JP3168925B2 - 表面波装置 - Google Patents

表面波装置

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JP3168925B2
JP3168925B2 JP30209596A JP30209596A JP3168925B2 JP 3168925 B2 JP3168925 B2 JP 3168925B2 JP 30209596 A JP30209596 A JP 30209596A JP 30209596 A JP30209596 A JP 30209596A JP 3168925 B2 JP3168925 B2 JP 3168925B2
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02543Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
    • H03H9/02574Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of combined substrates, multilayered substrates, piezoelectrical layers on not-piezoelectrical substrate
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/25Constructional features of resonators using surface acoustic waves

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶基板を用いた
表面波装置に関し、特に、水晶基板上に圧電薄膜を積層
してなり、漏洩弾性表面波の高次モードを利用した表面
波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば移動体通信機器の帯域
フィルタなどにおいて表面波装置が広く用いられてい
る。表面波装置は、圧電体と接するように少なくとも一
対のくし歯電極よりなる少なくとも1つのインターデジ
タルトランスデューサ(IDT)を形成した構造を有す
る。このような表面波装置は、上記帯域フィルタのほ
か、共振子や遅延線などの種々の用途に用いられてい
る。
【0003】また、表面波装置の基板材料としては、L
iNbO3 、LiTaO3 、水晶などの圧電単結晶から
なるものが知られており、この種の材料からなる基板上
にIDTを形成してレイリー波を励振させる構造が従来
より用いられている。
【0004】なお、特開昭61−222312号公報に
は、水晶基板上に圧電薄膜を形成し、該圧電薄膜上にく
し歯電極を形成してなる表面波装置が開示されている。
ここでは、STカットのオイラー角を略90°に設定し
てある水晶基板を用い、表面波の伝搬方向がSTカット
による伝搬方向と略90°の角度となるように電極を形
成することにより、音速が通常のレイリー波の約1.7
倍の表面波を利用することができる旨が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水晶基板を用いた表面
波装置では、水晶基板の温度特性は良好であるものの、
水晶基板を用いて励振されている表面波である、レイリ
ー波の音速が遅いという問題があった。
【0006】他方、水晶基板を用いた場合、上記レイリ
ー波の他に、漏洩弾性表面波が励振され、この漏洩弾性
表面波の音速が比較的大きいことも知られている。しか
しながら、漏洩弾性表面波では、伝搬に伴う減衰量が大
きく、従って、該漏洩弾性表面波は利用し難いとされて
いた。
【0007】上記のように、水晶基板は、温度特性が良
好であるという利点を有するものの、従来、レイリー波
を利用した場合には音速が小さく、漏洩弾性表面波は利
用し難いとされており、表面波装置の高周波化に適した
材料とは考えられていなかった。
【0008】また、上記特開昭61−222312号公
報に記載の表面波装置では、上記のようにSTカットの
オイラー角が略90°に設定された水晶基板を用い、表
面波伝搬方向をSTカットによる伝搬方向と略90°と
するように電極を形成することにより、水晶基板を用い
ながら、音速の大きな表面波を利用し得る旨が記載され
ているが、この先行技術に記載の方法で利用し得るとさ
れている表面波は、実際には、2種類の近接した表面波
が複合したものであるため、表面波共振子等に利用する
ことが困難であることがわかった。
【0009】すなわち、上記先行技術に記載の条件に基
づいて、表面波装置を構成し、その減衰量周波数特性を
測定したところ、図14に示す結果が得られた。図14
に示す特性は、水晶基板として、オイラー角(0°、1
32.75°、90°)のものを用い、ZnOの規格化
膜厚H/λを0.242とし、くし歯電極の規格化膜厚
を0.0207とした場合の特性を示す。なお、Hは薄
膜の膜厚を、λは表面波の波長を示す。
【0010】図14から明らかなように、通常のレイリ
ー波が矢印Aで示す部分に表れており、矢印Bで示す部
