JP2003338730A - 表面波装置 - Google Patents

表面波装置

Info

Publication number
JP2003338730A
JP2003338730A JP2002146476A JP2002146476A JP2003338730A JP 2003338730 A JP2003338730 A JP 2003338730A JP 2002146476 A JP2002146476 A JP 2002146476A JP 2002146476 A JP2002146476 A JP 2002146476A JP 2003338730 A JP2003338730 A JP 2003338730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acoustic wave
surface acoustic
reflective layer
impedance value
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002146476A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Kaida
弘明 開田
Jiro Inoue
二郎 井上
Toshio Nishimura
俊雄 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2002146476A priority Critical patent/JP2003338730A/ja
Publication of JP2003338730A publication Critical patent/JP2003338730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面波素子の機能部分を妨げないための空間
を形成する必要がなく、小型でありかつ安価な表面波装
置を提供する。 【解決手段】 表面波素子2上に、反射層3及び保護層
4が積層されており、反射層の音響インピーダンス値Z
2が、表面波素子2及び保護層の音響インピーダンス値
1,Z3よりも小さく、反射層と保護層との界面におい
て表面波素子2から反射層3に伝播してきた振動が反射
されるように構成されている、表面波装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波を利用
した表面波装置に関し、より詳細には、表面波素子が他
の部材に積層された積層構造を有する表面波装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、表面波フィルタや表面波共振子な
どの各種表面波装置が通信機等において広く用いられて
いる。表面波素子では、表面波が励振される面の上部に
空間が必要であるため、表面波素子が上記空間を有する
ように構成されたパッケージに収納されている。例えば
実公平8−4743号公報に示されている構造では、ケ
ース基板上に表面波素子が搭載され、かつ下方に開いた
開口を有するキャップがケース基板に表面波素子を覆う
ように接合されていた。
【0003】また、近年、表面波素子をフェイスダウン
方式でケース基板に接合してなる構造を有する表面波装
置も用いられている。ここでは、表面波素子の表面波が
励振される面が下面となるように表面波素子が金属バン
プによりケース基板に接合されている。金属バンプの厚
みにより、表面波素子の表面波が励振される面とケース
基板面との間に空間が保たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の表面波装置で
は、上記のように表面波素子の表面波が励振される面を
抑圧しないように表面波素子と、ケース基板などのパッ
ケージ構造との間に空間を形成しなければならなかっ
た。そのため、表面波装置の小型化が困難であり、かつ
コストが高くつかざるを得なかった。
【0005】本発明の目的は、小型であり、かつ安価な
表面波装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る表面波
装置は、第1の音響インピーダンス値Z1を有する材料
からなる表面波基板と、該表面波基板上に形成された少
なくとも1つのインターデジタル電極とを有する表面波
素子と、第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第
2の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなり、
かつ前記表面波素子の前記インターデジタル電極が形成
されている表面波基板面に形成された反射層と、前記第
2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響
