JPH08196209A - プロセスチーズ及びその製造方法 - Google Patents

プロセスチーズ及びその製造方法

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JPH08196209A
JPH08196209A JP7028658A JP2865895A JPH08196209A JP H08196209 A JPH08196209 A JP H08196209A JP 7028658 A JP7028658 A JP 7028658A JP 2865895 A JP2865895 A JP 2865895A JP H08196209 A JPH08196209 A JP H08196209A
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Yoshihiko Miyagawa
美彦 宮川
Hiroshi Kondo
浩 近藤
Ryo Sato
涼 佐藤
Masayuki Azuma
雅幸 東
Tsuguaki Nishitani
紹明 西谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離性が非常に優れ、しかも、ナチュラルチ
ーズ本来の豊かな風味を有するプロセスチーズ及びその
製造方法を提供することにある。 【構成】 ナチュラルチーズに溶融塩としてカルボン酸
塩及び縮合リン酸塩を添加し乳化してなる優れたナチュ
ラルチーズの熟成風味と剥離性を有するプロセスチー
ズ。溶融塩の添加量は、ナチュラルチーズに対して0.
4〜4.5重量%であることが好ましい。溶融塩中の縮
合リン酸塩の含有量は、20〜70重量%であることが
好ましい。ナチュラルチーズに溶融塩としてカルボン酸
塩及び縮合リン酸塩を添加して加熱乳化することを特徴
とする優れたナチュラルチーズの熟成風味と剥離性を有
するプロセスチーズの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剥離性に優れ、分割し
たチーズ同士が付着せず、しかもナチュラルチーズ本来
の風味を有するプロセスチーズ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プロセスチーズの利便性を追求するとい
う観点から、一枚一枚のプロセスチーズ片を、フィルム
で仕切ることなく、チーズの剥離性を向上させ、いわゆ
る「切断したチーズ同士が付着しない状態」を長期間保
持させる方法について、近年検討がなされてきている。
このような検討の例としては、熟度の低い原料チーズを
50%以上配合し、カルシウム塩と溶融塩を添加して、
プロセスチーズの剥離性を向上させる方法 (特開平4−
179442号公報)、でき上がったプロセスチーズ製
品の熟度が21%((可溶性窒素/全窒素)×100、
(以下、「熟度%」は同じ))以下になるように調整し、
カルシウム塩と溶融塩を添加して剥離性を向上させる方
法 (特開平5−76282号公報)、熟度22%以下の
原料チーズに対し、クリーミング作用の弱い溶融塩を添
加して剥離性を向上させる方法 (特開平4−30484
3号公報)、及び未熟成の原料チーズを30重量%以上
配合し、増粘性多糖類を添加して剥離性を向上させる方
法 (特開平5−146250号公報)等が挙げられる。
【0003】しかしながら、これらの方法はいずれも、
基本的に、熟成期間の短い、若いチーズを相当量使用す
るか、または熟度の低いチーズを主体とした原料を使用
することを必須の条件としており、これに、カルシウム
塩の添加、クリーミング作用の弱い溶融塩の選択及び増
粘性多糖類の添加等の二次的手段を付加して初めて特定
の温度条件下において、剥離性付与の目的が達成される
という知見に基づくものである。従って、熟成の度合い
が低いほど、剥離性を与えるのに好都合ということにな
り、その結果、使用する原料に著しい制限が加わること
になる。しかも、熟成の度合いが低い原料チーズを用い
るため、得られるチーズの風味はますます淡白なものに
なるという不都合があった。
【0004】これらの方法は、旧来よく用いられていた
チーズ表面に油脂等を噴霧塗布して剥離性を付与する方
法等に比べると、微生物衛生的な観点を考慮すると、よ
り優れた方法ではある。しかしながら、これらの方法で
は、前記したように、剥離性を確保するために、若いチ
ーズや熟度の低いチーズを使用しているため、風味は概
して淡白なものとなり、ナチュラルチーズ本来の豊かな
風味を生かしたプロセスチーズを製造することは不可能
であった。即ち、原料チーズの熟度を上げ、風味の向上
を追求すると、剥離性は低下することになり、この2つ
の目的を同時に満足させることはできなかった。さら
に、これらの方法では、カルシウム塩や増粘性多糖類を
添加することを剥離性の付与に対して必須の要件として
いるため、得られるチーズの組織、食感、口溶け等が必
ずしも満足できるものではなかった。
【0005】また、上記の例示方法の剥離性が得られる
条件は、いわゆる冷蔵温度下のものであり、具体的に
は、5℃で10日間及び2〜3ヶ月、または10℃で2
日間である。即ち、これらの方法は、常温即ち20℃以
上での剥離性を得ることを目的としておらず、常温条件
での剥離性を保証したものではなかった。従って、切断
されたチーズが、長時間常温に放置された場合に、剥離
性が確保できるかどうかという点については何らの検討
もなされておらず、上記の例示した文献中には、その点
についての何等の記載も示唆もない。
【0006】ところで、プロセスチーズの製造において
