JP4733404B2 - 弾性波センサ - Google Patents

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Description

本発明は、基板表面に弾性波を励振する励振電極と、基板表面及び表面近傍を伝搬する弾性波を受信する受信電極とを基板表面に備え、両電極との間に存在する被測定物質によって生じる弾性波の伝搬特性の変化を利用して、被測定物質のセンシングを行う弾性波センサに関する。
従来、環境、食品、医療等の様々な分野において、構造が簡単で且つ小型化が期待できるセンサとして、弾性波センサが使用されている。
被測定物質のセンシングに利用される弾性波センサとして、例えば図4のような構成の溶液センサがある。この溶液センサは、圧電基板上に、櫛歯状電極指からなる励振電極及び受信電極が形成された構成となっている。そして、この励振電極に高周波信号が印加されると、電極指間に電界が発生し、圧電効果により弾性表面波が励振される。また、励振電極と受信電極との間にあるセンシング領域は、このセンシング領域に滴下された測定対象の溶液が両電極に接触しないよう、例えば樹脂製の壁で囲まれている。そして、このセンシング領域に測定対象の溶液を滴下させると、この溶液の存在により基板表面を伝搬する弾性波の伝搬特性(例えば、周波数)が変化するため、この弾性波の伝搬特性の変化を検出して測定対象の溶液の性質をセンシングするようになっている。
また、上記の溶液センサの他に、例えば図5のような構成の、抗原抗体反応を利用したバイオセンサがある。このバイオセンサは、上記の溶液センサと同様、櫛歯状電極指からなる励振電極及び受信電極が圧電基板上に形成され、この励振電極に高周波信号が印加されると、圧電効果により弾性表面波が励振されるようになっている。また、このバイオセンサには、励振電極と受信電極との間に、特定物質と反応する反応膜が形成されている。そして、測定対象の特定物質との反応による反応膜の質量変化を、基板表面を伝搬する弾性表面波の周波数変化として検出することにより、この特定物質の検出、あるいは特定物質の量や濃度の測定を可能としている。
特開2000−214140号公報 特開平8−68780号公報
上記のような構成の溶液センサやバイオセンサを用いて複数種類の被測定物質のセンシングを行う場合、被測定物質を溶液センサのセンシング領域に滴下し、あるいはバイオセンサの反応膜に塗布してセンシングを行った後に、センシング済の被測定物質をセンサから除去し、センシング領域や反応膜を純水等の洗浄液で洗浄してから、新たな被測定物質を滴下あるいは塗布してセンシングを行うという一連の作業を、各被測定物質のセンシングのたびに繰り返し行う必要があった。これにより、複数種類の被測定物質を全てセンシングし終えるまでには多大な時間を要するといった問題があった。
本発明の目的は、複数種類の被測定物質のセンシングを迅速に効率良く行うことができる弾性波センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の弾性センサは、基板表面に、被測定物質をセンシングするためのセンシング用弾性波を励振する励振電極と、基板表面及び表面近傍を伝搬するセンシング用弾性波を受信する受信電極と、配置され、励振電極と受信電極との間に存在する被測定物質によって生じるセンシング用弾性波の伝搬特性の変化を利用して、被測定物質のセンシングを行う弾性波センサにおいて、励振電極及び受信電極と同一の基板表面上に配置され、被測定物質を搬送するための搬送用弾性波を励振する搬送電極を備え、励振電極は、基板表面に平行な方向に基板表面を変位させる横波弾性波をセンシング用弾性波として励振し、搬送電極は、伝搬方向に対する変位方向がセンシング用弾性波のそれと異なる弾性波を搬送用弾性波として励振し、励振電極、受信電極及び搬送電極は、センシング用弾性波と搬送用弾性波とが互いに異なる方向に伝搬するよう配置したものである。
