JPH08191016A - チップ型トランス - Google Patents

チップ型トランス

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JPH08191016A
JPH08191016A JP1849595A JP1849595A JPH08191016A JP H08191016 A JPH08191016 A JP H08191016A JP 1849595 A JP1849595 A JP 1849595A JP 1849595 A JP1849595 A JP 1849595A JP H08191016 A JPH08191016 A JP H08191016A
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strip line
line
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strip
transmission line
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Yasuhiro Fujiki
木 康 裕 藤
Nagahiko Morikawa
川 長 彦 森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルントランスに用いられ、平衡伝送線路の
2つの信号線路におけるノイズを効率よく相殺すること
ができるチップ型トランスを提供する。 【構成】 チップ型トランスとしてのバルントランス1
0は積層体12を含み、積層体12は積層される第1〜
第5の誘電体基板14a〜14eを含む。第2の誘電体
基板14bの一方主面には、接続電極20が形成され
る。第3の誘電体基板14cの一方主面には、第1のス
トリップライン22が形成される。第1のストリップラ
イン22は、長さの異なる螺旋状の第1の部分24aお
よび第2の部分24bからなる。第4の誘電体基板14
dの一方主面には、長さの異なる螺旋状の第2のストリ
ップライン26および第3のストリップライン28が形
成される。第2のストリップライン26および第3のス
トリップライン28は、第1のストリップライン22の
第1の部分24aおよび第2の部分24bにそれぞれ電
磁結合する。第5の誘電体基板14eの一方主面には、
アース電極30が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はチップ型トランスに関
し、特にたとえばUHF帯以上の高周波回路における伝
送線路のインピーダンスを変換するためのインピーダン
ス変換器や平衡伝送線路の信号および不平衡伝送線路の
信号を相互に変換するための信号変換器ないし位相変換
器などのバルントランスとして用いられるチップ型トラ
ンスに関する。
【0002】
【従来の技術】バルントランスとは、たとえば、平衡伝
送線路(バランス伝送線路)の信号および不平衡伝送線
路(アンバランス伝送線路)の信号を相互に変換するた
めのものであり、バルンとは、バランス−アンバランス
の略称である。
【0003】平衡伝送線路とは、図11に示すように、
対をなす2つの信号線路を含み、信号を2つ信号線路間
の電位差として伝搬するものをいう。平衡伝送線路で
は、外来ノイズが2つの信号線路に等しく影響するた
め、外来ノイズが相殺されて、外来ノイズの影響を受け
にくいという利点がある。また、アナログICの内部の
回路は差動増幅器で構成されるため、アナログICの信
号用の入出力端子も、信号を2つの端子間の電位差とし
て入力あるいは出力するバランス型であることが多い。
【0004】これに対して、不平衡伝送線路とは、図1
2に示すように、信号をアース電位(ゼロ電位)に対す
る1本の伝送線路の電位として伝搬するものをいい、た
とえば、同軸線路や基板上の信号線路(マイクロストリ
ップライン)がこれに相当する。
【0005】図13はこの発明の背景となりかつこの発
明が適用されるバルントランスの一例を示す図解図であ
る。バルントランス1は、3つの入出力端子2a,2b
および2cを有する。このバルントランス1を用いて、
不平衡伝送線路の信号および平衡伝送線路の信号を相互
に変換するためには、たとえば、1つの入出力端子2a
に不平衡伝送線路が接続され、他の2つの入出力端子2
bおよび2cに平衡伝送線路の2つの信号線路がそれぞ
れ接続される。そして、バルントランス1によって、不
平衡伝送線路の信号が平衡伝送線路の2つの信号線路間
に取り出され、あるいは、平衡伝送線路の2つの信号線
路間の信号が不平衡伝送線路に取り出される。
【0006】図14はコアを用いた従来のバルントラン
スの一例を示す斜視図である。図14に示すバルントラ
ンス1は、8字状のコア3を含み、コア3には、3つの