溶融塩の使用は必須のものであるが、一般に溶融塩の使
用は、ナチュラルチーズ独特のいわゆる熟成風味を低下
させ、チーズの物性や食感に大きな影響を与えることが
知られている。この溶融塩が、チーズの剥離性にどの様
な影響を与えるかについての、これまでの知見は、前記
特開平4−304843号公報に、クリーミング作用の
弱い溶融塩の使用がチーズに良好な剥離性を与えること
が開示されている点を除いては、皆無である。ここでい
う「クリーミング作用の弱い溶融塩」とは、具体的には
クエン酸塩及びモノリン酸塩をいう。しかし、これらの
溶融塩で乳化したチーズは、一般に縮合リン酸塩で乳化
したチーズに比べて、ナチュラルチーズ本来の独特の熟
成風味が発現しない(熟成風味が感じられない)ことが
経験的に知られている。このため、これとは逆にクリー
ミング作用の強い溶融塩、例えばポリリン酸塩を単独で
使用すると、前記特開平4−304843号公報に記載
されているように、チーズに良好な剥離性を与えること
はできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の従来技術が有する課題の解決を図り、剥離性が非常
に優れ、しかも、ナチュラルチーズ本来の豊かな風味を
有するプロセスチーズを製造する方法及びその方法によ
り得られるプロセスチーズを提供することを目的とす
る。即ち、本発明は、従来技術のように、未熟成の原料
チーズの使用や原料チーズの熟度の制限を受けずに、冷
蔵条件下では勿論のこと、常温での剥離性が非常に優れ
た、ナチュラルチーズ本来の豊かな風味を有するプロセ
スチーズを製造する方法及びその方法により得られるプ
ロセスチーズを提供することを目的とする。本発明はま
た、特別な製造設備を必要とせず、低コストで、上記の
剥離性とナチュラルチーズの風味を兼ね備えたプロセス
チーズを製造する方法及びその方法により得られるプロ
セスチーズを提供することを目的とする。尚、本発明に
おいて「剥離性が優れた」とは、一枚一枚カットされた
チーズを、積層した状態で常温で長期間保存しても、結
着したり付着したり変形したりしないような状態をい
う。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、溶融塩のあらゆる種類及びそれらのあ
らゆる組み合わせについて詳細に検討し、鋭意研究を重
ねた結果、驚くべきことに、溶融塩として、カルボン酸
塩と縮合リン酸塩を組み合わせて使用することにより、
原料のナチュラルチーズの熟成の度合いとは全く無関係
に、高度な剥離性を実現させることが可能となり、しか
も、得られるプロセスチーズはナチュラルチーズ独特の
豊かな風味を有するものとなることを見出し、本発明を
完成させた。
【0009】即ち、本発明は、クエン酸塩、アジピン酸
塩及び酒石酸塩から選択される少なくとも1種のカルボ
ン酸塩、並びにジリン酸塩、トリポリリン酸塩及びポリ
リン酸塩から選択される少なくとも1種の縮合リン酸塩
からなる溶融塩を、ナチュラルチーズに対し0.4〜4.
5重量%添加し、乳化してなる優れたナチュラルチーズ
の熟成風味と剥離性を有するプロセスチーズからなる。
本発明はまた、縮合リン酸塩としてジリン酸塩を用いる
場合には、全溶融塩に対するジリン酸塩の含有量が20
〜70重量%であり、縮合リン酸塩としてトリポリリン
酸塩を用いる場合には、全溶融塩に対するトリポリリン
酸塩の含有量が20〜60重量%であり、または、縮合
リン酸塩としてポリリン酸塩を用いる場合には、全溶融
塩に対するポリリン酸塩の含有量が20〜50重量%で
ある前記優れたナチュラルチーズの熟成風味と剥離性を
有するプロセスチーズからなる。
【0010】本発明はまた、ナチュラルチーズに、カル
ボン酸塩及び縮合リン酸塩からなる溶融塩を、ナチュラ
ルチーズの量に対し0.4〜4.5重量%添加するに際
し、該縮合リン酸塩を、ジリン酸塩として全溶融塩に対
し20〜70重量%添加するか、トリポリリン酸塩とし
て全溶融塩に対し20〜60重量%添加するか、または
ポリリン酸塩として全溶融塩に対し20〜50重量%添
加して、加熱乳化することを特徴とする優れたナチュラ
ルチーズの熟成風味と剥離性を有するプロセスチーズの
製造方法からなる。本発明はまた、カルボン酸塩が、ク
エン酸塩、アジピン酸塩及び酒石酸塩から選択される少
なくとも1種である前記優れたナチュラルチーズの熟成
風味と剥離性を有するプロセスチーズの製造方法からな
る。本発明はまた、ナチュラルチーズに、さらに乳化剤
としてレシチン及び親水性シュガーエステルから選択さ
れる1種または2種以上を添加するか、または増粘多糖
類及びゼラチンから選択される1種または2種以上を添
加する前記優れたナチュラルチーズの熟成風味と剥離性
を有するプロセスチーズの製造方法からなる。本発明は
また、乳化剤の添加量が、0.02〜1重量%であり、
増粘多糖類及び/またはゼラチンの添加量が、0.05
〜1重量%である前記優れたナチュラルチーズの熟成風
味と剥離性を有するプロセスチーズの製造方法からな
る。
【0011】尚、本発明者らは、溶融塩としてカルボン
酸塩と縮合リン酸塩とを組み合わせて用いることにより
本発明の目的を達成することができることを見出すまで
に、下記のような検討を行った。即ち、溶融塩として知
られる、クエン酸塩、酒石酸塩、アジピン酸塩、モノリ
ン酸塩、ジリン酸塩、トリポリリン酸塩及びポリリン酸
塩等を用いて、それぞれ単独で添加し、チーズを乳化し
たところ、前記特開平4−304843号公報に記載さ
れている、いわゆるクリーミング作用の弱い溶融塩であ