また、本発明に係る弾性波センサにおいては、さらに、基板は回転Yカット水晶基板であり、センシング用弾性波が水晶基板のx方向と異なる方向へ伝搬するよう、励振電極と受信電極とが配置され、搬送電極によって励振される搬送用弾性波が水晶基板のx方向に伝搬するよう、搬送電極が配置される。
また、本発明に係る弾性波センサにおいては、望ましくは、基板上に設けられた圧電薄膜と、圧電薄膜上に設けられ、圧電薄膜に搬送用弾性波を励振する副搬送電極と、を備え、副搬送電極によって励振される搬送用弾性波は、搬送電極に基づく搬送経路に接続される副搬送経路を形成する。また、本発明に係る弾性波センサにおいては、望ましくは、 基板上に設けられた圧電薄膜と、圧電薄膜上に設けられ、圧電薄膜に搬送用弾性波を励振する副搬送電極と、を備え、副搬送電極によって励振される搬送用弾性波は、搬送電極に基づく搬送経路に接続される副搬送経路を形成し、副搬送電極によって励振され圧電薄膜上を伝搬する搬送用弾性波が水晶基板のx方向とは異なる方向に伝搬するよう、副搬送電極が配置される。
また、本発明に係る弾性波センサにおいては、望ましくは、搬送用弾性波を伝搬させるための圧電薄膜が基板上に設けられ、圧電薄膜に搬送用弾性波を伝搬させる副搬送電極が圧電薄膜上に設けられる。

また、上記構成の弾性波センサにおいて、被測定物質を攪拌するための攪拌用弾性波を励振する一対の攪拌電極を、各攪拌電極からの攪拌用弾性波が互いに対向して伝搬するように配置しても良く、さらに、この一対の攪拌電極の内の少なくとも一方が、搬送電極であっても良い。
本発明の弾性波センサによれば、基板上の塗布エリアに被測定物質を塗布する作業を行うだけで、被測定物質の搬送及びセンシングを自動で行うことができる。また、被測定物質の搬送中などに、塗布エリアに新たな被測定物質を準備しておくことで、被測定物質の搬送及びセンシングを繰り返し自動で行うことができる。従って、複数種類の被測定物質のセンシングを迅速に効率良く行うことができる。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波センサにおける基板表面の構成を示す図である。
本実施形態に係る弾性波センサ10の基板11の表面上には、被測定物質をセンシングするためのセンシング用弾性波を励振する櫛型電極(励振電極)12と、基板表面及び表面近傍を伝搬するセンシング用弾性波を受信する櫛型電極(受信電極)13とが配置されている。また、この励振電極12と受信電極13との間には、被測定物質がセンシングされるセンシング領域14が設けられている。そして、従来の弾性波センサと同様、センシング領域14内に存在する被測定物質によって生じるセンシング用弾性波の伝搬特性の変化を検出することにより、被測定物質の検出、あるいは被測定物質の性質のセンシングを行うようになっている。
また、図1のように、励振電極12及び受信電極13が配置された表面と同一の基板表面上には、センシング領域14に被測定物質を搬送するための搬送用弾性波を励振する櫛型電極(搬送電極)15が、搬送用弾性波がセンシング用弾性波とは異なる方向(本実施形態では、センシング用弾性波の伝搬方向に直交する方向)に伝搬するように設けられている。こうして、搬送電極15からセンシング領域14に向かって、搬送用弾性波によって被測定物質が搬送される搬送経路16が形成される。また、この搬送経路16上には、被測定物質を基板上に塗布する塗布エリア17が設けられている。そして、搬送電極15に高周波信号を入力することで、この搬送電極15で励振された搬送用弾性波の伝搬により、被測定物質を塗布エリア17からセンシング領域14に向けて搬送するようになっている。
ところで、弾性波の周波数変化を検出して被測定物質をセンシングする場合、弾性波センサにおけるセンシング用弾性波として、被測定物質による弾性波の伝搬損失を少なくでき、効率良く弾性波を伝搬、検出できるという理由から、基板表面に平行で且つ伝搬方向と直交する方向に基板表面を変位させる横波弾性波(例えば、STW:surface transverse wave)が好適である。また、弾性波センサにおける搬送用弾性波としては、基板表面に直交する方向に基板表面を変位させる弾性波(例えば、レイリー波)が好適である。