分に別の表面波が励振されていることがわかる。ここ
で、矢印Aで示す通常のレイリー波の周波数に7.4λ
を乗じたものは、矢印Bで示す波の周波数に7.4λを
乗じたものの約0.625倍となることがわかる。
【0011】従って、特開昭61−222312号で指
摘されている高音速の波は、図14において矢印Bで示
す波に相当することがわかる。しかしながら、矢印Bで
示されている波は、既に、SSBW波及びSTW波とし
て存在し、SSBW波とSTW波とは近接した形で矢印
Bで示すように表れることが公知である。この場合、図
14に矢印Bで示すように、2つの異なる波が近接して
いるため、2つの波の間に矢印Cで示す谷が存在するこ
とになる。
【0012】すなわち、特開昭61−222312号公
報には、上記のように通常のレイリー波Aに比べて高音
速の波を用い得る旨が指摘されているが、実際には、こ
の先行技術において利用可能であるとされている音速の
大きな波は、2種類の近接した波が複合した形で表れる
ため、必ず2つの波の間に谷間が生じることになる。従
って、このような高音速の波を利用して表面波共振子を
構成したとしても、満足し得る特性を得ることはできな
い。また、この高音速の波を利用して共振子を作製した
としても、電極指の対数を多くしなければならないた
め、共振子の寸法が大きくなるという問題もあった。
【0013】本発明の目的は、水晶基板を用いた表面波
装置であって、音速が大きく高周波化に適しており、か
つ共振特性やフィルタ特性が良好である表面波装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記課題
を達成すべく鋭意検討した結果、水晶基板上にZnOな
どの圧電薄膜を形成した複合基板を用い、かつ音速の大
きな漏洩弾性表面波の高次モードを利用すれば、上記課
題を達成し得ることを見いだし、本発明をなすに至っ
た。
【0015】すなわち、本発明の第1の広い局面によれ
ば、水晶基板と、前記水晶基板上に形成された圧電薄膜
と、前記圧電薄膜に接するように形成されたくし歯電極
とを備え、前記圧電薄膜が、漏洩弾性表面波の高次モー
ドを励振し得る厚みに形成されており、該漏洩弾性表面
波の高次モードを利用したことを特徴とする、表面波装
置が提供される。
【0016】従来、漏洩弾性表面波は伝搬に伴う減衰量
が大きいため使用し難いとされていた。しかしながら、
本願発明者は、水晶基板のカット角及び伝搬方向を選択
すれば、漏洩弾性表面波の減衰量が小さくなり、並びに
漏洩弾性表面波の高次モードを利用すれば、より大きな
音速が得られるのではないかと考え、漏洩弾性表面波の
高次モードを利用した表面波装置を試作し、検討した。
その結果、水晶基板上にZnOなどの圧電薄膜を形成
し、該圧電薄膜に接するようにくし歯電極を形成し、圧
電薄膜の厚みを漏洩弾性表面波の高次モードを励振し得
るように制御すれば、音速が大きく、高周波化に適した
表面波装置が得られることを見いだした。
【0017】すなわち、本発明は、本願発明者の上記着
想の下に実験的に確かめられた知見に基づくものである
が、このような着想は、漏洩弾性表面波は伝搬に伴う減
衰量が大きいため使用し難いという従来の技術的な常識
の延長線上にあるものではない。従って、本発明は、日
常的な実験により確かめられるものではないことを指摘
しておく。
【0018】本発明の特定的な局面では、上記圧電薄膜
の膜厚をH、漏洩弾性表面波の高次モードの波長をλと
したときに、該波長で規格化された圧電薄膜の膜厚H/
λが0.28〜0.6の範囲とされる。圧電薄膜の規格
化膜厚H/λを上記特定の範囲とすることにより、水晶
基板と圧電薄膜とを積層した複合基板を用いた場合、上
記漏洩弾性表面波の高次モードを確実に励振することが
できる。なお、この圧電薄膜の規格化膜厚H/λの数値
は、使用し得る圧電薄膜の種類や水晶基板のカット角等
によっても異なるが、0.28以上とすることにより、
漏洩弾性表面波の高次モードを確実に励振し得る。
【0019】また、上記圧電薄膜としては、圧電性を有
する薄膜であれば、任意の材料を用いることができる
が、通常、ZnO、AlN、Ta25 、CdSなどの
薄膜が用いられる。好ましくは、請求項2に記載のよう
に、上記圧電薄膜としては、ZnO薄膜が用いられる。
【0020】また、本発明の第1の局面による表面波装
置の好ましい態様としては、圧電薄膜がZnOからな
り、該ZnOからなる圧電薄膜の規格化膜厚H/λが
0.28〜0.6の範囲にある表面波装置が挙げられ
る。
【0021】また、本発明の第2の広い局面によれば、
水晶基板と、水晶基板上に形成された圧電薄膜と、圧電
薄膜に接するように形成されたくし歯電極とを備えた表
面波装置において、水晶基板、圧電薄膜及びくし歯電極
が、漏洩弾性表面波の高次モードが励振するように、か
つ漏洩弾性表面波の高次モードの伝搬に伴う減衰を妨げ
るように形成されていることを特徴とする表面波装置が
提供される。
【0022】上記本発明の第2の広い局面による表面波
装置においても、好ましくは、圧電薄膜はZnOで構成
される。また、第2の広い局面による表面波装置におい
ても、好ましくは、圧電薄膜の規格化膜厚H/λは0.