コイル4a,4bおよび4cが一まとめにして巻かれ
る。そして、それらのコイル4a,4bおよび4cの一
端は入出力端子2a,2bおよび2cにそれぞれ接続さ
れ、それらのコイル4a,4bおよび4cの他端は接地
される。したがって、図14に示すバルントランス1
は、図15に示す等価回路を有する。
【0007】ところが、図14に示すバルントランス1
では、その周波数特性を図16に示すように、たとえば
UHF帯以上の高周波帯域では変換損失が大きく、ま
た、小型化にも限界があった。
【0008】そこで、そのような帯域では、積層構造の
バルントランスが用いられる。
【0009】図17は積層構造の従来のバルントランス
の一例を示す図解図である。図17に示すバルントラン
ス1は、積層される2枚の誘電体基板(層)5aおよび
5bを含む。一番上の誘電体基板5aの一方主面には、
第1のストリップライン6が形成される。第1のストリ
ップライン6は、幅の細い直線状の第1の部分6aと幅
の広い直線状の第2の部分6bとからなる。第1のスト
リップライン6の一端は、1つの入出力端子2aに接続
される。また、第1のストリップライン6の他端は、開
放されている。2枚の誘電体基板5aおよび5bの間に
は、直線状の第2のストリップライン7aと直線状の第
3のストリップライン7bとが形成される。この場合、
第2のストリップライン7aは、第1のストリップライ
ン6の第1の部分6aに電磁結合するように形成され
る。また、第3のストリップライン7bは、第1のスト
リップライン6の第2の部分6bに電磁結合するように
形成される。第2のストリップライン7aおよび第3の
ストリップライン7bの対向する内側の端部は、引出部
8aおよび8bを介して、他の2つの入出力端子2bお
よび2cにそれぞれ接続される。誘電体基板5bの他方
主面には、アース電極9が形成される。アース電極9に
は、第2のストリップライン7aおよび第3のストリッ
プライン7bの外側の端部が接続される。したがって、
図17に示すバルントランス1は、図18に示す等価回
路を有する。
【0010】ところが、図17に示すバルントランス1
では、各寸法精度が特性を左右するため、たとえば移動
無線機などのように小型化が要求される回路設計への応
用は困難である。
【0011】そこで、本願発明者は、バルントランスに
用いられるとともに小型化を図ることができるチップ型
トランスを考え出した。このチップ型トランスは、誘電
体基板と、誘電体基板の一方主面に蛇行してまたは渦巻
状に形成される第1のストリップラインと、誘電体基板
の他方主面に蛇行してまたは渦巻状に形成され、第1の
ストリップラインの第1の部分に電磁結合する第2のス
トリップラインと、誘電体基板の他方主面に蛇行してま
たは渦巻状に形成され、第1のストリップラインの第2
の部分に電磁結合する第3のストリップラインとを含
む、チップ型トランスである。
【0012】上述のチップ型トランスでは、第1のスト
リップラインと第2のストリップラインおよび第3のス
トリップラインとが誘電体基板の一方主面と他方主面と
に積層的に形成されるため、それらのストリップライン
を形成するために大きな面積の誘電体基板が必要ない。
さらに、第1のストリップラインと第2ストリップライ
ンと第3のストリップラインとが、それぞれ、蛇行して
または渦巻状に形成されるため、それぞれのストリップ
ラインが一方向に長くならない。そのため、このチップ
型トランスでは、小型化を図ることができる。
【0013】また、上述のチップ型トランスをバルント
ランスとして用いるためには、第1のストリップライン
に不平衡伝送線路が接続され、第2のストリップライン
および第3のストリップラインに平衡伝送線路の2つの
信号線路がそれぞれ接続される。そして、このチップ型
トランスによって、不平衡伝送線路の信号が平衡伝送線
路の2つの信号線路間に取り出され、あるいは、平衡伝
送線路の2つの信号線路間の信号が不平衡伝送線路に取
り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図17に示すバルント
ランス1や上述のチップ型トランスでは、第1のストリ
ップラインの第1の部分と第1のストリップラインの第
2の部分と第2のストリップラインと第3のストリップ
ラインとを同じ長さに形成すれば、理想的には、平衡伝
送線路が接続される2つの入出力端子間における信号の
位相差が180度になるが、実際には、その位相差を1
80度になるように精度よく設計することがきわめて困
難となっている。そのため、2つの入出力端子に接続さ
れる平衡伝送線路の2つの信号線路におけるノイズが効
率よく相殺されない。
【0015】それゆえに、この発明の主たる目的は、バ
ルントランスに用いられ、平衡伝送線路の2つの信号線
