JP4622003B2 - 積層型バルントランス - Google Patents
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Description
従来、この種の回路構造を持つ積層型バルントランスとしては、例えば特許文献1や特許文献2に開示の技術がある。
これらの積層型バルントランスは、第1及び第2トランス100,200のコイルを形成するためのコイル用導体パターンや磁性シート及び非磁性シートを積層することで、構成されており、小型化されている点に特徴を有する。
バルントランスでは、一般に アンバランス端子側のインピーダンスを1とすると、バランス端子側のインピーダンスが、トランスの数の2乗の値になる。例えば、トランス数が1の場合には、アンバランス端子側のインピーダンスとバランス端子側のインピーダンスとの比が1対1になり、図22に示すように、トランス数が2の場合には、アンバランス端子側のインピーダンスとバランス端子側のインピーダンスとの比が1対4(2の2乗)になる。したがって、アンバランス端子に対するバランス端子側のインピーダンスの比を変えたい場合には、トランス数を変えればよいことになる。
しかしながら、アンバランス端子に対するバランス端子側のインピーダンスの比は、1、4、9、…というように、離散的な値を取り、しかも、比間の差が大きい。したがって、バランス端子側の線路が、アンバランス端子側の線路に対して、2、3、6…というようなインピーダンスの比を有する場合には、従来のバルントランスを使用することができない。すなわち、従来のバルントランスでは、汎用性に欠け、各種インピーダンスの線路に適用することができない。
かかる構成により、第1トランスの1次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって増加するように、1次側コイルの形状を設定すると共に、第2トランスの2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって増加するように、2次側コイルの形状を設定することで、アンバランス端子側のインピーダンスと第1及び第2のバランス端子側のインピーダンスとの比を、1対3等のように、1対4よりも小さくすることができる。また、第1トランスの1次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって減少するように、1次側コイルの形状を設定すると共に、第2トランスの2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって減少するように、2次側コイルの形状を設定することで、1対6等のように、1対4よりも大きくすることができる。
かかる構成により、1次側及び2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって増加するように、コイルの形状を設定することで、アンバランス端子側のインピーダンスと第1及び第2のバランス端子側のインピーダンスとの比を、1対0.5等のように、1対1よりも小さくすることができる。また、1次側及び2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって減少するように、コイルの形状を設定することで、当該比を、1対2等のように、1対1よりも大きくすることができる。
かかる構成により、第1トランスの1次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって増加するように、1次側コイルの形状を設定すると共に、第nトランスの2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって増加するように、2次側コイルの形状を設定することで、アンバランス端子側のインピーダンスとバランス端子側のインピーダンスとの比を、1対n2よりも小さくすることができる。また、第1トランスの1次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって減少するように、1次側コイルの形状を設定すると共に、第nトランスの2次側コイルの線幅が一方端側から他方端側に向かって減少するように、2次側コイルの形状を設定することで、1対n2よりも大きくすることができる。
具体的には、第1トランス5を、積層方向で互いに向き合う1次側コイル5−1と2次側コイル5−2とで構成した。そして、1次側コイル5−1を導体パターン51と導体パターン52とで形成し、2次側コイル5−2を導体パターン53と導体パターン54とで形成した。
