JPH08195644A - 端面反射型表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

端面反射型表面波装置及びその製造方法

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JPH08195644A
JPH08195644A JP382295A JP382295A JPH08195644A JP H08195644 A JPH08195644 A JP H08195644A JP 382295 A JP382295 A JP 382295A JP 382295 A JP382295 A JP 382295A JP H08195644 A JPH08195644 A JP H08195644A
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泰徳 高桑
Masatake Hayashi
誠剛 林
Kazuhiko Morozumi
和彦 諸角
Michio Kadota
道雄 門田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外装樹脂の付着によりダンピングが生じ難
く、従って所望通りの伝送特性を得ることを可能とする
SHタイプの表面波を利用した端面反射型表面波装置を
得る。 【構成】 圧電基板22の上面に互いに平行に第1,第
2の溝26,27を形成し、第1,第2の溝26,27
間において上面にIDT23を形成することにより、溝
26,27の内面26a,27aが対向2端面とされた
端面反射型表面波素子部を構成してなり、第1,第2の
溝26,27の外側に非励振部28,29が形成されて
おり、表面波素子の励振部37が空洞35に確実に臨む
ように空洞35が形成されており、周囲が外装樹脂層3
6で覆われている端面反射型表面波装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、BGS波やラブ波など
のようなSHタイプの表面波を利用した端面反射型の表
面波装置に関し、特に、樹脂外装が施された形式の端面
反射型表面波装置及びその製造方法に関する。
【0002】本発明の端面反射型表面波装置は、例え
ば、各種通信機器における帯域フィルタや発振子等に用
いられる。
【0003】
【従来の技術】SHタイプの表面波とは、変位が表面波
伝搬方向と垂直な方向の成分を含む表面波を言い、BG
S波やラブ波などが知られている。この種のSHタイプ
の表面波は、端面において反射されたとしても、成分の
変化が生じ難い。従って、SHタイプの表面波を利用し
た表面波装置とでは、対向2端面間で表面波を反射させ
て共振特性を得る、いわゆる端面反射型表面波装置が提
案されている。端面反射型表面波装置では、対向2端面
間で表面波を反射させるものであるため、表面波伝搬部
分の外側に余分な基板部分を必要としない。
【0004】すなわち、通常のレーリー波を利用した表
面波装置では、端面反射型表面波装置を構成することが
できず、かつ表面波伝搬領域の外側に反射器やダンピン
グ材を設ける必要があったため、表面波装置のサイズが
大きくなるという問題があったのに対し、SHタイプの
表面波を利用した端面反射型表面波装置では、上記のよ
うな反射器やダンピング材を設ける必要がないため、表
面波装置を小型とすることができる。
【0005】他方、レーリー波を利用した通常の表面波
装置では、従来より、樹脂外装を施したリード付きの電
子部品として構成されたものやセラミックパッケージ内
に表面波素子チップを収納してなる部品等が種々実用化
されている。このうち、樹脂ディップにより外装を施し
た従来の表面波装置を図1及び図2を参照して説明す
る。
【0006】図1に示す表面波共振子1は、レーリー波
を利用した表面波共振子である。表面波共振子1は、矩
形の圧電基板2上に一対のくし歯電極からなるインター
デジタルトランスデューサ(以下、IDT)3を形成し
た構造を有する。IDT3の表面波伝搬方向の両側に
