JP3341596B2 - 表面波装置 - Google Patents

表面波装置

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JP3341596B2
JP3341596B2 JP22878196A JP22878196A JP3341596B2 JP 3341596 B2 JP3341596 B2 JP 3341596B2 JP 22878196 A JP22878196 A JP 22878196A JP 22878196 A JP22878196 A JP 22878196A JP 3341596 B2 JP3341596 B2 JP 3341596B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶基板を用いた
表面波装置に関し、特に、水晶基板上に圧電薄膜を積層
してなる表面波基板を用いた表面波装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば移動体通信機器の帯域
フィルタなどに表面波装置が広く用いられている。表面
波(以下、SAW)装置は、圧電体と接するように少な
くとも一対のくし歯電極よりなる少なくとも1つのイン
ターデジタルトランスデューサ(以下、IDT)を形成
した構造を有する。
【0003】また、近年、圧電薄膜を用いたSAW装置
も種々提案されている。すなわち、ガラス基板や圧電基
板上に圧電薄膜を形成してなる表面波基板を用いたSA
W装置が提案されている。
【0004】上記圧電薄膜と、ガラス基板とを用いた構
成では、図1(a),(b)及び図2(a),(b)に
示す4種類の構造が知られている。すなわち、図1
(a)に示すSAW装置1では、ガラス基板2上に圧電
薄膜としてZnO薄膜3が形成されており、ZnO薄膜
3上にIDT4が形成されている。他方、図1(b)に
示すSAW装置5では、IDT4が、ZnO薄膜3の下
面に、すなわちガラス基板2とZnO薄膜3との間の界
面に形成されている。
【0005】また、図2(a)に示すSAW装置6で
は、ガラス基板2上に、短絡電極7が形成されており、
該短絡電極7上にZnO薄膜3が積層されている。ID
T4は、このZnO薄膜3上に形成されている。すなわ
ち、SAW装置6は、図1(a)に示したSAW装置1
において、ガラス基板2とZnO薄膜3との界面に短絡
電極7を挿入した構造に相当する。
【0006】図2(b)に示すSAW装置8では、短絡
電極7がZnO薄膜3上に形成されている。また、ID
T4がガラス基板2とZnO薄膜3との間の界面に形成
されている。従って、SAW装置8は、図1(b)に示
したSAW装置5において、ZnO薄膜3の上面に上記
短絡電極7を形成した構造に相当する。
【0007】上記SAW装置1,5,6,8を、IDT
4の形成位置及び短絡電極7の有無のみを異ならせ、他
の構成は同一とした場合の電気機械結合係数を図3に示
す。図3では、上記4種類のSAW装置1,5,6,8
におけるZnO薄膜の規格化された膜厚H/λに対する
電気機械結合係数の変化が示されている。なお、本明細
書において、HはZnO薄膜の厚みを、λは励振される
表面波の波長を示す。また、実線AがSAW装置1の結
果を、破線BがSAW装置5の結果を、一点鎖線CがS
AW装置6の結果を、二点鎖線DがSAW装置8の結果
を示す。
【0008】図3から明らかなように、H/λを選択す
ることにより、SAW装置5,8において、SAW装置
1,6に比べて大きな電気機械結合係数の得られること
がわかる。従って、従来、ガラス基板2上にZnO薄膜
3を形成した構造では、IDT4をガラス基板2とZn
O薄膜3との間の界面に形成した方が大きな電気機械結
合係数が得られるとされていた。なお、図3中のセザワ
波と記してある波はレイリー波の高次モードの表面波で
ある。
【0009】また、Jpn.J.Appl.Phys.