インピーダンス値Z3を有する材料からなり、前記反射
層上に形成された保護層とを備え、前記反射層と前記保
護層との界面において前記表面波素子から反射層に伝播
してきた振動が反射されるように構成されていることを
特徴とする。
【0007】第1の発明では、上記反射層が表面波素子
の表面波が励振される面上に積層されているため、言い
換えれば、表面波素子の表面波が励振される面上に空間
を必要としないため、表面波装置の小型化を図ることが
できる。また、反射層及び保護層が上記特定の音響イン
ピーダンス値を有するように構成されているので、反射
層と保護層との界面において表面波素子から反射層に伝
播してきた振動が反射され、それによって表面波素子の
特性にさほど影響を与えることなく、表面波装置の小型
化が図られ得る。
【0008】第1の発明のある特定の局面では、音響イ
ンピーダンス比Z2/Z1が0.2以下とされる。第1の
発明の他の特定の局面では、音響インピーダンス比Z2
/Z3が0.2以下とされる。
【0009】また、上記反射層は、単一の材料層で構成
されてもよいが、第1の発明のさらに他の特定の局面で
は、音響インピーダンス値が異なる複数の材料層を積層
することにより構成される。複数の材料層を選択するこ
とにより、反射層の音響インピーダンス値Z2が容易に
調整され得る。
【0010】本願の第2の発明は、第1の音響インピー
ダンス値Z1を有する材料からなる表面波基板と、該表
面波基板上に形成された少なくとも1つのインターデジ
タル電極とを有する第1の表面波素子と、前記第1の音
響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピー
ダンス値Z2を有する材料からなり、かつ前記第1の表
面波素子の表面波が励振される面に形成された第1の反
射層と、前記第1の反射層上に積層されており、第1の
音響インピーダンス値Z1と音響インピーダンス値が略
同一である材料からなる表面波基板と、該表面波基板の
第1の反射層が積層されている側とは反対の面に形成さ
れた少なくとも1つのインターデジタル電極とを有する
第2の表面波素子と、第2の音響インピーダンス値Z2
と略同一の材料からなり、かつ前記第2の表面波素子の
前記インターデジタル電極が形成されている面に積層さ
れた第2の反射層と、第2の音響インピーダンス値Z2
よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する
材料からなり、前記第2の反射層上に形成された保護層
とを備え、前記第1の反射層と前記第2の表面波素子と
の界面、及び前記第2の反射層と前記保護層との界面に
おいて、第1,第2の表面波素子から反射層に伝播して
きた振動がそれぞれ反射されるように構成されているこ
とを特徴とする、表面波装置である。
【0011】すなわち、第2の発明は、第1,第2の表
面波素子を有し、複数の表面波素子が内蔵された表面波
装置であり、第1,第2の反射層及び保護層が上記特定
の音響インピーダンス値を有するように構成されている
ので、第1,第2の反射層及び保護層により、第1,第
2の表面波素子の特性に影響を与えることなく、表面波
装置を構成することができる。また、第2の発明におい
ても、表面波素子の表面波が励振される面に臨む空間を
設けなくともよいため、表面波装置の小型化が図られ
る。
【0012】本発明(第1,第2の発明)の他の特定の
局面では、保護層が電磁シールド効果を有する導電膜を
有するように構成され、それによって、保護層により表
面波素子が電磁シールドされる。この場合、保護層全体
が導電性材料により構成されていてもよく、あるいは保
護層内に導電膜が内蔵されていてもよい。
【0013】本発明のさらに別の特定の局面では、表面
波素子から反射層に伝播してきた振動の振動が、該振動
の伝播方向と直交する関係とされている。すなわち、第
1,第2の発明において、反射層及び第1,第2の反射
層を伝播する振動の振幅が、該振動の伝播方向と直交さ
れており、それによって、反射層と保護層との界面、あ
るいは反射層と第2の表面波素子もしくは第2の反射層
と保護層との界面により確実に反射される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0015】図1(a),(b)は、本発明の一実施例
に係る表面波装置の分解斜視図及び正面断面図である。
表面波装置1は、表面波素子2と、表面波素子2上に積
層された反射層3と、反射層3上に設けられた保護層4
とを有する。
【0016】表面波素子2は、レイリー波を利用した表
面波共振子である。表面波素子2は、ストリップ状の矩
形板状の圧電基板5を有する。圧電基板5は、本実施例
では、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなり、