は、反射器4,5が形成されている。
【0007】表面波共振子1を樹脂外装が施された電子
部品として構成する場合、IDT3をボンディングワイ
ヤーによりリード端子(図示せず)に接続し、かつ表面
波基板2の上面にパラフィンワックスを塗布する。しか
る後、リード端子の引き出されている部分を除き、残り
の部分を熱硬化性樹脂により被覆し、加熱により該熱硬
化性樹脂を硬化させるとともに、図2に示す空洞6を形
成する。
【0008】図2は図1のII−II線に沿う部分に相当す
る断面図であり、空洞6は、熱硬化性樹脂よりなる外装
樹脂層7内に形成されており、表面波基板2の上面を露
出させている。空洞6は、表面波共振子1の表面波伝搬
部分を露出させ、それによって熱硬化性樹脂が表面波伝
搬路上に接触することによる特性の劣化を防止する機能
を果たす。
【0009】上記のように、従来の表面波装置では、励
振面に外装樹脂が付着すると表面波がダンピングされる
ため、パラフィンワックスを用いて空洞6が形成されて
いた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したレ
ーリー波を利用した表面波装置1と同様にして、SHタ
イプの表面波を利用した端面反射型表面波共振子に樹脂
外装を施した場合には、空洞を形成したにも関わらず、
所望の共振特性が得られないことがあった。
【0011】すなわち、端面反射型の表面波装置では、
パラフィンワックスの付与、熱硬化性樹脂ディップ、加
熱による空洞の形成及び熱硬化性樹脂の硬化といった一
連の工程を実施したとしても、空洞が形成されているに
も関わらず、共振特性が大きく劣化することがあった。
【0012】本発明の目的は、SHタイプの表面波を利
用した端面反射型の表面波装置であって、共振特性の劣
化を防止するための空洞を形成して樹脂外装を施した場
合であっても、所望通りの特性を確実に得ることを可能
とする端面反射型表面波装置及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を達成するためになされたものであり、SHタイプの表
面波を利用した表面波装置であって、内側の面同士が平
行となるように一方主面側から形成された第1,第2の
溝を有する圧電基板と、前記圧電基板の第1,第2の溝
間に挟まれた基板部分に形成された少なくとも1つのイ
ンターデジタルトランスデューサとを備え、前記第1,
第2の溝の内側の面が対向2端面を形成して該対向2端
面間に端面反射型の表面波素子が構成されており、かつ
前記圧電基板の第1,第2の溝の外側の部分が非励振部
とされており、前記表面波素子の励振部を露出させるた
めの空洞を残して、前記圧電基板の周囲を被覆している
外装樹脂層と、前記表面波素子に電気的に接続されてお
り、かつ前記外装樹脂層外に引き出された電気的接続部
材とをさらに備える、端面反射型表面波装置である。
【0014】本願発明者らは、端面反射型表面波装置に
おいて、空洞を残して樹脂外装を施した場合に共振特性
が劣化する現象について種々検討した。すなわち、例え
ば図3に示す端面反射型表面波共振子11を用い、樹脂
外装を施し、その共振特性を評価した。
【0015】図3に示す端面反射型表面波共振子11
は、BGS波を利用したものであり、P方向に分極処理
された矩形の圧電基板12を用いて構成されている。圧
電基板12の上面12aには、一対のくし歯電極13,
14が形成されており、それによって1つのIDTが構
成されている。すなわち、くし歯電極13は、複数本の
電極指13a〜13cを有し、くし歯電極14は複数本
の電極指14a〜14cを有し、電極指13a〜13c
と、電極指14a〜14cとは互いに間挿し合ってい
る。
【0016】また、両端の電極指14a及び13cを除
く残りの電極指の幅及び各電極指間の間隔は、λ/4と
されている。ただし、λは、励振されるBGS波の波長
を示す。また、電極指14a,13cの幅はλ/8とさ
れている。さらに、電極指14a,13cは、それぞ
れ、端面12b,12cの上端に沿うように形成されて
いる。
