JPH08193112A - ポリイソシアネート/ポリアミン混合物及びポリウレア被膜の製造におけるその用途 - Google Patents

ポリイソシアネート/ポリアミン混合物及びポリウレア被膜の製造におけるその用途

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JPH08193112A
JPH08193112A JP7240454A JP24045495A JPH08193112A JP H08193112 A JPH08193112 A JP H08193112A JP 7240454 A JP7240454 A JP 7240454A JP 24045495 A JP24045495 A JP 24045495A JP H08193112 A JPH08193112 A JP H08193112A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイソシアネートとアルジミンとの初期の
相溶性を含めた相溶性を改良し、さらに得られる被膜の
透明性、光沢、及びDOIを改良する。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシア
ネート基に対して不活性なn価の有機基を表し、R1
びR2 は同一であるかまたは異なり、任意に置換された
炭化水素基を表すか、あるいは、R1 及びR2 はβ−炭
素原子と共に脂環式または複素環式環を形成し、R3
びR4 は同一であるかまたは異なり、100℃またはそ
れ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性な有機
基を表し、R5 及びR6 は同一であるかまたは異なり、
水素、あるいは、100℃またはそれ以下の温度でイソ
シアネート基に対して不活性な有機基を表し、a及びb
は1〜5の整数を表し、a及びbは合計で2〜6を与え
る)に相当するアルジミン/アスパルテート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バインダー成分が
互いに向上した相溶性を有し、その結果、透明性といっ
た光学的特性が向上した被膜が得られる、ポリイソシア
ネート/ポリアミン混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】室温で硬化する一成分塗料は公知であ
り、完全に反応したポリウレタンがバインダーとして含
まれている。この組成物は、穏やかな攪拌以外の予備工
程を必要とせずに、適切な支持体に直接塗布することの
出来る完全に配合された系として使用出来るという利点
を有する。この系の欠点は、完全に反応したポリウレタ
ン、即ち、高分子量ポリウレタン、の粘度を下げるため
に大量の有機溶剤を必要とすることである。ポリウレタ
ンは実質的には直鎖状ポリウレタンでなければならず、
耐溶剤性といった架橋ポリウレタンから得られる一定の
特性を有するものではない。二成分塗料も公知である。
この組成物は二つの容器に入っている。一つ目にはポリ
イソシアネートが含まれ、二つ目にはイソシアネートに
反応性の成分、通常はポリオールが含まれている。この
系では、適切な加工粘度を得るのに大量の溶剤を必要と
せず、一成分被膜よりも優れた特性を有する架橋度の高
い被膜が得られる。しかしながら、この系では、得られ
る被膜の特性が実質的に混合の影響を受けるため、混合
を正確に行わなければならない。さらに、成分を混合し
た後は使用不可能な固体となるまで反応が続くため、ポ
ットライフに制限がある。
【0003】一成分及び二成分塗料の欠点を含まずにこ
れらの公知の利点を有する塗料が、同時係属中の米国特
許出願第08/171281号、第08/171550
号、第08/171304号、第08/193978
号、及び第08/193296号に開示されている。塗
料は、ポリイソシアネートとある種のアルジミンを混合
することにより調製される。上述の同時係属中の出願に
従って調製した被膜が所望の特性を多く有するとも、被
膜の外観、即ち、透明性、光沢、及び像の顕著性(dist
inctness of image:DOI)をさらに改良する必要がある。
この特性は、ポリイソシアネートとアルジミンとの間の
相溶性に直接関係している。同時係属中の米国特許出願
第08/171281号には、アルジミンとの相溶性
は、ある種のアロファネート基含有ポリイソシアネート
を使用することによって向上することが開示されてい
る。しかしながら、まだ、他の市販のポリイソシアネー
トによって、相溶性及び外観の改良を達成する必要があ
る。さらに、同時係属中の出願に記載されているアロフ
ァネート基含有ポリイソシアネートがアルジミンと相溶
性であっても、全てのアルジミンと最初から相溶性なわ
けではない。即ち、最初は不透明な溶液が形成されるの
である。透明な溶液が得られるまでには、30分もしく
はそれ以上の時間がかかる。塗料の成分を混合した後直
ちに被膜を調製することが望ましい上述の出願では、ア
ロファネート基含有ポリイソシアネートとアルジミンと
の初期の相溶性を改善することが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イソシアネートとアルジミンとの初期の相溶性を含めた
相溶性を改良し、さらに得られる被膜の透明性、光沢、
及びDOIを改良することである。上述の目的は、ポリ
イソシアネート及びアルジミン以外に、以下に記載する
ポリアスパルテートも含有する本発明の塗料により達成
することが出来る。
【0005】
【課題を解決するための手段】米国特許発明明細書第3
420800号及び第3567692号には、ポリイソ
シアネートと、アルジミンまたはケチミンのいずれかを
含有する塗料が開示されている。米国特許発明明細書第
5126170号には、ポリイソシアネート、ポリアス
パルテート、及び任意にポリオールを含有する塗料が開
示されている。しかしながら、上述の特許は、ポリイソ
シアネートとアルジミンとの相溶性が、本発明のアルジ
ミン/アスパルテートの使用によって改善出来ることを
教示していない。米国特許発明明細書第5214086
号には、ポリイソシアネート、アルジミン、ポリオー
ル、及び任意にポリアスパルテートを含有する塗料が開
示されている。本発明の実施例には、米国特許発明明細
書第5214086号に開示されている4つの成分を有
する組成物と比較した場合、本発明の塗料が優れた特性
を有することが示されている。同時係属中の米国特許出
願第08/273551号には、ポリイソシアネートと
アルジミンとの相溶性が、アスパルテートを組成物中へ
含ませることによっても向上可能なことが開示されてい
る。
【0006】本発明は、式