ここで、カット角が25°〜50°の回転Yカットの水晶基板によれば、センシング用弾性波として好適な横波弾性波を、水晶基板のx方向と直交する方向に伝搬させることができ、且つ、搬送用弾性波として好適な弾性波を、x方向(すなわち、横波弾性波の伝搬方向と直交する方向)に伝搬させることができる。従って、本実施形態では、弾性波センサ10における基板11を、25°〜50°の回転Yカット水晶基板とした。そして、この水晶基板上に、励振電極12と受信電極13とを、センシング用弾性波が水晶基板11のx方向に直交する方向へ伝搬するように配置し、さらに搬送電極15を、搬送用弾性波が水晶基板11のx方向に伝搬してセンシング領域14に到達するように配置した。
次に、上記構成の弾性波センサ10を利用した被測定物質のセンシングの手順について説明する。
まず、被測定物質を塗布エリア17に塗布しておき、搬送電極15に高周波信号を入力して搬送用弾性波を搬送経路16上に伝搬させると、搬送用弾性波が、塗布エリア17内の被測定物質を搬送し始める。そこで、搬送電極15に高周波信号を入力することで、搬送用弾性波により被測定物質を塗布エリア17からセンシング領域14まで搬送する。
被測定物質がセンシング領域14内まで搬送されると、搬送電極15への高周波信号の入力を停止して搬送を停止させ、続いて励振電極12に高周波信号を入力してセンシング用弾性波を基板表面及び表面近傍に伝搬させる。こうして、従来と同様に、センシング領域14内の被測定物質によって生じるセンシング用弾性波の伝搬特性の変化を検出することにより、被測定物質のセンシングを行う。
また、センシング用弾性波によるセンシングが行われた後、励振電極12への高周波信号の入力を停止し、しかる後に、搬送電極15に高周波信号を入力して搬送用弾性波を伝搬させることにより、センシング済の被測定物質を、搬送用弾性波の伝搬方向、すなわちセンシング領域外に搬送することができる。そこで、上記のようにセンシング済の被測定物質をセンシング領域外に搬送した後、塗布エリア17に新たに塗布された被測定物質を上述と同様の手順で搬送することにより、新たな被測定物質のセンシングを行うことが可能となる。このように、上記構成の弾性波センサ10によれば、弾性波センサ10の同一基板上の塗布エリア17に被測定物質を塗布する作業を行うだけで、被測定物質の搬送及びセンシングを自動で行うことができる。
(第2の実施形態)
ところで、上記第1の実施形態の弾性波センサ10では、図1のように、搬送用弾性波による搬送経路16が1つしか存在しないが、第2の実施形態として、水晶基板上に圧電薄膜を設け、この圧電薄膜上に励振させた弾性波により被測定物質を搬送するように構成することで、複数の搬送経路を水晶基板上に設けることができる。以下、図2を参照して説明する。ここで、第2の実施形態では、図2のように主搬送経路26に2つの副搬送経路29a,29bが合流する構成の弾性波センサ20を一例として説明するが、主搬送経路に合流する副搬送経路の数は、これに限定されるものではない。
図2の弾性波センサ20では、第1の実施形態と同様の基板21上の搬送経路(主搬送経路)26に合流する新たな搬送経路(副搬送経路)として、2つの圧電薄膜28a,28bが水晶基板21上に設けられており、さらに各圧電薄膜28a,28b上に、搬送用弾性波を励振する搬送電極(副搬送電極)25a,25bがそれぞれ設けられている。こうして各圧電薄膜28a,28b上には、副搬送電極25a,25bから主搬送経路26に向かって、搬送用弾性波が伝搬する副搬送経路29a,29bが形成される。また、副搬送電極25a,25bの副搬送経路側には、被測定物質を塗布する塗布エリア27a,27bがそれぞれ設けられている。そして、副搬送電極25a,25bに高周波信号を入力することで、この副搬送電極25a,25bで励振された搬送用弾性波により、被測定物質を各塗布エリア27a,27bから副搬送経路29a,29b上を通って主搬送経路26上に搬送するようになっている。
