JP2011015197A - 薄膜バラン - Google Patents

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Abstract

【課題】要求されるバランの諸特性を維持しつつ、小型薄型化することができる薄膜バランを提供する。
【解決手段】薄膜バラン1は、第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2を有する不平衡伝送線路ULと、第1のコイル部C1及び第2のコイル部C2のそれぞれに対向配置され且つ磁気結合する第3のコイル部C3及び第4のコイル部C4を有する平衡伝送線路BLと、第1のコイル部C1に接続された不平衡端子UTと、第1のコイル部C1にC成分Dを介して接続された接地端子Gと、接地端子Gに接続され且つ第1のコイル部C1の一部に対向する対向電極D2とを備えている。C成分Dは、第1のコイル部の一部D1及び対向電極D2により構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、不平衡−平衡の信号変換を行なうバラン(バラントランス)に関し、特に、小型薄型化に有利な薄膜プロセスにより形成された薄膜バランに関する。
無線通信機器は、アンテナ、フィルタ、RFスイッチ、パワーアンプ、RF−IC、バラン等の各種高周波素子によって構成される。これらのなかで、アンテナやフィルタ等の共振素子は、接地電位を基準とした不平衡型の信号を取り扱う(信号伝送を行う)が、高周波信号の生成や処理を行なうRF−ICは、平衡型の信号を取り扱う(信号伝送を行う)ため、両者を電磁気的に接続する場合には、不平衡−平衡変換器として機能するバランが使用される。
近時、携帯電話や携帯端末等の移動体通信機や無線LAN機器等に用いられるバランとして、更なる小型薄型化が切望されている。このようなバランとしては、互いに対向配置された不平衡伝送線路と平衡伝送線路によって磁気結合を形成し、不平衡伝送線路の一方端が不平衡端子に接続され、且つ、他方端がキャパシタを介して接地端子に接続された構成を有するもの(特許文献1)が提案されている。
特開2006−270444号公報
しかしながら特許文献1に記載のバランでは、キャパシタを不平衡伝送線路と平衡伝送線路とは独立に形成し、なおかつ不平衡伝送線路や平衡伝送線路と同様に基板全面に渡って形成されることから小型薄型化には限界がある。
また、薄膜バランを小型薄型化するには、不平衡伝送線路や平衡伝送線路を形成するコイル等の巻回数や線路長が不可避的に低減され、それに伴いコイル等の形状や開口部分が縮小されてしまうため、コイルのQ値が低下し、その結果、挿入損失の低減(良好な減衰特性)が図られなくなってしまう。したがって上記特許文献1に記載されたチップ型バランのような構成では、かかる要求仕様を満足することが困難となってしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、要求されるバランの諸特性を維持しつつ、小型薄型化することができる薄膜バランを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の薄膜バランは、第1の線路部及び第2の線路部を有する不平衡伝送線路と、第1の線路部及び第2の線路部のそれぞれに対向配置され且つ磁気結合する第3の線路部及び第4の線路部を有する平衡伝送線路と、第1の線路部に接続された不平衡端子と、第1の線路部にC成分を介して接続された接地端子と、接地端子に接続され且つ第1の線路部の一部に対向する対向電極とを備えており、C成分が、第1の線路部の一部及び対向電極により構成されたものである。
このような構成では、薄膜バランの共振回路に導入されるC成分が、不平衡伝送線路を構成する第1の線路部の一部を利用して構成されることから、C成分の導入のための新たな層の増加を抑制することができ、薄膜バランを小型薄型化することができる。また、本発明者が鋭意研究した結果、上述の如く設けた場合であっても、伝送信号の通過特性を向上させつつ、伝送信号の平衡特性を調整することが可能であることが判明した。
かかる作用機序の詳細は未だ不明ではあるが、不平衡伝送線路を構成する第1の線路部の一部がキャパシタの電極を兼ねることにより、キャパシタが不平衡伝送線路に近接して配置されることから、直接的にキャパシタンスCが導入されるだけでなく、周囲の線路部との間にも浮遊容量のようなキャパシタンスが生起され、特性インピーダンスに影響を与えるものと推測される。但し、作用はこれに限定されない。