【化6】 (式中、Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシア
ネート基に対して不活性なn価の有機基を表し、R1
びR2 は同一であるかまたは異なり、任意に置換された
炭化水素基を表すか、あるいは、R1 及びR2 はβ−炭
素原子と共に脂環式または複素環式環を形成し、R3
びR4 は同一であるかまたは異なり、100℃またはそ
れ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性な有機
基を表し、R5 及びR6 は同一であるかまたは異なり、
水素、あるいは、100℃またはそれ以下の温度でイソ
シアネート基に対して不活性な有機基を表し、a及びb
は1〜5の整数を表し、a及びbは合計で2〜6を与え
る)に相当するアルジミン/アスパルテートに関する。
【0007】本発明は、 a)ポリイソシアネート成分 b)式
【化7】 に相当するアルジミン/アスパルテートを含有するイソ
シアネートに反応性の成分 c)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜75重
量%の、式
【化8】 に相当するアルジミン並びに d)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜50重
量%の、式
【化9】 に相当するアスパルテート(式中、X、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 、a、及びbは先に定義した通り
であり、nは2〜6の整数を表す) 〔ポリイソシアネートa)及びイソシアネートに反応性
の成分b)は、イソシアネート基のアルジミン基及びア
スパルテート基に対する当量比が0.5:1〜20:1
となるのに十分な量で含まれている〕を含有する塗料に
も関する。
【0008】さらに、本発明は、 a)ポリイソシアネート成分 b)成分b)、c)及びd)の重量に対して15〜10
0重量%の、式
【化10】 に相当するアルジミン/アスパルテート成分 c)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜75重
量%の、式
【化11】 に相当するアルジミン並びに d)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜50重
量%の、式
【化12】 に相当するアスパルテート〔式中、X、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 、a、b、及びnは先に定義した
通りであり、成分a)、b)、c)、及びd)はイソシ
アネート基のアルジミン基及びアスパルテート基に対す
る当量比が0.5:1〜20:1となるのに十分な量で
含まれており、成分b)及び任意にd)は成分a)、
b)、c)、及びd)を攪拌して60分以内に透明な溶
液を形成するのに十分な量で含まれている〕を含有する
塗料にも関する。
【0009】さらに、本発明は、上述の塗料から調製し
たポリウレア被膜にも関する。本発明のポリイソシアネ
ート成分として使用出来る好ましいポリイソシアネート
の例には、単量体ジイソシアネート、好ましくはNCO
プレポリマー、さらに好ましくはポリイソシアネート付
加物が含まれる。好ましい単量体ジイソシアネートは、
式 R(NCO)2 (式中、Rは、約112〜1,000、好ましくは約1
40〜400の分子量を有する有機ジイソシアネートか
らイソシアネート基を除去して得られる有機基を表す)
で表すことが出来る。本発明の方法に適したジイソシア
ネートは、上述の式で、Rが4〜18個の炭素原子を有
する二価の脂肪族炭化水素基、5〜15個の炭素原子を
有する二価の脂環式炭化水素基、7〜15個の炭素原子
を有する二価の芳香脂肪族(araliphatic)炭化水素基、
または6〜15個の炭素原子を有する二価の芳香族炭化
水素基を表すものである。
【0010】好ましい有機ジイソシアネートの例には、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,1
2−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン
−1,3−及び−1,4−ジイソシアネート、1−イソ
シアナト−2−イソシアナトメチルシクロペンタン、1
−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5
−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシア
ネートまたはIPDI)、ビス−(4−イソシアナトシ
クロヘキシル)−メタン、2,4’−ジシクロヘキシル
−メタンジイソシアネート、1,3−及び1,4−ビス
−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−
(4−イソシアナト−3−メチル−シクロヘキシル)−
メタン、α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−
及び/または−1,4−キシリレンジイソシアネート、
1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナ
トメチルシクロヘキサン、2,4−及び/または2,6
−ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、1,3−
及び/または1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−及び/または2,6−トルイレンジイソシアネ
ート、2,4−及び/または4,4’−ジフェニル−メ
タンジイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタ
レン、及びこれらの混合物が含まれる。4,4’,4”
−トリフェニルメタンジイソシアネート、及びアニリン
/ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化して得られるポ
リフェニルポリメチレンポリイソシアネートといった、
イソシアネート基を3個またはそれ以上含有する芳香族
ポリイソシアネートも使用できる。
【0011】本発明によると、ポリイソシアネート成分
は、好ましくはNCOプレポリマーまたはポリイソシア
ネート付加物、さらに好ましくはポリイソシアネート付
加物の形態である。好ましいポリイソシアネート付加物
は、イソシアヌレート、ウレトジオン(uretdione)、ビ
ウレット、ウレタン、アロファネート、カルボジイミ