【0017】端面反射型表面波共振子11では、くし歯
電極13,14から交流電圧を印加することによりBG
S波が励振され、矢印X方向に伝搬し、端面12b,1
2cで反射され、共振する。
【0018】ところで、樹脂ディップにより外装樹脂層
を形成するにあたり、まず、図示しないリード端子をく
し歯電極13,14にボンディングワイヤーにより接続
した後、上面12a上にパラフィンワックスを塗布す
る。しかる後、エポキシ樹脂を用いてリード端子の引き
出されている部分を除いて被覆し、加熱によりパラフィ
ンワックスを飛散させて空洞を形成するとともに、外装
樹脂層を形成する。すなわち、図4に断面図で示すよう
に、端面反射型表面波共振子11の上面に空洞15を形
成し、空洞15を残すようにして、周囲を外装樹脂層1
6により被覆することにより、樹脂外装が施された表面
波装置を得る。なお、図4において、18,19はリー
ド端子を示す。
【0019】ところが、この表面波装置17では、図3
に示した樹脂外装を施す前の表面波共振子11に比べ
て、共振特性の劣化が著しかった。そこで、本願発明者
らは、上記問題点を鋭意検討した結果、レーリー波を利
用した表面波装置とは異なり、SHタイプの表面波を利
用した表面波装置では、圧電基板の表面だけでなくある
程度の深さ部分においても表面波が伝搬するため、圧電
基板12の上面12a上のみを空洞15に露出させただ
けでは、共振がダンピングされることを見出した。すな
わち、図4に示す断面図において、一点鎖線Aで示す位
置より上方の圧電基板部分が励振に寄与しているため、
言い換えれば、励振部17Aが一点鎖線Aよりも上方の
部分全体となっているため、単に圧電基板12の上面1
2aのみを空洞15に露出させただけでは、共振がダン
ピングされることを見出した。
【0020】そこで、励振部17Aの外装樹脂によるダ
ンピングを防止するには、圧電基板12の上面12aだ
けでなく、端面12b,12cの上方部分、すなわち励
振部17Aの端面12b,12cに露出している部分に
ついても、外装樹脂の付着を防止する必要があると考え
た。
【0021】よって、本発明では、圧電基板に上記第
1,第2の溝が形成されており、上記第1,第2の溝の
各内面が対向2端面とされており、この対向2端面の少
なくとも上方部分をも空洞に露出するように、外装樹脂
層が形成されている。
【0022】そして、本発明では、上記空洞の形成を容
易とするために、圧電基板に第1,第2の溝を形成し、
第1,第2の溝の外側に非励振部を設けておき、第1,
第2の溝の非励振部から励振部に至るようにパラフィン
ワックスを塗布することにより、励振部を空洞に確実に
露出させることが可能とされている。
【0023】従って、本発明の端面反射型表面波装置で
は、空洞形成に際して塗布されるパラフィンワックスが
第1,第2の溝内に容易に入り込み得るため、圧電基板
のIDTが形成されている部分だけでなく、対向2端面
の上方部分も確実に空洞に対して露出する。よって、樹
脂外装を施した端面反射型の表面波装置であるにも関わ
らず、外装樹脂層によるダンピングが生じ難いため、共
振特性に優れた端面反射型表面波装置を提供することが
可能とされている。
【0024】また、上記励振部の深さは、通常、SHタ
イプの表面波は、振動成分が表面波の波長の3倍程度ま
での深さ部分を進行するため、表面波の波長の3倍まで
の深さとなっている。従って、好ましくは、上記空洞に
露出される部分は、第1,第2の溝間の圧電基板部分の
IDTが形成される一方主面と、該一方主面からSHタ
イプの表面波の波長の3倍までの深さに至る端面部分と
され、それによって確実に励振部が空洞に露出されるこ
とになる。
【0025】また、本発明の製造方法は、上記本発明の
端面反射型表面波装置を得るための方法であり、圧電基
板の一方主面において、励振部を構成する部分に少なく
とも1つのIDTを形成する工程と、前記圧電基板の一
方主面から励振部を挟んで、かつ各内面同士が平行とな
るように第1,第2の溝を形成する工程と、前記少なく
とも1つのIDTに接続される電気的接続部材を配置す