るクエン酸塩、酒石酸塩、アジン酸塩及びモノリン酸塩
を用いた系では、10℃以下の冷蔵温度では、剥離性、
保形性とも良好であるが、20℃以上では短期間のうち
に結着したり、付着し、しかも、組織が軟弱化して、変
形しやすくなる傾向がみられた。クエン酸塩の系では、
チーズの組織が、しなやかな弾力性のある組織となるの
に対し、モノリン酸塩の系ではやや粉っぽい組織を呈し
ていた。ポリリン酸塩の系では、10℃以下の条件でも
剥離性は不良であった。一方、ジリン酸塩の系では、保
形性は良好であるが、非常に脆い組織となり、剥離性試
験の際に、チーズに折れが生じ、満足のいく剥離性は得
られなかった。また、トリポリリン酸塩は、ジリン酸塩
とポリリン酸塩の両方の性質を兼ね備えていた。本発明
でポリリン酸塩は、一般に定義される(Pn3n+1)
(n+2)-、(n≧2)の一般式で示される直鎖状の縮合リ
ン酸塩を意味する。いずれにしても、上記のような方法
では充分な剥離性とチーズの熟成風味は発現できなかっ
た。上記のように、溶融塩をそれぞれ単独で使用した場
合の基本的な挙動を踏まえて、これらの溶融塩を互いに
組み合わせて使用した場合の効果について、種々の検討
を重ねた結果、カルボン酸塩と縮合リン酸塩を一定の割
合で原料チーズに対し添加することにより、常温保存で
の剥離性が極めて良好となり、好ましいナチュラルチー
ズ本来の熟成風味と適度な弾力性も具備したプロセスチ
ーズの調製が可能となったのである。
【0012】従って、本発明の製造方法においては、カ
ルボン酸塩と縮合リン酸塩とを組み合わせたものを溶融
塩として用いる。カルボン酸塩としては、クエン酸塩、
酒石酸塩、アジピン酸塩等を例として挙げることができ
る。また、これらの塩の形態としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩等の食用に用いられるもの
であれば、特に制限はない。このようなカルボン酸塩の
好ましい例として、クエン酸1ナトリウム、クエン酸1
カリウム、クエン酸3ナトリウム、クエン酸3カリウ
ム、酒石酸2ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、
アジピン酸2カリウム、アジピン酸2ナトリウム、クエ
ン酸2ナトリウム、クエン酸2カリウム等を挙げること
ができる。本発明においては、これらの中でも、特に、
クエン酸3ナトリウム、酒石酸2ナトリウム及びアジピ
ン酸2カリウムが好適に使用される。
【0013】縮合リン酸塩とは、一般に定義されるリン
酸H3PO4の脱水縮合によって生じたイソポリ酸、すな
わち縮合リン酸の塩であって、ジリン酸塩、トリリン酸
塩(例えば、トリポリリン酸塩、トリメタリン酸塩)、
ウルトラリン酸塩が挙げられる。また、これらの塩の形
態は、ナトリウム塩やカリウム塩、アンモニウム塩等の
食用に用いられるものであれば、特に制限はない。この
ような縮合リン酸塩の例としては、ピロリン酸ナトリウ
ム(ピロリン酸4ナトリウム)、酸性ピロリン酸ナトリ
ウム(ピロリン酸水素2ナトリウム)、ポリリン酸ナト
リウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、
ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、酸性ピロリ
ン酸カルシウム等を挙げることができる。本発明におい
ては、特に、ジリン酸4ナトリウム、ジリン酸4カリウ
ム、トリポリリン酸5ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ムが好適に使用される。
【0014】縮合リン酸塩としてジリン酸塩を用いる場
合、カルボン酸塩とジリン酸塩の使用割合は、全溶融塩
中のジリン酸塩含量を、20〜70重量%とすることが
望ましく、この範囲とすることにより、良好な風味と常
温域での剥離性を確保することができる。ジリン酸塩の
含量が20重量%未満となると、冷蔵下、例えば、10
℃以下の温度域における剥離性は充分であるが、ナチュ
ラルチーズ独特の熟成風味が充分に発現せず、香りや味
がきわめて弱いものとなるため望ましくない。一方、ジ
リン酸塩の含量が70重量%を越えると、チーズが脆く
なり、チーズを剥がす際にチーズに折れが生じるため望
ましくない。
【0015】また、縮合リン酸塩としてトリポリリン酸
塩を用いる場合、カルボン酸塩とトリポリリン酸塩の使
用割合は、全溶融塩中のトリポリリン酸塩の含量を、2
0〜60重量%とすることが望ましい。トリポリリン酸
塩の含量が20重量%未満となると、ジリン酸塩とカル
ボン酸塩を配合した場合と同様、ナチュラルチーズの独
特の熟成風味が充分に発現されない。また、 トリポリ
リン酸塩の含量が60重量%を超えると、チーズが脆く
なり、その上、常温ではチーズ同士が一部結着してしま
うので望ましくない。
【0016】さらに、縮合リン酸塩としてポリリン酸塩
を用いる場合、カルボン酸塩とポリリン酸塩の使用割合
は、全溶融塩中のポリリン酸塩の含量を、20〜50重
量%とすることが望ましい。ポリリン酸塩の含量が上記
範囲から外れる場合には、トリポリリン酸塩の場合と同
様の不都合が生じる。尚、以上説明したこれら3種類の
縮合リン酸塩の望ましい含量は、塩の形態がナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等のいずれであって
も、同様である。
【0017】また、本発明の製造方法において、カルボ
ン酸塩と縮合リン酸塩からなる溶融塩の使用量は、特に
制限されないが、ナチュラルチーズ原料に対して、0.