ド、及び/またはオキサジアジントリオン(oxadiazinet
rione)基を含有するものである。ポリイソシアネート付
加物は、平均官能価が2〜6であり、NCO含有量が5
〜30重量%である。 1)ドイツ特許発明明細書第2616416号、欧州特
許出願公開明細書第3765号、欧州特許出願公開明細
書第10589号、欧州特許出願公開明細書第4745
2号、米国特許発明明細書第4288586号、及び米
国特許発明明細書第4324879号に記載されている
ように調製されるイソシアヌレート基含有ポリイソシア
ネート。イソシアナト−イソシアヌレートは、通常、平
均NCO官能価が3〜3.5であり、NCO含有量が5
〜30重量%、好ましくは10〜25重量%、最も好ま
しくは15〜25重量%である。 2)トリアルキルホスフィン触媒の存在下でジイソシア
ネートのイソシアネート基の部分をオリゴマー化するこ
とにより調製され、他の脂肪族及び/または脂環式ポリ
イソシアネート、特に(1)に示したイソシアヌレート
基含有ポリイソシアネートと混合して使用されるウレト
ジオンジイソシアネート。
【0012】3)米国特許発明明細書第3124605
号、第3358010号、第3644490号、第38
62973号、第3906126号、第3903127
号、第4051165号、第4147714号、または
第4220749号に開示されている方法に従って、
水、第三級アルコール、第一級及び第二級モノアミン、
並びに第一級及び/または第二級ジアミンといった共反
応物を使用して調製されるビウレット基含有ポリイソシ
アネート。このポリイソシアネートは、好ましくはNC
O含有量が18〜22重量%であり、平均NCO官能価
が3〜3.5である。 4)米国特許発明明細書第3183112号に開示され
ている方法に従って、過剰量のポリイソシアネート、好
ましくはジイソシアネートを、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、1,2−ジヒドロキシプロパン、及び
これらの混合物といった分子量が400未満の低分子量
グリコール及びポリオールと反応させることにより調製
されるウレタン基含有ポリイソシアネート。ウレタン基
含有ポリイソシアネートは、NCO含有量が12〜20
重量%、(平均)NCO官能価が2.5〜3のものが最
も好ましい。 5)米国特許発明明細書第3769318号、第416
0080号、及び第4177342号に開示されている
方法に従って調製されるアロファネート基含有ポリイソ
シアネート。アロファネート基含有ポリイソシアネート
は、NCO含有量が12〜21重量%、(平均)NCO
官能価が2〜4.5のものが最も好ましい。
【0013】6)米国特許発明明細書第5124427
号、第5208334号、及び第5235018号(こ
れらの開示も本発明に含める)に記載されている方法に
したがって調製されるイソシアヌレート及びアロファネ
ート基含有ポリイソシアネート。好ましくはモノイソシ
アヌレート基のモノアロファネート基に対する比が約1
0:1〜1:10、好ましくは約5:1〜1:7、であ
るイソシアヌレート及びアロファネート基を含有するポ
リイソシアネート。 7)ドイツ特許発明明細書第1092007号、米国特
許発明明細書第3152162号、及びドイツ特許出願
公開明細書第2504400号、第2537685号、
及び第2552350号に記載されているように、公知
のカルボジイミド化触媒の存在下でジ−またはポリイソ
シアネートをオリゴマー化させることにより調製される
カルボジイミド基含有ポリイソシアネート。 8)オキサジアジントリオン基及び、2モルのジイソシ
アネートと1モルの二酸化炭素の反応生成物を含有する
ポリイソシアネート。好ましいポリイソシアネート付加
物は、イソシアヌレート基、ビウレット基、またはイソ
シアヌレートとアロファネート基の混合基を含有するポ
リイソシアネートである。
【0014】本発明のポリイソシアネート成分としても
使用されるNCOプレポリマーは、前述した単量体ポリ
イソシアネートまたはポリイソシアネート付加物、好ま
しくは単量体ジイソシアネートと、少なくとも2個のイ
ソシアネートに反応性の基、好ましくは少なくとも2個
の水酸基を有する有機化合物とから調製される。この有
機化合物には、分子量が400〜約6,000、好まし
くは800〜約3,000である高分子量化合物、及び
任意に分子量が400より小さい低分子量化合物が含ま
れる。分子量は、数平均分子量(Mn ) であり、末端基
分析法(OH価)によって求められる。ポリイソシアネ
ートと低分子量化合物とを独占的に反応させて得られる
生成物は、ウレタン基を含有するポリイソシアネート付
加物であり、NCOプレポリマーとは見なされない。高
分子量化合物の例としては、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネ
ート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシ
ポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミ
ド、及びポリヒドロキシポリチオエーテルがある。ポリ
エステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びポ
リヒドロキシポリカーボネートが好ましい。低分子量化
合物、出発物質、高分子量ポリヒドロキシ化合物の調製
方法に関する詳細は、米国特許発明明細書第47014
80号(本発明に含める)に開示されている。
【0015】上述のNCOプレポリマーは、通常、イソ
シアネート含有量が約0.5〜30重量%、好ましくは
約1〜20重量%であり、上述の出発物質を約1.0
5:1〜10:1、好ましくは約1.1:1〜3:1の
NCO/OH当量比で反応させる公知の方法で調製され
る。この反応は、適切な溶剤中で行うことが出来、溶剤
は、反応後に残存している未反応の揮発性出発ポリイソ
シアネートと共に蒸留によって任意に取り除くことが出
来る。本発明によると、NCOプレポリマーには、ウレ
タン基含有プレポリマー以外に、未反応の出発ポリイソ
シアネートを含有するNCOセミプレポリマーも含まれ
る。
【0016】成分b)としての使用に適したアルジミン
/アスパルテートには、式
【化13】 (式中、Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシア
ネート基に対して不活性なn価の有機基、好ましくは脂
肪族、芳香脂肪族、または脂環式ポリアミン、さらに好
ましくはジアミン、からアミノ基を除去して得られる炭
化水素基、を表し、R1 及びR2 は同一であるかまたは