一方、第2トランス6も、積層方向で互いに向き合う1次側コイル6−1と2次側コイル6−2とで構成した。そして、1次側コイル6−1を導体パターン63と導体パターン64とで形成し、2次側コイル6−2を導体パターン61と導体パターン62とで形成した。
導体パターン51,64は、磁性体基板1上に積層された絶縁体層71上にフォトリソグラフィ法等によってパターン形成されている。そして、絶縁体層72が導体パターン51,64上に積層された後、導体パターン52,63が絶縁体層72上にパターン形成されている。
図3は、導体パターン51,64の平面図であり、図4は、絶縁体層72の平面図であり、図5は、導体パターン52,63の平面図であり、図6は、第1トランス5の1次側コイル5−1を展開して示す概略平面図である。
図3に示すように、導体パターン51は、内側から引き出された内部電極51aを有するパターン51bと外側のパターン51cとで形成されている。また、導体パターン52は、図5に示すように、外側に引き出された内部電極52aを有するパターン52bと内側のパターン52cとで形成されている。そして、導体パターン52のパターン52bの端部52b′と導体パターン51のパターン51cの端部51c′とが図4に示す絶縁体層72のスルーホール72aを通じて接続されている。また、パターン51cの端部51c′′とパターン52cの端部52c′とがスルーホール72bを通じて接続され、パターン52cの端部52c′′とパターン51bの端部51b′とがスルーホール72cを通じて接続されている。このようにして、内部電極51a,52aを両端とするスパイラル状の1次側コイル5−1が形成されている。
すなわち、図6に示すように、第1トランス5の1次側コイル5−1を展開すると、その線幅が一方端である内部電極52a側から他方端である内部電極51a側に向かって減少する。
図7は、導体パターン53,62の平面図であり、図8は、絶縁体層74の平面図であり、図9は、導体パターン54,61の平面図であり、図10は、第2トランス6の2次側コイル6−2を展開して示す概略平面図である。
図7に示すように、導体パターン53は、内側から導体パターン53,62の間の中央にまで引き出された内部電極53aを有するパターン53bと外側のパターン5ccとで形成されている。また、導体パターン54は、隣の導体パターン61の外側中央部(内部電極62aと対応する位置)に引き出された内部電極54aを有するパターン54bと内側のパターン54cとで形成されている。そして、導体パターン54のパターン54bの端部54b′と導体パターン53のパターン53cの端部53c′とが図8に示す絶縁体層74のスルーホール74aを通じて接続されている。また、パターン53cの端部53c′′とパターン54cの端部54c′とがスルーホール74bを通じて接続され、パターン54cの端部54c′′とパターン53bの端部53b′とがスルーホール74cを通じて接続されている。このようにして、内部電極54a,53aを両端とし且つ線幅が内部電極54a側から内部電極53a側に向かって減少するスパイラル状の2次側コイル5−2が形成されている。
すなわち、図10に示すように、第2トランス6の2次側コイル6−2を展開すると、その線幅が一方端である内部電極62a側から他方端である内部電極61a側に向かって減少するように、2次側コイル6−2の形状を設定してある。
そして、図1に示すように、絶縁体層75が導体パターン54,61の上に積層され、磁性体基板3がこの絶縁体層75の上に接着されている。
具体的には、外部電極4−1が導体パターン52,64の内部電極52a,64aの両方に電気的に接続され、外部電極4−2が導体パターン51の内部電極51aに電気的に接続されている。そして、外部電極4−3が導体パターン61の内部電極61aに電気的に接続され、外部電極4−4が導体パターン53,63の内部電極53a,63aの両方に電気的に接続されると共に、外部電極4−5が導体パターン54,62の内部電極54a,62aの両方に電気的に接続されている。
上記のような導体パターン同士の接続や外部電極4−1〜4−6と内部電極との接続によって、電気的構造は、図11に示すような回路構造となる。
すなわち、第1トランス5の1次側コイル5−1の内部電極52aに接続した外部電極4−1をアンバランス端子とすると共に、内部電極51aに接続した外部電極4−2を第1のバランス端子とする。そして、2次側コイル5−2の両端となる内部電極53a,54aに接続された外部電極4−4,4−5をグランド端子とする。また、第2トランス6の1次側コイル6−1の内部電極64aが1次側コイルの内部電極52aに接続している。そして、内部電極63aが、外部電極4−4を通じて、第1トランス5の2次側コイル5−2の内部電極53aに接続している。そして、2次側コイル6−2の内部電極62aが第1トランス5の2次側コイル5−2の内部電極54aに接続している。また、2次側コイル6−2の内部電極61aに接続した外部電極4−3を第2のバランス端子とする。