次に、このような構成の弾性波センサ20を利用した被測定物質のセンシングの手順について説明する。
まず、被測定物質として溶液aを塗布エリア27aに塗布し、溶液bを塗布エリア27bに塗布しておく。そして、副搬送電極25aに高周波信号を入力して搬送用弾性波を圧電薄膜28a上に励振させ、この搬送用弾性波を副搬送経路29a上に伝搬させることにより、溶液aを塗布エリア27aから主搬送経路26上に搬送する。
そして、溶液aが主搬送経路26上に到達すると、副搬送電極25aへの高周波信号の入力を停止して副搬送経路29a上での搬送を停止させ、続いて主搬送経路26上に搬送用弾性波を励振させる搬送電極(主搬送電極)25に高周波信号を入力し、搬送用弾性波を主搬送経路26上に伝搬させる。これにより、主搬送電極25からの搬送用弾性波による溶液aの搬送が行われる。そこで、主搬送電極25に高周波信号を入力することで、溶液aをセンシング領域24に搬送する。
溶液aがセンシング領域24内に到達すると、主搬送電極25への高周波信号の入力を停止して搬送を停止させる。そして、励振電極22に高周波信号を入力してセンシング用弾性波を伝搬させ、センシング領域24内の溶液aによって生じるセンシング用弾性波の伝搬特性の変化を検出することにより、溶液aのセンシングを行う。
そして、溶液aのセンシングが行われた後、励振電極22への高周波信号の入力を停止し、続いて主搬送電極25に高周波信号を入力して搬送用弾性波を励振させることにより、センシング済の溶液aを、搬送用弾性波の伝搬方向、すなわちセンシング領域24外に搬送する。
こうしてセンシング済の溶液aをセンシング領域24外に搬送してから、副搬送電極25bに高周波信号を入力して副搬送経路29b上に搬送用弾性波を励振させ、溶液aと同様に、溶液bを塗布エリア27bから主搬送経路26上に搬送する。そして、溶液bが主搬送経路26上に到達すると、副搬送電極25bへの高周波信号の入力を停止すると共に、主搬送電極25に高周波信号を入力して搬送用弾性波を主搬送経路26上に伝搬させることにより、溶液bをセンシング領域24に搬送する。そして、溶液bがセンシング領域24内に到達すると、溶液aの場合と同様に、センシング用弾性波を伝搬させることによる溶液bのセンシングが行われる。以上のように、弾性波センサ20の基板上に、使用する被測定物質の種類に相当する数の副搬送経路29a,29b及び副搬送電極25a,25bを設けることにより、各副搬送経路29a,29b上の塗布エリア27a,27bにそれぞれ被測定物質を塗布する作業を行うだけで、複数種類の被測定物質の搬送及びセンシングを、迅速に効率良く、順次自動で行うことが可能となる。
尚、塗布エリア27a,27bの何れにも被測定物質である溶液a,bを塗布したように、各塗布エリアに異種の被測定物質を塗布するのではなく、同種の被測定物質を塗布しても良い。また、例えば図2の塗布エリア27aに被測定物質、塗布エリア27bに洗浄液を塗布することで、被測定物質のセンシング後に、塗布エリア27bから洗浄液をセンシング領域24に搬送し、センシング領域内の洗浄を行うこともできる。これにより、被測定物質のセンシングが繰り返し行われる場合において、被測定物質の搬送及びセンシングを行うことのみならず、洗浄液によりセンシング後のセンシング領域内を洗浄することも可能となる。
また、上述のように溶液aをセンシング領域外に搬送してから溶液bをセンシング領域に搬送するのではなく、溶液aがセンシング領域内にある状態で、溶液bをセンシング領域24まで搬送することで、溶液aと溶液bとを混合させることもできる。従って、これにより生じた混合溶液のセンシングを自動で行うこともできる。また、溶液aと溶液bとが混合により化学反応を起こす場合には、これにより生じた反応溶液のセンシングを行うことが可能となる。