る工程と、少なくとも励振部を覆うように前記圧電基板
にワックスを付与する工程と、前記ワックス付与後に、
前記電気的接続部材が引き出されている部分を除く全体
を熱硬化性樹脂により被覆する工程と、加熱により前記
ワックスを飛散させて空洞を形成するとともに、前記熱
硬化性樹脂を硬化させ、外装樹脂層を形成する工程とを
備える。
【0026】なお、本発明の製造方法においては、上記
IDTを形成する工程と、第1,第2の溝を圧電基板に
形成する工程は、何れが先に実施されてもよい。何れに
しても、少なくとも1つのIDTが形成されており、か
つIDTが形成されている励振部を挟むように第1,第
2の溝が形成された圧電基板が用意され、しかる後ID
Tに電気的接続部材が接続される。そして、少なくとも
励振部を覆うようにワックスが付与され、さらに電気的
接続部材の引き出されている部分を除いた残りの部分が
熱硬化性樹脂により被覆され、加熱により熱硬化性樹脂
が硬化されて外装樹脂層が形成されるとともに、上記ワ
ックスが飛散されて空洞が形成される。
【0027】従って、従来のレーリー波を利用した表面
波装置の場合と同様に、樹脂外装が施された表面波装置
を容易に得ることができる。しかも、パラフィンワック
スが、上記励振部を露出させるように付与されているた
め、共振特性の劣化が生じ難い、本発明の端面反射型表
面波装置を提供し得る。
【0028】また、本発明の製造方法においては、好ま
しくは、上記ワックスの塗布が、第1,第2の溝間の圧
電基板部分のIDTが形成されている一方主面と、該一
方主面からSHタイプの表面波の波長の3倍までの深さ
に至る端面部分とに行われ、それによって励振部分が空
洞に確実に露出されることになる。
【0029】なお、上記ワックスとしては、外装樹脂を
加熱により硬化させる際に、飛散し空洞を形成し得る限
り、適宜の材料、例えばパラフィンワックスを用いるこ
とができる。
【0030】また、熱硬化性樹脂についても、上記ワッ
クスを飛散させて空洞を形成した後に適度な硬度を有す
るように硬化される適当な熱硬化性樹脂を用いることが
でき、特に限定されるものではない。
【0031】さらに、上記電気的接続部材については、
樹脂外装が施された電子部品に用いられている適宜のリ
ード線やリード端子を用いることができ、特に限定され
るものではない。
【0032】なお、上記圧電基板に第1,第2の溝を形
成する工程は、圧電基板の一方主面側から例えばダイサ
ーや切断刃を用いて溝加工することにより行ない得る
が、この場合、形成される溝の幅が、表面波のエネルギ
ーが入り込み得る以上の大きさとすることが必要であ
り、このような溝の幅は、例えば、ダイサーのブレード
の厚みを調整することにより容易にコントロールするこ
とができる。
【0033】
【発明の作用及び効果】上記のように、本発明の端面反
射型表面波装置では、圧電基板に第1,第2の溝が形成
されており、該圧電基板の第1,第2の溝間に端面反射
型表面波素子が構成されている。そして、第1,第2の
溝の外側の部分に上記非励振部が構成されているため、
空洞を形成のためのワックスなどを励振部を確実に露出
させるように付与することができる。そのため、本発明
の端面反射型表面波装置では、空洞に、表面波共振素子
の励振部が確実に露出されている。
【0034】よって、SHタイプの表面波を利用した端
面反射型表面波装置であって、所望通りの特性を実現し
得る装置を確実に提供することが可能となる。なお、端
面反射型表面波装置では、対向2端面間で励振部を構成
されているので、表面波装置の小型化を促進し得るが、
本発明の端面反射型表面波装置では、第1,第2の溝の
外側に非励振部が設けられており、その非励振部の分だ
け表面波装置のサイズが大型化する。しかしながら、非
励振部は励振部を空洞に確実に露出させるように、すな
わちワックスの塗布領域を拡げるために設けられている
ものに過ぎず、従って、非励振部は、さほど大きくする
必要はない。よって、非励振部が設けられるにしても、
非励振部をさほど大きくする必要がないため、従来の端
面反射型ではない表面波装置に比べれば、表面波装置の