Vol.32(1993)2333〜2336頁には、
LiNbO3 圧電単結晶基板上にZnO薄膜を構成して
なる表面波基板を用いた場合のIDTや短絡電極の位置
による電気機械結合係数の変化が示されている。これ
を、図4(a),(b)及び図5(a),(b)を参照
して説明する。
【0010】図4(a)は、図1(a)に示したSAW
装置1におけるガラス基板2をLiNbO3 圧電単結晶
基板に置き換えた構造のSAW装置についてのZnO薄
膜の相対的膜厚kh(kは2π/λ、hはZnO薄膜の
膜厚)と電気機械結合係数K 2 との関係を示す。なお、
実線+はLiNbO3 のプラス面上にZnO薄膜を形成
した場合を、破線−は、LiNbO3 のマイナス面にZ
nO薄膜を形成した場合の特性である。同様に、図4
(b)は、図1(b)に示したSAW装置5のガラス基
板2をLiNbO3 圧電単結晶基板に置き換えた場合の
電気機械結合係数K2 を示す図であり、実線はLiNb
3 のプラス面上にZnO薄膜を形成した場合、破線は
マイナス面上にZnO薄膜を形成した場合の特性を示
す。さらに、図5(a)は、図2(a)に示したSAW
装置6のガラス基板2を、図5(b)は図2(b)に示
したSAW装置8のガラス基板2を、それぞれ、LiN
bO3圧電単結晶基板に置き換えた場合の電気機械結合
係数K2 の変化を示す図である。
【0011】図4及び図5から明らかなように、LiN
bO3 圧電単結晶基板上に圧電薄膜としてZnO薄膜を
形成した構造においても、図4(b)及び図5(b)か
ら明らかなように、IDTを圧電単結晶基板とZnO薄
膜との間の界面に形成した方が、大きな電気機械結合係
数K2 を実現し得ることがわかる。
【0012】すなわち、従来、ガラス基板や圧電基板上
にZnO薄膜を形成した表面波基板を用いる場合、大き
な電気機械結合係数を得るにはIDTを圧電薄膜と基板
との間に形成すべきと考えられていた。
【0013】他方、用途によっては、電気機械結合係数
が大きいだけでなく、温度特性が良好である、すなわち
温度変化による特性の変化が小さい表面波基板が求めら
れており、温度特性が良好な基板材料としては水晶が知
られている。しかしながら、水晶基板は電気機械結合係
数が比較的小さいという問題があった。
【0014】前述したように、水晶基板は良好な温度特
性を有する。例えば、回転Yカット水晶基板では、図1
0に示すように、オイラー角と、TCD及び伝搬損失と
の間に図示のような関係のあることが知られている。こ
こで、TCDとは、遅延時間の温度による変化率(単位
はppm/℃)を示す。
【0015】なお、図10において、実線Aは、回転Y
カット水晶基板上で漏洩弾性表面波を励振した場合のT
CDを、実線Bは伝搬損失を、破線Cはレイリー表面波
のTCDを示す。但し、レイリー波の伝搬損失はゼロで
ある。
【0016】図10に示すTCD及び伝搬損失特性が知
られているため、従来、図10に示すオイラー角が13
0度近辺の回転Yカット水晶基板が用いられていた。す
なわち、TCDが0付近のカット角の水晶基板が用いら
れ、該水晶基板上にIDTを形成してなるSAW装置
が、温度特性の良好なSAW装置として用いられてい
た。
【0017】しかしながら、上記のように構成された水
晶基板を用いたSAW装置においても、やはり、電気機
械結合係数が小さく、従って、例えばSAWフィルタを
構成した場合には、低挿入損失あるいは広帯域のフィル
タ特性を得ることが困難であった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水晶
基板及び圧電薄膜を積層してなる表面波基板を用いたS
AW装置において、電気機械結合係数をさらに高め得る
構造を備えたものを提供することにある。
【0019】また、本発明の他の目的は、温度特性が良
好であり、かつ電気機械結合係数がより一層大きなSA
W装置を提供することにある。
【0020】
【0021】
【0022】
【課題を解決するための手段】本願発明の広い局面によ
れば、水晶基板と、前記水晶基板上に形成された圧電薄