28〜0.6の範囲とされ、それによって漏洩弾性表面
波の高次モードが確実に励振され得る。
【0023】また、本発明の第2の広い局面による表面
波装置においても、好ましい態様としては、圧電薄膜が
ZnOで構成され、該ZnOからなる圧電薄膜の規格化
膜厚H/λが0.28〜0.6の範囲とされている表面
波装置が挙げられる。
【0024】また、本発明の第2の広い局面により提供
される表面波装置においても、圧電薄膜は、AlN、T
2 5 及びCdSからなる群から選択した一種により
構成することもできる。
【0025】なお、本発明が適用される表面波装置の具
体的な構造については特に限定されるものではない。一
例を挙げると、図1(a),(b)に略図的に示される
トランスバーサル型帯域フィルタとしたの表面波フィル
タを例示することができる。表面波フィルタ1では、表
面波基板2上に、所定距離を隔ててIDT3,4が形成
されている。IDT3,4は、それぞれ、互いに間挿し
合う一対のくし歯電極3a,3b,4a,4bを有す
る。また、表面波基板2は、水晶基板2a上に圧電薄膜
2bを形成した構造を有する。この場合、IDT3,4
は、圧電薄膜2bの上面及び下面のいずれに形成されて
いてもよい。また、短絡電極(図示せず。)が圧電薄膜
2bの下面または上面に形成されていてもよい。
【0026】本発明が適用される表面波装置は、上記表
面波フィルタに限らず、表面波共振子、表面波遅延線な
どの種々の表面波装置に本発明を適用し得ることを指摘
しておく。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説
明することにより、本発明を明らかにする。
【0028】実施例1 図2は、水晶基板上に圧電薄膜ZnOを成膜してなる表
面波基板における表面波の音速を示す図である。用いた
水晶基板は、オイラー角が(0,141,0)であり、
直径7.62mm×厚み0.5mmの寸法を有する水晶
基板である。この水晶基板上に、全面に、ZnO薄膜を
種々の膜厚で形成し、表面波基板を構成した。
【0029】上記のようにして得たZnO膜厚が異なる
種々の表面波基板の音速を測定した。なお、音速の測定
は、以下の要領で行った。音速の測定:波長7μmから
52μmをもつIDTを形成し、そのSAWフィルタの
中心周波数から音速を求めた。
【0030】図2から明らかなように、ZnOの規格化
膜厚H/λ=0の場合、すなわちZnO薄膜が形成され
ていない場合には、レイリー波と、漏洩弾性表面波の基
本モード(LSAW1)とのみが励振されていることが
わかる。これに対して、水晶基板上にZnO薄膜を形成
してなる基板を用いた場合には、レイリー波の高次モー
ドであるセザワ波と、漏洩弾性表面波の高次モード(L
SAW2)が励振されることがわかる。
【0031】図2から明らかなように、ZnO薄膜の規
格化膜厚(H/λ)が0.28以上で漏洩弾性表面波の
高次モード(LSAW2)が励振され、かつ比較的大き
な音速を示すことがわかる。例えば、ZnO薄膜の規格
化膜厚H/λ=0.32においては、音速は5000m
/秒であり、レイリー波の場合の音速の最大値、すなわ
ちZnO薄膜が形成されていない水晶基板におけるレイ
リー波の音速=3170m/秒の1.6倍の音速が得ら
れることがわかる。
【0032】従って、オイラー角(0,141,0)の
水晶基板上にZnO薄膜を形成してなる表面波基板を用
いた場合、ZnO薄膜の規格化膜厚H/λを0.28以
上とすることにより、音速の大きな表面波装置を構成し
得ることがわかる。
【0033】図3は、上記オイラー角(0,141,
0)の水晶基板上に圧電薄膜を形成した表面波基板を用
いて構成された表面波装置における温度特性(TCD)
と、ZnO薄膜の規格化膜厚H/λとの関係を示す図で
ある。図3から、ZnO薄膜が形成されていない水晶基
板のTCDに対し、ZnO薄膜を積層した表面波基板で
は、TCDがプラス側に移動していくことがわかる。従
って、TCDがマイナスである水晶基板を用いれば、Z
nO薄膜を積層することにより、TCDの値を±0に近
づけることができ、従って、温度特性の良好な表面波装
置を構成し得ることがわかる。
【0034】図4及び図5は、オイラー角(0,14
1,0)の水晶基板上に圧電薄膜を形成した表面波基板
を用いた場合の表面波装置の電気機械結合係数とZnO
圧電薄膜の規格化膜厚H/λとの関係を示す図である。