サイズを小型化し得る。
【0035】また、本発明の表面波装置の製造方法で
は、上記のように、第1,第2の溝間の圧電基板部分に
少なくとも1つのIDTが形成した構造を得た後に、少
なくとも励振部を覆うようにワックスが付与される。こ
の場合、第1,第2の溝の外側に非励振部が設けられて
いるため、ワックス付与に際し、確実に励振部を覆うよ
うにワックスを付与することができる。よって、励振部
が露出されている空洞を確実に外装樹脂層内に形成する
ことができる。従って、従って、従来のレーリー波を利
用した表面波装置の場合と同様に、樹脂外装が施された
表面波装置を容易に得ることができる。しかも、パラフ
ィンワックスが、上記励振部を露出させるように付与さ
れているため、上述した本発明の端面反射型表面波装置
と同様に、共振特性の劣化が生じ難い、樹脂外装が施さ
れた端面反射型表面波装置を提供し得る。
【0036】
【実施例の説明】以下、BGS波を利用した端面反射型
表面波共振子に応用した表面波装置についての実施例に
つき説明する。
【0037】まず、図5に示されている圧電基板22を
用意する。圧電基板22としては、チタン酸ジルコン酸
鉛などの圧電セラミックス、LiTaO3 もしくはLi
NbO3 、水晶などの圧電単結晶からなるものを用いる
ことができる。
【0038】次に、上記圧電基板22の上面に、Alな
どの金属材料をスパッタリングすることにより、Al膜
を形成する。しかる後、フォトリソグラフィーによりA
l膜をパターニングし、IDT23を形成する。IDT
23は、一対のくし歯電極24,25を有する。くし歯
電極24,25は、それぞれ、複数本の電極指24a〜
24c,25a〜25cを有する。複数本の電極指24
a〜24cと、複数本の電極指25a〜25cとは互い
に間挿しあうように配置されている。
【0039】次に、圧電基板22の上面からダイシング
マシーンにより所定の幅の第1,第2の溝26,27を
形成する。上記溝26,27の形成と、IDT23の形
成は逆に行ってもよい。すなわち、まず溝26,27を
形成した後に、IDT23を形成してもよい。
【0040】もっとも、IDT23を構成しているくし
歯電極24,25の電極指24a〜24c,25a〜2
5cのうち、両端の電極指24c,25aの幅は、他の
電極指の半分の幅、すなわちλ/8とされている。ま
た、残りの電極指24a,24b,25b,25cの幅
は、λ/4の幅とされている。従って、全てがλ/4の
幅の複数本の電極指を有する一対のくし歯電極を形成し
た後に、上記溝26,27を形成するに際し、両端の電
極指の幅を1/2に分割するように溝26,27を形成
することにより、上記IDT23を正確に形成すること
ができる。すなわち、両端の電極指24c,25aの外
側端縁が溝26,27の内面26a,27aに正確に臨
むように確実にIDT23を形成することができるの
で、先にIDT23を形成した後に、溝26,27を形
成することが望ましい。
【0041】溝26,27の内面26a,27aは、互
いに平行とされており、従って端面反射型表面波素子に
おける対向2端面を構成している。上記のように溝2
6,27を形成することにより、溝26,27間に端面
反射型表面波素子部分が構成されるとともに、溝26,
27の外側には、非励振部28,29が構成されること
になる。
【0042】次に、図5に示した表面波素子チップ21
を、図6に示すように、第1の金属端子31上に接着剤
を用いて接着する。他方、第1の金属端子31と一方の
くし歯電極24とをボンディングワイヤー32により接
続する。さらに、I字状の第2の金属端子33を金属端
子31の側方に配置し、金属端子33と、他方のくし歯
電極25とをボンディングワイヤー34により接続す
る。
【0043】なお、金属端子31,33は、本発明の電
気的接続部材を構成するものであるが、電気的接続材
は、図6に示した金属端子31,33に限らず、金属線
などにより構成してもよい。もっとも、金属端子31の
ように、表面波素子21を載置し得る大きさを有する素