膜と、前記圧電薄膜に接するように形成されたくし歯電
極とを備え、前記水晶基板として、群遅延時間温度特性
TCDがマイナスの値かつパワーフロー角が0のカット
角及び伝搬方向の水晶基板が用いられ、前記水晶基板の
オイラー角が(0,25,0)〜(0,105,0)の
間、(0,0,15)〜(0,45,35)の間、
(0,10,60)〜(0,20,70)の間、(0,
90,30)〜(0,180,45)の間、(0,0,
85)〜(0,0,90)の間、(90,90,25)
〜(90,90,31)の間、(0,90,−3)〜
(0,90,3)の間であり、前記圧電薄膜の膜厚を
H、表面波の波長をλとしたときに、圧電薄膜の規格化
された膜厚H/λが0.2以上であることを特徴とす
る、表面波装置が提供される。
【0023】発明では、後述の実施形態の説明から明
らかなように、水晶基板としては、遅延時間温度特性T
CDがマイナスの値を持つカット角及び伝搬方向の水晶
基板が用いられ、他方、圧電薄膜が水晶基板上に積層さ
れている。圧電薄膜は、通常、遅延時間温度特性TCD
がプラスの値を有する。従って、本発明の上記表面波装
置では、遅延時間温度特性TCDが、水晶基板と圧電薄
膜とにより相殺されるため、良好な温度特性が実現され
る。
【0024】他方、後述するように、遅延時間温度特性
TCDがマイナスの値を持つカット角及び伝搬方向の水
晶基板は、遅延時間温度特性TCDがゼロに近いカット
角及び伝搬方向の水晶基板に比べて、大きな電気機械結
合係数を有する。よって、発明によれば、温度特性が
良好であり、かつより大きな電気機械結合係数を有する
表面波装置を提供することができる。
【0025】発明の別の特定的な局面によれば、上記
くし歯電極は、圧電薄膜上に形成され、従って第1の発
明の場合と同様に、より一層大きな電気機械結合係数を
実現することができる。
【0026】さらに、発明の別の特定的な局面によれ
ば、水晶基板と、圧電薄膜との間に形成された短絡電極
がさらに備えられ、それによって電気機械結合係数が高
められる。
【0027】
【0028】また、本発明では、上記圧電薄膜は、Zn
O、AlN、Ta25及びCdSからなる群から選択し
た一種により構成され得る。もっとも、他の圧電薄膜を
用いてもよい。上述した材料からなる圧電薄膜は、遅延
時間温度特性TCDはプラスの値を有する。従って、
明では、圧電薄膜を上記材料から構成することによ
り、前述したように温度特性が良好なSAW装置を構成
することができる。
【0029】本発明にかかるSAW装置は、SAWフィ
ルタ、SAW共振子、SAW遅延線など種々のSAWデ
バイスに適用し得る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
前提となる技術を参考例1,2として先ず説明する。
【0031】参考例1 まず、76.2mm径×0.5mmの寸法を有するST
カットX方向伝搬水晶基板を用いて、下記の3種類のS
AW装置を作製した。
【0032】SAW装置11…上記水晶基板上にZnO
薄膜を全面に形成し、その上に所定距離を隔てて2個の
IDTを形成し、SAWフィルタを作製した。すなわ
ち、図9(a)に示すように、圧電薄膜12上におい
て、所定距離を隔ててIDT13,14を形成した。I
DT13,14は、それぞれ、一対のくし歯電極13
a,13b及び14a,14bを有する。また、このS
AW装置11では、図9(b)に示すように、上記水晶
基板10上にZnO薄膜12が形成されている。
【0033】SAW装置12…SAW装置11とは異な
り、水晶基板とZnO薄膜との間にIDTを形成したこ
とを除いては、SAW装置1と同様にしてSAW装置2
を形成した。
【0034】SAW装置13…SAW装置11におい
て、ZnO薄膜と水晶基板との間に界面の全面にAlよ
りなる短絡電極を形成し、その他はSAW装置11と同
様とした。
【0035】上記SAW装置11〜13において、Zn
O薄膜の厚みを種々変更し、ZnO薄膜の厚みと電気機
械結合係数との関係を測定した。結果を図6に示す。図
