、白血球は粘着しやすいという特性を有すため、白血球をより効率良く除去することができる。しかし、塩基性含窒素官能基の含量が0.2重量%未満であると、正荷電量が不足し、白血球除去能の向上は見られず、4.0重量%を超えると血小板も粘着除去されてしまうため好ましくない。塩基性含窒素官能基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、4級アンモニウム基、及びピリジル基、イミダゾイル基などの含窒素芳香族基などが挙げられ、具体的には入手のし易さ、取扱い性の点より、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)クリレートなどがある。但し、本発明の多量体に用いることのできる塩基性含窒素官能基は、上記物質に限定されるものではなく、疎水性部分を有する重合性単量体やポリエチレンオキサイド鎖を有する重合性単量体中に塩基性含窒素官能基を含有していても良い。
【0020】
本発明の多量体とは疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを含む重合体単量体からなる。また、この多量体中に各種の官能基、即ちアミノ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン基、ニトロ基、ニトリル基、アルキルオキシ基、アルキル基、アシル基、チオール基、カルボキシル基、カルボニル基、フォルミル基などを含むものであっても良い。
更に、塩基性含窒素官能基を本発明の多量体に導入することがより好ましい。
【0021】
本発明のフィルター素材とは、血液を濾過し得る細孔を有するものであれば特に限定はなく、何れの形態を有する物も含まれるが、具体的には天然繊維、ガラス繊維、編布、不織布、織布などの繊維状媒体や多孔膜、三次元網目状連続孔を有するスポンジ状構造物が挙げられ、この中でも不織布やスポンジ状構造物は特に好ましいものである。フィルター素材の物理的な構造は白血球の除去に大きく寄与することが知られており、白血球の除去能を向上させるには該フィルター素材の選択も重量な因子となる。不織布などの繊維状媒体をフィルター素材とする場合、平均繊維径は0.3〜3.0μm、好ましくは0.5〜2.0μm、より好ましくは0.5〜1.5μmであることが望ましい。また、平均孔径は2〜30μm、好ましくは2〜20μm、より好ましくは2〜10μmであることが望ましい。また、白血球を除去するための容器内に該繊維状媒体を充填したときの充填密度は0.1〜0.5g/cm3 、好ましくは0.1〜0.3g/cm3 、より好ましくは0.15〜0.25g/cm3 であることが望ましい。平均繊維径が0.3μm未満、平均孔径が2μm未満、充填密度が0.5g/cm3 を超えると血球の目詰まりや圧力損失の増大を引き起こし、平均繊維径が3.0μmを超える、平均孔径が30μmを超える、充填密度が0.1g/cm3 未満であると、白血球の除去能が低下してしまうため好ましくない。
【0022】
連続孔を有するスポンジ状構造物をフィルター素材とする場合には、2〜30μmの平均孔径を有することが望ましい。平均孔径が2μm未満であると血球目詰まりや圧力損失の増大を引き起こし、平均孔径が30μmを超えると白血球除去能が低下してしまうため好ましくない。
【0023】
なお、本発明における平均繊維径とは、以下の方法に従って求められる値をいう。即ち、フィルター素材を構成する1枚または複数枚の繊維体から実質的に均一と認められる部分をサンプリングし、走査電子顕微鏡などを用いて、写真に撮る。サンプリングに際しては、繊維体の有効濾過断面積部分を、1辺が0.5cmの正方形によって区分し、その中から6ケ所をランダムサンプリングする。ランダムサンプリングするには、例えば上記各部分に番地を指定した後、乱数表を使うなどの方法で、必要ケ所の区分を選べば良い。またサンプリングした各区分について、3ケ所以上好ましくは5ケ所以上を拡大倍率2500倍で写真に撮る。サンプリングした各区分について中央部分及びその近傍の箇所の写真を撮っていき、その写真に撮られた繊維の合計本数が100本を超えるまで写真を撮る。ここで直径とは、繊維軸に対して直角方向の繊維の幅をいう。測定した全ての繊維の直径の和を、繊維の数で割った値を平均繊維径とする。但し、複数の繊維が重なり合っており、他の繊維の陰になってその幅が測定できない場合、また複数の繊維が溶融するなどして、太い繊維になっている場合、更に著しく直径の異なる繊維が混在している場合、等々の場合には、これらのデータは削除する。
【0024】
また、本発明におけるフィルター素材の平均孔径とは、水銀ポロシメーター(島津製作所、ポアサイザ9320または同等の装置)で測定した値であり、水銀がフィルター素材の細孔に全く入っていない状態を水銀圧入量0%、フィルター素材の全ての細孔に入っている状態を水銀圧入量100%とした時、水銀圧入量50%にあたる点が本発明でいう平均孔径である。尚、水銀ポロシメーターでの測定は1〜2650psiaの圧力範囲で測定する。
【0025】