路におけるノイズを効率よく相殺することができるチッ
プ型トランスを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、誘電体基板
と、誘電体基板の一方主面に形成される第1のストリッ
プラインと、誘電体基板の他方主面に形成され、第1の
ストリップラインの第1の部分に電磁結合する第2のス
トリップラインと、誘電体基板の他方主面に形成され、
第1のストリップラインの第2の部分に電磁結合する第
3のストリップラインとを含み、第1のストリップライ
ンの第1の部分と第2のストリップラインとは同じ長さ
に形成され、第1のストリップラインの第2の部分と第
3のストリップラインとは同じ長さに形成され、さらに
第2のストリップラインと第3のストリップラインとは
異なった長さに形成される、チップ型トランスである。
【0017】なお、この発明にかかるチップ型トランス
において、小型化を図るために、第1のストリップライ
ンの第1の部分と第1のストリップラインの第2の部分
と第2のストリップラインと第3のストリップラインと
は、それぞれ、蛇行してまたは渦巻状に形成されること
が好ましい。
【0018】
【作用】この発明にかかるチップ型トランスをバルント
ランスとして用いるためには、第1のストリップライン
に不平衡伝送線路が接続され、第2のストリップライン
および第3のストリップラインに平衡伝送線路の2つの
信号線路がそれぞれ接続される。そして、このチップ型
トランスによって、不平衡伝送線路の信号が平衡伝送線
路の2つの信号線路間に取り出され、あるいは、平衡伝
送線路の2つの信号線路間の信号が不平衡伝送線路に取
り出される。
【0019】また、この発明にかかるチップ型トランス
では、第1のストリップラインの第1の部分と第2のス
トリップラインとを同じ長さに形成し、第1のストリッ
プラインの第2の部分と第3のストリップラインとを同
じ長さに形成し、さらに第2のストリップラインと第3
のストリップラインとを異なった長さに形成することに
よって、容易に平衡伝送線路が接続される第2のストリ
ップラインおよび第3のストリップライン間における信
号の位相差が180度になるように設計できる。そのた
め、第2のストリップラインおよび第3のストリップラ
インに接続される平衡伝送線路の2つの信号線路におけ
るノイズを効率よく相殺することができる。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、バルントランスに用
いられ、平衡伝送線路の2つの信号線路におけるノイズ
を効率よく相殺することができるチップ型トランスが得
られる。
【0021】また、この発明にかかるチップ型トランス
において、第1のストリップラインの第1の部分と第1
のストリップラインの第2の部分と第2のストリップラ
インと第3のストリップラインとを、それぞれ、蛇行し
てまたは渦巻状に形成すれば、それぞれのストリップラ
インが一方向に長くならない。そのため、チップ型トラ
ンスの小型化を図ることができる。
【0022】さらに、この発明では、第2のストリップ
ラインおよび第3のストリップラインの長さを異なった
長さに形成しているので、第2のストリップラインおよ
び第3のストリップライン間における信号の位相差を1
80度に設計することが容易で、設計の精度もさほど要
求されず、自由度を増すことができる。
【0023】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0024】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す斜視図であ
る。チップ型トランスとしてのバルントランス10は積
層体12を含み、積層体12は、図2に示すように、積
層される第1,第2,第3,第4および第5の誘電体基
板(層)14a,14b,14c,14dおよび14e
を含む。
【0025】上から2番目の第2の誘電体基板14bの
一方主面には、そのほぼ中央から他端側に向かって、接
続電極20が斜めに形成される。
【0026】上から3番目の第3の誘電体基板14cの
一方主面には、λ/2の第1のストリップライン22が
形成される。この第1のストリップライン22は、幅の
細い渦巻状の第1の部分24aと渦巻状の第2の部分2
4bとからなる。第2の部分24bは、第1の部分24
aのたとえば1.08倍の長さに形成される。また、第
1の部分24aの外側の部分と第2の部分24bの外側
の部分とは、一連に形成され接続される。さらに、第1
の部分24aの内側の先端は、第2の誘電体基板14b
に形成したビアホール15aを介して、接続電極20の
一端に接続され、第2の部分24bの内側の先端は開放
される。
【0027】上から4番目の第4の誘電体基板14dの