その音響インピーダンス値Z 1は、17.6×106N・
s・m-3である。
【0017】圧電基板5の上面5a上には、インターデ
ジタル電極6が形成されている。インターデジタル電極
6は、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する。イン
ターデジタル電極6に電気的に接続されるように、端子
電極7,8が圧電基板5に形成されている。端子電極
7,8は、圧電基板5の長さ方向両端において、圧電基
板5の上面から、両側面を経て下面に至るように形成さ
れている。圧電基板5の上面において、インターデジタ
ル電極6が端子電極7,8に電気的に接続されている。
【0018】インターデジタル電極6及び端子電極7,
8は、Alなどの適宜の導電性材料により構成されてい
る。端子7,8を外部と電気的に接続し、入力電圧を印
加することにより、表面波としてのレイリー波が励振さ
れる。表面波は、圧電基板5の上面5a内において、イ
ンターデジタル電極6の電極指と直交する方向に伝播す
る。また、レイリー波は、縦波すなわちSV波と、P波
との2つの成分を有する。
【0019】反射層3は、本実施例では、エポキシ樹脂
からなり、その音響インピーダンス値Z2は、3.4×
106N・s・m-3である。また、反射層3上に積層さ
れた保護層4は、音響インピーダンス値Z3が17.6
×106N・s・m-3であるセラミックスにより構成さ
れている。
【0020】表面波素子2では、圧電基板5の上面5a
において表面波が伝播する。従って、表面波素子2の特
性に影響を与えずにパッケージ化するために、従来、圧
電基板5の上面に空間を確保して、パッケージ化を図ら
ねばならなかった。
【0021】これに対して、本実施例の表面波装置1で
は、反射層3及び保護層4が表面波素子2の上面に積層
されており、従来技術で必要とされていた空間を有しな
い。従って、表面波装置1では、小型化を進めることが
でき、かつパッケージ構造の簡略化を図ることができる
ため、コストを低減することができる。
【0022】さらに、本実施例では、上記特定の音響イ
ンピーダンス値の反射層3及び保護層4が設けられてい
るため、表面波素子2の共振特性への影響も生じ難い。
これを、図2〜図6を参照して説明する。
【0023】表面波素子2を構成するインターデジタル
電極のピッチを0.5mm、電極指幅を0.25mm、
厚みを2mmとし、この表面波素子の共振周波数F1
2.25MHzとした。また、反射層3の厚みを0.3
5mm、保護層4の厚みを0.25mmとした。反射層
及び保護層の平面形状は圧電基板5と同一とした。
【0024】このようにして設計された表面波装置1の
変位状態を有限要素法で解析した。結果を図2に示す。
図2は、表面波装置1の長さ方向中央の一部分における
変位状態を示す図である。図2では、図示を省略されて
いるが、図2の一点鎖線A,Bの外側に、さらに表面波
装置1を構成する部分が連なっている。なお、図2にお
ける太線Cは、表面波素子2と反射層3との境界を示す
線である。
【0025】図2から明らかなように、表面波素子2の
上面すなわち圧電基板5の上面が図示のように表面波の
励振にともなって変位している。レイリー波は、縦波で
あるSV波成分を有するため、上記のように表面波の励
振にともなって、縦波成分を主体とする振動が表面波素
子2から反射層3側に伝播する。そのため、反射層3
が、図2に示されているように変位する。これに対し
て、反射層3の上面に積層された保護層4では、変位が
ほとんど生じていないことがわかる。
【0026】なお、表面波素子2の下面、すなわち圧電
基板5の下面5bにおいても変位がほとんど生じていな
いことがわかる。これは、表面波が圧電基板5の上面5
aに沿って、かつそのエネルギー分布が表面側に偏在し
た状態で伝播するからである。
【0027】上記のように保護層4において変位がほと
んど生じていないのは、反射層3の音響インピーダンス
値Z2が表面波素子2を構成している圧電基板5の音響
インピーダンス値Z1よりも低く、かつ保護層4の音響
インピーダンス値Z3よりも低いため、反射層3と保護
層4との界面において、表面波素子2から伝播してきた
振動が反射され、該振動が保護層4にほとんど伝播しな
いためと考えられる。
【0028】本願発明者らは、上記表面波装置1の有限
要素法による解析結果を考慮し、表面波装置1における
表面波素子2、反射層3及び保護層4を構成する材料及
びこれらの寸法を種々変更し、実験を繰り返した。その
結果、反射層3の音響インピーダンス値Z2を、表面波
素子2の音響インピーダンス値Z1及び保護層4の音響
インピーダンス値Z3よりも小さくすれば、上記図2に
示した結果と同様に、表面波素子2から保護層4への振
動の伝播をほぼ抑制し得ることを見出した。
【0029】これを、図3及び図4を参照して説明す