また、本発明のフィルター素材としては、血球にダメージを与えにくいものであれば特に限定はなく各種のものを用いることができ、有機高分子、無機高分子、金属等が挙げられる。その中でも有機高分子は切断等の加工性に優れるため好ましい素材である。有機高分子としては、例えば、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスルホン、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロロビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー等が挙げられるが、本発明のフィルター素材は上記例示に限定されるものではない。
【0026】
本発明の多量体をコーティングしたフィルター材の臨界湿潤表面張力(CWST)は65〜90dyn/cm未満、好ましくは75〜90dyn/cm、より好ましくは75〜85dyn/cmであることが望ましい。CWSTとは、フィルター材の表面特性に関連し、フィルター材のぬれ特性を規定するのに使用される物性値である。即ち、液体をフィルター材の表面と接触させ、わずかに圧力を加えた場合、フィルター材への湿潤が起こるか否かを規定する表面特性値であり、ある液体の表面張力より大きなCWST値を有するフィルター材は、その液体による湿潤が起こることになる。本発明は血液製剤中に混入している白血球を除去し、血小板は通過させるフィルター材に関するものであり、実際、血液製剤から白血球を除去するためには、血液とフィルター材が接触した時に血液でフィルター材が自然湿潤する条件が好ましい。そのため、本発明で用いるフィルター材の表面は濾過する血液の表面張力と同等もしくはそれ以上のCWST値を有するものが好ましい。血漿及び赤血球の表面張力はそれぞれ73dyn/cm、64.5dyn/cmと測定されている(血球及びタンパク質の表面張力の測定、エイ.ダブル.ニューマン 他、ニューヨークアカデミーオブサイエンス 1983年、276ページ)ため、65dyn/cm未満の表面を有するフィルター材ではかなりの圧力を負荷しなければ血液の濾過を行うことができなくなる。このため、フィルター材のCWST値は圧力損失を軽減するために65dyn/cm以上であることが好ましい。一方、CWST値が90dyn/cmを超えるとフィルター材からコーティングしている多量体が溶出しやすくなるため、フィルター材のCWST値は90dyn/cm未満であることが好ましい。
なお、本発明におけるCWSTとは、以下の方法によって求められる値をいう。即ち、2ないし4dyn/cmづつ表面張力が変化するように水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、酢酸及びエタノールの濃度の異なる水溶液を調整する。各水溶液の表面張力(dyn/cm)は、水酸化ナトリウム水溶液で94〜115、塩化カルシウム水溶液で90〜94、硝酸ナトリウム水溶液で75〜87、純粋な水で72.4、酢酸水溶液で38〜69、エタノール水溶液で22〜35のものが得られる(「化学便覧 基礎編II」改訂2版、日本化学会編、丸善、164(1975))。このようにして得た表面張力が2ないし4dyn/cm異なる水溶液を表面張力が低いものから順番にフィルター材上に10滴づつ乗せ10分間放置する。10分間放置後、10滴中9滴以上がフィルター材に吸収された場合に湿潤した状態であると定義し、吸収が10滴中9滴未満である場合に非湿潤状態であると定義する。このようにしてフィルター材上に表面張力が小さい液体から順次測定していくと湿潤状態と非湿潤状態が出現する。この時湿潤状態を観察した液体の表面張力の値と非湿潤状態を観察した液体の表面張力の値の平均値をそのフィルター材のCWST値と定義する。例えば、64dyn/cmの表面張力を有する液体で湿潤し、66dyn/cmの表面張力を有する液体で非湿潤であった場合、そのフィルター材のCWST値は65dyn/cmとなる。
【0027】
本発明の白血球選択除去フィルター材とは、血液を濾過し得る細孔を有するフィルター素材に本発明の多量体をコーティングしているものである。
本発明の多量体のフィルター素材へのコーティング方法は、フィルター素材の細孔を著しく閉塞させることなく、かつフィルター素材表面が露出することなく均一にコーティングできるものであれば特に制限はなく各種の方法を用いることができる。例えば、多量体を溶かした溶液にフィルター素材を含浸させる方法、多量体を溶かした溶液をフィルター素材に吹き付ける方法、直接多量体をフィルター素材に塗末し、余分な多量体を洗い流す方法などが挙げられる。この中でも多量体を溶かした溶液にフィルター素材を含浸させる方法は、コーティング層を均一にでき、コストも低いことより好ましい方法である。多量体を溶解する溶剤としては、フィルター素材を著しく溶解させないものであれば特に限定なく様々な溶剤を用いることができ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族類、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシドなどの硫黄含有溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類などが挙げられる。この中でもアルコール類は有害性が低く取扱い性に優れるため好ましい溶剤である。