またさらに、本発明者は、更に鋭意研究を行った結果、より一層好適な対向電極の構成例を種々見出した。すなわち、その一例として、第2の線路部及び第4の線路部のいずれか一方の幅は、第1の線路部及び第3の線路部のいずれか一方の幅よりも広いと有用であることが見出された。
例えば、本発明の薄膜バランは、第1のコイル部及び第2のコイル部を有する不平衡伝送線路と、第1のコイル部及び第2のコイル部のそれぞれに対向配置され且つ磁気結合する第3のコイル部及び第4のコイル部を有する平衡伝送線路と、第1のコイル部に接続された不平衡端子と、第1のコイル部にC成分を介して接続された接地端子と、接地端子に接続され且つ第1のコイル部の一部に対向する対向電極とを備えており、C成分が、第1のコイル部の一部及び対向電極により構成されたものである。このようにしても、上述したのと同様の作用が奏される。
好ましくは、対向電極は、第1のコイル部における内周のコイル導体よりも外周のコイル導体に近いコイル導体の一部に対向している。これにより、第2のコイル部と第4のコイル部の磁気結合により生じる磁束が通過するコイル開口から、対向電極を適宜離間させることができる。この結果、第1のコイル部と第3のコイル部の磁気結合と、第2のコイル部と第4のコイル部の磁気結合とが等価に近い状態に維持されつつ、薄膜バランの共振回路にキャパシタンスが有効に導入されることから、高い伝送信号の通過特性を維持しつつ、平衡特性を調整可能となる。ただし、作用はこれに限定されない。
本発明によれば、不平衡伝送線路を構成し且つ不平衡端子に接続される第1の線路部の一部がキャパシタの一方の電極を兼ねることによって、薄膜バランの小型薄型化に大きな効果があり、平衡特性の調整が可能で、かつ、挿入損失の低減にも効果がある。
本発明の薄膜バランの一実施形態の構成を示す等価回路図である。 薄膜バランの一実施形態の構成を示す垂直断面図である。 薄膜バラン1の配線層M0における水平断面図である。 薄膜バラン1の配線層M1における水平断面図である。 薄膜バラン1の配線層M2における水平断面図である。 薄膜バラン1の配線層M3における水平断面図である。 薄膜バラン1Aの配線層M0における水平断面図である。 薄膜バラン1Bの配線層M0における水平断面図である。 通過特性の評価結果を示すグラフである。 位相差の評価結果を示すグラフである。 振幅差の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
図1は、本発明の薄膜バランに係る好適な一実施形態の構成を示す等価回路図である。薄膜バラン1は、線路部L1(第1の線路部)及び線路部L2(第2の線路部)が直列に接続された不平衡伝送線路(不平衡回路)ULと、線路部L3(第3の線路部)及び線路部L4(第4の線路部)が直列に接続された平衡伝送線路(平衡回路)BLとを備えており、線路部L1及び線路部L3、並びに、線路部L2及び線路部L4によって、それぞれ磁気結合が形成されている。
この薄膜バラン1においては、線路部L1における線路部L2との結合端の他端が不平衡端子UTに接続されており、線路部L1の一部がC成分(容量成分)であるキャパシタDを介して接地端子G(接地電位)に接続されている。キャパシタDは、線路部L1の一部により構成された電極D1と、接地端子Gに接続された電極D2(対向電極)が、適宜の誘電体を介して対向設置されたものである。線路部L2における線路部L1との結合端の他端は開放されている。また、線路部L3及び線路部L4におけるそれぞれの結合端との他端は、平衡端子BT1及び平衡端子BT2に接続されている。さらに、線路部L3及び線路部L4の結合部が、接地端子Gに接続されている。
上述した線路部L1〜L4の長さは、薄膜バラン1の仕様に応じて異なり、例えば、変換対象となる伝送信号の1/4波長(λ/4)共振器回路となるよう設定することができる。また、線路部L1〜L4の形状は、上述した磁気結合が形成されれば、任意の形状とすることができ、例えば、渦巻状(コイル状)、蛇行状、直線状、曲線状等の形態が挙げられる。
以下に、同図を参照して薄膜バラン1の基本的な動作について説明する。薄膜バラン1では、不平衡端子UTに不平衡信号が入力されると、不平衡信号は線路部L1及び線路部L2を伝播する。そして、線路部L1と線路部L3とが磁気結合(第1の磁気結合)し、線路部L2と線路部L4とが磁気結合(第2の磁気結合)することにより、入力された不平衡信号は位相が180°(π)異なる2つの平衡信号に変換され、これら2つ平衡信号が平衡端子BT1,BT2からそれぞれ出力される。なお、平衡信号から不平衡信号の変換動作は、上述した不平衡信号から平衡信号への変換動作の逆となる。