かかる回路構造は、図22に示した1対4型のバルントランスと同構造である。しかし、この実施例の積層型バルントランスは、図6及び図10に示したように、第1トランス5の1次側コイル5−1の線幅が内部電極52a側から内部電極51a側に向かって減少するように設定され、第2トランス6の2次側コイル6−2の線幅が内部電極62a側から内部電極61a側に向かって減少するように設定されているので、図1において、アンバランス端子である外部電極4−1側のインピーダンスと第1及び第2のバランス端子である外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を1対4でなく、1対5や1対6等のように、1対4よりも大きくすることができる。
図12は、積層型バルントランスを線路上に実装した状態を示す平面図である。
図12において、信号ラインA1とグランドラインA2とで成る線路Aの特性インピーダンスが50Ωで、信号ラインB1,B2とグランドラインB3とで成る線路Bの特性インピーダンスが200Ωの場合には、図22に示した1対4型の積層型バルントランスを用いることができる。
しかし、実際の線路では、線路A側と線路B側との特性インピーダンスの比が1対4にならず、1対4から大きくずれた比になる場合が多い。このような線路に従来の積層型バルントランスを実装しても、適正なバランス特性を得ることができず、その挿入損失が大きい。
これに対して、この実施例の積層型バルントランスでは、上記のように、アンバランス端子である外部電極4−1側のインピーダンスと第1及び第2のバランス端子である外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を1対6に設定することで、挿入損失の少ない実装が可能となる。
具体的には、第1トランス5の1次側コイル5−1の線幅と第2トランス6の2次側コイル6−2の線幅の変化を適宜設定し、外部電極4−1側のインピーダンスと外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を1対6に設定する。そして、かかる設定状態で、図12に示すように、アンバランス端子である外部電極4−1を線路A側の信号ラインA1に接続すると共に、外部電極4−5をグランドラインA2に接続し、第1及び第2のバランス端子である外部電極4−2,4−3を線路B側の信号ラインB1,B2に接続すると共に、外部電極4−4をグランドラインB3に接続する。これにより、積層型バルントランスが適正なバランス特性を示す。
シミュレーションでは、まず、第1トランス5の1次側コイル5−1と第2トランス6の2次側コイル6−2との線幅に図6や図10に示したような変化をつけず、線幅を均一にした1対4型の積層型バルントランスを50Ω線路Aと300Ωの線路B間に実装して、470MHz,750MHz,790MHzの高周波に対する挿入損失(dB)を計算した。すると、この1対4型の積層型バルントランスでは、470MHz,750MHz,790MHzの各高周波に対して、−0.894dB,−1.052dB,−1.085dBの挿入損失であった。
次に、第1トランス5の1次側コイル5−1と第2トランス6の2次側コイル6−2との線幅に図6や図10に示したような変化をつけてインピーダンス比を1対6にしたこの実施例の積層型バルントランスを50Ω線路Aと300Ωの線路B間に実装して、470MHz,750MHz,790MHzの高周波に対する挿入損失(dB)を計算した。すると、この実施例の積層型バルントランスでは、470MHz,750MHz,790MHzの各高周波に対して、−0.864dB,−0.909dB,−0.923dBの挿入損失であり、挿入損失が極めて小さくなることが確認された。
なお、この実施例では、第1トランス5の1次側コイル5−1と第2トランス6の2次側コイル6−2だけでなく、第1トランス5の2次側コイル5−2や第2トランス6の1次側コイル6−1の線幅にも、図6や図10に示すような変化をつけた積層型バルントランスを例示したが、1次側コイル5−1と2次側コイル6−2にだけ、線幅の変化をつけ、2次側コイル5−2や1次側コイル6−1の線幅を均一した積層型バルントランスでも、この実施例とほぼ同様の作用及び効果を奏する。