6において、破線D、実線E及び一点鎖線Fが、それぞ
れ、SAW装置11,12,13の結果を示す。なお、
図6の横軸は、ZnO薄膜の規格化された膜厚H/λを
示す。
【0036】図6から明らかなように、ZnO薄膜の膜
厚を調整することにより、SAW装置13において最も
大きな電気機械結合係数が得られ、次に、SAW装置1
1において大きな電気機械結合係数が得られ、SAW装
置12ではZnO薄膜を形成することにより逆に電気機
械結合係数が小さくなることがわかる。すなわち、図6
に示す結果は、STカットX方向伝搬水晶基板では、Z
nOの形成されていない水晶に比べ、IDTをZnO膜
と水晶の間に形成すると電気機械結合係数が小さくな
り、一方IDTをZnO薄膜の上に形成した場合に、大
きな電気機械結合係数の得られることを示し、より好ま
しくは、短絡電極をさらに水晶基板とZnO薄膜との間
の界面に挿入することにより、より大きな電気機械結合
係数の得られることを示している。
【0037】参考例2 76.2mm径×0.5mmの寸法の165°回転Y板
X方向伝搬(オイラー角では0°,75°,0°)の水
晶基板を用い、下記のSAW装置14〜16を作製し
た。
【0038】SAW装置14…基板材料を上記回転Y板
X方向伝搬水晶基板としたしことを除いては前述した参
考例1のSAW装置11と同様に構成した。 SAW装置15…水晶基板として、上記回転Y板X方向
伝搬水晶基板を用いたことを除いては参考例1で作製し
たSAW装置12と同様に構成した。
【0039】SAW装置16…上記回転Y板X方向伝搬
水晶基板を用いたことを除いては、参考例1で作製した
SAW装置13と同様にしてSAW装置16を構成し
た。 上記SAW装置14〜16において、ZnO薄膜の膜厚
を種々異ならせ、電気機械結合係数を測定した。結果を
図7に示す。
【0040】図7において、破線GはSAW装置14の
特性を、実線HはSAW装置15の結果を、一点鎖線I
はSAW装置16の結果を示す。図7から明らかなよう
に、回転Y板X方向伝搬水晶基板を用いた場合において
も、参考例1の場合と同様に、IDT、すなわち、くし
歯電極をZnO薄膜と水晶基板との間に形成するより
も、ZnO薄膜上に形成した場合の方が大きな電気機械
結合係数の得られることがわかる。また、一点鎖線I及
び破線Gの特性を比較すれば明らかなように、さらに水
晶基板とZnO薄膜との間に短絡電極を形成することに
より、より一層大きな電気機械結合係数の得られること
がわかる。
【0041】上述した参考例1及び2の結果から、カッ
ト角が異なる水晶基板を用いた場合であっても、水晶基
板上にZnO薄膜を形成してなる表面波基板を用いる場
合には、くし歯電極をZnO薄膜上に形成することによ
り大きな電気機械結合係数の得られることがわかる。上
記参考例1,2を前提として、さらに電気機械結合係数
を高め得る、本発明の実験例につき説明する。
【0042】実験例1 先ず、76.2mm径×0.5mmの寸法を有する11
5°回転Y板からなる水晶基板を用いた。このカット角
の水晶基板は、漏洩弾性表面波において最も大きな電気
機械結合係数を得られることが知られている基板材料の
一つである。また、漏洩弾性表面波の伝搬方向はX方向
である。
【0043】上記115°回転Y板X方向伝搬水晶基板
を用い、下記の漏洩弾性表面波を用いたSAW装置17
〜19を作製した。 SAW装置17…上記水晶基板を用いたことを除いて
は、SAW装置11と同様にして構成した。
【0044】SAW装置18…上記水晶基板を用いたこ
とを除いては、SAW装置12と同様にしてSAW装置
18を作製した。 SAW装置19…上記特定の水晶基板を用いたことを除
いては、SAW装置13と同様にしてSAW装置19を
作製した。
【0045】上記SAW装置17〜19のZnO薄膜の
厚みを種々異ならせ、その電気機械結合係数を測定し
た。結果を図8に示す。図8において、破線JはSAW
装置17の結果を、実線KはSAW装置18についての
結果を、一点鎖線LはSAW装置19についての実験結