次に、上記の薄膜バランの配線構造について説明する。図2は、薄膜バラン1の配線構造を概略的に示す垂直断面図である。図2に示すように、例えばアルミナ等の絶縁性基板100側から順に配線層M0,M1,M2,M3が形成されている。例えば、上述した不平衡伝送線路ULは配線層M1により形成され、平衡伝送線路BLは配線層M2により形成されている。同一の配線層における配線間、及び異なる配線層間には誘電体層101〜105が形成されている。例えば、キャパシタDが形成される配線層M0と配線層M1との間の誘電体層102、及び不平衡伝送線路ULと平衡伝送線路BLとの磁気結合が形成される配線層M1と配線層M2の間の誘電体層104には、例えば窒化シリコンが用いられる。その他の部位の誘電体層101,103として、例えばアルミナが用いられる。誘電体層105として、例えばポリイミドが用いられる。これら各層の材料は上述のものに限定さず、窒化シリコン、アルミナ、シリカ、等の無機系絶縁体のみならず、ポリイミド、エポキシ樹脂等の有機系絶縁体でもよく適宜選択できる。不平衡端子UT、平衡端子BT1,BT2、接地端子Gは、全ての誘電体層を貫通するように形成されている。このように、薄膜バラン1は、絶縁性基板100上に形成された薄膜多層構造から構成されている。
次に、薄膜バランの一実施形態における各配線層M0,M1,M2,M3のパターンについて詳細に説明する。以下の各実施形態では、線路部L1〜L4としてコイル部を用いたものである。
(第1実施形態)
図3〜図6は、第1実施形態の薄膜バラン1における各配線層を概略的に示す水平断面図である。図3〜図6に示す如く、配線層M0〜M3の全ての層に、不平衡端子UT、平衡端子BT1,BT2、及び、接地端子Gが形成されており、各端子UT〜BT2,GはスルーホールPを介して異なる層間において電気的に接続されている。なお、図3〜図6に示す全てのスルーホールPには、上下各層を電気的に導通させるための金属めっきが施されている。以下、各配線層の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、絶縁性基板100上の配線層M0には、キャパシタDの電極D2が、配線層M1のコイル部C1の一部と対向する位置に形成されている。電極D2は、接地端子Gに接続されている。キャパシタDの電極D2は、平面視において、コイル部C1の下から2列目のコイル導体11に対向するように配置されている。
また、図4に示す如く、配線層M1には、不平衡伝送線路ULを構成するコイル部C1(第1のコイル部、第1の線路部)及びコイル部C2(第2のコイル部、第2の線路部)が隣接して形成されている。各コイル部C1,C2は、1/4波長(λ/4)共振器に相当するものを構成する。コイル部C1を構成するコイル導体11の外側の端部11aは不平衡端子UTに接続されており、コイル導体11の内側の端部11bはスルーホールPに接続されている。一方、コイル部C2を構成するコイル導体12の内側の端部12bはスルーホールPに接続されており、コイル導体12の外側の端部12aは開放されている。コイル部C1における外周のコイル導体11の一部はキャパシタの電極D1を兼ねており、配線層M0の電極D2と対向している。また、図4に示すように、コイル部C2を構成するコイル導体12の幅は、コイル部C1を構成するコイル導体11の幅よりも広い。これは、本願発明者の鋭意研究により、コイル部C1の一部がキャパシタの電極D1を兼ねるようにキャパシタDを挿入した場合には、コイル導体11の幅に比べてコイル導体12の幅を広げた方が、優れた通過特性及び平衡特性が得られることが確認されたからである。ただし、コイル導体12及びコイル導体11の幅や巻回数に限定はなく、コイル導体12及びコイル導体11の幅や巻回数を同じにしても、異ならせてもよい。