る。まず、上記実施例の表面波装置1において、反射層
を構成する材料を種々変更し、その他は上記実施例と同
様にして、音響インピーダンス比Z2/Z1が種々異なる
表面波装置を作製した。これらの表面波装置において、
共振周波数を測定し、音響インピーダンス比Z2/Z1
変化した場合の共振周波数変化率を求めた。結果を図3
に示す。
【0030】なお、共振周波数変化率とは、表面波素子
2単体の共振周波数をF0、上記のようにして作製され
た表面波装置の共振周波数をFとしたときに、〔(F−
0)/F0〕×100(%)で表される値である。
【0031】図3から明らかなように、音響インピーダ
ンス比Z2/Z1が0.2以下、好ましくは0.1以下に
おいて、共振周波数の変化率が0.4%以下と非常に小
さく、Z2/Z1が0.1以下では、0.1%以下と低い
ことがわかる。
【0032】次に、上記実施例の表面波装置において、
反射層を上記実施例と同様にして構成し、保護層を構成
する材料を種々変更し、インピーダンス比Z2/Z3が異
なる種々の表面波装置を作製し、上記と同様にして共振
周波数変化率を求めた。結果を図4に示す。
【0033】図4から明らかなように、音響インピーダ
ンス比Z2/Z3を0.2以下とすることにより、共振周
波数変化率が0.215%以下、より好ましくはZ2
3を0.1以下とすることにより共振周波数変化率を
0.1%以下とし得ることがわかる。
【0034】よって、図3及び図4の結果から明らかな
ように、音響インピーダンス比Z1,Z2及びZ2/Z
3は、0.2以下が好ましく、より好ましくは0.1以
下である。
【0035】なお、反射層3及び保護層4の音響インピ
ーダンス値Z2,Z3の制御は、これらを構成する材料自
体の変更あるいは組成を変更することにより容易に行う
ことができる。例えば、反射層3については、上記実施
例ではエポキシ樹脂が用いられていたが、エポキシ樹脂
に、エポキシ樹脂とは異なる音響インピーダンス値を有
する有機もしくは無機粉末などを配合することにより、
反射層3の音響インピーダンス値Z2を調整することが
できる。また、保護層4についても、保護層4を構成す
るセラミックスに、該セラミックスとは異なる音響イン
ピーダンス値を有する有機もしくは無機粉末などを配合
することにより、その音響インピーダンス値Z3を容易
に調整することができる。
【0036】なお、反射層3及び保護層4を構成する材
料は、エポキシ樹脂やセラミックスに限定されるもので
はない。様々な有機材料あるいは無機材料が、目的とす
る音響インピーダンス値Z2,Z3を実現され得るように
用いられ得る。
【0037】次に、本願発明者は、上記実施例の表面波
装置1における反射層3の厚みを種々変更した場合の帯
域幅及び共振周波数の変化を調べた。結果を図5及び図
6に示す。
【0038】図5は、上記実施例において、反射層3の
厚みを種々変化させた場合の相対比帯域幅の変化を示
し、図6は、相対共振周波数の変化を示す。なお、相対
比帯域幅とは、反射層3及び保護層4が設けられていな
い表面波素子2単独の比帯域幅に対し、作製された表面
波装置における比帯域幅の割合を示す。また、相対共振
周波数とは、表面波素子2単体の共振周波数に対する、
用意された表面波装置の共振周波数の割合を示す。
【0039】図5及び図6における横軸の反射層3の厚
みは、表面波素子2で励振される表面波の波長λを基準
とした値である。図5及び図6から明らかなように、反
射層3の厚みを変化させた場合、一定の周期で、相対比
帯域幅及び相対共振周波数が変化することがわかる。す
なわち、反射層の厚みが、n・λ/4±λ/8(nは奇
数)の範囲では、相対比帯域幅及び相対共振周波数が、
表面波素子2単体の場合の特性とほぼ変わらないことが
わかる。従って、好ましくは、反射層3の厚み、すなわ
ち表面波素子2から反射層3に伝播してきた振動の進行
方向の反射層の距離は、表面波素子2で励振される表面
波の波長をλとした場合には、nλ/4±λ/8の範囲
とすることが望ましい。
【0040】図7は、図1に示した実施例の表面波装置
1の変形例を示す正面断面図である。図1に示した表面
波装置1では、反射層3上に、反射層3の上面を覆うよ
うに矩形の保護層4が設けられていたが、図7に示す変
形例のように、インターデジタル電極6及び反射層3を
被覆するように保護層4Aを形成してもよい。この場
合、好ましくは、保護層4Aとして、導電性材料からな
るものを用いれば、インターデジタル電極6が形成され
ている表面波素子2の機能部分を電磁シールドすること
ができる。
【0041】なお、保護層4Aに電磁シールド効果を与
えるためには、保護層4全体を導電性材料で構成する必
要は必ずしもない。すなわち、保護層4を絶縁性材料で
構成し、その内部に導電膜を内蔵してもよい。また、絶
縁性材料からなる層の内面または外面に導電膜を形成す