また、コーティング後の乾燥としては、機械的な圧縮、重力、遠心分離、空気や窒素などの気体の吹き付けなどで余剰の溶液を除去し、乾燥気体中または真空中で常温または加温するなどの方法を用いることができる。
また、コーティングの前に、本発明の多量体とフィルター素材との接着性をより高めるため、フィルター素材の表面を酸、アルカリなどの適当な薬品で処理したり、プラズマを照射することもできる。更に、多量体のコーティング後に100℃以上の熱を加える熱処理や、100Gy以上のγ線、電子線などの放射線を照射する後加工を施し、フィルター素材と多量体との接着性を更に強化することもできる。
尚、コーティングはフィルター素材を製造するときに行っても良いし、製造後行っても良い。
このようにしてコーティングしたフィルター材表面のコーティング層の平均厚みは1μm以下、コーティング量はフィルター素材の単位表面積あたり200mg/m2 以下であることが好ましい。平均厚みが1μmを超える、コーティング量が200mg/m2 を超えるとフィルター素材の細孔が閉塞してしま部分が生じたり、コストが高くなるため好ましくない。平均厚みは40〜600オングストローム、コーティング量は0.7〜10mg/m2 であることが望ましい。コーティング層の平均厚み及びコーティング量の測定は、オージェ電子分光法(AES)、二次イオン質量分析法(SIMS)、電子プローブ微小部分析法(EPMA)、X線光電子分光法(XPS)、走査電子顕微鏡(SEM)、多重全反射赤外線分光計を用いる赤外線吸光光度法(ATR−IR)などの表面分析方法によって測定することができる。尚、多量体中にアミノ酸やカルボキシル基、スルホン酸基などの荷電性官能基が含まれている場合には、その荷電性官能基にイオン的に吸着する色素を用いる色素吸着法によりコーティング量を簡便に測定することもできる。
【0028】
【実施例】
以下実施例に従って、本発明の白血球選択除去フィルター材についてより詳細に説明する。
【0029】
【実施例1】
ポリエチレンオキサイド鎖を有する重合性単量体としてエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が30のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(以下MPGMA−30と略す)と疎水性の重合性単量体であるメチルメタクリレート(以下MMAと略す)のコポリマーを通常の溶液ラジカル重合によって合成した。重合条件は、MPGMA−30とMMAのモル分率を0.2、0.8とし、全量が1モル/1になるように調整したアセトニトリル溶液に、開始剤として2.2′−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を1/200モル/1加え、50℃で8時間重合反応を行った。多量体の精製は反応後の溶液をエタノール/ヘキサンの混合溶液に添加し、多量体を析出させることによって精製した。このようにして得られた多量体中のポリエチレンオキサイド鎖の含量は72.5重量%であった。
平均繊維径が1.2μm、平均孔径が8μmの白血球を除去するためのポリエチレンテレフタレートからなる不織布24枚(繊維表面積2.9m2 )及び、この不織布より血液の入口側に血液製剤に含まれている微小凝集物を除去するための平均孔径が30μm以上の不織布を有効濾過断面積が3.0×3.0cmの血液の入口と出口を有する容器内に充填した。白血球を除去する不織布の充填密度を0.2g/cm3 とした。
【0030】
上記多量体の1%エタノール溶液をこの容器に空気が入らないように入れ、窒素を1.51/分の流速で4.5分間流し、余分な多量体溶液を取り除いた。更に、60℃で16時間コーティング後の容器を真空乾燥させた。コーティング後のフィルター材のCWST値は82dyn/cmであった。
200ml採血由来の濃厚血小板10単位(230ml、CPD30ml加)を上記のフィルターを組み込んだ血液回路を用いて5g/分の一定流速で濾過した。
【0031】
濾過前の濃厚血小板(以下、濾過前液)及び回収液の体積、血小板数、白血球数を測定し、次式(1)及び(2)に従って血小板回収率及び白血球残存率を求めた。
なお、濾過前液及び回収液の体積は、それぞれの重量を比重1.03で割った値とした。また白血球数の測定は次の方法で行った。
濾過前液の白血球濃度の測定:チュルク液によって、10倍希釈した濾過前液をビルケルチュルク型の血球計算板に注入し、光学顕微鏡を用いて大区画8区画中に存在する白血球をカウントし、この値をnpre とした。
白血球濃度(濾過前液)=npre ×1/8×105 個/ml
【0032】