さらにまた、図5に示すように、配線層M2には、平衡伝送線路BLを構成するコイル部C3(第3のコイル部、第3の線路部)及びコイル部C4(第4のコイル部、第4の線路部)が隣接して形成されている。各コイル部C3,C4は、コイル部C1,C2と同様に1/4波長(λ/4)共振器に相当するものを構成する。平衡伝送線路BLのこれらコイル部C3,C4は、それぞれ、不平衡伝送線路ULのコイル部C1,C2に対向配置されており、対向している部分で磁気結合して結合器を構成する。コイル部C3を構成するコイル導体21の外側の端部21aは平衡端子BT1に接続されており、コイル導体21の内側の端部21bはスルーホールPに接続されている。一方、コイル部C4を構成するコイル導体22の外側の端部22aは平衡端子BT2に接続されており、コイル導体22の内側の端部22bはスルーホールPに接続されている。また、図5に示すように、コイル部C4を構成するコイル導体22の幅は、コイル部C3を構成するコイル導体21の幅よりも広い。これは、上述したのと同様に、本願発明者の鋭意研究により、コイル部C1の一部がキャパシタの電極D1を兼ねるようにキャパシタDを挿入した場合には、コイル導体21の幅に比べてコイル導体22の幅を広げた方が、優れた通過特性及び平衡特性が得られることが確認されたからである。ただし、コイル導体22及びコイル導体21の幅や巻回数に限定はなく、コイル導体22及びコイル導体21の幅や巻回数を同じにしても、異ならせてもよい。
それから、図6に示すように、配線層M3には、コイル部C3とコイル部C4を接地端子Gに接続するための配線31、及び、コイル部C1とコイル部C2を接続するための配線32が形成されている。配線31は、2つのスルーホールPと接地端子Gとを接続するように形成された分岐配線である。そして、配線31は、2つのスルーホールPを介して、配線層M2に形成されたコイル導体21の端部21b及びコイル導体22の端部22bに接続されている。一方、配線32はスルーホールPを介して配線層M1に形成されたコイル導体11の端部11b及びコイル導体12の端部12bに接続されている。
このように、本実施形態においては、一の階層である配線層M1に不平衡伝送線路を構成する2つのコイル部C1,C2が形成され、それに隣り合う別の階層である配線層M2に平衡伝送線路を構成する2つのコイル部C3,C4が形成され、さらに、それら配線層M2に隣り合う配線層M1とは逆側の別の階層である配線層M3にコイル部C1,C2を接続する配線32、及び、コイル部C3,C4を接続する配線31が形成されるとともに、配線層M1に隣り合う配線層M2とは逆側の階層である配線層M0に、コイル部C1におけるコイル導体11の一部と対向してキャパシタDを構成するための電極D2が形成された多層配線構造により、図1に示す等価回路を構成する薄膜バラン1が得られる。
(第1A実施形態)
図7は、本発明に係る第1A実施形態の薄膜バラン1Aにおける配線層M0を概略的に示す水平断面図である。配線層M0以外の構成は、第1実施形態と同様である。図7に示す薄膜バラン1Aでは、キャパシタDの電極D2が、平面視において、コイル部C2の下から3列目のコイル導体11と対向するように配置されている。
(第1B実施形態)
図8は、本発明に係る第1B実施形態の薄膜バラン1Bにおける配線層M0を概略的に示す水平断面図である。配線層M0以外の構成は、第1実施形態と同様である。図8に示す薄膜バラン1Bは、第1A実施形態の薄膜バラン1AのキャパシタDの電極D2の長さを短くしたものである。
(特性評価)
以上説明した各実施形態の薄膜バラン1,1A,1Bについて、通過特性(挿入損失)及び平衡特性(平衡信号の位相差及び振幅差)をシミュレーションにより求めた。伝送信号の評価対象周波数(共振周波数fr)を2400〜2500MHzとした。図9は、通過特性の評価結果を示す図であり、図10は位相差の評価結果を示す図であり、図11は振幅差の評価結果を示す図である。各図において、曲線E1,E1A,E1Bが、それぞれ、薄膜バラン1,1A,1Bの評価結果を示す。曲線Rは、キャパシタDを有しない点を除いて同じ構造をもつ薄膜バラン(比較例)の評価結果を示す。
通過特性は、評価対象周波数領域において信号をどれだけ損失させずに通過させているかを示すものであり、評価対象周波数領域において0dBが理想的な通過特性となる。評価対象周波数範囲における減衰量が1dB以下を目標仕様とし、各薄膜バランの通過特性を評価した。また、位相差は、平衡端子BT1と平衡端子BT2から出力される2つの平衡信号の位相差であることから180degがより理想的な位相バランスとなる。評価対象周波数範囲における位相差が170deg以上190deg未満を目標仕様とし、各薄膜バランの位相バランスを評価した。さらに、振幅差は、平衡端子BT1と平衡端子BT2から出力される2つの平衡信号の振幅差であることから0dBがより理想的な出力バランスとなる。評価対象周波数範囲における振幅差が−1dB以上1dB以下を目標仕様とし、各薄膜バランの振幅バランスを評価した。