一方主面には、第1のストリップライン22の第1の部
分24aと同じ長さのλ/4の渦巻状の第2のストリッ
プライン26と、第1のストリップライン22の第2の
部分24bと同じ長さのλ/4の渦巻状の第3のストリ
ップライン28とが、間隔を隔てて形成される。すなわ
ち、第3のストリップライン28は、第2のストリップ
ライン26のたとえば1.08倍の長さに形成される。
この場合、第2のストリップライン26は、第3の誘電
体基板14cを挟んで、第1のストリップライン22の
第1の部分24aに対向するように形成される。したが
って、第2のストリップライン26は、第1のストリッ
プライン22の第1の部分24aと電磁結合する。すな
わち、第1のストリップライン22の第1の部分24a
および第2のストリップライン26で結合器が構成され
る。また、第3のストリップライン28は、第3の誘電
体基板14cを挟んで、第1のストリップライン22の
第2の部分24bに対向するように形成される。したが
って、第3のストリップライン28は、第1のストリッ
プライン22の第2の部分24bと電磁結合する。すな
わち、第1のストリップライン22の第2の部分24b
および第3のストリップライン28で結合器が構成され
る。さらに、第2のストリップライン26の外側の一端
および第3のストリップライン28の外側の一端は、第
4の誘電体基板14dの一端側に向かって形成される。
【0028】一番下の第5の誘電体基板14eの一方主
面には、そのほぼ全面にアース電極30が形成される。
アース電極30から第5の誘電体基板14eの端部に向
かって、4つの引出端子32a,32b,32cおよび
32dが形成される。2つの引出端子32aおよび32
bは、第5の誘電体基板14eの一端側に向かって形成
され、互いに間隔を隔てて形成される。他の2つの引出
端子32cおよび32dは、第5の誘電体基板14eの
他端側に向かって形成され、互いに間隔を隔てて形成さ
れる。また、このアース電極30には、第4の誘電体基
板14dに形成したビアホール15bおよび15cを介
して、第2のストリップライン26の内側の他端および
第3のストリップライン28の内側の他端がそれぞれ接
続される。
【0029】この積層体12の側面には、特に図1に示
すように、8個の外部電極34a,34b,34c,3
4d,34e,34f,34gおよび34hが形成され
る。これらの外部電極のうち、4つの外部電極34a〜
34dは積層体12の一端側に形成され、他の4つの外
部電極34e〜34hは積層体12の他端側に形成され
る。
【0030】外部電極34a,34d,34eおよび3
4hは、アース電極30の引出端子32a,32b,3
2cおよび32dにそれぞれ接続される。したがって、
これらの外部電極34a,34d,34eおよび34h
は、アース端子として用いられる。
【0031】また、外部電極34bは第2のストリップ
ライン26の一端に接続され、外部電極34cは第3の
ストリップライン28の一端に接続され、外部電極34
gは第1のストリップライン22に接続される接続電極
20の他端に接続される。これらの外部電極34b,3
4cおよび34gは、それぞれ、入出力端子として用い
られる。
【0032】したがって、このバルントランス10は、
図3に示す等価回路を有する。
【0033】このバルントランス10では、第1のスト
リップライン22と第2のストリップライン26および
第3のストリップライン28とが第3の誘電体基板14
cの一方主面と他方主面とに積層的に形成されるため、
それらのストリップラインを形成するために大きな面積
の誘電体基板が必要ない。さらに、このバルントランス
10では、第1のストリップライン22の第1の部分2
4aと第1のストリップライン22の第2の部分24b
と第2のストリップライン26と第3のストリップライ
ン28とが、それぞれ、渦巻状に形成されるため、それ
ぞれのストリップラインが一方向に長くならない。その
ため、このバルントランス10の小型化を図ることがで
きる。
【0034】また、このバルントランス10では、不平
衡伝送線路の信号および平衡伝送線路の信号を相互に変
換するためには、外部電極34gなどを介して第1のス
トリップライン22に不平衡伝送線路が接続され、外部
電極34bおよび34cを介して第2のストリップライ
ン26および第3のストリップライン28に平衡伝送線
路の2つの信号線路がそれぞれ接続される。そして、こ
のバルントランス10によって、不平衡伝送線路の信号
が平衡伝送線路の2つの信号線路間に取り出され、ある
いは、平衡伝送線路の2つの信号線路間の信号が不平衡
伝送線路に取り出される。
【0035】この場合、このバルントランス10では、
第1のストリップライン22の第1の部分24aと第2
のストリップライン26とを同じ長さに形成し、第1の