図13は、この発明の第2実施例に係る積層型バルントランスの分解斜視図であり、図14は、1次側コイル8−1の下層の導体パターンを示す平面図であり、図15は、中間の絶縁体層72を示す平面図であり、図16は、1次側コイル8−1の上層の導体パターンを示す平面図であり、図17は、2次側コイル8−2の下層の導体パターンを示す平面図であり、図18は、中間の絶縁体層74を示す平面図であり、図19は、2次側コイル8−2の上層の導体パターンを示す平面図である。
具体的には、トランス8を、上下で向かい合う1次側コイル8−1と2次側コイル8−2とで構成し、1次側コイル8−1を導体パターン81と導体パターン82とで形成し、2次側コイル8−2を導体パターン83と導体パターン84とで形成した。
図14に示すように、導体パターン81は、内側から引き出された内部電極81aを有するパターン81bと外側のパターン81cとで形成されている。また、導体パターン82は、図16に示すように、外側に引き出された内部電極82aを有するパターン82bと内側のパターン82cとで形成されている。そして、導体パターン82のパターン82bの端部82b′と導体パターン81のパターン81cの端部81c′とが図15に示す絶縁体層72のスルーホール72aを通じて接続されている。また、パターン81cの端部81c′′とパターン82cの端部82c′とがスルーホール72bを通じて接続され、パターン82cの端部82c′′とパターン81bの端部81b′とがスルーホール72cを通じて接続されている。このようにして、内部電極81a,82aを両端とするスパイラル状の1次側コイル8−1が形成されている。
図17に示すように、導体パターン83は、内側から引き出された内部電極83aを有するパターン83bと外側のパターン83cとで形成されている。また、導体パターン84は、図19に示すように、外側に引き出された内部電極84aを有するパターン84bと内側のパターン84cとで形成されている。そして、導体パターン84のパターン84bの端部84b′と導体パターン83のパターン83cの端部83c′とが図18に示す絶縁体層74のスルーホール74aを通じて接続されている。また、パターン83cの端部83c′′とパターン84cの端部84c′とがスルーホール74bを通じて接続され、パターン84cの端部84c′′とパターン83bの端部83b′とがスルーホール74cを通じて接続されている。このようにして、内部電極83a,84aを両端とするスパイラル状の2次側コイル8−2が形成されている。
図20に示すように、1次側コイル8−1の内部電極82aに接続した外部電極4−1をアンバランス端子とすると共に、内部電極81aに接続した外部電極4−2を第1のバランス端子とする。そして、2次側コイル8−2の内部電極83aに接続した外部電極4−3を第2のバランス端子とすると共に、内部電極84aに接続した外部電極4−4をグランド端子とすることで、1対1型のバルントランスと同構造になる。
しかし、この実施例の積層型バルントランスは、トランス8の1次側コイル8−1の線幅が内部電極82a側から内部電極81a側に向かって減少するように設定され、2次側コイル8−2の線幅も、内部電極84a側から内部電極83a側に向かって減少するように設定されているので、アンバランス端子である外部電極4−1側のインピーダンスと第1及び第2のバランス端子である外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を1対1でなく、1対1.5や1対2.0等のように、1対1よりも大きくすることができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図21は、この発明の第3実施例に係る積層型バルントランスの等価回路図である。
この実施例は、図1に示した積層型バルントランスのごとく、磁性体基板1,3間に積層体2を挟み、その側面に外部電極4−1〜4−6を取り付けた構成において、図21に示すように、n(n=3以上の整数)個の第1トランス9(1)〜第nトランス9(n)を積層体2に内包した。
そして、第1トランス9(1)〜第n−1トランス9(n−1)の各2次側コイル9−2の左方端を第nトランス9(n)の2次側コイル9−2の左方端に接続した。すなわち、第1トランス9(1)〜第nトランス9(n)のすべての2次側コイル9−2の左方端を外部電極4−5に接続して、グランド端子とした。また、第2トランス9(2)〜第nトランス9(n)の1次側コイル9−1の左方端を第1トランス9(1)の1次側コイル9−1の左方端に接続した。すなわち、第1トランス9(1)〜第nトランス9(n)の全ての1次側コイル9−1の左方端を外部電極4−1に接続して、アンバランス端子とした。そして、第2トランス9(2)〜第nトランス9(n)の1次側コイル9−1の右方端を前段のトランス9(1)〜9(n−1)の2次側コイル9−2の右方端にそれぞれ接続した。