これらの結果より、各実施形態の薄膜バランE1,E1A,E1Bにおいては、通過特性及び位相バランスの点において優れた特性を維持していることが確認された。特に、これらの薄膜バランE1,E1A,E1Bは、キャパシタを備えていない薄膜バランRに比べて、通過特性が優れていることが確認され、比較例を基準として最大で0.13dB通過特性が向上した。この数値は、小型低背化の要請を満たした上での通過特性の改善値としては大きな数値である。位相バランス及び振幅バランスについては、キャパシタDの電極D2の配置により調整できることが確認された。これらのなかでも、電極D2が、コイル部C2における内周のコイル導体よりも外周のコイル導体に近いコイル導体の一部に対向している薄膜バラン1では、通過特性、位相バランス、振幅バランスの面で最も優れていることが確認された。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、不平衡端子UT、平衡端子BT1,BT2、及び接地端子Gの配置は、図示の位置に限定されない。また、薄膜バランを構成する多層配線構造は、図示の層数未満であってもよく、図示の層数より多くてもよい。さらに、絶縁性基板100上の配線層の順序が逆になった構造であってももちろんよい。さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々のコイル配置を採用することが可能である。
本発明の薄膜バランによれば、不平衡伝送線路を構成し且つ不平衡端子に接続される第1の線路部の一部がキャパシタの一方の電極を兼ねることによって、要求されるバランの諸特性を維持しつつ、小型薄型化することができるので、特に、小型薄型化が要求される無線通信機器、装置、モジュール、及びシステム、並びにそれらを備える設備、さらには、それらの製造に広く適用することが可能である。
1〜1B…本発明に係る薄膜バラン、11,12,21,22…コイル導体、11a,11b,12a,12b,21a,21b,22a,22b…端部、31,32…配線、M0,M1,M2,M3…配線層、C1…コイル部(第1のコイル部、第1の線路部)、C2…コイル部(第2のコイル部、第2の線路部)、C3…コイル部(第3のコイル部、第3の線路部)、C4…コイル部(第4のコイル部、第4の線路部)、D…キャパシタ(C成分、容量成分)、D1…電極、D2…電極(対向電極)、G…接地端子(接地電位)、L1…線路部(第1の線路部)、L2…線路部(第2の線路部)、L3…線路部(第3の線路部)、L4…線路部(第4の線路部)、P…スルーホール、UL…不平衡伝送線路(不平衡回路)、BL…平衡伝送線路(平衡回路)、UT…不平衡端子、BT1…平衡端子(第1の平衡端子)、BT2…平衡端子(第2の平衡端子)。

Claims (4)

  1. 第1の線路部及び第2の線路部を有する不平衡伝送線路と、
    前記第1の線路部及び前記第2の線路部のそれぞれに対向配置され且つ磁気結合する第3の線路部及び第4の線路部を有する平衡伝送線路と、
    前記第1の線路部に接続された不平衡端子と、
    前記第1の線路部にC成分を介して接続された接地端子と、
    前記接地端子に接続され且つ前記第1の線路部の一部に対向する対向電極と、
    を備えており、
    前記C成分が、前記第1の線路部の一部及び前記対向電極により構成された、
    薄膜バラン。
  2. 前記第2の線路部及び前記第4の線路部のいずれか一方の幅は、前記第1の線路部及び前記第3の線路部のいずれか一方の幅よりも広い、
    請求項1記載の薄膜バラン。
  3. 第1のコイル部及び第2のコイル部を有する不平衡伝送線路と、
    前記第1のコイル部及び前記第2のコイル部のそれぞれに対向配置され且つ磁気結合する第3のコイル部及び第4のコイル部を有する平衡伝送線路と、
    前記第1のコイル部に接続された不平衡端子と、
    前記第1のコイル部にC成分を介して接続された接地端子と、
    前記接地端子に接続され且つ前記第1のコイル部の一部に対向する対向電極と、
    を備えており、
    前記C成分が、前記第1のコイル部の一部及び前記対向電極により構成された、
    薄膜バラン。
  4. 前記対向電極は、前記第1のコイル部における内周のコイル導体よりも外周のコイル導体に近いコイル導体の一部に対向している、
    請求項3に記載の薄膜バラン。
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