異なり、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜
6個の炭素原子を有する任意に置換された炭化水素基を
表すか、あるいは、R1 及びR2 はβ−炭素原子と共に
脂環式または複素環式環を形成し、R3 及びR4 は同一
であるかまたは異なり、100℃またはそれ以下の温度
でイソシアネート基に対して不活性な有機基、好ましく
はメチルまたはエチル基、を表し、R5 及びR6 は同一
であるかまたは異なり、水素、あるいは、100℃また
はそれ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性な
有機基、好ましくは水素、を表し、a及びbは1〜5、
好ましくは1〜3、さらに好ましくは1、の整数を表
し、a及びbは合計で2〜6、好ましくは2〜4、さら
に好ましくは2、を与え、nはa+bに等しい)に相当
するものが含まれる。
【0017】アルジミン/アルパルテートは、ポリアミ
ンを、アルデヒド及び任意に置換されたマレイン酸エス
テルまたはフマル酸エステルと反応させることにより調
製される。好ましいポリアミンは、式
【化14】 (式中、Xは先に定義した通りであり、nは2〜6、好
ましくは2〜4、さらに好ましくは2、の整数を表す)
に相当するものが含まれる。ポリアミンには、分子量が
400〜約10,000、好ましくは800〜約6,0
00の高分子量アミンと、分子量が400より小さい低
分子量アミンが含まれる。分子量は数平均分子量
(Mn )であり、末端基分析法(NH価)により求めら
れる。このポリアミンの例としては、アミノ基が、脂肪
族、脂環式、芳香脂肪族、及び/または芳香族炭素原子
と結合しているものがある。
【0018】好ましい低分子量ポリアミン出発化合物に
は、エチレンジアミン、1,2−及び1,3−プロパン
ジアミン、2−メチル−1,2−プロパンジアミン、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3
−及び1,4−ブタンジアミン、1,3−及び1,5−
ペンタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジア
ミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−
2,5−ヘキサンジアミン、2,2,4−及び/または
2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、
1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミ
ン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミ
ン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカ
ンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,4−及び/または
2,6−ヘキサヒドロトルイレンジアミン、2,4’−
及び/または4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメ
タン、3,3’−ジアルキル−4,4’−ジアミノ−ジ
シクロヘキシルメタン(例えば、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン及び3,
3’−ジエチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシ
ルメタン)、1,3−及び/または1,4−シクロヘキ
サンジアミン、1,3−ビス(メチルアミノ)−シクロ
ヘキサン、1,8−p−メタンジアミン、ヒドラジン、
セミカルバジドカルボン酸のヒドラジド、ビス−ヒドラ
ジド、ビス−セミカルバジド、フェニレンジアミン、
2,4−及び2,6−トルイレンジアミン、2,3−及
び3,4−トルイレンジアミン、2,4’−及び/また
は4,4’−ジアミノジフェニルメタン、アニリン/ホ
ルムアルデヒドの縮合反応より得られる多官能性ポリフ
ェニレンポリメチレンポリアミン、N,N,N−トリス
−(2−アミノエチル)−アミン、グアニジン、メラミ
ン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジア
ミン、3,3’−ジアミノ−ベンジジン、ポリオキシプ
ロピレンアミン、ポリオキシエチレンアミン、2,4−
ビス−(4’−アミノベンジル)−アニリン、及びこれ
らの混合物が含まれる。1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロン
ジアミン、IPDA)、ビス−(4−アミノシクロヘキ
シル)−メタン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシク
ロヘキシル)−メタン、1,6−ジアミノ−ヘキサン、
2−メチルペンタメチレンジアミン、及びエチレンジア
ミンが好ましい。
【0019】好ましい高分子量ポリアミンは、NCOプ
レポリマーの調製に使用されるポリヒドロキシル化合物
の末端水酸基を、アミノ化あるいは水酸基をジイソシア
ネートと反応させた後に末端イソシアネート基を加水分
解することにより、アミノ基に転換させたものに相当す
る。好ましい高分子量ポリアミンは、テキサコ(Texaco)
社のジェファミン樹脂のようなアミン末端を有するポリ
エーテルである。
【0020】アルジミン/アスパルテートの調製に使用
される任意に置換されたマレイン酸エステルまたはフマ
ル酸エステルとしては、式 R1 OOC−CR3 =CR4 −COOR2 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は先に定義した通り
である)に相当するものが好ましい。例としては、マレ
イン酸及びフマル酸のジメチル、ジエチル及びジ−n−
ブチルエステル、並びに2−及び/または3−位がメチ
ルによって置換された対応するマレイン酸エステルまた
はフマル酸エステルが挙げられる。アルジミン/アスパ
ルテートの調製に使用されるアルデヒドとしては、式 O=CHCH(R1 )(R2 ) (式中、R1 及びR2 は先に定義した通りである)に相
当するものが好ましい。例としては、イソブチルアルデ
ヒド、2−エチルヘキサナール、2−メチルブチルアル
デヒド、2−エチルブチルアルデヒド、2−メチルバレ
ルアルデヒド、2,3−ジメチルバレルアルデヒド、2
−メチルウンデカナール、及びシクロヘキサンカルボキ
シアルデヒドが挙げられる。
【0021】アルジミン/アスパルテートb)の調製
は、0〜100℃の温度で、ポリアミンを、アルデヒド
及びマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと連続
的にまたは混合して反応させる公知の方法で行われる。
過剰の出発物質及びアルデヒド/アミン縮合反応で生じ
た水は、反応後に蒸留によって取り除くことが出来る。
反応は、溶剤を使用しないで、またはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ジオキサン、及びこのような溶
剤の混合溶剤といった適切な溶媒の存在下で行うことが
出来る。好ましくは、反応を、最初にアミノ基の部分を
マレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応さ
せ、次いで残存しているアミノ基を過剰のアルデヒドと
反応させる二段階で行う。過剰のアルデヒドと生成した
水は蒸留で取り除く。成分c)としての使用に適したア
ルジミンには、アルデヒドと前述のアルジミン/アスパ
ルテートの調製に適したポリアミンとから調製されたも
のが含まれる。アルジミンは、ポリアミンを、化学量論
量のアルデヒドまたは過剰のアルデヒドのいずれかと反
応させる公知の方法で調製することが出来る。過剰のア
ルデヒド及び生成した水は、蒸留で取り除くことが可能
である。アルジミンは、前述したような適切な溶剤の存
在下で調製することが出来る。溶剤も、反応終了後に蒸
留で取り除くことが出来る。
【0022】成分d)としての使用に適したアスパルテ
ートには、任意に置換されたマレイン酸エステルまたは
フマル酸エスエルと、前述のアルジミン/アスパルテー
トの調製に適したポリアミンとから調製されたものが含
まれる。アスパルテートは、アルジミン/アスパルテー
トの調製のところで述べた条件下で、ポリアミンを、任
意に置換されたマレイン酸エステルまたはフマル酸エス
エルと反応させる公知の方法で調製することが出来る。
アルジミン/アスパルテートb)とアルジミンc)ある
いはアルジミン/アスパルテートb)とアスパルテート
d)を主に含有する混合物を、これらの成分を別々に調
製したり混合したりする必要なしに調製することが可能
である。例えば、成分b)とc)(成分d)の部分も含
んでいる)の混合物は、ジアミンのアミノ基のうち50
%未満をマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと
反応させ、次いで残りのアミノ基をアルデヒドと反応さ
せることにより調製することが出来る。混合物における
成分c)の含有量は、マレイン酸エステルまたはフマル
酸エステルと反応可能なアミノ基の含有量から理論的に
計算することが出来る。マレイン酸エステルまたはフマ
ル酸エステルと反応するアミノ基の含有量が少ないほ
ど、アルジミン/アスパルテートとの組み合わせで混合
物中に存在する成分c)の含有量が多いことになる。
【0023】同様に、成分b)とd)(成分c)の部分
も含んでいる)の混合物は、50%よりも多いジアミン
のアミノ基をマレイン酸エステルまたはフマル酸エステ
ルと反応させ、次いで残りのアミノ基をアルデヒドと反
応させることにより調製することが出来る。マレイン酸
エステルまたはフマル酸エステルと反応するアミノ基の
含有量が多いほど、アルジミン/アスパルテートとの組
み合わせで混合物中に存在する成分d)の含有量が多い
ことになる。成分b)及びc)の混合物、成分b)及び
d)の混合物、または成分b)とc)とd)の混合物
は、これらの成分を別々に調製してから混合するか、あ
るいは例えば、上述したように調製した成分b)とc)
の混合物または成分b)とd)の混合物へ調製しておい
た成分を別々に添加することによっても調製することが
可能である。この方法であれば、所望の混合物はどのよ
うなものでも調製することが出来る。本発明の塗料中に
含まれるバインダーは、ポリイソシアネート成分a)、
アルジミン/アスパルテート成分b)、アルジミン成分
c)及びアスパルテート成分d)を含有するものであ
る。塗料は、好ましくは、ポリオール即ち水酸基を含有
する化合物を含む。しかしながら、ポリオールが含まれ
ていると塗料のポットライフが減少するため、この具体
例はあまり好ましくない。
【0024】成分a)、b)、c)及びd)は、アルジ
ミン基及びアスパルテート基に対するイソシアネート基
の当量比が0.5:1〜20:1、好ましくは0.8:
1〜3:1、さらに好ましくは1:1〜2:1となるの
に十分な量で使用される。混合の際に、成分a)、
b)、c)及びd)は、60分以内、好ましくは30分
以内、さらに好ましくは5分以内、最も好ましくは成分
の混合時に透明な溶液を形成しなければならない。アル
ジミンc)は、ほとんどのポリイソシアネートと相溶性
ではない、即ち、これらの成分の混合物は不透明であ
り、曇った被膜が得られる。しかしながら、アルジミン
/アスパルテートb)はほとんどのポリイソシアネート
と相溶性である。従って、ポリイソシアネート成分a)
を成分b)の形態のアルジミン基と結合させることによ
り、成分が相溶性である塗料を調製することが出来る。
成分b)は、追加量の成分c)の形態のアルジミン基と
ポリイソシアネート成分a)とを相溶性にすることも出
来る。アルジミン/アスパルテートb)とアルジミン
c)の特定の混合物が、特定のポリイソシアネートa)
と相溶性でない場合には、成分b)の量を増やすかまた
は成分c)の量を減らさなければならない。成分b)及
びc)の特定の混合物とポリイソシアネートa)との相
溶性を増加させるもう一つの可能性としては、アスパル
テートd)がほとんどのポリイソシアネートと相溶性で
あることから、混合物へのアスパルテートd)の添加が
挙げられる。
【0025】特定量の成分c)とポリイソシアネート成
分a)を相溶性にして透明な溶液を得るのに必要な成分
b)及び任意に成分d)の量は、成分a)、b)、c)
及びd)として使用される個々の化合物に依存する。こ
の量は、ポリイソシアネートa)及びアルジミンc)を
含む組成物を調製し、アルジミン/アスパルテートb)
と任意にアスパルテートd)の量を変化させ、透明な溶
液を得るのに必要な成分b)及び任意にd)の最低量を
求める簡単な予備試験によって求めることが出来る。あ
るいは、あまり好ましくはないが、成分b)及び任意に
d)の量を、成分a)及びc)の不透明な混合物が透明
な溶液になるまでに連続して添加した成分b)及び任意
にd)の量より求めることが出来る。通常、本発明の組
成物は、成分b)を15〜100重量%、好ましくは2
0〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%、
成分c)を0〜75重量%、好ましくは5〜75%、さ