なお、図4に示す特性は、IDTすなわちくし歯電極を
ZnO薄膜の上面に形成した場合の特性を、図5に示す
特性はZnO薄膜の上面にIDTを形成し、ZnO薄膜
と水晶基板との界面に短絡電極を形成した場合の特性を
示す。
【0035】図4及び図5から明らかなように、何れの
場合においても、漏洩弾性表面波の高次モードLSAW
2が励振され、かつ比較的大きな電気機械結合係数の得
られることがわかる。
【0036】実施例2 オイラー角(0,132.75,89)であるSTカッ
ト89°伝搬の水晶基板を用い、その他は実施例1の場
合と同様にして表面波装置を構成した。なお、用いた水
晶基板の寸法は、直径7.62mm×厚み0.5mmで
ある。
【0037】図6は、ZnO薄膜を種々の厚みで形成し
た場合の音速と、ZnO薄膜の規格化膜厚H/λとの関
係を示す。図6から明らかなように、このカット角の水
晶基板を用いた場合においても、漏洩弾性表面波の高次
モードLSAW2が、ZnO薄膜の規格化膜厚=0.2
8以上で励振されることがわかる。また、ZnO薄膜の
規格化膜厚H/λが0.6を超えると、漏洩弾性表面波
の高次モードLSAW2ではなくセザワ波の高次モード
Sezawa2が励振されることがわかる。
【0038】従って、ZnO薄膜の規格化膜厚H/λを
0.28〜0.6の範囲とすることにより、漏洩弾性表
面波の高次モードが励振されることがわかり、しかも、
レイリー波を利用した場合の最大音速値に比べて、音速
の大きい漏洩弾性表面波の高次モードを利用し得ること
がわかる。
【0039】図7は、上記表面波装置における温度特性
TCDとZnO薄膜の規格化膜厚H/λとの関係を示す
図であり、図3に相当する図である。図7から明らかな
ように、オイラー角(0,132.75,89)の水晶
基板上にZnO薄膜を形成した表面波装置においても、
ZnO薄膜の膜厚を増加させることにより、温度特性T
CDをプラスの方向に変化させ得ることがわかる。従っ
て、実施例1の場合と同様に、温度特性TCDがマイナ
スである水晶基板と組み合わせることにより、温度特性
がほぼ±0の表面波装置を構成し得ることがわかる。
【0040】図8及び図9は、オイラー角(0,13
2.75,89)の水晶基板上に圧電薄膜を形成した表
面波装置における電気機械結合係数とZnO薄膜の規格
化膜厚H/λとの関係を示す図であり、図4及び図5に
相当する図である。
【0041】オイラー角(0,132.75,89)の
水晶基板を用いた場合においても、ZnO薄膜を積層す
ることにより、十分な大きさの電気機械結合係数を有す
る表面波装置を構成し得ることがわかる。
【0042】なお、図8は、ZnO薄膜上にくし歯電極
を形成した場合、図9はZnO薄膜の下面にくし歯電極
を形成した場合の結果を示す。
【0043】実施例3 水晶基板として、オイラー角(0,150,0)の水晶
基板を用いたことを除いては、実施例1と同様にして種
々の表面波装置を作製した。このオイラー角の水晶基板
を用い、ZnO薄膜を厚みを種々異ならせて得られた種
々の表面波装置の音速とZnO薄膜の規格化膜厚H/λ
との関係を図10に示す。
【0044】図10から明らかなように、オイラー角
(0,150,0)の水晶基板を用いた場合において
も、ZnO薄膜の規格化膜厚H/λが、0.28以上、
0.6以下において、漏洩弾性表面波の高次モードLS
AW2が励振され、しかも非常に大きな音速の得られる
ことがわかる。
【0045】また、上記のようにして得られた表面波装
置の電気機械結合係数と、ZnO薄膜の規格化膜厚H/
λとの関係を図11及び図12に示す。図11では、Z
nO薄膜上にくし歯電極を形成し、図12に示す特性
は、ZnO薄膜上にくし歯電極を形成し、さらにZnO
薄膜と水晶基板との界面との全面にAlよりなる短絡電
極を形成した場合の特性である。
【0046】図11及び図12から明らかなように、オ
イラー角(0,150,0)の水晶基板を用いた場合に
おいても、その上にZnO薄膜を形成して表面波基板を
構成することにより、大きな電気機械結合係数の表面波
装置の得られることがわかる。
【0047】図13は、オイラー角(0,150,0)
の水晶基板を用いた場合の上記表面波装置の温度特性と
ZnO薄膜の規格化膜厚H/λとの関係を示す図であ
る。図13から明らかなように、この場合においても、
漏洩弾性表面波の高次モードLSAW2の温度特性TC
Dは、ZnO薄膜を形成することによりプラス側に移動