4〜4.5重量%、特に、0.4〜4重量%の範囲である
ことが望ましい。溶融塩量が0.4重量%未満となる
と、チーズが充分乳化されず、反対に4.5重量%を超
えるとチーズ中の溶融塩味が感じられるようになり、風
味上好ましくない。尚、本発明の製造方法において、こ
の溶融塩は、カルボン酸塩と縮合リン酸塩を混合物とし
てから用いてもよいし、これらを混合することなく、そ
れぞれ別個に添加してもよい。
【0018】本発明において、カルボン酸塩と縮合リン
酸塩からなる溶融塩を用いることにより、極めて良好な
剥離性とナチュラルチーズ独特の熟成風味をプロセスチ
ーズに発現させることができるが、その理由は、下記の
ように考えられる。即ち、クリーミング作用が強いとい
われている縮合リン酸塩は、カルボン酸塩と一定の割合
で混合することにより剥離性を向上させる方向に働くこ
とから、クリーミング作用の強弱は、剥離性の発現その
ものとは直接関係していないといえる。縮合リン酸塩を
用いたチーズは、カルボン酸塩またはモノリン酸塩を用
いたチーズと異なり、硬い物性になる。このことは、チ
ーズ中で、コロイド状リン酸カルシウムを介した架橋構
造を形成して存在するカルシウムパラカゼイネートか
ら、キレート作用によりカルシウムを離脱させるという
通常の作用の他に、破壊されたミセルから解離したカゼ
イン分子が縮合リン酸塩と結合し、擬似ゲルのような新
たな網目状の構造体が形成されていることを意味してお
り、このことが剥離性への寄与と関係していると考えら
れる。しかしチーズに脆さを生じるため、単独での使用
には適さない。ところが、縮合リン酸塩を、カルボン酸
塩と併用することにより、脆さの問題を解消し、本来持
つ優れた剥離性の効果を発揮することが可能となるので
ある。これらの性質は、乳化時の撹拌シェアの強弱、乳
化温度等の影響により大きく変わるものではない。従っ
て、本発明の製造方法においては、乳化のための乳化釜
や乳化機としては、撹拌機能や加熱機能、脱気機能を有
するものであれば、いずれでも用いることができる。ケ
トルのみならず、連続的に乳化できるサーモシリンダー
等を使用することが可能である。
【0019】本発明において使用するチーズは、通常、
プロセスチーズの原料として用いられる全ての種類のナ
チュラルチーズが使用でき、前記特開平4−30484
3号公報のように熟度を一定以下に抑えたり、前記特開
平4−179442号公報のように熟成を抑制した若い
チーズを使用する等の制約は全く受けることがない。従
って、ゴーダ、チェダー、エメンタール等のいずれの種
類のナチュラルチーズを単独で用いてもよいし、2種以
上を配合して用いてもよいことは言うまでもない。ま
た、タンパク質含量や脂肪含量の調整の目的で、酸カゼ
イン、カゼイネート(ナトリウムカゼイネートやカルシ
ウムカゼイネート)、レンネットカゼイン及び各種動物
油脂、植物油脂等を添加することもできる。
【0020】本発明の製造方法は、カルボン酸塩及び縮
合リン酸塩からなる前記溶融塩を、原料チーズに対して
添加し、加熱乳化することからなるが、上記した種々の
望ましい条件以外は、公知のいかなる方法を用いること
もできる。
【0021】尚、最終チーズの水分は、プロセスチーズ
らしい適度な食感を維持させようとすれば、50重量%
以下、特に、42重量%〜48重量%に調整することが
望ましいが、チーズの水分は剥離性を制御するための絶
対的な要因ではない。しかしながら、最終チーズの水分
が42重量%未満の場合、あるいは撹拌シェアが強い場
合には、チーズが硬くなる傾向があるので、チーズの食
感(特に硬さ)を軟らかくするには、乳化剤として、レ
シチン及び/または親水性シュガーエステルを添加する
ことができる。レシチンとしては、市販されている通常
のものを用いることができ、例えば、日清製油(株)製
のレシチンDXや理研ビタミン(株)製のレシオンPを
好ましいものの例として挙げることができる。また、親
水性シュガーエステルとしては、同様に市販のものでよ
く、例えば、大日本製薬(株)製のF−10等を挙げる
ことができる。本発明においては、これらのレシチン及
び親水性シュガーエステルの中から1種または2種以上
を選択して用いることができる。これらの乳化剤は、原
料チーズに対して0.02〜1重量%添加すればよく、
1種または2種以上を混合して使用してもよい。乳化剤
の添加量が、原料チーズに対して、0.02重量%未満
であると、チーズを軟らかくする効果が十分でなく、1
重量%を超えると、しばしばレシチン臭やシュガーエス
テル臭がチーズに加わるため好ましくない。このように
レシチンや親水性シュガーエステルのような乳化剤を添
加することにより、熟成風味が希釈されずに、食感の改
良ができるが、この場合、剥離性や風味への悪影響は全
くない。しかし、乳化剤として、疎水性シュガーエステ
ル(例えば、大日本製薬(株)製:F−160)を添加
すると、剥離性が阻害されるので使用することができな
い。このように、乳化剤を添加した場合の最終チーズの
適度な硬さは、後記する測定方法において最大応力で、
概ね1250〜2350g程度となる。
【0022】また、水分が最終チーズの48重量%を越
える場合には、組織が軟弱になるため、チーズらしい適
度な硬度を得るために、増粘多糖類及び/またはゼラチ
ンを原料チーズに対して、チーズの水分値や硬さに応じ
て、0.05〜1重量%の範囲で添加することができ
る。増粘多糖類としては、基本的には全ての増粘多糖類
が使用可能であり、1種または2種以上を混合して使用
してもよい。増粘多糖類の代表的なものの例としては、
グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カ
ードラン、アラビヤガム、カラギーナン、寒天、ペクチ
ン(HMペクチン、LMペクチン)等を挙げることがで
きる。ゼラチンとしては、市販のものを用いることがで
き、例えば、新田ゼラチン(株)製のゼラチン21を代
表的なものとして挙げることができる。本発明において
は、これらの増粘多糖類及びゼラチンの中から1種また
は2種以上を選択して用いることができる。増粘多糖類
及び/またはゼラチンの添加量が、0.05重量%未満
となると、チーズを硬くする効果が十分でなく、1重量
%を越えると、増粘性の多糖類では問題ないが、ゲル化
性の強い多糖類、例えば寒天、カラギーナン、LMペク
チンでは、剥離性が若干低下するので留意すべきであ
る。このように、増粘多糖類及び/またはゼラチンを添
加した場合の最終チーズの適度な硬さは、後記する測定
方法により最大応力で概ね750〜1300g程度にな
る。乳化剤や増粘多糖類、ゼラチンの添加時期は、加熱
乳化の前後を問わない。水に溶かしたものを加えるか、