ることにより保護層4Aを構成してもよい。
【0042】なお、図1に示した実施例の表面波装置1
においても、保護層5に、上記のような電磁シールド効
果を与えるように、導電性材料層を設けてもよい。もっ
とも、好ましくは、図7に示す変形例のように、反射層
3の側面をも被覆するように保護層4Aを設けた構造に
おいて、導電性材料層を設けた場合に、より一層高い電
磁シールド効果が得られる。
【0043】なお、図7に示す表面波装置1Aでは、I
D電極6に電気的に接続されるように、保護層4Aが設
けられている領域の外側に金属バンプ11,12が設け
られている。金属バンプ11,12は、表面波装置1A
をフェイスダウン方式でケース基板や回路基板などに実
装するために設けられている。この場合においても、保
護層4Aがケース基板に接触してもよいため、従来の金
属膜を用いた表面波素子のパッケージ構造に比べて、表
面波装置の小型化を図ることができる。
【0044】図8は、上記実施例の弾性表面波装置1の
さらに他の変形例を説明するための正面断面図である。
この表面波装置1Bは、図7に示した表面波装置1Aと
ほぼ同様に構成されている。もっとも、ここでは、反射
層3が複数の材料層3a〜3cを積層した構造を有す
る。その他の点については、表面波装置1Bは、表面波
装置1Aと同様に構成されている。
【0045】本変形例で示されているように、本発明に
おいては、反射層3は複数の材料層3a〜3cが積層さ
れた構造であってもよい。この場合、複数の材料層3a
〜3cとして、適宜の音響インピーダンス値を有するも
のを用いることにより、複数の材料層3a〜3cを組み
合わせることにより、所望とする音響インピーダンス値
2を容易に達成することができる。
【0046】なお、反射層3を複数の材料層3a〜3c
で構成した場合、反射層3内に埋設される材料層3bや
外側に配置される材料層3cにおいて、導電性材料を用
いて電磁シールド効果を発現するように構成してもよ
い。
【0047】図9は、本発明の第2の実施例に係る表面
波装置を示す正面断面図である。第2の実施例の表面波
装置21では、第1,第2の表面波素子22,23が積
層されている。すなわち、表面波素子2と同様に構成さ
れた第1の表面波素子22上に、反射層24が形成され
ており、該反射層24上に、第2の表面波素子23が積
層されている。第2の表面波素子23は、第1の表面波
素子22と同様に構成されている。第1,第2の表面波
素子23は、第1の実施例の表面波素子2と同様に構成
されている。第2の表面波素子23上には、第2の反射
層25及び保護層26が積層されている。
【0048】このように、本発明においては、振動源と
なる複数の表面波素子が積層されていてもよく、その場
合には、第1,第2の表面波素子22,23間の第1の
反射層24は、第2の反射層25と同様に構成される。
すなわち、第1,第2の反射層24の音響インピーダン
ス値Z2a,Z2bは、表面波素子22,23を構成する圧
電基板の音響インピーダンス値Z1及び保護層26の音
響インピーダンス値Z3よりも小さくされる。この場
合、第1の表面波素子22から伝播してきた振動が、反
射層24と第2の表面波素子23の圧電基板との界面に
おいて反射されるため、第1の表面波素子22で発生し
た振動が反射層24に伝播したとしても、第2の表面波
素子23を構成している圧電基板5の下面はほとんど変
位しない。すなわち、第2の表面波素子23の圧電基板
が、第1の反射層24に対して反射界面を与える保護層
として機能する。
【0049】なお、上述してきた実施例及び変形例で
は、表面波基板としての圧電基板上にインターデジタル
電極が形成されている表面波素子を例にとり説明した
が、図10に示すように、圧電基板5A上に、圧電薄膜
5Bが積層されている表面波基板5Cを用いて表面波素
子2を構成してもよい。
【0050】また、図11(a)及び(b)に示す表面
波装置31のように、ガラス基板などからなる絶縁性基
板32上に、IDT33,34が形成されており、ID
T33,34上に圧電薄膜36が形成されている構造に
も本発明を適用することができる。表面波装置31で
は、ZnO薄膜などからなる圧電薄膜36を被覆するよ
うに、反射層37及び保護層38が形成されている。な
お、図11(a),(b)において、35a〜35dは
端子電極を示し、端子電極35a〜35dは、反射層3
7及び保護層38で覆われている領域の外側に至るよう
に形成されている。
【0051】さらに、上記実施例及び変形例では、表面
波素子2として表面波共振子を示したが、本発明は、表
面波フィルタなどの他の構造の表面波素子を用いた表面
波装置にも適用することができる。加えて、利用する表
面波についても、レイリー波に限られず、SH波などの
他の表面波を利用したものであってもよい。
【0052】なお、実施例においては、インターデジタ