その他にも、例えば、抗体をセンシング領域に固定化するための前処理溶液(自己組織化膜を形成する溶液)及び抗体を含有する溶液を順にセンシング領域に搬送し、しかる後にセンシング領域内を乾燥させることで、センシング領域内に抗体膜を形成させることもできる。そして、こうして抗体膜を形成した後に、抗原を含有する溶液をセンシング領域内(抗体膜上)に搬送することで、抗体膜の形成から被測定物質内の抗原の検出等に至るまでの全ての作業を、効率良く自動的に行うことも可能となる。
(第3の実施形態)
また、第3の実施形態として、上記の第1及び第2の実施形態に係る弾性波センサにおいて、搬送電極の他に、被測定物質を攪拌するための攪拌用弾性波を励振する攪拌電極を配置しても良い。この第3の実施形態では、例えば図3のように、主搬送経路36上を伝搬する搬送用弾性波に対向して攪拌用弾性波が伝搬するよう、攪拌電極40が配置されている。そして、副搬送電極35a及び主搬送電極35からの搬送用弾性波の伝搬により、塗布エリア37に塗布された被測定物質がセンシング領域34まで搬送された後、この被測定物質に対し、攪拌電極40から攪拌用弾性波を伝搬させる。こうして、主搬送電極35からの搬送用弾性波と攪拌電極40からの攪拌用弾性波とが互いに対向して被測定物質に当たることにより、被測定物質が攪拌される。
以上のように、被測定物質に対して2つの弾性波が互いに対向して伝搬されるよう各弾性波を励振させる電極を配置することにより、これらの弾性波を用いて被測定物質を自動で攪拌することができる。この弾性波による自動攪拌は、複数種類の被測定物質(例えば、複数種類の溶液)をそれぞれセンシング領域34に搬送した際に、これらを均質な状態に混合する必要がある場合等に有効である。
また、上記のように自動攪拌可能な弾性波センサにおいて、例えば被測定物質の攪拌及びセンシングを繰り返し行う必要がある場合、攪拌電極40からの攪拌用弾性波を新たな被測定物質に伝搬させるために、攪拌処理済の被測定物質を主搬送経路36上から退去させる必要がある。そこで、例えば図3のように、主搬送経路36上から被測定物質を退去させるための副搬送電極35bを設けると良い。この場合、攪拌処理済の被測定物質を、主搬送電極からの搬送用弾性波により方向転換エリアまで搬送した後、副搬送電極35bから搬送用弾性波を伝搬させることにより、攪拌処理済の被測定物質を主搬送経路36上から退去させることができる。尚、このように主搬送経路上から被測定物質を退去させるための副搬送電極を、攪拌電極を有しない上記の第1及び第2の実施形態に係る弾性波センサに適用することも可能である。
尚、この第3の実施形態では、主搬送電極35からの搬送用弾性波と攪拌電極40からの攪拌用弾性波とを用いて攪拌作業を行っており、この主搬送電極35からの弾性波は、搬送用弾性波と攪拌用弾性波の双方の役割を担っているが、このような電極の配置構成に限定されるものではない。すなわち、搬送電極とは別に独立した一対の攪拌電極を、各攪拌電極からの攪拌用弾性波が被測定物質に対して互いに対向して伝搬するように配置し、各攪拌電極からの攪拌用弾性波により攪拌作業が行われるようにしても良い。
また、この第3の実施形態ではセンシング領域上で攪拌作業が行われるものとしているが、センシング領域外の任意の箇所で弾性波による攪拌作業が行われるように、攪拌電極を配置しても良く、あるいは、センシング領域外の任意箇所で攪拌作業が行われるようなタイミングで攪拌用弾性波を伝搬させるようにしても良い。
尚、上記の第1から第3の各実施形態に係る弾性波センサでは、主搬送電極が基板上に設けられることによって主搬送経路が基板上に形成されているが、この主搬送経路は、上面に搬送電極が設けられた圧電薄膜によって形成されても良い。