またはチーズ中に加えて溶解すれば効果を奏することが
できる。もちろん、加熱乳化の前か同時に添加すること
が好ましいことは言うまでもない。
【0023】即ち、本発明において、得られるプロセス
チーズの硬さは、本発明の主な目的とすることろではな
いが、食感に関係する観点から、上記のようにレシチン
及び/または親水性シュガーエステルからなる乳化剤を
添加したり、増粘多糖類及び/またはゼラチンを添加し
たりして、得られるチーズの硬さを適度のもの、即ち、
概ね最大応力750〜2350g程度の範囲内の値とす
るために調整することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。尚、実施例における「チーズの風味の評価」、
「剥離性の評価」、「硬さの測定と評価」及び「水分値
の測定」は、下記の方法に従って行った。
【0025】[風味の評価]官能検査パネラー30名を
用い、チーズを食して熟成風味等を評価した。下記の5
つの評価の尺度を用い、パネラー全員の点数の平均値で
示した。評価点が、3.5以上のものを本発明の目的が
達成されたものとした。 [評価の尺度] [点数] ナチュラルチーズ風味と遜色がない 5 ナチュラルチーズ風味に非常に近い 4 ナチュラルチーズ風味がかなり感じられる 3 ナチュラルチーズ風味がわずかに感じられる 2 ナチュラルチーズ風味は全く感じられない 1
【0026】[剥離性の評価]実施例において得られた
チーズを、55×110×35mmの大きさにして、三方
シールしてカルトン包装し、5℃で48時間冷蔵した
後、そのチーズを55×35×5mmの形状にピアノ線で
切断し、10枚積層した。これを、それぞれ10℃で3
カ月及び20℃で3カ月間保存して、それぞれ10℃、
20℃の雰囲気下において、一枚一枚剥がし、切断時の
形状を維持したまま、一枚単位で容易に分離できたもの
を正常とし、途中で折れたり、分離できなかったものを
不良とした。そして、良品数を全切断個数で除し、10
0倍したものを、良品率(%)として表した。良品率が
90%以上のものを本発明の合格品とした。
【0027】[硬さの測定と評価]実施例で得られたチ
ーズを、一辺1cmの立方体に切断し、これを応力測定器
(山電社製レオナー:形式RE−33005)で、圧縮
率70%まで圧縮した。この時の最大応力を読み取り、
チーズの硬さ(g)とした。硬さの評価は、概ね750
〜2350gの範囲内にあるものを、良とした。
【0028】[水分値の測定]実施例で得られたチーズ
を、約3g精秤し、アンリツ社製マイクロ波乾燥水分計
(形式K375C)により測定し、乾燥減量を水分とし
てその百分率を求めて水分値(重量%)とした。乾燥
は、装置の設定出力75%において、180秒間行っ
た。
【0029】実施例1 ニュージーランド製のチェダーチーズ20kg及び雪印乳
業(株)製のゴーダチーズ20kgを粉砕して混合し、こ
の原料チーズに、総量で800gとなるように溶融塩を
加えた。溶融塩の種類及び配合割合は、下記表1〜6に
示す通りとした。また、チーズのpHが、5.8〜5.9と
なるように、適宜重炭酸ナトリウムまたは乳酸を加えて
調整した。また、目標水分が43%となるよう加水を行
った。この原料混合物を、ケトル乳化機を用いて、12
0r.p.m.で蒸気を吹き込みながら、85℃の温度まで昇
温して乳化した。次に、この乳化チーズを55×110
×35mmのカルトンに充填し、5℃で2日間冷蔵した。
冷蔵後、チーズを55×35×5mmの形状にピアノ線で
切断し、10枚積層した。積層したチーズを10℃で3
カ月及び20℃で3カ月それぞれ保存し、保存後チーズ
を実際に剥がし、前記した方法に従って、剥離性の評価
及び風味の評価を行った。結果を下記表1〜表6に示し
た。
【0030】
【表1】 クエン酸3ナトリウムとジリン酸4ナトリウムの配合割合によるチーズの剥離性 と風味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3ナトリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のジリン酸4ナトリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 60 90 100 100 100 100 100 100 80 50 10 (%)(10℃保存) 90 100 100 100 100 100 100 100 90 80 30 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 1.3 2.9 4.6 4.7 4.6 4.8 4.6 4.6 4.5 3.9 3.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0031】
【表2】 酒石酸2ナトリウムとジリン酸4カリウムの配合割合によるチーズの剥離性と風 味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中の酒石酸2ナトリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のジリン酸4カリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 60 70 100 100 100 100 100 100 70 60 20 (%)(10℃保存) 80 90 100 100 100 100 100 100 90 80 50 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 1.6 1.9 4.1 4.2 4.5 4.5 4.3 4.1 4.0 3.8 3.6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】
【表3】 クエン酸3カリウムとトリポリリン酸5ナトリウムの配合割合によるチーズの剥 離性と風味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3カリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のトリポリリン酸5ナトリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 40 80 100 100 100 100 100 80 60 30 0 (%)(10℃保存) 60 90 100 100 100 100 100 100 80 70 30 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 2.0 2.0 4.4 4.3 4.5 4.6 4.7 4.2 3.9 2.8 2.9 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0033】