子載置部31aが形成された平板状の金属端子を用いる
ことが望ましい。
【0044】次に、図5に一点鎖線30で示す領域にパ
ラフィンワックスを付与し、しかる後、エポキシ樹脂な
どの熱硬化性樹脂で周囲を被覆する。この場合、熱硬化
性樹脂を溶融状態に保っておき、溶融状態の熱硬化性樹
脂にワックスが塗布された表面波素子21を浸漬し、さ
らに引き上げることにより、上記熱硬化性樹脂よりなる
被覆を形成することができる。
【0045】しかる後、熱硬化性樹脂が硬化する温度ま
で加熱することにより、例えば150℃程度の温度で熱
処理を加えることにより、熱硬化性樹脂からなる外装樹
脂層を硬化させる。この場合、加熱により、塗布されて
いたパラフィンワックスが飛散し、内部には空洞が形成
される。
【0046】すなわち、図7に断面図で示すように、表
面波素子チップ21の上方に空洞35が形成され、かつ
全体が外装樹脂層36で被覆されたリード付き電子部品
が得られる。
【0047】ところで、本実施例では、空洞35は、第
1,第2の溝26,27間で挟まれた表面波素子部分の
励振部37を確実に露出するように形成されている。す
なわち、図5から明らかなように、パラフィンワックス
は、非励振部28,29の上面にまで至るように付与さ
れる。従って、第1,第2の溝26,27間の圧電基板
部分22aの上面だけでなく、対向2端面を構成してい
る第1,第2の溝26,27の内面26a,27aも空
洞35に確実に露出されることになる。よって、図7に
示した本実施例の端面反射型表面波装置38では、図7
の一点鎖線Aで示す部分よりも上方に配置されている励
振部37が、確実に空洞35に露出されることになる。
【0048】従って、外装樹脂36を設けたリード付き
の電子部品として構成した場合であっても、共振特性の
劣化が生じ難い端面反射型の表面波装置を提供すること
ができる。
【0049】次に、具体的な実験例に基づき、本発明の
効果を明らかにする。上記圧電基板として、PZTから
なり、厚み500μmの圧電基板を用意した。次に、厚
み1μmのAl電極をスパッタリングにより上面の全面
に形成した。しかる後、フォトリソグラフィーによりA
l電極をパターニングし、上記IDT23を形成した。
なお、励振されるBGS波の波長が82μmとなるよう
に、かつ電極指交差幅が228μm、電極指の対数が2
0となるように上記IDT23を形成した。
【0050】しかる後、ダイシングマシーンを用い、3
00μmの深さを有し、かつ100μmの幅の第1,第
2の溝26,27を形成した。第1,第2の溝26,2
7の外側には、幅方向、すなわち、表面波伝搬方向に沿
う方向の寸法が約200μmの非励振部28,29を残
すように、圧電基板を切断し、図5に示した表面波素子
チップ21を得た。
【0051】次に、図5に示した一点鎖線30で示した
領域にパラフィンワックスを該圧電基板の1/2の厚み
に付与し、しかる後全体を熱硬化性樹脂で被覆し、加熱
により樹脂外装の形成及び空洞の形成を行った。
【0052】比較のために、上述した表面波素子チップ
21の内面26a,27a部分で切断し、非励振部2
8,29が設けられていない端面反射型の表面波素子チ
ップを得、上記実施例と同様にして金属端子の接合及び
樹脂外装の形成を行った。もっとも、この比較例では、
パラフィンワックスは、IDT23が形成されている圧
電基板部分の上面にのみに塗布した。
【0053】上記実施例及び比較例の表面波装置を50
個ずつ抜き取り、インピーダンス特性及び位相特性を測
定した。実施例及び比較例の表面波装置のインピーダン
ス特性及び位相特性を図8に示す。
【0054】上記50個の実施例の表面波装置では、そ
の全てが、図8の実線B,Cで示すインピーダンス特性
及び位相特性を示した。これに対し、比較例の表面波装
置では、実線B,Cで示すインピーダンス特性及び位相
特性を示したものが5〜6個であり、ほとんどの表面波
装置において、破線D,Eで示すインピーダンス特性及
び位相特性を示すことが認められた。すなわち、比較例
の表面波装置に比べて実施例の表面波装置では、山谷比