ル電極の上に直接反射層を形成しているが、薄いSiO
2などの保護膜を形成した上に反射層を形成してもよ
い。
【0053】
【発明の効果】第1の発明に係る表面波装置では、表面
波素子上に反射層及び保護層が積層されており、反射層
インピーダンス値Z2が、表面波素子及び保護層の音響
インピーダンス値Z1,Z3よりも小さいため、反射層と
保護層との界面において表面波素子から反射層に伝播し
てきた振動が反射される。従って、保護層あるいは表面
波素子を機械的に保持したとしても、表面波素子の特性
が劣化し難い。よって、振動を妨げないための空間を必
要としない、小型でありかつ安価な表面波装置を提供す
ることが可能となる。
【0054】第2の発明に係る表面波装置では、第1,
第2の表面波素子が第1の反射層を介して積層されてお
り、第2の表面波素子上に、第2の反射層及び保護層が
積層されており、第1,第2の反射層の音響インピーダ
ンス値Z2が、第1,第2の表面波素子のインピーダン
ス値Z1及び保護層のインピーダンス値Z3よりも小さい
ため、第1の表面波素子から伝播してきた振動が第1の
反射層と第2の表面波素子との界面で反射され、かつ第
2の表面波素子から伝播してきた振動が第2の反射層と
保護層との界面で反射される。従って、保護層あるいは
第1の表面波素子の反射層が積層されている側とは反対
側の面を機械的に保持したとしても、第1,第2の表面
波素子の特性が劣化し難い。よって、表面波素子に接し
た空間を形成する必要がないため、第1,第2の表面波
素子を積層してなる、小型でありかつ安価な表面波装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る
表面波装置の分解斜視図及び正面断面図。
【図2】図1に示した実施例の表面波装置を駆動した際
の表面波素子、反射層及び保護層の変位分布を有限要素
法で解析した結果を示す図。
【図3】音響インピーダンス比Z2/Z1を変化させた場
合の実施例の表面波装置における共振周波数変化率を示
す図。
【図4】音響インピーダンス比Z2/Z3を変化させた場
合の実施例の表面波装置における共振周波数変化率を示
す図。
【図5】反射層の厚みを変化させた場合の実施例の表面
波装置の相対比帯域幅の変化を示す図。
【図6】反射層の厚みを変化させた場合の実施例の表面
波装置の相対共振周波数の変化を示す図。
【図7】図1に示した実施例の変形例に係る表面波装置
を示す正面断面図。
【図8】図1に示した表面波装置のさらに他の変形例を
示す正面断面図。
【図9】本発明の第2の発明に係る表面波装置を示す正
面断面図。
【図10】本発明に係る表面波装置のさらに他の変形例
を説明するための正面断面図。
【図11】(a),(b)は、本発明の表面波装置の他
の変形例を説明するための平面図及び正面断面図。
【符号の説明】
1…表面波装置 1A…表面波装置 1B…表面波装置 2…表面波素子 3…反射層 3A〜3C…材料層 4…保護層 4A…保護層 4B…反射層 5…圧電基板(表面波基板) 5a…上面 5b…下面 6…インターデジタル電極 7,8…端子電極 11,12…金属バンプ 21…表面波装置 22,23…第1,第2の表面波素子 24…第1の反射層 25…第2の反射層 26…保護層 31…表面波装置 32…絶縁性基板 33,34…IDT 35a〜35d…端子電極 36…圧電薄膜 37…反射層 38…保護層
フロントページの続き (72)発明者 西村 俊雄 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J097 AA29 FF05 KK05 KK09 KK10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の音響インピーダンス値Z1を有す
    る材料からなる表面波基板と、該表面波基板上に形成さ
    れた少なくとも1つのインターデジタル電極とを有する
    表面波素子と、 第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響
    インピーダンス値Z2を有する材料からなり、かつ前記
    表面波素子の前記インターデジタル電極が形成されてい
    る表面波基板面に形成された反射層と、 前記第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3
    の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなり、前
    記反射層上に形成された保護層とを備え、 前記反射層と前記保護層との界面において前記表面波素
    子から反射層に伝播してきた振動が反射されるように構
    成されていることを特徴とする、表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の音響インピーダンス値Z2