らに好ましくは20〜70重量%、成分d)を0〜50
重量%、好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは
0〜30重量%含有するものである。本発明に使用され
るバインダーは、各成分を全て一緒に混合するか、ある
いは、二つまたはそれ以上の成分を予め混合してから残
りの成分を添加することにより調製される。しかしなが
ら、イソシアネートに反応性の成分どうしを混合し、得
られた混合物とポリイソシアネート成分a)を混合する
のが好ましい。
【0026】バインダーの調製は、溶剤を使用しない
か、あるいは、ポリウレタンまたはポリウレア被膜で通
常使用される溶剤の存在下にて行う。本発明の方法の利
点は、ポリイソシアネート及びポリオールに基づくに従
来の二成分系に比べて、使用する溶剤の量が大幅に減ら
せることである。好ましい溶剤としては、キシレン、酢
酸ブチル、メチルイソブチルケトン、酢酸メトキシプロ
ピル、N−メチルピロリドン、ソルベッソ溶剤、石油炭
化水素、及びこのような溶剤の混合溶剤が挙げられる。
本発明の方法に使用される塗料では、溶剤の量に対する
バインダー成分a)、b)、c)及びd)の全量の重量
比が、約40:60〜100:0、好ましくは約60:
40〜100:0である。バインダー成分a)、b)、
c)及びd)以外にも、被膜技術から公知の添加剤、例
えば、充填剤、顔料、軟化剤、高沸点液体、触媒、紫外
線安定化剤、酸化防止剤、殺菌剤、アルジサイド、脱水
剤、チキソトロープ剤、湿潤剤、流動促進剤(flow enha
ncer) 、艶消し剤、滑り防止剤、通気剤(earator)、増
量剤等を塗料中に含ませることも出来る。顔料及び/ま
たは充填剤を含有する塗料が、これらの添加剤から全て
の水分を容易には取り除けないため、特に本発明に適し
ている。
【0027】ポリイソシアネート及びアルジミンを含有
する組成物のポットライフを長くする添加剤、例えば、
同時係属中の米国特許出願第08/171304号及び
米国特許発明明細書第5243012号に開示されてい
るスズ化合物(この開示も本発明に含ませる)、または
同時係属中の米国特許出願第08/193978号及び
第08/194296号に開示されているゼオライト
(この開示も本発明に含ませる)を含ませることも可能
である。添加剤は、個々の用途及び成分a)、b)、
c)及びd)との相溶性に応じて選ぶ。塗料は、塗装(p
ainting)、ロール塗り、流し込み、または吹きつけとい
った従来の方法により支持体に塗布することが出来る。
本発明の塗料は、保存安定性に優れ、乾燥の比較的速い
被膜を与える。被膜もまた、硬度、弾性、化学薬品に対
する耐性、光沢、耐候性、環境による腐食に対する耐
性、及び顔料着色性に優れている。以下、実施例を挙げ
てさらに本発明を詳しく説明するが、本発明を限定する
ものではない。特に記載がないかぎり、部及びパーセン
トは全て重量に基づく。
【0028】
【発明の実施の形態】以下の出発物質は、実施例にて使
用したものである。 ポリイソシアネート1 1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから調製さ
れ、イソシアネート含有量が21.6%、単量体ジイソ
シアネート含有量が0.2%未満、20℃での粘度が3
000mPa.s であるイソシアヌレート基含有ポリイソシ
アネート(デスモジュールN3300、マイルズ社
製)。 ポリイソシアネート2 1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートから調製さ
れ、イソシアネート含有量が約23%、単量体ジイソシ
アネート含有量が0.7%未満、25℃での粘度が13
00〜2200mPa.s であるビウレット基含有ポリイソ
シアネート(デスモジュールN3200、マイルズ社
製)。 ポリイソシアネート3 以下の方法にて調製したイソシアヌレート基及びアロフ
ァネート基を含有するポリイソシアネート。ヘキサメチ
レンジイソシアネート301.7部と1−ブタノール1
3.3部を、ガス吹き込み装置、攪拌機、温度計、冷却
器を備えた500ml三つ口フラスコへ添加した。攪拌し
た混合物を、乾燥窒素を反応混合物に吹き込みながら1
時間60℃で加熱した。次いで反応混合物の温度を90
℃まで上げた。90℃にて、N,N,N−トリメチル−
N−ベンジル−アンモニウム水酸化物の4.4%1−ブ
タノール溶液0.214部を反応混合物に添加した。反
応混合物のNCO含有量が34.8%になったところ
で、リン酸ジ−(2−エチルヘキシル)0.214部を
添加して反応を停止した。薄膜蒸留(thin film evapora
tion) によって過剰のモノマーを除去し、粘度が630
mPa.s (25℃)、NCO含有量が19.7%、フリー
のモノマー(HDI)の含有量が0.35%であるほぼ
無色透明な液体を得た。収率は48.6%であった。
【0029】アルジミン1 イソブチルアルデヒド158.4g(2.2モル)を、
外界温度にて、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた50
0ml三つ口フラスコに投入した。4,4’−ジアミノ−
ジシクロヘキシルメタン210g(1.0モル)を、反
応熱によって反応混合物の温度が50℃よりも高くなら
ないような速度にて、滴下漏斗よりフラスコ中の攪拌内
容物へ滴下した。反応内容物の外観が乳白色の混合物へ
と徐々に変化することから明らかなように、反応の進行
に伴い、副生物として水が生成した。アルデヒドの添加
が終了したところで、反応混合物を加熱し1時間50℃
に維持した。水(36g、2.0モル)と過剰のイソブ
チルアルデヒドを共沸蒸留により除去し、次いで真空
(約1トル)ストリッピング工程により微量の水を除去
した。粘度が約100mPa.s (25℃)、当量が15
9.3g/eq.であるほぼ無色(100APHA未満)透
明な液体を得た。
【0030】アスパルテート1 4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン210g
(1.0モル)を、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた
1リットル三つ口フラスコへ外界温度にて予め投入して
おいたマレイン酸ジエチルエステル344g(2.0モ
ル)へ攪拌しながら滴下した。アミンを、反応熱によっ
て反応混合物の温度が50℃よりも高くならないような
速度にて添加した。マレイン酸ジエチルエステルの添加
が終了したところで、反応フラスコ中の内容物を12時
間50℃に維持した。粘度が約1400mPa.s (25
℃)、当量が約276g/eq.である無色透明な液体を得