(すなわち、反共振点におけるインピーダンス値の共振
点におけるインピーダンス値に対する比)が大きく、か
つ位相回転角の大きいことがわかる。
【0055】上記実施例及び比較例の山谷比及び最大位
相回転角を、機械的品質係数Qmとともに下記の表1に
示す。
【0056】
【表1】
【0057】なお、表1に示した値は、実施例及び比較
例の表面波装置50個の平均値を示す。表1から明らか
なように、実施例の表面波装置では、比較例の表面波装
置に比べて山谷比で約10dB、位相回転角で約10
°、機械的品質係数Qmで2倍以上、高められることが
わかる。
【0058】また、図8の実線B,Cで示す特性を示す
実施例の表面波装置を抜き取り、表面波伝搬方向に沿っ
て切断し、内部を観察したところ、空洞が励振部を確実
に露出するように構成されていたことが認められた。こ
れに対して、破線D,Eで示す特性の比較例の表面波装
置では、空洞の形成が十分ではなく、くし歯電極の両端
近傍及び対向2端面の上方部分に熱硬化性樹脂が接触し
ていることが確かめられた。
【0059】また、実線B,Cで示す特性を示した実施
例の表面波装置を30MHzの発信周波数の発振子とし
て、発信回路に組み込んで評価した。その結果、発信停
止は皆無であった。これに対し、破線D,Eの特性を示
した比較例の表面波装置を同様に発信回路に組み込んだ
ところ、半数以上の表面波装置において発信停止が起こ
った。
【0060】図9は、本発明の第2の実施例にかかる端
面反射型表面波装置を説明するための斜視図である。第
1の実施例では、1個のIDTが構成された端面反射型
表面波共振子に適用した実施例を説明したが、本発明
は、2以上のIDTが形成されている端面反射型表面波
装置にも適用することができる。
【0061】図9に示す第2の実施例は、2個のIDT
42,43を有する端面反射型のトランスバーサル型表
面波フィルタである。表面波素子チップ41では、ID
T42,43が表面波伝搬方向に沿って所定距離を隔て
て形成されている。圧電基板44では、上面から第1,
第2の溝45,46が形成されており、該第1,第2の
溝45,46間において、上記IDT42,43が形成
されている。すなわち、第1,第2の溝45,46間
に、トランスバーサル型の表面波フィルタ素子が構成さ
れている。なお、第1,第2の溝45,46の内面45
a,46aは、互いに平行とされており、従って対向2
端面を構成している。
【0062】なお、圧電基板44は、図示の矢印P方
向、すなわち電極指の延びる方向と平行に分極処理され
ている。その他の点については、第1の実施例と同様で
ある。
【0063】また、上記トランスバーサル型表面波フィ
ルタに応用した表面波素子チップ41を用いて、第1の
実施例と同様に空洞が形成された外装樹脂層を有する表
面波装置を構成し、特性を測定した。さらに、比較のた
めに、溝45,46の内面45a,46aの部分で切断
した素子チップを用いた、同様にしてリード付きの表面
波装置を構成し、特性を測定した。その結果、比較例の
表面波装置では、伝搬ロスが10dBであったに対し、
第2の実施例の表面波装置では伝搬ロスは5dBと、か
なり低減されることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーリー波を利用した従来の表面波共振子を説
明するための平面図。
【図2】図1に示した表面波共振子を用いた樹脂外装が
施された表面波装置の断面図。
【図3】従来の端面反射型表面波共振子を示す斜視図。
【図4】図3に示した端面反射型表面波共振子を用いて
構成された樹脂外装が施された表面波装置の横断面図。
【図5】第1の実施例で用意される表面波素子チップを
示す斜視図。
【図6】第1の実施例において、表面波素子チップを金
属端子上に載置した状態を示す斜視図。
【図7】第1の実施例の表面波装置の横断面図。
【図8】実施例及び比較例のインピーダンス特性及び位
相特性を説明するための図。
【図9】第2の実施例の表面波装置に用いられる端面反
射型の表面波素子チップを示す斜視図。
【符号の説明】