【表4】 アジピン酸2カリウムとトリポリリン酸5ナトリウムの配合割合によるチーズの 剥離性と風味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のアジピン酸2カリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のトリポリリン酸5ナトリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 30 60 100 100 100 100 100 70 70 50 10 (%)(10℃保存) 50 80 100 100 100 100 100 90 80 70 50 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 1.9 2.1 4.0 4.3 4.5 4.6 4.7 4.5 4.2 3.8 3.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0034】
【表5】 酒石酸2カリウムとポリリン酸ナトリウムの配合割合によるチーズの剥離性と風 味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中の酒石酸2カリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のポリリン酸ナトリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 60 80 100 100 100 100 70 40 20 0 0 (%)(10℃保存) 70 100 100 100 100 100 100 90 30 0 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 1.8 2.0 4.0 4.2 4.4 4.6 4.2 4.0 4.1 4.1 4.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0035】
【表6】 アジピン酸2ナトリウムとポリリン酸ナトリウムの配合割合によるチーズの剥離 性と風味 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のアジピン酸2ナトリウム; (含量、重量%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のポリリン酸ナトリウム; (含量、重量%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) 50 60 100 100 100 100 70 40 30 10 0 (%)(10℃保存) 70 90 100 100 100 100 100 60 50 30 10 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 1.2 1.8 4.2 4.1 4.1 4.5 4.6 4.1 4.2 4.3 4.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】カルボン酸塩とジリン酸塩の組み合わせで
は、全溶融塩中のジリン酸塩の含有量が20〜70重量
%、カルボン酸塩とトリポリリン酸塩の組み合わせ配合
では、全溶融塩中のトリポリリン酸塩の含量が20〜6
0重量%、カルボン酸塩とポリリン酸塩の組み合わせの
配合では、全溶融塩中のポリリン酸塩の含量が20%〜
50重量%の範囲にある場合において、風味、剥離性と
も良好なチーズを製造することができた。
【0037】実施例2 ニュージーランド製チェダーチーズ20kg及び雪印乳業
(株)製ゴーダチーズ20kgを原料とし、実施例1と同
様にしてプロセスチーズを製造した。製造に際し、カル
ボン酸塩として、クエン酸3ナトリウムを、縮合リン酸
塩としてジリン酸4ナトリウムを等量混合したものを溶
融塩として用い、原料チーズに対する溶融塩の総量を、
下記表7に示すように0.2〜5重量%まで変化させて
チーズの剥離性と風味の関係を調べた。結果を表7に示
した。
【0038】
【表7】 溶融塩の総添加量と風味、剥離性の関係 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原料チーズに対するクエン酸3ナトリウム添加量 (重量%); 0.10 0.15 0.20 0.25 0.50 1.00 1.50 2.00 2.25 2.50 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原料チーズに対するジリン酸4ナトリウム添加量 (重量%); 0.10 0.15 0.20 0.25 0.50 1.00 1.50 2.00 2.25 2.50 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原料チーズに対する溶融塩総量 (重量%); 0.20 0.30 0.40 0.50 1.00 2.00 3.00 4.00 4.50 5.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価); 1.0 2.0 3.8 4.0 4.0 4.6 4.0 3.9 3.7 1.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (良品率(%)); 10 20 90 100 100 100 100 100 90 80 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】表7に示される結果から明らかであるよう
に、溶融塩総量が原料チーズに対して0.4〜4.5重量
%の範囲にある場合に、剥離性、風味ともに良好な結果
が得られた。
【0040】実施例3 ニュージーランド製チェダーチーズ20kg及び雪印乳業
(株)製ゴーダチーズ20kgを原料とし、市販のレシチ
ン及び親水性のシュガーエステル(大日本製薬(株):
F−10)を、下記表8〜表10に記載する量で添加す
ること以外は、実施例1と同様にしてプロセスチーズを
製造した。この時、チーズの水分を低くするため、水は
加えずに乳化を行った。得られたチーズの水分値は、約
38重量%であり、実施例1と同様のカルトン包装をし