    第1の音響インピーダンス値Z1に対する比Z2/Z1
    0.2以下である、請求項1に記載の表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の音響インピーダンス値Z2
    第3の音響インピーダンス値Z3に対する比Z2/Z3
    0.2以下である、請求項1または2に記載の表面波装
    置。
  4. 【請求項4】 前記反射層が、音響インピーダンスの異
    なる複数の材料層を積層することにより構成されてい
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の表面波装置。
  5. 【請求項5】 第1の音響インピーダンス値Z1を有す
    る材料からなる表面波基板と、該表面波基板上に形成さ
    れた少なくとも1つのインターデジタル電極とを有する
    第1の表面波素子と、 前記第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の
    音響インピーダンス値Z2を有する材料からなり、かつ
    前記第1の表面波素子の表面波が励振される面に形成さ
    れた第1の反射層と、 前記第1の反射層上に積層されており、第1の音響イン
    ピーダンス値Z1と音響インピーダンス値が略同一であ
    る材料からなる表面波基板と、該表面波基板の第1の反
    射層が積層されている側とは反対の面に形成された少な
    くとも1つのインターデジタル電極とを有する第2の表
    面波素子と、 第2の音響インピーダンス値Z2と略同一の材料からな
    り、かつ前記第2の表面波素子の前記インターデジタル
    電極が形成されている面に積層された第2の反射層と、 第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音
    響インピーダンス値Z3を有する材料からなり、前記第
    2の反射層上に形成された保護層とを備え、 前記第1の反射層と前記第2の表面波素子との界面、及
    び前記第2の反射層と前記保護層との界面において、第
    1,第2の表面波素子から反射層に伝播してきた振動が
    それぞれ反射されるように構成されていることを特徴と
    する、表面波装置。
  6. 【請求項6】 前記保護層が、電磁シールド効果を有す
    る導電膜を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の表
    面波装置。
  7. 【請求項7】 前記保護層が導電性材料からなる、請求
    項6に記載の表面波装置。
  8. 【請求項8】 前記表面波素子から反射層に伝播してき
    た振動の振幅が該振動の伝播方向と直交している、請求
    項1〜7のいずれかに記載の表面波装置。
JP2002146476A 2002-05-21 2002-05-21 表面波装置 Pending JP2003338730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002146476A JP2003338730A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 表面波装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002146476A JP2003338730A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 表面波装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003338730A true JP2003338730A (ja) 2003-11-28

Family

ID=29705450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002146476A Pending JP2003338730A (ja) 2002-05-21 2002-05-21 表面波装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003338730A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007329584A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Fujitsu Media Device Kk 弾性境界波素子、共振器およびフィルタ