ストリップライン22の第2の部分24bと第3のスト
リップライン28とを同じ長さに形成し、かつ、第2の
ストリップライン26と第3のストリップライン28と
をあらかじめ異なった長さに形成することによって、容
易に平衡伝送線路が接続される2つの入出力端子間すな
わち外部電極34bおよび34c間における信号の位相
差が180度になるように設計できる。
【0036】したがって、このバルントランス10で
は、外部電極34bおよび34cに接続される平衡伝送
線路の2つの信号線路におけるノイズを効率よく相殺す
ることができる。
【0037】なお、このバルントランス10において、
第1のストリップライン22の第1の部分24aと第2
のストリップライン26とを同じ長さに形成し、第1の
ストリップライン22の第2の部分24bと第3のスト
リップライン28とを同じ長さに形成した場合、第3の
ストリップライン28の長さL3および第2のストリッ
プライン26の長さL2の比L3/L2(%)と、平衡
伝送伝送線路が接続される2つの入出力端子間すなわち
外部電極34bおよび34c間における信号の位相差
(度)との関係を図4に示す。
【0038】このバルントランス10は、たとえば、図
5に示すように、アナログ高周波用のICの2つの出力
端子の信号を不平衡伝送線路に取り出すために用いられ
たり、図6に示すように、バランス型電力増幅器におい
て2つの増幅器の入力側および出力側にそれぞれ用いら
れたり、図7に示すように、ダブルバランスドミキサー
において180度位相変換器として用いられたりする。
【0039】さらに、このバルントランス10では、誘
電体基板間のストリップラインおよび電極がビアホール
を介して接続され、さらに、積層体12の表面の外部電
極が端子として用いられるので、他の電気回路などとの
電気的整合性が良好である。
【0040】また、このバルントランス10では、積層
体12の表面に入出力端子およびアース端子となるそれ
ぞれの外部電極が形成されているため、たとえばプリン
ト基板に表面実装することができる。
【0041】さらに、このバルントランス10では、誘
電体基板の厚みを任意に設定することが可能であり、そ
の厚みを変えれば特性インピーダンスが変わるので、特
性インピーダンスの自由度が大きい。
【0042】なお、誘電体基板の材料としては樹脂ある
いはセラミック誘電体のいずれを用いてもよいが、セラ
ミック誘電体は、下記に一例を示すように、ガラスエポ
キシ樹脂などに比べて誘電体損失が小さく、放熱効果が
優れているので、誘電体基板の材料としてセラミック誘
電体を用いれば、損失を小さくでき、さらに小型化を図
ることができる。 ガラスエポキシ樹脂 tanδ=0.02 セラミック誘電体 tanδ=0.0007
【0043】また、誘電体基板の材料として誘電体損失
の小さいセラミック誘電体やガラスエポキシ樹脂を用
い、かつ、ストリップラインおよび電極の材料としてた
とえば銅のような導伝率の高い材料を用いれば、変換損
失の小さいバルントランスを得ることができる。
【0044】なお、このバルントランス10は、たとえ
ば、複数個分の大きな第1の誘電体基板14aと、複数
個分の接続電極20が形成された大きな第2の誘電体基
板14bと、複数個分の第1のストリップライン22が
形成された大きな第3の誘電体基板14cと、複数個分
の第2および第3のストリップライン26および28が
形成された大きな第4の誘電体基板14dと、複数個分
のアース電極30などが形成された大きな第5の誘電体
基板14eとを積層してマザー積層体にし、それを個々
の積層体12に切断することによって、量産が可能であ
る。
【0045】図8はこの発明の他の実施例を示す斜視図
であり、図9は図8に示す実施例の積層体の分解斜視図
である。図8に示す実施例では、図1に示す実施例と比
べて、積層体12の一番上の第1の誘電体基板14aの
一方主面のほぼ全面にアース電極16が形成される。さ
らに、アース電極16から第1の誘電体基板14aの端
部に向かって、4つの引出端子18a,18b,18c
および18dが形成される。この場合、2つの引出端子
18aおよび18bは、第1の誘電体基板14aの一端
側に向かって形成され、互いに間隔を隔てて形成され
る。他の2つの引出端子18cおよび18dは、第1の
誘電体基板14aの他端側に向かって形成され、互いに
間隔を隔てて形成される。これらの引出端子18a,1
8b,18cおよび18dは、外部電極34a,34
d,34eおよび34hにそれぞれ接続される。
【0046】また、図8に示す実施例では、図9に示す
ように、接続電極20が斜めに形成され、接続電極20
の他端が外部電極34gに接続される。したがって、図
8に示す実施例は、図10に示す等価回路を有する。
【0047】図8に示す実施例では、図1に示す実施例