果を示す。
【0046】また、図8に示した特性において、励振さ
れた表面波が漏洩弾性表面波である場合と、通常のレイ
リー波である場合との区別を図8に示した。すなわち、
図8から明らかなように、ZnO薄膜の規格化された膜
厚がH/λ=0.14未満(二点鎖線Mで示す位置)で
は、減衰を伴う漏洩弾性表面波が励振され、伝搬を用い
るトランスバーサル型等のSAW装置には使用すること
ができないことがわかった。但し、伝搬を必要としない
SAW素子には使用できる可能性がある。従って、Zn
O薄膜の規格化された膜厚を0.14以上とすることに
より、減衰の伴わない電気機械結合係数の大きなSAW
装置の得られることがわかる。
【0047】また、図8から明らかなように、水晶基板
とZnO薄膜との間にくし歯電極を形成したSAW装置
18では、漏洩弾性表面波を効果的に励振し得ないこと
がわかる。これに対して、IDT、すなわちくし歯電極
をZnO薄膜上に形成してなるSAW装置17,19で
は、上記H/λを0.14以上とすることにより、電気
機械結合係数が大きく、かつ減衰のない漏洩弾性表面波
を利用したSAW装置を提供し得ることがわかる。漏洩
弾性表面波の場合、図10Bに示したように、基板のカ
ット角により減衰を示す伝搬定数が異なり、ここで示し
た115°回転Y板X伝搬では、0.2dB/λの減衰
があるが、カット角によっては、減衰がゼロのところ
(例えば、105°回転Y板や30°回転Y板のX伝
搬)がある。このようなカット角では、ZnO膜厚H/
λが0.05より大きいところで減衰が伴わず、大きい
電気機械結合係数が得られる。
【0048】なお、図6〜図8に示した結果を比較すれ
ば明らかなように、使用する水晶基のカット角と使用す
る表面波を励振し得るZnO薄膜の規格化された膜厚H
/λが異なることがわかり、前述したSTカットX方向
伝搬水晶基板、及び165°回転Y板X方向伝搬水晶基
板のようにレイリー波表面波の場合、H/λを0.05
以上とすればよいことが、さらに漏洩弾性表面波の場合
には、115°回転Y板X伝搬水晶基板ではH/λが
0.14以上、105°回転Y板X伝搬水晶基板ではH
/λが0.05以上とすればよい。従って、水晶基板上
にZnO薄膜を形成する場合、ZnO薄膜の規格化され
た膜厚H/λは0.05以上とすることが望ましい。
【0049】上記のように、使用した水晶基板として、
オイラー角の異なる回転Y板を種々用いたため、オイラ
ー角が異なる水晶基板を用いた上記SAW装置を多数種
類作成した。このようにして得たSAW装置の上記オイ
ラー角と電気機械結合係数K 2 との関係を図16(a)
に○印を付して示す。
【0050】なお、図16(a)の実線Nは漏洩表面波
の、破線Pはレイリー波の場合の回転Y板X伝搬の水晶
基板自体の電気機械係合係数を示す。図中○印と●印
は、それぞれ、水晶の上にZnO膜を形成し、さらにそ
の上にIDTを形成した構造におけるレイリー波と漏洩
弾性表面波の電気機械結合係数の自乗値K2 を示してい
る。一方△印と▲印は、それぞれ、その構造にさらにZ
nOと水晶との境界に短絡電極を設けた場合のレイリー
波と漏洩弾性表面波の電気機械結合係数の自乗値K2
示している。このようにK2 は、カット角により、多少
異なる。また、図16(b)は、図10と同じ図である
が、図16(a)との比較のために図16(a)の直下
に再度図示しているものである。
【0051】実験例2 図10を参照して説明したように、従来、水晶基板を用
いたSAW装置を構成する場合、温度特性を良くするた
めには、TCDがゼロの近辺のカット角を有する水晶基
板を用いていたが、この場合充分大きな電気機械結合係
数を得ることができなかった。本願発明者は、図10に
示すオイラー角と、TCDとの関係において、TCDが
マイナスである水晶基板と、ZnO薄膜とを組み合わせ
れば、良好なTCD及び大きな電気機械結合係数を得ら
れることを見出した。
【0052】なお、水晶基板のカット角及び伝搬方向
と、TCDとの関係は、いずれの水晶基板においても、
TCDがマイナスの領域は存在する。これを、図11〜