US7486001B2 (en) 2004-01-19 2009-02-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Boundary acoustic wave device
US7522020B2 (en) 2005-07-14 2009-04-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. Boundary acoustic wave device and method for manufacturing boundary acoustic wave device
JPWO2007138844A1 (ja) * 2006-05-30 2009-10-01 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP2017028543A (ja) * 2015-07-23 2017-02-02 株式会社デンソー 弾性表面波素子

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7486001B2 (en) 2004-01-19 2009-02-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Boundary acoustic wave device
US7522020B2 (en) 2005-07-14 2009-04-21 Murata Manufacturing Co., Ltd. Boundary acoustic wave device and method for manufacturing boundary acoustic wave device
JPWO2007138844A1 (ja) * 2006-05-30 2009-10-01 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP4692629B2 (ja) * 2006-05-30 2011-06-01 株式会社村田製作所 弾性波装置
JP2007329584A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Fujitsu Media Device Kk 弾性境界波素子、共振器およびフィルタ
JP2017028543A (ja) * 2015-07-23 2017-02-02 株式会社デンソー 弾性表面波素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6050486B2 (ja) フィルタ素子および通信装置
JP3969224B2 (ja) 圧電共振子及びそれを用いた圧電フィルタ・デュプレクサ・通信装置
JPWO2010047112A1 (ja) 弾性表面波共振子、弾性表面波発振器および弾性表面波モジュール装置
JP2004159262A (ja) 弾性境界波装置
JP4525594B2 (ja) 弾性表面波デバイス
WO2020095586A1 (ja) 弾性波装置、分波器および通信装置
WO2022045307A1 (ja) 弾性波素子及び通信装置
JPS632414A (ja) 弾性表面波共振子
US6987346B2 (en) Energy trap type piezoelectric resonator component
JP2003338730A (ja) 表面波装置
CN101167247B (zh) 弹性边界波装置
JP4446730B2 (ja) 圧電共振子及びフィルタ並びに複合基板
WO2021060444A1 (ja) 弾性波フィルタ及び通信装置
US6717335B2 (en) Composite vibration device
JP4471725B2 (ja) 圧電共振素子、圧電共振子及びフィルタ並びに複合基板
JP2010104031A (ja) 弾性表面波共振子、弾性表面波発振器および弾性表面波モジュール装置
JP2000232333A (ja) 表面波装置
JP2020115616A (ja) フィルタおよびマルチプレクサ
JP3888136B2 (ja) 複合材料振動装置
JP2005184758A (ja) 圧電共振素子、圧電共振子及びフィルタ並びに複合基板
JP3435868B2 (ja) 端面反射型表面波装置及びその製造方法
JP2004165879A (ja) 弾性表面波素子
JP5488680B2 (ja) 弾性表面波共振子、弾性表面波発振器および弾性表面波モジュール装置
WO2024029609A1 (ja) 弾性波装置
JP4350445B2 (ja) 圧電共振子及びフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071106

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02