することがわかる。従って、温度特性がマイナスの水晶
基板と組み合わせることにより、温度特性TCDが±0
に近い表面波装置を構成し得ることがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の局面によ
り提供される表面波装置では、水晶基板上に圧電薄膜を
形成し、圧電薄膜に接するようにくし歯電極を形成し、
該圧電薄膜の厚みが漏洩弾性表面波の高次モードを励振
し得るように構成されているため、従来の水晶基板を用
いて構成されたレイリー波を利用した表面波装置に比べ
て、音速が大きく、電気機械結合係数の大きい表面波を
利用した表面波装置を提供することが可能となり、表面
波装置の高周波化に容易に対応することが可能となる。
【0049】特に、圧電薄膜の規格化膜厚H/λを0.
28〜0.6の範囲とすることにより、上記漏洩弾性表
面波の高次モードを確実に励振することができる。ま
た、本発明の第2の局面により提供される表面波装置で
は、水晶基板上に圧電薄膜を形成し、圧電薄膜に接する
ようにくし歯電極を形成してなる表面波装置において、
水晶基板、圧電薄膜及びくし歯電極が、漏洩弾性表面波
の高次モードが励振するように、かつ漏洩弾性表面波の
高次モードの伝搬に伴う減衰を妨げるように形成されて
いるので、従来の水晶基板を用いて構成されたレイリー
波を利用した表面波装置に比べて、音速が大きく、電気
機械結合係数の大きい表面波を利用した表面波装置を提
供することが可能となり、表面波装置の高周波化に容易
に対応することが可能となる。
【0050】本発明の第2の広い局面により提供される
表面波装置においても、圧電薄膜の規格化膜厚H/λを
0.28〜0.6の範囲とすることにより、上記漏洩弾
性表面波の高次モードを確実に励振することができる。
【0051】また、特開昭61−222312号公報に
開示されている表面波装置では、水晶基板を用いた表面
波装置において、通常のレイリー波よりも高音速の表面
波を利用し得るとされていたが、この先行技術に記載の
方法では利用する表面波が、実際にはSSBW波及びS
TW波の複合したものであるため周波数特性においてピ
ーク間に谷間が生じ、表面波共振子や表面波フィルタと
して用いた場合に良好な特性を得ることができず、かつ
共振子を構成する場合に電極指の対数を大きくしなけれ
ばならないため共振子が大型になるという問題があっ
た。これに対して、本発明の上記第1,第2の局面によ
り提供される表面波装置では、このような漏洩弾性表面
波の高次モードを利用するものであるため、すなわち、
2つの波が複合した波を利用するものとは異なるため、
上記のような谷間が生じない。よって、本発明の第1,
第2の局面にかかる表面波装置を用いて表面波共振子や
表面波フィルタを構成した場合、共振特性やフィルタ特
性を良好なものとすることができ、かつ電極指の対数を
増大させずとも十分な共振特性を得ることができるため
表面波装置の小型化も果たし得る。
【0052】従って、本発明によれば、高周波化に適し
た表面波装置を容易に提供することが可能となり、しか
も、温度特性が良好な水晶基板を用いて構成されている
ため、温度特性の良好な、すなわち周囲の温度変化に係
わらず、安定な特性を発揮し得る表面波装置を容易に提
供し得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明が適用される表面
波装置の一例としての表面波±の略図的平面図及び要部
断面図である。
【図2】オイラー角(0,141,0)の水晶基板を用
いた場合の水晶基板/ZnO圧電薄膜複合基板の音速と
ZnOの規格化膜厚H/λとの関係を示す図。
【図3】実施例1で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと温度特性TCDとの関係を示
す図。
【図4】実施例1で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図5】実施例1で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図6】オイラー角(0,132.75,89)の水晶
基板を用いた場合の水晶基板/ZnO圧電薄膜複合基板
の音速とZnOの規格化膜厚H/λとの関係を示す図。
【図7】実施例2で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと温度特性TCDとの関係を示