図14を参照して説明する。
【0053】図11は、STカット水晶基板における伝
搬方向のX軸からの角度θとTCDとの関係を示し、図
12はXカット水晶基板の伝搬方向のY軸からの角度θ
とTCDとの関係を、図13はYカット水晶基板の伝搬
方向のX軸からの角度θとTCDとの関係を、図14は
Zカット水晶基板の伝搬方向のX軸からの角度θとTC
Dとの関係を示す。図11〜図14から明らかなよう
に、これらの水晶基板においても、伝搬方向角θを変更
することにより、TCDがマイナスとなる領域が存在す
ることがかわる。
【0054】本願の第2の発明は、上記のようなTCD
がマイナスの値を示すカット角あるいは伝搬方向の水晶
基板を、TCDがプラスの値を示す圧電薄膜とを組み合
わせることにより、良好なTCDと大きな電気機械結合
係数とを実現するものである。これを、回転Y板からな
る水晶基板を例にとり、図15を参照して説明する。
【0055】まず、水晶基板として、76.2mm径×
0.5mmの寸法の基板を用意した。なお、この水晶基
板としては、165°回転Y板X伝搬とSTカット35
°伝搬の2種類を用意した。
【0056】上記水晶基板上にZnO膜をH/λ=0〜
0.5までの膜厚で成膜し、さらにその上に上記伝搬方
向に一致するようにIDTを形成した。そのSAWは特
性の遅延時間の温度特性(温度15,25,35℃の3
点)を測定した。その結果を図15に示す。165°回
転Y板X伝搬では、H/λ=0.35近傍で、STカッ
ト35°伝搬ではZnO膜厚H/λ=0.16近傍でT
CD=0になるのがわかる。また、この膜厚での電気機
械結合係数は前述のように大きい値を示す。すなわち、
165°回転Y板X伝搬の場合には、従来、電気機械結
合係数K2 が0.2%、TCD=−30ppm/℃であ
ったものが、水晶基板にH/λ=0.35のZnO膜と
IDTを形成することにより、従来の5倍のK2 =1.
04%とTCD=0ppm/℃が得られた。また、Zn
O膜と水晶基板との間に短絡電極を設けることにより、
TCD=0ppm/℃となり、K2 はさらに大きい1.
35%が得られる。
【0057】一方、STカット35°伝搬の場合にも、
従来、K2 =0.14%、TCD=−20ppm/℃で
あったのが、水晶基板上にH/λ=0.16のZnO膜
とIDTを形成することにより、K2 は4.8倍のK2
=0.77%とTCD=0ppm/℃が得られる。ま
た、ZnO膜と水晶基板との間に短絡電極を設けると、
さらにK2 =0.89%とTCD=0ppm/℃が得ら
れる。
【0058】従って、本実験例から明らかなように、水
晶基板として、電気機械結合係数が大きなオイラー角の
水晶基板を用い、その場合にTCDがマイナスの値を有
していたとしても、ZnO薄膜として水晶基板のTCD
のマイナスの値を相殺し得るプラスのTCDを示すZn
O薄膜を形成し、その上にIDTを形成することによ
り、非常に大きな電気機械結合係数及び良好な温度特性
を有するSAW装置を構成し得ることがわかる。
【0059】上記説明は、2種類の基板について説明し
たが、回転Y板や、図11〜図14に示した他のカット
角の水晶基板を用いた場合においても、同様に、TCD
がマイナスであっても、電気機械結合係数が大きなオイ
ラー角の水晶基板を用いることにより、電気機械結合係
数が大きくかつ温度特性が良好な表面波装置を構成し得
ることがわかる。すなわち、図10に示したように、回
転Y板X伝搬におけるレイリー波では、オイラー角
(0,0,0)〜(0,135,0)の範囲、漏洩表面
波ではオイラー角(0,0,0)〜(0,20,0)、
(0,45,0)〜(0,65,0)、(0,135,
0)〜(0,180,0)の範囲がTCDがマイナスの
範囲である。図11に示したように、STカット水晶基
板を用いた場合には、オイラー角(0、132.75±
5、0)から(0、132.75±5、50)の間、及
び(0、132.75±5、130)から(0、13
2.75±5、180)の間で、TCDがマイナスの範
囲にある。