これにより、第1トランス9(1)の1次側コイル9−1及び第nトランス9(n)の2次側コイル9−2の線幅をアンバランス端子側から第1及び第2のバランス端子側に向かって増加させる構造にすると、外部電極4−1側のインピーダンスと外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を、1対n2よりも小さくすることができる。また、逆に、線幅をアンバランス端子側から第1及び第2のバランス端子側に向かって減少させる構造にすると、外部電極4−1側のインピーダンスと外部電極4−2,4−3側のインピーダンスとの比を、1対n2よりも大きくすることができる。
その他の構成,作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記第1実施例では、アンバランス端子側から第1及び第2のバランス端子側に向かって線幅を減少させたコイルを適用した積層型バルントランスを例示したが、これに限定されるものではなく、線幅をアンバランス端子側から第1及び第2のバランス端子側に増加させたコイルを適用した積層型バルントランスもこの発明の範囲に含まれることは勿論である。
Claims (3)
- 第1磁性体基板と、この第1磁性体基板上に積層され且つそれぞれが互いに向き合う1次側コイルと2次側コイルとで構成された第1トランス及び第2トランスを内包する積層体と、この積層体上に設けられた第2磁性体基板とを備える積層型バルントランスであって、
上記第1トランスの1次側コイルの一方端をアンバランス端子とすると共に当該1次側コイルの他方端を第1のバランス端子とし、2次側コイルの一方端及び他方端をそれぞれグランド端子とし、上記第2トランスの1次側コイルの一方端を第1トランスの1次側コイルの上記一方端に接続すると共に当該1次側コイルの他方端を第1トランスの2次側コイルの上記他方端に接続し、第2トランスの2次側コイルの一方端を第1トランスの2次側コイルの上記一方端に接続すると共に当該2次側コイルの他方端を第2のバランス端子とし、
上記第1トランスの1次側コイルの線幅が上記一方端側から上記他方端側に向かって増加又は減少するように、当該1次側コイルの形状を設定すると共に、上記第2トランスの2次側コイルの線幅が上記一方端側から上記他方端側に向かって増加又は減少するように、当該2次側コイルの形状を設定した、
ことを特徴とする積層型バルントランス。 - 第1磁性体基板と、この第1磁性体基板上に積層され且つそれぞれが互いに向き合う1次側コイルと2次側コイルとで構成された一のトランスを内包する積層体と、この積層体上に設けられた第2磁性体基板とを備える積層型バルントランスであって、
上記トランスの1次側コイルの一方端をアンバランス端子とすると共に当該1次側コイルの他方端を第1のバランス端子とし、2次側コイルの一方端をグランド端子とすると共に当該2次側コイルの他方端を第2のバランス端子とし、
上記トランスの1次側コイルの線幅と2次側コイルの線幅とが上記一方端側から上記他方端側に向かって増加又は減少するように、当該1次側コイル及び2次側コイルの形状を設定した、
ことを特徴とする積層型バルントランス。 - 第1磁性体基板と、この第1磁性体基板上に積層され且つそれぞれが互いに向き合う1次側コイルと2次側コイルとで構成された第1トランスないし第nトランス(n=3以上の整数)を内包する積層体と、この積層体上に設けられた第2磁性体基板とを備える積層型バルントランスであって、
上記第1トランスの1次側コイルの一方端をアンバランス端子とすると共に当該1次側コイルの他方端を第1のバランス端子とし、上記第nトランスの2次側コイルの一方端をグランド端子とすると共に当該2次側コイルの他方端を第2のバランス端子とし、上記第1トランスないし第n−1トランスの2次側コイルの一方端を第nトランスの2次側コイルの上記一方端に接続し、上記第2トランスないし第nトランスの1次側コイルの一方端を第1トランスの1次側コイルの上記一方端に接続すると共に他方端を前段のトランスの2次側コイルの他方端にそれぞれ接続し、
上記第1トランスの1次側コイルの線幅が上記一方端側から上記他方端側に向かって増加又は減少するように、当該1次側コイルの形状を設定すると共に、上記第nトランスの2次側コイルの線幅が上記一方端側から上記他方端側に向かって増加又は減少するように、当該2次側コイルの形状を設定した、
ことを特徴とする積層型バルントランス。
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