てチーズを冷却した後、切断し、積層した。チーズの水
分、硬さ、剥離性及び風味を、前記した測定及び評価方
法に従って行った。結果を下記表8〜表10に示す。
【0041】
【表8】 レシチンがチーズの硬さに及ぼす影響 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− レシチン; (含量、重量) 0.00 0.01 0.02 0.10 0.50 1.00 2.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3ナトリウム; (含量、重量%) 40 40 40 40 40 40 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のジリン酸4ナトリウム; (含量、重量%) 60 60 60 60 60 60 60 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分(含量、重量%) 38.5 38.6 38.4 38.9 38.0 38.5 38.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬さ(応力、g) 2818 2418 2008 1782 1490 1321 1280 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (%) 100 100 100 100 100 100 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 4.7 4.6 4.7 4.5 4.1 4.2 3.3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0042】
【表9】 親水性シュガーエステル(F−10)がチーズの硬さに及ぼす影響 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シュガーエステル; (含量、重量%) 0.00 0.01 0.02 0.10 0.50 1.00 2.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3ナトリウム; (含量、重量%) 70 70 70 70 70 70 70 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のポリリン酸ナトリウム; (含量、重量%) 30 30 30 30 30 30 30 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分(含量、重量%) 38.5 38.5 38.3 38.1 38.9 38.2 38.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬さ(応力、g) 3008 2570 2012 1851 1509 1340 1200 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (%) 100 100 100 100 100 100 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 4.5 4.5 4.6 4.7 4.2 4.2 3.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0043】
【表10】 レシチン及び親水性シュガーエステル(F−10)がチーズの硬さに及ぼす影響 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− レシチン(含量、重量%) 0.01 0.02 0.50 1.00 シュガーエステル(含量、重量%) 0.00 0.01 0.02 0.50 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中の酒石酸2カリウム; (含量、重量%) 60 60 60 60 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のトリポリリン酸5ナトリウム; (含量、重量%) 40 40 40 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分(含量、重量%) 38.1 38.5 38.2 38.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬さ( 応力、g) 2430 1910 1442 1299 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (%) 100 100 100 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 4.4 4.5 4.4 2.9 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0044】表8〜10に示される結果から明らかであ
るように、水分が低く硬いチーズでも、レシチンや親水
性シュガーエステル(例えば、シュガーエステル:F−
10)を0.02〜1.00重量%添加することにより、
剥離性や風味を損なうことなく、良好な食感(硬さ)の
チーズを得ることができた。
【0045】実施例4 ニュージーランド製チェダーチーズ20kg及び雪印乳業
(株)製ゴーダチーズ20kgを原料とし、市販のグアガ
ムまたはカードランを下記表11または12に示すよう
に添加すること以外は、実施例1と同様にしてプロセス
チーズを製造した。この時、チーズの水分を水を加えて
約50重量%とした。得られたチーズについて水分、硬
さ、剥離性及び風味を前記した測定及び評価方法に従っ
て行った。結果を表11及び表12に示した。
【0046】