す図。
【図8】実施例2で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図9】実施例2で用意した表面波装置におけるZnO
薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図10】オイラー角(0,150,0)の水晶基板を
用いた場合の水晶基板/ZnO圧電薄膜複合基板の音速
とZnOの規格化膜厚H/λとの関係を示す図。
【図11】実施例3で用意した表面波装置におけるZn
O薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関
係を示す図。
【図12】実施例3で用意した表面波装置におけるZn
O薄膜の規格化膜厚H/λと、電気機械結合係数との関
係を示す図。
【図13】実施例3で用意した表面波装置におけるZn
O薄膜の規格化膜厚H/λと温度特性TCDとの関係を
示す図。
【図14】先行技術に開示されている表面波装置で利用
される高音速の表面波を説明するための減衰量周波数特
性を示す図。
【符号の説明】
1…表面波フィルタ 2…表面波基板 2a…水晶基板 2b…ZnO薄膜 3,4…IDT 3a,3b,4a,4b…くし歯電極

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶基板と、 前記水晶基板上に形成された圧電薄膜と、 前記圧電薄膜に接するように形成されたくし歯電極とを
    備え、 前記圧電薄膜が、漏洩弾性表面波の高次モードを励振し
    得る厚みに形成されており、該漏洩弾性表面波の高次モ
    ードを利用したことを特徴とする、表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電薄膜がZnOであることを特徴
    とする、請求項1に記載の表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記圧電薄膜の膜厚をH、表面波の波長
    λとしたときに、圧電薄膜の規格化膜厚H/λが0.2
    8〜0.6の範囲とされている、請求項1に記載の表面
    波装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電薄膜がZnOであって、 前記圧電薄膜の膜厚をH、表面波の波長をλとしたとき
    に、圧電薄膜の規格化膜厚H/λが0.28〜0.6の
    範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表面波装
    置。
  5. 【請求項5】 前記圧電薄膜が、AlN、Ta25
    びCdSからなる群から選択した一種よりなる圧電薄膜
    である、請求項1または3に記載の表面波装置。
  6. 【請求項6】 水晶基板と、 前記水晶基板上に形成された圧電薄膜と、 前記薄膜に接するように形成されたくし歯電極とを備え
    た表面波装置において、 前記水晶基板、前記圧電薄膜及び前記くし歯電極は、漏
    洩弾性表面波の高次モードが励振するように形成され、
    かつ該漏洩弾性表面波の高次モードの伝搬に伴う減衰を
    妨げるように形成されていることを特徴とする、表面波
    装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電薄膜がZnOであることを特徴
    とする、請求項6に記載の表面波装置。
  8. 【請求項8】 前記圧電薄膜の膜厚をH、表面波の波長
    をλとしたときに、圧電薄膜の規格化膜厚H/λが0.
    28〜0.6の範囲であることを特徴とする、請求項6
    に記載の表面波装置。
  9. 【請求項9】 前記圧電薄膜がZnOであって、 前記圧電薄膜の膜厚をH、表面波の波長をλとしたとき
    に、圧電薄膜の規格化膜厚H/λが0.28〜0.6の
    範囲であることを特徴とする、請求項6に記載の表面波
    装置。
  10. 【請求項10】 前記圧電薄膜が、AlN、Ta2 5
    及びCdSからなる群から選択した一種よりなる圧電薄
    膜である、請求項6に記載の表面波装置。
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