回収液の白血球濃度の測定:回収液100mlにEBSS液(EBSS 10ml、蒸留水90ml、HEPESbuffer2ml、Triton−x 0.87g)50mlを加え、10分間混和後、遠心(800g×10分)した。遠心分離後に上清を吸引除去し、沈査を0.5ml残した。この沈査をアクリジンオレンジ液で1.1倍に希釈した後、ノイバウエル型の血球計算板に注入し、蛍光顕微鏡を用いて36区画の漏出白血球数をカウントし、この値をnpostとした。
白血球濃度(回収液)=npost×1/36×11/0.7/200個/μl
上記式中で0.7で割るのは、200倍濃縮時の白血球回収率が70%であるためである。
また、血小板濃度の測定は、250000倍希釈した検体を自動血球カウンターで測定して求めた。
以上の結果、血小板回収率は92%、白血球残存率は10-4.3であった。
コーティング後の不織布の溶出物試験をディスポーザブル輸血セット及び輸液セット基準に従って実施し、蒸発残留物(基準1.0mg以下)を測定したところ、0.1mg以下であった。
【0033】
【実施例2】
ポリエチレンオキサイド鎖を有する重合性単量体としてエチレンオキサイド鎖の繰り返し単位数が9のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(以下MPGMA−9と略す)とMMAのコポリマーをMPGMA−9とMMAのモル分率を0.7、0.3とし、実施例1と同様の方法で合成した。
このようにして得られた多量体中のエチレンオキサイド鎖の含量は73.5重量%であった。
以下、実施例1と同様の方法でフィルター作成、コーティング、血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は84dyn/cm、血小板回収率は92.4%、白血球残存率は10-4.5、蒸発残留物は0.1mg以下であった。
【0034】
【実施例3】
MPGMA−9とMMA及びジエチルアミノエチルメタクリレート(以下DMと略す)のコポリマーをMPGMA−9とMMAとDMのモル分率を0.7、0.2、0.1とし、実施例1と同様の方法で合成した。
このようにして得られた多量体中のエチレンオキサイド鎖の含量は72.4重量%であった。
以下、実施例1と同様の方法でフィルター作成、コーティング、血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は84dyn/cm、血小板回収率は91.8%、白血球残存率は10-5.1、蒸発残留物は0.1mg以下であった。
【0035】
【実施例4】
MPGMA−9と疎水性部分を有する重合性単量体として2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(以下HPMAと略す)及びDMのコポリマーをMPGMA−9とHPMAとDMのモル分率を0.45、0.47、0.08とし、実施例1と同様の方法で合成した。
このようにして得られた多量体中のエチレンオキサイド鎖の含量は59.0重量%であった。
以下、実施例1と同様の方法でフィルター作成、コーティング、血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は85dyn/cm、血小板回収率は94.8%、白血球残存率は10-4.5、蒸発残留物は0.1mgであった。
【0036】
【比較例1】
実施例1と同様のフィルターを作成し、何もコーティングしないで血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は61dyn/cm、血小板回収率は54.0%、白血球残存率は10-4.0、蒸発残留物は0.1mg以下であった。
【0037】
【比較例2】
MMAのみからなる多量体を合成し、実施例1と同様の方法でフィルター作成、コーティング、血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は59dyn/cm、血小板回収率は43.2%、白血球残存率は10-4.1、蒸発残留物は0.1mg以下であった。
【0038】
【比較例3】
MPGMA−9のみからなる多量体を合成(ポリエチレンオキサイド鎖含量80%)し、実施例1と同様の方法でフィルター作成、コーティング、血液濾過、溶出物試験を行ったところ、フィルター材のCWST値は90dyn/cm、血小板回収率は96.5%、白血球残存率は10-1.8、蒸発残留物は3.1mgであった。
実施例1〜4、比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
表1に示すように、本発明のフィルター材は血小板回収率が高く、白血球残存率及び蒸発残留物が低いので、輸血や体外循環治療に使用して有効且つ安全なフィルター材である。
Claims (1)
- フィルター素材が血液を濾過し得る細孔を有する多孔質素子であって、該フィルター素材の表面に疎水性の重合性単量体とポリエチレンオキサイド鎖を有するアクリル酸エステルあるいはメタアクリル酸エステルを含む重合性単量体からなる多量体をコーティングにより導入していることを特徴とする白血球選択除去フィルター材。
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