【表11】 グアガムがチーズの硬さに及ぼす影響 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− グアガム(含量、重量%) 0.00 0.02 0.05 0.10 0.50 1.00 2.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3ナトリウム; (含量、重量%) 40 40 40 40 40 40 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のジリン酸4ナトリウム; (含量、重量%) 60 60 60 60 60 60 60 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分(含量、重量%) 50.9 51.0 50.5 50.7 50.4 50.3 50.6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬さ(応力、g) 618 739 906 1163 1267 1290 2007 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (%) 100 100 100 100 100 100 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 2.8 3.4 4.2 4.5 4.5 4.1 2.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0047】
【表12】 カードランがチーズの硬さに及ぼす影響 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− カードラン (含量、重量%) 0.00 0.02 0.05 0.10 0.50 1.00 2.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のクエン酸3ナトリウム; (含量、重量%) 70 70 70 70 70 70 70 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 溶融塩中のポリリン酸ナトリウム; (含量、重量%) 30 30 30 30 30 30 30 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水分 (含量、重量%) 50.5 50.5 50.1 50.9 50.6 50.5 50.3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 硬さ(応力、g) 589 670 879 1051 1268 1240 1255 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 剥離性(20℃保存) (%) 100 100 100 100 100 100 100 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 風味(官能評価) 3.8 3.5 4.3 4.4 4.0 4.8 2.8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0048】表11及び12に示される結果から明らか
であるように、水分が高く軟らかいチーズでも、増粘多
糖類を0.05〜1.00重量%添加することにより、剥
離性や風味を損なうことなく、良好な食感(硬さ)のチ
ーズを得ることができた。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、剥離性が非常に
優れ、しかも、ナチュラルチーズ本来の風味を有するプ
ロセスチーズを得ることができる。さらに、本発明の方
法によれば、従来技術のように、未熟成の原料チーズの
使用や原料チーズの熟度の制限を受けることもなく、冷
蔵条件下では勿論のこと、常温での剥離性が非常に優れ
た、ナチュラルチーズ本来の風味を有するプロセスチー
ズを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 涼 埼玉県蕨市塚越4−12−27 (72)発明者 東 雅幸 東京都練馬区東大泉4−22−3 (72)発明者 西谷 紹明 埼玉県狭山市北入曽699−3 メゾンブレ ミールB−102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クエン酸塩、アジピン酸塩及び酒石酸塩
    から選択される少なくとも1種のカルボン酸塩、並びに
    ジリン酸塩、トリポリリン酸塩及びポリリン酸塩から選
    択される少なくとも1種の縮合リン酸塩からなる溶融塩
    を、ナチュラルチーズに対し0.4〜4.5重量%添加
    し、乳化してなる優れたナチュラルチーズの熟成風味と
    剥離性を有するプロセスチーズ。
  2. 【請求項2】 縮合リン酸塩としてジリン酸塩を用いる
    場合には、全溶融塩に対するジリン酸塩の含有量が20
    〜70重量%であり、縮合リン酸塩としてトリポリリン
    酸塩を用いる場合には、全溶融塩に対するトリポリリン
    酸塩の含有量が20〜60重量%であり、または、縮合
    リン酸塩としてポリリン酸塩を用いる場合には、全溶融
    塩に対するポリリン酸塩の含有量が20〜50重量%で
    ある請求項1に記載の優れたナチュラルチーズの熟成風
    味と剥離性を有するプロセスチーズ。
  3. 【請求項3】 ナチュラルチーズに、カルボン酸塩及び
    縮合リン酸塩からなる溶融塩を、ナチュラルチーズの量
    に対し0.4〜4.5重量%添加するに際し、該縮合リン
    酸塩を、ジリン酸塩として全溶融塩に対し20〜70重
    量%添加するか、トリポリリン酸塩として全溶融塩に対
    し20〜60重量%添加するか、またはポリリン酸塩と
    して全溶融塩に対し20〜50重量%添加して、加熱乳
    化することを特徴とする優れたナチュラルチーズの熟成
    風味と剥離性を有するプロセスチーズの製造方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸塩が、クエン酸塩、アジピン
    酸塩及び酒石酸塩から選択される少なくとも1種である
    請求項3に記載の優れたナチュラルチーズの熟成風味と
    剥離性を有するプロセスチーズの製造方法。
  5. 【請求項5】 ナチュラルチーズに、さらに乳化剤とし
    てレシチン及び親水性シュガーエステルから選択される
    1種または2種以上を添加するか、または増粘多糖類及
    びゼラチンから選択される1種または2種以上を添加す
    る請求項3または4に記載の優れたナチュラルチーズの
    熟成風味と剥離性を有するプロセスチーズの製造方法。
  6. 【請求項6】 乳化剤の添加量が、0.02〜1重量%
    であり、増粘多糖類及び/またはゼラチンの添加量が、
    0.05〜1重量%である請求項5に記載の優れたナチ
    ュラルチーズの熟成風味と剥離性を有するプロセスチー
    ズの製造方法。
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