また、上記の第1から第3の各実施形態に係る弾性波センサの説明では、センシング領域内に被測定物質が搬送されると一旦搬送作業を停止してからセンシングが行われるが、上記の第1から第3の各実施形態に係る弾性波センサによれば、このような動作パターンのみならず、例えば被測定物質を搬送しながら(センシング領域を通過させながら)センシングを行うことも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る弾性波センサにおける基板表面の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る弾性波センサにおける基板表面の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る弾性波センサにおける基板表面の構成の一例を示す図である。 弾性波を利用した従来の溶液センサの構成の一例を示す図である。 従来の弾性波デバイスを用いたバイオセンサの構成の一例を示す図である。
符号の説明
10,20,30 弾性波センサ、11,21,31 基板、12,22,32 励振電極、13,23,33 受信電極、14,24,34 センシング領域、15,25,25a,25b,35,35a,35b 搬送電極、16,26,36 (主)搬送経路、17,27a,27b,37 塗布エリア、28a,28b,38 圧電薄膜、29a,29b,39 副搬送経路、40 攪拌電極。

Claims (6)

  1. 基板表面に、被測定物質をセンシングするためのセンシング用弾性波を励振する励振電極と、基板表面及び表面近傍を伝搬するセンシング用弾性波を受信する受信電極と、が配置され、励振電極と受信電極との間に存在する被測定物質によって生じるセンシング用弾性波の伝搬特性の変化を利用して、被測定物質のセンシングを行う弾性波センサにおいて、
    励振電極及び受信電極と同一の基板表面上に配置され、被測定物質を搬送するための搬送用弾性波を励振する搬送電極を備え、
    励振電極は、基板表面に平行な方向に基板表面を変位させる横波弾性波をセンシング用弾性波として励振し、
    搬送電極は、伝搬方向に対する変位方向がセンシング用弾性波のそれと異なる弾性波を搬送用弾性波として励振し、
    励振電極、受信電極及び搬送電極は、センシング用弾性波と搬送用弾性波とが互いに異なる方向に伝搬するよう配置され
    基板は回転Yカット水晶基板であり、
    センシング用弾性波が水晶基板のx方向と異なる方向に伝搬するよう、励振電極と受信電極とが配置され、
    搬送電極によって励振される搬送用弾性波が水晶基板のx方向に伝搬するよう、搬送電極が配置される、
    ことを特徴とする弾性波センサ。
  2. 請求項に記載の弾性波センサにおいて、
    基板上に設けられた圧電薄膜と、
    圧電薄膜上に設けられ、圧電薄膜に搬送用弾性波を励振する副搬送電極と、を備え、
    副搬送電極によって励振される搬送用弾性波は、搬送電極に基づく搬送経路に接続される副搬送経路を形成する、
    ことを特徴とする弾性波センサ。
  3. 請求項に記載の弾性波センサにおいて、
    基板上に設けられた圧電薄膜と、
    圧電薄膜上に設けられ、圧電薄膜に搬送用弾性波を励振する副搬送電極と、を備え、
    副搬送電極によって励振される搬送用弾性波は、搬送電極に基づく搬送経路に接続される副搬送経路を形成し、
    副搬送電極によって励振され圧電薄膜上を伝搬する搬送用弾性波が水晶基板のx方向とは異なる方向に伝搬するよう、副搬送電極が配置される、
    ことを特徴とする弾性波センサ。
  4. 請求項1に記載の弾性波センサにおいて、
    搬送用弾性波を伝搬させるための圧電薄膜が基板上に設けられ、
    圧電薄膜に搬送用弾性波を伝搬させる副搬送電極が圧電薄膜上に設けられることを特徴とする弾性波センサ。
  5. 請求項1からの何れか一つに記載の弾性波センサにおいて、
    被測定物質を攪拌するための攪拌用弾性波を励振する一対の攪拌電極が、各攪拌電極からの攪拌用弾性波が互いに対向して伝搬するように配置されることを特徴とする弾性波センサ。
  6. 請求項に記載の弾性波センサにおいて、
    一対の攪拌電極の内の少なくとも一方は、搬送電極であることを特徴とする弾性波センサ。
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