【0060】また、図12から明らかなように、回転X
カット水晶基板では、オイラー角が(90、90、0)
〜(90、90、35)の範囲及び(90、90、14
5)〜(90、90、180)の間でTCDがマイナス
となっている。
【0061】同様に、図13に示されているように、回
転Yカット水晶基板では、オイラー角が(0、90、
0)から(0、90、35)の間、及び(0、90、1
45)〜(0、90、180)の間でTCDがマイナス
となっている。また、図14から明らかなように、Zカ
ット水晶基板では、オイラー角(0,0,φ)のφが
0、60、120及び180以外の伝搬方向の場合にT
CDの値がマイナスの値となっている。
【0062】従って、上述した範囲で各水晶基板では、
TCDがマイナスの値を示すが、その範囲の中でも電気
機械結合係数の大きいカット角を選択し、TCDのマイ
ナスの値を相殺するように、プラスのTCD値を有する
ZnO薄膜を各水晶基板の上面に形成し、さらにIDT
を形成することにより、上記と同様に電気機械結合係数
が大きくかつ温度特性が良好な表面波装置を構成するこ
とができる。
【0063】また、水晶基板のような単結晶の材料を用
いた場合には、そのカット角の異方性により、IDTか
らIDTに向かう位相速度ベクトルの方向と実際のエネ
ルギーの伝搬方向が一致しなくなることがあり、この現
象をパワーフローといい、このとき生じる角度をパワー
フロー角という。このパワーフローを考慮した場合、パ
ワーフロー角が0であり、同時に、TCDがマイナスの
値を示すような角が0であるような水晶基板のカット角
が好ましい。この好ましいカット角は、オイラー角
(0,25,0)〜(0,105,0)の間、(0,
0,15)〜(0,45,35)の間、(0,10,6
0)〜(0,20,70)の間、(0,90,30)〜
(0,180,45)の間、(0,0,85)〜(0,
0,90)の間、(90,90,25)〜(90,9
0,31)の間、(0,90,−3)〜(0,90,
3)の間であり、この場合TCDがマイナスでありかつ
パワーフロー角が0である。
【0064】従って、上述した範囲で各水晶基板上にZ
nO薄膜を形成し、さらにIDTを形成することによ
り、電気機械結合係数が大きくかつ温度特性が良好で伝
搬方向に偏りのない表面波装置を構成することができ
る。
【0065】なお、上記実験例では圧電薄膜としてZn
O薄膜を形成した場合を説明したが、ZnO薄膜のほ
か、AlN、Ta25 、CdSなどのプラスのTCD
値を有する適宜の圧電薄膜を用いてもよい。
【0066】さらに、水晶基板については、プラス面及
びマイナス面の何れを用いてもよいことを指摘してお
く。
【0067】
【0068】
【発明の効果】 本願発 明によれば、水晶基板としてTC
Dがマイナスの値をもつカット角及び伝搬方向の水晶基
板が用いられ、該水晶基板上に圧電薄膜が形成されてい
る。従って、圧電薄膜が通常プラスのTCD値を有する
ため、水晶基板のTCD値が圧電薄膜のTCD値により
相殺され、温度特性の良好な表面波装置を得ることがで
きる。よって、TCD値がマイナスであっても、電気機
械結合係数の大きいカット角及び伝搬方向の水晶基板を
用いることにより、従来実現することができなかった、
温度特性が良好であり、しかも大きな電気機械結合係数
を有する表面波装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、それぞれ、従来の表面波
装置におけるガラス基板、圧電薄膜及びIDTの積層構
造を示す各断面図。
【図2】(a)及び(b)は、それぞれ、従来のSAW
装置におけるガラス基板、短絡電極、圧電薄膜及びID
Tの積層構造を説明するための各断面図。
【図3】図1及び図2に示したSAW装置における圧電
薄膜の規格化された膜厚と、電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれ、従来のSAW
装置において、LiNbO3 基板上に圧電薄膜及びID
Tを形成した構造及びLiNbO3 基板上にIDT及び