21…表面波素子チップ 22…圧電基板 23…IDT 24,25…くし歯電極 26,27…第1,第2の溝 28,29…非励振部 30…パラフィンワックスが塗布される領域 31,33…電気的接続部材としての金属端子 35…空洞 36…外装樹脂層 37…励振部 41…表面波素子チップ 42,43…IDT 44…圧電基板 45,46…第1,第2の溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門田 道雄 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SHタイプの表面波を利用した表面波装
    置であって、 内側の面同士が平行となるように一方主面側から形成さ
    れた第1,第2の溝を有する圧電基板と、 前記圧電基板の第1,第2の溝間に挟まれた基板部分に
    形成された少なくとも1つのインターデジタルトランス
    デューサとを備え、 前記第1,第2の溝の内側の面が対向2端面を形成して
    該対向2端面間に端面反射型の表面波素子が構成されて
    おり、かつ前記圧電基板の第1,第2の溝の外側の部分
    が非励振部とされており、 前記表面波素子の励振部を露出させるための空洞を残し
    て、前記圧電基板の周囲を被覆している外装樹脂層と、 前記表面波素子に電気的に接続されており、かつ前記外
    装樹脂層外に引き出された電気的接続部材とをさらに備
    える、端面反射型表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記空洞に露出される部分が、第1,第
    2の溝間の圧電基板部分の前記インターデジタルトラン
    スデューサが形成されている側の一方主面と、該一方主
    面からSHタイプの表面波の波長の3倍までの深さに至
    る端面部分とである、請求項1に記載の端面反射型表面
    波装置。
  3. 【請求項3】 圧電基板の一方主面において、励振部を
    構成する部分に少なくとも1つのインターデジタルトラ
    ンスデューサを形成する工程と、 前記圧電基板の一方主面から励振部を挟んで、かつ各内
    面同士が平行となるように第1,第2の溝を形成する工
    程と、 前記少なくとも1つのインターデジタルトランスデュー
    サに接続される電気的接続部材を配置する工程と、 少なくとも励振部を覆うように前記圧電基板にワックス
    を付与する工程と、 前記ワックス付与後に、前記電気的接続部材が引き出さ
    れている部分を除く全体を熱硬化性樹脂により被覆する
    工程と、 加熱により前記ワックスを飛散させて空洞を形成すると
    ともに、前記熱硬化性樹脂を硬化させ、外装樹脂層を形
    成する工程とを備える、請求項1に記載の端面反射型表
    面波装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ワックスを付与する部分が、第1,
    第2の溝間の圧電基板部分の前記インターデジタルトラ
    ンスデューサが形成されている一方主面と、前記一方主
    面から励振されるSHタイプの表面波の波長の3倍まで
    の深さに至る端面部分とである、請求項3に記載の端面
    反射型表面波装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1094602A2 (en) * 1999-10-20 2001-04-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. Surface acoustic wave device
JP2014067838A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Rohm Co Ltd 発光ユニット、発光装置、および、発光ユニットの製造方法

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