た。
【0031】本発明のアルジミン/アスパルテートの調
製 実施例1(4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタ
ンに基づくアルジミン/アスパルテート) 4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン(全反応
成分の具体的な投入量は第1表に記載)を、外界温度に
て、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた2リットル三つ
口フラスコに投入した。次いでマレイン酸ジエチルエス
テル(DEM)を、反応熱によって反応混合物の温度が
50℃よりも高くならないような速度にて、反応器に攪
拌しながら滴下した。マレイン酸ジエチルエステルの添
加が終了したところで、反応フラスコ中の内容物を6時
間50℃に維持した。次いで、イソブチルアルデヒド
を、反応熱によって反応混合物の温度が50℃よりも高
くならないような速度にて、反応混合物へ滴下した。反
応混合物の外観が乳白色へと徐々に変化することから明
らかなように、反応の進行に伴い、副生物として水が生
成した。アルデヒドの添加が終了したところで、反応混
合物を加熱し1時間50℃に維持した。水と過剰のイソ
ブチルアルデヒドを共沸蒸留により除去し、次いで真空
(約1トル)ストリッピング工程により微量の水を除去
した。
【0032】
【表1】
【0033】幾つかの試料をガスクロマトグラフィー/
質量分光分析(GC/MS)により分析した結果より、
予期した生成物、即ち、4,4’−ジアミノ−ジシクロ
ヘキシルメタンのビスアルジミン(A)、4,4’−ジ
アミノ−ジシクロヘキシルメタンの混合アルジミン/ア
スパルテート(B)及び4,4’−ジアミノ−ジシクロ
ヘキシルメタンのビスアスパルテート(C)の混合物が
得られた。この結果を相対面積%として第1.1表に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例2(他の脂肪族ジアミンに基づく混
合アルジミン/アスパルテート) 2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(E−PDA、
DYTEK Aとしてデュポンから入手可能)、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシ
ルメタン(DM−HMDA、ラロミンC260としてB
ASFより入手可能)、1−アミノ−3,3,5−トリ
メチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(IPDA)
をそれぞれ使用して、本発明の混合アルジミン/アスパ
ルテートを調製した。ジアミン(全反応成分の具体的な
投入量は第2表に記載)を、外界温度にて、攪拌機、温
度計、滴下漏斗を備えた2リットル三つ口フラスコに投
入した。次いでマレイン酸ジエチルエステル(DEM)
を、反応熱によって反応混合物の温度が50℃よりも高
くならないような速度にて、反応器に攪拌しながら滴下
した。マレイン酸ジエチルエステルの添加が終了したと
ころで、反応フラスコ中の内容物を6時間50℃に維持
した。次いで、僅かに過剰のイソブチルアルデヒド(約
10モル%)を、反応熱によって反応混合物の温度が5
0℃よりも高くならないような速度にて、反応混合物へ
滴下した。反応混合物の外観が乳白色へと徐々に変化す
ることから明らかなように、反応の進行に伴い、副生物
として水が生成した。アルデヒドの添加が終了したとこ
ろで、反応混合物を加熱し1時間50℃に維持した。水
と過剰のイソブチルアルデヒドを共沸蒸留により除去
し、次いで真空(約1トル)ストリッピング工程により
微量の水を除去した。
【0036】
【表3】
【0037】実施例3(比較例、本発明の範囲外のアミ
ノ共反応物) 様々な量のアルジミン1(即ち、4,4’−ジアミノ−
ジシクロヘキシルメタンのビスアルジミン)をアスパル
テート1(PAE1)と外界温度にて混合した。これら
の共反応物に関する相対量及び他のデータを第3表に示
した。これらのアミノ共反応物は、ビスアルジミン及び
ビスアスパルテートのみからなる混合物であり、本発明
の混合アルジミン/アスパルテートを含有するものでは
ない。
【0038】
【表4】
【0039】実施例4(本発明の向上した相溶性アミン
を含有する被膜系) 第4表に示したアミン共反応物とポリイソシアネート1
を1:1のNCO/N当量比で結合させることにより、
100%固形分にて、外界温度硬化性ポリウレア被膜系
を調製した。アミン共反応物とポリイソシアネートを外
界温度で混合し、5分間放置してからガラス板上に5mi
l の未乾燥塗膜厚(WFT)で塗布した。硬化後のフィ
ルムは全て優れた性能特性を示した。混合物及びガラス
板上に5mil のWFTで塗布したフィルムの外観を調べ
ることにより、特定の共反応物(第4表に記載)がポリ
イソシアネートと相溶性であるかないかを判断した。不
混和性及び曇り度を非相溶性の指標として用いた。第4
表中、「+」はポリイソシアネートが共反応物と相溶性
であることを表し、「−」はポリイソシアネートと共反
応物が非相溶性であることを表す。ポリイソシアネート
1または3及びアミン共反応物に基づく被膜系の乾燥時
間は、ガラス板上に5mil の膜を調製し、外界条件のも
とでフィルム上に1時間ガードナー乾燥時間記録計を設
置することにより求めた。ガードナー乾燥時間は、カー
ドナーサーキュラー乾燥時間記録計(Gardner Circular
Drying Time Recorder)を使用して求めた。 指触乾燥:乾燥の第一段階においては、フィルムは流動
性であり罫書いた溝に部分的に流れて戻る。流れて戻る
ことがなく、針による明確な溝が残る状態であれば、フ
ィルムは「指触乾燥」の状態と考えられる。 強固な乾燥(hard-dry) :針がフィルムを破くことなく
フィルムの表面上で自由に動ける状態であれば、フィル
ムの断面は「強固に乾燥」している状態であると考えら
れる。 結果を第4表に示した。被膜系の粘度の測定は、成分を
混合した後5分後及び65分後に外界温度にて行った。
これらの時間における粘度の比をη65/η5 で表し、ポ
ットライフの指標とした。この比が高いほど、被膜系の
ポットライフは短くなる。結果を第4表にまとめた。
【0040】
【表5】
【0041】上述の実施例より、本発明の向上した相溶
性を有する共反応物を使用すると、相溶性、ポットライ
フ、及び乾燥時間が改善されることは明らかである。
【0042】以上、本発明を明確にするために詳細に記
述してきたが、このような詳細は単に発明を明らかにす
るためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範
囲で制限される範囲を除いて本発明の思想及び範囲から
はずれることのない様々な例も実施可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドワード・ピー・スクイラー アメリカ合衆国ペンシルヴアニア州15205 ピツツバーグ、クリストフアー・サーク ル 100 (72)発明者 クリスチヤン・ツヴイーナー ドイツ連邦共和国デイー50735 ケルン、 ヒツトルフシユトラーセ 9

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、 Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート基
    に対して不活性なn価の有機基を表し、 R1 及びR2 は同一であるかまたは異なり、任意に置換
    された炭化水素基を表すか、あるいは、R1 及びR2
    β−炭素原子と共に脂環式または複素環式環を形成し、 R3 及びR4 は同一であるかまたは異なり、100℃ま
    たはそれ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性
    な有機基を表し、 R5 及びR6 は同一であるかまたは異なり、水素、ある
    いは、100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート
    基に対して不活性な有機基を表し、 a及びbは1〜5の整数を表し、a及びbは合計で2〜
    6を与える)に相当するアルジミン/アスパルテート。
  2. 【請求項2】 R1 及びR2 が1〜6個の炭素原子を含
    有する炭化水素基を表し、R3 及びR4 が、メチル基ま
    たはエチル基を表し、R5 及びR6 が水素を表し、aが
    1であり、bが1である請求項1に記載のアルジミン/
    アスパルテート。
  3. 【請求項3】 Xがビス−(4−アミノシクロヘキシ
    ル)−メタンからアミノ基を除去して得られる基に相当
    し、R1 がメチル基を表し、R2 がエチル基を表す請求
    項1または2のいずれか一項に記載のアルジミン/アス
    パルテート。
  4. 【請求項4】a)ポリイソシアネート成分、 b)式 【化2】 (式中、 Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート基
    に対して不活性なn価の有機基を表し、 R1 及びR2 は同一であるかまたは異なり、任意に置換
    された炭化水素基を表すか、あるいは、R1 及びR2
    β−炭素原子と共に脂環式または複素環式環を形成し、 R3 及びR4 は同一であるかまたは異なり、100℃ま
    たはそれ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性
    な有機基を表し、 R5 及びR6 は同一であるかまたは異なり、水素、ある
    いは、100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート
    基に対して不活性な有機基を表し、 a及びbは1〜5の整数を表し、a及びbは合計で2〜
    6を与える)に相当するアルジミン/アスパルテートを
    含有するイソシアネートに反応性の成分〔ポリイソシア
    ネートa)及びイソシアネートに反応性の成分b)は、
    イソシアネート基のアルジミン基及びアスパルテート基
    に対する当量比が0.5:1〜20:1となるのに十分
    な量で含まれている〕を含有する塗料。
  5. 【請求項5】 R1 及びR2 が1〜6個の炭素原子を含
    有する炭化水素基を表し、R3 及びR4 が、メチル基ま
    たはエチル基を表し、R5 及びR6 が水素を表し、aが
    1であり、bが1である請求項4に記載の塗料。
  6. 【請求項6】 Xがビス−(4−アミノシクロヘキシ
    ル)−メタンからアミノ基を除去して得られる基に相当
    し、R1 がメチル基を表し、R2 がエチル基を表す請求
    項4または5のいずれか一項に記載の塗料。
  7. 【請求項7】 上記ポリイソシアネートがアロファネー
    ト基を含まないポリイソシアネート付加物である請求項
    4〜6のいずれか一項に記載の塗料。
  8. 【請求項8】a)ポリイソシアネート成分 b)成分b)、c)及びd)の重量に対して15〜10
    0重量%の、式 【化3】 に相当するアルジミン/アスパルテート成分 c)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜75重
    量%の、式 【化4】 に相当するアルジミン並びに d)成分b)、c)及びd)の重量に対して0〜50重
    量%の、式 【化5】 に相当するアスパルテート(式中、 Xは100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート基
    に対して不活性なn価の有機基を表し、 R1 及びR2 は同一であるかまたは異なり、任意に置換
    された炭化水素基を表すか、あるいは、R1 及びR2
    β−炭素原子と共に脂環式または複素環式環を形成し、 R3 及びR4 は同一であるかまたは異なり、100℃ま
    たはそれ以下の温度でイソシアネート基に対して不活性
    な有機基を表し、 R5 及びR6 は同一であるかまたは異なり、水素、ある
    いは、100℃またはそれ以下の温度でイソシアネート
    基に対して不活性な有機基を表し、 a及びbは1〜5の整数を表し、a及びbは合計で2〜
    6を与え、 nは2〜6の整数を表す) 〔成分a)、b)、c)、及びd)はイソシアネート基
    のアルジミン基及びアスパルテート基に対する当量比が
    0.5:1〜20:1となるのに十分な量で含まれてお
    り、成分b)及び任意にd)は成分a)、b)、c)、
    及びd)を攪拌して60分以内に透明な溶液を形成する
    のに十分な量で含まれている〕を含有する塗料。
  9. 【請求項9】 成分c)が、成分b)、c)及びd)の
    重量に対して5〜75%の量で含まれる請求項8に記載
    の塗料。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載の塗料より調製したポ
    リウレア被膜。
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