と同様に、小型化を図ることや平衡伝送線路の2つの信
号線路におけるノイズを効率よく相殺することなどがで
きる。
【0048】また、図8に示す実施例では、積層体12
の上面にアース電極16が形成されているので、シール
ド効果を有する。なお、このアース電極16は、バルン
トランス10の特性に悪影響を及ぼさないようにするた
めに、ストリップラインから一定の距離を隔てて形成さ
れることが好ましい。また、このアース電極16は、必
ずしも積層体12の上面に露出している必要はなく、他
の誘電体基板(層)で一体に覆ってもよい。
【0049】上述の各実施例では、第1のストリップラ
イン22の第1の部分24aと第2の部分24bと第2
のストリップライン26と第3のストリップライン28
とがそれぞれ特定の長さに形成されているが、特性を調
整する場合には、それらは他の長さに形成されてもよ
い。
【0050】また、上述の各実施例では、第1のストリ
ップライン22の第1の部分24aと第1のストリップ
ライン22の第2の部分24bと第2のストリップライ
ン26と第3のストリップライン28とがそれぞれ渦巻
状に形成されているが、この発明では、それらのストリ
ップラインはそれぞれ蛇行するように形成されてもよ
い。それぞれのストリップラインを蛇行するように形成
しても、それぞれのストリップラインが一方向に長くな
らず、小型化を図ることができる。
【0051】なお、第1のストリップライン22、第2
のストリップライン26および第3のストリップライン
28は、それぞれ直線状に形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の積層体の分解斜視図であ
る。
【図3】図1に示す実施例の等価回路図である。
【図4】図1に示すチップ型トランスにおいて第3のス
トリップラインの長さL3および第2のストリップライ
ンの長さL2の比L3/L2(%)と平衡伝送線路が接
続される2つの入出力端子間の位相差(度)との関係を
示すグラフである。
【図5】図1に示す実施例の用途の一例を示す回路図で
ある。
【図6】図1に示す実施例の用途の他の例を示す回路図
である。
【図7】図1に示す実施例の用途のさらに他の例を示す
回路図である。
【図8】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】図8に示す実施例の積層体の分解斜視図であ
る。
【図10】図8に示す実施例の等価回路図である。
【図11】平衡伝送線路の一例を示す図解図である。
【図12】不平衡伝送線路の一例を示す図解図である。
【図13】この発明の背景となりかつこの発明が適用さ
れるバルントランスの一例を示す図解図である。
【図14】コアを用いた従来のバルントランスの一例を
示す斜視図である。
【図15】図14に示すバルントランスの等価回路図で
ある。
【図16】図14に示すバルントランスの周波数特性を
示すグラフである。
【図17】積層構造の従来のバルントランスの一例を示
す図解図である。
【図18】図17に示すバルントランスの等価回路図で
ある。
【符号の説明】
10 バルントランス 12 積層体 14a〜14e 誘電体基板(層) 15a〜15c ビアホール 16,30 アース電極 18a〜18d,32a〜32d 引出端子 20 接続電極 22 第1のストリップライン 24a 第1の部分 24b 第2の部分 26 第2のストリップライン 28 第3のストリップライン 34a〜34h 外部電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板、 前記誘電体基板の一方主面に形成される第1のストリッ
    プライン、 前記誘電体基板の他方主面に形成され、前記第1のスト
    リップラインの第1の部分に電磁結合する第2のストリ
    ップライン、および前記誘電体基板の他方主面に形成さ
    れ、前記第1のストリップラインの第2の部分に電磁結
    合する第3のストリップラインを含み、 前記第1のストリップラインの第1の部分と前記第2の
    ストリップラインとは同じ長さに形成され、 前記第1のストリップラインの第2の部分と前記第3の
    ストリップラインとは同じ長さに形成され、さらに前記
    第2のストリップラインと前記第3のストリップライン
    とは異なった長さに形成される、チップ型トランス。
  2. 【請求項2】 前記第1のストリップラインの第1の部
    分と、前記第1のストリップラインの第2の部分と、前
    記第2のストリップラインと、前記第3のストリップラ
    インとは、それぞれ、蛇行してまたは渦巻状に形成され
    る、請求項1に記載のチップ型トランス。
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