圧電薄膜をこの順に積層した構造における、ZnO薄膜
の規格化された膜厚と電気機械結合係数との関係を示す
図。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ、LiNbO3
基板上にZnO薄膜を形成してなる表面波基板において
IDT及び短絡電極を異なる位置に形成した場合のZn
O薄膜の規格化された膜厚と電気機械結合係数との関係
を示す図。
【図6】STカット水晶基板上に圧電薄膜とくし歯電極
とを形成した3種類の表面波装置のZnO薄膜の規格化
された膜厚と電気機械結合係数との関係を示す図。
【図7】165°回転Y板X方向伝搬水晶基板上にZn
O薄膜及びくし歯電極を形成した3種類の構造の表面波
装置のZnO薄膜の規格化された膜厚と電気機械結合係
数との関係を示す図。
【図8】115°回転Y板からなる水晶基板上にZnO
薄膜及びくし歯電極を種々の形態に構成した表面波装置
におけるZnO薄膜の規格化された膜厚と電気機械結合
係数との関係を示す図。
【図9】(a)及び(b)は、参考例及び本発明の一実
施形態として構成されるSAW装置の模式的平面図及び
くし歯電極が形成されている部分の部分切欠断面図。
【図10】回転Y板水晶基板におけるオイラー角とTC
D及び伝搬損失との関係を示す図。
【図11】STカット水晶基板における伝搬方向とTC
Dとの関係を示す図。
【図12】Xカット水晶基板の伝搬方向とTCDとの関
係を示す図。
【図13】Yカット水晶基板の伝搬方向とTCDとの関
係を示す図。
【図14】Zカット水晶基板の伝搬方向とTCDとの関
係を示す図。
【図15】165°回転Y板X伝搬とSTカット35°
伝搬水晶基板を用いた場合のZnO膜厚とTCDとの関
係を示す図。
【図16】(a)及び(b)は、それぞれ、本願の第2
の発明の実施形態における回転Y板水晶基板のオイラー
角と電気機械結合係数との関係を示す図、並びにオイラ
ー角とTCD及び伝搬損失との関係を示す図。
【符号の説明】
10…水晶基板 11…SAW装置 12…ZnO薄膜 13,14…IDT 13a,13b,14a,14b…くし歯電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶基板と、前記水晶基板上に形成され
    た圧電薄膜と、前記圧電薄膜に接するように形成された
    くし歯電極とを備え、 前記水晶基板として、群遅延時間温度特性TCDがマイ
    ナスの値かつパワーフロー角が0のカット角及び伝搬方
    向の水晶基板が用いられ、前記水晶基板のオイラー角が
    (0,25,0)〜(0,105,0)の間、(0,
    0,15)〜(0,45,35)の間、(0,10,6
    0)〜(0,20,70)の間、(0,90,30)〜
    (0,180,45)の間、(0,0,85)〜(0,
    0,90)の間、(90,90,25)〜(90,9
    0,31)の間、(0,90,−3)〜(0,90,
    3)の間であり、前記圧電薄膜の膜厚をH、表面波の波
    長をλとしたときに、圧電薄膜の規格化された膜厚H/
    λが0.2以上であることを特徴とする、表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記くし歯電極が、前記圧電薄膜上に形
    成されている、請求項1に記載の表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記水晶基板と、前記圧電薄膜との間に
    形成された短絡電極をさらに備える、請求項2に記載の
    表面波装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電薄膜が、ZnO、AlN、Ta
    25 及びCdSからなる群から選択した一種よりなる
    圧電薄膜である、請求項1〜のいずれかに記載の表面
    波装置。
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